JP3788171B2 - 印刷システム、印刷制御装置、および、印刷進捗度算出方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置の印刷実行状況を管理する技術にかかり、特に印刷の進捗度合いを測定する技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ホストコンピュータから印刷装置に対して印刷データを送信して印刷を行う場合、ホストコンピュータを利用しているユーザに対して、プログレスメータで印刷の進捗度を表示する技術が知られている。すなわち、印刷開始を０％、印刷終了を１００％とし、印刷の進捗度を百分率で表して、ホストコンピュータ上に視覚的に表示するものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このときプログレスメータに表示される進捗度は、ホストコンピュータにおけるデータ処理過程の進捗度、または印刷装置のデータ受信量等の割合を反映したものであった。すなわち、これらの進捗度等は、印刷装置における実際の印字動作とは直接関係しないため、プログレスメータが表示する印刷進捗度は、実際の印刷装置における処理の進捗度とは一致していない。
【０００４】
このため、ユーザは印刷装置における処理の進行状況を正確に知ることができない。例えば、プログレスメータが１００％となったことを確認した後、印刷物を取りに行っても、まだ印刷が完了していないということも起こり得る。ユーザにとっては、プログレスメータで印刷装置での進行状況を正確に知ることができれば便利である。
【０００５】
従って、本発明は、印刷装置における印刷処理状況を反映した印刷処理の進捗度を得る技術を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の第一の態様によれば、外部から受け付けた印刷依頼に基づいて、印刷媒体に印刷する印刷機構と、前記印刷依頼に係る印刷の開始から特定時点までの、前記印刷機構における前記印刷媒体の送り量を取得する取得手段と、前記印刷機構が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷依頼に基づいて予測する予測手段と、前記送り量と前記全使用量とから、前記全使用量に占める前記送り量の割合を求めて、当該印刷印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する進捗度算出手段と、を備える印刷システムが提供される。
【０００７】
上記第一の態様により、印刷媒体の送り量に着目することで、実際に印刷装置で行われている印刷の進捗度を把握することができる。
【０００８】
また、本発明の第二の態様によれば、外部から印刷依頼を受け付け、かつ、印刷媒体に印刷をする印刷装置に、当該印刷依頼に基づいて印刷を実行させる印刷制御装置であって、前記印刷装置から、印刷媒体の送り量に関する情報を受信する受信手段と、前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷依頼に基づいて予測する予測手段と、前記印刷媒体の送り量に関する情報により定まる前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、当該全使用量に占める当該送り量の割合を求めて、前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する進捗度算出手段と、前記進捗度算出手段が算出した前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を表示する表示手段と、を備える。
【０００９】
上記第二の態様により、印刷制御装置において、印刷装置で実際に行われている印刷の進捗度を把握することができる。
【００１０】
上記第二の態様において、前記受信手段は、さらに、前記印刷装置から印刷終了を示す情報を受信し、前記進捗度算出手段は、前記印刷終了を示す情報を受信したとき、前記印刷の進捗度を１００％としてもよい。
【００１１】
これにより、印刷が終了したときに確実に進捗度を１００％とすることができる。
【００１２】
さらに、前記印刷媒体の送り量に関する情報は、前記印刷媒体の送りローラの回転を制御するための情報であり、前記送りローラの回転を制御するための情報から、前記送りローラの回転角を算出して、前記印刷媒体の送り量を算出する送り量算出手段を、さらに備えてもよい。
【００１３】
また、本発明の第三の実施態様によれば、印刷依頼を受け付けて、印刷装置に印刷を実行させる印刷制御装置と、印刷媒体に印刷を行う印刷装置とを備える印刷システムであって、前記印刷装置は、前記制御装置から印刷データを受信する受信手段と、印刷時に印刷媒体を送る印刷媒体送り機構と、受信した前記印刷データの印刷開始から特定時点までの前記印刷媒体送り機構を制御するための制御情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記制御情報を前記印刷制御装置に送信する制御情報送信手段と、を備え、前記印刷制御装置は、前記印刷依頼に基づいて、印刷データを生成する生成手段と、前記印刷データを送信する印刷データ送信手段と、前記制御情報送信手段が送信した前記制御情報を受信する受信手段と、前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷依頼に基づいて予測する予測手段と、前記制御情報から前記印刷媒体の送り量を算出する送り量算出手段と、前記送り量算出手段が算出した前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、前記全使用量に占める前記送り量の割合を求めて、当該印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する進捗度算出手段と、前記進捗度算出手段が算出した前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を表示する表示手段と、を備える。
【００１４】
上記第三の態様により、印刷装置における印刷媒体送り機構の制御情報から、印刷媒体の送り量を算出して、印刷の進捗度を求めることができる。
【００１５】
上記態様において、前記印刷装置は、ページ単位に分割された印刷媒体に印刷を行う印刷装置であって、前記進捗度算出手段は、前記算出手段が算出した前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、印刷が終了したページ数、および、前記特定時点で印刷中のページにおける印刷の進捗度を算出し、前記表示手段は、少なくとも、前記特定時点で印刷中のページにおける印刷の進捗度を表示するようにしてもよい。
【００１６】
これにより、ページプリンタで複数ページに渡って印刷行う場合には、各ページごとに印刷の進捗度を求めることができる。
【００１７】
さらに、本発明の第四の態様によれば、印刷依頼を受け付けて、印刷装置に印刷を実行させる印刷制御装置と、印刷媒体に印刷を行う印刷装置とを備える印刷システムにおける、印刷進捗度算出方法であって、前記印刷装置は、前記制御装置から印刷データを受信する処理と、受信した前記印刷データの印刷開始から特定時点までの、前記印刷媒体送り制御をするための制御情報を取得する処理と、取得した前記制御情報を前記印刷制御装置に送信する処理と、を実行し、前記印刷制御装置は、前記印刷依頼に基づいて、印刷データを生成して送信する処理と、前記制御情報を受信して、前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷依頼に基づいて予測するとともに、前記制御情報から前記印刷媒体の送り量を算出する処理と、算出した前記送り量と、予測した前記全使用量とから、前記全使用量に占める前記送り量の割合を求めて、当該印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出して表示する処理と、を実行する。
【００１８】
上記第四の態様により、印刷制御装置における印刷媒体送り量と、印刷媒体の全使用量の予測値とから、印刷の進捗度を求める印刷進捗度算出方法が提供される。
【００１９】
本発明の第五の態様によれば、外部から印刷依頼を受け付け、かつ、印刷媒体に印刷をする印刷装置に、当該印刷依頼に基づいて印刷をさせる印刷制御装置に実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記印刷装置から、印刷媒体の送り量に関する情報を受信する処理と、前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷依頼に基づいて予測する処理と、前記印刷媒体の送り量に関する情報により定まる前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、当該全使用量に占める当該送り量の割合を求めて、前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する処理と、前記進捗度算出手段が算出した前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を表示する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【００２１】
本実施形態のプリントシステムは、図１に示すように、ホストコンピュータ（以下、「ホスト」と称する。）１と、このホスト１から出力されたイメージデータ等を印刷する印刷装置であるプリンタ６とを備える。
【００２２】
ホスト１は、ホスト本体１１と、ディスプレイ装置１２と、キーボード１３とを備えている。ホスト本体１１は、各種プログラム等を実行するＣＰＵ２０と、各種データや各種プログラム等が記憶されているＲＯＭ２１と、各種データや各種プログラムが一時的に記憶されるＲＡＭ２２と、ディスプレイ装置１２を制御するディスプレイコントローラ２３と、キーボード１３を制御するキーボードコントローラ２４と、フロッピーディスクドライブ２５と、ハードディスクドライブ２６と、ＣＤ―ＲＯＭドライブ２７と、プリンタインタフェース２８と、ネットインタフェース２９と、を有している。
【００２３】
プリンタ６は、例えばカラー印刷が可能なインクジェットプリンタであり、ホスト１から印刷データを受信したときに、所定の印刷プロセスを実行して印刷用紙に画像を形成するものである。このプリンタ６は、実際に印刷を行う印刷機構６８と、これらを制御する印刷制御部６１と、を有している。印刷制御部６１は、各種プログラム等を実行するＣＰＵ６２と、各種データおよび各種プログラムと、書き換え可能な不揮発性メモリであるＥＥＰＲＯＭ６３と、各種データや各種プログラムが一時的に記憶されるＲＡＭ６４と、インタフェース６６と、を有している。
【００２４】
ホスト１およびプリンタ６の機能構成を図２に示す。ホスト本体１１は、アプリケーション４０と、プリンタドライバ５０と、通信制御部３０とを備える。
【００２５】
通信制御部３０は、プリンタ６へ印刷要求およびステータス取得要求等を送信し、プリンタ６からステータス情報を取得する等のプリンタ６との通信を制御する。
【００２６】
プリンタドライバ５０は、その機能として、印刷管理部５１と、表示制御部５２と、ステータス情報取得制御部５３と、印刷量算出部５４と、進捗度算出部５５と、用紙データテーブル５９とを有している。
【００２７】
印刷管理部５１は、アプリケーション４０やキーボード１３からの指示に基づき、印刷すべきデータをプリンタ６が印刷可能な形態の制御コードに変換する。さらに、制御コードを含む印刷要求を生成し、通信制御部３０を介してプリンタ６へ送信する。
【００２８】
表示制御部５２は、ユーザインターフェース画面等をディスプレイ装置１２に表示し、ユーザにさまざまな情報を伝える。例えば、図３に示す印刷進捗度表示画面１００を表示する。印刷進捗度表示画面１００には、プログレスメータ１０１と、印刷中止ボタン１０２と、一時停止ボタン１０３とが表示されている。プログレスメータ１０１は、進捗度算出部５５が算出した印刷装置における処理の進捗度を表示する。印刷中止ボタン１０２は、ユーザから印刷中止の指示を受け付ける。一時停止ボタン１０３は、ユーザから印刷の一時停止の指示を受け付ける。
【００２９】
ステータス情報取得制御部５３は、プリンタ６へステータス情報取得要求を送信して、ステータス情報を取得する。取得したステータス情報に含まれる紙送り量を示す紙送りローラのカウント値を進捗度算出部５５へ通知する。
【００３０】
用紙量算出部５４は、アプリケーション４０から受けた印刷依頼に含まれるデータを印刷するのに必要な印刷用紙量を算出する。例えば、印刷管理部５１が制御コードに変換した印刷データを印刷するために必要な印刷用紙量を予測する。
【００３１】
具体的には、プリンタへ送信した制御コードを受け付けて、用紙データテーブル５９から用紙サイズを取得し、プリンタ６が印刷する際に必要な印刷用紙の全使用量を算出する。ページ単位に印刷を行う場合は、総ページ数を予測する。
【００３２】
さらに詳細に説明すると、連続用紙に印刷する場合は、余白設定と解像度とから、単位長さあたりに印刷可能なデータ量を求める。ページ単位に印刷する場合は、余白設定と解像度と用紙サイズとから、１ページに印刷可能なデータ量を算出する。そして、制御コードのデータ量を参照して、印刷に要する用紙の長さまたは総ページ数等、印刷用紙の総量を算出する。また、ページ単位に印刷する場合は、さらに、アプリケーション４０からの印刷依頼に含まれるページ区切りの制御コード、または、ページ数等を参照することで、総ページ数を知ることもできる。求まった用紙総量を進捗度算出部５５へ通知する。
【００３３】
以下、ページプリンタでＡ４用紙を縦方向に送って印刷をする場合を例にとり、さらに詳細に説明する。
【００３４】
印刷ヘッドの走査と垂直方向（用紙送り方向）の用紙長さ、垂直方向上下の余白合計、および解像度から、１ページあたりの垂直方向のドット数が求まる。すなわち、
垂直ドット数＝（垂直方向用紙長さ−垂直方向余白合計）×解像度
により求まる。
【００３５】
具体的な数値を当てはめると、Ａ４用紙は垂直方向の長さが２９７ｍｍ、余白を上３０ｍｍ下３０ｍｍ（合計６０ｍｍ）、解像度を１８０ｄｐｉ（ｄｏｔ ｐｅｒ ｉｎｃｈ）とすると（１インチは２５．４ｍｍ）、
（297-60）×（180/25.4）＝1679.52…
となり、垂直ドット数は約１６８０ドットである。
【００３６】
印刷ヘッドが１回の走査で印刷する垂直方向のドット数は、プリンタごとに固有の固定値である。また、制御コードからは印刷ヘッドの走査回数を知ることができる。このことから、制御コード化された印刷データを印刷するときの垂直方向の全ドット数は、以下の式で求まる。
垂直方向全ドット数＝１走査の垂直方向ドット数×走査回数
ここで、１走査あたりの垂直方向ドット数を２０ドット、制御コードから求めた印刷ヘッドの走査回数を３２０回とすると、この制御コード化されている印刷データを印刷するために必要なＡ４用紙の枚数は、
３２０×２０／１６８０＝３．８…
となり、４枚であることがわかる。
【００３７】
進捗度算出部５５は、ステータス情報に含まれる計数値から、紙送り量を算出する。計数値の詳細については後述するが、紙送りローラの回転角を示す情報であるので、これから印刷ヘッドを通過した垂直方向の紙の長さを紙送り量として算出する。例えば、１計数値あたりのローラの回転角およびローラの半径は、プリンタごとに固有の固定値であるので、計数値がわかれば、紙送り量を算出することができる。ページ単位で印刷する場合、紙送り量は例えば、１枚と１２０ｍｍというように、既に送った枚数と送り中ページの送り済み長さで表してもよいし、連続用紙のときと同じように送った用紙の長さの合計（例えば、上の例であれば、２９７＋１２０＝４１７ｍｍ）として表してもよい。
【００３８】
進捗度算出部５５は、用紙量算出部５４が算出した用紙総量と、垂直方向の紙送り量とから、印刷の進捗度を算出する。例えば、紙送り量が１枚と１２０ｍｍの場合であって、用紙総量が上に示すように４枚であるとき、印刷の進捗度は、（２９７＋１２０）／（２９７×４）×１００＝３５％
となり、全印刷量における実行済みの印刷量の割合が求まる。また、１ページ分の印刷を１００％として、各ページごとに進捗度を求めることもできる。その場合、複数ページに印刷を行うと各ページごとに、０から１００％までの進捗度を繰り返す。このときの進捗度は、上と同じ例で求めると、
（１２０／２９７）×１００＝４０％
となる。また、プリンタ６から印刷終了の通知を受けると、進捗度を１００％とする。
【００３９】
用紙データテーブル５９には、プリンタ６で使用可能な用紙の大きさに関する情報が記憶されている。たとえば、図４に示すように、用紙サイズ５９１ごとに幅５９２と長さ５９３が記憶されている。
【００４０】
印刷制御部６１は、印刷機構制御部７１と、ステータス情報管理部７２と、ステータス情報記憶部７３と、通信制御部７４とを有している。
【００４１】
印刷機構制御部７１は、ホスト１から印刷要求を受信して、印刷要求に含まれる制御コードを印刷制御部６８へ送信して、印刷を実行させる。印刷機構制御部７１は、印刷の実行に際し、図示しない紙送り機構を制御するための情報を取得する。例えば、印刷実行中に印刷制御部６８における紙送り量を算出するための情報を計測する。紙送り機構としては、具体的には、図示しない紙送りローラを用いたとき、その制御を行うステッピングモータに対する指示パルス数を計数し、計量部７１１に記憶する。あるいは、紙送りローラに図示しないエンコーダを取りつけ、紙送りローラの回転角をエンコーダが計測してもよい。このときは、エンコーダが出力したパルス数を計量部７１１へ格納する。なお、紙送り機構は、上述のものに限らない。計量部７１１の値は、ステータス情報管理部７２へ通知する。また、受信した印刷データの印刷が終了したとき、通信制御部７４を介して、ホスト１印刷終了を通知する。
【００４２】
ステータス情報管理部７２は、ステータス情報記憶部７３に記憶されているプリンタ６のステータスに関する情報の入出力、更新等の管理を行う。例えば、印刷機構制御部７１から通知を受けた紙送りモータの回転ステップ数を示す計数値をステータス情報記憶部７３の所定の領域に記憶し、随時更新する。
【００４３】
通信制御部７４は、ホスト１から印刷データを受信し、ホスト１へステータス情報を送信するなど、ホスト１との通信を制御する。
【００４４】
次に、本実施形態にかかるシステムの処理フローを、図５を用いて説明する。
【００４５】
ホスト１では、プリンタドライバ５０がアプリケーション４０等から印刷指示を受け付けると、印刷管理部５１が印刷要求ＰＲを生成し、通信制御部３０がプリンタ６へ送信する（Ｓ１０１）。用紙量算出部５５が、用紙データテーブル５９を参照して、印刷要求に含まれる制御コードから用紙総量を算出する（Ｓ１０２）。
【００４６】
プリンタ６では、通信制御部７４が印刷要求ＰＲを受信する（Ｓ１１１）。印刷機構制御部７１は計量部７１１をリセットする（Ｓ１１２）。印刷制御部７１は、印刷要求を受信して印刷を開始するとともに、紙送りローラの回転角を示すステップ数を計測し、計量部７１１へ格納する（Ｓ１１３）。印刷が終了するまで、ステータス情報管理部７２が計量部７１１の値を受信して、ステータス情報記憶部の更新を繰り返す（Ｓ１１４）。
【００４７】
用紙総量算出後、ホスト１はプリンタ６からステータス情報ＳＴを取得する（Ｓ１０３）。ステータス情報ＳＴに含まれる計数値と用紙総量とから、進捗度算出部５４が印刷進捗度を算出し、表示制御部５２が印刷進捗度表示画面１００をディスプレイ装置１２に表示する（Ｓ１０４）。進捗度は、プログレスメータ１０１で表示される。印刷が終了するまで、Ｓ１０３とＳ１０４を繰り返す（Ｓ１０５）。
【００４８】
プリンタ６では、印刷が終了すると、印刷機構制御部７１がホスト１へ印刷終了ＰＥを通知する（Ｓ１１５、１１６）。
【００４９】
プリンタ６から印刷終了通知を受けると、進捗度算出部は進捗度を１００％として、表示制御部５２は印刷進捗度表示画面１００のプログレスメータ１０１を１００％として表示したのち、表示を終了する（Ｓ１０６）。
【００５０】
本実施形態にかかるシステムによって、プリンタから排紙される用紙の長さに着目し、用紙総量と紙送り量とを用いて、プリンタにおける実際の印刷処理の進捗度を求めることができる。
【００５１】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷装置における印刷処理状況を反映した印刷処理の進捗度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかる実施形態における印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図２】本発明にかかる実施形態におけるホスト本体と、印刷制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図３】本発明にかかる実施形態における印刷進捗度表示画面の例を示す説明図である。
【図４】本発明にかかる実施形態における用紙データテーブルの例を示す説明図である。
【図５】本発明にかかる実施形態における処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１…ホストコンピュータ
１１…ホスト本体
６…プリンタ
３０…通信制御部
４０…アプリケーション
５０…プリンタドライバ
５１…印刷管理部
５２…表示制御部
５３…ステータス情報取得制御部
５４…進捗度算出部
５５…用紙量算出部
６１…印刷制御部
６８…印刷機構
７１…印刷機構制御部
７２…ステータス情報管理部
７３…ステータス情報記憶部
７４…通信制御部
１００…印刷進捗度表示画面
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置の印刷実行状況を管理する技術にかかり、特に印刷の進捗度合いを測定する技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ホストコンピュータから印刷装置に対して印刷データを送信して印刷を行う場合、ホストコンピュータを利用しているユーザに対して、プログレスメータで印刷の進捗度を表示する技術が知られている。すなわち、印刷開始を０％、印刷終了を１００％とし、印刷の進捗度を百分率で表して、ホストコンピュータ上に視覚的に表示するものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このときプログレスメータに表示される進捗度は、ホストコンピュータにおけるデータ処理過程の進捗度、または印刷装置のデータ受信量等の割合を反映したものであった。すなわち、これらの進捗度等は、印刷装置における実際の印字動作とは直接関係しないため、プログレスメータが表示する印刷進捗度は、実際の印刷装置における処理の進捗度とは一致していない。
【０００４】
このため、ユーザは印刷装置における処理の進行状況を正確に知ることができない。例えば、プログレスメータが１００％となったことを確認した後、印刷物を取りに行っても、まだ印刷が完了していないということも起こり得る。ユーザにとっては、プログレスメータで印刷装置での進行状況を正確に知ることができれば便利である。
【０００５】
従って、本発明は、印刷装置における印刷処理状況を反映した印刷処理の進捗度を得る技術を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の第一の態様によれば、外部から受け付けた印刷依頼に基づいて、印刷媒体に印刷する印刷機構と、前記印刷依頼に係る印刷の開始から特定時点までの、前記印刷機構における前記印刷媒体の送り量を取得する取得手段と、前記印刷機構が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷依頼に基づいて予測する予測手段と、前記送り量と前記全使用量とから、前記全使用量に占める前記送り量の割合を求めて、当該印刷印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する進捗度算出手段と、を備える印刷システムが提供される。
【０００７】
上記第一の態様により、印刷媒体の送り量に着目することで、実際に印刷装置で行われている印刷の進捗度を把握することができる。
【０００８】
また、本発明の第二の態様によれば、外部から印刷依頼を受け付け、かつ、印刷媒体に印刷をする印刷装置に、当該印刷依頼に基づいて印刷を実行させる印刷制御装置であって、前記印刷装置から、印刷媒体の送り量に関する情報を受信する受信手段と、前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷依頼に基づいて予測する予測手段と、前記印刷媒体の送り量に関する情報により定まる前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、当該全使用量に占める当該送り量の割合を求めて、前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する進捗度算出手段と、前記進捗度算出手段が算出した前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を表示する表示手段と、を備える。
【０００９】
上記第二の態様により、印刷制御装置において、印刷装置で実際に行われている印刷の進捗度を把握することができる。
【００１０】
上記第二の態様において、前記受信手段は、さらに、前記印刷装置から印刷終了を示す情報を受信し、前記進捗度算出手段は、前記印刷終了を示す情報を受信したとき、前記印刷の進捗度を１００％としてもよい。
【００１１】
これにより、印刷が終了したときに確実に進捗度を１００％とすることができる。
【００１２】
さらに、前記印刷媒体の送り量に関する情報は、前記印刷媒体の送りローラの回転を制御するための情報であり、前記送りローラの回転を制御するための情報から、前記送りローラの回転角を算出して、前記印刷媒体の送り量を算出する送り量算出手段を、さらに備えてもよい。
【００１３】
また、本発明の第三の実施態様によれば、印刷依頼を受け付けて、印刷装置に印刷を実行させる印刷制御装置と、印刷媒体に印刷を行う印刷装置とを備える印刷システムであって、前記印刷装置は、前記制御装置から印刷データを受信する受信手段と、印刷時に印刷媒体を送る印刷媒体送り機構と、受信した前記印刷データの印刷開始から特定時点までの前記印刷媒体送り機構を制御するための制御情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記制御情報を前記印刷制御装置に送信する制御情報送信手段と、を備え、前記印刷制御装置は、前記印刷依頼に基づいて、印刷データを生成する生成手段と、前記印刷データを送信する印刷データ送信手段と、前記制御情報送信手段が送信した前記制御情報を受信する受信手段と、前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷依頼に基づいて予測する予測手段と、前記制御情報から前記印刷媒体の送り量を算出する送り量算出手段と、前記送り量算出手段が算出した前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、前記全使用量に占める前記送り量の割合を求めて、当該印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する進捗度算出手段と、前記進捗度算出手段が算出した前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を表示する表示手段と、を備える。
【００１４】
上記第三の態様により、印刷装置における印刷媒体送り機構の制御情報から、印刷媒体の送り量を算出して、印刷の進捗度を求めることができる。
【００１５】
上記態様において、前記印刷装置は、ページ単位に分割された印刷媒体に印刷を行う印刷装置であって、前記進捗度算出手段は、前記算出手段が算出した前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、印刷が終了したページ数、および、前記特定時点で印刷中のページにおける印刷の進捗度を算出し、前記表示手段は、少なくとも、前記特定時点で印刷中のページにおける印刷の進捗度を表示するようにしてもよい。
【００１６】
これにより、ページプリンタで複数ページに渡って印刷行う場合には、各ページごとに印刷の進捗度を求めることができる。
【００１７】
さらに、本発明の第四の態様によれば、印刷依頼を受け付けて、印刷装置に印刷を実行させる印刷制御装置と、印刷媒体に印刷を行う印刷装置とを備える印刷システムにおける、印刷進捗度算出方法であって、前記印刷装置は、前記制御装置から印刷データを受信する処理と、受信した前記印刷データの印刷開始から特定時点までの、前記印刷媒体送り制御をするための制御情報を取得する処理と、取得した前記制御情報を前記印刷制御装置に送信する処理と、を実行し、前記印刷制御装置は、前記印刷依頼に基づいて、印刷データを生成して送信する処理と、前記制御情報を受信して、前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷依頼に基づいて予測するとともに、前記制御情報から前記印刷媒体の送り量を算出する処理と、算出した前記送り量と、予測した前記全使用量とから、前記全使用量に占める前記送り量の割合を求めて、当該印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出して表示する処理と、を実行する。
【００１８】
上記第四の態様により、印刷制御装置における印刷媒体送り量と、印刷媒体の全使用量の予測値とから、印刷の進捗度を求める印刷進捗度算出方法が提供される。
【００１９】
本発明の第五の態様によれば、外部から印刷依頼を受け付け、かつ、印刷媒体に印刷をする印刷装置に、当該印刷依頼に基づいて印刷をさせる印刷制御装置に実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記印刷装置から、印刷媒体の送り量に関する情報を受信する処理と、前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷依頼に基づいて予測する処理と、前記印刷媒体の送り量に関する情報により定まる前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、当該全使用量に占める当該送り量の割合を求めて、前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する処理と、前記進捗度算出手段が算出した前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を表示する処理と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【００２１】
本実施形態のプリントシステムは、図１に示すように、ホストコンピュータ（以下、「ホスト」と称する。）１と、このホスト１から出力されたイメージデータ等を印刷する印刷装置であるプリンタ６とを備える。
【００２２】
ホスト１は、ホスト本体１１と、ディスプレイ装置１２と、キーボード１３とを備えている。ホスト本体１１は、各種プログラム等を実行するＣＰＵ２０と、各種データや各種プログラム等が記憶されているＲＯＭ２１と、各種データや各種プログラムが一時的に記憶されるＲＡＭ２２と、ディスプレイ装置１２を制御するディスプレイコントローラ２３と、キーボード１３を制御するキーボードコントローラ２４と、フロッピーディスクドライブ２５と、ハードディスクドライブ２６と、ＣＤ―ＲＯＭドライブ２７と、プリンタインタフェース２８と、ネットインタフェース２９と、を有している。
【００２３】
プリンタ６は、例えばカラー印刷が可能なインクジェットプリンタであり、ホスト１から印刷データを受信したときに、所定の印刷プロセスを実行して印刷用紙に画像を形成するものである。このプリンタ６は、実際に印刷を行う印刷機構６８と、これらを制御する印刷制御部６１と、を有している。印刷制御部６１は、各種プログラム等を実行するＣＰＵ６２と、各種データおよび各種プログラムと、書き換え可能な不揮発性メモリであるＥＥＰＲＯＭ６３と、各種データや各種プログラムが一時的に記憶されるＲＡＭ６４と、インタフェース６６と、を有している。
【００２４】
ホスト１およびプリンタ６の機能構成を図２に示す。ホスト本体１１は、アプリケーション４０と、プリンタドライバ５０と、通信制御部３０とを備える。
【００２５】
通信制御部３０は、プリンタ６へ印刷要求およびステータス取得要求等を送信し、プリンタ６からステータス情報を取得する等のプリンタ６との通信を制御する。
【００２６】
プリンタドライバ５０は、その機能として、印刷管理部５１と、表示制御部５２と、ステータス情報取得制御部５３と、印刷量算出部５４と、進捗度算出部５５と、用紙データテーブル５９とを有している。
【００２７】
印刷管理部５１は、アプリケーション４０やキーボード１３からの指示に基づき、印刷すべきデータをプリンタ６が印刷可能な形態の制御コードに変換する。さらに、制御コードを含む印刷要求を生成し、通信制御部３０を介してプリンタ６へ送信する。
【００２８】
表示制御部５２は、ユーザインターフェース画面等をディスプレイ装置１２に表示し、ユーザにさまざまな情報を伝える。例えば、図３に示す印刷進捗度表示画面１００を表示する。印刷進捗度表示画面１００には、プログレスメータ１０１と、印刷中止ボタン１０２と、一時停止ボタン１０３とが表示されている。プログレスメータ１０１は、進捗度算出部５５が算出した印刷装置における処理の進捗度を表示する。印刷中止ボタン１０２は、ユーザから印刷中止の指示を受け付ける。一時停止ボタン１０３は、ユーザから印刷の一時停止の指示を受け付ける。
【００２９】
ステータス情報取得制御部５３は、プリンタ６へステータス情報取得要求を送信して、ステータス情報を取得する。取得したステータス情報に含まれる紙送り量を示す紙送りローラのカウント値を進捗度算出部５５へ通知する。
【００３０】
用紙量算出部５４は、アプリケーション４０から受けた印刷依頼に含まれるデータを印刷するのに必要な印刷用紙量を算出する。例えば、印刷管理部５１が制御コードに変換した印刷データを印刷するために必要な印刷用紙量を予測する。
【００３１】
具体的には、プリンタへ送信した制御コードを受け付けて、用紙データテーブル５９から用紙サイズを取得し、プリンタ６が印刷する際に必要な印刷用紙の全使用量を算出する。ページ単位に印刷を行う場合は、総ページ数を予測する。
【００３２】
さらに詳細に説明すると、連続用紙に印刷する場合は、余白設定と解像度とから、単位長さあたりに印刷可能なデータ量を求める。ページ単位に印刷する場合は、余白設定と解像度と用紙サイズとから、１ページに印刷可能なデータ量を算出する。そして、制御コードのデータ量を参照して、印刷に要する用紙の長さまたは総ページ数等、印刷用紙の総量を算出する。また、ページ単位に印刷する場合は、さらに、アプリケーション４０からの印刷依頼に含まれるページ区切りの制御コード、または、ページ数等を参照することで、総ページ数を知ることもできる。求まった用紙総量を進捗度算出部５５へ通知する。
【００３３】
以下、ページプリンタでＡ４用紙を縦方向に送って印刷をする場合を例にとり、さらに詳細に説明する。
【００３４】
印刷ヘッドの走査と垂直方向（用紙送り方向）の用紙長さ、垂直方向上下の余白合計、および解像度から、１ページあたりの垂直方向のドット数が求まる。すなわち、
垂直ドット数＝（垂直方向用紙長さ−垂直方向余白合計）×解像度
により求まる。
【００３５】
具体的な数値を当てはめると、Ａ４用紙は垂直方向の長さが２９７ｍｍ、余白を上３０ｍｍ下３０ｍｍ（合計６０ｍｍ）、解像度を１８０ｄｐｉ（ｄｏｔ ｐｅｒ ｉｎｃｈ）とすると（１インチは２５．４ｍｍ）、
（297-60）×（180/25.4）＝1679.52…
となり、垂直ドット数は約１６８０ドットである。
【００３６】
印刷ヘッドが１回の走査で印刷する垂直方向のドット数は、プリンタごとに固有の固定値である。また、制御コードからは印刷ヘッドの走査回数を知ることができる。このことから、制御コード化された印刷データを印刷するときの垂直方向の全ドット数は、以下の式で求まる。
垂直方向全ドット数＝１走査の垂直方向ドット数×走査回数
ここで、１走査あたりの垂直方向ドット数を２０ドット、制御コードから求めた印刷ヘッドの走査回数を３２０回とすると、この制御コード化されている印刷データを印刷するために必要なＡ４用紙の枚数は、
３２０×２０／１６８０＝３．８…
となり、４枚であることがわかる。
【００３７】
進捗度算出部５５は、ステータス情報に含まれる計数値から、紙送り量を算出する。計数値の詳細については後述するが、紙送りローラの回転角を示す情報であるので、これから印刷ヘッドを通過した垂直方向の紙の長さを紙送り量として算出する。例えば、１計数値あたりのローラの回転角およびローラの半径は、プリンタごとに固有の固定値であるので、計数値がわかれば、紙送り量を算出することができる。ページ単位で印刷する場合、紙送り量は例えば、１枚と１２０ｍｍというように、既に送った枚数と送り中ページの送り済み長さで表してもよいし、連続用紙のときと同じように送った用紙の長さの合計（例えば、上の例であれば、２９７＋１２０＝４１７ｍｍ）として表してもよい。
【００３８】
進捗度算出部５５は、用紙量算出部５４が算出した用紙総量と、垂直方向の紙送り量とから、印刷の進捗度を算出する。例えば、紙送り量が１枚と１２０ｍｍの場合であって、用紙総量が上に示すように４枚であるとき、印刷の進捗度は、（２９７＋１２０）／（２９７×４）×１００＝３５％
となり、全印刷量における実行済みの印刷量の割合が求まる。また、１ページ分の印刷を１００％として、各ページごとに進捗度を求めることもできる。その場合、複数ページに印刷を行うと各ページごとに、０から１００％までの進捗度を繰り返す。このときの進捗度は、上と同じ例で求めると、
（１２０／２９７）×１００＝４０％
となる。また、プリンタ６から印刷終了の通知を受けると、進捗度を１００％とする。
【００３９】
用紙データテーブル５９には、プリンタ６で使用可能な用紙の大きさに関する情報が記憶されている。たとえば、図４に示すように、用紙サイズ５９１ごとに幅５９２と長さ５９３が記憶されている。
【００４０】
印刷制御部６１は、印刷機構制御部７１と、ステータス情報管理部７２と、ステータス情報記憶部７３と、通信制御部７４とを有している。
【００４１】
印刷機構制御部７１は、ホスト１から印刷要求を受信して、印刷要求に含まれる制御コードを印刷制御部６８へ送信して、印刷を実行させる。印刷機構制御部７１は、印刷の実行に際し、図示しない紙送り機構を制御するための情報を取得する。例えば、印刷実行中に印刷制御部６８における紙送り量を算出するための情報を計測する。紙送り機構としては、具体的には、図示しない紙送りローラを用いたとき、その制御を行うステッピングモータに対する指示パルス数を計数し、計量部７１１に記憶する。あるいは、紙送りローラに図示しないエンコーダを取りつけ、紙送りローラの回転角をエンコーダが計測してもよい。このときは、エンコーダが出力したパルス数を計量部７１１へ格納する。なお、紙送り機構は、上述のものに限らない。計量部７１１の値は、ステータス情報管理部７２へ通知する。また、受信した印刷データの印刷が終了したとき、通信制御部７４を介して、ホスト１印刷終了を通知する。
【００４２】
ステータス情報管理部７２は、ステータス情報記憶部７３に記憶されているプリンタ６のステータスに関する情報の入出力、更新等の管理を行う。例えば、印刷機構制御部７１から通知を受けた紙送りモータの回転ステップ数を示す計数値をステータス情報記憶部７３の所定の領域に記憶し、随時更新する。
【００４３】
通信制御部７４は、ホスト１から印刷データを受信し、ホスト１へステータス情報を送信するなど、ホスト１との通信を制御する。
【００４４】
次に、本実施形態にかかるシステムの処理フローを、図５を用いて説明する。
【００４５】
ホスト１では、プリンタドライバ５０がアプリケーション４０等から印刷指示を受け付けると、印刷管理部５１が印刷要求ＰＲを生成し、通信制御部３０がプリンタ６へ送信する（Ｓ１０１）。用紙量算出部５５が、用紙データテーブル５９を参照して、印刷要求に含まれる制御コードから用紙総量を算出する（Ｓ１０２）。
【００４６】
プリンタ６では、通信制御部７４が印刷要求ＰＲを受信する（Ｓ１１１）。印刷機構制御部７１は計量部７１１をリセットする（Ｓ１１２）。印刷制御部７１は、印刷要求を受信して印刷を開始するとともに、紙送りローラの回転角を示すステップ数を計測し、計量部７１１へ格納する（Ｓ１１３）。印刷が終了するまで、ステータス情報管理部７２が計量部７１１の値を受信して、ステータス情報記憶部の更新を繰り返す（Ｓ１１４）。
【００４７】
用紙総量算出後、ホスト１はプリンタ６からステータス情報ＳＴを取得する（Ｓ１０３）。ステータス情報ＳＴに含まれる計数値と用紙総量とから、進捗度算出部５４が印刷進捗度を算出し、表示制御部５２が印刷進捗度表示画面１００をディスプレイ装置１２に表示する（Ｓ１０４）。進捗度は、プログレスメータ１０１で表示される。印刷が終了するまで、Ｓ１０３とＳ１０４を繰り返す（Ｓ１０５）。
【００４８】
プリンタ６では、印刷が終了すると、印刷機構制御部７１がホスト１へ印刷終了ＰＥを通知する（Ｓ１１５、１１６）。
【００４９】
プリンタ６から印刷終了通知を受けると、進捗度算出部は進捗度を１００％として、表示制御部５２は印刷進捗度表示画面１００のプログレスメータ１０１を１００％として表示したのち、表示を終了する（Ｓ１０６）。
【００５０】
本実施形態にかかるシステムによって、プリンタから排紙される用紙の長さに着目し、用紙総量と紙送り量とを用いて、プリンタにおける実際の印刷処理の進捗度を求めることができる。
【００５１】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷装置における印刷処理状況を反映した印刷処理の進捗度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかる実施形態における印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図２】本発明にかかる実施形態におけるホスト本体と、印刷制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図３】本発明にかかる実施形態における印刷進捗度表示画面の例を示す説明図である。
【図４】本発明にかかる実施形態における用紙データテーブルの例を示す説明図である。
【図５】本発明にかかる実施形態における処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１…ホストコンピュータ
１１…ホスト本体
６…プリンタ
３０…通信制御部
４０…アプリケーション
５０…プリンタドライバ
５１…印刷管理部
５２…表示制御部
５３…ステータス情報取得制御部
５４…進捗度算出部
５５…用紙量算出部
６１…印刷制御部
６８…印刷機構
７１…印刷機構制御部
７２…ステータス情報管理部
７３…ステータス情報記憶部
７４…通信制御部
１００…印刷進捗度表示画面
Claims (5)
- ページ単位で印刷媒体に印刷を行う印刷システムであって、
外部から受け付けた印刷依頼に基づいて、印刷媒体にページ単位で印刷する印刷機構と、
前記印刷依頼に係る印刷の開始から特定時点までの、前記印刷機構における前記印刷媒体の送り量を取得する取得手段と、
前記印刷機構が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷媒体に設定する余白、前記印刷媒体の大きさ、および前記印刷依頼に基づいて予測する予測手段と、
前記送り量と前記全使用量とから、前記全使用量に占める前記送り量の割合を求めて、当該印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する進捗度算出手段と
を備えることを特徴とする印刷システム。 - 外部から印刷依頼を受け付け、かつ、ページ単位で印刷媒体に印刷をする印刷装置に、当該印刷依頼に基づいて印刷を実行させる印刷制御装置であって、
前記印刷装置から、印刷媒体の送り量に関する情報を受信する受信手段と、
前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷媒体に設定する余白、前記印刷媒体の大きさ、および前記印刷依頼に基づいて予測する予測手段と、
前記印刷媒体の送り量に関する情報により定まる前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、当該全使用量に占める当該送り量の割合を求めて、前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する進捗度算出手段と、
前記進捗度算出手段が算出した前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする印刷制御装置。 - 請求項２項記載の印刷制御装置であって、
前記受信手段は、さらに、前記印刷装置から印刷終了を示す情報を受信し、
前記進捗度算出手段は、前記印刷終了を示す情報を受信したとき、前記印刷の進捗度を１００％とすることを特徴とする印刷制御装置。 - 印刷依頼を受け付けて、印刷装置に印刷を実行させる印刷制御装置と、ページ単位で印刷媒体に印刷を行う印刷装置とを備える印刷システムであって、
前記印刷装置は、
前記制御装置から印刷データを受信する受信手段と、
印刷時に印刷媒体を送る印刷媒体送り機構と、
受信した前記印刷データの印刷開始から特定時点までの前記印刷媒体送り機構を制御するための制御情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記制御情報を前記印刷制御装置に送信する制御情報送信手段と
を備え、
前記印刷制御装置は、
前記印刷依頼に基づいて、印刷データを生成する生成手段と、
前記印刷データを送信する印刷データ送信手段と、
前記制御情報送信手段が送信した前記制御情報を受信する受信手段と、
前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷媒体に設定する余白、前記印刷媒体の大きさ、および前記印刷依頼に基づいて予測する予測手段と、
前記制御情報から前記印刷媒体の送り量を算出する送り量算出手段と、
前記送り量算出手段が算出した前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量と から、前記全使用量に占める前記送り量の割合を求めて、当該印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する進捗度算出手段と、
前記進捗度算出手段が算出した前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を表示する表示手段と
を備え、
前記進捗度算出手段は、
前記送り量算出手段が算出した前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、印刷が終了したページ数、および、前記特定時点で印刷中のページにおける印刷の進捗度を算出し、
前記表示手段は、
少なくとも、前記特定時点で印刷中のページにおける印刷の進捗度を表示すること
を特徴とする印刷システム。 - 外部から印刷依頼を受け付け、かつ、ページ単位で印刷媒体に印刷をする印刷装置に、当該印刷依頼に基づいて印刷をさせる印刷制御装置に実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記印刷装置から、印刷媒体の送り量に関する情報を受信する処理と、
前記印刷装置が前記印刷依頼に係る印刷をするために必要な印刷媒体の全使用量を、前記印刷媒体に設定する余白、前記印刷媒体の大きさ、および前記印刷依頼に基づいて予測する処理と、
前記印刷媒体の送り量に関する情報により定まる前記送り量と、前記予測手段が予測した前記全使用量とから、当該全使用量に占める当該送り量の割合を求めて、前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を算出する処理と、
前記進捗度算出手段が算出した前記印刷依頼に係る印刷の進捗度を表示する処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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