JP3796624B2 - 印刷インキの排出機構を装備したコンテナ - Google Patents

印刷インキの排出機構を装備したコンテナ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として非ニュートン物質である高粘度の粘稠物である、印刷インキを充填・貯蔵しているコンテナから該印刷インキを排出するために、印刷インキに流動性を付加する粘度調整装置を装備した、印刷インキの充填・貯蔵・輸送・供給に使用されるコンテナの構造に関する技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンテナに充填された高粘度の粘稠物である印刷インキを納入先で、該コンテナから排出する際、該コンテナを数日間放置した場合や、冬期の低温期には、コンテナに充填されている印刷インキは、チキソトロピーの性質上、固化した状態になり、コンテナから排出されにくく、排出には長時間を要し、しかも十分には排出できず、その結果としてコンテナ内には残留量が多くなり、高粘度印刷インキの製造・供給企業はその対策に苦慮していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
印刷インキは、その種類や濃度によってその非ニュートン性を著しく変える特性を有しているので、印刷インキの製造工場において、コンテナに充填・貯蔵して納入先の貯蔵タンク等に該印刷インキをコンテナから排出し納品する際に、全量を短時間に排出することができなかった欠点を解決しようとするのが本発明の解決課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
印刷インキを充填・貯蔵するコンテナの底内部にスクリュー及び又はリボン状のスクリューを設け、該スクリュー及びまたはリボン状のスクリューを作動させて、コンテナ内の高粘度の粘稠物である印刷インキを攪拌することにより、流動性を付加し該印刷インキを常に流動性のある状態及びコンテナ底部にある排出口に内容物を円滑に送り込み得る状態とする機構により、前記課題を解決するための手段とした。
【0005】
【発明の実施の形態】
第1項の発明は、印刷インキを充填するコンテナの底内部にスクリューを設け、該スクリューの一端は、該コンテナの排出口方向へ充填されている印刷インキの流れを繋げ、他端を該コンテナ側外部において、該スクリューを回転作動させる動力モータに連携させる構造として実施する。
【0006】
該コンテナに充填・貯蔵されている印刷インキは、印刷インキ工場で充填・貯蔵された当初は流動性を保持しているが、印刷工場の納入先で排出までに日数を経ている場合、又は、冬期の低温期の場合は、固化しているので、納入先で実際に内容物を排出するとき、該スクリューの回転作動を開始し、コンテナ内の印刷インキに流動性を付加し、同時に排出口に向かって内容物の流れを繋げる。納入先での印刷インキを受入側の貯蔵タンク等への送込には、該コンテナの排出口に吸引ポンプを接続して印刷インキを吸引搬送するので、排出口を開くと、容易にコンテナ内の印刷インキを受入れ側貯蔵タンクへの納入が短時間で可能になる。
【0007】
納入先の印刷工場では、黄・赤・青・黒等、数色の印刷インキが充填されているコンテナを直接印刷機等への供給ポンプに接続している場合、コンテナ内部のスクリューの回転作動により常時該コンテナ内容物に流動性を保持させることが可能である。例えば、数日間の印刷休業の休止があっても,該スクリューの回転作動を行えば、休止前と同様な印刷作業を容易に再開できる。
【0008】
第2項の発明は、第1項記載の発明において、コンテナの底内部に設けるスクリューの大半を案内円筒形状のケーシング又は該ケーシングの前後を切欠したケーシング、若しくは該ケーシングの前後部の上下又は側部に複数の円形又は楕円形の穿欠部を設けたケーシングでスクリューを覆って実施する。本発明はスクリューの押し出す力を一層発揮させるものであり,殊に超高粘度の粘稠物の印刷インキの排出の効果を一層高めて使用し得ることとなる。
【0009】
第3項の発明は、該コンテナの底内部にリボン状のスクリューを設けて実施するので、充填されている印刷インキは該リボン状のスクリューの回転作動により,流動性付加すると同時に、攪拌作用が大きく、上下層の印刷インキの混ぜ合わせには有効な手段として実施される.また、低消費電力での運転が可能になる。
【0010】
第4項の発明の実施において、該コンテナの底内部にスクリューとリボン状のスクリューを同軸に設けるに際し、内側にスクリューを、外側にリボン状のスクリューを同軸に設けた複合型の構造として実施する。印刷インキの超高粘度の粘稠物に対しても流動性を付加すると同時に、一層の排出効果を与えるには極めて有効な手段として実施される。
【0011】
第5項の発明は、該コンテナの底内部にスクリューとリボン状のスクリューの回転軸を平行の二段として実施する。スクリューの回転軸を下側に設け、リボン状のスクリューの回転軸を上側に設けたことを特徴とした回転軸を上下二段に設けた機として実施する。
【0012】
【実施例1】
添付図面、図1〜図6はいずれも本発明に係るコンテナの内部を透視した状態の構造説明図である。第1項の発明の実施を図面に基づいて説明する。図1において、1はコンテナ、2はスクリュー、3はスクリュー回転軸、4はスクリュー2の回転軸3を回転作動する動力モータ、5は,内容物の排出口、6はコンテナ1における印刷インキの充填入口である.印刷インキの高粘度の粘稠物をコンテナ1の入口6から注入し充填を完了する。該コンテナを納入先へ輸送する。コンテナ排出口5に吸引排出ホースの一端を接続し、該ホースの他端を納入先の貯蔵タンク注入口へ接続する。コンテナの動力モータ4が回転作動を開始し、スクリュー2の回転軸3を回転始動する。コンテナ1の内容物の印刷インキはスクリュー2の回転作動により攪拌されているので流動性を帯びると共に、該スクリュー2の回転作動により、コンテナ排出口5に向かって印刷インキに押し出す力が働く。排出口5を開くと、該コンテナ内容物の印刷インキは、全量を短時間で排出できる。更に、納入前の印刷インキ製造工場等に保管されている間に、コンテナ1のスクリュー2を回転作動させることにより、さらなる流動性を該内容物に付加することができ、コンテナからの排出をより容易にすることができる。また印刷機などへの供給ポンプを直接該コンテナに接続した場合も、スクリュー2の回転作動を継続することにより、コンテナ内容物の印刷インキに流動性を付加し、容易に印刷機等へ印刷インキを供給することができる。
【0013】
【実施例2】
第2項の発明の実施を図面に基づいて説明する。第1項記載の発明の実施においてスクリュー2をケーシング7でカバーして実施するもので、第2図に示す通りの構造である。該ケーシング7は前後部の周辺の上下部に穿欠部9a,9bを設け、スクリュー2の後部の穿欠部9aから該印刷インキが入り、スクリュー2の作用で前部に押し出され、前部の穿欠部9bから押し出され、該印刷インキはコンテナ1内で循環・攪拌される。該ケーシング7の穿欠部9a,9bは円形又は楕円形状の穿欠部である。又は、該穿欠部に替え、ケーシング7の前後部を切欠して短くし、該切欠部から印刷インキの流入・流出を誘導して実施することもできる。ケーシング7の装備によりスクリュー2の押出す力が強く働くので、印刷インキの排出に使用する場合には最適である。印刷インキは穿欠部9aからケーシング7内へ押入れられ、該ケーシング7内の印刷インキはスクリュー2の回転作用で、該ケーシング7内に強い押出し力を付加し、穿欠部9bから強力に押出される。
【0014】
【実施例3】
第3項記載の発明の実施例を図3によって説明する。第1項記載のコンテナにおけるスクリュー2に替え、コンテナ1の底内部にリボン状のスクリュー8を設けた構造である。第1項及び第2項の発明で実施するスクリュー2と比較し、押出し作用は小さいが、攪拌作用は大である。コンテナ1内の印刷インキ上下層の混煉、流動性の付加を主目的にした低消費電力運転の効果を顕著に発揮する。
【0015】
【実施例4】
第4項の発明の実施例を図4によって説明する。コンテンナ1内の底内部に設けるける回転軸3にスクリュー2とリボン状のスクリュー8とを同軸に装備した複合型の構造として実施する。スクリュー2の押出し力と、リボン状のスクリュー8の攪拌力とを兼ね合わせ持つ装置として、超高粘度の粘稠物である印刷インキへの流動性の付加と均一攪拌効果の付加の効果は大である。
【0016】
【実施例5】
第5項の発明の実施例を図5によって説明する。第5項の発明は、コンテナ1内の底内部に設けるスクリュー2の回転軸3を下側に設け、リボン状のスクリュー8の回転軸10を上側に設け、上下段に別個の回転軸とする2軸の複合型構造で粘性と流動性を調整実施する。いかなる種類の超高粘度の印刷インキにも対応が可能である。
【0017】
【発明の効果】
第1項、第3項、第4項及び第5項の発明に係る構造の形態においての実施ではスクリューの作用により、コンテナ内に充填・貯蔵する超高粘度の印刷インキに流動性と、排出口に向かっての流動性を同時に付加させ得る。即ち、スクリューの回転の効果は、該タンクに充填されている印刷インキを押出す作用が大であり、排出口を開き、該充填されている印刷インキを排出するときは、確実に全量を短時間で該コンテナからの排出を可能とした効果は大である。
【0018】
第3項〜第5項の発明の形態においての実施では、リボン状のスクリューの作用により、コンテナ内に充填・貯蔵する印刷インキに流動性を付加すると共に、攪拌作用を伴った均一な練合わせの効果が大である。従って、複数種類印刷インキを均一な品質に混練する際には、絶大なる効果を発揮する。
【0019】
第4項及び第5項の発明においては、スクリューとリボン状スクリュー両者を装備しているので、両者の相乗効果により、充填印刷インキに付加される押出し、攪拌,練合わせ等の作用・効果が同時に一体的に現れ、非ニュートン物質であるる印刷インキへの流動性の付加と均一性の攪拌効果が大となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1項の発明に係る構造の正面図。
【図2】第2項の発明に係る構造の正面図。
【図3】第3項の発明に係る構造の正面図。
【図4】第4項の発明に係る構造の正面図。
【図5】第5項の発明に係る構造の正面図。
【図6】第1項の発明に係るコンテナの側面図。
【符号の説明】
【0021】
1.・・・コンテナ
2.・・・スクリュー
3.・・・スクリュー又はリボン状のスクリュー回転軸
4.・・・スクリュー回転モータ
5.・・・印刷インキの排出口
6.・・・印刷インキの充填入口
7.・・・案内円筒形ケーシング
8.・・・リボン状のスクリュー
9a.・・・ケーシングの穿欠部(IN)
9b.・・・ケーシングの穿欠部(OUT)
10.・・リボン状のスクリュー回転軸

Claims (5)

  1. 印刷インキを充填・貯蔵するコンテナの底内部にスクリューを設け、該スクリューの回転軸の一方の端は、該コンテナの出口方向へ該インキの流れを繋げ、他端を該コンテナの外側部において該スクリューを回転作動させる動力モータに連携させる、印刷インキの排出機を装備したコンテナ。
  2. 請求項1に記載したコンテナにおいて、コンテナの底内部に設けるスクリューの大半を案内円筒形状のケーシング、又はその前後を切欠したケーシング、若しくは該ケーシングの前後部の上下及び又は側部に円形又は楕円形の穿欠部を設けたケーシングで覆ったことを特徴とする、印刷インキの排出機を装備したコンテナ。
  3. 印刷インキを充填・貯蔵するコンテナ底内部にリボン状のスクリューを設け、該リボン状のスクリューの回転軸の一方の端は、該コンテナの出口方向へインキの流れを繋げ、他端を該コンテナの外側部において該リボン状のスクリューを回転作動させる動力モータに連携させる、印刷インキの排出機を装備したコンテナ。
  4. 印刷インキを充填・貯蔵するコンテナの底内部に同軸に内側にスクリューを、外側にリボン状のスクリューを設け、回転軸の一方の端は、該コンテナの出口方向へインキの流れを繋げ、他方を該コンテナの外側部において該軸を回転作動させる動力モータに連携させる、印刷インキの排出機を装備したコンテナ。
  5. 印刷インキを充填・貯蔵するコンテナの底内部にスクリューの回転軸とリボン状のスクリューの回転軸を上下平行の二段とした2軸の印刷インキの排出機を装備したコンテナ。
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