JP3788932B2 - 非飛散性プラスチックマイクロバルーンの製造方法 - Google Patents

非飛散性プラスチックマイクロバルーンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量化を目的とした各種の塗料、建材、プラスチックなどの充填剤として用いられる飛散性が防止されたプラスチックマイクロバルーン(以下単に「マイクロバルーン」という)の製造方法に関し、さらに詳しくは、発泡したマイクロバルーンは軽いために飛散が激しくて取り扱いが困難なことから、普通は非飛散性処理を施して使用されているが、種々の問題があり、取扱い性などは満足できるものではない。本発明は、取り扱い性の良い非飛散性マイクロバルーンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロバルーンは、通常、ポリ袋やコンテナバックなどの容器に収納されている。これを塗料などの基材に配合するために容器から取り出すと、マイクロバルーンは非常に軽いために空気中に舞い上がったり、また、撹拌混合する際にも基材の表面に浮いてしまい、基材中に均一に添加混合するまでに相当の時間を要する極めて取扱い難い材料である。
【0003】
これらの問題を解決するために、例えば、マイクロバルーンに湿潤剤を添加する方法(特開平4−71664号公報)や、無機フィラーをマイクロバルーンの表皮殻に付着させる方法などが提案されている。前者の方法は、可塑剤などの湿潤剤でマイクロバルーンに非飛散性を付与する方法であり、一方、後者の方法は、無機フィラーなどを発泡性(内部に発泡剤を含んだ未発泡の)マイクロバルーンの皮殻層に固定し、その後に発泡させてマイクロバルーンを非飛散性する方法である。この無機フィラーを皮殻層に固定したマイクロバルーンは、破壊強度の低下と本来軽量化を目的にしている材料としての性能を犠牲にしているなどの欠点がある。
【0004】
また、他の方法としては、例えば、特開平4−178442号公報や特開平7−196813号公報に記載の方法が提案されている。これらの方法は、いずれも湿潤剤中で発泡性プラスチックマイクロバルーン(以下単に「発泡性マイクロバルーン」という)を発泡させる方法である。前者の方法は、可塑剤中に発泡性マイクロバルーンを分散させたスラリーを加熱して、発泡性マイクロバルーンを発泡させ、必要に応じて可塑剤で冷却した後、過剰な可塑剤を除去して湿潤マイクロバルーンを得る方法である。後者の方法は、発泡性マイクロバルーンの発泡開始ぎりぎりの温度まで加熱した発泡性マイクロバルーンと可塑剤とからなるスラリーと、発泡性マイクロバルーンの発泡温度以上に加熱した湿潤剤(発泡性マイクロバルーンを含まない)とを混合して発泡性マイクロバルーンを瞬時に発泡させ、冷却して湿潤マイクロバルーンを得る方法である。
【0005】
従来の方法をさらに詳しく説明する。特開平4−178442号公報に記載された方法は、発泡性マイクロバルーンを湿潤剤中にスラリー状に分散させて発泡に至るまで加熱して発泡させ、その後冷却用の可塑剤を添加し、最終的に過剰な可塑剤を除去して湿潤マイクロバルーンを得る方法である。
【0006】
上記方法の問題は、加熱発泡の際、発泡性マイクロバルーン中の最初に発泡したものの熱伝導性が極端に小さくなるために、発泡性マイクロバルーンの昇温が妨げられ、未発泡状態の発泡性マイクロバルーンと過剰発泡したマイクロバルーンとが混在した状態となり、均一なマイクロバルーンが得られ難いことである。また、冷却工程でも除熱効率が悪く、均一に冷却できないなどの問題がある。
【0007】
湿潤剤を除去する工程を経て非飛散性のマイクロバルーンが得られるが、これはマイクロバルーンの表面積が大きく、湿潤剤は粘着性があるため、効率良く目的の量まで湿潤剤を取り除くのは非常に困難である。従って、湿潤剤除去後も過剰の湿潤剤がマイクロバルーンの表面に残存するために、マイクロバルーンは粘着性が強くて凝集体を形成するなど、取扱い上の問題が多い。
【0008】
一方、特開平7−196813号公報に記載の方法は、湿潤剤に発泡性マイクロバルーンを分散させたスラリーを発泡直前まで予備加熱し、これと、発泡に必要な熱源として発泡温度より高温に加熱した湿潤剤とを接触させて瞬時に発泡を完結させ、直ちに空気冷却して飛散防止されたマイクロバルーンを得る方法である。
【0009】
この方法は、前者の欠点である熱伝導阻害の要因がなく、局部的な過加熱が避けられ、しかも湿潤剤の量が少ないため冷却が容易であり、発泡性マイクロバルーンの異常発泡とマイクロバルーンの割れによるへたりがなく、マイクロバルーン同士の溶着凝集の発生が改善できる。しかし、この方法の欠点は、湿潤剤中での予備加熱で、発泡性マイクロバルーンを構成する樹脂殻が膨潤することがあるため、湿潤剤と発泡性マイクロバルーンの殻を構成する樹脂の組合せが制約を受け、しかも樹脂殻の膨潤を避けるため発泡開始より低い温度で予備加熱する必要がある。
【0010】
予備加熱温度を低くするほど、一方の熱源となる湿潤剤の温度を高くするか、あるいは湿潤剤の使用量を多くする必要がある。前者の方法は、湿潤剤の熱による劣化や安全性の点から、後者の方法は、湿潤剤の量が多くなり、マイクロバルーンの飛散防止効果に必要とする以上の余分な湿潤剤を使用することになる。このためマイクロバルーンは粘着性が強くて凝集体を形成し、取り扱い上支障をきたす。
【0011】
通常、市販の発泡性マイクロバルーンを流動性に富んだ湿潤剤の分散スラリーにするために、湿潤剤は、発泡性マイクロバルーンの重量の1.5〜3倍量で使用する。この分散スラリーに、発泡性マイクロバルーンを発泡させる熱源である加熱湿潤剤をほぼ同重量加えて発泡性マイクロバルーンを発泡させて、非飛散性マイクロバルーンを得る。この際の発泡熱源となる湿潤剤の量は、分散スラリーに配合した湿潤剤も同時に加熱しなければならないことから、本来発泡性マイクロバルーンのみの発泡に必要な量の何倍もの熱量を加えなければならず、熱源としての湿潤剤は、重量比で発泡性マイクロバルーンに対して少なくても3倍以上であり、通常は5倍程度である。
【0012】
従って、このことは、マイクロバルーンの飛散を防止するのに必要とする以上の余分な湿潤剤を使用することになり、得られるマイクロバルーンは粘着性が強くなり、取り扱い上支障をきたす。さらに、過剰な湿潤剤の使用は冷却工程でも不都合を生じる。すなわち、発泡後、マイクロバルーンの殻を構成する樹脂が軟化状態であるため、殻同士の溶着凝集が進んで大きな集合体となる。この集合体を塗料などに配合した場合、集合体は表面に浮き上がるなどの不具合を招くので、使用に際しては予め集合体を除去する必要がある。例えば、篩で除去しようとしても粘着性があるため篩効率が悪く、かかる除去を工業的に行うのは難しいと言った問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような製法上の問題と、湿潤剤で飛散防止されたマイクロバルーンの粘着性が強過ぎることから起きる自動計量・包装作業性の困難さの他に、使用時の取扱い性、例えば、発泡性マイクロバルーンの仕込み作業、使用装置への付着、計量装置でのトラブル、使用装置や製造環境の汚染などの問題を解決した非飛散性マイクロバルーンの製造方法を提供することである。
【0014】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究し、発泡性マイクロバルーンのみを予備加熱し、該発泡性マイクロバルーンの発泡熱源として加熱した湿潤剤と気体との混合物を使用することで、本発明の目的が達成されることを見い出し、本発明に達した。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、発泡開始温度以下に加熱した未発泡の発泡性マイクロバルーンと、上記の発泡性マイクロバルーンの発泡開始温度以上に加熱した湿潤剤と気体との混合物とを接触せしめ、上記の発泡性マイクロバルーンを発泡させた後に冷却することを特徴とする非飛散性マイクロバルーンの製造方法である。
【0016】
上記湿潤剤の作用は、湿潤剤の粘着性により、マイクロバルーン同士を緩く凝集させて、マイクロバルーンを非飛散性にすることである。非飛散性を付与するに必要な湿潤剤の量は、発泡倍率の高いマイクロバルーンでは表面積が大きくて軽く、発泡倍率の低いマイクロバルーンでは、表面積が小さくて重いから、湿潤剤の使用量は何れもマイクロバルーンに対する重量比で大差はなく、湿潤剤の種類、すなわち、粘着力の影響が大きい。例えば、真比重が0.02で平均粒子径が130μm程度のマイクロバルーン100重量部に対して、湿潤剤が、例えば、DINP(可塑剤:フタル酸ジイソノニル)の場合は、湿潤剤は約20〜100重量部の割合の使用でマイクロバルーンに十分に非飛散性を付与することができる。一般に湿潤剤の上限は、300重量部以下であることが望ましい。
【0017】
従って、本発明の方法は、従来の方法に比較して著しく小量の湿潤剤でマイクロバルーンに非飛散性を付与し、取扱い上の問題を解決し、なおかつ、塗料、インキ、シーラントなどに添加した際に湿潤剤が多いことが原因となる上記塗料などの物性上の影響を少なくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明の製造方法の特徴の一つは、予め湿潤剤を含まない発泡性マイクロバルーンだけを、その発泡開始直前の温度まで加熱することである。すなわち、湿潤剤を加えずに発泡性マイクロバルーンを予備加熱することから、発泡性マイクロバルーンの殻を構成する樹脂(プラスチック)が湿潤剤で膨潤することがなく、発泡性マイクロバルーンをその発泡開始温度の直前まで昇温(加熱)できることである。予備加熱が発泡開始温度に近いほど、発泡の熱源でもある湿潤剤の使用量が少なくて済み、その結果、本発明の目的である取扱い性が良い非飛散性マイクロバルーンの製造が可能となった。
【0019】
本発明においては、予備加熱された発泡性マイクロバルーンと、その発泡の熱源としての予備加熱された湿潤剤と気体との混合物とを瞬時に接触させることが重要である。そのために、上記温度に予備加熱された発泡性マイクロバルーンと上記温度に予備加熱された湿潤剤と気体との混合物を混合機に供給し、高速攪拌して瞬時に接触させることが必要である。この際、両者の均一混合は、発泡開始より早い時点で完了させることが特に重要である。
【0020】
発泡開始後は、望ましくは10〜30秒程度の熟成時間を経た後に気体を供給して、凝集体を解砕しながらマイクロバルーン粒子間に空隙をつくり、気体で冷却することで目的の非飛散性マイクロバルーンを得ることができる。予備加熱された湿潤剤と混合される気体も予備加熱しておくことが好ましいが、例えば、気体の量が少なく、気体を発泡開始温度以上の温度に加熱された湿潤剤と混合したときに、湿潤剤がこの温度を維持する限りは、必ずしも加熱する必要はない。
【0021】
湿潤剤と気体との併用は、本発明で使用する装置の混合機の攪拌効果を高め、粉末状の発泡性マイクロバルーン粒子が、湿潤剤と接触してダマになったり、混合機の羽根や壁に付着して滞留することを避けるため重要である。特に、粘着性のある湿潤剤を使用する際には気体の供給は均一なマイクロバルーンを得るうえでさらに重要となる。従って、発泡の熱源として予備加熱された湿潤剤と気体の混合物を使用することが、本発明の二つ目の特徴である。
【0022】
発泡性マイクロバルーンと気体の混合比(容量)は、目的とする非飛散性マイクロバルーンの粒子径と湿潤剤の添加量と混合機の構造により決まるので一概に規定することは難しく、適正量は実際の製造ラインで決めることが望ましい。例えば、発泡性マイクロバルーン(50倍(容積)に発泡させることができるもの)の容積100に対して気体は容積1〜200、好ましくは容積10〜200程度の割合が良好な結果が得られるので好ましい。
【0023】
本発明で使用する装置において気体を混合槽に添加する小口径ノズルは、湿潤剤用の液ノズルと分離して1箇所または2箇所以上に分割して設けてもよく、あるいは湿潤剤供給ノズルの先端部付近に設けてもよい。また、加熱気体を熱源とすることで湿潤剤の量をさらに少なくすることも可能である。安全性の面で気体として窒素ガスなどの不活性気体を用いるのは有効である。
【0024】
次に本発明で使用する材料について説明する。本発明の製造方法に使用される発泡性マイクロバルーンは、発泡剤として低沸点炭化水素(例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサンなど)を内包する熱可塑性樹脂(例えば、塩化ビニリデン、メタクリロニトリル、アクリレート、メタクリレート、スチレンなどの単独重合体または共重合体など)を殻とするマイクロカプセルであり、マイクロバルーンの製造に現在広く使用されている公知の材料である。
【0025】
例えば、松本マイクロスフェアー(松本油脂製薬社製)やマーセライト(ミヨシ油脂社製)などの商品名で市販されており、容易に入手することができ、本発明ではそのまま使用することができる。これらの市販のマイクロカプセルは、通常その直径が約1〜50μmであり、これを発泡させたマイクロバルーンは、直径が約20〜300μm程度のほぼ真球に近い球体である。発泡温度は、内包する低沸点炭化水素と熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、一般的に約100〜170℃で発泡するマイクロカプセルが多く使われている。
【0026】
本発明で使用す湿潤剤は、主として有機液状化合物であり、マイクロバルーンが塗料、シーラント、建材、プラスチックなどに用いられるときは、それらに配合される可塑剤、例えば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジイソデジル(DIDP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、ブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)などのフタル酸エステル系可塑剤;アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)などの脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;エポキシ化大豆油(ESBO)などのエポキシ系可塑剤;トリクレジルフォスフェートなどの燐酸エステル系可塑剤;エステル系可塑剤や脂肪酸エステル系可塑剤などが挙げられる。また、最近の環境問題より用いられるようになったクエン酸アセチルトリブチル(ATBC)、クエン酸トリエチル(TEC)などのクエン酸エステル系可塑剤、アルキルスルホン酸フェニルエステル、植物油などの有機液状化合物なども同様に使用することができる。
【0027】
また、軽量発泡成形品、接着剤、水性塗料などの水性化製品、その他のマイクロバルーンの使用目的に応じて、可塑剤以外にも、例えば、流動パラフィン、シリコーンオイル、油脂類、エチレングリコールなどの水溶性多価アルコールおよびその誘導体、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタンモノステアレート、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの界面活性剤などが挙げられる。さらに、水溶性湿潤剤として、例えば、ポリエチレングリコール類などが挙げられる。
【0028】
さらに、上記の湿潤剤とともに、必要に応じて当該技術分野で使用される添加剤、例えば、有機・無機充填剤、安定剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤などを適宜使用することができる。特に、本発明においては、湿潤剤として粘着性の異なる2種類以上を併用し、これらに溶解する界面活性剤、分散剤、溶剤、樹脂などの有機物を配合して使用すること、並びに発泡の熱源である加熱湿潤剤に無機充填材を添加して熱容量を高めて使用することは有効である。
【0029】
以下に本発明の製造方法を、図1に示す製造装置の1例に基づいて説明する。製造装置Aは、加熱ジャケットを有し、発泡性マイクロバルーンを加熱および攪拌する攪拌機付供給ホッパー1;加熱ジャケットを有し、任意の温度に昇温できる発泡性マイクロバルーンの定量供給機2;湿潤剤供給ノズル3−1と気体供給ノズル3−2を設置したスプレー;それぞれ任意の温度に設定した上記の発泡性マイクロバルーンと湿潤剤とを攪拌羽根の回転制御により混合する混合攪拌羽根付き混合槽兼発泡槽4;発泡して形成されたマイクロバルーンを混合槽兼発泡槽4の上方部5に設けた搬送冷却筒7に送る螺旋状に回転する攪拌搬送機6、およびこれらに設けた冷却気体供給ノズル8;製品の非飛散性マイクロバルーンの貯蔵槽9;攪拌機を有し、湿潤剤を予備加熱できる構造とした湿潤剤槽10;湿潤剤をスプレー3−1に定量供給する定量ポンプ11;湿潤剤槽10からの湿潤剤をさらに昇温して任意の温度に加熱する熱交換器12−1;熱交換器12−2で加熱した気体をスプレー3−2に供給するコンプレッサー14;冷却気体供給ノズル8に気体を送るコンプレッサー13から構成される。スプレー3−1および3−2から混合槽兼発泡槽4に供給される、それぞれ予備加熱された湿潤剤と気体の割合は、定量ポンプ11とコンプレッサー14により任意の比率に調整することができる。
【0030】
スプレーは、混合槽兼発泡槽4に設けられた湿潤剤供給ノズル3−1と気体供給ノズル3−2から構成され、気体供給ノズル3−2は、湿潤剤供給ノズルと分離して1箇所または2箇所以上に分割して設けてもよく、また、湿潤剤供給ノズル3−1の先端部付近に設けてもよい。
【0031】
混合槽兼発泡槽4には、定量供給機2より供給された予備加熱された発泡性マイクロバルーンとスプレー3−1および3−2から供給された、予備加熱された湿潤剤と気体とを瞬時に均一に混合して、該発泡性マイクロバルーンを発泡させることができる攪拌羽根(翼)を有する高速攪拌機が設けられている。
【0032】
混合槽兼発泡槽4で形成された非飛散性マイクロバルーンは、該槽の上方部に設けた螺旋状に回転する攪拌搬送機6まで押し上げられ、搬送されて搬送冷却筒7に送られる。攪拌搬送機6および搬送冷却筒7の周壁に設けた冷却気体供給ノズル8からの気体で非飛散性マイクロバルーンは冷却され、貯蔵槽9に貯えられ、袋詰めなどにより出荷される。
【0033】
なお、図1に示す装置は、基本的構造を示すもので、加熱方法、混合方法、搬送方法、冷却方法は、例示方法に限定されるものではなく、他の方法に置き換えてもよい。例えば、湿潤剤の供給は、ポンプで小口径のノズルより供給する方法、エアレスガンのパルスによって噴霧する方法、パルス計量機で送る方法は有効であり、これらの方法は、特に粘度の高い湿潤剤に有効である。通常の噴霧スプレーは、気体量が多いため混合が不充分になり、特に高粘度の湿潤剤での混合が不均一になり良好な結果が得られない。
【0034】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。各実施例および比較例では図1に示す装置を用いた。なお、本発明において「発泡性マイクロバルーンの発泡開始温度」は、顕微鏡に加熱装置(リンカム社製)を取り付け、昇温速度20℃/分で加熱しながら上記発泡性マイクロバルーンの発泡状態を観察し、視野内の上記発泡性マイクロバルーン粒子の10%が発泡した温度とした。
【0035】
実施例1
発泡性マイクロバルーン(ミヨシ油脂社製マーセライトH750D:発泡開始温度155℃)を、これが130℃に加熱されるように温度設定した供給ホッパー1を経て定量供給機2により50kg/hrのレートで混合槽兼発泡槽4に供給する。一方、100℃に予熱した湿潤剤のDINPを定量ポンプ11で熱交換器12−1で180℃に加熱して50kg/hrのレートでノズル3−1から混合槽兼発泡槽4に供給する。コンプレッサー14で熱交換器12−2を経て180℃に加熱された気体を50リットル/hrのレートでノズル3−2から混合槽兼発泡槽4に供給する。
【0036】
加熱された発泡性マイクロバルーンと加熱湿潤剤と加熱気体は、混合槽兼発泡槽4に設けた回転速度を3000rpmに設定した攪拌羽根を有する高速攪拌機で攪拌されながら接触して、上記の発泡性マイクロバルーンは発泡し、混合槽兼発泡槽4の上部5に押し上げられて攪拌搬送機(搬送フィーダー)6の螺旋装置で冷却筒7に移送され、移送中に冷却空気で約60℃に冷却され、貯蔵槽9の取出し口から製品としての非飛散性マイクロバルーンが100kg/hrのレートで取り出される。
【0037】
このようにして得られたマイクロバルーンは、湿潤剤で表面が均一に湿潤されており、マイクロバルーン粒子は相互に適度な粘着性を有し、飛散性はなく、取り扱い性は良好であった。マイクロバルーン粒子の溶融凝集粒子を判定するため、サンプル10gを採取して評価したところ、最大凝集粒子径は、約300μmで、マイクロバルーン粒子同士が溶着した凝集状態は、弱いせん断力で凝集が崩れる程度であり、塗料などに添加して攪拌することで容易に凝集が崩壊して均一に分散させることができた。また、60メッシュ篩残量が極て少量の痕跡程度であった。 得られたマイクロバルーンの物性(真比重、嵩密度および分散性)、性状(篩残分、凝集粒子の崩壊性および色)および取扱性(非飛散性および粘着付着性)を評価した。結果を表1に示す。なお、評価方法は下記の通りである。
【0038】
〔分散性〕
塩化ビニル樹脂塗料100部と、試料を0.5部(マイクロバルーン純分として)を混合し、表面平滑な基材に膜厚1mmで塗布および乾燥し、次いで、140℃で20分で焼き付けを行い、標準品(特開平7−196813号公報に記載の方法で作製した試料)と比較し、同等以上を○、劣るものを×で表示した。
【0039】
〔凝集粒子の状態およびその崩壊性〕
試料0.5g(マイクロバルーン純分)を採取し、酢酸エチル200gを計量し、これらをディゾルバーで300rpmで1分撹拌混合し、目開き250μmの篩いで3回篩い、凝集体を含まぬものを○、含むものを×で示す。
【0040】
〔非飛散性〕
試料0.5g(マイクロバルーン純分として)を採取し、無風状態で、高さ30cmから落下させる。5秒後に飛散していないものを○、飛散しているものを×で示す。
【0041】
〔粘着付着性〕
試料0.5g(マイクロバルーン純分として)をポリエチレン製ポリ袋に計量し、1分間振り混ぜる。試料排出後、付着している粒子の量を前記の標準品と比べ、標準品より少ないものを◎、同等のものを○、多いものを×で示す。
【0042】
実施例2
湿潤剤の送り量を25kg/hrに、熱交換器12−1での加熱温度を230℃に、また、空気を窒素に、熱交換機12−2での加熱を250℃にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様にして湿潤マイクロバルーンを得、評価した。評価結果を表1に示す
【0043】
実施例3
湿潤剤の送り量を150kg/hrに、熱交換器12−1での加熱温度を170℃に、また、室温の空気を用い、送り量を10リットル/hrに変更する以外は実施例1と同様にして湿潤マイクロバルーンを得、評価した。評価結果を表1に示す。
【0044】
実施例4
湿潤剤に、その100重量部に対して炭酸カルシウムを100重量部の割合で分散させてスラリー化した。この混合湿潤剤を180℃になるように熱交換機12−1で加熱し、送り量40kg/hrに変更する以外は実施例1と同じ条件で、充填剤入り湿潤マイクロバルーンを得た。このものはマイクロバルーン100重量部に対し、湿潤剤が40重量部、充填剤が40重量部の割合の組成であり、粘着性が少なく、取り扱いやすい非飛散性のマイクロバルーンであった。評価結果を表1示す。
【0045】
実施例5
マーセライトH750DをM430(ミヨシ油脂製、発泡開始温度130℃)に変更し、100℃に加熱し、また、湿潤剤を熱交換機12−1で160℃に加熱、空気を熱交換機12−2で160℃に加熱した以外は実施例1と同様にして非飛散性処理を施したマイクロバルーンを得、評価した。評価結果を表1に示す。
【0046】
実施例6
湿潤剤をシリコーンオイル(信越化学工業社製KF−96:粘度1000cst)に変更した以外は実施例1と同様にしてマイクロバルーンを得、評価した。評価結果を表1に示す。
【0047】
比較例1
加熱空気量を0にした以外は実施例1と同様にしてマイクロバルーンを得た。このものは、未発泡の発泡性プラスチックマイクロバルーンと過発泡して発泡破壊したマイクロバルーンが実施例1よりも多く混在した不均一な状態であった。評価結果を表1に示す。
【0048】
Figure 0003788932
【0049】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、湿潤剤の量を少なくすることができ、取り扱い性も改善された非飛散性マイクロバルーンが提供される。さらに、本発明方法で得られるマイクロバルーンは、湿潤剤が少ないことから用途面で制約を受けないというメリットがある。すなわち、非飛散性マイクロバルーンに付着した湿潤剤の組成は、マイクロバルーンを軽量化剤として使用する被添加材料における可塑剤などとは、組成的に必ずしも同一でないことが多く、湿潤剤が多量に存在する従来の非飛散性マイクロバルーンでは使用制限を受けるか、または、それぞれの用途で湿潤剤の種類を替えた非飛散性マイクロバルーンの設計が必要となり、技術的にも工業的にも問題があることが多く、このような問題を生じない本発明の製造方法は、湿潤剤を少なくできる工業的メリットは大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用する装置の一例を示す概略図。
【符号の説明】
A:製造装置
1:発泡性マイクロバルーン攪拌機付供給ホッパー
2:定量供給機
3−1:湿潤剤供給ノズル(スプレー)
3−2:気体供給ノズル(スプレー)
4:混合槽兼発泡槽
5:混合槽兼発泡槽4の上部
6:攪拌搬送機
7:搬送冷却筒
8:冷却気体供給ノズル
9:貯蔵槽
10:湿潤剤槽
11:定量ポンプ
12−1:湿潤剤用熱交換器
12−2:気体用熱交換機
13:冷却空気用コンプレッサー
14:コンプレッサー

Claims (6)

  1. 発泡開始温度以下に加熱した未発泡の発泡性プラスチックマイクロバルーンと、上記の発泡性プラスチックマイクロバルーンの発泡開始温度以上に加熱した湿潤剤と気体との混合物とを接触せしめ、上記の発泡性プラスチックマイクロバルーンを発泡させた後に冷却することを特徴とする非飛散性プラスチックマイクロバルーンの製造方法。
  2. 湿潤剤が、請求項1に記載の湿潤剤と気体との混合物による加熱温度より高い沸点を有する有機液体である請求項1に記載の製造方法。
  3. 発泡性プラスチックマイクロバルーンが、発泡剤として低沸点炭化水素を内包する熱可塑性樹脂のマイクロカプセルである請求項1に記載の製造方法。
  4. 予備加熱された発泡性プラスチックマイクロバルーンと、湿潤剤と気体との混合物とを瞬時に接触させる請求項1に記載の製造方法。
  5. 湿潤剤を、発泡性プラスチックマイクロバルーン100重量部に対して20〜300重量部の割合で使用する請求項1に記載の製造方法。
  6. 未発泡の発泡性プラスチックマイクロバルーンの容積100に対して、気体の容積が1〜200である請求項1に記載の製造方法。
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