JP3793640B2 - 蒸気タービン設備の架構装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造簡易にして蒸気タービン発電機を支持する蒸気タービン設備の架構装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、蒸気タービンと発電機とを互に軸結合させるとともに、蒸気タービンを復水器に載設する蒸気タービン設備を支持する蒸気タービン設備の架構装置には、図6に示すように、運転操作用としてのデッキ部31を支持する主柱32aおよびマット32bを、鉄筋コンクリート製のコンクリート基礎台32や、図7に示すように、デッキ部31と主柱32aとの間にスプリング33を介装させたスプリング基礎台34などがある。
【0003】
後者の場合、蒸気タービン設備の運転中に発生する動荷重をスプリング33により減衰させているので、主柱32aを比較的細くでき、マット32bを比較的薄くできるため、経済性に優れており海外で比較的多く採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、蒸気タービン設備は、基礎台をコンクリート製にする場合、コンクリートが完全に固まってから架構装置を設置した後、蒸気タービン設備の据付け施工を行っている。特に、蒸気タービンの中で低圧タービンは、工場で分割作製された復水器を現地で組み立てた後、据付け施工を行っていた。このため、蒸気タービン設備は、その据付け手順を、コンクリートの養生期間を確保しつつ基礎台の施工工程、復水器の現地での組み立て工程、および蒸気タービンを復水器に載置する据付け工程を順次行っている。
【0005】
しかし、蒸気タービン設備は、上述の工程手順を経ると、現地での据付け工期上、クリチカルパスの要因になり、工期の進捗情況に種々の不都合・不具合を招来させていた。
【0006】
また、主柱32aにスプリング33を介装させる蒸気タービン設備の据付け工程では、マット32bおよび主柱32aの据付け施工を行い、主柱32aにスプリング33を設置し、予め工場で作製した復水器の搬入・据付け施工を行い、さらにコンクリートの養生期間を確保しつつデッキ部31の施工を行った後、蒸気タービンおよび発電機を据付る手順を採るため、デッキ部31のコンクリート固化までに長時間を要し、工期の短縮を難しくさせていた。特に、大型の蒸気タービン設備では、デッキ部31が比較的長尺ものであるために、据付け作業上、または据付け調整上、長時間を要していた。
【0007】
一方、蒸気タービン設備には、蒸気タービンを高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンに区分けし、各タービンを串状に軸直結させ、さらに発電機を軸直結させる、いわゆるタンデムコンパウンドタイプや高圧タービン、中圧タービンに発電機を軸直結させるプライマリタービン部と、二つの低圧タービンに発電機を軸直結させるセカンダリタービン部とを組み合わせる、いわゆるクロスコンパウンドタイプとがある。
【0008】
前者の場合、デッキ部31の全長が長スパンになっており、このためデッキ部31は、作製時に分割作製するにしても、その個数が多くなり、蒸気タービン設備の据付け工期の短縮上、何らかの改善措置が求められていた。
【0009】
また、後者の場合、架構装置は、タンデムコンパウンドタイプほどの長スパンではないにしても、機械振動対策を充分に考慮した上でデッキ部31を設計する必要があり、必然的に重量構造物になり、コスト的に考えると、何らかの改善措置が求められていた。
【0010】
本発明は、上記の事情に基づいてなされたもので、蒸気タービン設備の据付け工期の短縮およびコストの低減に寄与させるとともに、蒸気タービン設備の運転中に発生する振動を充分に抑制できるようにした蒸気タービン設備の架構装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載したように、高圧タービン、中圧タービンに発電機を軸直結させるプライマリタービン部と、少なくとも一つ以上の低圧タービンに発電機を軸直結させるセカンダリタービン部とを組み合わせるクロスコンパウンドタイプを備えた蒸気タービン設備の架構装置において、前記プライマリタービン部を載置する主柱を備えたプライマリタービン用デッキ部と、前記セカンダリタービン部を載置する主柱を備えたセカンダリタービン用デッキ部とを別置に設置するとともに、前記プライマリタービン用デッキ部と前記セカンダリタービン用デッキ部との間に弾性部材を介装させて接続したものである。
【0012】
本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置は、上記目的を達成するために、請求項2に記載したように、請求項1に記載の弾性部材を、ダンパにしたものである。
【0013】
本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置は、上記目的を達成するために、請求項3に記載したように、前記プライマリタービン用デッキ部と主柱との間、および前記セカンダリタービン用デッキ部と主柱との間に弾性部材を介装させたものである。
【0014】
本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置は、上記目的を達成するために、請求項4に記載したように、請求項3に記載の弾性部材を、スプリングにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置の実施形態を図面および図中に付した符号を引用して説明する。
【0016】
図1は、例示として1000MWクラスの高圧タービン、中圧タービン、第1低圧タービンおよび第2低圧タービンを串状に軸直結させた4車室のタンデムコンパウンドタイプを示す概略平面図である。
【0017】
このタンデムコンパウンドタイプは、例えば鉄骨製のデッキ部1と主柱(図示せず)との間にスプリング(図示せず)を介装させるとともに、軸方向に長く延びたデッキ部1を、破線A、B、Cで区分けしてモジュール化した高・中圧タービン共用デッキ部2、中・第1低圧タービン共用デッキ部3、第2低圧タービン用デッキ部4、および発電機用デッキ部5を備えたものである。各デッキ部2〜5の相互間は、溶接接続またはボルト接続になっている。
【0018】
また、各デッキ部2〜5には、高圧タービンと中圧タービンの一部を挿通させる空間部6,7、中圧タービンの残りと第1低圧タービンを挿通させる空間部分8,9、第2低圧タービンを挿通させる空間部分10および発電機を挿通させる空間部分11が形成される。なお、、図2に示すように、高・中圧タービン共用デッキ部2に載置される高圧タービン12は高圧タービンケーシング13に前部軸受台14および高・中圧タービンロータ共用軸受台15を一体に形成する一方、図3に示すように第1低圧タービン用デッキ部3に載置される第1低圧タービン16も第1低圧タービンケーシング17に軸受台18および中・第1低圧タービンロータ共用軸受台19を一体に形成しているので、各デッキ部2〜5を基礎台に設置するにあたり、高・中圧タービン共用デッキ部2、第2低圧タービン共用デッキ部4、および発電機用デッキ部5が基礎台に設置された後、中・第1低圧タービン共用デッキ部3が基礎台に設置される。
【0019】
このように、タンデムコンパウンドタイプでは、デッキ部1を、高・中圧タービン共用デッキ部2、中・第1低圧タービン共用デッキ部3、第2低圧タービン用デッキ部4、および発電機用デッキ部5に区分けしてモジュール化したので、工場で作製した各デッキ部2〜5のそれぞれに高圧タービン、第1低圧タービン、第2低圧タービン、発電機および付属配管を載置した状態のまま現地(サイト)に搬送し、基礎台に各タービンと各デッキ部および発電機と発電機用デッキ部とを一体のまま設置することができる。なお、中、第1低圧タービン共用デッキ部3および第2低圧タービン共用デッキ部4は、一体搬入後の復水器の基礎台に設置される。また、中圧タービンは、デッキ部を接続後、従来通りの据付け手順で行われる。
【0020】
したがって、タンデムコンパウンドタイプでは、各デッキ部2〜5に各タービンおよび発電機を載置した状態のまま基礎台に設置したので、据付け工期を従来に較べて大幅に短くすることができ、コストの低減化を図ることができる。
【0021】
図5は、蒸気タービン設備の基礎台着工開始から蒸気タービン設備の運開までを、従来の工法とこのタンデムコンパウンドタイプによる工法とを対比させた施工工程タイムチャートである。
【0022】
この例では、工場で予め作製した各デッキ部2〜5に載置した各タービン、発電機を一体のまま現地に搬入し、そのまま基礎台に設置させているので、据付け工期を大幅に短縮させることが認められた。
【0023】
図4は、高圧タービン、中圧タービンに発電機を軸直結させるプライマリタービン部と、少なくとも一つ以上の低圧タービンに発電機を軸直結させるセカンダリタービン部とを組み合わせるクロスコンパウンドタイプに適用した本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置の実施形態を示す概略斜視図である。
【0024】
本実施形態に係る蒸気タービン設備の架構装置は、例えば鉄骨製のプライマリタービン用デッキ部20とセカンダリタービン用デッキ部21とに区分けし、各デッキ部20,21間に例えばダンパ等の弾性部材22を介装させて接続するとともに、各デッキ部20,21と主柱23,24を備えたプライマリタービン用架構台25およびセカンダリタービン用架構台26との間に、例えばスプリング等の弾性部材27,28を介装されたものである。なお、プライマリタービン用デッキ部20とセカンダリタービン用デッキ部21のそれぞれには、各タービンおよび発電機を挿通させる空間部分29,30が形成される。
【0025】
従来、クロスコンパウンドタイプの蒸気タービン設備を基礎台に設置する場合、その据付け工程手順は、基礎台の施工工程、復水器の現地での組立て工程、高・中・低圧タービンおよび発電機の据付け工程を順次行っていたが、基礎台のコンクリート固化までに長時間を要するため、据付け工期上、クリチカルパスの要因になっていた。
【0026】
本実施形態は、このような点に着目したもので、工場で別体に作製したプライマリタービン用デッキ部20およびセカンダリタービン用デッキ部21のそれぞれに、各タービン、発電機および付属配管を載置した状態のまま現地に搬入し、ここでプライマリタービン用デッキ部20の基礎台への据付け工程と平行して一体輸送の復水器を基礎台に設置した後、セカンダリタービン用デッキ部21を基礎台に設置させたので、据付け工期を従来に較べて大幅に短くすることができる。
【0027】
また、本実施形態は、別置き設置のプライマリタービン用デッキ部20とセカンダリタービン用デッキ部21との間に、例えばダンパ等の弾性部材22を介装させて接続するとともに、プライマリタービン用デッキ部20とプライマリタービン用架構台25との間およびセカンダリタービン用デッキ部21とセカンダリタービン用架構台26との間のそれぞれに、例えばスプリング等の弾性部材27,28を介装させて蒸気タービン設備運転中に発生する振動を減衰させるので、各デッキ部20,21が鉄骨製の場合においても各デッキ部20,21間の共振の心配はない。
【0028】
また、地震時の揺れに対しても弾性部22,27,28の振動減衰効果によりデッキ部20,21間の相対変位を抑制することができるため、プライマリタービン部の中圧タービンとセカンダリタービン部の低圧タービンとを接続するクロスオーバ管等に損傷を与えることがない。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明の通り、本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置は、デッキ部を、プライマリタービン用デッキ部とセカンダリタービン用デッキ部とを工場で別体に作製し、各デッキ部に各タービン、発電機および付属配管を載置し、現地に搬入後、基礎台に設置し、各デッキ部間を弾性部材で接続させる一方、各デッキ部と各架構台との間に弾性部材を介装させたので、据付け工期の短縮化と相まって蒸気タービン設備の運転中に発生する振動を充分に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 タンデムコンパウンドタイプを適用例とする蒸気タービン設備の架構装置を示す概略平面図。
【図2】 図1で示した高・中圧タービン共用デッキ部に載置した高圧タービンを示す概略斜視図。
【図3】 図1で示した中・第1低圧タービン共用デッキ部に載置した第1低圧タービンを示す概略斜視図。
【図4】 クロスコンパウンドタイプを適用例とする本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置の第1実施形態を示す概略斜視図。
【図5】 蒸気タービン設備の基礎台着工開始から蒸気タービン設備の運開までを、従来の工法とタンデムコンパウンドタイプによる工法とを対比させた施工工程タイムチャート図。
【図6】 従来の蒸気タービン設備の架構装置を示す概略斜視図。
【図7】 従来の別の蒸気タービン設備の架構装置を示す概略斜視図。
【符号の説明】
1 デッキ部
2 高・中圧タービン共用デッキ部
3 中・第1低圧タービン共用デッキ部
4 第2低圧タービン用デッキ部
5 発電機用デッキ部
6,7,8,9,10,11 空間部分
12 高圧タービン
13 高圧タービンケーシング
14 前部軸受台
15 高・中圧タービンロータ共用軸受台
16 第1低圧タービン
17 第1低圧タービンケーシング
18 軸受台
19 中・第1低圧タービンロータ共用軸受台
20 プライマリタービン用デッキ部
21 セカンダリタービン用デッキ部
22 弾性部材
23,24 主柱
25 プライマリタービン用架構台
26 セカンダリタービン用架構台
27,28 弾性部材
29,30 空間部分
31 デッキ部
32 コンクリート基礎台
32a 主柱
32b マット
33 スプリング
34 スプリング基礎台
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造簡易にして蒸気タービン発電機を支持する蒸気タービン設備の架構装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、蒸気タービンと発電機とを互に軸結合させるとともに、蒸気タービンを復水器に載設する蒸気タービン設備を支持する蒸気タービン設備の架構装置には、図6に示すように、運転操作用としてのデッキ部31を支持する主柱32aおよびマット32bを、鉄筋コンクリート製のコンクリート基礎台32や、図7に示すように、デッキ部31と主柱32aとの間にスプリング33を介装させたスプリング基礎台34などがある。
【0003】
後者の場合、蒸気タービン設備の運転中に発生する動荷重をスプリング33により減衰させているので、主柱32aを比較的細くでき、マット32bを比較的薄くできるため、経済性に優れており海外で比較的多く採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、蒸気タービン設備は、基礎台をコンクリート製にする場合、コンクリートが完全に固まってから架構装置を設置した後、蒸気タービン設備の据付け施工を行っている。特に、蒸気タービンの中で低圧タービンは、工場で分割作製された復水器を現地で組み立てた後、据付け施工を行っていた。このため、蒸気タービン設備は、その据付け手順を、コンクリートの養生期間を確保しつつ基礎台の施工工程、復水器の現地での組み立て工程、および蒸気タービンを復水器に載置する据付け工程を順次行っている。
【0005】
しかし、蒸気タービン設備は、上述の工程手順を経ると、現地での据付け工期上、クリチカルパスの要因になり、工期の進捗情況に種々の不都合・不具合を招来させていた。
【0006】
また、主柱32aにスプリング33を介装させる蒸気タービン設備の据付け工程では、マット32bおよび主柱32aの据付け施工を行い、主柱32aにスプリング33を設置し、予め工場で作製した復水器の搬入・据付け施工を行い、さらにコンクリートの養生期間を確保しつつデッキ部31の施工を行った後、蒸気タービンおよび発電機を据付る手順を採るため、デッキ部31のコンクリート固化までに長時間を要し、工期の短縮を難しくさせていた。特に、大型の蒸気タービン設備では、デッキ部31が比較的長尺ものであるために、据付け作業上、または据付け調整上、長時間を要していた。
【0007】
一方、蒸気タービン設備には、蒸気タービンを高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンに区分けし、各タービンを串状に軸直結させ、さらに発電機を軸直結させる、いわゆるタンデムコンパウンドタイプや高圧タービン、中圧タービンに発電機を軸直結させるプライマリタービン部と、二つの低圧タービンに発電機を軸直結させるセカンダリタービン部とを組み合わせる、いわゆるクロスコンパウンドタイプとがある。
【0008】
前者の場合、デッキ部31の全長が長スパンになっており、このためデッキ部31は、作製時に分割作製するにしても、その個数が多くなり、蒸気タービン設備の据付け工期の短縮上、何らかの改善措置が求められていた。
【0009】
また、後者の場合、架構装置は、タンデムコンパウンドタイプほどの長スパンではないにしても、機械振動対策を充分に考慮した上でデッキ部31を設計する必要があり、必然的に重量構造物になり、コスト的に考えると、何らかの改善措置が求められていた。
【0010】
本発明は、上記の事情に基づいてなされたもので、蒸気タービン設備の据付け工期の短縮およびコストの低減に寄与させるとともに、蒸気タービン設備の運転中に発生する振動を充分に抑制できるようにした蒸気タービン設備の架構装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載したように、高圧タービン、中圧タービンに発電機を軸直結させるプライマリタービン部と、少なくとも一つ以上の低圧タービンに発電機を軸直結させるセカンダリタービン部とを組み合わせるクロスコンパウンドタイプを備えた蒸気タービン設備の架構装置において、前記プライマリタービン部を載置する主柱を備えたプライマリタービン用デッキ部と、前記セカンダリタービン部を載置する主柱を備えたセカンダリタービン用デッキ部とを別置に設置するとともに、前記プライマリタービン用デッキ部と前記セカンダリタービン用デッキ部との間に弾性部材を介装させて接続したものである。
【0012】
本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置は、上記目的を達成するために、請求項2に記載したように、請求項1に記載の弾性部材を、ダンパにしたものである。
【0013】
本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置は、上記目的を達成するために、請求項3に記載したように、前記プライマリタービン用デッキ部と主柱との間、および前記セカンダリタービン用デッキ部と主柱との間に弾性部材を介装させたものである。
【0014】
本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置は、上記目的を達成するために、請求項4に記載したように、請求項3に記載の弾性部材を、スプリングにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置の実施形態を図面および図中に付した符号を引用して説明する。
【0016】
図1は、例示として1000MWクラスの高圧タービン、中圧タービン、第1低圧タービンおよび第2低圧タービンを串状に軸直結させた4車室のタンデムコンパウンドタイプを示す概略平面図である。
【0017】
このタンデムコンパウンドタイプは、例えば鉄骨製のデッキ部1と主柱(図示せず)との間にスプリング(図示せず)を介装させるとともに、軸方向に長く延びたデッキ部1を、破線A、B、Cで区分けしてモジュール化した高・中圧タービン共用デッキ部2、中・第1低圧タービン共用デッキ部3、第2低圧タービン用デッキ部4、および発電機用デッキ部5を備えたものである。各デッキ部2〜5の相互間は、溶接接続またはボルト接続になっている。
【0018】
また、各デッキ部2〜5には、高圧タービンと中圧タービンの一部を挿通させる空間部6,7、中圧タービンの残りと第1低圧タービンを挿通させる空間部分8,9、第2低圧タービンを挿通させる空間部分10および発電機を挿通させる空間部分11が形成される。なお、、図2に示すように、高・中圧タービン共用デッキ部2に載置される高圧タービン12は高圧タービンケーシング13に前部軸受台14および高・中圧タービンロータ共用軸受台15を一体に形成する一方、図3に示すように第1低圧タービン用デッキ部3に載置される第1低圧タービン16も第1低圧タービンケーシング17に軸受台18および中・第1低圧タービンロータ共用軸受台19を一体に形成しているので、各デッキ部2〜5を基礎台に設置するにあたり、高・中圧タービン共用デッキ部2、第2低圧タービン共用デッキ部4、および発電機用デッキ部5が基礎台に設置された後、中・第1低圧タービン共用デッキ部3が基礎台に設置される。
【0019】
このように、タンデムコンパウンドタイプでは、デッキ部1を、高・中圧タービン共用デッキ部2、中・第1低圧タービン共用デッキ部3、第2低圧タービン用デッキ部4、および発電機用デッキ部5に区分けしてモジュール化したので、工場で作製した各デッキ部2〜5のそれぞれに高圧タービン、第1低圧タービン、第2低圧タービン、発電機および付属配管を載置した状態のまま現地(サイト)に搬送し、基礎台に各タービンと各デッキ部および発電機と発電機用デッキ部とを一体のまま設置することができる。なお、中、第1低圧タービン共用デッキ部3および第2低圧タービン共用デッキ部4は、一体搬入後の復水器の基礎台に設置される。また、中圧タービンは、デッキ部を接続後、従来通りの据付け手順で行われる。
【0020】
したがって、タンデムコンパウンドタイプでは、各デッキ部2〜5に各タービンおよび発電機を載置した状態のまま基礎台に設置したので、据付け工期を従来に較べて大幅に短くすることができ、コストの低減化を図ることができる。
【0021】
図5は、蒸気タービン設備の基礎台着工開始から蒸気タービン設備の運開までを、従来の工法とこのタンデムコンパウンドタイプによる工法とを対比させた施工工程タイムチャートである。
【0022】
この例では、工場で予め作製した各デッキ部2〜5に載置した各タービン、発電機を一体のまま現地に搬入し、そのまま基礎台に設置させているので、据付け工期を大幅に短縮させることが認められた。
【0023】
図4は、高圧タービン、中圧タービンに発電機を軸直結させるプライマリタービン部と、少なくとも一つ以上の低圧タービンに発電機を軸直結させるセカンダリタービン部とを組み合わせるクロスコンパウンドタイプに適用した本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置の実施形態を示す概略斜視図である。
【0024】
本実施形態に係る蒸気タービン設備の架構装置は、例えば鉄骨製のプライマリタービン用デッキ部20とセカンダリタービン用デッキ部21とに区分けし、各デッキ部20,21間に例えばダンパ等の弾性部材22を介装させて接続するとともに、各デッキ部20,21と主柱23,24を備えたプライマリタービン用架構台25およびセカンダリタービン用架構台26との間に、例えばスプリング等の弾性部材27,28を介装されたものである。なお、プライマリタービン用デッキ部20とセカンダリタービン用デッキ部21のそれぞれには、各タービンおよび発電機を挿通させる空間部分29,30が形成される。
【0025】
従来、クロスコンパウンドタイプの蒸気タービン設備を基礎台に設置する場合、その据付け工程手順は、基礎台の施工工程、復水器の現地での組立て工程、高・中・低圧タービンおよび発電機の据付け工程を順次行っていたが、基礎台のコンクリート固化までに長時間を要するため、据付け工期上、クリチカルパスの要因になっていた。
【0026】
本実施形態は、このような点に着目したもので、工場で別体に作製したプライマリタービン用デッキ部20およびセカンダリタービン用デッキ部21のそれぞれに、各タービン、発電機および付属配管を載置した状態のまま現地に搬入し、ここでプライマリタービン用デッキ部20の基礎台への据付け工程と平行して一体輸送の復水器を基礎台に設置した後、セカンダリタービン用デッキ部21を基礎台に設置させたので、据付け工期を従来に較べて大幅に短くすることができる。
【0027】
また、本実施形態は、別置き設置のプライマリタービン用デッキ部20とセカンダリタービン用デッキ部21との間に、例えばダンパ等の弾性部材22を介装させて接続するとともに、プライマリタービン用デッキ部20とプライマリタービン用架構台25との間およびセカンダリタービン用デッキ部21とセカンダリタービン用架構台26との間のそれぞれに、例えばスプリング等の弾性部材27,28を介装させて蒸気タービン設備運転中に発生する振動を減衰させるので、各デッキ部20,21が鉄骨製の場合においても各デッキ部20,21間の共振の心配はない。
【0028】
また、地震時の揺れに対しても弾性部22,27,28の振動減衰効果によりデッキ部20,21間の相対変位を抑制することができるため、プライマリタービン部の中圧タービンとセカンダリタービン部の低圧タービンとを接続するクロスオーバ管等に損傷を与えることがない。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明の通り、本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置は、デッキ部を、プライマリタービン用デッキ部とセカンダリタービン用デッキ部とを工場で別体に作製し、各デッキ部に各タービン、発電機および付属配管を載置し、現地に搬入後、基礎台に設置し、各デッキ部間を弾性部材で接続させる一方、各デッキ部と各架構台との間に弾性部材を介装させたので、据付け工期の短縮化と相まって蒸気タービン設備の運転中に発生する振動を充分に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 タンデムコンパウンドタイプを適用例とする蒸気タービン設備の架構装置を示す概略平面図。
【図2】 図1で示した高・中圧タービン共用デッキ部に載置した高圧タービンを示す概略斜視図。
【図3】 図1で示した中・第1低圧タービン共用デッキ部に載置した第1低圧タービンを示す概略斜視図。
【図4】 クロスコンパウンドタイプを適用例とする本発明に係る蒸気タービン設備の架構装置の第1実施形態を示す概略斜視図。
【図5】 蒸気タービン設備の基礎台着工開始から蒸気タービン設備の運開までを、従来の工法とタンデムコンパウンドタイプによる工法とを対比させた施工工程タイムチャート図。
【図6】 従来の蒸気タービン設備の架構装置を示す概略斜視図。
【図7】 従来の別の蒸気タービン設備の架構装置を示す概略斜視図。
【符号の説明】
1 デッキ部
2 高・中圧タービン共用デッキ部
3 中・第1低圧タービン共用デッキ部
4 第2低圧タービン用デッキ部
5 発電機用デッキ部
6,7,8,9,10,11 空間部分
12 高圧タービン
13 高圧タービンケーシング
14 前部軸受台
15 高・中圧タービンロータ共用軸受台
16 第1低圧タービン
17 第1低圧タービンケーシング
18 軸受台
19 中・第1低圧タービンロータ共用軸受台
20 プライマリタービン用デッキ部
21 セカンダリタービン用デッキ部
22 弾性部材
23,24 主柱
25 プライマリタービン用架構台
26 セカンダリタービン用架構台
27,28 弾性部材
29,30 空間部分
31 デッキ部
32 コンクリート基礎台
32a 主柱
32b マット
33 スプリング
34 スプリング基礎台
Claims (4)
- 高圧タービン、中圧タービンに発電機を軸直結させるプライマリタービン部と、少なくとも一つ以上の低圧タービンに発電機を軸直結させるセカンダリタービン部とを組み合わせるクロスコンパウンドタイプを備えた蒸気タービン設備の架構装置において、前記プライマリタービン部を載置する主柱を備えたプライマリタービン用デッキ部と、前記セカンダリタービン部を載置する主柱を備えたセカンダリタービン用デッキ部とを別置に設置するとともに、前記プライマリタービン用デッキ部と前記セカンダリタービン用デッキ部との間に弾性部材を介装させて接続したことを特徴とする蒸気タービン設備の架構装置。
- 請求項1に記載の弾性部材を、ダンパにしたことを特徴とする蒸気タービン設備の架構装置。
- 前記プライマリタービン用デッキ部と主柱との間、および前記セカンダリタービン用デッキ部と主柱との間に弾性部材を介装させたことを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン設備の架構装置。
- 請求項3に記載の弾性部材を、スプリングにしたことを特徴とする蒸気タービン設備の架構装置。
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JP10764198A JP3793640B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 蒸気タービン設備の架構装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP10764198A JP3793640B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 蒸気タービン設備の架構装置 |
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