JP3788446B2 - 蒸気発生機能付き高周波加熱装置 - Google Patents

蒸気発生機能付き高周波加熱装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱物を収容する加熱室内に高周波を出力する高周波発生手段と、加熱室内に蒸気を供給する蒸気供給機構とを備え、高周波と蒸気との少なくともいずれかを加熱室に供給して被加熱物を加熱処理する蒸気発生機能付き高周波加熱装置。
【0002】
【従来の技術】
被加熱物を収容する加熱室内に高周波を出力する高周波発生手段を備えた高周波加熱装置は、加熱室内の被加熱物に対して、短時間で効率のよい加熱ができるため、食材等の加熱調理機器である電子レンジとして急速に普及した。
【0003】
しかし、高周波加熱による加熱だけでは、加熱調理の幅が限られるなどの不便があった。
【0004】
そこで、加熱室内で発熱する電熱器を追加して、オーブン加熱を可能にした高周波加熱装置が提案され、近年では、更に、加熱室内に加熱蒸気を供給する蒸気供給機構を追加して、高温蒸気による加熱調理も可能にした蒸気発生機能付き高周波加熱装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭54−115448号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の高周波加熱装置における蒸気供給機構は、装置本体に着脱可能に装備される貯水タンクと、加熱室内に装備される給水受け皿(蒸発部)と、この給水受け皿(蒸発部)を加熱して給水受け皿(蒸発部)上の水を蒸発させる加熱手段と、貯水タンクの水を給水受け皿(蒸発部)に供給するための専用のポンプ手段とを備えた構成で、このポンプ手段の装備のために、構成が繁雑化したり、大型化するという問題があった。
【0007】
また、専用のポンプ手段を使用した従来の蒸気供給機構では、加熱室への蒸気の供給量を制御するためには、加熱手段の温度制御と同時に、ポンプ手段による供給量の制御も必要になり、蒸気の供給量制御に必要な制御処理が複雑になるという問題もあった。
【0008】
また、貯水タンクに貯めた水は専用のポンプ手段によって給水受け皿(蒸発部)まで送給されるが、その間、予備加熱等を一切受けることなく(温水によるポンプ障害の発生を避けるためにも)送給されるため、給水受け皿(蒸発部)に供給される水温が低く、加熱手段が給水受け皿(蒸発部)を温めて蒸気を発生させるまでの間、長い時間がかかるという問題もあった。
【0009】
さらに、蒸気を連続的に発生させる場合、蒸発部側への熱エネルギの供給と、搬送管側への熱エネルギ供給とのバランスが重要な開発課題である。
【0010】
すなわち、搬送管側への熱供給が大きい場合、蒸発部での水溜まりが生じる。そして、温度の低い蒸気の発生となったり、蒸気化の量が不十分となったりする。蒸発部に水分を残さずに蒸発させる為には、蒸発部の有する熱容量を大きくしておくか、水の供給停止後に加熱部を動作させる必要があるが、蒸発部の熱容量を大きくすると、蒸気発生までの立ちあがり時間が長くなるし、後者では温度を検知するなどの方法が必要となる。
【0011】
一方、蒸発部側への熱供給が大きい場合、搬送管側への供給熱量が不足し搬送不良を生じる。そして、この搬送不良になると加熱手段の発生熱量を消費する負荷がなくなるので、加熱手段自体が自己発熱により高温化する。この高温化に伴って、搬送管側への供給熱量が増大し、ある閾値を超えると急激な局部沸騰を発生して水が搬送される。この結果、蒸発部に熱量を消費する負荷が存在することで、加熱手段は所期の温度に戻る。この所期の温度に低下すると再び搬送不良を呈することになる。これらの現象を繰り返すことで、搬送管内では急激な局部沸騰に伴うスケール付着が進み、搬送管の目詰まりを生じる問題点がある。
【0012】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、貯水タンクの水を給水受け皿(蒸発部)に供給するための専用のポンプ手段が不要で、ポンプ手段の省略によって蒸気供給機構の構成の単純化や小型化を実現でき、また、蒸気の供給量制御に必要な制御処理を単純にでき、更に、蒸気の発生までの所要時間を短縮して、迅速な蒸気加熱が可能とし、さらに、搬送部側と蒸発部側との熱エネルギ供給バランスを良好に保ち、連続的に蒸気の発生を可能とした蒸気発生機能付き高周波加熱装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために、本発明の蒸気発生機能付き高周波加熱装置は、被加熱物を収容する加熱室内に高周波を出力する高周波発生手段と、前記加熱室内に加熱蒸気を供給する蒸気供給機構とを備え、高周波と加熱蒸気との少なくともいずれかを前記加熱室に供給して前記被加熱物を加熱処理する蒸気発生機能付き高周波加熱装置であって、前記蒸気供給機構は、貯水タンクの水を搬送する搬送管と、蒸気を供給する蒸発部と、この蒸発部に搬送された水を加熱して蒸発させる加熱手段と、前記加熱手段の熱で前記搬送管を加熱する搬送管加熱部と、前記搬送管の前記搬送管加熱部に当接する領域よりも上流に配置され逆止弁とを備え、前記加熱手段の熱エネルギを利用して前記搬送管内の水を沸騰させて発生した気泡を、逆止弁側に移動させない構成としたものである。
【0014】
このように構成された蒸気発生機能付き高周波加熱装置においては、給水路を加熱手段による加熱域を経由するように配索して、加熱手段の発生熱による給水路内の水の熱膨張でポンプ機能を得ているもので、貯水タンクの水を蒸発部に供給するための専用のポンプ手段が不要である。従って、専用のポンプ手段の省略によって蒸気供給機構の構成の単純化や小型化を実現できる。
【0015】
また、蒸発部への給水を、加熱手段の発生熱によって行っているため、蒸気の供給量制御は、加熱手段の発熱動作の制御だけで実現することが可能で、専用のポンプ手段を制御しなければならなかった従来のものと比較すると、蒸気の供給量制御に必要な制御処理を単純にできる。更に、蒸発部に供給される水は、加熱手段の発生熱で昇温した状態にあるため、蒸発部に供給されてから蒸気の発生までの所要時間を短縮することができ、迅速な蒸気加熱が可能になる。
【0016】
更に、加熱手段を高い温度に設定して蒸発させる側に供給する熱エネルギを確保しつつ、搬送管内の局部沸騰に伴う気泡が発生しても、気泡を搬送管の上方に逃がしてやることにより、安定した液体搬送能力を確保するとともにスケール付着を抑制でき、高温の蒸気を連続発生させることができる。したがって、スケール付着を抑制でき、加熱手段を高い温度に設定し100℃に近い高温の蒸気を連続的に発生できることは、食品などの加熱を行う機器に応用する上で都合が良く、また、蒸気の発生する手段を簡単な構成でできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、被加熱物を収容する加熱室内に高周波を出力する高周波発生手段と、前記加熱室内に加熱蒸気を供給する蒸気供給機構とを備え、高周波と加熱蒸気との少なくともいずれかを前記加熱室に供給して前記被加熱物を加熱処理する蒸気発生機能付き高周波加熱装置であって、前記蒸気供給機構は、貯水タンクの水を搬送する搬送管と、蒸気を供給する蒸発部と、この蒸発部に搬送された水を加熱して蒸発させる加熱手段と、前記加熱手段の熱で前記搬送管を加熱する搬送管加熱部と、前記搬送管の前記搬送管加熱部に当接する領域よりも上流に配置され逆止弁とを備え、前記加熱手段の熱エネルギを利用して前記搬送管内の水を沸騰させて発生した気泡を、逆止弁側に移動させない構成としたものである。
【0018】
これにより、蒸発部への給水を、加熱手段の発生熱によって行っているため、蒸気の供給量制御は、加熱手段の発熱動作の制御だけで実現することが可能で、専用のポンプ手段を制御しなければならなかった従来のものと比較すると、蒸気の供給量制御に必要な制御処理を単純でき、蒸発部に供給される水は、加熱手段の発生熱で昇温した状態にあるため、蒸発部に供給されてから蒸気の発生までの所要時間を短縮することができ、迅速な蒸気加熱が可能になる。
【0019】
更に、加熱手段を高い温度に設定して蒸発させる側に供給する熱エネルギを確保しつつ、搬送管内の局部沸騰に伴う気泡が発生しても、気泡は加熱手段よりも上流にある逆止弁側に移動しない構成にすることで、加熱手段との接合部に気泡が滞留することを防ぎ、沸騰発生部に液体を直ちに流入させて搬送管壁面温度の上昇を抑制し、安定した液体搬送能力を確保するとともにスケール付着を抑制でき、高温の蒸気を連続発生させることができる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、特に、請求項1に記載の加熱手段の熱エネルギーを利用して前記搬送管内の水を沸騰させる搬送管加熱部が、液体搬送方向において前記搬送管の最下部に位置する部位と接合する構成としたものであり、発生した局部沸騰による気泡は搬送管の液体搬送方向に沿って上方へ逃がすことができ、加熱手段との接合部に気泡が滞留することを防ぎ、スケール付着を抑制でき高温の蒸気を連続発生させることができる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項1記載の加熱手段の熱エネルギーを利用して前記搬送管内の水を沸騰させる搬送管加熱部が、液体搬送方向において前記搬送管が上方に傾斜した部位と接合する構成としたものであり、発生した局部沸騰による気泡は傾斜した加熱部から搬送管に沿って上方へ移動し、液体搬送方向に流れが生じる。それにより、気泡を含んだ高温の水が滞留することを防ぎ、安定した液体搬送能力を確保するとともにスケール付着を更に抑制でき、高温の蒸気を連続発生させることができる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、特に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送管加熱部は、少なくとも2部材で形成し、それぞれに半円状の溝部を有する構成としたものであり、搬送管の全周面と加熱部が接触し熱量を保持することができ、加熱手段の熱エネルギーを効率良く伝熱することができ、安定した液体搬送能力を確保することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項4に記載の搬送管加熱部は半円状の溝部の幅寸法を搬送管の外形半径寸法よりも大きい構成としたものであり、部品の寸法ばらつきにより搬送管が加熱部の半円状の溝部からはみ出して隙間が発生することを防ぎ、加熱手段の熱エネルギーを確実に伝熱することができ、組み立て実装による信頼性を確保することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、特に、請求項5に記載の加熱部は、半円状の溝部の深さ寸法を搬送管の外形半径寸法よりも小さい構成としたものであり、部品の寸法ばらつきにより搬送管が半円状の溝部の幅より小さくなり隙間が生じても、半円状の溝部の深さが搬送管の外形半径より小さいので搬送管加熱部の2つの部材で挟み込み、搬送管加熱部と搬送管の接合を確実におこない、搬送管加熱部と搬送管の固定位置を安定させることができる。
【0025】
請求項7に記載の発明は、特に、請求項6に記載の加熱部は、搬送管を硬度が柔らかいアルミニウムや銅で形成したものであり、半円状の溝部の深さが搬送管の外形半径より小さいので加熱部の2つの部材の間に空間が生じても、ねじなどで挟み込むことで搬送管は容易に変形し、加熱部の2つの部材間に隙間が発生することを防ぎ、局部沸騰を抑制し沸騰音発生を防止するとともに、加熱手段の熱エネルギーを効率良く伝熱することができ、安定した液体搬送能力を確保することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明は、特に、請求項〜7のいずれか1項に記載の搬送管加熱部は、2部材の間に熱伝導性の高い柔軟性のある材料を挟み込んで密着固定する構成としたものであり、搬送管と加熱部の半円状の溝部に微小な隙間が発生することを防ぎ、局部沸騰を抑制し沸騰音発生を防止するとともに、加熱手段の熱エネルギーを効率良く伝熱することができ、さらに安定した液体搬送能力を確保することができる。
【0027】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施の形態に係る蒸気発生機能付き高周波加熱装置を詳細に説明する。
【0028】
(実施例1)
図1及び図2は、本発明に係る蒸気発生機能付き高周波加熱装置の一実施の形態の外観図である。
【0029】
この一実施の形態の蒸気発生機能付き高周波加熱装置100は、食材の加熱調理に高周波加熱及び加熱蒸気による加熱が可能な電子レンジとして使用されるもので、食材等の被加熱物を収容する加熱室3内に高周波を出力する高周波発生手段(マグネトロン)5と、加熱室3内に加熱蒸気を供給する蒸気供給機構7とを備え、高周波と加熱蒸気との少なくともいずれかを加熱室3に供給して加熱室3内の被加熱物を加熱処理する。
【0030】
加熱室3は、前面開放の箱形の本体ケース10内部に形成されており、本体ケース10の前面に、加熱室3の被加熱物取出口を開閉する透光窓13a付きの開閉扉13が設けられている。開閉扉13は、下端が本体ケース10の下縁にヒンジ結合されることで、上下方向に開閉可能となっており、上部に装備された取っ手13bを掴んで手前に引くことによって、図2に示す開いた状態にすることができる。加熱室3と本体ケース10との壁面間には所定の断熱空間が確保されており、必要に応じてその空間には断熱材が装填されている。
【0031】
特に加熱室3の背後の空間は、加熱室3内の雰囲気を攪拌する循環ファン及びその駆動モータ(図示略)を収容した循環ファン室となっており、加熱室3の後面の壁が、加熱室3と循環ファン室とを画成する仕切壁となっている。図示はしていないが、加熱室3の後面壁である仕切壁15には、加熱室3側から循環ファン室側への吸気を行う吸気用通風孔と、循環ファン室側から加熱室3側への送風を行う送風用通風口とが形成エリアを区別して設けられている。各通風孔は、多数のパンチ孔として形成されている。
【0032】
本実施の形態の場合、図2に示すように、高周波発生手段(マグネトロン)5は、加熱室3の下側の空間に配置されており、この高周波加熱装置5から発生した高周波を受ける位置にはスタラー羽根17が設けられている。そして、高周波発生手段5からの高周波を、回転するスタラー羽根17に照射することにより、該スタラー羽根17によって高周波を加熱室3内に撹拌しながら供給するようになっている。なお、高周波発生手段5やスタラー羽根17は、加熱室3の底部に限らず、加熱室3の上面や側面側に設けることもできる。
【0033】
蒸気供給機構7は、図3に示すように、装置本体に着脱可能に装備される1基の貯水タンク21と、加熱室3内に装備される2つの給水受け皿(蒸発部)25と、これらの給水受け皿(蒸発部)25を加熱して給水受け皿(蒸発部)25上の水を蒸発させる加熱手段27と、貯水タンク21の水を加熱手段27による加熱域を経由して給水受け皿(蒸発部)25に導く2系統の給水路(搬送管)29と、貯水タンク21と各給水路(搬送管)29との接続部に装備されて貯水タンク21の取り外し時に貯水タンク及び給水路内の水の漏れ出しを防止するタンク側の止水弁33及び給水路側の止水弁45と、給水路側の止水弁45よりも下流に配置されて給水路(搬送管)29から貯水タンク21への水の逆流を防止する逆止弁47とを備えて構成される。
【0034】
上記した2系統よりなる給水路(搬送管)29の特長的構成は、後で詳述するが、各加熱手段27による加熱域から給水路先端の水吹出し口29eまでの距離が等距離に設定されていることにある。
【0035】
なお、蒸気供給機構7は、図4に示すように、1系統の給水路(搬送管)29から一つの給水受け皿(蒸発部)25に水を供給して蒸気を発生させる構成とすることもできる。
【0036】
本実施の形態において、貯水タンク21は、取り扱い性に優れる偏平な直方体状のカートリッジ式で、装置本体(本体ケース10)に対して着脱が容易にでき、しかも、加熱室3内の加熱によって熱的なダメージを受けにくいように、図1にも示すように、本体ケース10の側面に組み付けられたタンク収納部35に差込装着される。
【0037】
タンク収納部35は、図5に示すように、後端側が本体ケース10にヒンジ結合されていて、図5(a)に矢印(イ)で示す前端部の係合を外すと、図5(b)に矢印(ロ)で示すように、前端側が外側に回動して、前端のタンク挿入口36が露出する。
【0038】
タンク挿入口36を露出した状態では、図5(c)に矢印(ハ)で示す方向に、貯水タンク21を抜き取ることができる。貯水タンク21の装着は、抜き取り方向と逆方向に、貯水タンク21をタンク挿入口36に差し込むことで、完了する。
【0039】
貯水タンク21は、図6に示すように、上方を開放した偏平な直方体状の容器本体22と、この容器本体22の上部開口部を覆う開閉蓋23とから構成されている。容器本体22及び開閉蓋23は、樹脂で形成されていている。
【0040】
容器本体22は、内部の水の残量が視認可能なように、透明な樹脂で形成されていて、容器本体22の両側面には、残量水位を示す目盛り22aが装備されている。この目盛り22aを装備した部位は、図5及び図7にも示したように、タンク収納部35の前端縁に形成された切り欠き窓37から外部に露出して、外部から貯水タンク21内の水の残量が視認可能にされている。
【0041】
図6に示すように、容器本体22の背面の下部寄りの位置には、給水路(搬送管)29に嵌合接続する円筒状の接続口22bが突設されている。この接続口22bには、図8(a)に示すように、貯水タンク21を装置本体から取り出した状態では接続口22bを閉じて、貯留水の流出を防止するタンク側の止水弁33が装備されている。
【0042】
本実施の形態の給水受け皿(蒸発部)25は、加熱室3の底板4の一部に給水を受ける窪みを形成したもので、底板4と一体である。
【0043】
給水受け皿(蒸発部)25は、既述したとおり、本実施の形態では、底板4の後部の左右にそれぞれ装備されている。
【0044】
加熱手段27は、それぞれの給水受け皿(蒸発部)25の下面に接触配置されたシーズヒータで、図9に示すように、給水受け皿(蒸発部)25の背面に密着状態に取り付けられるアルミダイキャスト製の組付けブロック27aにヒータ本体が組み付けられた構造である。本実施の形態の場合、組付けブロック27aから延出したヒータ両端の一対の電極27b,27c間には、該加熱手段27の温度を検出する温度検出センサとしてのサーミスタ41が接続されている。
【0045】
サーミスタ41は、一対の電極27b,27c間で、組付けブロック27aに埋設状態に装備されている。このサーミスタ41の検出信号は、図示せぬ制御回路によって監視され、貯水タンク21の残量0検出や、加熱手段27の動作制御(発熱量制御)に利用される。
【0046】
サーミスタ41は、図10に示すように、貯水タンク21より給水されて給水受け皿(蒸発部)25に水が充填されている場合には、加熱手段27の温度上昇に伴い検出温度レベルが上昇する。しかし、図中記号aで示す給水受け皿(蒸発部)25に水が無くなった場合、加熱手段27には通電が行われているので、検出温度レベルが急激に上昇し、bで示す上限基準値を超える。
【0047】
図示略の制御回路は、上限基準値を超えた時点で加熱手段27への通電を遮断する。この時点でオーバシュートは有るものの、サーミスタ41の検出温度レベルは降下する。やがて、サーミスタ41の検出温度レベルが、cで示す下限基準値に達した時点で、制御回路は、再び、加熱手段27への通電を実施してヒータを加熱する。しかし、給水受け皿(蒸発部)25には水が無いため、サーミスタ41の検出温度レベルは再び上昇して、dで示す上限基準値を超える。この時点で、制御回路は、給水受け皿(蒸発部)25に水が無く加熱手段27が空焼き状態であると判断して、eで示すように、加熱手段27への通電を遮断すると共に、警報を発して蒸気加熱処理を停止させる制御を行う。
【0048】
本実施の形態では、上記したように、単一のサーミスタで、蒸気量の発生制御と給水受け皿(蒸発部)に水が無くなったときの異常検出を行うことができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、上記したように、ヒータをオン、オフするサイクルを繰り返してサーミスタが上限基準値となる温度を2回検出したとき給水受け皿(蒸発部)に水が無いと判断する構成としたが、2回に限らず、複数回検出して判定を行うものであっても良い。
【0050】
また、本実施の形態では、加熱手段27としてシーズヒータを使用したが、シーズヒータの代わりに、ガラス管ヒータ、プレートヒータ等を利用することも可能である。
【0051】
給水路(搬送管)29は、図3及び図9に示すように、貯水タンク21の接続口22bに2系統に分岐して接続される基端配管部29aと、この基端配管部29aから各加熱手段27による加熱域を経由するように加熱室3の底板4の下に配索される水平配管部29bと、この水平配管部29bの先端から加熱室3の側方を垂直に立ち上がる垂直配管部29cと、この垂直配管部29cの上端から各給水受け皿(蒸発部)25の上方に延出して、垂直配管部29cから圧送された水を給水受け皿(蒸発部)25に滴下する上部配管部29dと、各上部配管部29dの先端を形成する水吹出し口29eとから構成される。
【0052】
水平配管部29bは、図3に示すように、加熱手段27の組付けブロック27aに接触するように配管されていて、図9に示す組付けブロック27aとの接触部30が加熱手段27による加熱域となる。接触部30は、加熱手段27の略U字形状のシーズヒータ屈曲部近傍に設けられており、屈曲部は比較的高温になりやすいので、接触部30から効率的に水平配管部29bに熱を伝えることができる。
【0053】
本実施の形態では、このように、各給水路(搬送管)29の水平配管部29bを加熱手段27による加熱域に設定して、各加熱手段27の発生熱による熱伝導を受けて熱膨張する各水平配管部29b内の水をそれぞれの給水受け皿(蒸発部)25に供給する。
【0054】
蒸気発生の様子について更に詳述すると、貯水タンク21がタンク収納部35に差し込まれ、水平配管部29b内に水が充満した状態で、各加熱手段27が発熱すると、組付けブロック27aとの接触部30で配管内の水に熱が供給されて水が膨張する。逆止弁47は膨張する配管内の水の圧力を一次的に止めるため、圧力が垂直配管部29cの方向にのみ向かうこととなる。そして、膨張した水は、上部配管部29dを通過して各水吹出し口29eより滴下され、給水受け皿(蒸発部)25に供給されことになる。
【0055】
このとき、各給水路(搬送管)29の、組付けブロック27aとの接触部30から各水吹出し口29eまでの距離が等距離に設定してあるので、各水平配管部29bには、同じ仕様の加熱手段27を適用して接触部30から同じ熱量を加えることができ、これにより、それぞれの給水受け皿(蒸発部)25に均等に給水を行うことができる。
【0056】
給水受け皿(蒸発部)25に供給された水は、各加熱手段27の発生熱で昇温した状態にあるため、給水受け皿(蒸発部)25に供給されてから蒸気発生までの所要時間を短縮することができ、迅速な蒸気加熱が可能になる。
【0057】
加熱を中断すれば、各給水路(搬送管)29中の垂直配管部29cの水が膨張しなくなり、空気取入れ口29fまで達することかできず、空気取入れ口29fから大気圧が管内に入って給水は中止する。
【0058】
基端配管部29aは、図8(a)に示すように、容器本体22の接続口22bが嵌合する基端円管部43に、貯水タンク22が取り外された際に水平配管部29b側からの漏水を防止するための管側の止水弁45が装備される共に、水平配管部29bとの接続部には、水平配管部29bでの水の熱膨張による水平配管部29b側からの逆流(図中の矢印(ニ)方向の流れ)を防止する逆止弁47が装備されている。
【0059】
タンク側の止水弁33と管側の止水弁45とは、それぞれ弁体33a,45aを付勢するばね33b,45bの向きが逆で、容器本体22の接続口22bを基端円管部43に適正に嵌合させると、図8(b)に示すように、両者の弁体33a,45a相互の先端部同士が互いに突き当たって、相手をばね33b,45bの付勢力に抗して変位させて、流路を開いた状態にする。
【0060】
容器本体22の接続口22bの外周部には、基端円管部43との間の隙間を塞ぐシール材としてのOリング49が装備されている。
【0061】
図8(a)に示した状態は、容器本体22の接続口22bが基端円管部43に未嵌合の状態で、未だ、タンク側の止水弁33及び管側の止水弁45の双方が流路を閉じた状態にある。
【0062】
容器本体22の接続口22bが、基端円管部43から外れている状態では、給水路(搬送管)29側は、管側の止水弁45で封止されて、給水路(搬送管)29内の水の逆流が確実に防止される。つまり、図3に示すように、貯水タンク21がタンク収納部35に差し込まれると、各給水路(搬送管)29の垂直配管部29c内には貯水タンク21と同じ水位まで水が流入する。このような水圧下で、貯水タンク21が抜き出されても、管側の止水弁45で水の逆流を防止することができる。
【0063】
タンク収納部35の背面側の底部には、貯水タンク21をタンク収納部35から抜き出す時に、タンク側の止水弁33と管側の止水弁45との間に残留した小量の水が滴下するのを受ける凹部51が装備されていて、この凹部51には、滴下した水を吸収する吸水シート53が装備されている。吸水シート53としては、例えば、吸水性に優れた不織布等が使用される。
【0064】
なお、図3及び図4に示すように、上部配管部29dが接続される垂直配管部29cの上端は、貯水タンク21内における貯水の最高レベル位置Hmaxよりも高い位置に設定されている。これは、貯水タンク21側の貯水が、連通管作用で、不用意に、また連続的に、上部配管部29d側に流出することを防止するためである。
【0065】
また、給水路(搬送管)29は、貯水タンク21における貯水の最低レベルHmincよりも更に下がった位置で、基端配管部29aを介して、貯水タンク21に接続される。これは、貯水タンク21内の貯水を、残さず、給水路(搬送管)29側に取り込み可能にするためである。
【0066】
本実施の形態の場合、給水受け皿(蒸発部)25及び加熱手段27は、加熱室3の底板4の後部の左右にそれぞれ装備されている。そのため、2系統の給水路(搬送管)29は、図3に示すように、例えば、基端配管部29aの下流で、それぞれに逆止弁47を経て二本の水平配管部29bに分岐し、各加熱手段27に、水平配管部29b、垂直配管部29c、上部配管部29d、組付けブロック27aと接触して配管内の水にヒータの熱を供給する接触部30が敷設されることになるが、各給水受け皿(蒸発部)25に装備される各給水路(搬送管)29相互は、接触部30から配管先端の水吹出し口29eまでの距離を等距離に設定している。
【0067】
以上に説明した蒸気発生機能付き高周波加熱装置100においては、給水路(搬送管)29を加熱手段27による加熱域を経由するように配索して、加熱手段27の発生熱による給水路(搬送管)29内の水の熱膨張でポンプ機能を得るもので、貯水タンク21の水を給水受け皿(蒸発部)25に供給するための専用のポンプ手段が不要である。
【0068】
従って、専用のポンプ手段の省略によって蒸気供給機構7の構成の単純化や小型化を実現できる。
【0069】
また、給水受け皿(蒸発部)25への給水を、加熱手段27の発生熱によって行っているため、蒸気の供給量制御は、加熱手段27の発熱動作の制御だけで実現することが可能で、専用のポンプ手段を制御しなければならなかった従来のものと比較すると、蒸気の供給量制御に必要な制御処理を単純にできる。
【0070】
更に、給水受け皿(蒸発部)25に供給される水は、加熱手段27の発生熱で昇温した状態にあるため、給水受け皿(蒸発部)25に供給されてから蒸気の発生までの所要時間を短縮することができ、迅速な蒸気加熱が可能になる。
【0071】
また、上記の構成において、貯水タンク21の残量が0(ゼロ)になって、給水受け皿(蒸発部)25上の残水量が減ると、水の蒸発に費やされる熱量が減るため、加熱手段27や給水受け皿(蒸発部)25自体の温度の昇温が起こる。
【0072】
しかし、本実施の形態の蒸気供給機構7は、加熱手段27の温度を検出するサーミスタ41を備えているため、そのサーミスタ41の検出信号を監視することで、比較的に簡単に貯水タンク21の残量0検出が可能で、空だき等の不都合の発生を防止することができる。
【0073】
更に、サーミスタの検出信号を利用して、例えば、貯水タンク21の残量0の検出時に、加熱手段27の動作を停止させたり、給水用の警報を行うなどの多種の制御が可能で、高周波加熱装置100の取り扱い性を向上させることができる。
【0074】
なお、本実施の形態では、サーミスタ41は、加熱手段27に直接接触させたが、給水受け皿(蒸発部)25に接触させるように装備してもよい。
【0075】
図11は本発明の第1の実施例における蒸気供給機構の構成図、図12は図11のA−A’断面図を示すものである。
【0076】
図11、図12において、101は加熱手段であるU字形状のシーズヒータ、111は加熱手段101を埋め込んだアルミダイキャスト成型加工からなる加熱手段本体、112はアルミニウムあるいは銅の硬度が柔らかく高熱伝導率を有する材料で構成した搬送管、113は搬送管12内の液体を沸騰させるための加熱部である。加熱手段本体111は、アルミニウム材料を用いたダイキャスト成型加工としている。114は伝熱量抑制手段であり、加熱手段本体111と加熱部113との間に配置している。加熱部113は2部材115、116で構成し、これら2部材にて搬送管112をサンドイッチする構成としている。部材115には、搬送管112の搬送方向の中央部に半円状の当接部115aを設けており、搬送管112と搬送方向の全ての領域で当接している。一方部材116も同様に半円状の当接部116aを設け、搬送方向の全ての領域が搬送管12に当接する構成としている。これら2部材115、116と搬送管112とは、ねじ117、118、119、120により組立てている。
【0077】
また、この搬送管112と一体組立てした加熱部113は、伝熱抑制手段114を介して加熱手段本体111にねじ121、122を用いて組立てている。123は液体搬送方向における加熱部113の上流側に設けた逆止弁、124、125はシーズヒータ101の電力供給リード線を結線する結線部である。
【0078】
伝熱量抑制手段114は、熱伝導率が加熱手段本体111の成型材料や搬送管112の材料に比べて一桁以上低い熱伝導率を有する材料を使用している。鉄やステンレスなどが選択できるが、耐腐食性を考慮してステンレスを選択使用している。また、この伝熱量抑制手段114の組立てにあたって加熱手段本体111側との間および加熱部113との間には、シリコングリースあるいはカーボンシート114a、114bなどを介在させて伝熱量抑制手段114以外の部分での不要な伝熱抑制は排除させている。
【0079】
図13は搬送管加熱部113の2つの部材115,116で搬送管112を挟み込んだ状態を示す断面図である。図13(a)に示すように、半円状の溝部115a、116aの幅寸法Aが搬送管112の外形寸法Xよりも小さい場合、搬送管112は半円状の溝部115a、116aと接触することができず空間132a,132bを生じてしまい、充分な熱伝導を確保できなくなるばかりか、2つの部材115,116を密着固定することもできなくなってしまう。
【0080】
また、図13(b)に示すように、半円状の溝部115a、116aの幅寸法Aが搬送管112の外形寸法Xよりも大きい場合、搬送管112は半円状の溝部115a、116aに接触することなく、2つの部材115,116も密着固定することができる。この場合も空間115aが発生するが、シリコングリスのような熱伝導性の高い柔軟性のある材料を挟み込むことで充分な熱伝導性を確保することが可能になる。しかし、この状態では搬送管112と搬送管加熱部・BR>P13の密着力は充分でなく、搬送管112が搬送管加熱部113の中で移動してしまう可能性がある。
【0081】
また、図13(c)に示すように、半円状の溝部115a、116aの幅寸法Aが搬送管112の外形寸法Xよりも大きく、かつ半円状の溝部115a、116aの深さ寸法Bが搬送管112の外形半径寸法X/2よりも大きい場合、搬送管112は半円状の溝部115a、116aに挟み込まれる状態になり、搬送管112は搬送管加熱部113と密着固定される。この状態では、2つの部材115,116の間に空間134が発生するが、図13(d)に示すようにねじで締め付けると、搬送管112は硬度の柔らかいアルミニウムや銅で形成しているので、挟まれることで容易に変形し、2つの部材115,116も密着固定することができる。この状態でも、シリコングリスのような熱伝導性の高い柔軟性のある材料131を挟み込むことで更に熱伝導性を上げることが可能になる。
【0082】
図14は搬送管112の構成を示す外観図である。加熱手段本体111は給水受け皿25の下面に接触配置され、加熱部113を通じて搬送管112の水平配管部140に熱が伝わる。水平配管部140は搬送管112の液体搬送方向において最下部で加熱部113と接触しており、仮に搬送管内で局部沸騰が生じ気泡が発生しても、気泡は重力方向で上方に移動しようとするので、最下部に位置した加熱部113との接触部から上方にある屈曲部142を通過し、垂直配管部141の上方に構成された空気取り入れ口(図示せず)から外部に放出される。
【0083】
以上のように構成した蒸気供給機構について、以下にその動作、作用を説明する。
【0084】
搬送する液体は、水として説明する。まずこの水を貯水するタンク(図示していない)を逆止弁123側に設置する。これにより搬送管112内に水が注入される。その後、シーズヒータ101を動作させる。シーズヒータ101の動作開始に伴い、加熱手段本体111が加熱されて温度が上昇していく。この加熱手段本体111の熱は伝熱量抑制手段114、加熱部113の部材115を経て主部材116に伝熱され、搬送管112が加熱される。搬送管112の管壁温度が100℃を超過する部位では管壁部分で水の局部沸騰が発生する。この沸騰に伴って発生する気泡は気体膨脹して搬送管112内の水を搬送方向の両側に押しやる。搬送方向の上流側には逆止弁123を配しており、搬送管112内の水の押圧により、逆止弁123は閉塞状態となる。これを受けて沸騰により発生した気泡は搬送方向の下流側にしか逃げ場がなくなる。この気泡が搬送方向の下流側に移動するのと連動して逆止弁123が開状態になり、貯水タンクから水が搬送管112内に注入される。この現象を繰り返すことで水が搬送されていく。搬送された水はいわゆる蒸発部25に導く。この蒸発部25には加熱手段本体111から熱エネルギが伝達される構成としているので蒸発部25に注水された水はさらに加熱されて蒸発していく。
【0085】
以上のような動作において、搬送管112の加熱部113に当接する領域および蒸発部では水の沸騰を生じさせているので、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの残渣が壁面に付着して残っていく。この付着残渣はスケールと称されている。スケール付着が継続されることで搬送管112の内断面は徐々に狭くなっていき、最悪の場合、搬送機能が働かなくなる。また、蒸発部および搬送管への伝熱量が低下していく。
【0086】
また、本実施例の構成図面に示したように、加熱部113の構成として、搬送管112の重力方向の最下部に主部材116を配置させることで、搬送管112内で沸騰現象により生じた気泡は重力方向の上方に移動する。沸騰により気泡が発生すると水にさらされない内壁面の温度は直ちに高温になろうとするが、この沸騰発生部位に水を直ちに流入させ搬送管壁面温度の上昇を抑制しスケール付着を抑制させることができる。
【0087】
また、水平配管部140と垂直配管部141を接続する屈曲部142は曲げ半径寸法を大きく取ることで、液体の搬送抵抗が小さくなり沸騰に伴う気泡の通流を容易にし、液体の搬送速度を高めることができるのでスケールの付着を抑えるとともに、気泡発生により膨張した液体が一気に流れることにより発生する沸騰音も抑制することができる。
【0088】
具体的な例として、屈曲部142の曲げ半径寸法を25mm以上に設定すると、沸騰音などの現象が起こりにくくなり、良好な液体搬送能力を得ることができた。
【0089】
(実施例2)
図15は、本発明の第2の実施例における蒸気供給機構の外観図である。実施例2が実施例1と相違する点は、加熱部が液体搬送方向において搬送管が上方に傾斜した部位と接合する構成としたことである。
【0090】
図15において、加熱手段本体111は給水受け皿25の下面に接触配置され、加熱部145を通じて搬送管143の水平配管部146に熱が伝わる。水平配管部146は搬送管143の液体搬送方向において上方に傾斜しており、その傾斜した部位で加熱部145と接触しており、仮に搬送管内で局部沸騰が生じ気泡が発生しても、気泡は重力方向で上方に移動しようとするので、上方に傾斜した加熱部145との接触部から上方にある屈曲部148を通過し、垂直配管部147の上方に構成された空気取り入れ口(図示せず)から外部に放出される。
【0091】
加熱部145の構成に関する内容は、実施例1と同様であり説明は省略する。以上のように構成された蒸気供給機構において、水平配管部146は搬送管143の液体搬送方向において上方に傾斜しており、その傾斜した部位で加熱部145と接触したことにより、搬送管143内で沸騰現象により生じた気泡は重力方向の上方に移動し、液体搬送方向において上方に傾斜した水平配管部146に流れが発生する。沸騰により気泡が発生すると水にさらされない内壁面の温度は直ちに高温になろうとするが、水に流れが発生することでこの沸騰発生部位に水を直ちに流入させ搬送管壁面温度の上昇を抑制しスケール付着をさらに抑制させることができる。
【0092】
【発明の効果】
本発明の蒸気発生機能付き高周波加熱装置は、加熱手段の発生熱による給水路内の水の熱膨張でポンプ機能を得て、専用のポンプ手段を不要にしているため、蒸気供給機構の構成の単純化や小型化を実現できる。
【0093】
また、蒸気の供給量制御は、加熱手段の発熱動作を制御するだけで達成することができるため、制御処理を単純にできる。
【0094】
また、搬送管内の水を沸騰させて発生した気泡を、逆止弁側に移動させないことにより、加熱手段との接合部に気泡が滞留することを防ぎ、沸騰発生部に液体を直ちに流入させて搬送管壁面温度の上昇を抑制し、安定した液体搬送能力を確保するとともにスケール付着を抑制でき、高温の蒸気を連続発生させることができる。そして、搬送部側と蒸発部側との熱エネルギ供給バランスを良好に保つとともに100℃に近い高温の蒸気を連続的に発生する蒸気供給機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る蒸気発生機能付き高周波加熱装置の一実施の形態の外観斜視図
【図2】 図1に示した蒸気発生機能付き高周波加熱装置の加熱室の開閉扉を開いた状態で、加熱室内を前面から見た時の概略構成図
【図3】 図1に示した蒸気発生機能付き高周波加熱装置における蒸気供給機構の概略構成図
【図4】 給水受け皿が一つの場合の蒸気供給機構の概略構成図
【図5】 図1に示した蒸気発生機能付き高周波加熱装置における貯水タンクの着脱操作の説明図で、
(a)貯水タンクの装着状態の説明図
(b)タンク挿入口を露出させた状態の説明図
(c)貯水タンクの抜き取り状態の説明図
【図6】 図4に示した蒸気供給機構で使用する貯水タンクの拡大斜視図
【図7】 図4に示した蒸気供給機構の装置側面における取付構造の説明図
【図8】 図6に示した貯水タンクと給水路の基端部との連結部における逆流防止構造の説明図
(a)容器本体の接続口が基端円管部に未嵌合の状態を示す図
(b)容器本体の接続口を基端円管部に適正に嵌合された状態を示す図
【図9】 図7のA矢視図で、給水路が装置底部に配置された加熱手段によって加熱される構成の説明図
【図10】 サーミスタによる蒸発量制御と異常検出とを説明する図
【図11】 本発明の実施例1における蒸気供給機構の分解斜視図
【図12】 図11のA−A’断面図
【図13】 図11に示した搬送管加熱部の2つの部材で搬送管を挟み込んだ状態を示す断面図で、
(a)半円状の溝部の幅寸法Aが搬送管の外形寸法Xよりも小さい状態を示す図
(b)半円状の溝部の幅寸法Aが搬送管の外形寸法Xよりも大きい状態を示す図
(c)半円状の溝部の幅寸法Aが搬送管112の外形寸法Xよりも大きく、かつ半円状の溝部の深さ寸法Bが搬送管の外形半径寸法X/2よりも大きい状態を示す図
(d)(c)の状態からねじを締め付けた後の状態を示す図
【図14】 本発明の実施例1における搬送管112の構成を示す外観図
【図15】 本発明の実施例2における搬送管143の構成を示す外観図
【符号の説明】
3 加熱室
4 底板
5 高周波発生手段
7 蒸気供給機構
13 開閉扉
15 仕切壁
17 スタラー羽根
21 貯水タンク
22 容器本体
22b 接続口
23 開閉蓋
25 給水受け皿(蒸発部)
27、101 加熱手段(シーズヒータ)
27a 組付けブロック
29 給水路(搬送管)
29a 基端配管部
29b 水平配管部
29c 垂直配管部
29d 上部配管部
33 タンク側の止水弁
35 タンク収納部
36 タンク挿入口
41 サーミスタ(温度検出センサ)
45 管側の止水弁
47、123 逆止弁
111、130 加熱手段本体
112、143 搬送管
113、145 加熱部
114、 伝熱量抑制手段
115、116 加熱部の部材
131、シリコングリス
142、148 屈曲部

Claims (8)

  1. 被加熱物を収容する加熱室内に高周波を出力する高周波発生手段と、前記加熱室内に加熱蒸気を供給する蒸気供給機構とを備え、高周波と加熱蒸気との少なくともいずれかを前記加熱室に供給して前記被加熱物を加熱処理する蒸気発生機能付き高周波加熱装置であって、前記蒸気供給機構は、貯水タンクの水を搬送する搬送管と、蒸気を供給する蒸発部と、この蒸発部に搬送された水を加熱して蒸発させる加熱手段と、前記加熱手段の熱で前記搬送管を加熱する搬送管加熱部と、前記搬送管の前記搬送管加熱部に当接する領域よりも上流に配置され逆止弁とを備え蒸気発生機能付き高周波加熱装置。
  2. 搬送管加熱部が、液体搬送方向において前記搬送管の最下部に位置する部位と接合する構成とした請求項1に記載の蒸気発生機能付き高周波加熱装置。
  3. 搬送管加熱部が、液体搬送方向において前記搬送管が上方に傾斜した部位と接合する構成とした請求項1記載の蒸気発生機能付き高周波加熱装置。
  4. 搬送管加熱部は、少なくとも2部材で形成し、それぞれに半円状の溝部を有する構成とした請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気発生機能付き高周波加熱装置。
  5. 搬送管加熱部は、半円状の溝部の幅寸法を搬送管の外形寸法よりも大きい構成とした請求項4に記載の蒸気発生機能付き高周波加熱装置。
  6. 搬送管加熱部は、半円状の溝部の深さ寸法を搬送管の外形半径寸法よりも小さい構成とした請求項5に記載の蒸気発生機能付き高周波加熱装置。
  7. 搬送管を硬度が柔らかいアルミニウムや銅で形成した請求項6に記載の蒸気発生機能付き高周波加熱装置。
  8. 搬送管加熱部は、2部材の間に熱伝導性の高い柔軟性のある材料を挟み込んで密着固定する構成とした請求項1〜7のいずれか1項に記載の蒸気発生機能付き高周波加熱装置。
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