JP3218060U - きのこ栽培用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的簡単な管理方法で確実に上面からのみきのこを発生させることができ、しかも管理の積算度数も小さく(短く)することができ、さらにコストが安価なきのこ栽培用シートを提供する。【解決手段】菌床を用いて栽培を行うきのこ栽培に使用するきのこ栽培用シートであって、材料が植物性セルロースを原料とする紙(古紙)であり、菌床の上面を被覆する構成とした。安価な古紙を使用したことにより、きのこは発芽すると簡単にこの紙を突き破り、きのこのカサを変形させることもないので、きのこ栽培用シートを剥がす必要がない。また、古紙に含まれる高い濃度のリグニンによりきのこの発芽誘導作用が促進され、きのこ栽培用シートで覆った上面のみにきのこが発芽する。【選択図】図1
Description
本考案は、きのこ栽培に使用するきのこ栽培用シートに係り、特にしいたけ栽培に最適なきのこ栽培用シートに関する。
従来、しいたけの菌床栽培においては、菌床の全面からきのこが発生するという性質があり、側面から発生するきのこは互いに接触して変形してしまうという問題があった。この変形したきのこは商品価値が下がるので、しいたけ栽培農家にとっては、いかにこの側面から発生するきのこを抑制し、上面からのみ発生させるかが大きな課題となっていた。
また、しいたけの菌床栽培を効率的な通年栽培行うためには、菌糸の成長過程に応じた厳密な温度、湿度の管理が要求され、この管理を誤ると約4ヶ月後の収穫期においては、収穫が見込めないこともあり、経営上のリスクが大きい作物であるとともに経費のかかるという問題もあった。このリスクをいかに低減するかと共に栽培コストを低減することが課題となっていた。
そこで、この課題を解決する手段として、きのこの栽培課程において菌床を覆うシート使用する方法が有効であることが知られている。このシートを使用する栽培方法として特許文献1に示すきのこの発芽誘導栽培方法があった。このきのこの発芽誘導栽培方法は、きのこの菌床栽培において、上部に通機孔を備えた栽培容器内の上部に通気空間を確保して培地を充填し、該培地の上に菌が呼吸しうる露出部を確保しつつ前記通気空間の空気と培地とを遮断する遮蔽物で培地上面の任意の部分を覆う培地被覆工程と、前記培地被覆工程後、前記培地を前記栽培容器ごと加熱殺菌する殺菌工程と、前記殺菌工程後、常温に冷却した前記培地にきのこ菌を接種して栽培容器の封をする菌接種工程と、前記菌接種工程後、菌糸培養に必要な環境を保つための管理を行って前記培地の上部又は全部に菌糸が蔓延するまで又はきのこの原基が形成されるまで菌を培養する菌糸培養工程と、前記菌糸培養工程後、前記栽培容器の上部を開封して前記遮蔽物を除去する遮蔽物除去工程と、前記遮蔽物除去工程後、原基から成長したきのこが収穫し終わるまできのこの成長に必要な環境を保つための管理をする成長管理工程の各工程と、からなり、前記遮蔽物により前記菌床の任意の部分にきのこの初期発芽を誘導できるようにしたことを特徴とするものである。
しかしながら、この発芽誘導栽培方法に使用する被覆シートは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂から作製されているためきのこの発芽期に発芽成長においては成長の妨げとなるので、この被覆シートをタイミング良く取り除く必要があった。このタイミングが遅くなると、この被覆シートに圧迫されてカサの部分が押し潰されたような変形が発生したり、カサ同士が接触して変形し商品価値下がってしまうという問題が発生していた。そして、この被覆シートを剥がす際には、カサの頂面と被覆シートは多少くっついているので、無理やり剥がした場合には、カサの頭皮が剥がされてしまい商品価値を下げるという問題も発生していた。
そもそも、この被覆シートを使用した栽培方法においては、被覆シートを剥がすという作業は必要不可欠の作業であり、そのためは作業工数がかかるという問題もあり、さらには、このポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂材料から複数の丸孔加工された被覆シートは、この栽培方法のための専用のシートであり、相応のコストがかかるという問題もあった。
本案は上述した従来の問題点を鑑みなされたものであり、比較的簡単な管理方法で確実に上面からのみきのこを発生させることができ、しかも管理の積算度数も小さく(短く)することができ、さらにコストが安価なきのこ栽培用シートを提供するものである。
菌床を用いて栽培を行うきのこ栽培方法に使用するきのこ栽培用シートであって、材料が植物性セルロースを原料とする紙であり、前記菌床を被覆することを特徴するものである。
また、前記きのこ栽培用シートの材料は、古紙であることを特徴としている。
また、前記きのこ栽培用シートの形状は、外形が略前記菌床の上面の大きさに形成され、複数の孔が形成されていることを特徴としている。
さらに、前記きのこ栽培用シートの孔は、2箇所の丸孔であることを特徴とするものである。
本考案によれば、きのこ栽培用シートに安価な古紙を使用したことにより、きのこは発芽すると簡単にこの紙を突き破るので、きのこの発芽成長に全く妨げとならず、きのこのカサを変形させることもないので、このきのこ栽培用シートを剥がす必要がなくなる。従って、きのこ栽培用シートを剥がす作業が不要となるので、剥がす手間と微妙なタイミングの管理も不要となるので、きのこ栽培のコストが低減できるという優れた効果を奏するものである。
また、きのこ栽培用シートに古紙を使用したことにより、この古紙に含まれる高い濃度のリグニンによりきのこの発芽誘導作用が促進され、このきのこ栽培用シートで覆った上面のみにきのこが発芽するという優れた効果を奏するものである。
さらに、この紙製のきのこ栽培用シートを使用することにより、積算度数を減らすことができ、従来は培養期間が120日を必要としたが、100〜110日に短縮できるようになった。その結果、きのこ栽培の効率化が図ることができ、きのこ栽培の採算性を高めるという優れた効果を奏するものである。
以下、本考案におけるきのこ栽培用シートを詳細に説明する。本考案のきのこ栽培用シート1は、図1に示すように、材料が植物性セルローズである厚さが略0,1mmの古紙から、外形が使用する後述する培地10の上面に合わせた所定の寸法(本考案では100×180mm)に切断されたものである。そして、この栽培用シート1には複数の丸孔が形成されており、本考案では使用する培地10に形成される種菌孔11に合わせて2箇所の丸孔2、2が形成されている。即ち、この丸孔2は後述するように、種菌を接種する場合において、種菌がこの丸孔2を通じて培地10に入り易くするものである。
また、この栽培用シート1は、材料が植物性セルローズを原料とする紙パルプから作られるが、材料が紙であれば、特に限定はしない。ただ、きのこが発芽する時期までの間に、湿度が高い状態では強度が落ちて破れ易くなるものが良く、コストなどを考慮して、古紙の混入率が高い非塗工紙が最も適している。
このきのこ栽培用シート1は、古紙などを使用しており、古紙には、きのこの栄養分となるリグニンが多く含まれているので、きのこの発芽成長期においては、後述するように、この栽培用シート1で被覆した培地10の上面に集中してきのこが発芽するものであり、発芽誘導作用を行うものと考えられる。
次に、上述したきのこ栽培用シート1を使用したきのこ栽培の手順を説明する。このきのこ栽培の手順は、図2に示すように、培地被覆工程、殺菌工程、菌接種工程、菌糸培養工程、上部開口工程、成長管理工程、収穫工程と、からなるものである。
次に、これらの工程を説明する。まず培地被覆工程は、図3または図4に示すように、上部に通気口6を備えた合成樹脂製の栽培容器5内の上面に通気空間3を確保して培地10を充填し、この培地10の上に菌が呼吸しうる露出部を確保しつつ前記通気空間3の空気と培地10とを遮断する遮蔽物である被覆シート1で培地10上面の任意の部分を覆うものである。
本実施例に使用する栽培容器1は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂材料から上面開口の角状の袋体に形成した容器であるが、また、この栽培容器1の上部の側面に設けられた通気口6には、雑菌などが入り込まないようにフィルタ6aが取り付けられている。
また、菌床となる培地10は、しいたけの場合では、広葉樹チップ、オガコに栄養体及び水を加えた原料が使用され、図3に示すように、前記栽培容器5の寸法に合わせ、略直方体に圧縮形成されたものである。また、上面には、内部に貫通する2箇所の丸孔11,11が形成されている。この丸孔11は種菌が培地10の内部に入り易くするために形成されたものである。
次に、殺菌工程においては、栽培容器5の上を折り畳んで、培地10を栽培容器5ごと加熱殺菌する。この時の条件は、温度は100〜120℃で10時間行うことが必要である。この殺菌作業は培地被覆工程後に行うことで、一度で栽培容器5、培地10、きのこ栽培用シート1を効率よく殺菌できるが、予めきのこ栽培用シート1、栽培容器5、培地10を別々に殺菌しても良い。
次に、菌糸培養工程においては、殺菌工程後に常温(18℃)に冷却した培地10の露出部に、きのこの種菌を接種して、図5に示すように、栽培容器5の開口部5aを熱圧着などで封をする。そして、温度、湿度、照度の管理を行い菌床4に菌糸が蔓延するか原基が形成されるまで菌を培養する。
この菌糸培養工程においては、きのこの菌糸は、種菌の接種後、予め開けておいたきのこ栽培用シート1の孔などに培地10の露出部分を通過し、培地10を分解、腐朽し、菌床4の熟成が進行する。このきのこ栽培用シート1を置くことにより、置かない場合に比べて、菌種と培地10の接触部分が少なく限定されるため、培地10の上部分から下部分への菌糸の成長速度はやや遅れるが、その分、きのこの発生を得たい上部分の菌床4の熟成は、側面や底面よりも高めることができる。その結果、目的とする菌床4の上面部分には、きのこ栽培用シート1の効果と相まって、より潤沢に原基を含んだ良好な菌糸塊が形成される。
次に、上部開口工程では、図6に示すように、栽培容器5の上部5bを鋏などで切断して分離し、上面を開口する。本発明の大きな特徴は、この上部開口工程においてはきのこ栽培用シート1はそのままの状態にしておくことである。従来であれば、合成樹脂製の被覆シートを使用しているため、この被覆シートは成長の妨げとなり、外すタイミングが遅れるときのこの変形の原因となっていたものであるが、本考案のきのこ栽培用シート1は紙製であるため、この上部開口工程時おいては、湿度などの影響で破れ易くなっており、きのこが発芽する場合において、カサが簡単に破って発芽できるものである。従って、カサの変形などはなく、形状が良く品質の高いきのこが収穫できる。
従って、本考案においては、このきのこ栽培用シート1を除去するタイミングには、全く神経を使う必要がなく、管理が簡単になるという効果を奏するものである。そして、このきのこ栽培用シート1は、材料が紙なので、きのこの栄養分となるリグニンを多く含んでおり、そのため、このきのこ栽培用シート1で覆われた部分にきのこの発芽が促進され、従来よりも上面に多くのきのこが発芽し、その分側面から発芽するきのこがほとんどなくなり、理想的なきのこの栽培ができるものである。
また、従来の栽培方法においては、合成樹脂製の被覆シートを使用していたので、きのこの発芽に対しては抑制作用が強く、そのため、積算度数は2400度(20℃×120日)必要としていたが、本考案においては、紙製のきのこ栽培用シート1は期間の後半において腐食し易くなり、その成分であるリグニンが溶け出すので、発芽の促進作用が発生し、培養期間は2000度(20℃×100日)と大幅に短縮されるので、そのための管理費用が低減され、出荷の回転サイクルが速くなるので、経営の効率化を図ることができ、きのこ栽培経営の向上大きく寄与するものである。
次に、成長管理工程においては、裁培容器5の上部を開放した状態で、菌床4の湿度、湿度、照度および水分などを管理する。即ち、温度を20℃に保ち、4日間朝晩上面を水で洗いながら冷やす。その後、14〜16℃に保つと、菌床4の上部に誘導された原基からきのこが発芽し生長する。
収穫工程においては、きのこの生長度合い見ながら収穫する。そして、1回の収穫後に菌床4の上部近くまで水位を維持して水位以下の原基の形成を水で抑制することにより、菌床4の上部にきのこを継続的に発生させ収穫することができるようになる。
本考案のきのこ栽培用シートは、しいたけとそれ以外の各種のきのこの栽培に使用が可能である。
1 きのこ栽培用シート
2 丸孔
3 通気空間
4 菌床
5 栽培容器
6 通気口
10 培地
11 丸孔
2 丸孔
3 通気空間
4 菌床
5 栽培容器
6 通気口
10 培地
11 丸孔
Claims (4)
- 菌床を用いて栽培を行うきのこ栽培に使用するきのこ栽培用シートであって、材料が植物性セルロースを原料とする紙であり、前記菌床の上面を被覆することを特徴するきのこ栽培用シート。
- 前記きのこ栽培用シートの材料は、古紙であることを特徴する請求項1に記載のきのこ栽培用シート。
- 前記きのこ栽培用シートの形状は、外形が略前記菌床の上面の大きさに形成され、複数の孔が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のきのこ栽培用シート。
- 前記孔は、2箇所の丸孔であることを特徴とする請求項3に記載のきのこ栽培用シート。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018002745U JP3218060U (ja) | 2018-06-29 | 2018-06-29 | きのこ栽培用シート |
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Family Applications (1)
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