JP3793972B2 - ブナハリタケの人工栽培方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブナハリタケを人工的に栽培するブナハリタケの栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブナハリタケ(Mycoleptodonoides aitchisonii)は、枯死したブナ材に群生する白色腐朽菌である。本きのこは、東北等の地方によっては、古くから野生のきのこを採集して食する習慣があり、別名カミハリタケとも称されている。
【0003】
一般に、きのこは健康食品としての位置づけで高く評価されている。ブナハリタケにおいては最近の研究により、血圧降下作用、血糖降下作用及び抗腫瘍作用等が認められ生活習慣病等を改善するための食材として注目されている。そのため、ブナハリタケの需要も今後大きく拡大されることは必至であり、また、生食用だけではなく健康食品等の加工品としての利用も期待されている。
【0004】
従来のブナハリタケの人工栽培方法には、ブナ、サクラ等の原木を使用した栽培方法や、原木と大鋸屑を用いた栽培方法があったが、何れも量産には適さず、実用化されていない。
【0005】
一方、近年において、袋や保形性のある容器を使用した栽培方法が開発されている(例えば特許文献1)。この従来の方法は、保水材として大鋸屑を、栄養剤としてビール粕を使用し、主として透明又は半透明の合成樹脂材料からなる袋状の栽培容器を使用して人工栽培を行うものであり、培養中に容器の内面に接して形成される原基の内、子実体に成長させるに適した一定以上の大きさの原基を選択し、その選択された原基周辺の容器部分を切除して原基を露出させ、その露出部分を上向に置き換えて子実体に成長させるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−300066号公報
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】
上述した特許文献1に記載の如き栽培方法では、原基発生後、容器の一部を切り取って子実体成長部分を形成するものであるため、培養途中で容器毎に容器切除作業が必要になり、しかも発生した原基の周りについてのみ袋を切除して子実体にしなければならないため、1つの菌床から複数の子実体を得るためには、その数分の切除作業が必要であり作業性が非常に悪かった。
【0008】
また、子実体に成長させるに適した原基が容器内の菌床の上面のみから発生するとは限らず、このため容器切除作業の後、その切り取り位置、即ち子実体形成位置が上向になるように置き換える必要があり、作業工数が多く、しかも各作業は手作業で行わざるを得ないため多くの労力を必要とし、生産効率が悪く、生産コストが高くなる等の問題があった。
【0009】
また、容器の原基発生部分の周囲を切り取るという容器切除作業が必要であるため、切除し易い容器を使用する必要から、保形性のある容器では作業が悪いため、切除がし易い袋状の容器を使用せざるを得なかった。しかし、袋状の柔軟な容器では形状が固定され難いため、培養基の充填、殺菌、種菌接種等の作業を機械化することが困難である。かかる点からも栽培に際し多くの手作業が必要になり、生産効率が悪く、生産コストが高くなる等の問題があった。
【0010】
更に、一度使用した容器は子実体発生部分が切除されているため、再使用が出来ず、1回の栽培毎に容器を廃棄処分しなければならず、量産する場合には産業廃棄物が多くなり、廃棄のための経費がかかるとともに環境を汚染するという問題があった。
【0011】
このような従来の問題に鑑み、本発明は、ブナハリタケの栽培を広口ビン等の保形性のある栽培容器を使用して栽培でき、少ない労力で、生産性が高く、低コストで多量栽培が可能となり、産業廃棄物の発生も少なくできるブナハリタケの人工栽培方法の提供を目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決するため、本発明者は、従来シメジ、マイタケ、エリンギ等の人工栽培において使用されている保形性のある栽培容器を使用し、従来使用されている機械設備を使用して各種の作業を行わせることが可能か否かを鋭意研究の結果、培養、生育の工程で栽培の従来行われていなかった特殊な操作を行うことにより、ブナハリタケの瓶栽培が可能であるとの知見を得、本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
請求項1に記載の発明の特徴は、一定の形状を保ち、上部に開口を有する栽培容器を使用し、該栽培容器に栽培用の培地を充填して殺菌後、該培地に前記栽培容器の開口より盛り上がる状態に種菌を入れ、頂部内面に通気孔を有しないキャップを使用し、該キャップの頂部内面によって前記開口より盛り上がった種菌を押し付け、該種菌の上面にキャップの頂部内面密着させた状態に施蓋し、所定の温度条件下で所定期間培養する培養工程を経た後、前記キャップを外し、露出した菌床面上を、該菌床面にシート状の被覆材を接触させた状態で軽く覆うことにより原基を発生させる発生工程を経、該発生工程によって発生した原基が所望の大きさになった後、前記被覆材を外して子実体を生育させることにある。
【0014】
このようにして培養及び原基発生させるようにしたことにより、通常きのこ栽培において必要とされている菌掻き作業や加水作業の必要が無くなり作業効率が向上し、また、保形性のある硬い容器を使用してその開口部のみから原基発生させることが可能になり、従来、他のきのこ栽培に使用されている栽培容器を使用したブナハリタケの人工栽培が可能になり、各種作業機械による自動化、人手による作業の削減が可能になり、栽培効率が向上し、量産が可能となり、栽培容器の再使用も可能となって廃棄物の発生をより少ないものとすることができる。
【0015】
また、特に種菌の接種は、栽培容器の開口より盛り上がる状態に種菌を入れ、その盛り上がった上面をキャップ頂部内面によって押し付けるようにして施蓋することにより、キャップ表面による種菌上面の密着度を効果的に高めることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明の特徴は、前記請求項1の構成に加え、前記培養工程は、種菌接種後、施蓋した状態で20℃以上の温度条件下で培養する第一培養工程と、第一培養工程後16℃以下の温度条件下で培養を行う第二培養工程とからなることにある。このように構成することにより、ブナハリタケの菌糸培養が効果的になされる。
【0017】
請求項3に記載の発明の特徴は、前記請求項2の構成に加え、前記第一培養工程を20℃〜25℃の温度条件下で行うことにある。このようにすることにより、より効果的な菌糸培養がなされる。
【0018】
請求項4に記載の発明の特徴は、前記請求項2又は3の構成に加え、前記第二培養工程は12℃〜16℃の温度条件下において7日以上行うことにある。このように構成することにより、より効果的な菌糸培養がなされる。
【0019】
請求項5に記載の発明の特徴は、前記請求項1〜3又は4の構成に加え、前記発生工程において、発生した原基が被覆材を押し上げながら5mm〜25mmの大きさになったとき被覆材を取り除き生育工程に移行させることにある。このように構成することにより、収穫量をより多いものとできる。
【0020】
請求項6に記載の発明の特徴は、前記請求項1〜4又は5の構成に加え、キャップは頂部内面が、通気孔のない閉鎖面であり、通気孔を前記頂部内面の周囲に設けたものを使用することにある。このように構成することにより、菌糸がキャップの通気孔に入り込まずに培養でき、再使用におけるキャップの清掃が容易となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0022】
本発明のブナハリタケの栽培方法では、一定の形状を保ち、上部に開口を有する栽培容器を使用する。一定の形状を保つ栽培容器とは、袋のような柔軟な素材ではなく、ある程度硬度のある素材で構成されるものであり、例えば図1に示すように、上部に広口の開口2が形成されているびん状の栽培容器1が使用でき、この他、上下に亘って等径の缶状をした容器(図示せず)も使用できる。
【0023】
上記栽培容器1に栽培用の培地3を充填するものであるが、この培地は、保水性のある基材、栄養剤および水を混合攪拌したものを使用し、保水性のある基材には、針葉樹、例えばスギ、マツ、ヒノキ等、広葉樹、例えばブナ、ナラ、クヌギ、カバ、シラカバ、ダケカンバ等の大鋸屑やコーンコブ、ビートパルプ等一般的にいわゆる培地にある程度保水性と空隙を与え、培地の物理性を良好にする素材のものが使用できる。栄養剤としては、ビール粕、フスマ、コメヌカ、大豆皮、コーンブラン、おから(乾燥おからでも良い)、マイロ、大豆ミール等、一般的にきのこが栄養として分解吸収ができる素材が使用できる。
【0024】
培地の含水率は60〜75%(重量%)が好ましい。また、培地3を栽培容器1に充填するときは、図1に示すように開口部すれすれまで充填し開口部の縁部から中央部に向けて緩やかな下り傾斜をつけ培地の中央部には種菌を落下させるための孔4を設けることが好ましい。
【0025】
培地充填後の種菌の接種は、図2に示すように、開口2の縁部からやや上部に盛るように種菌5を入れる。次いで図3に示すように、キャップ6の頂部内面7で種菌5の上面を押さえさせてキャップ6を開口部外側に施蓋する。キャップ6の頂部内面7で種菌5の上面を押さえることで、種菌5とキャップ6の頂部内面7とが密着され、培養中に菌床表面が原基発生のために良好な状態に変化していき、キャップ6を外すだけで原基が発生し、通常きのこ栽培において必要とされている菌掻き作業や加水作業の必要が無くなり作業効率が向上する。一方キャップ6と種菌5との間に空間がある場合は、発生環境が整わず、従って発生処理時に菌掻きが必要となり手間がかかり、発生自体も遅延する。
【0026】
使用するキャップ6は、通常のきのこ栽培で用いられる通気性があるキャップを使用することができるが、図4、図5に示すように、キャップ6の側部内面8及び頂部内面7の周縁部に連続した凸条9を設け、容器1の開口部に施蓋した際に、図6に示すように、容器開口縁部2aとキャップ内面との間に隙間10が形成されるようにし、この隙間10が通気口となるようにしたもの等、キャップ頂部内面7の周縁部に通気孔を設けた構造のものが好ましい。
【0027】
キャップの頂部内面に通気口があるものは、菌糸が通気口に入り込みやすく好ましくない。菌糸が通気口からキャップ内部に侵入した場合は、いずれは菌糸のカスがたまり掃除やキャップの交換をしなくてはならず作業性や経済性を損なうこととなる。
【0028】
次いで、温度及び湿度が管理できる栽培室に移し、栽培棚上で第一及び第二の各培養工程を経る。第一培養工程は、菌糸の繁殖を良好に行うことが目的であり、20℃以上、好ましくは22〜24℃で行う。また湿度は50%以上を維持し、好ましくは60〜90%の条件下で培養する。この時、第二培養と同等の16℃以下の温度で行うと、菌糸の繁殖状況が悪くその後の発生処理をしても発生が非常に悪い。
【0029】
第一培養工程の培養日数は、容量が850ccの広口瓶型容器を使用する場合56日以上が必要であるが、栽培期間、収量性を考慮して63日程度が最も好ましい。
【0030】
第二培養工程は、温度を16℃以下に設定する必要があるが、好ましくは13〜15℃が良い。期間は7日以上が必要であるが、14日間が好ましい。16℃以下で熟成させる事が原基発生への活性化につながり、良好な発生、収量増となる。
【0031】
第二培養工程後の発生工程では、キャップを外し、図7に示すように、栽培容器1の開口部の発生面 ( 菌床面 ) に接触させた状態で、該開口部上を柔軟性のある被覆材11で被覆し、温度16℃以下、好ましくは13〜15℃に設定する。
【0032】
発生には照明が必要であり100ルックス(lux)以下の照度が好ましい。また、被覆材での被覆は、発生面(菌床面)が原基発生をする環境にあわせるためにおこなうものであり、培地表面が硬い被覆材(キャップ6)から柔らかい被覆材に変わることで発生がし易くなる。被覆材11にはポリエチレン等の合成樹脂シートが使用でき、一枚で多くの栽培容器1の上部を覆うようにする事が、被覆材11のかけはずしの作業が容易となる観点から好ましい。
【0033】
また、被覆材11を開口部に上に被せることで、開口縁上部すなわち菌床面に僅かな空間ができそこに微量の空気が流れ込むことで原基発生が促進される。空気は微量に補填されれば良く、従って、被覆材11は、多数の微細な通気孔を貫通開口させたものでも使用できるが、通気孔があると原基がこれに食い込むことがあり、被覆材11を外す際に一緒に原基も採れてしまうため、通気孔のないものが好ましい。
【0034】
このように被覆材11によって菌床面を軽く覆うことにより、微量な空気が入り込む栽培容器1の開口部の菌床面のみから原基が発生し、開口部以外の培地表面は、栽培容器1の硬い素材に覆われているため原基の発生が抑制される。
【0035】
発生処理から2日程度で原基発生が確認されるが、ブナハリタケの原基は、外部環境の変化に敏感であり、原基が小さいときに被覆材11を外すと原基が枯れて生長しなくなる。そのため、原基発生後5日程度経過し、原基が5〜20mmに達してから被覆材11を除去する。発生工程は7日間程度行うのが好ましい。
【0036】
発生工程後の生育工程は、ブナハリタケを自然のブナハリタケと同様な形態に生長させる工程であり、温度は20℃以下に設定しておこなう。尚、発生工程における13〜15℃の設定でも十分に生長を促すことができるので、作業工程上の都合からは、発生工程と同様に13〜15℃の環境下で行うことが好ましい。また、湿度は、80%以上に設定し、乾燥により子実体の生長が止まらないようにする。生育工程7日目に図8に示す如き状態に成長したブナハリタケの子実体12を収穫することができる。
【0037】
実施例
以下に本発明を実施例について更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0038】
実施例1 基本栽培工程による栽培例
図1に示す広口瓶型の栽培容器(以下、ビンと記す)を使用し、1ビン当たり、大鋸屑155g、ビール粕18g、フスマ9g、乾燥おから18g、水道水400ccを混合した培地材料を850ccのビンに詰め込み、培地を作製した。
【0039】
これを図4〜図6に示す頂部内面に通気口のないキャップで蓋をし、121℃で30分加圧減菌した。これを冷却後、予めブナハリタケの菌糸を蔓延させておいた別の培養ビンから培地片を種菌として接種し、温度22〜23℃、湿度70〜80%、照明の無い暗黒下で63日間第一培養工程を行った。
【0040】
続いて、温度13〜15℃、湿度85〜95%、照度100ルックスの条件下で14日間第二培養工程を行った。
【0041】
第二培養工程終了後キャップを外し、無孔のポリエチレンシートからなる被覆材をビンの開口部に被せ、温度13〜15℃、湿度85〜95%、照度100ルックスの条件下で7日目間発生工程を行った。発生工程2日目から原基形成が認められ、発生工程7日目には、原基が10〜15mmの大きさに生長し、被覆材を外して生育工程に移行した。
【0042】
生育工程は、温度13〜15℃、湿度85〜95%、照度100ルックスの条件下で行い、7日目に収穫適期となった。結果は表1の如くであった。
Figure 0003793972
【0043】
試験例1 培地の充填量、種菌の量の違いによる試験例 (実施例1と同時に試験を行った)
実施例1と同様の培地を850ccビンに580g詰め込み床面をビン開口縁から約10mm低くした。またブナハリタケの種菌の量は、実施例1に比べて半分の量を接種した。この場合、キャップの頂部内面と種菌の上面との間に2〜4mm程度の隙間が生じていた。接種後は実施例1と同様に栽培を行った。結果は表2に示す如くであった。
Figure 0003793972
【0044】
試験例2 第1培養工程の日数の違いによる試験例
第一培養工程の日数を49日、56日、63日、70日の4段階に設定して、他の工程は実施例1と同様の条件で栽培試験を行った。結果は表3に示す如くであった。
Figure 0003793972
【0045】
試験例3 第二培養工程の温度の違いによる試験例
第二培養工程の温度を12℃、14℃、16℃、18℃の4段階に設定して、他の工程は実施例1と同様の条件で栽培試験を行った。結果は表4に示す如くであった。
Figure 0003793972
【0046】
試験例4 第二培養工程の日数の違いによる試験例
第二培養工程の日数を0日、7日、14日、21日、28日の5段階に設定して、他の工程は実施例1と同様の条件で栽培試験を行った。結果は表5に示す。
Figure 0003793972
【0047】
実施例5 キャップの違いによる栽培例
図9、図10に示すキャップ頂部内面20に通気孔21を持ち、その通気孔21通気性のあるウレタン22で閉鎖し、キャップ周縁部の通気路23を通して通気性を持たせた頂部内面通気孔付きキャップ(キャップA)と、図4〜図6に示すキャップ頂部内面7に通気孔を持たないキャップ(キャップB)の2種類のキャップを用い、栽培工程は実施例1に従って栽培試験を行った。結果は表6に示す如くであった。
Figure 0003793972
【0048】
試験例6 被覆材を使用した場合と、使用しない場合との違いの発生例
無孔の被覆材と有孔の被覆材を用い、他の工程は実施例1と同様の条件で栽培試験を行った。結果は表7に示す如くであった。
Figure 0003793972
【0049】
試験例7 被覆材による被覆の日数の違いによる試験例
発生工程の日数を3日、5日、7日、9日、11日の5段階で、他の工程は実施例1と同様の条件で栽培試験を行った。結果は表8に示す。
Figure 0003793972
【0050】
【発明の効果】
上述したように、本発明のブナハリタケの人工栽培方法ではブナハリタケの子実体を、季節を問わず、短期間で、安定的かつ計画的に、低コストで得ることができる。
【0051】
また、ブナハリタケの子実体が培地の上面のみの発生になるので、発生中に培地の向きを変える等の手間が必要なく容易に栽培ができる。更に栽培容器の開口部を覆ったシート状の被覆材を取り除くだけで子実体を生育させることが可能となり、従来の袋での栽培の時のような部分的な切除が必要なくなり作業効率が向上する。
【0052】
更に、形状の固定された容器を使用することで栽培工程を機械化することが可能であり、機械を利用することで省力化の効果が得られ、使用した容器は再度使用することができるので廃棄物が減少し、環境的汚染も少なくなる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法おける栽培容器に培地を充填した状態の一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明方法おける種菌を盛り上げ状態で接種した状態の一例を示す縦断面図である。
【図3】本発明方法おけるキャップの表面に種菌上面を密着させて施蓋した状態の一例を示す縦断面図である。
【図4】本発明方法に使用するキャップの一例を示す縦断面図である。
【図5】同上の底面図である。
【図6】同上のキャップを栽培容器開口縁部に施蓋した状態の部分拡大断面図である。
【図7】本発明方法おける被覆材による被覆状態の一例を示す縦断面図である。
【図8】本発明方法における収穫と直前のブナハリタケ生育状態を示す側面図である。
【図9】キャップの違いによる栽培例に使用した頂部内面通気孔付きキャップを示す縦断面図である。
【図10】図9中のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 栽培容器
2 開口
3 培地
4 孔
5 種菌
6 キャップ
7 頂部内面
8 側面
9 凸条
10 隙間
11 被覆材
12 子実体
20 頂部内面
21 通気孔
22 ウレタン
23 通気路

Claims (6)

  1. 一定の形状を保ち、上部に開口を有する栽培容器を使用し、該栽培容器に栽培用の培地を充填して殺菌後、該培地に前記栽培容器の開口より盛り上がる状態に種菌を入れ、頂部内面に通気孔を有しないキャップを使用し、該キャップの頂部内面によって前記開口より盛り上がった種菌を押し付け、該種菌の上面にキャップの頂部内面を密着させた状態に施蓋し、所定の温度条件下で所定期間培養する培養工程を経た後、前記キャップを外し、露出した菌床面上を、該菌床面にシート状の被覆材を接触させた状態で軽く覆うことにより原基を発生させる発生工程を経、該発生工程によって発生した原基が所望の大きさになった後、前記被覆材を外して子実体を生育させることを特徴としてなるブナハリタケの人工栽培方法。
  2. 前記培養工程は、種菌接種後、施蓋した状態で20℃以上の温度条件下で培養する第一培養工程と、第一培養工程後16℃以下の温度条件下で培養を行う第二培養工程とからなる請求項1に記載のブナハリタケの人工栽培方法。
  3. 前記第一培養工程を20℃〜25℃の温度条件下で行う請求項2に記載のブナハリタケの栽培方法。
  4. 前記第二培養工程は12℃〜16℃の温度条件下において7日以上行う請求項2又は3に記載のブナハリタケの栽培方法。
  5. 前記発生工程において、発生した原基が被覆材を押し上げながら5mm〜25mmの大きさになったとき被覆材を取り除き生育工程に移行させる請求項1〜3又は4に記載のブナハリタケの栽培方法。
  6. キャップは頂部内面が、通気孔のない閉鎖面であり、通気孔を前記頂部内面の周囲に設けたものを使用する請求項1〜4又は5に記載のブナハリタケの栽培方法。
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