JP3788184B2 - 分散印刷制御装置および分散印刷制御方法並びに記録媒体 - Google Patents

分散印刷制御装置および分散印刷制御方法並びに記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷すべき印刷データを複数のプリンタに分散して出力する分散印刷の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータネットワークを用いることで、パーソナルコンピュータ等の一の情報処理装置に対して複数のプリンタを容易に接続することが可能となった。こうした一の情報処理装置に複数のプリンタを接続した構成では、情報処理装置で作成した印刷データを各プリンタに分散して出力することができ、全体としての印刷時間の短縮を図ることができる。こうした分散印刷の最中には、その分散印刷の進行状況を示すウィンドウが表示されるように構成されている。このウィンドウには、印刷したい全体量に対して現在までにどれだけの量の印刷が終了しているかが表示されており、作業者は印刷の経過を知ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、出力先が単一である通常印刷を行なうときと同様の情報がウィンドウに表示されるだけであることから、作業者は、各プリンタにどういった割り振りで分散を行なうか等の分散印刷に特有な情報を得ることができなかった。このために、印刷に支障が生じたときに情報不足から迅速に対応することができない等、作業性が悪いという問題が発生した。
【0004】
この発明は、作業性よく分散印刷を行なうことができるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
前述した課題の少なくとも一部を解決するための手段として、以下に示す構成をとった。
【0006】
この発明の分散印刷制御装置は、
アプリケーションプログラムにより生成された印刷すべき印刷データを複数のプリンタに分散印刷させる分散印刷制御装置であって、
前記プリンタの機種毎に設けられた複数のプリンタドライバを記憶するプリンタドライバ記憶手段と、
分散先となる複数のプリンタを指定する分散先指定手段と、
前記プリンタドライバ記憶手段に記憶された各プリンタドライバから前記分散先指定手段により指定された複数のプリンタの性能についての情報を取り込み、該取り込んだ複数のプリンタの性能についての情報から仮想的なプリンタの性能情報を決定して、前記アプリケーションプログラムに対して前記決定した性能情報に基づくデータ変換処理を実行させて、前記アプリケーションプログラムから前記仮想的なプリンタに適合する中間印刷データを得る仮想プリンタドライバ実行手段と、
該得られた中間印刷データを所定の単位で区分けして、前記分散先指定手段により指定された複数のプリンタのそれぞれが引き受ける前記区分けされた部分を定め、該定められた情報を割り振り情報として出力する割り振り決定手段と、
前記割り振り情報により定められる分散先のプリンタの最新の稼働状況を、前記プリンタドライバ記憶手段に記憶された各プリンタドライバから検出する稼働状況検出手段と、
前記割り振り情報を示すフィールドと前記稼働状況検出手段により検出した最新の稼働状況を示すフィールドとを少なくとも備える一のウィンドウを表示装置に表示させる表示制御手段と
前記仮想プリンタドライバ実行手段により得られた中間印刷データを、前記割り振り情報に従って分配して、該分配された各中間印刷データを各プリンタドライバを介して各プリンタに出力する出力制御手段と
を備えることを要旨としている。
【0007】
上記構成の分散印刷制御装置によれば、分散印刷の際に、分散の割り振りの情報と、各分散先のプリンタの最新の稼働状況とを一のウィンドウに同時に表示することができる。このために、作業者は、各プリンタへの割り振りがどのように行なわれているかということと、各プリンタが「用紙切れ」など支障が生じていないかなどを一のウィンドウから素早く知ることができる。したがって、作業者は、印刷に支障が生じたとき等の不測時にも、必要な情報を得ることができ、この情報から迅速な対応が可能となることから、作業性に優れているという効果を奏する。
【0008】
なお、上記構成の分散印刷制御装置において、前記区分けする印刷データの所定の単位は、印刷データで示す文書のページの単位であるものとすることができる。この構成によれば、印刷すべき文書のページを区切りとして、各プリンタへの分散印刷を行なうことができる。
【0009】
上記構成の分散印刷制御装置において、プリントジョブによって示される一単位の印刷データが前記分散印刷の最中もしくは待機の状態にあるときに、該プリントジョブについて前記表示制御手段による表示を行なわせる第1制御手段を備える構成とすることができる。この構成によれば、分散印刷の途中もしくは待機時にあるプリントジョブについて、分散の割り振りの情報と各分散先のプリンタの最新の稼働状況とが表示される。
【0010】
上記第1制御手段を備える分散印刷制御装置において、プリントジョブによって示される一単位の印刷データが前記分散印刷を終了した状態にあるときに、該プリントジョブについて前記表示制御手段による表示を行なわせる第2制御手段を備える構成とすることができる。この構成によれば、分散印刷の終了したプリントジョブについて、分散の割り振りの情報と各分散先のプリンタの最新の稼働状況とが表示される。
【0011】
上記第1制御手段および第2制御手段を備える分散印刷制御装置において、前記第1制御手段による表示と前記第2制御手段による表示とを択一的に切り替えるスイッチを備える構成とすることができる。この構成によれば、第1制御手段による表示と前記第2制御手段による表示とをスイッチにより容易に切り替えることができる。
【0012】
上記第1制御手段および第2制御手段を備える分散印刷制御装置において、前記第2制御手段は、印刷物を回収したときの並び順を考慮した適切な回収の順番を各プリンタに対応づけて示すフィールドを前記ウィンドウ内に設ける手段を備える構成とすることができる。この構成によれば、分散印刷の終了したプリントジョブについての回収の順番がウィンドウに表示される。したがって、作業者は回収の順番にプリンタを回って印刷物を回収するだけで印刷物を適切な順に並べることができる。
【0013】
上記第1制御手段および第2制御手段を備える分散印刷制御装置において、前記第2制御手段は、前記分散印刷の終了後に再度、該分散印刷を行なうことを指示するスイッチを前記ウィンドウ内に表示された再印刷すべきプリントジョブに対する操作者による所定の指示に従って表示されるダイアログボックス上に設ける手段を備える構成とすることができる。この構成によれば、そのスイッチを操作するだけで再印刷を容易に行なうことができることから、再印刷の際の操作性に優れている。
【0014】
この発明の分散印刷制御装置において、前記印刷データをそれぞれ示す複数のプリントジョブについての前記割り振り情報を前記ウィンドウに同時に表示可能な構成とすることができる。この構成によれば、複数のプリントジョブについての割り振り情報と、その複数のプリントジョブから選択した任意の一のプリントジョブについての分散先であるプリンタの稼働状況とを同時にウィンドウに表示するといったことが可能となる。
【0015】
この発明の分散印刷制御装置において、表示装置に入力用ウィンドウを表示するとともに、入力装置からの入力データに基づいて前記印刷データの分散についての各種情報を設定する分散情報設定手段を備え、該分散情報設定手段により設定された各種情報に基づいて、前記割り振り情報の決定を行なうよう構成することができる。この構成によれば、プリンタの分散先を定めるために必要な各種情報を、分配情報設定手段によって指定することができる。
【0016】
この発明の分散印刷制御方法は、
アプリケーションプログラムにより生成された印刷すべき印刷データを複数のプリンタに分散印刷させる分散印刷制御方法において、
(v)前記プリンタの機種毎に設けられた複数のプリンタドライバを記憶装置に予め用意するステップと、
(w)分散先となる複数のプリンタを指定するステップと、
(x)前記記憶装置に記憶された各プリンタドライバから前記ステップ(w)により指定された複数のプリンタの性能についての情報を取り込み、該取り込んだ複数のプリンタの性能についての情報から仮想的なプリンタの性能情報を決定して、前記アプリケーションプログラムに対して前記決定した性能情報に基づくデータ変換処理を実行させて、前記アプリケーションプログラムから前記仮想的なプリンタに適合する中間印刷データを得るステップと、
(y)該得られた中間印刷データを所定の単位で区分けして、前記ステップ(w)により指定された複数のプリンタのそれぞれが引き受ける前記区分けされた部分を定め、該定められた情報を割り振り情報として出力するステップと、
(a)前記割り振り情報により定められる分散先のプリンタの最新の稼働状況を、前記記憶装置に記憶された各プリンタドライバから検出するステップと、
(b)前記割り振り情報を示すフィールドと前記ステップ(a)により検出した最新の稼働状況を示すフィールドとを少なくとも備える一のウィンドウを表示装置に表示させるステップと
(z)前記ステップ(x)により得られた中間印刷データを、前記割り振り情報に従って分配して、該分配された各中間印刷データを各プリンタドライバを介して各プリンタに出力するステップと
を備えることを要旨としている。
【0017】
この構成の分散印刷制御方法は、この発明の分散印刷制御装置と同様な作用・効果を有しており、ウィンドウの情報から適切な対応が可能となることから、作業性に優れているという効果を奏する。
【0018】
この発明の記録媒体は、
アプリケーションプログラムにより生成された印刷すべき印刷データを複数のプリンタに分散印刷させる分散印刷制御装置において用いられるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
(v)前記プリンタの機種毎に設けられた複数のプリンタドライバを記憶装置に予め用意する機能と、
(w)分散先となる複数のプリンタを指定する機能と、
(x)前記記憶装置に記憶された各プリンタドライバから前記機能(w)により指定された複数のプリンタの性能についての情報を取り込み、該取り込んだ複数のプリンタの性能についての情報から仮想的なプリンタの性能情報を決定して、前記アプリケーションプログラムに対して前記決定した性能情報に基づくデータ変換処理を実行させて、前記アプリケーションプログラムから前記仮想的なプリンタに適合する中間印刷データを得る機能と、
(y)該得られた中間印刷データを所定の単位で区分けして、前記機能(w)により指定された複数のプリンタのそれぞれが引き受ける前記区分けされた部分を定め、該定められた情報を割り振り情報として出力する機能と、
(a)前記割り振り情報により定められる分散先のプリンタの最新の稼働状況を、前記記憶装置に記憶された各プリンタドライバから検出する機能と、
(b)前記割り振り情報を示すフィールドと前記機能(a)により検出した最新の稼働状況を示すフィールドとを少なくとも備える一のウィンドウを表示装置に表示させる機能と
(z)前記機能(x)により得られた中間印刷データを、前記割り振り情報に従って分配して、該分配された各中間印刷データを各プリンタドライバを介して各プリンタに出力する機能と
を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したことを要旨としている。
【0019】
上記構成の第1の記録媒体も、上記発明の分散印刷制御装置と同様な作用・効果を有しており、ウィンドウの情報から適切な対応が可能となることから、作業性に優れているという効果を奏する。
【0020】
【発明の他の態様】
この発明は、以下のような他の態様も含んでいる。その第1の態様は、この発明の記録媒体による機能と同様の機能を持つコンピュータプログラムとしての態様である。その第2の態様は、そのコンピュータプログラムを含むことで搬送波内に具現化されたデータ信号としての態様である。第3の態様は、コンピュータプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様である。この第3の態様では、コンピュータプログラムをコンピュータネットワーク上のサーバなどに置き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロードし、これを実行することで、上記の装置や方法を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以上説明したこの発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下この発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
【0022】
1.ハードウェアの全体構成
図1はこの発明の一実施例を適用するコンピュータシステムのハードウェアの概略構成を示すブロック図である。図示するように、この一実施例のコンピュータシステムは、コンピュータ10を備え、このコンピュータ10には、実質的にコンピュータ機能を有する複数のプリンタ70,80,…が、ローカルエリアネットワーク(LAN)により構築されたコンピュータネットワーク90を介して接続されている。なお、コンピュータネットワーク90は、LANに替えて、インターネットや、イントラネットや、ワイドエリアネットワーク(WAN)など、各種ネットワークに替えることができる。
【0023】
コンピュータ10には、周辺機器としてのCRTディスプレイ12が接続され、さらにはローカルにてもう一台のプリンタ60が接続されている。また、コンピュータ10は、コンピュータ本体16とキーボード18とマウス20を備える。このコンピュータ本体16には、フロッピィディスク22の内容を読み取るフロッピィディスクドライブ24が搭載されている。
【0024】
コンピュータ本体16は、中央演算処理装置としてのCPU30を中心にバスにより相互に接続されたROM31、RAM32、表示画像メモリ33、マウスインタフェース34、キーボードインタフェース35、FDC36、HDC37、CRTC38、プリンタインタフェース39およびネットワーク制御回路40を備える。
【0025】
ROM31は、内蔵されている各種プログラム等を記憶する読み出し専用のメモリである。RAM32は、各種データ等を記憶する読み出し・書込み可能なメモリである。表示画像メモリ33はCRTディスプレイ12に表示する画像の画像データを記憶するメモリである。マウスインタフェース34は、マウス20とのデータ等のやり取りを司るインタフェースである。キーボードインタフェース35は、キーボード18からのキー入力を司るインタフェースである。FDC36は、フロッピィディスクドライブ(FDD)24を制御するフロッピィディスクコントローラである。HDC37は、ハードディスクドライブ(HDD)41を制御するハードディスクコントローラである。CRTC38は、表示画像メモリ33に記憶される表示画像データに基づいてCRTディスプレイ12における画像の表示を制御するCRTコントローラである。プリンタインタフェース39は、ローカルにて接続されるプリンタ14へのデータの出力を制御するインタフェースである。ネットワーク制御回路40は、ネットワークカードなどから成り、コンピュータネットワーク90に接続されている。
【0026】
このコンピュータシステムでは、オペレーティングシステムはHDD41に記憶されており、コンピュータ本体16に電源を投入すると、HDD41のブートブロックに書き込まれたローダに従ってRAM32の所定の領域にロードされる。また、プリンタ60,70,80の機種毎に用意される実プリンタドライバは、フロッピィディスク22に予め格納されており、所定のインストールプログラムを起動することで、フロッピィディスクドライブ24からコンピュータ10にインストールされる。このインストールされたプリンタドライバは、HDD41に記憶されており、コンピュータ10に電源を投入したときに、オペレーティングシステムに組み込まれ、RAM32の所定の領域にロードされる。
【0027】
また、このコンピュータシステムでは、仮想的なプリンタについての情報を定める仮想的なプリンタドライバ(仮想プリンタドライバ)110を備えている。この仮想プリンタドライバ110は、実際のプリンタドライバと同様に、フロッピィディスク22に予め格納されており、所定のインストールプログラムを起動することで、フロッピィディスクドライブ24からコンピュータ10にインストールされる。このインストールされた仮想プリンタドライバ110は、HDD41に記憶されており、コンピュータ10に電源を投入したときに、オペレーティングシステムに組み込まれ、RAM32の所定の領域にロードされる。なお、仮想プリンタドライバ110のコンピュータプログラムは、フロッピィディスク22に格納されたものに替えて、CD−ROM、光磁気ディスク、ICカード等の他の携帯型記録媒体(可搬型記録媒体)に格納された構成としてもよい。また、このコンピュータプログラムは、外部のコンピュータネットワーク(例えばインターネット)に接続される特定のサーバから、コンピュータネットワークを介して提供されるプログラムデータをダウンロードして、RAM32またはHDD41に転送することにより得るようにすることもできる。
【0028】
プリンタ60,70,80は、ドラムにレーザ光を当てて像を作り、トナーで現像して用紙に転写する所謂レーザプリンタである。なお、プリンタ60,70,80としては、インクジェットプリンタ、熱転写プリンタなど、各種プリンタを適用することができる。
【0029】
2.分散印刷処理の様子
かかる構成のコンピュータシステムによれば、大まかには、コンピュータ本体16により、印刷すべき印刷データを作成し、この印刷データをコンピュータ本体16に接続されているプリンタ60,70,80に分散して印刷させる分散印刷処理を行なう。こうした分散印刷処理の様子について以下詳しく説明する。
【0030】
図2は、分散印刷処理の全体の様子を概略的に示すブロック図である。図3は、分散印刷処理に用いられる仮想プリンタドライバ110の処理の様子を示すブロック図である。図4は、分散印刷処理の一部を実現する分散印刷ユーティリティプログラム(以下、単に「分散印刷ユーティリティ」と呼ぶ)120の処理の様子を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、コンピュータ本体16の内部で動作しているアプリケーションプログラム100は、文書作成処理を行なって文書データ(画像データであってもよい)を生成し、この文書データを印刷すべく印刷命令を発行する。アプリケーションプログラム100から印刷命令が発行されると、仮想プリンタドライバ110が、印刷命令を受けて、この仮想プリンタドライバ110が想定する仮想的なプリンタの性能についての性能情報をアプリケーションプログラム100に返す。詳細には、図3に示すように、仮想プリンタドライバ110は、印刷命令受信部111により、アプリケーションプログラム100から発行される印刷命令を受信して、その印刷命令を受信した旨を印刷命令受信部111から受けた性能情報返信部112により、仮想的なプリンタの性能についての性能情報をアプリケーションプログラム100に返す。
【0032】
ここで仮想的なプリンタの性能というのは、分散先となり得る全てのプリンタのうちの最も性能の高いプリンタについての性能である。一般に、性能の高いプリンタは、高級なプログラム言語により描画を行なっている。例えば、数式等を用いた高度な描画命令により図形を表わすものは高級なプログラム言語であり、ビットマップを用いた程度の低い描画命令により図形を表わすものは低級なプログラム言語である。したがって、この実施例では、仮想的なプリンタの性能を上述したように分配先となり得る全てのプリンタのうちの最も高いプリンタについての性能と定めることで、この仮想プリンタドライバ110において高級なプログラム言語に従うデータ変換処理(レンダリング処理)を可能としている。すなわち、高級なプログラム言語は前述したように、高度な描画命令を使用するものであるから、この仮想プリンタドライバ110では、もっとも高性能なプリンタに合わせて効率的なレンダリング処理を実現し得るようにしている。
【0033】
なお、分散先となり得るプリンタというのは、コンピュータ本体16にローカルもしくはネットワークで接続される全てのプリンタのうちのプロパティ設定部113により設定されるプリンタグループに属するプリンタであり、ここでは、プリンタ60,70,80が該当するものとする。
【0034】
詳細には、上記プリンタ60,70,80の機種毎に用意されるプリンタドライバ(以下、実プリンタドライバと呼ぶ)から分散印刷ユーティリティ120が取り込んだ各プリンタ60,70,80の性能情報を、性能情報入力部114により取り込んで、仮想プリンタ性能決定部115により、これら各プリンタ60,70,80の性能情報から最も高いものを抽出して、これを仮想的なプリンタの性能情報とする。性能情報返信部112はこの仮想的なプリンタの性能情報をアプリケーションプログラム100に返している。なお、各プリンタ60,70,80が同一の機種である場合には、いずれかのプリンタ60,70,80の性能情報が仮想的なプリンタの性能情報と定められる。
【0035】
なお、こうした仮想プリンタドライバ110で定める性能情報は、この実施例のように最も高性能のプリンタの性能とする構成に替えて、各プリンタ60,70,80の性能情報から選択した任意のものとすることもできる。さらに、各プリンタ60,70,80の性能情報に依存しない予め定めた性能情報とすることもできる。
【0036】
また、仮想プリンタドライバ110は、プロパティ設定部113により、ユーザインタフェース116を動作させて印刷のための各種情報を設定・記憶するが、この印刷のための各種情報のうちのいくつかの情報を上記性能情報とともに性能情報返信部112を介してアプリケーションプログラム100に返す。印刷のための各種情報としては、印刷品質、色補正、ハーフトーンの種類等の印刷の基本設定に関するもの、用紙のサイズ、印刷方向等の用紙設定に関するもの、分散先となり得るプリンタを指定するプリンタグループに関するもの、分散印刷する場合の分散形態に関するもの等があるが、ここでは、これら情報の内のプリンタグループおよび分散形態に関するものを除いた情報をアプリケーションプログラム100に送る。
【0037】
アプリケーションプログラム100は、性能情報やこれら情報を受け取り、上記生成した文書データを性能情報やこれら情報に基づいて、プリンタ(ここでは仮想的なプリンタ)に適合した印刷データに変換して、この変換後の印刷データを仮想プリンタドライバ110に送る。この印刷データの変換の処理は、前述したように効率的なレンダリング処理を実現するもので、実プリンタドライバにより実現される色変換やハーフトーン等の処理についてはここでは実施されない。
【0038】
図2に示すように、仮想プリンタドライバ110は、アプリケーションプログラム100から送られてきた印刷データを中間印刷データとして、その中間印刷データをまとめたデータセットを中間印刷ファイルMFとしてHDD41に一旦格納する。詳細には、図3に示すように、アプリケーションプログラム100から送られてきた印刷データを印刷データ受信部117により受信して、その後、その印刷データを中間印刷データとしてその中間印刷データをまとめたデータセットを、中間印刷データ出力部118によりHDD41に出力する。この中間印刷ファイルMFの中間印刷データは、その後、分散印刷ユーティリティ120により読み込まれる。なお、中間印刷ファイルMFは、HDD41に替えてRAM32に格納する構成としたり、フロッピィディスク22に格納する構成としたりすることもでき、さらには、他の外部記憶装置とすることもできる。また、仮想プリンタドライバ110は、プロパティ設定部113で設定された各種情報をプリンタプロパティデータとしてプロパティデータ出力部119を介して分散印刷ユーティリティ120に送る処理も行なう。
【0039】
図2に示すように、分散印刷ユーティリティ120は、中間印刷ファイルMFを構成する中間印刷データとプリンタプロパティデータとを受け取り、その中間印刷データを、プリンタプロパティデータに含まれるプリンタグループと分散形態に関する情報に従って各プリンタ60,70,80用に分配して、各プリンタ60,70,80に対応して設けられた実プリンタドライバ130,140,150に送る。分散印刷ユーティリティ120によるこうした処理について、次に詳しく説明する。
【0040】
図4に示すように、分散印刷ユーティリティ120は、まず、中間印刷データ入力部121により、中間印刷ファイルMFを構成する中間印刷データを取り込むとともに、プロパティデータ入力部122により、仮想プリンタドライバ110から送られてくるプリンタプロパティデータを受け取る。次いで、そのプリンタプロパティデータに含まれるプリンタグループと分散形態に関する情報に基づいて、割り振り決定部123により中間印刷データの割り振りを決定する。ここでいう割り振りというのは、中間印刷データをページ単位に分け、プリンタグループに属する各プリンタ60,70,80がそれぞれ引き受けるページを定めることである。
【0041】
こうして決定された割り振りの情報は出力データ制御部124に送られる。出力データ制御部124は、中間印刷データ入力部121で取り込んだ中間印刷データの各ページを、上記割り振りの情報に基づいて、上記プリンタ60,70,80の実プリンタドライバ130,140,150に対して振り分けながらそれぞれ出力する。なお、この実プリンタドライバ130,140,150へのデータ出力の際には、具体的には次のような作業を経て行なう。
【0042】
まず、割り振り先のプリンタに対してプリンタドライバを介して設定変更を指示する処理をプリンタ設定部125により行なう。次いで、出力命令出力部126により出力命令を発行して、その出力命令の発行を受けた実プリンタドライバ130,140,150から返送されてくるプリンタ60,70,80の性能についての性能情報を、性能情報入力部127により受け取る。出力データ制御部124は、性能情報入力部127から受け取った性能情報と、プロパティデータ入力部122から受け取ったプリンタプロパティデータに含まれる印刷の基本設定に関する情報や用紙設定に関する情報等(プリンタグループと分散形態に関する情報を除く)に基づいて、中間印刷データの割り振るべきページを割り振り先のプリンタ60,70,80に適合したデータに変換する。
【0043】
出力データ制御部124は、これら変換後の印刷データを最終印刷データとして、最終印刷データ出力部128を介して実プリンタドライバ130,140,150に送る。実プリンタドライバ130,140,150は、仮想プリンタドライバでは実施されなかった各プリンタに対応した色変換やハーフトーン等の処理を最終印刷データに施して、その最終印刷データを各プリンタ60,70,80に送信する。
【0044】
さらに、分散印刷ユーティリティ120は、実プリンタドライバ130,140,150からの信号に基づいて各プリンタ60,70,80の状態を監視するプリンタ監視部129を備えている。実プリンタドライバ130,140,150は、各プリンタ60,70,80の最新の稼働状況を検出することができる。プリンタ監視部129は、実プリンタドライバ130,140,150から上記稼働状況を示す信号を受け取り、この稼働状況に基づいて各プリンタ60,70,80の混み具合やプリンタのエラー状態(故障は勿論のこと、用紙詰まり、用紙切れの状態等も含む)を監視している。出力データ制御部124は、このプリンタ監視部129からの信号を受け取り、上記分配された印刷データの出力に際して、混み合っていたりエラー状態にあるプリンタについては出力先を変更したり、出力を一旦中止したりする処理を行なう。
【0045】
なお、実プリンタドライバ130,140,150から送られてくる各プリンタ60,70,80の性能情報は、前述したように分散印刷ユーティリティ120で利用されるとともに、性能情報出力部12aを介して仮想プリンタドライバ110にも送られる。
【0046】
3.仮想プリンタドライバ
仮想プリンタドライバ110がコンピュータ10にインストールされたときに、オペレーティングシステムがどのような状態に変わるかを、次に説明する。なお、この説明に当たり、この仮想プリンタドライバ110が動作するオペレーティングシステムとして、Windows95(マイクロソフト社の商標)を例にとって説明する。
【0047】
ユーザ(作業者)は、コンピュータ10を次のように操作して、印刷のための各種情報を設定するダイアログボックスをCRTディスプレイ12の画面上に開く。すなわち、[スタート]→[設定]→[プリンタ]の操作を行なうことで、「プリンタ」ウィンドウを開く。図5は、この「プリンタ」ウィンドウを示す説明図である。仮想プリンタドライバ110がコンピュータ10にインストールされた場合、図示するように、「プリンタ」ウィンドウWN1には、プリンタ60,70,80の機種毎に用意される実プリンタドライバ130,140,150のアイコンIC1,IC2,IC3に加えて、仮想プリンタドライバ110に対応する例えば「分散印刷」と表記されたアイコンIC4が表示されることになる。即ち、仮想プリンタドライバ110も実プリンタドライバと同様に、インストールされると、その仮想プリンタドライバ110に対応したアイコンIC4が「プリンタ」ウィンドウWN1に表示されることになる。
【0048】
なお、その「プリンタ」ウィンドウ上の仮想プリンタドライバ110に対応した「分散印刷」のアイコンIC4をダブル・クリックして、その仮想プリンタドライバ110についてのウィンドウを開き、その後、そのウィンドウから[プリンタ]→[プロパティ]の操作を行なうと、その仮想のプリンタについての各種情報を設定する「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスが表示される。作業者は、この「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスに従ってマウス20およびキーボード18を操作することにより、各種の設定情報を入力することが可能となる。なお、この「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスが、前述したユーザインタフェース116に相当する。
【0049】
4.ユーザインタフェース
図6は、「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2を例示する説明図である。図示するように、「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2には、「分散設定」、「プリンタ」の2種類のカードCD1,CD2が用意されている。「分散設定」のカードCD1は、分散印刷する場合の分散形態に関わる情報等を設定するためのものである。「プリンタ」のカードCD2は、分散先となり得るプリンタグループに関わる情報、印刷の基本設定に関する情報および用紙設定に関する情報等を設定するためのものである。両カードCD1,CD2のいずれかが、作業者によって、マウス20を操作することにより選択されて、ダイアログボックスWN2に表示される。図6には、「分散設定」のカードCD1が表示された状態が例示されている。なお、カードCD1,CD2の内容の組み分けは、上記例に限る訳ではなく、1枚のカードで全ての内容を含む構成としてもよく、あるいは、より細かく分けて3枚以上のカードに分ける構成としてもよい。
【0050】
図示するように、「分散設定」のカードCD1には、「ドキュメント」、「リカバリ」、「指定日時」の3つのフィールドfd1,fd2,fd3が設けられている。「ドキュメント」のフィールドfd1は、文書の印刷形態を設定するためのもので、「部数」についてのデータ入力欄id1、「部単位で印刷する」のチェックボックスid2、「部、ページ単位でまとめる」のチェックボックスid3、「ジョブのまとめ方」についてのデータ入力欄id4、「区切りページ」についてのデータ入力欄id5が設けられている。各データ入力欄(チェックボックスを含む、以下同じ)id1〜id5は次のような仕様にて設計されている。
【0051】
1)「部数」のデータ入力欄id1:
印刷する部数を入力する。アプリケーションプログラム100で設定された内容がデフォルトとして入力される。
2)「部単位で印刷する」のチェックボックスid2:
このチェックボックスid2がオン状態のとき、丁合い印刷となり、オフ状態のとき、スタック印刷となる。ここで、丁合い印刷とは、部単位で、各部はページ順にて出力を行なうものであり、スタック印刷とは、ページ単位で、各ページは部数分出力を行なうものである。すなわち、チェックボックスid2がオン状態のとき、部単位で、チェックボックスid2がオフ状態のとき、ページ単位で順に印刷がなされることになる。
3)「部、ページ単位でまとめる」のチェックボックスid3:
このチェックボックスid3がオン状態のときには、上記部単位もしくはページ単位の一集合が複数のプリンタに渡ることを禁止し、オフ状態のときには、その一集合が複数のプリンタに渡ることを許可する。
【0052】
4)「ジョブのまとめ方」のデータ入力欄id4:
このデータ入力欄id4における「プリンタ単位」のラジオボタンが選択されると、一のプリンタから出力する全ページを一つのまとまりとして扱う。このラジオボタンが選択されると、ネットワークに接続された共有プリンタ70,80において他の使用者の印刷結果との混在がなくなる。一方、「部、ページ番号単位」のラジオボタンが選択されると、上記部単位やページ単位の一集合ごとを一つのまとまりとして扱う。ローカルのプリンタ60に分散する場合や他の使用者の印刷結果と混在しても問題ないような場合に利用する。
【0053】
5)「区切りページ」のデータ入力欄id5:
区切りページとは、他の使用者の印刷結果と上記まとまりの単位で混在した場合に判別できるように、上記まとまりの先頭や末尾に設けるページである。「先頭」のチェックボックスがクリックされた場合には、まとまりの先頭位置に区切りページを印刷する。「末尾」のチェックボックスがクリックされた場合には、まとまりの末尾位置に区切りページを印刷する。なお、区切りページには、印刷する文書名や部数、ページ数、使用者名などが印刷される。
【0054】
なお、この「ドキュメント」のフィールドfd1には、上記データ入力欄id1〜id5の他に、上記データ入力欄id1〜id5の設定内容によって決定される分散形態を表わす分散形態表示欄ddが設けられている。この分散形態表示欄ddは、データ入力欄id1〜id5の設定内容によって決定される分散形態がどのようなものであるかをイラスト画像にて示すものである。
【0055】
次に、データ入力欄id1〜id5の設定の内容によって分散形態表示欄ddのイラスト画像がどのように決まるかを、図7および図8を用いて説明する。まず最初に、「部数」のデータ入力欄id1、「部単位で印刷する」のチェックボックスid2、「部、ページ単位でまとめる」のチェックボックスid3によってイラスト画像がどのように決まるかを説明する。
【0056】
図7は、データ入力欄id1と2つのチェックボックスid2,id3の設定の内容によって分散形態表示欄ddのイラスト画像がどのように変わるかを示す説明図である。図示の表において、列は、部単位で印刷するか否か、すなわち、「部単位で印刷する」のチェックボックスid2がオン状態であるかオフ状態であるかによって定まり、行は、部、ページ単位でまとめないか否か、すなわち、「部、ページ単位でまとめる」のチェックボックスid3がオフ状態であるかオン状態であるかによって定まる。この表は、「部数」データ入力欄id1から設定される部数が4部である場合の一例である。
【0057】
「部単位で印刷する」で、かつ「部、ページ単位でまとめない」の場合には、表中第1行、第1列のセルC11に示すように、1台目のプリンタ60には、丁合で第1部の第1ページと第2ページが次いで第2部の第1ページが印刷され、2台目のプリンタ70には、第2部の第2ページ、第3部の第1ページと第2ページが印刷され、3台目のプリンタ80には、第4部の第1ページと第2ページが印刷されることを示すイラスト画像が表示される。
【0058】
「部単位で印刷しない」で、かつ「部、ページ単位でまとめない」の場合には、表中第1行、第2列のセルC12に示すように、スタック印刷となることから、1台目のプリンタ60には、第1ページが3部印刷され、2台目のプリンタ70には、第1ページの必要部数の残り分と第2ページが2部印刷され、3台目のプリンタ80には、第2部の必要部数の残り分とが印刷されることを示すイラスト画像が表示される。
【0059】
「部単位で印刷する」で、かつ「部、ページ単位でまとめる」の場合には、表中第2行、第1列のセルC21に示すように、1台目のプリンタ60は、1単位が複数のプリンタに渡ることを禁止することから、第1部の第1ページから第2部の第2ページまで印刷され、2台目のプリンタ70には、第3部の第1ページと第2ページが印刷され、3台目のプリンタ80には、第4部の第1ページと第2ページが印刷されることを示すイラスト画像が表示される。
【0060】
「部単位で印刷しない」で、かつ「部、ページ単位でまとめる」の場合には、表中第2行、第2列のセルC22に示すように、1台目のプリンタ60には、第1ページが必要部数分印刷され、2台目のプリンタ70には、第2ページが必要部数分印刷されることを示すイラスト画像が表示される。
【0061】
次に、データ入力欄id1〜id3の設定内容から決まるイラスト画像が、「ジョブのまとめ方」のデータ入力欄id4と「区切りページ」のデータ入力欄id5によってどのように変わるかを説明する。図8は、データ入力欄id4,id5によって分散形態表示欄ddのイラスト画像がどのように決まるかを示す説明図である。図8に示したイラスト画像の一例は、データ入力欄id1〜id3の内容によって図7中のセルC11に示すようにイラスト画像が決定した場合に、データ入力欄id4,id5の設定内容に応じてさらにどのように変わるかを示すものである。
【0062】
図8の表において、列は、「ジョブのまとめ方」のデータ入力欄id4において「プリンタ単位」、「部、ページ番号単位」のいずれのラジオボタンが選択されたかによって定まり、行は、「区切りページ」のデータ入力欄id5において「先頭」、「末尾」の両チェックボックスがどのように指示されているかによって定まる。
【0063】
「ジョブのまとめ方」のデータ入力欄id4において、「プリンタ単位」のラジオボタンがクリックされている場合、表中の第1行、第1列のセルCE11に示すように、図7のセルC11とそのイラスト画像は変わらず、一のプリンタから印刷される全ページはまとめられた形となる。一方、「部、ページ番号単位」のラジオボタンがクリックされている場合には、第1行、第2列のセルCE12に示すように、部、もしくはページ単位の集合がまとめられ、それらは次のまとまりとの間で一旦分けられる。なお、実際は、「プリンタ単位」のラジオボタンがクリックされている場合も「部、ページ番号単位」のラジオボタンがクリックされている場合にも、区切りページがないことから同じ印刷結果となる。
【0064】
「区切りページ」のデータ入力欄id5から区切りページがあると判別された場合には、表中の第2行目、第3行目、第4行目に示すように、第1行目にてまとめられた区分に対して、先頭、末尾、または両者に区切りページ(図中黒塗りの部分)が差し込まれた形にイラスト画像は定められる。この表によって決定されるイラスト画像が、分散形態表示欄ddに表示される。
【0065】
図6に戻り、「リカバリ」のフィールドfd2は、分散印刷されるプリンタでエラーが発生した場合に他のプリンタでリカバリさせる際のリカバリ先を指定するためのものである。この「リカバリ」のフィールドfd2には、「リカバリしない」、「出力先を指定する」、「リカバリ先を自動で選択する」の3つのラジオボタンが設けられている。「リカバリしない」のラジオボタンが選択された場合には、分散印刷されるプリンタでエラーが発生した場合にもリカバリをしないものとする。「出力先を指定する」のラジオボタンが選択された場合には、「プリンタ」のデータ入力欄から入力された出力先をリカバリ先とする。「リカバリ先を自動で選択する」のラジオボタンが選択された場合には、エラーが発生したプリンタと同機種のプリンタをリカバリ先とする。同機種のプリンタがなければ空いているプリンタをリカバリ先とする。
【0066】
「指定日時」のフィールドfd3は、印刷時間を指定するもので、「印刷日時を指定する」のチェックボックスが指定された場合には、「指定日時」の欄から入力された時間に印刷が開始される。
【0067】
なお、この「分散設定」のカードCD1の最下段には、「印刷前に設定画面を表示する」のチェックボックスid6が設けられている。このチェックボックスid6がオン状態のときには、印刷を開始する前に、この「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2が再度表示される。この表示により、作業者は、印刷を開始する前に、設定内容を再度確認したり変更したりすることが可能となる。一方、チェックボックスid6がオフ状態のときには、印刷を開始する前に「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2が表示されることはない。
【0068】
「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2に表示される「プリンタ」のカードCD2について、図9を用いて次に説明する。図示するように、「プリンタ」のカードCD2には、「プリンタグループ」のフィールドfd4と、「用紙設定」のフィールドfd5と、内容表示欄fd6が設けられている。
【0069】
「プリンタグループ」のフィールドfd4は、文書を分散して印刷するプリンタのグループを指定するためのもので、「グループ名」のデータ入力欄id11と「プリンタ」の表示欄id12と「グループ設定」のボタンid13とが設けられている。「グループ名」のデータ入力欄id11は、そのグループの名前を設定するためのものであり、予め設定されたグループ名が選択肢として用意される。「プリンタ」の表示欄id12は、「グループ名」のデータ入力欄id1から設定されたグループに属するプリンタ名を表示する。「グループ設定」のボタンid13は、図示しない新たなウィンドウを開き作業者からのデータ入力を受け付けることで、「グループ名」のデータ入力欄id11に用意される選択肢の追加、削除を行なう。「プリンタグループ」のフィールドfd4によって指定されるグループに属する全てのプリンタ、すなわち、「プリンタ」の表示欄id12に表示される各プリンタに対して、コンピュータ10は分散印刷を行なうことになる。すなわち、コンピュータ本体16にローカルまたはコンピュータネットワーク90にて接続される全てのプリンタの中でも、この「プリンタグループ」のフィールドfd4によって指定されるグループのプリンタ群だけが印刷の分散先となることになる。
【0070】
「用紙設定」のフィールドfd5は、用紙や印刷品質を設定するためのもので、「用紙サイズ」、「用紙方向」、「用紙種類」、「色」、「解像度」をそれぞれ設定するデータ入力欄id14,id15,id16,id17が設けられている。
【0071】
「用紙サイズ」のデータ入力欄id14は、使用する用紙サイズを用紙の種類と共に設定するもので、例えば、「A4 210×297mm」、「A4横 210×297mm」、「洋封筒 120×235」、「ハガキ 100×147mm」等が選択肢として用意されている。「用紙方向」のデータ入力欄id15は、プリンタにおいて用紙のセットされる方向を示すものであり、「縦」と「横」とが選択可能である。「用紙種類」のデータ入力欄id16は、用紙の種類を設定するもので、「普通紙」、「スーパーファイン専用紙」、「専用光沢紙」が選択肢として用意されている。「色」のデータ入力欄id17は、プリンタ14に使用するインクの種類を設定するもので、「カラー」と「モノクロ」とが選択肢として用意されている。「解像度定」のデータ入力欄id18は、印刷する解像度を設定するもので、「はやい」、「きれい」の2種類が選択肢として用意されている。ここで、「はやい」、「きれい」は、例えば、順に360×360(dot)、720×720(dot)の解像度を示すものである。
【0072】
内容表示欄fd6は、「プリンタグループ」のフィールドfd1と「用紙設定」のフィールドfd5から設定された内容のうちの所望のデータを表示する。
【0073】
以上のように構成された「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2に従って、作業者はマウス20およびキーボード18を操作することにより、各種の設定情報がコンピュータ本体16に入力されることになる。なお、このデータ入力の際に、各プリンタ60,70,80の性能情報によっては上記入力データの取り込みは制限されるように構成されている。例えば、各プリンタ60,70,80の性能情報から、これらプリンタ60,70,80は共にA4までの用紙サイズしか印刷不可能な場合には、「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2の「用紙サイズ」のデータ入力欄id14は、A4より大きい用紙サイズは選択肢から除外する構成として、A4より大きい用紙サイズについての入力データは取り込み不可能としている。
【0074】
5.コンピュータプログラム
5−1.分散印刷処理ルーチン
図3に示した仮想プリンタドライバ110にて実現される各部111〜119は、実際は、コンピュータプログラムである仮想プリンタドライバ110とその仮想プリンタドライバ110に従ってCPU30により実行される各種処理とにより実現されている。また、図4に示した分散印刷ユーティリティ120にて実現される各部121〜129は、実際は、コンピュータプログラムである分散印刷ユーティリティ120とその分散印刷ユーティリティ120に従ってCPU30により実行される各種処理とにより実現されている。
【0075】
上記分散印刷ユーティリティ120は、仮想プリンタドライバ110と対になってフロッピィディスク22に予め格納されており、所定のインストールプログラムを起動することで、フロッピィディスクドライブ24からコンピュータ10にインストールされる。このインストールされた分散印刷ユーティリティ120は、HDD41に記憶されており、コンピュータ10に電源を投入したときに、オペレーティングシステムに組み込まれ、RAM32の所定の領域にロードされる。なお、分散印刷ユーティリティ120は、仮想プリンタドライバ110と同様に、フロッピィディスク22に格納されたものに替えて、CD−ROM、光磁気ディスク、ICカード等の他の携帯型記録媒体(可搬型記録媒体)に格納された構成としてもよい。また、この分散印刷ユーティリティ120は、外部のコンピュータネットワーク(例えばインターネット)に接続される特定のサーバから、コンピュータネットワークを介して提供されるプログラムデータをダウンロードして、RAM32またはHDD41に転送することにより得るようにすることもできる。
【0076】
仮想プリンタドライバ110および分散印刷ユーティリティ120で実現される分散印刷処理について次に詳述する。図10は、分散印刷処理のルーチンの前半部分を示すフローチャートであり、図11は、分散印刷処理のルーチンの後半部分を示すフローチャートである。図10に示す前半部分は、仮想プリンタドライバ110によって構成されており、図11に示す後半部分は、分散印刷ユーティリティ120によって構成されている。この分散印刷処理のルーチンは、アプリケーションプログラム100から分散印刷を行なう指示がなされたときに起動されるものである。アプリケーションプログラム100は、文書や絵図等を作成する汎用のアプリケーションプログラムであり、それぞれのアプリケーションプログラム特有の機能を使って文書データを作成する。アプリケーションプログラム100上で、その作成した文書データ(この単位がプリントジョブ(以下、単にジョブとも呼ぶ)に相当する)を印刷すべく[印刷]のコマンドが操作されると、上記分散印刷を行なう指示がなされる。
【0077】
図12は、アプリケーションプログラム100上で[印刷]のコマンドが操作されたときにCRTディスプレイ12に表示される「印刷」のダイアログボックスWN3の一例を示す説明図である。図示するように、「印刷」のダイアログボックスWN3には、「プリンタ名」のデータ入力欄id21が設けられている。この「プリンタ名」のデータ入力欄id21に、図5で説明した「分散印刷」のアイコンIC4に対応する「分散印刷」の文字列が選択入力された状態で、「OK」のボタンid22がマウス20によりクリックされたとき、この分散印刷処理のルーチンが起動される。
【0078】
図10に示すように、処理が開始されると、CPU30は、まず、フラグFLが値1であるか否かを判別する処理を行なう(ステップS200)。このフラグFLは、「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2の「分散設定」のカードCD1に設けられた「印刷前に設定画面を表示する」のチェックボックスid6がオン状態であるか否かを示すものである。ステップS200で、フラグFLが値1、すなわち、「印刷前に設定画面を表示する」のチェックボックスid6がオン状態であると判別された場合には、CPU30は、図6に示した「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2をCRTディスプレイ12に表示する処理を行なう(ステップS210)。この表示により、作業者は、印刷を開始する前に、設定内容を再度確認したり、変更したりすることが可能となることから、続くステップS220では、「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2に基づいて、必要に応じて各種の設定情報を入力する処理を行なう。なお、こうして入力された各種の設定情報はプリンタプロパティデータとして記憶される。
【0079】
ステップS220の実行後、ステップS230に処理を進める。一方、ステップS200で否定判別された場合、すなわち、「印刷前に設定画面を表示する」のチェックボックスid6がオフ状態であると判別された場合には、ステップS210およびS220の処理を実行することなしに、ステップS230に処理を進める。なお、このときのプリンタプロパティデータは、これまでに「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2から設定された内容がそのまま保持されている。ステップS230では、CPU30は、アプリケーションプログラム100から出力される印刷データから中間印刷データを生成する処理を行なう。
【0080】
中間印刷データを生成する処理は、詳しくは次のようにして行なう。CPU30は、まず、アプリケーションプログラム100に処理を戻して、仮想プリンタドライバ110に対して印刷命令を発行する処理を行なう。次いで、CPU30は、仮想プリンタドライバ110に処理を移して、アプリケーションプログラム100からの印刷命令を受け取る。CPU30は、その印刷命令を受け取ると、プリンタ60,70,80の機種毎に用意される実プリンタドライバ130,140,150から分散印刷ユーティリティ120が取り込んだ各プリンタ60,70,80の性能情報を取り込んで、これら各プリンタ60,70,80の性能情報から最も高いものを抽出して、これを仮想プリンタの性能情報と定める。その後、CPU30は、この仮想プリンタの性能情報をアプリケーションプログラム100に送る。
【0081】
続いて、CPU30は、アプリケーションプログラム100に処理を移して、その仮想プリンタの性能情報と、仮想プリンタドライバ110で設定した分散印刷に係わる各種情報のうちの印刷の基本設定に関する情報、用紙設定に関する情報等(プリンタグループと分散形態に関する情報を除く)とに基づいて、アプリケーションプログラム100内で作成した文書データを仮想プリンタに適合した印刷データに変換する処理を行なう。その後、この変換後の印刷データを仮想プリンタドライバ110に送る。CPU30は、仮想プリンタドライバ110に処理を移して、その印刷データを取り込み、その取り込んだ印刷データを中間印刷データとする。こうした一連の処理により、中間印刷データを生成する処理が行なわれる。
【0082】
その後、CPU30は、その中間印刷データをHDD41に出力して、この中間印刷データをまとめたデータセットを中間印刷ファイルMFとしてHDD41に一旦格納する(ステップS240)。
【0083】
ステップS240の実行後、CPU30は、分散印刷ユーティリティ120に処理を移して、図11のステップS250に処理を進める。ステップS250では、CPU30は、HDD41から中間印刷ファイルMFを取り込む。次いで、CPU30は、前述したプリンタプロパティデータに含まれるプリンタグループと分散形態に関する情報に基づいて、ステップS250で取り込んだ中間印刷データの割り振りを決定する処理を行なう(ステップS260)。詳しくは、中間印刷データをページ単位に分け、「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2で設定した分散形態、即ち、「分散設定」のカードCD1の分散形態表示欄ddに表示された図8に例示した分散形態が実現されるように、プリンタグループに属するプリンタ60,70,80がそれぞれ引き受けるページを定める。この結果、こうして定められた各プリンタに割り当てられたページについての情報は出力先リストデータとしてRAM32に記憶される。
【0084】
図13は、その出力先リストデータの一例を示す説明図である。図示の例は、3ページから構成される文書を3台のプリンタ60,70,80に1部ずつ印刷する場合を示している。図示するように、3台のプリンタ60,70,80に対して1ページから3ページまでの各ページがそれぞれ、印刷するページ番号として定められる。
【0085】
図11のステップS260で各ページの出力先の割り振りが決まると、次いで、CPU30は、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4をCRTディスプレイ12に表示するためのウィンドウ初期表示ルーチンを実行する処理を行なう(ステップS270)。
【0086】
図14は、このウィンドウ初期表示ルーチンを示すフローチャートである。図示するように、処理が開始されると、まず、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4のベースとなる画面を表示する処理を行なう(ステップS271)。図15は、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4を例示する説明図である。図示するように、このウィンドウWN4は、メイン画面SC1とその左側に位置するサブ画面SC2とに分かれており、さらにメイン画面SC1は上下に2分割され、その上部にジョブ用リスト欄LST1が設けられ、下部に分散状況用リスト欄LST2が設けられている。
【0087】
サブ画面SC2には、ジョブ用リスト欄LST1に表示される内容を印刷ジョブリストと終了ジョブリストのいずれかに切り替えるアイコンIC11,IC12が設けられている。図15の例は、アイコンIC11がクリックされて、ジョブ用リスト欄LST1に印刷ジョブリストが表示された状態が示されている。なお、初期状態もこの印刷ジョブりストが表示された状態である。印刷ジョブリストは、印刷中もしくは印刷待ちの状態にあるジョブの一覧を示すものである。この印刷ジョブリストには、印刷文書名を示す「ドキュメント名」、印刷する部数を示す「部数」、印刷文書のページ数を示す「ページ数」、分散形態を示す「分散形態」、現在の印刷の状態を示す「状態」、ジョブの発令者を示す「オーナー」、印刷を開始した日時を示す「開始日時」等の各フィールドが設けられている。
【0088】
上記「分散形態」のフィールドには、分散の際のまとめ方を表わす「部単位」もしくは「ページ単位」との表示がなされる。「状態」のフィールドには、「印刷中」、「印刷待ち」、「時間待ち」もしくは「保留中の状態」と表示がなされる。ここで、「印刷中」とは、いずれかのプリンタで実際に印刷が行なわれている状態を示し、「印刷待ち」とは、[印刷]のコマンドが操作されていずれかのプリンタで実際に印刷が開始されるまでの状態を示し、「時間待ち」とは、詳述しないスケジュール管理により指示された印刷開始時間までの状態を示し、「保留中の状態」とは、そのスケジュール管理により「印刷を保留にする」と指定された状態を示す。
【0089】
分散状況用リスト欄LST2は、ジョブ用リスト欄LST1に表示された複数のジョブの中で選択状態にあるジョブについての分散状況を表示するものである。この分散状況用リスト欄LST2は、各行が一の分散先に対応しており、各行は、分散先のプリンタを示す「プリンタ名」、その分散先での印刷文書の開始ページを示す「開始ページ」、その印刷文書の終了ページを示す「終了ページ」、現在の印刷の状態を示す「状態」、分散先での印刷の進行状況を示す「進行状況」、分散先での印刷の開始日時を示す「開始日時」等の各フィールドが設けられている。
【0090】
上記「状態」のフィールドには、「印刷中」、「印刷待ち」もしくは「印刷終了」と表示がなされる。ここで、「印刷中」とは、該当するプリンタで実際に印刷が行なわれている状態を示し、「印刷待ち」とは、[印刷]のコマンドが操作されてから該当するプリンタで実際に印刷が開始されるまでの状態を示し、「印刷終了」とは、該当するプリンタについてはその割り当ての印刷が終了したことを示している。
【0091】
図14のステップS272では、以上のように構成された「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4であって上記ジョブ用リスト欄LST1および分散状況用リスト欄LST2が空欄であるものが、ベース画面としてCRTディスプレイ12に表示される。なお、ステップS272では、他のジョブについての分散印刷処理で既にこの「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4が表示されているような場合には、このベース画面を表示する処理は行なわない。
【0092】
次いで、CPU30は、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4のジョブ用リスト欄LST1に、この分散印刷処理の対象となっているジョブについての表示を追加する処理を行なう(ステップS272)。この表示の追加の処理は、上記ジョブの印刷データと、前述したプリンタプロパティデータに含まれる分散形態に関する情報(「分散設定」のカードCD1から入力された情報)に基づいてその表示が行なわれる。なお、この追加したジョブについての「状態」のフィールドについては、初期値として「印刷待ち」という文字列が表示される。
【0093】
続いて、CPU30は、ステップS260で作成した出力先リストデータ等の情報に基づいて、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4の分散状況用リスト欄LST2に各プリンタ毎の分散状況を表示する処理を行なう(ステップS273)。なお、この分散状況用リスト欄LST2における「状態」のフィールドについては、初期値として「印刷待ち」という文字列が表示され、「進行状況」のフィールドについては、初期値として「0/0ページ」という文字列が表示される。その後、「リターン」に抜けてこのウィンドウ初期表示ルーチンを終了する。
【0094】
図16は、CPU30により実行されるウィンドウ更新ルーチンを示すフローチャートである。このウィンドウ更新ルーチンは、上記ウィンドウ初期表示ルーチンの終了後、所定時間、例えば100msec毎に繰り返し実行される。図示するように、このウィンドウ更新ルーチンの処理が開始されると、CPU30は、まず、ステップS260で決定された割り振り先である各プリンタ60,70,80の最新の稼働状況を、各プリンタ60,70,80毎に設けられた実プリンタドライバ130,140,150から検出する処理を行なう(ステップS275)。次いで、CPU30は、この検出された各プリンタ60,70,80の最新の稼働状況と分散印刷処理のルーチンの進み具合から、ジョブ用リスト欄LST1に設けられた「状態」のフィールドと、分散状況用リスト欄LST2に設けられた「状態」、「進行状況」の各フィールドを最新の状態に更新する(ステップS276,S277)。その後、「リターン」に抜けてこのウィンドウ初期表示ルーチンを一旦終了する。この結果、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4のジョブ用リスト欄LST1および分散状況用リスト欄LST2は常に最新の状態に更新される。
【0095】
図11に戻り、ステップS270でウィンドウ初期表示ルーチンの処理が終了すると、次いで、CPU30は、ステップS260で定められた割り振りを示す出力先リストデータに従って実際に印刷がなされるように、以下の処理を実行する。まず、CPU30は、印刷の対象となるプリンタを示すプリンタカウンタC1を値1にセットする(ステップS280)。ここで、プリンタカウンタC1は、値1のとき1台目のプリンタ60を、値2のとき2台目のプリンタ70を、値3のとき3台目のプリンタ70というように分散先の各プリンタを示すものとする。
【0096】
次いで、CPU30は、プリンタカウンタC1の値に対応するプリンタに対して設定変更を指示する処理を行なう(ステップS290)。この処理は、印刷しようとするプリンタに対してプリンタドライバを介して印刷の用意を促すもので、前述したプリンタプロパティデータに含まれる印刷の基本設定に関する情報と用紙設定に関する情報のうちから必要な設定情報をプリンタドライバに対して指示を行なう。例えば、用紙の種類は「専用光沢紙」であるということをプリンタドライバに知らせることで、プリンタに対してその用紙に適した印刷が可能な状態となるように定める。
【0097】
次いで、CPU30は、ステップS260で定められた割り振りの情報である出力先リストデータに従って、プリンタカウンタC1の値に対応するプリンタについての最終的な印刷データを生成し出力する処理を行なう(ステップS290)。具体的には、ステップS250で読み込んだ中間印刷ファイルの中間印刷データをページ単位に区分けするとともに、上記プリンタカウンタC1の値に対応する出力先のプリンタで印刷すべきページを上記出力先リストデータから検索して、その印刷すべきと定められたページ分を前記中間印刷データから抽出する。次いで、CPU30は、プリンタカウンタC1の値に対応するプリンタに対して印刷を実行させるべく、そのプリンタの実プリンタドライバ130(140,150)に対して出力命令を発行し、その出力命令の発行を受けた実プリンタドライバ130(140,150)から返送されてくる当該プリンタ60(70,80)の性能についての性能情報を取り込み、続いて、その性能情報と、上記プロパティデータに含まれる印刷の基本設定に関する情報、用紙設定に関する情報等(プリンタグループと分散形態に関する情報を除く)とに基づいて、上記抽出されたページ分のデータを各ページの出力先に適合した印刷データに変換する。このデータの変換の処理を、レンダリング処理と呼ぶ。このレンダリング処理の結果、最終的な印刷データが生成され、この最終印刷データをプリンタカウンタC1の値に対応するプリンタ60(70,80)の実プリンタドライバ130(140,150)に出力する。
【0098】
その後、CPU30は、プリンタカウンタC1の値を1だけインクリメントして(ステップS300)、そのプリンタカウンタC1の値が最終のプリンタを示す値LC1を超えたか否かを判別する(ステップS310)。ここで、最終のプリンタを示す値LC1を超えていないと判別されると、処理をステップS290に戻して、上記値1を増加したプリンタカウンタC1で示される次のプリンタ70(80,60)についての各ページの最終印刷データの作成および出力の処理を行なう。なお、ステップS290ないしステップS310の処理は、前述したように、1ページから最終ページまでの最終印刷データの作成および出力の処理を第1のプリンタから最終のプリンタまで各プリンタ単位で順に行なうよう記述されているが、これはフローチャートの記載上の便宜のためにこのように記述されたものであり、実際は、1ページから最終ページまでの最終印刷データの作成および出力の処理を、各プリンタ毎に時分割によりマクロ的に並行処理されるよう構成されている。
【0099】
この最終印刷データを各プリンタ60,70,80に出力する処理の経過に伴って、ウィンドウ更新ルーチンによりCRTディスプレイ12に表示される「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4の内容が更新される。すなわち、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4のジョブ用リスト欄LST1に設けられた「状態」のフィールドと、分散状況用リスト欄LST2に設けられた「状態」、「進行状況」のフィールドとが、上記最終印刷データの出力に従う印刷の状況に伴って更新される。
【0100】
一方、ステップS310でプリンタカウンタC1の値が最終のプリンタを示す値LC1を超えたと判別されたときには、全てのプリンタについての印刷を要する全てのページの最終印刷データの作成・出力が終了したとして、CPU30は、CRTディスプレイ12に表示された「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4を最小化して非アクティブの状態として(ステップS320)、ウィンドウ更新ルーチンの所定時間毎の実行を終了する(ステップS330)。その後、この分散印刷処理のルーチンを終了する。
【0101】
以上のように構成された分散印刷処理のルーチンによれば、仮想プリンタドライバ110によりHDD41に一旦中間印刷ファイルMFが作成され、この中間印刷ファイルを用いて分散印刷が行なわれる。この分散印刷の際に、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4により、印刷中もしくは印刷待ちの状態にあるジョブの一覧の表示がなされる。
【0102】
5−2.再印刷処理ルーチン
このコンピュータシステムでは、上記のように中間印刷ファイルMFを用いて分散印刷を行なっているが、この分散印刷処理の終了後においても、中間印刷ファイルMFを用いて再印刷を行なうことができる。この再印刷の処理について以下詳述する。
【0103】
図17は、CPU30により実行される再印刷処理のルーチンを示すフローチャートである。この再印刷処理のルーチンは、所定時間毎のタイミングで繰り返し実行される。図示するように、処理が開始されると、CPU30は、まず、マウス20またはキーボード18による入力操作を読み取り、一旦印刷が完了したジョブを再印刷する指令がなされたか否かを判別する(ステップS410)。
【0104】
図18は、ジョブ用リスト欄LST1に終了ジョブリストが表示された状態にある「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4を例示する説明図である。このウィンドウWN4は、前述した分散印刷処理のルーチンの終了後、デスクトップのタスクバー上に残ったボタン(ステップS320で最小化されたウィンドウWN4を示すボタン)がマウス20によりクリックされることで、CRTディスプレイ12上に出現するものである。図18の例は、その出現した「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4において、さらにサブ画面SC2に設けられたアイコンIC12がマウス20によりクリックされた後のものである。このアイコンIC12がクリックされて選択状態となると、ジョブ用リスト欄LST1には、印刷が完了しているジョブの一覧を示す終了ジョブリストが表示される。
【0105】
終了ジョブリストには、図15で示した印刷ジョブリストと同様に、「ドキュメント名」、「部数」、「ページ数」、「分散形態」、「状態」、「オーナー」、「開始日時」の各フィールドが設けられている。図15に例示した「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4に表示される印刷中もしくは印刷待ちの状態にあるジョブは、その印刷が完了すると、図18に例示するように終了ジョブとして表示されることになる。ジョブ用リスト欄LST1の下方には分散状況用リスト欄LST2が設けられ、この分散状況用リスト欄LST2には、ジョブ用リスト欄LST1に表示された複数のジョブの中で選択状態にあるジョブについての分散状況が表示される。この分散状況用リスト欄LST2は、各行が一の分散先に対応しており、各行には、「プリンタ名」、「回収順」、「開始ページ」、「終了ページ」、「枚数」、「状態」、「開始日時」等の各フィールドが設けられている。これらフィールドは、IC11がクリックされて印刷ジョブリストが表示されたときのものと比べて、「進行状況」のフィールドがなくて、「回収順」、「枚数」のフィールドがある点で相違する。「回収順」のフィールドは、印刷物を回収したときに並び順が順に並ぶようにするにはどの順に回収したらよいかを示す順番を各プリンタに対応づけて示すものである。「枚数」のフィールドは、該当するプリンタから出力される印刷物の枚数を示すものである。
【0106】
ステップS410でいう再印刷の指令は、例えば次のようなものである。終了ジョブリスト内の再印刷すべきジョブの位置で右クリックし、それによって表示されるダイアログボックス上の「再印刷」を選択するというもので、マウス20によるこうした操作がなされたと判断されたときに、再印刷する指令がなされたものとする。ステップS410で、再印刷するという指令がなされたと判別されると、次いで、CPU30は、再印刷用のウィンドウをCRTディスプレイ12に表示する処理を行なう(ステップS420)。図19は、再印刷用のウィンドウWN5を例示する説明図である。図示するように、このウィンドウWN5には、「分散設定」、「プリンタ」、「オプション」の3種類のカードCD11,CD12,CD13が用意されている。
【0107】
「分散設定」のカードCD11は、再印刷時の分散形態に関わる情報等を設定するためのものである。「プリンタ」のカードCD12は、再印刷時の分散先となり得るプリンタグループに関わる情報、印刷の基本設定に関する情報および用紙設定に関する情報等を設定するためのものである。「オプション」のカードCD13はその他の追加情報を設定するためのものである。「分散設定」のカードCD11は、図6を用いて前述した「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2に表示される「分散設定」のカードCD1と同じデータ入力用のフィールドを幾つか有し、さらには、再印刷する指令がなされた印刷文書名を示す「ドキュメント名」のフィールドfd11と文書のページ数を示す「ページ数」のフィールドfd12等を有する。「プリンタ」のカードCD12は、前述した「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2に表示される「プリンタ」のカードCD2と同一である。なお、「分散設定」のカードCD11や「プリンタ」のカードCD12の各フィールドのデフォルトの値は、先に印刷したときの設定内容、即ちプリンタプロパティデータの内容がそのまま保持されているものとする。
【0108】
作業者は、CRTディスプレイ12に表示された再印刷用のウィンドウWN4を見て、再印刷する文書やその再印刷時の分散形態等を確認し、必要に応じて、印刷部数を変更したり出力先のプリンタグループを変更したりし(ステップS430)、「分散設定」のカードCD11に設けられた「印刷」のボタンBTをクリックする。CPU30は、ステップS420で再印刷用のウィンドウWN4の表示を終えると、続いて、再印刷用のウィンドウWN4上からのマウス20またはキーボード18による入力操作を読み取り、「印刷」のボタンBT1がクリックされて印刷開始の指令がなされたか否かを判別する(ステップS440)。
【0109】
ステップS430で印刷開始の指令がなされたと判別されると、CPU30は、前述したステップS250ないしステップS330(図11の処理)を実行することに、HDD41に残っている中間印刷ファイルMFを用いて上記再印刷を指定した文書についての再印刷を行なう(ステップS450)。その後、ステップS410に処理を戻す。
【0110】
一方、ステップS410で、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4のタイトルバーの右端の「×」がクリックされて「終了」の指令がなされたと判別されたとき、あるいは、ステップS430で、再印刷用のウィンドウWN5の「終了」のボタンBT2がクリックされて「終了」の指令がなされたと判別されるたときには、ステップS450に処理を進めて、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4および再印刷用のウィンドウWN5の表示を削除するとともに(ステップS460)、HDD41に格納された中間印刷ファイルMFおよびプリンタプロパティデータを削除する(ステップS470)、その後、「エンド」に抜けてこの分散印刷ユーティリティの処理を終了する。
【0111】
以上のように構成されたこの実施例によれば、アプリケーションプログラム100からは仮想プリンタドライバ110に対して一の印刷命令を行なうだけで、中間印刷データを得ることができ、この中間印刷データから各プリンタ60,70,80への分散印刷が自動的に行なわれる。このために、作業者は、アプリケーションプログラム上で[印刷]のコマンドを一度行なうだけで、複数のプリンタに対して分散印刷を行なうことができ、作業性に優れているという効果を奏する。また、この実施例では、分散印刷を一度終えた後でも、例えば、印刷物に不備があったり印刷物の部数が不足していたりして再印刷を行ないたいという場合に、アプリケーションプログラムを起動せずに印刷を行なうことができる。このため、再印刷時の作業性に優れているという効果を奏する。また、この変形例では、再印刷用のウィンドウWN4を用いることで、分散印刷の形態や分散先等のプリンタプロパティデータの情報を最初の印刷時と変更して再印刷をすることができる。このために、再印刷時の作業性により優れている。
【0112】
さらにこの実施例では、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4により、印刷中もしくは印刷待ちの状態にあるジョブの一覧の表示がなされるようになされており、さらに、このウィンドウWN4には、分散形態を表わす一情報であるまとめ方についての情報と、分散先である各プリンタの最新の状態とが一のウィンドウに同時に表示されるように構成されている。このために、作業者は、割り振りがどのように行なわれているかということと、各プリンタが「用紙切れ」など支障が生じていないかなどを一のウィンドウから素早く知ることができる。したがって、作業者は、印刷に支障が生じたとき等の不測時にも、必要な情報を得ることができ、この情報から迅速な対応が可能となることから、作業性に優れているという効果を奏する。
【0113】
また、この実施例では、ジョブによって示される一単位の印刷データが分散印刷を終了した以後であっても、「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4は消去されずに終了ジョブリストの形で表示可能な構成となっている。このために、作業者は、印刷が終了したジョブについても割り振りの情報と分散先のプリンタの最新の稼働状況とを知ることができる。
【0114】
さらにこの終了ジョブリストのジョブの位置で右クリックすることで、再印刷を開始するスイッチを簡単に出現させることができることから、再印刷の際の操作性に優れているという効果を奏する。
【0115】
また、この実施例では、終了ジョブリストを表示したときの分散状況用リスト欄LST2には、「回収順」のフィールドが設けられている。このために、作業者はこの「回収順」のフィールドに記された回収の順番にプリンタを回って印刷物を回収するだけで印刷物を適切な順に並べることができる。
【0116】
また、この実施例では、「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2から分散形態に関わる情報や分散先となり得るプリンタグループに関わる情報を設定することができる。このために、作業者はプリンタの分散先を定めるために必要な各種情報を容易に設定することができる。
【0117】
本発明の他の実施形態について、次に説明する。上記実施例では、この発明の分散印刷制御装置として、印刷を行なう1台のコンピュータ10から複数のプリンタ60,70,80に対して直接印刷データを出力する構成としていたが、これに替えて、コンピュータネットワーク90上に、サーバを用意し、サーバ上でプリンタを管理して分散印刷を行なうクライアント/サーバ方式の構成とすることもできる。この構成では、各クライアントに仮想プリンタドライバを内蔵し、サーバに分散印刷ユーティリティを内蔵するようにすればよい。
【0118】
以上、本発明の一実施例を詳述してきたが、本発明は、こうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様にて実施することができるのは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を適用するコンピュータシステムのハードウェアの概略構成を示すブロック図である。
【図2】分散印刷処理の全体の様子を概略的に示すブロック図である。
【図3】分散印刷処理に用いられる仮想プリンタドライバ110の処理の様子を示すブロック図である。
【図4】分散印刷処理の一部を実現する分散印刷ユーティリティ120の処理の様子を示すブロック図である。
【図5】「プリンタ」ウィンドウWN1を示す説明図である。
【図6】「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2に表示される「分散設定」のカードCD1を示す説明図である。
【図7】データ入力欄id1〜id3の設定の内容によって分散形態表示欄のイラスト画像がどのように変わるかを示す説明図である。
【図8】データ入力欄id4、id5の設定の内容によって分散形態表示欄のイラスト画像がどのように変わるかを示す説明図である。
【図9】「分散印刷プロパティ」のダイアログボックスWN2に表示される「プリンタ」のカードCD2を示す説明図である。
【図10】CPU30により実行される分散印刷処理のルーチンの前半部分を示すフローチャートである。
【図11】その分散印刷処理のルーチンの後半部分を示すフローチャートである。
【図12】アプリケーションプログラム100上で[印刷]のコマンドが操作されたときにCRTディスプレイ12に表示される「印刷」のダイアログボックスWN3の一例を示す説明図である。
【図13】出力先リストデータの一例を示す説明図である。
【図14】CPU30により実行されるウィンドウ初期表示ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4を例示する説明図である。
【図16】CPU30により実行されるウィンドウ更新ルーチンを示すフローチャートである。
【図17】CPU30により実行される再印刷処理のルーチンを示すフローチャートである。
【図18】ジョブ用リスト欄LST1に終了ジョブリストが表示された状態にある「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウWN4を例示する説明図である。
【図19】再印刷用のウィンドウWN5を例示する説明図である。
【符号の説明】
10…コンピュータ
12…CRTディスプレイ
14…プリンタ
16…コンピュータ本体
18…キーボード
20…マウス
22…フロッピィディスク
24…フロッピィディスクドライブ
30…CPU
31…ROM
32…RAM
33…表示画像メモリ
34…マウスインタフェース
35…キーボードインタフェース
36…FDC
37…HDC
38…CRTC
39…プリンタインタフェース
40…ネットワーク制御回路
41…HDD
60,70,80…プリンタ
90…コンピュータネットワーク
100…アプリケーションプログラム
110…仮想プリンタドライバ
111…印刷命令受信部
112…性能情報返信部
113…プロパティ設定部
114…性能情報入力部
115…仮想プリンタ性能決定部
116…ユーザインタフェース
117…印刷データ受信部
118…中間印刷データ出力部
119…プロパティデータ出力部
120…分散印刷ユーティリティ
121…中間印刷データ入力部
122…プロパティデータ入力部
123…決定部
124…出力データ制御部
125…プリンタ設定部
126…出力命令出力部
127…性能情報入力部
128…最終印刷データ出力部
129…プリンタ監視部
12a…性能情報出力部
130,140,150…実プリンタドライバ
MF…中間印刷ファイル
SC1…メイン画面
SC2…サブ画面
WN4…「分散印刷ユーティリティ」のウィンドウ

Claims (14)

  1. アプリケーションプログラムにより生成された印刷すべき印刷データを複数のプリンタに分散印刷させる分散印刷制御装置であって、
    前記プリンタの機種毎に設けられた複数のプリンタドライバを記憶するプリンタドライバ記憶手段と、
    分散先となる複数のプリンタを指定する分散先指定手段と、
    前記プリンタドライバ記憶手段に記憶された各プリンタドライバから前記分散先指定手段により指定された複数のプリンタの性能についての情報を取り込み、該取り込んだ複数のプリンタの性能についての情報から仮想的なプリンタの性能情報を決定して、前記アプリケーションプログラムに対して前記決定した性能情報に基づくデータ変換処理を実行させて、前記アプリケーションプログラムから前記仮想的なプリンタに適合する中間印刷データを得る仮想プリンタドライバ実行手段と、
    該得られた中間印刷データを所定の単位で区分けして、前記分散先指定手段により指定された複数のプリンタのそれぞれが引き受ける前記区分けされた部分を定め、該定められた情報を割り振り情報として出力する割り振り決定手段と、
    前記割り振り情報により定められる分散先のプリンタの最新の稼働状況を、前記プリンタドライバ記憶手段に記憶された各プリンタドライバから検出する稼働状況検出手段と、
    前記割り振り情報を示すフィールドと前記稼働状況検出手段により検出した最新の稼働状況を示すフィールドとを少なくとも備える一のウィンドウを表示装置に表示させる表示制御手段と
    前記仮想プリンタドライバ実行手段により得られた中間印刷データを、前記割り振り情報に従って分配して、該分配された各中間印刷データを各プリンタドライバを介して各プリンタに出力する出力制御手段と
    を備えることを特徴とする分散印刷制御装置。
  2. 請求項1に記載の分散印刷制御装置であって、
    プリントジョブによって示される一単位の印刷データが前記分散印刷の最中もしくは待機の状態にあるときに、該プリントジョブについて前記表示制御手段による表示を行なわせる第1制御手段
    を備える分散印刷制御装置。
  3. 請求項2に記載の分散印刷制御装置であって、
    プリントジョブによって示される一単位の印刷データが前記分散印刷を終了した状態にあるときに、該プリントジョブについて前記表示制御手段による表示を行なわせる第2制御手段
    を備える分散印刷制御装置。
  4. 前記第1制御手段による表示と前記第2制御手段による表示とを択一的に切り替えるスイッチを備える請求項3に記載の分散印刷制御装置。
  5. 前記第2制御手段は、印刷物を回収したときの並び順を考慮した適切な回収の順番を各プリンタに対応づけて示すフィールドを前記ウィンドウ内に設ける手段を備える請求項3または請求項4に記載の分散印刷制御装置。
  6. 前記第2制御手段は、前記分散印刷の終了後に再度、該分散印刷を行なうことを指示するスイッチを前記ウィンドウ内に表示された再印刷すべきプリントジョブに対する操作者による所定の指示に従って表示されるダイアログボックス上に設ける手段を備える請求項3または請求項4に記載の分散印刷制御装置。
  7. 前記印刷データをそれぞれ示す複数のプリントジョブについての前記割り振り情報を前記ウィンドウに同時に表示可能とした請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の分散印刷制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の分散印刷制御装置であって、
    表示装置に入力用ウィンドウを表示するとともに、入力装置からの入力データに基づいて前記印刷データの分散についての各種情報を設定する分散情報設定手段を備え、
    該分散情報設定手段により設定された各種情報に基づいて、前記割り振り情報の決定を行なうよう構成した分散印刷制御装置。
  9. アプリケーションプログラムにより生成された印刷すべき印刷データを複数のプリンタに分散印刷させる分散印刷制御方法において、
    (v)前記プリンタの機種毎に設けられた複数のプリンタドライバを記憶装置に予め用意するステップと、
    (w)分散先となる複数のプリンタを指定するステップと、
    (x)前記記憶装置に記憶された各プリンタドライバから前記ステップ(w)により指定された複数のプリンタの性能についての情報を取り込み、該取り込んだ複数のプリンタの性能についての情報から仮想的なプリンタの性能情報を決定して、前記アプリケーションプログラムに対して前記決定した性能情報に基づくデータ変換処理を実行させて、前記アプリケーションプログラムから前記仮想的なプリンタに適合する中間印刷データを得るステップと、
    (y)該得られた中間印刷データを所定の単位で区分けして、前記ステップ(w)により指定された複数のプリンタのそれぞれが引き受ける前記区分けされた部分を定め、該定められた情報を割り振り情報として出力するステップと、
    (a)前記割り振り情報により定められる分散先のプリンタの最新の稼働状況を、前記記憶装置に記憶された各プリンタドライバから検出するステップと、
    (b)前記割り振り情報を示すフィールドと前記ステップ(a)により検出した最新の稼働状況を示すフィールドとを少なくとも備える一のウィンドウを表示装置に表示させるステップと
    (z)前記ステップ(x)により得られた中間印刷データを、前記割り振り情報に従って分配して、該分配された各中間印刷データを各プリンタドライバを介して各プリンタに出力するステップと
    を備えることを特徴とする分散印刷制御方法。
  10. アプリケーションプログラムにより生成された印刷すべき印刷データを複数のプリンタに分散印刷させる分散印刷制御方法であって、
    請求項2ないし請求項8のいずれかに記載の分散印刷制御装置の構成に対応した構成を備える分散印刷制御方法。
  11. アプリケーションプログラムにより生成された印刷すべき印刷データを複数のプリンタに分散印刷させる分散印刷制御装置において用いられるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    (v)前記プリンタの機種毎に設けられた複数のプリンタドライバを記憶装置に予め用意する機能と、
    (w)分散先となる複数のプリンタを指定する機能と、
    (x)前記記憶装置に記憶された各プリンタドライバから前記機能(w)により指定された複数のプリンタの性能についての情報を取り込み、該取り込んだ複数のプリンタの性能についての情報から仮想的なプリンタの性能情報を決定して、前記アプリケーションプログラムに対して前記決定した性能情報に基づくデータ変換処理を実行させて、前記アプリケーションプログラムから前記仮想的なプリンタに適合する中間印刷データを得る機能と、
    (y)該得られた中間印刷データを所定の単位で区分けして、前記機能(w)により指定された複数のプリンタのそれぞれが引き受ける前記区分けされた部分を定め、該定められた情報を割り振り情報として出力する機能と、
    (a)前記割り振り情報により定められる分散先のプリンタの最新の稼働状況を、前記記憶装置に記憶された各プリンタドライバから検出する機能と、
    (b)前記割り振り情報を示すフィールドと前記機能(a)により検出した最新の稼働状況を示すフィールドとを少なくとも備える一のウィンドウを表示装置に表示させる機能と
    (z)前記機能(x)により得られた中間印刷データを、前記割り振り情報に従って分配 して、該分配された各中間印刷データを各プリンタドライバを介して各プリンタに出力する機能と
    を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. 請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    (c)プリントジョブによって示される一単位の印刷データが前記分散印刷の最中もしくは待機の状態にあるときに、前記プリントジョブについて前記表示制御手段による表示を行なわせる機能を、さらにコンピュータに実現させるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. 請求項12に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    (d)プリントジョブによって示される一単位の印刷データが前記分散印刷を終了した状態にあるときに、前記プリントジョブについての前記表示制御手段による表示を行なわせる機能を、さらにコンピュータに実現させるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. アプリケーションプログラムにより生成された印刷すべき印刷データを複数のプリンタに分散印刷させる分散印刷制御装置において用いられるコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    請求項4ないし請求項8のいずれかに記載の分散印刷制御装置の構成に対応した構成をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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