JP3795534B2 - ポリペプチドの特性検査 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、ポリペプチドの特性を調べる方法およびそのようなポリペプチドを同定しさらに分析する方法に関する。
発明の背景
ポリペプチドの複雑な混合物、例えば生物系で見出されるタンパク質サンプル中のポリペプチドの特性を調べ、これを同定するおとは、生化学では周知の難題である。伝統的な方法は、多様な液相分画およびクロマトグラフィー工程、その後の例えば二次元ゲル電気泳動のような特性の調査を必要とする。そのような方法は、人為結果を生じやすく本来時間を要する。さらにそのような方法の自動化は極めて困難である。
特許出願PCT/GB97/02403号明細書(1997年9月5日出願)には、cDNA集団中の各cDNAの“識別特性(signature)”を作製するために当該集団の概要を決定する(profiling)方法が記載されている。この方法では、固定リファンス点と定めた約8bpの短い配列がほぼ全ての遺伝子を同定するために十分であると仮定されている。このシステムは、cDNA集団をその3'末端で固定し、それを制限酵素で切断することによって実施される。これによって3'制限フラグメント集団が生じる。この特許は、制限部位から特定の塩基数を有するおおよそ8〜10塩基対の識別特性を決定することを可能にする技術を説明する。この制限部位は、ほぼ全ての遺伝子を同定するために十分な識別特性である。
タンパク質の概要決定技術(いうなれば組織中のタンパク質の個々の性質および量に関するカタログ作成技術)は、自動化または高効率化ということでは開発が遅れている。タンパク質集団の概要決定に関する古典的な方法は二次元電気泳動によるものである。この方法では、生物学的サンプルから抽出されたタンパク質サンプルは細長いゲル片上で分離される。この第一回目の分離では、タンパク質は通常その等電点を基に分離される。続いてこのゲル細片全体を長方形のゲルの一端に対抗して置く。細片上の分離されたタンパク質を続いて第二のゲル上でそれらのサイズを基に電気泳動によって分離する。この技術は時間を要し、自動化は極めて困難である。この方法はまた最も単純な具体例では比較的感度が低い。二次元ゲル電気泳動によるタンパク質の分離度を高め、この系の感度を改善するために多くの改良がなされてきた。二次元ゲル電気泳動の感度および分離度を改善する方法の1つは、ゲル上の個々のスポットのタンパク質を質量分析法によって分析することである。そのような方法の1つは、ゲル内トリプシン消化を行い、その後にトリプシン消化フラグメントを質量分析法によって分析してペプチドの質量フィンガープリントを作成することである。配列情報を必要とする場合、縦列式(tandem)質量分析法を実施することができる。
より最近では、液体クロマトグラフィーまたは毛細管電気泳動によって分画された完全なタンパク質を分析する質量分析法を開発する試みがなされている。毛細管電気泳動質量分析法を用いる一列式(in-line)システムが検討されている。質量分析法による完全なタンパク質の分析は、しかしながら多くの問題を抱えている。第一の問題は、個々のタンパク質がアクセスすることができる多様なイオン化状態から生じる複雑なマススペクトルの分析である。第二の大きな欠点は、質量分析の質量分離度が現在のところ高分子量種、即ち質量が約4キロダルトンより大きいイオンについて極めて貧弱であり、質量が近接するタンパク質の分離が困難であるということにある。第三の欠点は、縦列式質量分析による完全タンパク質の更なる分析は、完全タンパク質のフラグメント化パターンが極めて複雑であるために困難であるということである。
発明の要旨
本発明は以下の工程を含むポリペプチドの特性を調べる方法を提供する。即ち、
(a)1つまたは2つ以上のポリペプチドの集団を有するサンプルを、ポリペプチド鎖内の特定のアミノ酸残基または配列を認識することが分かっている切断剤で処理してペプチドフラグメントを生成し;
(b)C末端のみまたはN末端のみの何れかを含むリファレンス末端を一端に有し、他端にリファレンス末端の遠位に切断部位を有するペプチドフラグメントの集団を単離し;さらに
(c)単離フラグメントの少なくともいくつかの識別特性配列(この識別特性配列は、切断部位から始まる所定数のアミノ酸残基の配列である)を決定することを含み;
識別特性配列およびリファレンス末端に対する切断部位の相対的位置によってポリペプチドまたは各ポリペプチドの特性を決定する。
したがって、本発明は、PCT/GB97/02403号明細書で開示された系と類似するが、タンパク質に関してそれを使用することについて述べる。タンパク質を構成する20個のモノマーが存在するので、配列内の特定の部位について極めて多くの可能な変種が存在し、それゆえタンパク質配列で要求される識別特性の長さは、それを同定するためにcDNAで要求される識別特性よりもはるかに短い。
本発明は、液相分離技術および質量分析法を用いてタンパク質およびタンパク質フラグメントを解析することができ、これによって、自動化を促進し、さらに人為結果、固有の工程の遅さおよびゲルを用いる技術(例えば二次元ゲル電気泳動)の自動化の欠如を回避できる。
ポリペプチドまたはそのペプチドフラグメントの集団を固定化するために、リファレンス末端を固相支持体に結合させることができる。ポリペプチドの集団は切断剤で処理する前に固定されるのが好ましい。このようにして、切断剤での処理に際して生じたペプチドフラグメントは固定された状態を維持し、液相に存在する所望しない物質を洗い去ることによって容易に単離することができる。固相支持体は、適切なビーズまたは当技術分野で周知のそのような他の支持体を有することができる。そのような支持体または基体(substrate)は、N末端またはC末端のいずれかに選択的に結合させるために選択できる。このことを下記でさらに詳細に検討する。
ある態様として、リファレンス末端は以下のように固相支持体に結合させられる。(i)ポリペプチドをブロッキング剤で処理して露出したリファレンス基(これはカルボキシル基または第一アミン基のいずれかを含む)を全てのブロックし;(ii)リファレンス末端アミノ酸を切断して未ブロックのリファレンス末端を露出し;さらに(iii)この未ブロックのリファレンス末端を固相支持体と接合することができる固定化剤で処理し、上記工程(b)が処理済みリファレンス末端を固相支持体と結合させ、未結合ペプチドフラグメントを除去することを含む。また他の態様として、該方法は、(i)ポリペプチドをブロッキング剤で前処理して露出したリファレンス基を全てブロックしてその後にサンプルを切断剤で処理して未ブロックのリファレンス末端を有するペプチドフラグメントを生成することによって工程(a)のサンプルを調製し;(ii)この未ブロックのリファレンス末端をビオチン付加し;さらに(iii)未ブロックのリファレンス末端を含むペプチドフラグメントを固相支持体に結合させることを含み、上記工程(b)がそれから溶出する未結合ペプチドフラグメントを有する。固定化剤はビオチン付加剤を含むのが好ましい。
切断剤は、特定のアミノ酸残基またはアミノ酸配列を信頼性をもって認識しなければならない。切断部位は、特定のアミノ酸残基もしくは配列部位またはその既知置換部位であろう。切断剤は、臭化シアンのような化学的切断剤でもよい。切断剤はペプチダーゼ、例えばセリンプロテアーゼ、好ましくはトリプシンであるのが好ましい。
下記でさらに詳細に検討するように、任意のサンプル中のタンパク質またはポリペプチドの数にしたがって、ポリペプチドを扱いやすい副集団に分類するのが有利であろう。分類はサンプルを切断剤で処理する前または切断後に行うことができる。下記でさらに詳細に検討するように、工程(a)のサンプルは亜細胞分画(sub-cellular fraction)を含むことができる。このように、この方法はさらに工程(a)の前に亜細胞分画化の工程を含む。工程(a)のサンプルは、粗分画または亜細胞分画のいずれかの液体クロマトグラフィーによって調製できる。識別特性配列を決定する好ましい方法は質量分析法によるものであり、この前にペプチドフラグメントを分解する高速液体クロマトグラフィー工程を行うことができる。また、ペプチドフラグメントを、工程(c)の前にイオン交換クロマトグラフィーに付し、その後に質量分析法または他の方法によって配列を決定してもよい。
本発明の方法にしたがえば、識別特性を構成するのに必要な所定数のアミノ酸残基は、ポリペプチド集団の大きさによって変動するであろう。アミノ酸残基の所定数は3〜30であるのが好ましく、より好ましくは3〜6である。
本発明は、被験サンプル中のポリペプチドを同定する方法をさらに提供する。この方法は、上記のようにポリペプチドの特性を決定し、被験サンプル中のポリペプチドまたは各ポリペプチドを同定するために、その識別特性配列およびそれによって得られた切断部位の相対的位置を既知のポリペプチドの識別特性配列および切断部位の相対的位置と比較することを含む。本法は、ただ1つの未知ポリペプチドまたは未知ポリペプチド集団の特性(即ちそれらの識別特性配列および切断部位の相対的位置)を以前に同定したポリペプチドの特性と比較することによって、ただ1つの未知ポリペプチドまたは未知ポリペプチド集団を同定するのに用いることができる。そのような特性のデータベースは容易に編集できることが想定される。
さらなる面において、本発明は、被験サンプル中の1つまたは2つ以上の特定のポリペプチドをアッセイする方法を提供する。この方法は上記方法を実施することを含み、切断剤および切断部位の相対的位置は予め定められており、切断部位から始まるアミノ酸残基の所定の配列をアッセイすることによって識別特性配列を工程(c)で求める。切断部位および識別特性配列は、対応する配列を1つまたは2つ以上の既知の標的ポリペプチド、例えばデータベースから入手できるようなものから選択することによって、予め決められるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
実施例を用い以下の図面を参考にして、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の態様の反応スキームを示す。
図2は、本発明の別の態様の反応スキームを示す。
図3は、本発明の簡単な態様の反応スキームを示す。
図4は、図1に示した態様の変形例の反応スキームを示す。
発明の簡単な説明
タンパク質の識別特性:
本システムの本質は、タンパク質の集団を固相基体上にその分子の1方の末端で固定できるということである。タンパク質は方向性を有するので、固定化剤の化学的特性に依存する態様で特定の末端を選択できる。例えばエドマン試薬(フェニルイソチオシアネート)は、タンパク質のN末端からアミノ酸を除去するために選択的に用いることができる。しかしながら、フェニルイソシアネートを用いる場合、N末端は簡単に覆うことができる。固相基体上の切断可能なリンカーに接合させることができるこの分子の誘導体は、タンパク質をそのN末端で固定し、続いてリンカーを切断することによって除去することが可能であろう。ペプチド合成中は、C末端は、クロロメチル基を使用することによって通常はベンジルエステルとして固定される。そのような化学的特性は、所望であれば、この末端でタンパク質を固定できるように修飾することができる。
固定タンパク質の集団を続いて配列特異的ペプチダーゼ、例えばトリプシンで処理し、N末端切断フラグメント集団が得られる。そのようなフラグメントは、あるタンパク質のための発現される配列タグと類似すると考えられる。続いて、得られたペプチドの識別特性の配列を質量分析によって決定できる。末端フラグメントは、得られたペプチド全体の当該タンパク質における位置が分かっているということ、および末端は通常ほとんどのタンパク質の表面でアクセス可能であるということで極めて大きな意義を有する。
タンパク質の分類:
細胞から抽出されたタンパク質の集団は、異なる種を膨大な数で含むのは明らかであろう。平均的ヒト細胞で発現される遺伝子はおよそ15000遺伝子であると考えるならば、同じように多くのタンパク質が存在すると考えられる。単一工程でこれら全ての配列を決定することは現在の技術では明らかに不可能である。このためそのように大きなタンパク質集団は取り扱い可能なサブセットに分類する必要がある。
タンパク質の概要決定のために普遍化されたシステムでは、比較的均一なサイズの無理なく分断されたサブセットにタンパク質集団を分けなければならない。これは、タンパク質の球状特性に基づく分離によって極めて容易に達成できる。タンパク質の球状特性は、二次元ゲル電気泳動で極めて効果的に用いられる特性であり、例えばサイズおよび表面荷電などに広く連続的な範囲にわたって変化する。そのような分離は、液体クロマトグラフィーを用いる場合のように迅速にまたはそれより速く達成できる。液体クロマトグラフィー系でははるかに多くの融通性があるので、実際その後で1回の液体クロマトグラフィーさらにまた別の液体クロマトグラフィーを伴うことによって、必要とするだけ多くの次元でタンパク質を分けることができる。しかしながら、理想的にはサンプルロスを防ぐために多過ぎる分離工程は避けるべきであろう。
分類は、タンパク質の供給組織からタンパク質を抽出する時、抽出後または固定ペプチドの切断後に実施できる。
細胞分画時の分類:
タンパク質は、細胞内で区分されているという意味で本来インビボで分類されている。タンパク質の細胞内区画を基にそれらを分類するために利用可能な種々の技術がある。分画プロトコルは種々の細胞溶解技術、例えば超音波、洗剤または機械的細胞溶解を伴うが、これらは様々な分画技術、主に遠心沈澱と組み合わせることができる。膜タンパク質、細胞質ゾル性タンパク質および主要な膜結合性亜細胞区画、例えば核及びミトコンドリアへの分離が標準的作業である。したがって、所望の場合にはある種類のタンパク質を効率的に無視することができる。例えば、ミトコンドリアタンパク質は、おそらく多くの事例で興味の対象ではないであろう。膜、細胞質ゾルおよび核区画は全体的にみて特に興味をもたれるものであろう。
抽出後の分類:
タンパク質は非常に不均一な分子であるので、タンパク質分離の多様な具体例において液体クロマトグラフィーを用いながら、サイズ、疎水性、表面電荷および上記の種々の組み合わせを基にしてタンパク質分離用の多くの技術を利用することができる。分離は、種々の官能基で誘導化された固相マトリクスの分類によって実施できる。これらの固相マトリクスは、上記の特性に基づいてタンパク質をカラムに吸着させ、それによってカラムを通るタンパク質流を鈍化させる。分子を、固相マトリクスへの吸着を促進させる条件下でそのようなカラムに通常充填し、さらに溶出を促進する第二の緩衝液の量を着実に増加させながら選択的に洗い流す。このようにして、あるマトリクスとの相互作用が最も弱いタンパク質が最初に溶出する。
液体クロマトグラフィーについては種々の様式があるが、最大の処理速度で且つ分離が最良のものは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)である。この様式では、マトリクスは圧縮性が顕著に低く、さらにマトリクスを誘導化したとき極めて高圧でクロマトグラフィー分離を実施することができる(これによって迅速で良好な分離が促進される)ようにデザインされている。
切断ペプチドの分類:
液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)は改良が進んだ分野である。電気噴霧式(electrospray)質量分析計に直接結合させたHPLC系は広く用いられている。HPLCは、ペプチドが固定状態から切断された後でそれらを解析する迅速で有効な方法である。
また、イオン交換クロマトグラフィーによるペプチド分類は、短いペプチドがほぼ配列依存性の態様で分離できるという点で有利であるかもしれない。すなわち、イオン化可能なアミノ酸は既知のpKa値を有し、したがってそのようなカラムから特定のpHで遊離することは、当該配列内に特定のアミノ酸が存在することを示唆するであろう。例えば、アスパルテート残基はpKaが3.9であり、グルタメート残基はpKaが4.3である。pH4.3でのペプチドの溶出は、ペプチド内にグルタメートが存在することを示唆する。これらの作用は大きなタンパク質でしばしば隠されるが、短いペプチドでは明瞭で、したがって特色を分類する場合には極めて有用である。
上記の技術を組み合わせることによって、得られるタンパク質プロフィールの形態を大きく制御できる種々の分類プロトコルの開発が可能になるであろう。このようにして、細胞内で発現されるほとんどのタンパク質の同定が達成できるであろう。
質量分析法によるペプチドの配列決定:
ペプチドは縦列式質量分析法によって直接的に容易に配列を決定できる。一般に、ペプチド混合物は電気噴霧(これによってペプチド混合物を蒸気相中に留まらせる)によって質量分析計に注入される。第一の質量分析計は、ペプチドの質量電荷比を基にして第二の質量分析計に送りこむフィルター選別分子として作用し、本質的に一度にただ1つの種が第二の質量分析計に入るようにする。第一の質量分析計を出るときに選別されたペプチドは衝突室を通過し、これによってペプチドのフラグメント化がもたらされる。フラグメント化は主にペプチド結合で発生するので、フラグメントのパターンは、元のペプチドを構成する一連のペプチドおよびアミノ酸の亜種と一致する。ペプチドのフラグメント化で生じた単一のアミノ酸、2量体、3量体などの異なる質量パターンは、ペプチドの配列を同定するために十分である。
したがって結論は、タンパク質の集団を、直接配列決定するために、電気噴霧式縦列型質量分析計に注入するために便利な大きさのペプチド集団に任意に分類することができるということである。全細胞タンパク質についてそのような分析を達成することによって、どんなタンパク質がどのような相対量で存在するかに関する概要が示されるであろう。絶対量は、既知量の特定のタンパク質をタンパク質集団に“差し込む(spiking)”ことによって達成できる。この差し込まれるタンパク質は、含有されていないことが分かっているタンパク質であり、例えば動物サンプル中での植物タンパク質またはその逆で、それと比較して結果を計算できる。
タンパク質の識別特性:
本発明は、タンパク質集団内の各タンパク質の一方の末端によってタンパク質の集団を固相基体上に捕捉する方法を提供する。本発明はまた、タンパク質を切断する方法を提供する。該タンパク質は、固相基体上に一方の末端を固定するために用いることができる薬剤で当該末端を誘導化しされている。これによって集団内の各タンパク質についてただ1つのペプチドを固相基体上に捕捉することができ、したがって、選択末端に由来するペプチドを切断工程によって生じた他のペプチドから分離して、これを単離することができる。本発明はまた、各タンパク質のただ1つの末端ペプチドを分析のために溶液中に遊離状態で残したまま、リファレンス末端由来でない切断工程で生じる全てのペプチドを捕捉する方法を提供する。
本発明の方法によって生じたペプチド集団は、多くの方法、好ましくは質量分析法で分析することができる。
2つの分析様式が好ましい。第一のものは、生じた識別特性ペプチドの集団についてペプチド質量のフィンガープリントを決定するものである。この方法では各ペプチドの質量、好ましくは正確な質量が決定される。相当な割合の識別特性ペプチドがこの分析様式によって個々に同定されるはずである。未知の質量ピークはいずれも、好ましい分析の第二の様式によって特性を決定することができる。縦列式質量分析計で解離を誘発する衝突のために特定質量のイオンを選択することができる。この技術を用いてペプチドの配列情報を求めることができる。
ペプチドの捕捉:
本発明は、タンパク質集団の各構成物に由来するただ1つの“識別特性”ペプチドを単離するために、種々の薬剤(現存するペプチド配列決定試薬を含む)を用いてタンパク質の誘導化を利用する方法を提供する。本発明は2種の様式で実施できる。本発明の方法は、リファレンス末端を集団中のタンパク質から選別することを可能にする。第一の様式では、このリファレンス末端は固定化剤で誘導化できる。この態様で誘導化したタンパク質を配列特異的切断剤で処理しペプチドを生成する場合、混合物中の当該タンパク質のリファレンス末端由来のペプチドは特異的に捕捉され、残余のペプチドは溶液中に遊離状態で残される。この第一の様式は“様式1”と冠した以下の節で考察する。第二の様式では、選択したリファレンス末端に由来しないペプチドフラグメントを捕捉し、したがって識別特性ペプチドは溶液中に遊離したままにすることによって各タンパク質につきただ1つのペプチドサンプルが作製される。
様式1
図3に模式的に示したように本発明の最も単純な態様では、タンパク質の集団を、集団中の各タンパク質の一方の末端に特異的な修飾配列決定剤と反応させる。この修飾配列決定剤は、配列決定剤で誘導化したタンパク質を固相支持体上に捕捉することができるように固定化剤を保持する。その後、捕捉したタンパク質を配列特異的切断剤で切断することができる。この切断工程は、一連のペプチドフラグメントを溶液中に生成し、ただ1つのペプチドタンパク質を固相支持体上に捕捉されたままにする。その後、溶液中の遊離ペプチドを洗い流す。その後結合した末端アミノ酸について配列決定反応を完結させることによって、固定ペプチドを固相支持体から遊離させることができる。固定化剤を保持するようにエドマン試薬(フェニルイソチオシアネート)を修飾してもよく、フェニル環を適切な固定化エフェクター、例えばビオチンに連結した基で置換することができる。この試薬で誘導化したタンパク質の集団をトリプシンで切断することができる。その後、この誘導末端ペプチドをアビジン付加固相支持体に固定し、未誘導ペプチドを洗い流す。続いてアビジン−ビオチン反応を破壊することによってペプチドを固相支持体から遊離することができる。これによって、N末端ペプチドが溶液中に遊離した状態で残されるであろう。続いてこれらのペプチドを質量分析法によって分析することができる。所望する場合は質量分析の前にこれらペプチドを分画することができるが、この分画工程は任意である。また、修飾C末端配列決定剤を用いてC末端によってタンパク質を捕捉してもよい。C末端は一般には翻訳後に修飾されていないので、タンパク質集団を捕捉するために好ましい末端であろう。さらに、本発明の態様を以下で考察する。
C末端配列決定剤:
未修飾C末端配列決定剤を用いて識別特性ペプチドを生成できる。本発明のさらに他の態様は以下の如くであり、図1に模式的に示されている。第一の工程では、組織から抽出したタンパク質集団を膜、例えばPVDF膜に緩やかに固定する。組織サンプルからタンパク質を抽出するために用いた溶媒は、一般に非常に激烈であり、タンパク質の可溶性は広範囲に変化するので、通常は尿素、チオウレアおよび洗剤のような薬剤を含む。抽出タンパク質を膜に固定することによって、これらタンパク質を修飾前に他の溶媒で洗浄することが可能になる。続いてこのようにして捕捉されたタンパク質集団をカップリング剤(例えばヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)製のジフェニルホスホロイソチオシアナチデート(Millerら、Techniques in Protein Chemistry VI 219-227))を用いて誘導化する。この場合に用いられる方法は、全てのタンパク質に対してペプチジルアシルイソチオシアネートを生じる、ただ1つのタンパク質の通常の配列決定反応で用いられるものと本質的に同じである。カップリング試薬はまた他の遊離カルボキシル基と反応し、アシルイソチオシアネート誘導体を生じる。しかしながら、カップリング剤はいくつかのカルボン酸側鎖と不完全に反応するかもしれない。したがって、より反応性を有する試薬を用いてさらに付加的誘導工程を実施し、全てのフリーのカルボキシル基を誘導化するのを担保することが望ましい。この変形例は図4に示されている。その後、この誘導タンパク質集団をピリジンで処理し、末端のアシルイソチオシアネート誘導体の閉環を実施する。さらに、トリメチルシラノレート(ヒューレット・パッカード製)のような切断剤を添加してC末端残基を切断できる。トリメチルシラノレートは、各タンパク質の末端アミノ酸を切断し、当該末端アミノ酸のチオヒダントイン−アミノ酸誘導体を遊離する。これによって各タンパク質の最後から2番目の残基のフリーのカルボキシル基が露出される。他の全てのカルボキシル基を誘導することができるので、これによって、5-(ビオチンアミド)ペンチルアミンを用いてビオチンで特異的に誘導することができる。このようにしてビオチンを用いて集団中の全てのタンパク質をそのC末端で誘導することができる。続いてビオチン付加集団(PVDF膜にいまだに存在する)を適切な配列特異的切断剤で処理する。トリプシンは一般に切断部位のN末端側をプロトン付加状態にする(この状態が望ましい)ので、質量分析法を適用する場合には一般にトリプシンが用いられる。トリプシンは塩基性残基の近傍を特異的に切断する。酵素を用いる場合、固定ペプチドは生理学的緩衝液の形態の何らかで洗浄してトリプシンが機能するようにしなければならない。これによって切断ペプチドの集団が得られるが、それらのいくつかはビオチンが付加されPVDF膜から溶液中に脱離される。このビオチン付加ペプチドは、単量体アビジンで誘導化した固相マトリクスを用いて捕捉できる。その後、未固定ペプチドを洗い流し、固定C末端ペプチド集団を得ることができる。これら集団は、集団中のタンパク質を同定するために用いられるタグを有する。フリーのペプチドを洗い流した後、ビオチン/アビジン相互作用を破壊する酸(単量体アビジンがこの目的に最善である)を添加することによって固定タグを固相支持体から遊離させることができる。また、他の態様では、配列特異的切断の前に、ビオチン付加ペプチドをアビジン付加支持体に捕捉させることができる。
N末端配列決定剤:
細胞性タンパク質の大部分のN末端はブロックされている。そのN末端がブロックされていないタンパク質の概要決定のためには、該当するN末端配列決定剤を用いて末端アミノ基を含むアミノ基を誘導化することができる。末端アミノ酸を切断し、新しく露出させた2番目のアミノ酸のアミンを固定化剤で誘導化することができる。その後、ビオチン付加タンパク質を切断し、末端識別特性ペプチドを捕捉して分析することができる。しかしながら、この方法はN末端がまだブロックされていないN末端に限定される。
様式2:
この方法は図2に模式的に示されている。この方法では、カルボキシル残基を誘導化する試薬を用いて、対象のタンパク質集団中のC末端カルボキシル基を含む全てのカルボキシ残基をキャップする。その後、このタンパク質集団をトリプシンまたはペプチド結合で切断する別の配列特異的切断剤で切断して、C末端フラグメントおよびN末端フラグメント上にそれぞれアミノ基およびカルボキシル基を生じる。この段階では、末端ペプチドを除いて全てのペプチド(これらはキャップされている)はフリーのカルボキシルを有する。これらフリーのカルボキシルは5-(ビオチンアミド)ペンチルアミンまたは他の何らかの固定化剤で誘導化できる。ビオチンを用いる場合は、続いて全てのビオチン付加非C末端ペプチドをアビジンで誘導化した固相マトリクスに捕捉できる。質量分析計と一列に連結されているアビジン付加アフィニティーカラムによって、C末端ペプチドが選択的に溶出されて分析のために質量分析計に直接入る。
この技術は、タンパク質の集団のN末端のペプチドタグを作製するためにも同じように用いることができる。N末端のアミン基を含むタンパク質上の全てのアミン基を選択的にキャップするために、アミン基を誘導化する試薬を用いることができる。切断によって非N末端ペプチドのアミンが露出され、これは、ビオチンで誘導化して非N末端ペプチドの選択的捕捉を可能にすることができるであろう。多くのタンパク質がN末端で修飾されるが、N末端アミンにはしばしば試薬がアクセスできないから、これは重要なことである。したがって、非N末端ペプチドの選択的捕捉は、N末端の識別特性を生成する手段である。
アミンおよびカルボキシルを誘導化するためのこれら試薬もまた、配列決定反応で用いられるカップリング剤のために必要なものより単純である。
固定化剤:
誘導ペプチドを多様な化学薬剤で捕捉することができる。本発明の方法に関する考察において、アビジンと高度に特異的に相互作用するため、ビオチンを代表的な固定化剤として選択した。ビオチン以外の他の固定化剤も本発明の方法に適合している。以下はその例であるが、本発明はこれらに限定されない。
ヘキサヒスチジンとのリンカーは、ペプチドタグを配位金属イオン誘導カラムに捕捉させるであろう。抗体または抗原がビオチンではなく2番目のアミノ酸に固定される場合、種々の抗体抗原相互作用も同様に用いることができる。
誘導体に対する抗体:
最も一般的なN末端の修飾はアセチル化である。N末端がアセチル化されたペプチドに対して抗体を作製し、そのような抗体で誘導化したアフィニティーカラムを用いてこれらペプチドを捕捉させることができる。実質的に全てのタンパク質を捕捉するために、未だアセチル化されていないサンプル中の残余のタンパク質をアセチル化剤で誘導化することができる。続いてこの誘導タンパク質をキモトリプシンまたは別の特異的薬剤(トリプシンはタンパク質のアセチル化切断部位を切断しない)で切断できる。適切なマトリクスに固定した抗N末端アセチル化抗体を用いてアフィニティーカラムを生成できる。そのようなカラムを用いて、アセチル化N末端をもつペプチド識別特性をその供給源タンパク質の切断後に捕捉することができる。
C末端ペプチドを捕捉するためには、ペプチドのチオヒダントイン誘導体に対する抗体を作製することができる。この抗体は、トリプシンまたは別の配列特異的切断剤で切断する前に配列決定用カップリング剤で誘導したタンパク質から得たペプチドを選択的に捕捉するために用いることができる。
タンパク質の誘導化:
本発明の方法は誘導化工程を含み、当該工程は、集団中の各タンパク質のリファレンス末端が第一の様式または第二の様式で固定化剤で特異的に誘導化されていることを確認するために、リファレンス末端が固定化剤との反応から特異的にブロックされていることを確認するために必要である。さらなる誘導化工程も実施できる。識別特性ペプチドの分画が質量分析の前に実施されなければならない場合には、これらの工程は望まれるであろう。一切の分画工程に関して考慮しなければならない重要な2つの要素が存在する。これらの要素は、分画工程の分離度と分画に伴う必然的サンプルロスである。
ある種のクロマトグラフィー技術は、ペプチド分離に用いたとき“粘着性”を有する。すなわち、分離マトリクスにサンプルの一部分が保持されるということである。分離マトリクスへの粘着に巻き込まれる基を誘導化することによってこの種のサンプルロスを減少させることが可能である。すなわち、イオン交換クロマトグラフィー分離を用いる場合、イオン性および極性側鎖をそれらの疎水性を増加させる試薬で誘導化し、よってマトリクスへの親和性を低下させることができる。しかしながら、これは分離の度合を低下させる。
識別特性ペプチド集団の分析によって得られる質量スペクトルで各ペプチドにつきただ1つの質量ピークが出現することが望ましい。したがって、これらペプチドにアクセス可能なイオン化状態の数を減少させるために、識別特性ペプチドの極性およびイオン性側鎖を誘導化することが望ましいであろう。この工程は、各識別特性ペプチドにつきただ1つのイオン種の形成を促進させるはずである。
質量分析の感度を高めるために、各識別特性ペプチドに基を添加することもまた望ましいであろう。ペプチドに添加することができる特に好ましい“鋭敏化”基は第三アンモニウムイオンであり、これは優れた検出特性をもつ正荷電物質である。
分類前工程:
この技術を用いて多くの方法で生成されたペプチド集団の概要を決定することができる。ある特徴を基にタンパク質を副分類化するために多様な分画技術が存在する。特に興味深いものはシグナル伝達経路の分析である。キナーゼによるタンパク質のリン酸化は多くのシグナル伝達経路の特徴である。キナーゼによってリン酸化できるタンパク質は、しばしばキナーゼが認識する短いリン酸化モチーフを有する。そのようなモチーフに結合する抗体が存在し、いくつかのものはリン酸化型と結合する一方、他のものは非リン酸化状態と結合する。キナーゼ標的副集団を抗体アフィニティーカラムまたは免疫沈澱に付した後でタンパク質の概要を決定することは、生きたモデル系の時間的解析実験でこれらのタンパク質を同定し、さらに同時にそれらの代謝をモニターする上で極めて興味深い。
多くのタンパク質が複合体として存在し、そのような複合体の分析はしばしば困難である。ある複合体の仮定的構成体であるクローニングされたタンパク質を用いて、アフィニティーカラムを作製し、それと結合する他のタンパク質を捕捉することができる。この概要決定技術は、そのような捕捉タンパク質複合体の分析に極めて適している。適切な翻訳後修飾を有するタンパク質を捕捉することによってシグナル変換または膜局在を分析するための抗体アフィニティーカラムを含むキットが、タンパク質集団の分類前工程として、または配列特異的切断剤によるタンパク質集団の切断後の捕捉工程として考えられる。
クロマトグラフィー技術:
タンパク質の集団からペプチドタグを生成した後、得られたタグを分析することが望ましい。クロマトグラフィーは、質量分析の前のペプチド識別特性集団の分析において任意の工程であるが、用いる質量分析計の構成によっては極めて必要な工程である。タンパク質の概要決定方法におけるいずれのクロマトグラフィー工程でも2つの重要な特色が要求される。即ち高分離度及び最小限のサンプルロスである。解析によって情報が得られ、さらにまた質量分析計に入るペプチドタグ集団の複雑性が減少する。第二の特色は、クロマトグラフィー分離ではサンプルロスが最小であるということである(このことは、集団中に低頻度で存在するペプチドに対しては当該技術の感度は低下するということである)。
タンパク質の誘導化:
ある種のクロマトグラフィー技術は、ペプチド分離に用いるとき“粘着性”を示す。すなわち、サンプルの一部分が分離マトリクス上に保持される。この種のサンプルロスを減少させることは、分離マトリクスへの粘着に巻き込まれる基を誘導化することによって可能である。すなわち、イオン交換クロマトグラフィーを用いる場合、その疎水性を高め、よってマトリクスとの親和性を減少させる試薬でイオン性および極性側鎖を誘導化することができる。この特色は、解析に関する前記要請と均衡させることが必要である。
フリーの自由カルボキシル基を誘導するためにC末端配列決定剤を使用することによって、そのようなペプチドと陽イオン交換樹脂との間の粘着性が減少するであろう。このことは、陽イオン交換クロマトグラフィーはクロマトグラフィー分離工程として利点を有することを示しているかもしれない。
陰イオン交換クロマトグラフィーについても同様な効果を得るために、極めて容易にアセチレートアミン残基を誘導化することができる。
質量分析法によるペプチドの分析:
イオン化技術:
一般的には、ペプチド混合物を電気噴霧またはMALDI−TOFによって注入する(これによってペプチド混合物は蒸気相に残される)。
電気噴霧によるイオン化:
電気噴霧によるイオン化では、生分子の希釈溶液を注入プローブから“微粒化”して(すなわち微細噴霧状態で)質量分析計に注入することが必要である。この溶液は、例えば静電場勾配で針の先端から噴霧される。イオン化のメカニズムは完全には理解されていないが、概ね以下のように作用すると考えられている。静電気場によってプローブの先端で形成された小滴が荷電されて微粒化が促進される。窒素流の中で溶媒を蒸発させる。これによって小滴とともに生分子の濃縮が生じる。ほとんどの生分子が正味の荷電を有する場合、これによって溶解されているタンパク質の静電気反発力が高められる。蒸発が進行するにつれ、この反発力は最終的には小滴の表面張力よりも大きくなり、小滴は“爆発”してより小さな小滴になる。静電場は、荷電を有する小滴の表面張力をさらに克服するのを助ける。さらに小さな小滴から蒸発が進行し、この小滴は順次繰り返し爆発し、生分子は本質的に全ての溶媒と同じように蒸気相になる。
気圧化学的イオン化:
ペプチド分析用LCMSで使用するために適したイオン化技術は、気圧化学的イオン化(APCI)である。これは電気噴霧を基にした技術で、この場合イオン化室は修飾され放電電極を含むが、この放電電極は浴ガスをイオン化するために用いることができ、この浴ガスは順次気化サンプル分子と衝突させてサンプルのイオン化を増大させる。
高速原子衝撃:
これは、APCIに極めて類似するイオン化技術であり、溶液中のサンプルに非常に適している。典型的には、毛細管電気泳動カラムまたはHPLCカラムから連続的に液体流が注入プローブからその先端の穴またはフリットにポンプで送られ、ここで当該溶液は加速原子またはイオン(通常はキセノンまたはセシウム)によって衝撃を与えられる。溶解サンプルと衝突することにより、運動エネルギーがサンプルに移動し、さらにサンプルのイオン化がもたらされる。
マトリクス支援レーザー脱着イオン化(MALDI):
MALDIでは、生分子溶液を過大にモル過剰の光励起性“マトリクス”に包埋することが必要である。適切な周波数(ニコチン酸には266nmビーム)のレーザー光を適用することによってマトリクスの励起がもたらされ、順次包埋生分子の励起とイオン化とが生じる。この技術は膨大な量の変換エネルギーをイオンに付与するが、それにもかかわらず過剰なフラグメント化を誘発することはない。しかし、この技術に関しては加速電圧を再び用いてフラグメント化を制御することができる。
MALDI技術は2つの方法によって支援することができる。タンパク質をMALDIマトリクスに包埋するか(この場合、タンパク質自体はレーザーによって特異的に励起されることはない)、またはレーザー励起を許容するために必要な基を含むペプチド標識を構成することができる。後者のアプローチは、標識を質量分析前にマトリクスに包埋する必要がないことを意味している。そのような基には、ニコチン酸、シナピン酸またはケイ皮酸部分が含まれる。光切断性リンカーはMALDI質量分析を実施する前の切断工程を回避できるので、MALDIをベースにした標識の切断は光切断性リンカーでおそらく最も効果的であろう。種々の励起性イオン化剤は異なる励起周波数を有するので、その結果、光分解性リンカーを切断するために用いられるものとは異なる周波数をイオン化を開始させるために用いることができる。これらの励起性部分は、有機化学で標準的な合成技術を用いて容易に誘導化することができるが、種々の質量を有する標識は組み合わせ式態様で構築できる。
上記技術の全てはペプチドおよびタンパク質について日常的に用いられ、本発明におけるイオン化の好ましい方法である。
質量分析の感度およびペプチドタグの定量:
最後にタンパク質集団を質量分析計に注入するために都合のよいサイズに任意に分類できる。全細胞タンパク質についてそのような分析を遂行することによって、どのようなタンパク質がどのような相対量で存在するについて概要が与えられるであろう。絶対量は、特定のタンパク質、存在していないことが分かっているタンパク質(例えば動物サンプル中の植物タンパク質またはその逆)であって、それと比較して結果を計算できるものの既知量をタンパク質集団に“差し込む”ことによって達成できるであろう。内在量は、比較的一定の濃度で殆どの細胞に存在する特定タンパク質(例えばヒストン)を測定することによって決定できる。ある質量分析計ジオメトリーと組み合わせた種々の技術によって、質量分析計による良好な定量が可能になる。これらに関してはイギリス特許第GB 9719284.3号明細書で徹底的に論じられている。
質量分析装置のジオメトリー:
質量分析法は極めて多様な学問分野であり、質量分析装置の多様な構成が存在し、さらにこれらはしばしば種々のジオメトリーで組み合わされて複雑な有機分子、例えば本発明で生成したペプチドタグの分析を可能にする。
正確な質量測定:
二重焦点合わせ(double focussing)質量分析計は、分子の質量を極めて正確に、すなわちダルトンの部分まで測定することができる。異なる原子同位体の質量における少数部分の相違はそのような識別を可能にするので、同じ整数部分の質量を有するが原子組成が異なる分子を容易に識別することができる。ペプチドタグ集団の分子質量を決定する場合には、この技術は配列決定を一切必要とせずに相当な割合のペプチドを(たとえそれらのいくつかが同じ合計質量をもっていたとしても)同定することができるので非常に有効であろう。残存するいくつかの不明瞭なペプチドは、下記に考察するように縦列式質量分析法で分析することができるであろう。
縦列式質量分析法によるペプチドタグの配列決定:
ペプチドは縦列式質量分析法によって容易に配列決定できる。縦列式質量分析法については多数の技術が記載されているが、それら技術ではサンプルのイオンはその質量電荷比を基に第一の質量分析装置によって選別され、これら選別されたイオンはフラグメント化を誘発することによってさらに分析される。フラグメント化生成物を第二の質量分析装置で分析する。縦列式装置の第一の質量分析装置は、質量電荷比を基に第二の質量分析装置に入るべきイオンを選別するフィルターとして機能する。それは、本質的にはただ1つの質量/荷電比のみをもつ種(通常はただ1つのペプチドイオン)が1度に第二の質量分析装置に入ることができるものである。第一の質量分析装置を出るときにこの選別されたペプチドは衝突室を通過するが、これによってペプチドのフラグメント化が生じる。フラグメント化はほとんどペプチド結合で生じるので、フラグメントのパターンは、元のペプチドを構成するペプチドおよびアミノ酸の一連の亜種に相当する。その配列を同定するためには、ペプチドのフラグメント化で生成されるただ1つのアミノ酸、二量体、三量体などのそれぞれ異なる質量パターンで十分である。
イオン供給→質量分析計1→衝突セル→質量分析計2→イオン検出計
種々の縦列式ジオメトリーが可能である。電気セクターが第一の質量分析装置のステージを提供し、磁気セクターが第二の質量分析装置を提供し、衝突セルがこの2つのセクターの間に置かれている通常の“セクター”装置を使用することができる。ペプチドの配列決定にはこのジオメトリーは理想的ではない。衝突セルによって分離された2つの完全なセクター質量分析装置をペプチド配列決定に用いることができる。使用されるより典型的なジオメトリーは、3組の四極子であり、この場合第一の四極子は衝突用イオンを篩にかける。3組の四極子の中で第二の四極子は衝突室として機能し、最後の四極子はフラグメント化生成物を分析する。このジオメトリーは極めて好ましい。また別の好ましいジオメトリーは、四極子/直交型タイム・オブ・フライト(Quadrupole/Orthogonal Time of Flight)縦列式装置であり、フラグメント化生成物を同定するために四極子の高速走査とTOF質量分析装置の高感度とは合体されている。
イオントラップによる配列決定:
イオントラップ式質量分析計は四極子分析計の同族である。一般に、イオントラップは3電極構造(各末端に“キャップ”電極をもつ空洞を形成する円筒電極)を有する。正弦曲線高周波ポテンシャルがこの円筒電極に印加される一方、キャップ電極は直流電位または交流電位で歪められる。空洞内に注入されるイオンは、円筒電極の振動電場によって安定な環状軌道に閉じ込められる。しかしながら、振動ポテンシャルのある振幅に対してはある種のイオンは不安定な軌道をもち、このトラップから放出されるであろう。トラップに注入されるイオンサンプルは、振動高周波ポテンシャルを変えることによってその質量/電荷比に応じてトラップから連続的に放出される。続いて放出イオンは質量スペクトルを出現させ検出を可能にする。
イオントラップは一般に、イオントラップ空洞に存在する少量の“浴ガス(bath gas)”(例えばヘリウム)を用いて操作される。これは、捕捉されたイオンとの衝突によって装置の分離度と感度を高める。衝突は、サンプルがトラップに導入されるときにイオン化を高めるとともに、イオンの軌道の振幅と速度を減衰させ当該軌道をトラップの中心に近づける。これは、振動ポテンシャルが変化するとき、その軌道が不安定になるイオンは、減衰循環イオンと比較してより迅速にエネルギーを獲得しさらにより密な一群としてトラップから出てより狭くより高いピークをもたらすことを意味している。
イオントラップは縦列式質量分析計ジオメトリーを擬することができるが、実際、それらは多数の質量分析計ジオメトリーに類似し、捕捉されたイオンの複雑な分析を可能にする。サンプルに由来するただ1つの質量種をトラップ内に保持できる。すなわち、他の全ての種は放出され、続いて保持された種は、第一の振動周波数の上に第二の振動周波数を重ねることによって注意深く励起することができる。その後、励起イオンを浴ガスと衝突させ、十分に励起された場合にはフラグメントを生じる。その後、フラグメントをさらに分析することができる。他のイオンを放出し、続いてフラグメントイオンを励起してフラグメントにすることによって、フラグメントイオンを更なる分析のために保持することができる。この工程は、更なる分析を可能にするために十分なサンプルが存在するまで繰り返すことができる。これらの装置が一般にフラグメント化を誘発した後高い比率でフラグメントイオンを保持することは特記すべきである。これらの装置およびFTICR質量分析計(下記で考察)は、空間的解析縦列式質量分析法(これは直線的質量分析計で見出される)よりはむしろ時間的解析縦列式質量分析法の代表である。
ペプチド集団のタンパク質概要決定のためにはイオントラップは極めて有効な装置である。ペプチドタグのサンプルは分光計に注入できる。プロフィールに出現することが予想されペプチドタグ(例えばハウスキーピングタンパク質または真核細胞サンプルのヒストンペプチド)が特異的に放出され、迅速に定量することができる。残余のペプチドも走査することができる。その後、全体的に新規なペプチドをその後のペプチド集団から選択的に保持し、フラグメント化させて当該ペプチドについての配列データの獲得を可能にする。また、イオントラップは縦列ジオメトリー式装置の第一ステージを構成してもよい。
フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析法(FTICR−MS):
FTICR質量分析は、イオンサンプルが空洞内に維持されるという点でイオントラップと同様な特色を有するが、FITCR−MSでは、イオンは高真空室内に交差電場および磁場によって捕捉される。電場は、箱の2つの側面を形成する1対の平板電極によって生じる。この箱は超伝導磁場に含まれるが、この超伝導磁場は2枚の平板(捕捉平板)と一緒になって、適用されている磁場に対して垂直な捕捉平板の間の環状軌道に注入イオンを閉じ込める。高周波パルスを2枚の“トランスミッター板”(これは箱のさらに別の向き合う2つの側面を構成する)に適用することによって、イオンはより大きな軌道に励起される。イオンの円運動は、箱の残りの2枚の向き合う側面(これは“レシーバー板”を構成する)内に対応する電場を生じる。励起パルスはより大きな軌道へイオンを励起し、これはイオンの互いに密着した運動が衝突を介して失われていくにつれ崩壊する。レシーバー板によって検出される対応するシグナルは、フーリエ変換分析によって質量スペクトルに変換される。
誘発フラグメント化実験のためには、これらの装置はイオントラップと同様な態様で機能できる。対象のただ1つの種を除いて全てのイオンはトラップから放出できる。衝突ガスをトラップ内に導入してフラグメント化を誘導化することができる。続いてフラグメントイオンを分析することができる。“レシーバー板”によって検出されるシグナルのFTによって分析した場合、一般にフラグメント化生成物および浴ガスは一緒になって解像度を下げるが、しかしながら、例えば四極子をもつ縦列構造では、フラグメントイオンはこの空洞から放出され分析することができる。
タンパク質概要決定のためにFTICR−MSを用いることができるが、これらの装置は極めて高い質量分離度をもち、同じ整数質量をもつが異なる原子組成をもつペプチドを解析できるような正確な質量測定を可能にするので有利であろう。さらに続いて未同定ペプチドタグをフラグメント化によって測定できる。
タンパク質の固定:
特定のタンパク質化学、特にペプチドの有機合成の分野において極めて多くの情報が蓄積されている。
・R.B.Merrifield,Science 232:341-347(1986)。
・S.B.H.Kent,"Chemcal Synthesis of Peptides and Proteins",Annu.Rev.Biochem.57:957-989(1988)。
リンカー:
本発明の重要な特色はそれらの対応する生分子と結合する切断可能なリンカーである。光切断性リンカーは、迅速で試薬無用の切断が可能であるので特に好ましい。参考文献として以下を参照のこと。
・Theodora W.Greene,"Protective Groups in Organic Synthesis",Wiley-Interscience刊(1981)。
光除去が可能な基について:
・Patchornik,J.Am.Chem.Soc.92:6333-(1970)。
・Amitら、J.Org.Chem.39:192-(1974)。
液体クロマトグラフィー:
・R.Scopes,"Protein Purification:Principles and Practice",Springer-Verlag刊(1982)。
・M.Deutscher,"Guide to Protein Purification",Academic Press刊(1990)。
質量分析法:
電気噴霧式質量分析法は、極めて穏やかな技術であり、本発明で用いられる液相分子生物学と直接結び付けることができるので、ペプチドの配列決定のために好ましい技術である。質量分析法の徹底的な考察については以下を参照のこと。
・K.Bieman,"Mass Spectrometry of Peptides and Proteins",Annu.Rev.Biochem.61:977-1010(1992)。
・R.A.W.Johnstone & M.E.Rose,"Mass Spestrometry for Chemists and Biochemists"、第2版、Cambridge University Press刊(1996)。
実験
タンパク質概要決定の態様の概略
これは以下のようなシステムを含む。
(i)タンパク質はそのカルボキシル基が保護されているが、ただ1つのカルボキシル基がその切断末端で自由な状態のまま最後のアミノ酸が除去される。
(ii)これをビオチニル化試薬と反応させ、それによって当該カルボキシ末端がビオチンで標識される。
(iii)ペプチドフラグメントを得るために当該タンパク質をプロテアーゼでフラグメント化し、カルボキシルフラグメントのみがビオチニル化される。
ビオチンを用いて、C末端フラグメントを固定ストレプトアビジン、または好ましくは単量体アビジンに結合させ、固定ストレプトアビジンからストレプトアビジンが穏やかな酸で遊離され、MS−MSのために利用可能になる。
全ての試薬が利用可能であり、その化学反応は以下のように一般に周知である。
(i)タンパク質のカルボキシ末端の配列決定技術は確立されている。ボイドらの方法(VL.Boyd,M.Bozzini,PJ.Guga,RJ.DeFranco,P-M.Yuan,GM.Loudon & D.Nguyan;J.Org.Chem.60:2581(1995))は、アミド化によってアスパルテートおよびグルタメート残基の側鎖カルボキシル基を末端アミノ酸の除去時にブロックすることを特記する。
(ii)カルボキシ末端でのフリーのカルボキシル基のビオチニル化は、5-(ビオチンアミド)ペンチルアミン/1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩を用いて達成できるが、この試薬はピアス・アンド・ウォリナー社(Pierce & Warriner)からそのような目的のために市販されている(KY.Lee,PJ.Birckbichler & MK.Patterson,Clin.Chem.34:906(1988))。
(iii)膜上のタンパク質のプロテアーゼによるフラグメント化は確立された技術であり(CW.Sutton,KS.Pemberton,JS.Cottrell,JM.Corbett,CH.Wheeler,MJ.Dunn & DJ.Pappin,Electrophoresis,16:308(1995))、ミリポア社(Millipore Corporation)はこの目的のためにインモビロン−CD(Immobilon-CD)および他のPVDF膜を製造している。単量体アビジンはピアス・アンド・ウォリナー社(Pierce & Warriner)によって製造され、2mMビオチンのリン酸緩衝食塩水溶液によってビオチニル化分子を遊離させることができる。
この方法の残りの工程では、配列決定反応(I)のためにZitex膜の代わりにPVDF膜(トリプシン処理のために用いられる場合)が使用される。
方法
PVDF膜へのリゾチームの結合
0.5mm四方のPVDF(Millipore)片をイソプロパノールで湿らせ、20mg/mlリゾチーム(Pharmacia)のPBS溶液で室温で30分間インキュベートした。続いてこの膜を風乾し、使用まで4℃で保存した。
PVDFに結合させたリゾチームの修飾(カルボキシル基の保護)
修飾溶液は、2-エチル-5-フェニルイソキサゾリウム-3'スルホネート(Aldrich)62mgをCH3CN2ml中のジイソプロピルエチルアミン50μlと混合することによって調製した。修飾溶液100μlを各膜に添加し、さらに室温で4時間インキュベートした。
インキュベート後、水900μlを添加し、各膜を室温で30分間穏やかに震盪した。続いて各々の膜をCH3CN50μlに移し、水を450μl加え室温で30分間穏やかに震盪した。
続いて各膜を2%トリフルオロ酢酸500μlに移し、さらに室温で一晩インキュベートした。
トリプシン消化
各膜を25mM重炭酸アンモニウム(pH7.6)溶液250μlに移し、室温で穏やかに15分間震盪した。
各タンパク質/タンパク質含有膜をトリプシンを5μg含む重炭酸アンモニウム溶液(pH7.6)200μlに添加または移して37℃で一晩インキュベートした。
膜からタンパク質/ペプチドフラグメントの溶出。
各膜を50%ギ酸/50%エタノール溶液に移し、室温で30分間インキュベートしてタンパク質/ペプチドを除去した。その後、この膜を取り出し、水300μlをこのタンパク質/ペプチドを含む50%ギ酸/50%エタノール溶液に添加した。
分析
以下のものを逆相HPLCで分析した。
PBS中のトリプシン40μg;PBS中のリゾチーム40μg;トリプシン消化リゾチーム40μg;トリプシン消化トリプシン40μg;トリプシン消化膜結合修飾リゾチーム40μg;リゾチームなしで修飾プロトコルを実施しさらにトリプシン消化した膜;未修飾でトリプシン消化を実施した膜結合リゾチーム;トリプシン消化なしで修飾した膜結合リゾチーム。
結果
発明者らは、配列決定反応(I)のためにZitex膜の代わりにPVDF膜を用いて操作を実施した。PVDF膜上での配列決定反応およびトリプシン消化による処理後に得られたリゾチーム(これは代表的なタンパク質として用いられた)の逆相HPLC像(これからリゾチームを添加しないで同じ処理を施したHPLC像を差し引いた)は、直接トリプシン消化したリゾチームについて得られたものと同じであることが分かった。したがって、この技術は比肩しうるものであり、MS−MS同定(結果は示されていない)のための“識別特性”ペプチドを作製するために用いることができる。
図面の注釈:
図1
工程1:激烈な溶媒でタンパク質を抽出し、抽出タンパク質をPVDF膜上に捕捉する
工程2:激烈な溶媒を除くために、穏やかに固定されたタンパク質を洗浄することができる。
工程3:タンパク質をC末端カップリング剤で処理する。
工程4:誘導タンパク質を環形成試薬で処理し、続いて末端アミノ酸を誘導タンパク質から切断する。
工程5:新たに露出した二番目のアミノ酸のカルボキシル基をビオチニル化する。
工程6:膜結合タンパク質を洗浄して化学物質を除去し、生理学的緩衝液中でトリプシンによりタンパク質を切断する。
工程7:アビジン付加ビーズ上に末端フラグメントを捕捉する。
工程8:遊離ペプチドを洗い流し、続いて捕捉されたペプチド“タグ”を分析のために遊離させる。
工程9:MSまたはLC/MS/MSまたはMS/MSによって分析する。
図2
工程1:激烈な溶媒でタンパク質を抽出し、抽出タンパク質をPVDF膜上に捕捉する
工程2:激烈な溶媒を除くために、穏やかに固定されたタンパク質を洗浄することができる。
工程3:タンパク質をC末端カップリング剤で処理する。
工程4:膜結合タンパク質を洗浄して化学物質を除去し、さらに生理学的緩衝液中でトリプシンまたは他の配列特異的切断剤によりタンパク質を切断する。
工程5:新たに露出したカルボキシル末端をビオチニル化する。
工程6:例えばアフィニティーカラムでアビジン付加ビーズ上に末端フラグメントを捕捉する。
工程7:MSまたはLC/MS/MSまたはMS/MSによって溶出C末端を分析する。
図3
工程1:激烈な溶媒でタンパク質を抽出し、抽出タンパク質をPVDF膜上に捕捉する
工程2:激烈な溶媒を除くために、穏やかに固定されたタンパク質を洗浄することができる。
工程3:固定化エフェクターを含有するC末端カップリング剤でタンパク質を処理する。
工程4:膜結合タンパク質を洗浄して化学物質を除去し、さらに生理学的緩衝液中でトリプシンによりタンパク質を切断する。
工程5:アビジン付加ビーズ上に末端フラグメントを捕捉する。
工程6:遊離ペプチドを洗い流し、続いて捕捉されたペプチド“タグ”を分析のために遊離させる。
工程7:MSまたはLC/MS/MSまたはMS/MSによって分析する。
図4
工程1:激烈な溶媒でタンパク質を抽出し、抽出タンパク質をPVDF膜上に捕捉する
工程2:激烈な溶媒を除くために、穏やかに固定されたタンパク質を洗浄することができる。
工程3:タンパク質をC末端カップリング剤で処理する。
工程4:誘導タンパク質を誘導試薬で処理して全ての露出カルボキシルがキャップされていることを担保する。
工程5:誘導タンパク質を環形成試薬で処理し、続いて末端アミノ酸を誘導タンパク質から切断する。
工程6:新たに露出した二番目のアミノ酸のカルボキシル基をビオチニル化する。
工程7:膜結合タンパク質を洗浄して化学物質を除去し、生理的緩衝液中でトリプシンによりタンパク質を切断する。
工程8:アビジン付加ビーズ上に末端フラグメントを捕捉する。
工程9:遊離ペプチドを洗い流し、続いて捕捉されたペプチド“タグ”を分析のために遊離させる。
工程10:MSまたはLC/MS/MSまたはMS/MSによって分析する。

Claims (16)

  1. ポリペプチドの特性を決定する方法であって、該方法が、
    (a)複数のポリペプチドの集団を有するサンプルを、ポリペプチド鎖内の特異的アミノ酸残基または配列を認識し、これを切断部位で切断することが分かっている切断剤で処理し、それによって前記集団を切断してペプチドフラグメントを生成し;
    (b)前記ポリペプチドからペプチドフラグメントがフラグメント化される該ポリペプチドのN末端またはC末端をリファレンス末端として保持する末端ペプチドのみを有するペプチドフラグメントであって各ペプチドフラグメントが他端にリファレンス末端の遠位の切断部位を保持するペプチドフラグメントの集団を単離し;さらに
    (c)その識別特性配列が前記切断部位から始まる所定数のアミノ酸残基の配列である前記単離フラグメントの少なくともいくつかの識別特性配列を質量分析法で決定する
    ことを含み、前記識別特性配列によって各ポリペプチドの特性を決定する、上記方法。
  2. 前記リファレンス末端が固相支持体に結合されてポリペプチドまたはそのペプチドフラグメントの集団が固定される請求項1記載の方法。
  3. ポリペプチド集団が切断剤で処理される前に固定される請求項2記載の方法。
  4. 以下の工程によって前記リファレンス末端が前記固相支持体に結合される請求項2または請求項3記載の方法であって、
    (i)ブロッキング剤でポリペプチドを処理して、カルボキシル基または第一アミン基のいずれかを有する露出したリファレンス基を全てブロックし;
    (ii)前記リファレンス末端アミノ酸を切断して未ブロックのリファレンス末端を露出させ;さらに
    (iii)固相支持体と結合することができる固定化剤で未ブロックのリファレンス末端を処理し;
    前記工程(b)が前記処理リファレンス末端を固相支持体に結合させ、未結合ペプチドフラグメントを除去することを含む、上記方法。
  5. さらに以下の工程を有する請求項1記載の方法であって、
    (i)カルボキシル基または第一アミン基を有する露出したリファレンス基を全てブロックするためにブロッキング剤で前記ペプチドを前処理することによって工程(a)のサンプルを調製し、それによって、切断剤による前記サンプルのその後の処理で未ブロックのリファレンス末端を有するペプチドフラグメントを生成させ;
    (ii)固相支持体と結合することができる固定化剤で前記未ブロックのリファレンス末端を処理し;さらに
    (iii)前記未ブロックのリファレンス末端を前記固相支持体に結合させ;
    工程(b)が固相支持体から未結合ペプチドフラグメントを溶出させることを含む、上記方法。
  6. 前記固定化剤がビオチニル化剤を有する請求項4または請求項5記載の方法。
  7. 前記リファレンス基がカルボキシルである請求項4〜請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記切断剤がペプチダーゼを有する請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記工程(a)のサンプルが亜細胞分画を有する請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の方法。
  10. 工程(a)のサンプルを液体クロマトグラフィーによって調製することをさらに含む請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 高速液体クロマトグラフィーを前記質量分析法の前に実施してペプチドフラグメントに分離する請求項1〜請求項10記載の方法。
  12. 工程(c)の前に前記ペプチドフラグメントをイオン交換クロマトグラフィーに付する請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の方法。
  13. 前記所定数のアミノ酸残基が3〜30である請求項1〜請求項12のいずれか1項記載の方法。
  14. 被験サンプル中のポリペプチドを同定する方法であって、請求項1〜請求項13のいずれか1項記載の方法にしたがってポリペプチドの特性を決定し、被験サンプル中の前記ポリペプチドまたは各ポリペプチドを同定するために、前記識別特性配列およびそれによって得られた切断部位の相対位置をさらに別のポリペプチドの識別特性配列およびその切断部位の相対位置と比較することを含む、上記方法。
  15. 請求項1〜請求項13のいずれか1項記載の方法を実施することを含む被験サンプル中の1つまたは2つ以上の特定のポリペプチドについてアッセイする方法であって、前記切断剤および切断部位の相対位置が予め定められ、切断部位から始まる所定のアミノ酸残基配列についてアッセイすることによって工程(c)で前記識別特性配列を決定する、上記方法。
  16. 前記切断部位および識別特性配列が、1つまたは2つ以上の既知の標的ポリペプチドから得られた対応する配列を選択することによって、予め定められる請求項15記載の方法。
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