JP3790443B2 - 挟み込み検知を行うパワーウインド装置 - Google Patents
挟み込み検知を行うパワーウインド装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3790443B2 JP3790443B2 JP2001172691A JP2001172691A JP3790443B2 JP 3790443 B2 JP3790443 B2 JP 3790443B2 JP 2001172691 A JP2001172691 A JP 2001172691A JP 2001172691 A JP2001172691 A JP 2001172691A JP 3790443 B2 JP3790443 B2 JP 3790443B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- value
- window
- motor
- reference value
- window opening
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Power-Operated Mechanisms For Wings (AREA)
- Window Of Vehicle (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、挟み込み検知を行うパワーウインド装置に係り、特に、ウインドの開閉中に何等かの物体の挟み込みを生じたことの検知を、正確に、瞬時に行うことができ、かつ、基準値を生成するために使用するメモリを少ない記憶容量のものにすることができる挟み込み検知を行うパワーウインド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、自動車等に用いられるパワーウインド装置においては、ウインドへの挟み込みの検知を行うパワーウインド装置が多く出回るようになり、それに伴って挟み込み検知手段として種々のタイプのものが開発されている。
【0003】
この場合、前記開発された挟み込み検知を行うパワーウインド装置は、ウインド開閉用モータと、ウインド開閉用モータの回転時に、その回転角度に応じてパルスを順次発生するパルス発生手段と、連続して発生する2つのパルス間隔を順次検出するパルス間隔検出手段と、検出した複数のパルス間隔の平均値を算出し、そのウインド移動領域における平均パルス間隔値を求める平均値算出手段と、その平均パルス間隔値に基づいて当該ウインド移動領域における基準値を算出し、算出した値を当該ウインド移動領域の基準値として記憶する基準値設定手段と、ウインド移動領域毎にその基準値と新たに検出されたパルス間隔とを順次比較し、そのパルス間隔が基準値を超えたときにウインドへの挟み込みがあったと判断し、挟み込み検出信号を出力する挟み込み検出信号出力手段とを備え、挟み込み検出信号出力手段から挟み込み検出信号がモータ制御部に供給されたとき、ウインド開閉用モータを停止または反転駆動するようにしているものである。そして、この挟み込み検知を行うパワーウインド装置においては、それぞれのウインド移動領域の基準値を設定する際に、直前のウインド移動領域で得られた複数のパルス間隔の平均値を表す平均パルス間隔値をそのウインド移動領域の基準値に設定しているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記開発された挟み込み検知を行うパワーウインド装置は、それぞれのウインド移動領域の基準値を、直前のウインド移動領域で得られた複数のパルス間隔の平均値を表す平均パルス間隔値に基づいて設定しているものである。この場合、基準値の指標になる平均パルス間隔値において、一定値に小さいリップル成分やノイズ成分が重畳しているような状態を示すときは、得られた基準値と実測したパルス間隔値とがほぼ一致した値を示すものであるが、一定の傾きをもって増加するまたは減少するような状態を示すときは、基準値となる平均パルス間隔値の変化が実測したパルス間隔値の変化に追いつかなくなり、それらのパルス間隔値の間に若干の誤差が生じるようになり、その誤差の発生によって挟み込みの検知を正確に行うことができなくなる場合がある。
【0005】
また、前記開発された挟み込み検知を行うパワーウインド装置は、それぞれのウインド移動領域において得られた複数のパルス間隔や、複数のパルス間隔から算出した平均パルス間隔値を、各ウインド移動領域における基準値として、それらのデータを個別にメモリに記憶しておく必要があることから、そのメモリに要求される記憶容量がかなり大きなものになり、その分、挟み込み検知を行うパワーウインド装置の製造コストの上昇を招くことになる。
【0006】
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたもので、その目的は、パルス間隔を表す動作パラメータの変化状態に係わりなく、基準値と実測動作パラメータ値との誤差を少なくすることが可能であり、しかも、基準値を格納するメモリの記憶容量を小さいものにすることができる挟み込み検知を行うパワーウインド装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成させるために、本発明は、ウインド開閉用操作スイッチと、ウインド開閉用モータと、ウインド開閉用操作スイッチの操作状態に応じてウインド開閉用モータを回転駆動する制御回路部と、ウインド開閉用モータの回転によりパルスを発生するパルス発生部とを備え、制御回路部は、パルス発生部から供給されるパルスに基づいてウインド位置を演算するウインド位置演算部と、ウインド開閉用モータの動作パラメータ値を検出するモータパラメータ検出部と、直前に検出した複数の動作パラメータ値を2グループに分け、該グループにおける動作パラメータ値はそれぞれ連続して検出されたものであって、各グループ毎にそのグループに属する複数の動作パラメータ値の平均動作パラメータ値を算出し、算出した2つの平均動作パラメータ値の線形近似により最新の動作パラメータ値に対する基準値を演算する基準値演算部と、モータパラメータ検出部で検出した最新の動作パラメータ値と前記基準値とを比較し、動作パラメータ値が基準値を一定値以上超えたときに挟み込みがあったものと判断し、ウインド開閉用モータを駆動停止または逆転駆動する挟み込み検出部とを有する手段を備える。
【0008】
前記手段によれば、各ウインド動作領域にそれぞれ設定する基準値として、直前に検出した動作パラメータ値を2グループに分け、該グループにおける動作パラメータ値はそれぞれ連続して検出されたものであって、各グループ毎にそのグループに属する複数の動作パラメータ値の平均動作パラメータ値を算出し、算出した2つの平均動作パラメータ値を線形近似することによって最新の動作パラメータ値に対する基準値を演算設定するようにしているので、基準値の変化状態に係わりなく、基準値をその都度極め細かに設定することが可能になり、その結果、基準値と実測動作パラメータ値との誤差が大幅に少なくなり、ウインドへの挟み込みの検知を正確に行うことができる。
【0009】
また、前記手段によれば、基準値メモリに格納されるデータとしては、直前に検出した2グループの複数の動作パラメータ値と、2グループに属する複数の動作パラメータ値の平均動作パラメータ値と、2つの平均動作パラメータ値の線形近似によって得られた1つまたは2つの基準値を表すデータだけであるので、基準値メモリの記憶容量を既知のこの種の基準値メモリの記憶容量に比べて大幅に小さくすることができ、基準値メモリが安価になり、その分、製造コストが安価になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明による挟み込み検知を行うパワーウインド装置の一つの実施の形態を示すものであって、その要部構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示されるように、この実施の形態による挟み込み検知を行うパワーウインド装置は、制御回路部1と、ウインド開閉用操作スイッチ2と、ウインド開閉用モータ(M)3と、パルス発生部4とからなっている。この場合、制御回路部1は、中央制御ユニット(CPU)5と、モータ駆動部6と、リレードライバ7と、モータトルク検出部8と、ウインド位置演算部9と、ウインド位置メモリ10と、挟み込み検出部11と、基準値演算部12と、基準値生成用メモリ13とを具備している。また、ウインド開閉用操作スイッチ2は、アップ(UP)スイッチ21 と、ダウン(DOWN)スイッチ22 と、オート(AUTO)スイッチ23 とを具備し、リレードライバ7は、第1の1回路2接点リレー71 と、第2の1回路2接点リレー72 とを具備している。
【0013】
そして、制御回路部1において、中央制御ユニット5は、ウインド開閉用操作スイッチ2の3つの出力端と、モータ駆動部6の入力端と、モータトルク検出部8の制御端と、挟み込み検出部11の制御端と、基準値演算部12の制御端にそれぞれ接続される。モータ駆動部6は、2つの出力端がリレードライバ7の対応する2つの入力端に接続され、リレードライバ7は、2つの出力端がウインド開閉用モータ3の両端に接続される。モータトルク検出部8は、入力端がパルス発生部4の出力端に、出力端が挟み込み検出部11の入力端と基準値演算部12の入力端にそれぞれ接続される。ウインド位置演算部9は、入力端がパルス発生部4の出力端に、制御端がウインド位置メモリ10に、出力端が挟み込み検出部11の入力端にそれぞれ接続される。挟み込み検出部11は、制御端が基準値生成用メモリ13に接続され、基準値演算部12は、出力端が基準値メモリ13の入力端に接続される。
【0014】
ウインド開閉用操作スイッチ2において、アップスイッチ21 、ダウンスイッチ22 オートスイッチ23 は、いずれも可動接点が中央制御ユニット5に接続され、固定接点が接地接続されている。パルス発生部4は、入力端がウインド開閉用モータ3のパルス検出端に接続される。リレードライバ7において、第1の1回路2接点リレー71 は、コイルの一端がモータ駆動部6の一方の出力端に、コイルの他端が電源端子(図番なし)にそれぞれ接続され、可動接点がウインド開閉用モータ3の一方の端子に、一方の固定接点が電源端子(図番なし)に、他方の固定接点が接地点にそれぞれ接続される。第2の1回路2接点リレー72 は、コイルの一端がモータ駆動部6の他方の出力端に、コイルの他端が電源端子(図番なし)にそれぞれ接続され、可動接点がウインド開閉用モータ3の一方の端子に、一方の固定接点が電源端子(図番なし)に、他方の固定接点が接地点にそれぞれ接続される。
【0015】
前記構成による挟み込み検知を行うパワーウインド装置におけるウインド開閉用操作スイッチ2を操作したときの動作は、次の通りである。
【0016】
いま、ウインド開閉用操作スイッチ2の中の1つのスイッチ、例えば、アップスイッチ21 を操作すると、アップスイッチ21 に接続された中央制御ユニット5の入力がそれまでの正電圧、例えば5Vから接地電圧に変化する。そして、マイクロ制御ユニット5は、入力された接地電圧に応答してモータ制御部6にウインド開閉用モータ3を一方向、例えば正方向回転させる制御信号を供給し、モータ制御部6は、その制御信号に応答して第1及び第2の1回路2接点リレー71 、72 の可動接点を切替え、ウインド開閉用モータ3を正方向回転させる。ウインド開閉用モータ3が正方向に回転すると、ウインド開閉用モータ3に連結されたウインド駆動機構を介してウインドを閉じる方向に移動させる。ウインド開閉用モータ3が正方向に回転するとき、ウインド開閉用モータ3に装着されているホール素子(図示なし)から電気的出力が発生し、この電気的出力を受領したパルス発生部4がウインド開閉用モータ3の回転に対応したパルスを発生する。パルス形成部4から出力されたパルスは、制御回路部1のモータトルク検出部8とウインド位置検出部9に供給される。
【0017】
モータトルク検出部8は、供給されたパルス間隔、具体的にはそのパルス間隔のカウント値に基づいてウインド開閉用モータ3の動作パラメータ、この場合にはモータトルク値を検出し、検出したモータトルク値を挟み込み検出部11及び基準値演算部12に供給する。ウインド位置検出部9は、供給されたパルス数をカウントし、そのカウント数をウインド位置情報としてウインド位置記憶部10に格納するとともに、カウント数に基づいてウインド位置を演算し、演算によって得られたウインド位置情報を挟み込み検出部11に供給する。
【0018】
ここで、アップスイッチ21 の操作を停止すると、アップスイッチ21 に接続された中央制御ユニット5の入力が接地電圧から正電圧、例えば5Vに変化する。このとき、中央制御ユニット5は、入力された正電圧に応答してモータ制御部6にウインド開閉用モータ3の回転を停止する制御信号を供給し、モータ制御部6は、この制御信号に応答して第1及び第2の1回路2接点リレー71 、72 の可動接点を切替え、ウインド開閉用モータ3への電源供給を止め、ウインド開閉用モータ3の回転を停止させる。ウインド開閉用モータ3の回転が停止すると、パルス発生部4への電気的出力の供給が止まり、パルス発生部4からのパルスの発生も停止する。
【0019】
次に、ウインド開閉用操作スイッチ2の中の他のスイッチ、例えば、ダウンスイッチ22 を操作すると、前述の場合と同様に、ダウンスイッチ22 に接続された中央制御ユニット5の入力が接地電圧に変化する。中央制御ユニット5は、入力された接地電圧に応答してモータ制御部6にウインド開閉用モータ3を逆方向、例えば負方向回転させる制御信号を供給し、モータ制御部6は、この制御信号に応答して第1及び第2の1回路2接点リレー71 、72 の可動接点を切替え、ウインド開閉用モータ3を逆方向に回転する。ウインド開閉用モータ3が逆方向に回転すると、ウインド開閉用モータ3に連結された駆動機構を介してウインドを開く方向に移動させる。ウインド開閉用モータ3が逆方向に回転するときも、ウインド開閉用モータ3に装着されているホール素子から電気的出力が発生し、この電気的出力を受領したパルス発生部4がウインド開閉用モータ3の回転に対応したパルスを発生する。パルス形成部4から出力されたパルスは、前の場合と同様に、制御回路部1のモータトルク検出部8とウインド位置検出部9に供給される。
【0020】
このときも、モータトルク検出部8は、供給されたパルス間隔、具体的にはそのパルス間隔のカウント値に基づいてウインド開閉用モータ3の動作パラメータ、この場合にはモータトルク値を検出し、検出したモータトルク値を挟み込み検出部11及び基準値演算部12に供給する。ウインド位置検出部9は、供給されたパルス数をカウントし、そのカウント数をウインド位置情報としてウインド位置記憶部10に格納するとともに、カウント数に基づいてウインド位置を演算し、演算によって得られたウインド位置情報を挟み込み検出部11に供給する。
【0021】
ここで、ダウンスイッチ22 の操作を停止すると、ダウンスイッチ22 に接続された中央制御ユニット5の入力が接地電圧から正電圧、例えば5Vに変化する。中央制御ユニット5は、入力された正電圧に応答してモータ制御部6にウインド開閉用モータ3の回転を停止する制御信号を供給し、モータ制御部6は、この制御信号に応答して第1及び第2の1回路2接点リレー71 、72 の可動接点を切替え、ウインド開閉用モータ3への電源供給を止め、ウインド開閉用モータ3の回転を停止させる。ウインド開閉用モータ3の回転が停止すると、パルス発生部4への電気的出力の供給が止まり、パルス発生部4からのパルスの発生も停止する。
【0022】
次いで、アップスイッチ21 とオートスイッチ23 とを同時操作した場合、または、ダウンスイッチ22 とオートスイッチ23 とを同時操作した場合の各動作は、アップスイッチ21 の操作またはダウンスイッチ22 の操作が停止されても、ウインドが最上位位置(全閉位置)に達するまで移動する、または、ウインドが最下位位置(全開位置)に達するまで移動する点で、前述のアップスイッチ21 単独操作の場合の動作またはダウンスイッチ22 単独操作の場合の動作と異なっているだけで、それ以外の各動作については、前述の各動作とほぼ同じ動作が行われるか、または、前述の各動作に準じた動作が行われる。このため、これらの動作については、これ以上の説明は省略する。
【0023】
続く、図2及び図3は、図1に図示された挟み込み検知を行うパワーウインド装置の主要な動作経緯を説明するためのフローチャートであり、図2はその動作経緯の前半部分であり、図3はその動作経緯の後半部分を示すものである。
【0024】
また、図4は、図1に図示された挟み込み検知を行うパワーウインド装置で実施される基準値の直線近似の状態を表した説明図である。
【0025】
図4において、最上部に示されたn−15、n−14、… …、n、n+1はそれぞれ(n−15)番目、(n−14)番目、… …、n番目、(n+1)番目の動作パラメータ値であり、直線1は実測モータトルクを表す線であり、直線2はA点及びB点を結ぶ近似直線である。また、直線2上の各点(n+1)、(n−7)、(n−15)はそれぞれ(n+1)番目のモータトルク値の推論値(n+1)、(n−7)番目のモータトルク値の推論値(n−7)、(n−15)番目のモータトルク値の推論値(n−15)である。
【0026】
ここにおいて、図2、図3のフローチャート及び図4の説明図を用いて、挟み込み検知を行うパワーウインド装置の主要な動作について説明する。
【0027】
図2に示されるように、まず、ステップS1において、中央制御ユニット5は、パワーウインド装置に電源が投入されてからモータ起動キャンセル期間、すなわちモータ起動直後の過渡状態においてモータ電流変動等が発生する期間を経過しているか否かを判断する。そして、モータ起動キャンセル期間を経過していると判断した(Y)ときは次のステップS2に移行し、一方、未だモータ起動キャンセル期間が終了していないと判断した(N)ときはこのステップS1を繰り返し実行する。
【0028】
次に、ステップS2において、中央制御ユニット5は、現時点から遡って15個前から8個前までの動作パラメータ値の平均値を格納している変数f{(n−15),(n−8)}を基準値生成用メモリ13からクリアする。
【0029】
次いで、ステップS3において、中央制御ユニット5は、次の動作パラメータ値(パルス間隔)がモータトルク検出部8に到来したか否かを判断する。そして、次の動作パラメータ値(パルス間隔)がモータトルク検出部8に到来したと判断した(Y)ときは次のステップS4に移行し、一方、未だ次の動作パラメータ値(パルス間隔)がモータトルク検出部8に到来してないと判断した(N)ときはこのステップS3を繰り返し実行する。
【0030】
続く、ステップS4において、中央制御ユニット5は、モータトルク検出部8に到来した動作パラメータ値(パルス間隔)からモータトルク値を導出する。
【0031】
続いて、ステップS5において、中央制御ユニット5は、基準値演算部12において変数f{(n−15),(n−8)}にデータ測定値を加算する、すなわち現時点から遡って15個前から8個前までの8つの実測モータトルク値を順次加算する。
【0032】
次に、ステップS6において、中央制御ユニット5は、8つの実測モータトルク値の加算を行って変数f{(n−15),(n−8)}を求めるため、モータトルク検出部8で8つの実測モータトルク値が得られているか否かを判断する。そして、8つの実測モータトルク値が得られていると判断した(Y)ときは次のステップS7に移行し、一方、未だつの実測モータトルク値が得られていないと判断した(N)ときは前のステップS3に戻り、再び、ステップS3以降の処理を繰り返し実行する。
【0033】
次いで、ステップS7において、中央制御ユニット5は、基準値演算部12において現時点から遡って15個前から8個前までの8つの実測モータトルク値の平均値を求めるため、変数f{(n−15),(n−8)}を8で除算する。
【0034】
かかるステップS1乃至ステップS7の動作により、図4に示された第1の平均モータトルク値Aが算出される。算出された第1の平均モータトルク値Aは基準値生成用メモリ13に格納される。
【0035】
続く、ステップS8において、中央制御ユニット5は、現時点から遡って7個前から今回までのパラメータの平均値を格納している変数f{(n−7),n}を基準値生成用メモリ13からクリアする。
【0036】
続いて、ステップS9において、中央制御ユニット5は、次の動作パラメータ値(パルス間隔)がモータトルク検出部8に到来したか否かを判断する。そして、次の動作パラメータ値(パルス間隔)がモータトルク検出部8に到来したと判断した(Y)ときは次のステップS10に移行し、一方、未だ次の動作パラメータ値(パルス間隔)がモータトルク検出部8に到来してないと判断した(N)ときはこのステップS9を繰り返し実行する。
【0037】
続く、ステップS10において、中央制御ユニット5は、モータトルク検出部8に到来した動作パラメータ値(パルス間隔)からモータトルク値を導出する。
【0038】
続いて、ステップS11において、中央制御ユニット5は、基準値演算部12において変数f{(n−7),n}にデータ測定値を加算する、すなわち現時点から遡って7個前から今回までの8つの実測モータトルク値を順次加算する。
【0039】
次に、ステップS12において、中央制御ユニット5は、変数f{(n−7),n}を求めるために8つの実測モータトルク値の加算が必要であるため、モータトルク検出部8で8つの実測モータトルク値が得られたか否かを判断する。そして、8つの実測モータトルク値が得られたと判断した(Y)ときは次のステップS13に移行し、一方、未だ8つの実測モータトルク値が得られていないと判断した(N)ときは前のステップS9に戻り、再び、ステップS9以降の処理が繰り返し実行される。
【0040】
次いで、ステップS13において、中央制御ユニット5は、基準値演算部12において現時点から遡って7個前から今回までの8つの実測モータトルク値の平均値を求めるため、変数f{(n−7),n}を8で除算する。
【0041】
かかるステップS8乃至ステップS13の動作により、図4に示された第2の平均モータトルク値Bが算出される。算出された第2の平均モータトルク値Bは基準値生成用メモリ13に格納される。
【0042】
この後、図3に示されるように、ステップS14において、中央制御ユニット5は、基準値演算部12において線形近似を行うため、第1の平均モータトルク値Aと第2の平均モータトルク値Bとを結ぶ直線のスロープ(n)を算出する。
【0043】
次に、ステップS15において、中央制御ユニット5は、ステップS14で算出したスロープ(n)を用い、n+1番目の実測モータトルク値の推論値(n+1)を算出する。この場合、第2の平均モータトルク値Bの発生位置がn−4番目であるとすれば、n+1番目はn−4番目から数えて5つ先になる。
【0044】
これにより、推論値(n+1)は、スロープ(n)×5+f{(n−7),n}で表される。この推論値(n+1)は、次回の実測モータトルク値における推論値となるもので、基準値生成用メモリ13に格納される。
【0045】
次いで、ステップS16において、中央制御ユニット5は、スロープ(n)を用い、n−7番目の実測モータトルク値の推論値(n−7)を算出する。この場合、第2の平均モータトルク値Bの発生位置がn−4番目であるとすれば、n−7番目はn−4番目よりも3つ前になる。
【0046】
これにより、推論値(n−7)は、{−スロープ(n)}×3+f{(n−7),n}で表される。この推論値(n−7)も基準値生成用メモリ13に格納される。
【0047】
続く、ステップS17において、中央制御ユニット5は、スロープ(n)を用い、n−15番目の実測モータトルク値の推論値(n−15)を算出する。この場合、第1の平均モータトルク値Aの発生位置がn−12番目であるとすれば、n−15番目はn−12番目よりも3つ前になる。
【0048】
これにより、推論値(n−15)は、{−スロープ(n)}×3+f{(n−15),(n−8)}で表される。この推論値(n−15)も基準値生成用メモリ13に格納される。
【0049】
続いて、ステップS18において、中央制御ユニット5は、次の動作パラメータ値(パルス間隔)がモータトルク検出部8に到来したか否かを判断する。そして、次の動作パラメータ値(パルス間隔)がモータトルク検出部8に到来したと判断した(Y)ときは次のステップS19に移行し、一方、未だ次の動作パラメータ値(パルス間隔)がモータトルク検出部8に到来してないと判断した(N)ときはこのステップS18を繰り返し実行する。
【0050】
次に、ステップS19において、中央制御ユニット5は、モータトルク検出部8に到来した動作パラメータ値(パルス間隔)からモータトルク値を導出する。
【0051】
次いで、ステップS20において、中央制御ユニット5は、挟み込み検出部11において、ステップS19で得られたモータトルク値が基準値生成用メモリ13に格納されているそれに対応する推論値(n+1)と比べて所定範囲以上に大きいか否かを判断する。そして、モータトルク値が推論値(n+1)よりも所定範囲以上に大きいと判断した(Y)ときはステップS23に移行し、一方、モータトルク値が推論値(n+1)よりも所定範囲以上に大きくないと判断した(N)ときは次のステップS21に移行する。
【0052】
続く、ステップS21において、中央制御ユニット5は、基準値演算部12において、変数f{(n−7),n}と推論値(n−7)と今回得られたモータトルク値とを用いて変数f{(n−7),n}を更新する。この場合、変数f{(n−7),n}は8つのモータトルク値の平均値になるので、変数f{(n−7),n}を8倍にして合計値とする。その後で、f{(n−7),n}×8から推論値(n−7)を減算し、それに今回得られたモータトルク値を加算した後、それを8で除算して8つのモータトルク値の平均値を算出し、変数f{(n−7),n}を更新する。
【0053】
続いて、ステップS22において、中央制御ユニット5は、基準値演算部12において、変数f{(n−15),(n−8)}と推論値(n−7)と推論値(n−15)とを用いて変数f{(n−15),(n−8)}を更新する。この場合、変数f{(n−15),(n−8)}は8つのモータトルク値の平均値になるので、変数f{(n−15),(n−8)}を8倍にして合計値とする。その後で、f{(n−15),(n−8)}×8から推論値(n−15)を減算し、それに推論値(n−7)を加算した後、それを8で除算して8つのモータトルク値の平均値を算出し、変数f{(n−15),(n−8)}を更新する。
【0054】
このステップS22が実行された後、前のステップS14に戻り、再び、ステップS14以降の動作を繰り返し実行する。
【0055】
また、ステップS23において、中央制御ユニット5は、ウインドへの挟み込みが発生したことにより、モータ駆動部6を通してウインド開閉用モータ3の回転を停止させるか、回転方向を逆転させ、この一連の動作を終了させる。
【0056】
このように、この実施の形態による挟み込み検知を行うパワーウインド装置によれば、直前に検出した複数の動作パラメータ値を2つのグループに分し、各グループ毎に複数の動作パラメータ値の平均動作パラメータ値を算出し、算出した平均動作パラメータ値を線形近似して新たな基準値を推論しているので、基準値の変化状態に係わりなく、基準値をその都度極め細かに設定することができ、基準値と実測動作パラメータ値との誤差が少なくなって、挟み込みの検知を正確に行うことができる。
【0057】
また、この実施の形態による挟み込み検知を行うパワーウインド装置によれば、基準値生成用メモリに僅かなデータを格納すれば足りるので、基準値生成用メモリの記憶容量を大幅に小さくすることが可能になる。
【0058】
なお、前記実施の形態においては、パルス発生部4がパルスを発生する場合、ウインド開閉用モータ3に装着されているホール素子からの電気的出力を利用した例を挙げて説明したが、本発明によるパルス発生部4のパルス手段は、このような例に限られるものでなく、他の手段、例えば、ウインド開閉用モータ3の電流から得られるリップル成分を利用してパルスを発生するようにしてもよい。
【0059】
また、前記実施の形態においては、パルス間隔から検出される動作パラメータがモータトルク値である例を挙げて説明したが、本発明による動作パラメータはモータトルク値である場合に限られるものでなく、他の値、例えばモータ電流値であってもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、各ウインド動作領域にそれぞれ設定する基準値として、直前に検出した動作パラメータ値を2グループに分け、該グループにおける動作パラメータ値はそれぞれ連続して検出されたものであって、各グループ毎にそのグループに属する複数の動作パラメータ値の平均動作パラメータ値を算出し、算出した2つの平均動作パラメータ値を線形近似することによって最新の動作パラメータ値に対する基準値を演算設定するようにしているので、基準値の変化状態に係わりなく、基準値をその都度極め細かに設定することが可能になり、その結果、基準値と実測動作パラメータ値との誤差が大幅に少なくなり、ウインドへの挟み込みの検知を正確に行うことができるという効果がある。
【0061】
また、本発明によれば、基準値生成用メモリに格納されるデータとしては、直前に検出した2グループの複数の動作パラメータ値と、2グループに属する複数の動作パラメータ値の平均動作パラメータ値と、2つの平均動作パラメータ値の線形近似によって得られた1つまたは2つの基準値を表すデータだけであるので、基準値生成用メモリの記憶容量を既知のこの種の基準値生成用メモリの記憶容量に比べて大幅に小さくすることができ、基準値生成用メモリが安価になり、その分、製造コストが安価になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による挟み込み検知を行うパワーウインド装置の一つの実施の形態を示すものであって、その要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に図示された挟み込み検知を行うパワーウインド装置の主要な動作経緯の前半部分を表すフローチャートである。
【図3】図1に図示された挟み込み検知を行うパワーウインド装置の主要な動作経緯の後半部分を表すフローチャートである。
【図4】図1に図示された挟み込み検知を行うパワーウインド装置で実施される基準値の直線近似の状態を表した説明図である。
【符号の説明】
1 制御回路部
2 ウインド開閉用操作スイッチ
21 アップ(UP)スイッチ
22 ダウン(DOWN)スイッチ
23 オート(AUTO)スイッチ
3 ウインド開閉用モータ(M)
4 パルス発生部
5 中央制御ユニット(CPU)
6 モータ駆動部
7 リレードライバ
71 第1の1回路2接点リレー
72 第2の1回路2接点リレー
8 モータトルク検出部
9 ウインド位置演算部
10 ウインド位置メモリ
11 挟み込み検出部
12 基準値演算部
13 基準値生成用メモリ
Claims (3)
- ウインド開閉用操作スイッチと、ウインド開閉用モータと、前記ウインド開閉用操作スイッチの操作状態に応じて前記ウインド開閉用モータを回転駆動する制御回路部と、前記ウインド開閉用モータの回転によりパルスを発生するパルス発生部とを備え、前記制御回路部は、前記パルス発生部から供給されるパルスに基づいてウインド位置を演算するウインド位置演算部と、前記ウインド開閉用モータの動作パラメータ値を検出するモータパラメータ検出部と、直前に検出した複数の動作パラメータ値を2グループに分け、該グループにおける動作パラメータ値はそれぞれ連続して検出されたものであって、各グループ毎にそのグループに属する複数の動作パラメータ値の平均動作パラメータ値を算出し、算出した2つの平均動作パラメータ値の線形近似により最新の動作パラメータ値に対する基準値を演算する基準値演算部と、前記モータパラメータ検出部で検出した最新の動作パラメータ値と前記基準値とを比較し、前記動作パラメータ値が前記基準値を一定値以上超えたときに挟み込みがあったものと判断し、前記ウインド開閉用モータを駆動停止または逆転駆動する挟み込み検出部とを有していることを特徴とする挟み込み検知を行うパワーウインド装置。
- 前記動作パラメータ値は、モータの負荷トルクであることを特徴とする請求項1に記載の挟み込み検知を行うパワーウインド装置。
- 前記グループに分けられた動作パラメータ値は、それぞれ8つの値からなっていることを特徴とする請求項1もしくは2のいずれかに記載の挟み込み検知を行うパワーウインド装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001172691A JP3790443B2 (ja) | 2001-06-07 | 2001-06-07 | 挟み込み検知を行うパワーウインド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001172691A JP3790443B2 (ja) | 2001-06-07 | 2001-06-07 | 挟み込み検知を行うパワーウインド装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002364247A JP2002364247A (ja) | 2002-12-18 |
JP3790443B2 true JP3790443B2 (ja) | 2006-06-28 |
Family
ID=19014267
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001172691A Expired - Fee Related JP3790443B2 (ja) | 2001-06-07 | 2001-06-07 | 挟み込み検知を行うパワーウインド装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3790443B2 (ja) |
-
2001
- 2001-06-07 JP JP2001172691A patent/JP3790443B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002364247A (ja) | 2002-12-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3931732B2 (ja) | 開閉体の挟み込み検知装置 | |
JP4595155B2 (ja) | 開口覆材の開閉制御装置 | |
JP4487588B2 (ja) | 開閉体制御装置 | |
JP4103906B2 (ja) | モータ制御装置 | |
US6426604B1 (en) | Power window controlling device | |
EP0945953B1 (en) | Method of detecting pinching of object of power window apparatus | |
JP2000199373A (ja) | パワ―ウインド装置の挟み込み検知方法 | |
JP5632959B2 (ja) | 車両の開閉部制御装置および車両の開閉部制御方法 | |
US7526371B2 (en) | Method and device for the position-dependent control of a mobile element in a motor vehicle | |
KR100362233B1 (ko) | 파워윈도우장치의 끼임검지방법 | |
US6150784A (en) | Method of detecting foreign matter caught by window in power window device | |
JP2002250176A (ja) | 挟み込み検知を行うパワーウインド装置 | |
JP4596079B2 (ja) | 開口覆材の開閉制御装置 | |
JP3790443B2 (ja) | 挟み込み検知を行うパワーウインド装置 | |
JPH07224576A (ja) | パワーウインドウ駆動制御装置 | |
JP4448621B2 (ja) | ウインドウガラスの挟持有無検出装置 | |
JP3411383B2 (ja) | パワーウィンドウ駆動制御装置 | |
JP3054305B2 (ja) | 開閉体駆動制御装置の制御方法 | |
JPH07158338A (ja) | 開閉体の開閉制御方法 | |
JP2866789B2 (ja) | パワーウィンドウ駆動制御装置 | |
JP2782320B2 (ja) | 電動駆動装置 | |
JP3572360B2 (ja) | パワーウインド装置 | |
JP2003097148A (ja) | 挟み込み検知を行うパワーウインド装置 | |
JP3794478B2 (ja) | 車両用開閉パネルの制御方法 | |
JP3815981B2 (ja) | パワーウインド装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040513 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051226 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060110 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060227 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060322 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060331 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |