JP3796650B2 - 模擬竹の製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、模擬竹の製造方法及びその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、模擬竹を製造するために次のようなやり方があった。
【0003】
すなわち硬質系の樹脂パイプを先ず成形し、その外周に軟質系の樹脂を被覆し節部の形状を形成させるように機械的な方法で隆起させる方式である。
【0004】
しかしこの方式では、節部をはじめとして全体的に単純な形状にしか形成できず、天然の竹ではなく人工の竹だと一目で見分けがついてしまうという問題があった。
【0005】
また、その他のプレス方法で形成するやり方でも、人工の竹だと一目で見分けがついてしまう程度のものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、従来よりも天然の竹に近い形状の模擬竹を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
▲1▼ この発明の模擬竹の製造方法は、押出金型より押し出された溶融樹脂を規制して冷却すべく天然竹の外周形状が刻設された複数個の成形金型が樹脂と共に引き取り方向に移動し、前記樹脂が固化した後に前記成形金型は開放され、開放された成形金型は再度溶融樹脂を規制すべく回帰してくるようにしたことを特徴とする。
▲2▼ またこの発明の模擬竹の製造装置は、押出金型より押し出された溶融樹脂を規制して冷却すべく天然竹の外周形状が刻設された複数個の成形金型を具備し、前記成形金型は樹脂と共に引き取り方向に移動し、前記樹脂が固化した後に前記成形金型は開放され、開放された成形金型は再度溶融樹脂を規制すべく回帰してくるようにしたことを特徴とする。
【0008】
天然の竹の節部は筒状部(節と節の間)から外方に突出しているので従来は予め成形した基体パイプ上に後加工(二次加工)で軟質樹脂を節形状に膨出形成するしかなかったが、この発明では、押し出された溶融樹脂を規制して冷却すべく天然竹の外周形状が刻設された複数個の成形金型が樹脂と共に引き取り方向に移動するようにしたので、天然竹の外周形状が刻設された成形金型によって模擬竹の形状を付与することができる。
▲3▼ 天然竹の節部の形状は成形金型同士の隣接する位置に刻設されたこととしてもよい。
【0009】
このように構成すると、成形金型同士の隣接する位置にできるパーティングラインを節部に重ねて目立ちにくくすることができる。
▲4▼ 複数個の成形金型はループ状に配設されたこととしてもよい。
▲5▼ 樹脂が固化した後に成形金型は復帰機構により開放分割されて元の位置に戻るようにしたこととしてもよい。
【0010】
このように構成すると、成形金型をループ状に配設するのと比較して成型金型の数を少なくすることができて装置を全体的にコンパクトにすることができ、設備コストを安価とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1乃至図5に示すように、この実施形態の模擬竹の製造装置は、押出機1の押出金型2(この実施形態ではダイス)から押し出された筒状の溶融樹脂を規制して冷却すべく、天然竹の外周形状が刻設された複数個(この実施形態では4個)の成形金型3を具備する。なお外層用の押出機4(図4参照)を併用し、模擬竹の外周に天然の竹のような色彩を同時に付するようにしてもよい。
【0012】
前記成形金型3として、天然の竹の複数の節部の形状が内周に刻設形成された冷却金型を用いている。この冷却金型は、天然竹の一節毎に交互にあるタテ方向の溝5(図5参照、裏側の溝5は破線で示す)をも形成されるような内周形状に形成している。冷却金型を複数個用いることにより、天然竹の節部の交互の溝形状を形成することが可能となる。
【0013】
冷却金型は、真空吸引方式を採用して水冷で冷却するようにしている。図1の右から2つ目の成型金型3の上下の真空吸引パイプP内の太めの矢印は、真空吸引状態を示す。なお、真空吸引方式の代わりに内圧(エアブロー)方式としてもよい。使用する樹脂としてはABS樹脂、PP樹脂、PVC樹脂その他の押出し可能な熱可塑性樹脂及びこれらの再生ペレットであれば硬質系か軟質系かを問わず適用できる。
【0014】
そして、押出金型2から押し出された溶融樹脂への外気等の影響を排除した態様で成形金型3に導く。このため、押出金型2の出口と成形金型3の入口との間に空間ができないように構成している。
【0015】
4個の成形金型3は駆動モータMにより起動され、ギアー6の噛み合わせにより押出機1の樹脂の押出しスピードと同調させて引き取り方向に前進させるようにしている。
【0016】
前記成形金型3は樹脂と共に引き取り方向に移動し、前記樹脂が固化した後に前記成形金型3は復帰機構7により開放され2分割されて、開放された成形金型3は再度溶融樹脂を規制すべく元の位置に回帰してくるようにしている。
【0017】
前記復帰機構7は駆動モータMによりボールネジ8が駆動され、エアシリンダー9を介して連結されたマグネットのチャッキング10が成形金型3を把持して元の位置に戻すようにしている。前記ボールネジ8の他に、エアシリンダー(図示せず)を用いることもできる。
【0018】
次に、この実施形態の模擬竹の製造装置の使用状態を説明する。
【0019】
4個の成形金型3が樹脂と共に引き取り方向に移動し、前記樹脂が完全に冷却固化した後に前記成形金型3は開放され(樹脂は型離れする)、開放された成形金型3は再度溶融樹脂を規制すべく回帰してくる。なお回帰してきた成形金型3は溶融樹脂への外気等の影響を受ける空間ができないように待機状態とし、前の成形金型3が移動し次第押出金型2に追随するようにしている。
【0020】
上記の通り、押し出された溶融樹脂を規制して冷却すべく天然竹の外周形状が刻設された複数個の成形金型3が樹脂と共に引き取り方向に移動するようにしたので、従来よりも天然の竹に非常に近いリアルな形状外観の模擬竹を製造することができる。また従来のような二次加工の必要はなく、成形スピードを速くしコストダウンが図れる。
【0021】
なお樹脂が固化した後に成形金型3は復帰機構7により開放分割されて元の位置に戻るようにしており、成形金型3をループ状に配設(実施形態3参照)するのと比較して装置を全体的にコンパクトにすることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2を実施形態1との相違点を中心に説明する。
【0022】
図6に示すように、成形金型3の冷却金型はエアー栓11を使用した内圧(エアーブロー)方式としている。
【0023】
そして、成形金型3は押出された樹脂と同調して前進しつつ冷却を行ない、冷却後に前記成形金型3は開放されて押出し口に戻り、戻ると成形金型3は閉塞して同じ動作で前進を開始し、順次この動作を繰り返し連続して模擬竹の成形を行う。
【0024】
この実施形態では、天然竹の節部の形状は成形金型3同士の隣接する位置(冷却金型の両端部)に刻設しており、パーティングラインを節部に重ねて目立ちにくくすることができるという利点がある。
(実施形態3)
次に、実施形態3を上記実施形態との相違点を中心に説明する。
【0025】
図7に示すように、複数個の成形金型3はキャタピラーのようにループ状に配設しており、実施例2と同様に内圧(エアーブロー)方式でサイジングするようにしている。なお、内圧方式の代わりに真空吸引方式としてもよい。
【0026】
【発明の効果】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
【0027】
天然竹の外周形状が刻設された成形金型によって模擬竹の形状を付与することができるので、従来よりも天然の竹に近い形状の模擬竹を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の模擬竹の製造装置の実施形態1を説明する図。
【図2】図1の模擬竹の製造装置の正面図(模擬竹は省略)。
【図3】図1の模擬竹の製造装置の一部を省略した側面図(模擬竹は省略)。
【図4】図1の模擬竹の製造装置の平面図(模擬竹は省略)。
【図5】天然竹の一節毎に交互にあるタテ方向の溝を説明する図。
【図6】この発明の模擬竹の製造装置の実施形態2を説明する図。
【図7】この発明の模擬竹の製造装置の実施形態3を説明する図。
【符号の説明】
2 押出金型
3 成形金型
7 復帰機構
Claims (5)
- 押出金型より押し出された溶融樹脂を規制して冷却すべく天然竹の外周形状が刻設された複数個の成形金型が樹脂と共に引き取り方向に移動し、前記樹脂が固化した後に前記成形金型は開放され、開放された成形金型は再度溶融樹脂を規制すべく回帰してくるようにしたことを特徴とする模擬竹の製造方法。
- 押出金型より押し出された溶融樹脂を規制して冷却すべく天然竹の外周形状が刻設された複数個の成形金型を具備し、前記成形金型は樹脂と共に引き取り方向に移動し、前記樹脂が固化した後に前記成形金型は開放され、開放された成形金型は再度溶融樹脂を規制すべく回帰してくるようにしたことを特徴とする模擬竹の製造装置。
- 天然竹の節部の形状は成形金型同士の隣接する位置に刻設された請求項2記載の模擬竹の製造装置。
- 複数個の成形金型はループ状に配設された請求項2又は3記載の模擬竹の製造装置。
- 樹脂が固化した後に成形金型は復帰機構により開放分割されて元の位置に戻るようにした請求項2又は3記載の模擬竹の製造装置。
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