JP3789376B2 - シリコーン含有毛髪洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗髪中に濯ぐときや、乾燥後の感触に優れる毛髪洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
洗髪中に濯ぐときの指通りを向上させるためには、カチオン性ポリマー、特にカチオン化ヒドロキシセルロースが、シャンプー用のコンディショニング剤として使われている。また、乾燥後のしっとり感やサラサラ感を向上させるためには、シリコーン類が使われている。通常は、これらを併用することにより、濯ぐときの指通り及び乾燥後のしっとり感やサラサラ感を向上させている。
【0003】
しかしながら、更に洗髪中及び洗髪後のいずれにも良好な感触を与える新た毛髪洗浄剤組成物が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、洗髪中に濯ぐときの指通り性、及び乾燥後のしっとり感やサラサラ感が良好な毛髪洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、カチオン性基を有するビニル単量体及びアミンオキシド基を有するビニル単量体を構成単位として含む重合体とシリコーン類とを含有する毛髪洗浄剤組成物を使用することにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、カチオン性基を有するビニル単量体及びアミンオキシド基を有するビニル単量体を構成単位として含む重合体を0.01〜20重量%、並びにシリコーン類を0.01〜20重量%含有している毛髪洗浄剤組成物であって、カチオン性基を有するビニル単量体が、式(1)で表されるものであり、アミンオキシド基を有するビニル単量体が、式(2)で表されるものであることを特徴とする毛髪洗浄剤組成物である。
【化3】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R4は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、アリール基、アラルキル基又は−CH2−CH(OH)−CH2−N+(R5)(R6)(R7)・Y-基を表し、R5〜R7はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。X-及びY-は、それぞれ独立して陰イオンを表す。aは0又は1を表し、bは2〜10の整数を表す。)
【化4】
(式中、R8は水素原子又はメチル基を表し、R9,R10はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。Dは、−COO(CH 2 ) 1 〜 5 −、−CONH(CH 2 ) 1 〜 5 −、−COO(CH 2 ) 1 〜 5 CH 2 CH(OH)CH 2 COO(CH 2 ) 1 〜 5 −、−CONH(CH 2 ) 1 〜 5 CH 2 CH(OH)CH 2 COO(CH 2 ) 1 〜 5 −、−COO(CH 2 ) 1 〜 5 CH 2 CH(OH)CH 2 CONH(CH 2 ) 1 〜 5 −、−CONH(CH 2 ) 1 〜 5 CH 2 CH(OH)CH 2 CONH(CH 2 ) 1 〜 5 −基、又はフェニレン基を表す。)
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるカチオン性基を有するビニル単量体としては、式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸アミドを用いる。
【0008】
【化5】
【0009】
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R4は水素原子、炭素数1〜24のアルキル基、アリール基、アラルキル基又は−CH2−CH(OH)−CH2−N+(R5)(R6)(R7)・Y-基を表し、R5〜R7はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。X-及びY-はそれぞれ独立して陰イオン、例えば塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン又は炭素数1〜24のモノアルキル硫酸イオンを表す。aは0又は1を表し、bは2〜10の整数を表す。)
式(1)で表されるカチオン性基を有するビニル単量体のいくつかを例示すると、N−アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−メタアクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリエチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−[3−[N’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N’,N’−ジメチルアンモニウム]−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−[3−[N’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N’,N’−ジメチルアンモニウム]−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウムクロリド等の(メタ)アクリル酸エステル類;N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−ラウリルアンモニウムクロリド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N−エチル−N,N−ジメチルアンモニウム=モノエチル硫酸塩、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウムクロリド、N−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジエチル−N−メチルアンモニウム=モノメチル硫酸塩、N−[3−[N’−アクリロイルアミノプロピル−N’,N’−ジメチルアンモニウム]−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−[3−[N’−メタクリロイルアミノプロピル−N’,N’−ジメチルアンモニウム]−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−[3−[N’−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N’,N’−ジエチルアンモニウム]−2−ヒドロキシプロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド等の(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。カチオン性基を有するビニル単量体は、1種類を用いても複数種を併用してもよい。カチオン性基を有するビニル単量体由来の構成単位は、重合体の5〜95重量%、特に15〜85重量%を占めているのが好ましい。
【0010】
アミンオキシド基を有するビニル単量体としては、特開平10−72323号公報に記載されている式(2)で表されるものを用いる。
【0011】
【化6】
【0012】
(式中、R8は水素原子又はメチル基を表し、R9及びR10はそれぞれ独立して炭素数1〜24のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。Dは、−COO(CH2)1 〜 5−、−CONH(CH2)1 〜 5−、−COO(CH2)1 〜 5CH2CH(OH)CH2COO(CH2)1 〜 5−、−CONH(CH2)1 〜 5CH2CH(OH)CH2COO(CH2)1 〜 5−、−COO(CH2)1 〜 5CH2CH(OH)CH2CONH(CH2)1 〜 5−、−CONH(CH2)1 〜 5CH2CH(OH)CH2CONH(CH2)1 〜 5−基、又はフェニレン基等を表す。)
【0013】
式(2)で表される非環式アミン由来のアミンオキシド基を有するビニル単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基を有する(メタ)アクリレート類;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の3級アミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類;3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピオン酸ビニル等の3級アミノ基を有するビニルエステル類;p−ジメチルアミノメチルスチレン、p−ジメチルアミノエチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノエチルスチレン等の3級アミノ基を有するスチレン類;及びグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するビニル単量体と、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等のエポキシ基と反応する基を有する3級アミン化合物との反応生成物のアミンオキシド化物が挙げられる。更に、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するビニル単量体と、N−ヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアミンオキシド等のエポキシ基と反応する基を有するアミンオキシド化物との反応生成物;2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するビニル単量体と、N−ヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアミンオキシド等のイソシアネート基と反応する基を有するアミンオキシド化物との反応生成物なども用いることができる。
【0024】
アミンオキシド基を有するビニル単量体は、1種類を用いても複数種を併用してもよい。
このアミンオキシド基を有するビニル単量体由来の構成単位を重合体中に含ませることにより、重合体に親水性を付与すると共に、毛髪に保湿性を付与することができる。
【0025】
アミンオキシド基を有するビニル単量体由来の構成単位は、重合体の5〜80重量%、特に10〜70重量%を占めるのが好ましい。
また、重合体中のカチオン性基を有するビニル単量体由来の構成単位と、アミンオキシド基を有するビニル単量体由来の構成単位との合計に占める、アミンオキシド基を有する構成単位の割合は10〜70重量%が好ましい。10%未満だと親水性が低いため指通りや、しっとり感が低下し、70%を超えるとカチオン部が少なくなるため毛髪への親和性が低下し、しっとり感や、サラサラ感が低下する。
【0026】
重合体には、上記以外に炭素数12以上の長鎖アルキル基を有するビニル単量体由来の構成単位を重合体の40重量%以下となるように含有させてもよい。このような単量体としては、炭素数12〜22のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルや、炭素数12〜22のアルキルアミンと(メタ)アクリル酸とのアミドなどが挙げられる。なかでも、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどが好ましい。この長鎖アルキル基を有するビニル単量体由来の構成単位を含有させることにより、重合体に疎水性を付与すると共に、洗髪後の乾燥のときに毛髪に滑らかさを付与することができる。この構成単位の含有量が40重量%を超えると、重合体の親水性が低下してしまう。
【0027】
重合体には、更に他のビニル単量体に由来する構成単位を重合体の30重量%以下となるように含有させてもよい。このようなビニル単量体としては、低級アルコール又は分子内にエーテル基を有するアルコール等と(メタ)アクリル酸とのエステル;多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステルなどが挙げられ、その代表的なものとしてはメチル(メタ)アクリレートが例示される。
【0028】
重合体としては、室温で重合体0.5重量部、ドデシル硫酸ナトリウム20重量部及び水79.5重量部を混合したときに透明な溶液を形成するものが好ましい。また、室温でその0.5重量%水溶液にドデシル硫酸ナトリウムを等電荷量となるまで添加したときに、溶液が白濁するか、その重合体が析出するものが好ましい。このような重合体は、過剰の界面活性剤が存在するシャンプー中では安定な溶液を形成し、一方、洗髪中に濯いでいるときのように界面活性剤濃度が希薄なときには、不溶化して毛髪に効率よく付着することができるので好ましい。
【0029】
重合体は、それぞれの構成単位を与えるビニル単量体を混合し、常法により重合させることにより製造できる。なお、カチオン性基を有するビニル単量体やアミンオキシド基を有するビニル単量体を有するビニル単量体の代わりに、その前駆体を用いて重合反応を行い、得られた重合体にアルキル化剤を反応させてカチオン性基を形成させたり、過酸化水素等の酸化剤を反応させてアミンオキシド基を形成させることもできる。これらの反応は、重合反応で得られた重合体溶液にそれぞれの反応剤を加えて、20〜100℃で1〜20時間行えばよい。
【0030】
本発明に係る毛髪洗浄剤組成物に用いる重合体は、上記の各ビニル単量体を、溶液重合、バルク重合、懸濁重合等の公知の方法により重合させることにより製造することができる。このうち、溶液重合が好ましい。
重合溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、s−ブタノール、イソブチルアルコール、水等の親水性溶媒が好ましい。溶媒は単独で用いても、いくつかを併用してもよい。通常は、水又はアルコールと水との混合溶媒を用いる。
【0031】
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物等を用いることができる。重合開始剤は、ビニル単量体の合計量に対して、通常は0.01〜5重量%の範囲で使用する。
【0032】
重合反応は、通常は窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気中、30〜120℃、好ましくは40〜100℃で1〜30時間行えばよい。
重合開始剤の種類及び量、重合温度、溶媒の種類、重合反応時の単量体濃度、重合系への単量体の供給方法、連鎖移動剤の使用量等の重合条件を適宜選択して生成する重合体の重量平均分子量が2,000〜1,000,000となるように重合反応を行う。重量平均分子量が2,000未満の重合体はべた付きがあり、また水分保持能力が劣る。逆に分子量が1,000,000を超えるものは、粘度が高くなり製造上取り扱いが困難になる。平均分子量が10,000〜400,000、特に50,000〜200,000の重合体が生成するように重合条件を選択するのが好ましい。
【0033】
反応液から重合体を分離するには、貧溶媒の添加による析出や、溶媒留去等の公知の方法で行う。分離した重合体は、必要ならば再沈殿、溶剤洗浄、膜分離等によって更に精製することもできる。
シリコーン類としては、特開2000−336018号公報に記載されているポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンアルキレンオキシド共重合体、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、アルコール変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、アルコキシ変性ポリジメチルシロキサン及び環状シリコーンが挙げられる。
【0034】
ポリジメチルシロキサンとしては、「KF96H−100万」(信越化学工業株式会社)、「SH200」、「BY11−007」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、「TSF451」(東芝シリコーン株式会社)や、「L−45」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。
ポリジメチルシロキサンアルキレンオキシド共重合体としては、「F−178−21」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。
【0035】
アミノ変性ポリジメチルシロキサンとしては、アミノエチル基、アミノプロピル基等のアミノアルキル基を有するものが挙げられ、アルキル基や水酸基等の置換基を有していてもよい。これらのアミノ変性ポリジメチルシロキサンは、ジメチルシロキサンと、前記アミノアルキル基を有するシロキサンとを共重合させるか、又はポリジメチルシロキサンを、前述のアミノアルキル基を有する化合物で後変性して、ポリジメチルシロキサン骨格にアミノアルキル基を導入することにより得られる。
【0036】
このようなアミノ変性ポリジメチルシロキサンとしては、「USAR SILICONE ALE56」(ユニオン・カーバイド社)、「ABIL9905」(ザ・ゴールドシュミットAG社)、「KF857」、「KF867」、「KF865」(信越化学工業株式会社)、「SM8702C」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、「FZ−3707」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。
【0037】
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとしては、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、オキシペンタメチレン、オキシヘキサメチレン、オキシ(2,2−ジメチル)プロピレン等の単量体骨格、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシペンタメチレン、ポリオキシヘキサメチレン等の単独重合体骨格、又はポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)共重合体等の共重合体骨格のオキシアルキレン基を有するものが挙げられ、水酸基、アルキル基等の置換基を有していてもよい。なかでも、重合体骨格のオキシアルキレン基を有するものが好ましい。
【0038】
これらのオキシアルキレン基を有する変性ポリジメチルシロキサンは、ジメチルシロキサンと、前記オキシアルキレン基を有するシロキサンとを共重合させるか、又はポリジメチルシロキサンを、前記オキシアルキレン基を有する化合物で後変性して、ポリジメチルシロキサン骨格にオキシアルキレン基を導入することにより得られる。本発明においては、ジメチルシロキサンと、前記重合体骨格のポリオキシアルキレン基を有するシロキサンとの共重合体が好ましい。
【0039】
ポリエーテル変性ジメチルシロキサンとしては、「KF945A」、「KF351A」、「KF354A」(信越化学工業株式会社)、「SH3771C」、「SH3749」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、「L−7602C」、「L−720」(日本ユニカー株式会社)、「SF1066」(ゼネラル・エレクトリックス・カンパニー)として市販されているものが挙げられる。
【0040】
メチルフェニルポリシロキサンとしては、「KF56」(信越化学工業株式会社)、「SH556」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、「FZ−209」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。エポキシ変性ポリジメチルシロキサンとしては、「X−60−164」(信越化学工業株式会社)、「PS922」(チッソ株式会社)、「L−9300」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。
【0041】
フッ素変性ポリジメチルシロキサンとしては、「X−22−820」(信越化学工業株式会社)、「PS182」(チッソ株式会社)として市販されているものが挙げられる。
アルコール変性ポリジメチルシロキサンとしては、「KF851」(信越化学工業株式会社)、「FM4411」(チッソ株式会社)、「FZ−3722」、「F−235−21」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。
【0042】
アルキル変性ポリジメチルシロキサンとしては、「KF410」、「KF−413」(信越化学工業株式会社)、「PS130」、「PS137」(チッソ株式会社)として市販されているものが挙げられる。
アルコキシ変性ポリジメチルシロキサンとしては、「PS912」(チッソ株式会社)、「FZ−3701」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。
【0043】
環状シリコーンとしては、「SH244」、「SH245」、「SH246」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)として市販されているものが挙げられる。
以上のシリコーン類も1種を用いても、複数種を併用してもよい。
本発明に係る毛髪洗浄剤組成物に占める重合体及びシリコーン類の含有量は、通常は、重合体は0.01〜20重量%、好ましくは0.1%〜5%、より好ましくは0.3%〜2%であり、シリコーン類は0.01〜20重量%、好ましくは、0.1%〜5%、より好ましくは0.3%〜2%である。
【0044】
重合体の含有量が、0.01重量%未満の場合には、濯ぎ時の指通りが不十分となり、乾燥後のしっとり感も不足する。一方、20重量%を超えると、乾燥後のサラサラ感が低下する。
シリコーン類の含有量が0.01重量%未満の場合には、毛髪洗浄剤組成物がべた付き、櫛通り性も不十分となるばかりか、滑らかさ感及び艶の面でも不満足なものとなる。一方、20重量%を超えると、透明性が低下し、粘度が上昇してしまう。
【0045】
上述の重合体及びシリコーン類に、水及び界面活性剤を配合することにより本発明に係る毛髪洗浄剤組成物が得られる。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、炭素数10〜16のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルキル又はアルケニル基を有し、1分子内に平均0.5〜8モルのエチレンオキシド、プロピレンンオキシド、ブチレンンオキシド、エチレンオキシドとプロピオンオキシドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で、又はエチレンオキシドとブチレンオキシドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸塩、炭素数10〜20のオレフィンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩、炭素数10〜24の飽和又は不飽和脂肪酸塩、炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子中に平均0.5〜8モルのエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で、又はエチレンオキシドとブチレンオキシドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加したアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するα−スルホン脂肪酸塩又はエステル、炭素数8〜24のアシル基と遊離カルボン酸残基とを有するN−アシルアミノ酸型界面活性剤、炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基を有するリン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、炭素数8〜22の高級アルコール若しくはそのエトキシレート等のスルホコハク酸エステル又は高級脂肪酸アミド由来のスルホコハク酸エステル、炭素数8〜20の高級脂肪酸モノエタノールアミド若しくはジエタノールアミド又はそれらのエトキシレート等のスルホン酸塩、炭素数8〜20のモノグリセリドのスルホン酸塩、及び炭素数8〜20の高級脂肪酸とイセチオン酸との縮合物の塩などの毛髪洗浄剤組成物に常用されているものを用いればよい。これらのアニオン性界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミンなどが挙げられる。なお、アニオン性界面活性剤はいくつかを併用してもよい。
【0046】
このようなアニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、N−ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリル流酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、モノラウリルリン酸トリエタノールアミン、ラウリルエーテル流酸ナトリウム1EO、2EO及び3EO、ラウリル硫酸アンモニウム並びにラウリル硫酸アンモニウム1EO、2EO及び3EO等が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、重合体中のカチオン性基とコンプレックスを生成し、毛髪に付着しやすい状態を形成すると考えられる。
【0047】
両性活性剤としては、炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基若しくはアシル基を有するα位付加型、2級アミド若しくは3級アミド型のイミダゾリン系両性界面活性剤、又は炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基若しくはアシル基を有するカルボベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系若しくはアミドスルホベタイン系両性界面活性剤などが挙げられる。例えば、ラウリルアミンオキシド、ココイルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ココイルアミドプロピルベタイン及びココイルホスホプロピルベタイン等が挙げられる。なお、両性界面活性剤はいくつかを併用してもよい。
【0048】
ノニオン性界面活性剤としては、炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有し、1〜20モルのエチレンオキシドを付加したポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、炭素数6〜12のアルキル基を有し、1〜20モルのプロピレンオキシドを付加したポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有し、1〜20モルのプロピレンオキシドを付加したポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有し、1〜20モルのブチレンオキシドを付加したポリオキシブチレンアルキル又はアルケニルエーテル、炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有し、総和で1〜30モルのエチレンオキシドとプロピレンオキシド又はエチレンオキシドとブチレンオキシドを付加したノニオン性界面活性剤(エチレンオキシドとプロピレンオキシド又はブチレンオキシドとの比は0.1/9.9〜9.9/0.1)、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキシド付加物、炭素数10〜20の脂肪酸とショ糖からなるショ糖脂肪酸エステル、炭素数10〜20の脂肪酸とグリセリンからなる脂肪酸グリセリンモノエステル、及びアルキルグルコシド等が挙げられる。例えば、ココイルモノ若しくはジエタノールアミド又はココイルモノイソプロパノールアミド等が挙げられる。なお、ノニオン性界面活性剤はいくつかを併用してもよい。
【0049】
界面活性剤は、毛髪洗浄剤組成物中に、通常1〜40重量%含まれるように調製する。好ましい含有量は5〜30重量%、特に10〜25重量%である。
【0050】
【実施例】
以下に実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのアミンオキシド化物(DMAPMA−O)の製造
還流冷却器、滴下ロート、温度計、空気吹込管及び攪拌装置付きの反応器内に、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド100重量部、蒸留水75重量部、エチレンジアミン四酢酸0.1重量部、及びパラメトキシフェノール0.05重量部を仕込んだ。これに空気を吹き込みながら、80℃に昇温し、攪拌下、当モルの過酸化水素水溶液を2時間かけて滴下した。その後80℃で10時間攪拌を続けた後、室温まで冷却して、表題のアミンオキシド化物を47重量%水溶液として得た。
【0051】
ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのジカチオン化物(DMAPMA−CM)の製造
還流冷却器、滴下ロート、温度計、空気吹込管及び攪拌装置付きの反応器内に、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド100重量部、蒸留水100重量部、及びパラメトキシフェノール0.05重量部を仕込んだ。これに空気を吹き込みながら、80℃に昇温し、攪拌下、当モルの N−2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(カチオンマスターC60、四日市合成株式会社)を2時間かけて滴下した。その後80℃で10時間攪拌を続けた後、室温まで冷却して、表題のジカチオン化物を55重量%水溶液として得た。
【0052】
重合体(1)の製造
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び攪拌装置付きの反応器内にN,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのアミンオキシド化物(47重量%水溶液)127.7重量部、上記で得たN,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのジカチオン化物(55重量%水溶液)72.7重量部、及び過硫酸アンモニウム0.2重量部を仕込み、単量体を合計した濃度が40重量%となるように蒸留水を加えた。反応器内の空気を窒素ガスで置換し、2時間かけて80℃に昇温し、同温度に10時間保持した後、室温まで冷却した。なお、昇温開始6時間後に過硫酸アンモニウム0.5重量部を追加した。
【0053】
反応終了後、 水を添加し重合体の30重量%水溶液となるように濃度を調整した。
重合体(2)〜(4)の製造
重合体(1)と同様にして、表1記載の単量体混合物を用いて重合体(2)〜(4)を製造した。
【0054】
得られた重合体(1)〜(3)は、室温で重合体0.5重量部、ドデシル硫酸ナトリウム20重量部及び水79.5重量部の割合となるように混合したとき、いずれも透明溶液となった。一方、重合体(4)は不透明溶液となった。また、室温で重合体(1)〜(4)の0.5重量%水溶液にドデシル硫酸ナトリウムを等電荷量となるまで添加したときには、いずれも重合体が析出した。
【0055】
【表1】
【0056】
DMAPMA−CM: ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのジカチオン化物
DMC:N−メタアクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド塩)
DMAPMA−O: N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのアミンオキシド化物
MMA:メチルメタクリレート。
【0057】
実施例1
重合体(1)の5重量%水溶液20重量部、ココイルアミドプロピルベタインの30重量%水溶液16.7重量部、塩化ナトリウム1重量部、及び蒸留水21.3重量部を室温で混合し均一になるまで攪拌した。次いで、ラウリルトリエチレングリコールメタクリレートの25重量%水溶液40重量部を加え均一になるまで攪拌し、最後にアミノ変性ポリジメチルシロキサン(SM8702C、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)1重量部を加え均一になるまで攪拌して、重合体(1)1重量%、シリコーン類1重量%、及び界面活性剤15.01重量%を含有する毛髪洗浄剤組成物を得た。
【0058】
実施例2
実施例1において、アミノ変性ポリジメチルシロキサン1重量部に代えてポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(KF945A、信越化学工業株式会社)1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして毛髪洗浄剤組成物を得た。
実施例3
実施例1において、アミノ変性ポリジメチルシロキサン1重量部に代えてポリジメチルシロキサンアルキレンオキシド共重合体(F−178−2、日本ユニカー株式会社)1重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして毛髪洗浄剤組成物を得た。
【0059】
実施例4
実施例1において、重合体(1)の5重量%水溶液20重量部に代えて重合体(2)の5重量%水溶液20重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして毛髪洗浄剤組成物を得た。
実施例5
実施例1において、重合体(1)の5重量%水溶液20重量部に代えて重合体(3)の5重量%水溶液20重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして毛髪洗浄剤組成物を得た。
【0060】
比較例1
実施例1において、重合体(1)の5重量%水溶液20重量部に代えて重合体(4)の5重量%水溶液20重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして毛髪洗浄剤組成物を得た。
比較例2
実施例1において、重合体(1)の5重量%水溶液20重量部に代えてカチオン化ヒドロキシセルロースの5%水溶液20重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして毛髪洗浄剤組成物を得た。
【0061】
毛髪洗浄剤組成物の評価
(1)濯ぎ時の指通り
長さ23cm、重さ2gの毛束を水に浸し軽く絞った後、各サンプル1.0gを塗布し洗髪した。その後流水中で濯ぎ、そのときの指通り感を評価した。
(2)乾燥後のしっとり感
濯ぎ後の毛束を23℃、相対湿度60%で調湿した後、手のひらで触ったときのしっとり感を評価した。
【0062】
(3)乾燥後のサラサラ感
濯ぎ後の毛束を23℃、相対湿度60%で調湿した後、手のひらで触ったときのサラサラ感を評価した。
それぞれの評価結果は比較例2の毛髪洗浄剤組成物を基準に以下のように表した。
【0063】
+2 比較例2よりはるかに優れる。
+1 比較例2より優れる。
0 比較例2と同等
−1 比較例2より劣る。
評価結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
Claims (5)
- カチオン性基を有するビニル単量体及びアミンオキシド基を有するビニル単量体を構成単位として含む重合体を0.01〜20重量%、並びにシリコーン類を0.01〜20重量%含有している毛髪洗浄剤組成物であって、
カチオン性基を有するビニル単量体が、式(1)で表されるものであり、アミンオキシド基を有するビニル単量体が、式(2)で表されるものであることを特徴とする毛髪洗浄剤組成物。
- 重合体が、カチオン性基を有するビニル単量体由来の構成単位を5〜95重量%含むものであることを特徴とする請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
- 重合体が、アミンオキシド基を有するビニル単量体由来の構成単位を5〜80重量%含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪洗浄剤組成物。
- シリコーン類が、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンアルキレンオキシド共重合体、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エポキシ変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、アルコール変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、アルコキシ変性ポリジメチルシロキサン及び環状シリコーンよりなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物。
- アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤よりなる群から選ばれる界面活性剤を1〜40重量%含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の毛髪洗浄剤組成物。
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