JP3794781B2 - ロール表面の有機付着物除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂フィルム(シート状熱可塑性樹脂)の製造または加工に際して使用される、成形用ロールまたはそのフィルムを引き延ばす延伸用ロールの表面に付着するフィルム屑等の有機物を除去するための、ロール表面の有機付着物除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂フィルム製造装置の冷却ロールに取り付けられた、従来のロール表面洗浄装置の例について、図8を参照しながら説明する。図8はその模式的な側面図であり、この図8に示すように、熱可塑性樹脂フィルム製造装置では、溶融樹脂12が、押出機におけるTダイ等の口金11からシート状に成形されて押し出され、冷却ロール(成形用ロール)13に巻き付いて冷却・固化され、引取ロール14に案内されながら後工程に送られる。
【0003】
冷却ロール13の円筒外周面から付着物等を除去して冷却ロール13の表面を洗浄するための装置は、付着物除去装置15,排出用ブロワ19,オゾン分解装置20,オゾン発生装置21およびフィルタ22から構成されている。
付着物除去装置15は、冷却ロール13の円筒外周面から僅かに離れた位置において、その軸方向外周面に沿って設置される。また、付着物除去装置15は、紫外線ランプ16を、2重壁となっている内側の囲い17と外側のチャンバ18とにより囲んで構成されており、囲い17と外側のチャンバ18との間に形成された、冷却ロール13表面に近接するスリットから、冷却ロール13の表面付近のエアを吸引する構造となっている。
【0004】
上述した付着物除去装置15のチャンバ18には、フィルタ(F)22,オゾン分解装置(O3 K)20および排出用ブロワ19が空気配管により接続されており、チャンバ18内のエアが、フィルタ22およびオゾン分解装置20を経由してブロワ19から外部へ排気されるようになっている。
また、囲い17には、オゾン(O3 )を発生するオゾン発生装置(O3 G)21が接続されており、図示省略の清浄エア供給源からの清浄エア(またはO2 )を、オゾン発生装置21を通してから囲い17内に供給することにより、オゾンが囲い17内に供給されるようになっている。
【0005】
囲い17内には、紫外線ランプ16からの紫外線を冷却ロール13の表面に向けて反射する反射板23がそなえられ、この反射板23により紫外線ランプ16の光量を有効に生かせるようになっている。
上述のごとく構成された従来のロール表面洗浄装置の作用について、以下に説明する。
【0006】
押出機の口金11から押し出されたシート状樹脂(溶融樹脂)12は、冷却ロール13において急速に冷却され、冷却ロール13の表面には、時間の経過とともに、樹脂の屑や樹脂中の析出物あるいは添加物が付着し堆積する。付着物除去装置15は、機械の運転中に連続的に冷却ロール13の表面に紫外線ランプ16から紫外線を照射して、有機付着物を化学結合解離させると同時に、空気中の酸素を紫外線によってオゾンに変換することにより、冷却ロール13の表面に付着する有機付着物を、分解および酸化させガス化して取り除くことができる。
【0007】
また、付着物除去装置15においては、紫外線ランプ16を2重壁(囲い17およびチャンバ18)で囲み、その2重壁により冷却ロール13の表面に近接して明けられたスリットを通じて、冷却ロール13の表面付近のエアとともに、有機付着物を紫外線の作用で酸化/分解して生じたガスや、冷却ロール13の表面から浮いた有機物の滓,塵等が吸い出されブロワ19から外部へ排出される。
【0008】
このとき、チャンバ18内から排出された空気は、フィルタ22において固形物を取り除かれ、オゾン分解装置20でオゾン(O3 )を酸素(O2 )に分解し無毒化してから、ブロワ19を通じて外部へ放出される。
また、囲い17内に溜まった分解ガスは、囲い17内に供給される清浄エアによって追い出され、このエア中の酸素は、紫外線ランプ16からの紫外線によりオゾンに加工されるので、オゾンも補給される。
【0009】
さらに、囲い17内に清浄酸素(O2 )をオゾン発生装置21に通してから囲い17内へ供給するようにすれば、活性酸素が増加し、冷却ロール13の表面の有機付着物の酸化を強力に促進させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のロール表面の有機付着物除去装置では、付着物除去装置15が外部固定部材(図示省略)に固設されているので、その装置15内の紫外線ランプ16の出力が低下しこれを取り替える必要がある場合には、フィルムプラント全体を停止させてから付着物除去装置15を取り外し、冷却ロール13から離して取替え作業を行なわなければならない。
【0011】
また、通常、フィルム製造ラインの上方にも付帯設備が設置されることは避けられず、紫外線ランプ16の取替え作業を行なう際、作業者は窮屈な作業を強いられることになっている。
さらに、紫外線ランプ16の交換作業のためには、プラントのラインを1時間以上停止させることになり、プラント全体の稼働率を低下させることになる。
【0012】
一方、フィルムからの熱が冷却ロール13の表面に移動した直後でその表面温度が高い(約200℃)状態であっても、ライン稼働中、紫外線ランプ16は、囲い17からチャンバ18へ流れるエアにより常に冷却され、紫外線ランプ16の周囲は適温に保持されているが、ラインの緊急停止時や停電による停止時などには、そのエアの供給が止まり、紫外線ランプ16の温度が冷却ロール13の余熱で上昇して紫外線ランプ16が破損するおそれがある。
【0013】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、熱可塑性樹脂フィルムの製造/加工中であっても容易に紫外線ランプの交換やカバー洗浄を行なえるようにして、製造/加工ラインの稼働率が低下するのを防止し、作業者への負担を軽減するとともに、製造/加工ラインの緊急停止時等に紫外線ランプが破損するのを確実に防止した、ロール表面の有機付着物除去装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のロール表面の有機付着物除去装置(請求項1)は、熱可塑性樹脂フィルムの製造または加工に用いられる成形用ロールまたはフィルム引き延ばし用延伸ロール(以下、単にロールという)の表面に紫外線を照射する紫外線ランプと、この紫外線ランプの周囲を覆いロール表面近傍に配置されるチャンバとをそなえ、ロール表面に紫外線ランプから紫外線を照射することにより、ロール表面に付着する有機付着物を分解および酸化させて除去するものであって、チャンバを、紫外線ランプとともに、ロールの軸方向に沿って本体フレームから水平に引き出すための引出機構がそなえられ、引出機構には、該紫外線ランプの稼働時に該チャンバを係止して該チャンバを使用位置に位置決めする一方で停電時に該チャンバとの係止状態を解除すべく、該チャンバに対して掛け外し可能に設けられたソレノイド作動ストッパがそなえられていることを特徴としている。
【0015】
請求項1記載のロール表面の有機付着物除去装置において、引出機構を、チャンバの両側においてロールの軸方向に沿って水平にそれぞれ設置された一対のガイドレールと、チャンバに取り付けられ一対のガイドレール上を走行する車輪とを含んで構成してもよいし(請求項2)、チャンバの一側においてロールの軸方向に沿って水平に設置されたスライドバーと、チャンバの他側においてロールの軸方向に沿って水平に設置されたガイドレールと、チャンバに取り付けられスライドバーに沿って移動するスライド軸受と、チャンバに取り付けられガイドレール上を走行する車輪とを含んで構成してもよい(請求項3)。
【0016】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール表面の有機付着物除去装置において、引出機構に、チャンバを本体フレームの外まで水平に引き出す力をチャンバに付勢するバネをそなえ、ソレノイド作動ストッパが紫外線ランプの稼働時にバネの力に対抗してチャンバを使用位置に位置決めする一方で停電時にバネの力を解放すべくチャンバに対して掛け外し可能に設けられてもよい(請求項4)。
【0017】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール表面の有機付着物除去装置において、引出機構に、チャンバを本体フレームの外まで水平に引き出す力を滑車にて案内されるワイヤを介し自重によりチャンバに作用させる重錘をそなえ、ソレノイド作動ストッパが紫外線ランプの稼働時に重錘の重量に対抗してチャンバを使用位置に位置決めする一方で停電時に重錘の重量を解放すべくチャンバに対して掛け外し可能に設けられてもよい(請求項5)。
【0018】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール表面の有機付着物除去装置において、引出機構に、本体フレームの外側に設置されチャンバを本体フレームの外まで水平に引き出しうるエアシリンダと、エアシリンダによりチャンバを引き出させる作動圧縮エアを蓄圧するアキュムレータと、エアシリンダとアキュムレータとの間に介装され停電時に開状態になってエアシリンダとアキュムレータとを連通させる電磁作動弁とをそなえてもよい(請求項6)。
【0019】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のロール表面の有機付着物除去装置において、ソレノイド作動ストッパは、電流が通じている時には該チャンバを該使用位置にに係止し、電流が通じていないときには該チャンバに対する係止状態を解除する(請求項7)。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕第1実施形態の説明
図1〜図3は本発明の第1実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置を示すもので、図1はその有機付着物除去装置をそなえたフィルム成形装置の概略構成を示す模式的な側面図、図2はその要部を示す模式的な側断面図、図3はその有機付着物除去装置をそなえたフィルム成形装置を示す斜視図である。
【0021】
図1に示すように、本発明の実施形態(第1〜第5実施形態)では、ロール表面の有機付着物除去装置5を、シート状樹脂(熱可塑性樹脂フィルム,シート状熱可塑性樹脂)2の製造装置における冷却ロール(成形用ロール)3および引取ロール(成形用ロール)4に取り付けた場合について説明する。
まず、本実施形態のロール表面の有機付着物除去装置5の概略構成について説明する。なお、図1では、有機付着物除去装置5の側断面が模式的に示されるとともに、周辺機器がブロックにより図示化されている。
【0022】
図1および図3に示すように、熱可塑性樹脂フィルム製造装置では、溶融状態のシート状樹脂2が、押出機における押出機のTダイ1からシート状に成形されて押し出され、冷却ロール(成形用ロール)3に巻き付いて冷却・固化されてから、引取ロール(成形用ロール)4および送りロール45に案内されながら後工程に送られるようになっている。
【0023】
各ロール3,4および45は、一対の本体フレーム9,9により軸受(図示省略)を介して両側から軸支され、図示省略のロール駆動機構により、シート状樹脂2が弛まないように、後工程ほど周速を若干速めて回転駆動されている。
そして、本実施形態の有機付着物除去装置5は、冷却ロール3および引取ロール4のそれぞれにおいて、その円筒外周面から僅かに離れた位置に、その軸方向外周面に沿って設置されている。
【0024】
この有機付着物除去装置5は、図1および図2に示すように、紫外線ランプ6を、内側の囲い7と外側のチャンバ8とから成る2重壁により囲んで構成されており、囲い7と外側のチャンバ8との間に形成された、ロール3,4の表面に近接するスリットから、ロール3,4の表面付近のエア〔囲い7で区画されたロール幅方向(軸方向)に長い面上のエア〕を吸引する構造となっている。
【0025】
なお、図2では、冷却ロール3の外周(上方)にそなえられた有機付着物除去装置5のみを図示しているが、引取ロール4の外周(下方)にそなえられた有機付着物除去装置5も、図1に示すように、冷却ロール3下方にそなえられたものと略同様に構成されている。
上述した有機付着物除去装置5のチャンバ8には、従来と同様、フィルタ(F)22,オゾン分解装置(O3 K)20および排出用ブロワ19が排気配管27および可撓配管28により接続されており、チャンバ8内のエアが、フィルタ22およびオゾン分解装置20を経由してブロワ19から外部へ排気されるようになっている。
【0026】
また、囲い7には、オゾン(O3 )を発生するオゾン発生装置(O3 G)21が接続されており、図示省略の清浄エア供給源からの清浄エア(またはO2 )を、オゾン発生装置21を通してからオゾン供給配管25および可撓配管26を経由して囲い7内に供給することにより、オゾンが囲い7内に供給されるようになっている。このオゾン発生装置21により供給されるオゾン供給量は少量で十分である。なお、紫外線ランプ6からの紫外線の照射により、後述のごとく囲い7内の酸素がオゾンに変換されるので、その紫外線の波長によって十分な量のオゾンが発生する場合には、オゾン発生装置21によるオゾン供給を停止したり、オゾン発生装置21を省略することが可能である。
【0027】
囲い7内には、紫外線ランプ6からの紫外線をロール3や4の表面に向けて反射する反射板23がそなえられ、この反射板23により紫外線ランプ6の光量を有効に生かせるようになっている。
上述のように構成された本実施形態の有機付着物除去装置5の基本的な作用について説明する。
【0028】
押出機のTダイ1から押し出された溶融状態のシート状樹脂2は、冷却ロール3において急速に冷却され、引取ロール4から送りローラ45へ受け渡され、後処理工程に送られて行く。冷却ロール3および引取ロール4の表面には、時間の経過とともに、樹脂の屑や樹脂中の析出物あるいは添加物が付着堆積する現象が見られる。また、周囲の環境によっては、油脂や有機浮遊物が付着することがある。
【0029】
この有機付着物除去装置5は、機械の運転中に連続的にロール3,4の表面に紫外線ランプ6から紫外線を照射して、有機付着物を化学結合解離させる(低圧水銀灯の有する波長253.7nmの紫外線が適している)と同時に、空気中の酸素を紫外線によってオゾンに変換する(低圧水銀灯の有する波長184.9nmの紫外線が適している)ことにより、ロール3,4の表面に付着する有機付着物を分解および酸化させガス化して取り除くことができる。
【0030】
また、有機付着物除去装置5においては、紫外線ランプ6を2重壁(囲い7およびチャンバ8)で囲み、その2重壁によりロール3,4の表面に近接して明けられたスリットを通じて、ロール3,4の表面付近のエアとともに、有機付着物を紫外線の作用で酸化/分解して生じたガスや、ロール3,4の表面から浮いた有機物の滓,塵等が吸い出されブロワ19から外部へ放出される。
【0031】
このとき、チャンバ8内から吸い出された空気は、フィルタ22において固形物を取り除かれ、オゾン分解装置20でオゾン(O3 )を酸素(O2 )に分解し無毒化してから、ブロワ19を通じて外部へ放出される。
また、囲い7内に溜まった分解ガスは、囲い7内に供給される清浄エアによって追い出され、このエア中の酸素は、紫外線ランプ6からの紫外線によりオゾンに加工されるので、オゾンが容易に補給される。
【0032】
さらに、囲い7内に清浄酸素(O2 )をオゾン発生装置21に通してから囲い7内へ供給するようにすれば、オゾン(O3 )が供給され、紫外線(波長253.7nm)のO3 分解作用による活性酸素が増加し、冷却ロール13の表面の有機付着物の酸化を強力に促進させることができる。
なお、有機付着物除去装置5のチャンバ8内は負圧になっているので、周りの隙間から有害なオゾンが外部に漏れ出るおそれはない。
【0033】
以上、有機付着物除去装置5の概要について説明したが、もし、この有機付着物除去装置5が、外部固定部材に固設されていれば、その装置5内の紫外線ランプ6の出力が低下してこれを取り替える必要がある場合や、囲い7やチャンバ8内の掃除や手入れを行なう際には、フィルムプラント全体を止め、有機付着物除去装置5を取り外し、ロール3,4から離して作業しなければならなかった。
【0034】
そこで、ラインを止めることなくそれらの保全作業を容易に行なえるようにするほか、製造/加工ラインの緊急停止時等に紫外線ランプ6が破損するのを防止するために、本実施形態(第1〜第5実施形態)では、以下に説明するような構成および作用を有する機構がそなえられている。
第1実施形態では、図1および図3に示すように、有機付着物除去装置5は、冷却ロール3の上側と引取ロール4の下側とに設置されており、チャンバ8を、紫外線ランプ6および囲い7とともに、各ロール3,4の軸方向に沿って本体フレーム9から水平に引き出すための引出機構を有している。
【0035】
第1実施形態における引出機構には、図1〜図3に示すように、チャンバ8の両側において一対の本体フレーム9,9と直交する方向(ロール3,4の軸方向)に沿って水平にそれぞれ設置された一対のガイドレール31,31と、チャンバ8の外側に軸保持部材32の軸に対して回転自在に取り付けられ一対のガイドレール31,31上を走行する4個の車輪33とがそなえられている。ガイドレール31,31の外側の端部は、支え台36(引取ロール4側は支え台37)により支えられている。
【0036】
従って、有機付着物除去装置5は、車輪33によりガイドレール31,31に案内されて本体フレーム9からロール3,4の軸方向へ水平に抜き出すことができるようになっている。なお、引取ロール4の下側に設置された有機付着物除去装置5は、本体フレーム9に明けられた角孔9a(図1,図3参照)から抜き出される。
【0037】
また、図3に示すように、第1実施形態における引出機構には、引張バネ38およびソレノイド作動ストッパ34がそなえられている。
引張バネ38は、一端をチャンバ8の端面に止められるとともに、他端を、支え台36(または37)から延設されたアーム39の先端に止められ、チャンバ8を本体フレーム9の外まで水平に引き出す力をチャンバ8に付勢するものである。
【0038】
ソレノイド作動ストッパ34は、一方のガイドレール31に固設され、電流が通じて電磁力が作用すれば係止部34aを突出する一方、電流が断たれると、内蔵するバネ(図示省略)の付勢力により係止部34aを引き込むものであり、紫外線ランプ6の稼働時(フィルム製造ラインが通常運転を行なっている時)には、係止部34aを突き出しチャンバ8の端部を係止することにより引張バネ38の付勢力に対抗してチャンバ8を使用位置に位置決めする一方で、停電時には、引張バネ38の付勢力を解放すべく係止部34aを引き込みチャンバ8に対する係止状態を解除するようになっている。
【0039】
図3において、冷却ロール3側の有機付着物除去装置5は、ソレノイド作動ストッパ34に電流が通じておらず係止部34aがバネ力により引き込まれて本体フレーム9の外側へ引き出された状態で図示されており、引取ロール4側の有機付着物除去装置5は、ソレノイド作動ストッパ34に電流が通じており係止部34aがバネ力に対抗して突出されてチャンバ8の端部を係止し、引張バネ38の付勢力に対抗して本体フレーム9の内側に位置決め・配置した状態(装置5の稼働状態)で図示されている。
【0040】
なお、図3において、符号35は、引張バネ38により有機付着物除去装置5(チャンバ8等)を引き出した際に、引出末端位置を規制(決定)すべく一方のガイドレール31に固設されチャンバ8の端面に当接する固定ストッパである。また、本実施形態では、図3に示すごとく、有機付着物除去装置5がロール3,4の軸方向に移動するので、オゾン供給配管25と囲い7との間は可撓配管26を介して連結されるとともに、チャンバ8と排気配管27との間は可撓配管28を介して連結されている。さらに、図示を省略しているが、紫外線ランプ6用の電気配線も可撓ケーブルを用いて配線されている。
【0041】
本発明の第1実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置5は上述のごとく構成され、引張バネ38により、チャンバ8等を本体フレーム9の外側へ引き出す力が付勢されているので、人為的にソレノイド作動ストッパ34への給電を停止すれば係止部34aが引き込まれて引張バネ38の付勢力が解放され、車輪33を一対のガイドレール31,31上で走行させながら、チャンバ8等(装置5)を製造ラインの外側に抜き出すことができる。
【0042】
従って、シート状樹脂2の製造/加工中であっても容易に紫外線ランプ6の交換やカバー洗浄(囲い7やチャンバ8内の洗浄)を行なうことができ、製造/加工ラインの稼働率が低下するのを確実に防止できるほか、作業者への負担を大幅に軽減することができる。
また、停電時には、ソレノイド作動ストッパ34への電流が断たれ、係止部34aが自動的に引き込まれるため、この係止部34aがチャンバ8の端面から外れて引張バネ38の付勢力が解放され、チャンバ8が引張バネ38の付勢力を受け自動的に本体フレーム9から水平に引き出される。従って、製造/加工ラインの緊急停止時や停電による停止時等で電源が遮断された場合でも、ロール3,4の余熱に晒されて紫外線ランプ6が破損するのを確実に防止することができる。
【0043】
〔2〕第2実施形態の説明
図4は本発明の第2実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置を示すもので、図4はその要部を示す模式的な側断面図であり、この第2実施形態も第1実施形態とほぼ同様に構成されているが、この第2実施形態では、図4に示すように、装置5を各ロール3,4の軸方向に沿って本体フレーム9から水平に引き出すための引出機構において、第1実施形態のガイドレール31の一方をスライドバー41に変更した構造となっている。その他の部分は、第1実施形態と同様に構成されているので、その説明は省略する。
【0044】
つまり、円筒軸形状のスライドバー41が、チャンバ8の一側においてロール3,4の軸方向(本体フレーム9と直交する方向)に沿って水平に本体フレーム9,9に固設されるとともに、支え台36,37(図3参照)によって端部を支持されている。また、ガイドレール43が、チャンバ8の他側においてロール3,4の軸方向に沿って水平に(スライドバー41と平行に)本体フレーム9,9に固設されるとともに、支え台36,37(図3参照)によって端部を支持されている。
【0045】
そして、有機付着物除去装置5のチャンバ8の一方側には、スライドバー41を挿嵌されこのスライドバー41に沿って滑走・移動するスライド軸受42が取り付けられるとともに、チャンバ8の他方側には、ガイドレール43に案内されて走行する車輪44が取り付けられている。
本発明の第2実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置は上述のごとく構成されているので、前述した第1実施形態と同様、引張バネ38により、チャンバ8等を本体フレーム9の外側へ引き出す力が付勢され、人為的にソレノイド作動ストッパ34への給電を停止すれば係止部34aが引き込まれて引張バネ38の付勢力が解放され、スライド軸受42をスライドバー41に沿って滑走させるとともに車輪44をガイドレール43上で走行させながら、チャンバ8等(装置5)を製造ラインの外側に抜き出すことができる。
【0046】
従って、シート状樹脂2の製造/加工中であっても容易に紫外線ランプ6の交換やカバー洗浄(囲い7やチャンバ8内の洗浄)を行なうことができ、製造/加工ラインの稼働率が低下するのを確実に防止できるほか、作業者への負担を大幅に軽減することができる。
また、停電時には、ソレノイド作動ストッパ34への電流が断たれ、係止部34aが自動的に引き込まれるため、この係止部34aがチャンバ8の端面から外れて引張バネ38の付勢力が解放され、チャンバ8が引張バネ38の付勢力を受け自動的に本体フレーム9から水平に引き出される。従って、製造/加工ラインの緊急停止時や停電による停止時等で電源が遮断された場合でも、ロール3,4の余熱に晒されて紫外線ランプ6が破損するのを確実に防止することができる。
【0047】
特に、第2実施形態においては、上述のようなスライドバー41とスライド軸受42との組み合わせは、有機付着物除去装置5の使用時の位置精度を要求される場合に有効である。
〔3〕第3実施形態の説明
図5は本発明の第3実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置を示すもので、図5はその引出機構を示す側面図であり、この第3実施形態も第1実施形態とほぼ同様に構成されているが、この第3実施形態では、図5に示すように、装置5を各ロール3,4の軸方向に沿って本体フレーム9から水平に引き出すための引出機構において、引張バネ38に代えて、重錘57の重量を用いて装置5の引出を行なう構造となっている。その他の部分は、第1実施形態と同様に構成されているので、その説明は省略する。
【0048】
つまり、第1の可撓ワイヤ51が、その一端をチャンバ8の端面に結合され、その中間を第1の滑車53に巻回されて180度方向を変え、その他端を一方のガイドレール31の中間の係止部材52に結合するようにそなえられている。また、第2の可撓ワイヤ54が、その一端を第1の滑車53に結合され、その中間を、支え台36(もしくは37)に固設されたアーム56の端部に枢着された第2の滑車55に巻回されて鉛直方向へ垂下され、その他端には重錘57を結ばれ、この重錘57の自重により自然に吊り下げられるようにそなえられている。
【0049】
ソレノイド作動ストッパ34は、第1実施形態と同様のもので、紫外線ランプ6の稼働時(フィルム製造ラインが通常運転を行なっている時)には、係止部34aを突き出しチャンバ8の端部を係止することにより重錘57の重量(重力)に対抗してチャンバ8を使用位置に位置決めする一方で、停電時には、重錘57の重量(重力)を解放すべく係止部34aを引き込みチャンバ8に対する係止状態を解除するようになっている。
【0050】
なお、図5においては、稼働時の有機付着物除去装置5の位置を実線で示す一方、有機付着物除去装置5の引出位置を二点鎖線で示している。
また、第1の滑車53の移動距離は、装置5の移動距離の半分であるので、重錘57の上下移動距離も装置5の移動距離の半分である。
さらに、図5に示すように、重錘57が降下した時に床面と当接することを避けるために、床には、重錘57が降下する穴50が形成されている。
【0051】
本発明の第3実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置は上述のごとく構成されているので、重錘57により、チャンバ8等を本体フレーム9の外側へ引き出す力が付勢され、人為的にソレノイド作動ストッパ34への給電を停止すれば係止部34aが引き込まれて重錘57の重力が解放され、車輪33をガイドレール31,31上で走行させながら、チャンバ8等(装置5)を製造ラインの外側に抜き出すことができる。
【0052】
従って、シート状樹脂2の製造/加工中であっても容易に紫外線ランプ6の交換やカバー洗浄(囲い7やチャンバ8内の洗浄)を行なうことができ、製造/加工ラインの稼働率が低下するのを確実に防止できるほか、作業者への負担を大幅に軽減することができる。
また、停電時には、ソレノイド作動ストッパ34への電流が断たれ、係止部34aが自動的に引き込まれるため、この係止部34aがチャンバ8の端面から外れて重錘57の重力が解放され、チャンバ8が重錘57の重力を受け自動的に本体フレーム9から水平に引き出される。従って、製造/加工ラインの緊急停止時や停電による停止時等で電源が遮断された場合でも、ロール3,4の余熱に晒されて紫外線ランプ6が破損するのを確実に防止することができる。
【0053】
特に、第3実施形態においては、引出機構を、動力を必要とすることなく安価に構成することができる。また、第1実施形態における引張バネ38を支えるためのアーム39による突出し長さが不要になり、引出機構をよりコンパクトに構成することができる。
〔4〕第4実施形態の説明
図6は本発明の第4実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置を示すもので、図6はその引出機構を示す側面図であり、この第4実施形態も第1実施形態とほぼ同様に構成されているが、この第4実施形態では、図6に示すように、装置5を各ロール3,4の軸方向に沿って本体フレーム9から水平に引き出すための引出機構において、引張バネ38に代えて、エアシリンダ64を用いて装置5の引出を行なう構造となっている。その他の部分は、第1実施形態と同様に構成されているので、その説明は省略する。
【0054】
また、第4実施形態における第1の可撓ワイヤ51,第1の滑車53,第3の可撓ワイヤ61および第3の滑車62の構成および作用は、第3実施形態における第1の可撓ワイヤ51,第1の滑車53,第2の可撓ワイヤ54および第2の滑車55の構成および作用とほぼ同様である。
つまり、第1の可撓ワイヤ51が、その一端をチャンバ8の端面に結合され、その中間を第1の滑車53に巻回されて180度方向を変え、その他端を一方のガイドレール31の中間の係止部材52に結合するようにそなえられている。また、第3の可撓ワイヤ61が、その一端を第1の滑車53に結合され、その中間を、支え台36(もしくは37)に固設されたアーム63の端部に枢着された第2の滑車55に巻回されて180度方向を変え、その他端にはエアシリンダ64のロッド65の先端を結合するようにそなえられている。
【0055】
このエアシリンダ64は、本体フレーム9の外側に設置され、ロッド65を本体フレーム9の外方に向けて伸縮駆動することによりガイドレール31,31と平行に作動し、チャンバ8等(装置5)を本体フレーム9の外まで水平引き出しうるものである。ロッド65は、図6に実線で示すように、稼働時には、エアシリンダ64から伸長した状態で配置されている。
【0056】
そして、エアシリンダ64には、電磁作動弁66aを介してアキュムレータ66が接続されている。アキュムレータ66は、エアシリンダ64によりチャンバ8等を引き出させる作動圧縮エア(ロッド65を引き込む作動圧縮エア)を蓄圧するものであり、電磁作動弁66aは、エアシリンダ64とアキュムレータ66との間に介装され停電時に開状態になってエアシリンダ64とアキュムレータ66とを連通させるものである。
【0057】
ソレノイド作動ストッパ34は、第1実施形態と同様のもので、紫外線ランプ6の稼働時(フィルム製造ラインが通常運転を行なっている時)には、係止部34aを突き出しチャンバ8の端部を係止してチャンバ8を使用位置に位置決めする一方で、停電時には、係止部34aを引き込みチャンバ8に対する係止状態を解除するようになっている。
【0058】
本発明の第4実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置は上述のごとく構成されているので、人為的にソレノイド作動ストッパ34および電磁作動弁66aへの給電を停止すれば、ソレノイド作動ストッパ34の係止部34aがチャンバ8の端部から外れるとともに、電磁作動弁66aが開状態になってエアシリンダ64とアキュムレータ66との間が連通状態となり、アキュムレータ66に蓄圧された作動圧縮エアがエアシリンダ64に供給されてこのエアシリンダ64におけるロッド65が収縮する。
【0059】
これにより、チャンバ8等を本体フレーム9の外側へ引き出す力が付勢され、車輪33をガイドレール31,31上で走行させながら、チャンバ8等(装置5)を製造ラインの外側に抜き出すことができる。
従って、シート状樹脂2の製造/加工中であっても容易に紫外線ランプ6の交換やカバー洗浄(囲い7やチャンバ8内の洗浄)を行なうことができ、製造/加工ラインの稼働率が低下するのを確実に防止できるほか、作業者への負担を大幅に軽減することができる。
【0060】
また、停電時には、ソレノイド作動ストッパ34への電流が断たれ、係止部34aが自動的に引き込まれるため、この係止部34aがチャンバ8の端面から外れると同時に、電磁作動弁66aが開状態になってエアシリンダ64とアキュムレータ66との間が連通状態となり、アキュムレータ66に蓄圧された作動圧縮エアがエアシリンダ64に供給されてこのエアシリンダ64が作動し、チャンバ8がエアシリンダ64により自動的に本体フレーム9から水平に引き出される。
【0061】
従って、製造/加工ラインの緊急停止時や停電による停止時等で電源が遮断された場合でも、ロール3,4の余熱に晒されて紫外線ランプ6が破損するのを確実に防止することができる。
特に、第4実施形態においては、引出機構を、ガイドレール31の下方に配置したエアシリンダ64を用いて駆動することができるので、第1,第2実施形態のアーム39(図3参照)や第3実施形態のアーム56(図5参照)による突出し長さも不要になり、第1〜第3実施形態に比べてロール3,4の軸方向の長さを短縮でき、よりコンパクトに構成することができるほか、有機付着物除去装置5の配置位置が低い場合の引出機構の設置をより容易に行なえるようになる。
【0062】
なお、図6においては、稼働時の有機付着物除去装置5の位置を実線で示す一方、有機付着物除去装置5の引出位置を二点鎖線で示している。
〔5〕第5実施形態の説明
図7(a)および図7(b)は本発明の第5実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置を示すもので、図7(a)はその概略構成を示す模式的な側面図、図7(b)はその制御盤の構成を示す図である。
【0063】
この第5実施形態では、図1にて説明した有機物付着装置5において、停電時に有機付着物除去装置5のチャンバ8を引き出さずに、バッテリ(予備電源)71を用いて冷却用ブロワ69を作動させ、ロール3,4の余熱により紫外線ランプ6が損傷しない温度になるまで、囲い7内の紫外線ランプ6の周囲にエアを送って冷却を行なうように構成している。
【0064】
つまり、図7(a)に示すように、オゾン供給配管25には第1の電磁操作弁(S1 )67が介装されるとともに、この第1の電磁操作弁67と可撓配管26との間のオゾン供給配管25には、分岐配管25aが連通接続されており、この分岐配管25aには、第2の電磁操作弁(S2 )68を介して冷却用ブロワ69が連通接続されている。この冷却用ブロワ69は、ブロワ駆動用モータ(M)69aにより駆動されるようになっている。
【0065】
また、図7(b)に示すように、制御盤70内には、予備電源としてのバッテリ71と、主操作電源により作動し第1の電磁操作弁67を開閉駆動すべく接点Rを開閉するリレー(R)72と、バッテリ71により作動し第2の電磁操作弁68およびモータ69aを作動させるべく接点Tを開閉するタイマリレー(T)73とがそなえられている。
【0066】
ここで、主操作電源が停電状態になると、主操作電源側回路で接点Rが開放されて第1の電磁操作弁67が閉鎖されると同時に、バッテリ71側回路で接点Rが閉鎖され、タイマリレー73が所定時間だけ作動し、接点Tが所定時間(紫外線ランプ6が損傷しない温度になると予測される時間)だけ閉鎖され、その所定時間の間、第2の電磁操作弁68が閉鎖されるとともにモータ69aが作動して冷却用ブロワ69が駆動されるようになっている。
【0067】
本発明の第5実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置は上述のごとく構成されているので、停電時には、第1の電磁操作弁67が閉じてオゾン発生装置21からのオゾンの供給を断ち、主操作電源が切れるので、リレー72が逆作動してバッテリ71側回路の接点Rが閉じられ、バッテリ71の予備電源が通じてタイマリレー73が起動され、接点Tが閉じる。
【0068】
これにより、モータ69aが起動され冷却用ブロワ69が作動すると同時に、第2の電磁操作弁68が開かれ、分岐配管25a,オゾン供給配管25および可撓配管26を通じて、囲い7内の紫外線ランプ6の周囲にエアが送り込まれ、紫外線ランプ6が自動的に冷却されその温度が上昇するのを防いでいる。なお、ロール3,4が安全な温度まで下がる頃を見計らってタイマリレー73が自動的に切れて、ブロワ69の作動が停止されるとともに、第2の電磁操作弁68が閉じられる。
【0069】
従って、製造/加工ラインの緊急停止時や停電による停止時等で電源が遮断された場合でも、ロール3,4の余熱で紫外線ランプ6が破損するのを確実に防止することができる。
〔6〕その他
なお、上述した実施形態では、本発明の有機付着物除去装置を、成形用ロールである冷却ロール3や引取ロール4に適用した場合について説明しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、フィルム引き延ばし用延伸ロールの表面に付着する有機付着物を除去する場合にも、上述と同様に適用され、上述と同様の作用効果を得ることができる。
【0070】
そして、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明とその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0071】
【発明の効果】
(1)以上詳述したように、請求項1記載のロール表面の有機付着物除去装置によれば、引出機構により、チャンバを、紫外線ランプとともに、ロールの軸方向に沿って本体フレームから水平に引き出すことができる。
従って、熱可塑性樹脂フィルムの製造/加工中であっても容易に紫外線ランプの交換やカバー洗浄を行なうことができ、製造/加工ラインの稼働率が低下するのを確実に防止できるほか、作業者への負担を大幅に軽減することができる。
【0072】
また、製造/加工ラインの緊急停止時や停電による停止時等で電源が遮断された場合には、引出機構を用いて、チャンバを紫外線ランプとともに引き出すことにより、ロールの余熱で紫外線ランプが破損するのを確実に防止できるという効果もある。
(2)請求項2記載のロール表面の有機付着物除去装置によれば、引出機構において車輪を一対のガイドレール上で走行させることにより、チャンバを、紫外線ランプとともに、ロールの軸方向に沿って本体フレームから水平に引き出すことができるので、上述した請求項1記載の装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0073】
(3)請求項3記載のロール表面の有機付着物除去装置によれば、引出機構においてスライド軸受をスライドバーに沿って移動させるとともに車輪をガイドレール上で走行させることにより、チャンバを、紫外線ランプとともに、ロールの軸方向に沿って本体フレームから水平に引き出すことができるので、上述した請求項1記載の装置と同様の作用効果を得ることができるほか、スライドバーとスライド軸受との組み合わせは、有機付着物除去装置の使用時の位置精度を要求される場合に極めて有効である。
【0074】
(4)請求項4記載のロール表面の有機付着物除去装置によれば、停電時には、ソレノイド作動ストッパがチャンバから外れてバネの付勢力が解放され、チャンバがバネの付勢力を受け自動的に本体フレームから水平に引き出される。
従って、製造/加工ラインの緊急停止時や停電による停止時等で電源が遮断された場合でも、ロールの余熱で紫外線ランプが破損するのをより確実に防止することができる。
【0075】
(5)請求項5記載のロール表面の有機付着物除去装置によれば、停電時には、ソレノイド作動ストッパがチャンバから外れて重錘の重力が解放され、チャンバが重錘の重量を受け自動的に本体フレームから水平に引き出される。
従って、製造/加工ラインの緊急停止時や停電による停止時等で電源が遮断された場合でも、ロールの余熱で紫外線ランプが破損するのをより確実に防止することができるほか、引出機構を、動力を必要とすることなく安価に且つコンパクトに構成することができる。
【0076】
(6)請求項6記載のロール表面の有機付着物除去装置によれば、停電時には、ソレノイド作動ストッパがチャンバから外れるとともに、電磁作動弁が開状態になってエアシリンダとアキュムレータとの間が連通状態となり、アキュムレータに蓄圧された作動圧縮エアがエアシリンダに供給されてこのエアシリンダが作動し、チャンバがエアシリンダにより自動的に本体フレームから水平に引き出される。
【0077】
従って、製造/加工ラインの緊急停止時や停電による停止時等で電源が遮断された場合でも、ロールの余熱で紫外線ランプが破損するのをより確実に防止することができるほか、ロール軸方向の長さをより短縮でき、引出機構をコンパクトに構成できるほか、チャンバ等の配置位置が低い場合の引出機構の設置をより容易に行なうことができる。
【0078】
(7)請求項7記載のロール表面の有機付着物除去装置によれば、停電時にはソレノイド作動ストッパへの電流が断たれ、チャンバに対する係止が自動的に解除されるのでチャンバ等を製造ラインの外側に抜き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置をそなえたフィルム成形装置の概略構成を示す模式的な側面図である。
【図2】第1実施形態のロール表面の有機付着物除去装置の要部を示す模式的な側断面図である。
【図3】第1実施形態のロール表面の有機付着物除去装置をそなえたフィルム成形装置を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置の要部を示す模式的な側断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置の引出機構を示す側面図である。
【図6】本発明の第4実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置の引出機構を示す側面図である。
【図7】(a),(b)はいずれも本発明の第5実施形態としてのロール表面の有機付着物除去装置を示すもので、(a)はその概略構成を示す模式的な側面図、(b)はその制御盤の構成を示す図である。
【図8】従来のロール表面洗浄装置(有機付着物除去装置)をそなえた熱可塑性樹脂フィルム製造装置の概略構成を示す模式的な側面図である。
【符号の説明】
1 Tダイ(押出機の口金)
2 シート状樹脂(熱可塑性樹脂フィルム,シート状熱可塑性樹脂)
3 冷却ロール(成形用ロール)
4 引取ロール(成形用ロール)
5 有機付着物除去装置
6 紫外線ランプ
7 囲い
8 チャンバ
9 本体フレーム
21 オゾン発生装置
31 ガイドレール
33 車輪
34 ソレノイド作動ストッパ
34a 係止部
38 引張バネ
41 スライドバー
42 スライド軸受
43 ガイドレール
51 第1の可撓ワイヤ
53 第1の滑車
54 第2の可撓ワイヤ
55 第2の滑車
57 重錘
64 エアシリンダ
66 アキュムレータ
66a 電磁作動弁
67 第1の電磁操作弁
68 第2の電磁操作弁
69 冷却用ブロワ
71 バッテリ(予備電源)
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂フィルムの製造または加工に用いられる成形用ロールまたはフィルム引き延ばし用延伸ロールの表面に紫外線を照射する紫外線ランプと、該紫外線ランプの周囲を覆い該成形用ロールまたは該延伸ロールの表面近傍に配置されるチャンバとをそなえ、該成形用ロールまたは該延伸ロールの表面に該紫外線ランプから紫外線を照射することにより、該成形用ロールまたは該延伸ロールの表面に付着する有機付着物を分解および酸化させて除去する、ロール表面の有機付着物除去装置において、
該チャンバを、該紫外線ランプとともに、該成形用ロールまたは該延伸ロールの軸方向に沿って本体フレームから水平に引き出すための引出機構がそなえられ、
該引出機構には、
該紫外線ランプの稼働時に該チャンバを係止して該チャンバを使用位置に位置決めする一方で停電時に該チャンバとの係止状態を解除すべく、該チャンバに対して掛け外し可能に設けられたソレノイド作動ストッパがそなえられている
ことを特徴とする、ロール表面の有機付着物除去装置。 - 該引出機構が、
該チャンバの両側において該成形用ロールまたは該延伸ロールの軸方向に沿って水平にそれぞれ設置された一対のガイドレールと、
該チャンバに取り付けられ、該一対のガイドレール上を走行する車輪とを含んで構成されていることを特徴とする、請求項1記載のロール表面の有機付着物除去装置。 - 該引出機構が、
該チャンバの一側において該成形用ロールまたは該延伸ロールの軸方向に沿って水平に設置されたスライドバーと、
該チャンバの他側において該成形用ロールまたは該延伸ロールの軸方向に沿って水平に設置されたガイドレールと、
該チャンバに取り付けられ、該スライドバーに沿って移動するスライド軸受と、
該チャンバに取り付けられ、該ガイドレール上を走行する車輪とを含んで構成されていることを特徴とする、請求項1記載のロール表面の有機付着物除去装置。 - 該引出機構に、
該チャンバを該本体フレームの外まで水平に引き出す力を該チャンバに付勢するバネをそなえ、
該ソレノイド作動ストッパは、該紫外線ランプの稼働時に該バネの力に対抗して該チャンバを使用位置に位置決めする一方で停電時に該バネの力を解放すべく、該チャンバに対して掛け外し可能に設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール表面の有機付着物除去装置。 - 該引出機構に、
該チャンバを該本体フレームの外まで水平に引き出す力を、滑車にて案内されるワイヤを介し、自重により該チャンバに作用させる重錘をそなえ、
該ソレノイド作動ストッパは、該紫外線ランプの稼働時に該重錘の重量に対抗して該チャンバを使用位置に位置決めする一方で停電時に該重錘の重量を解放すべく、該チャンバに対して掛け外し可能に設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール表面の有機付着物除去装置。 - 該引出機構に、
該本体フレームの外側に設置され、該チャンバを該本体フレームの外まで水平に引き出しうるエアシリンダと、
該エアシリンダにより該チャンバを引き出させる作動圧縮エアを蓄圧するアキュムレータと、
該エアシリンダと該アキュムレータとの間に介装され、停電時に開状態になって該エアシリンダと該アキュムレータとを連通させる電磁作動弁とがそなえられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール表面の有機付着物除去装置。 - 該ソレノイド作動ストッパは、電流が通じている時には該チャンバを 該使用位置に係止し、電流が通じていないときには該チャンバに対する係止状態を解除する
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のロール表面の有機付着物除去装置。
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