JP3788163B2 - ガラス基板の梱包体 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス基板の梱包体に係り、特にプラズマディスプレー用ガラス基板、液晶用ガラス基板や磁気ディスク用ガラス基板などの電子機器用ガラス基板の梱包体として好適なガラス基板の梱包体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
この種のガラス基板は、所要枚数を包装して真空パックした包装体とされ、この包装体を箱に収容して運搬している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
このガラス基板の包装体は、箱から取り出され、開封され、種々の処理が施されたり、電子機器に組み込まれるが、このガラス基板の輸送から取出し工程及びその後の工程を効率良く省力化して行うことができると共に、輸送中のガラス基板の損傷が防止され、しかも資源の無駄な消費を極力省くことが望まれている。
【０００４】
本発明は、かかる要望に応じたガラス基板の梱包体を提供するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明のガラス基板の梱包体は、段ボール製の敷板が複数枚の仕切板を介して積層された積層体と、各敷板上の該仕切板間の小室に収容されたガラス基板包装体と、該積層体を収容した容器とからなるガラス基板の梱包体であって、該容器は、折り畳み可能な角筒状の１個のスリーブと、該スリーブの天部及び底部にそれぞれ着脱可能に装着されたパレットとを備えてなり、該パレットに複数の凸部が設けられており、該スリーブの上縁近傍及び下縁近傍には係止孔が設けられ、該パレットには該係止孔に係合させる爪が設けられており、該ガラス基板包装体が袋に真空封入されているものである。
【０００６】
かかるガラス基板の梱包体は、供給元から需要先に送られ、天部のパレットを外し、スリーブを持ち上げることにより内容物が露出する。そこで、上から順に敷板及び仕切板を１段ずつ取り外すことにより、各段の包装体を整列状態で露出させ、これらを効率よく取り出すことができる。
【０００７】
この仕切板としては、段ボールの紙葉を井桁状に組み合わせたものが好適である。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。第１図は実施の形態に係るガラス基板の梱包体に用いられる容器の分解斜視図、第２図は第１図の容器の側面図、第３図は敷板及び仕切板の積層体の斜視図である。
【０００９】
この容器は、段ボール製の角筒状のスリーブ１と、このスリーブ１の天部と底部とにそれぞれ着脱可能に装着されたパレット２，３とを備えてなる。スリーブ１は、対角線上の１組のコーナー部１ａ，１ｂを離反させ、もう１組のコーナー部１ｃ，１ｄを接近させるようにして平たく折り畳むことができる。スリーブ１の上縁近傍及び下縁近傍にはパレット２，３の爪（図示略）の係止孔４が設けられており、該爪を該係止孔４に係合させることによりパレット２，３がスリーブ１に装着される。
【００１０】
この容器内に収容される積層体５は、複数枚の敷板６を仕切板７を介して積層したものであり、仕切板７は複数の段ボール紙葉を井桁状に組み合わせたものである。この仕切板７により、１段の敷板６上に４×３＝１２個の小室（収容部）が形成されている。
【００１１】
敷板の厚さはクッション性と耐久性を勘案して、３〜８ｍｍ程度が好ましい。
【００１２】
この実施の形態では１１枚の敷板６間に合計１０段の仕切板７が配置されており、１２個の小室が上下１０段に配列され、合計１２０個の小室が形成されている。なお、第３図にはこの積層体の各部の寸法が記入されているが、この寸法はもちろん一例にすぎない。
【００１３】
各小室にガラス基板の包装体が収容される。この実施の形態では、５個の包装体を１組にまとめて袋に真空封入（真空パック）して直方体状の集合体とし、この包装体集合体を１つの小室に納めている。１個の包装体には２５枚のガラス基板が含まれており、この梱包体には合計で１２０室×５体×２５枚＝１５０００枚のガラス基板が収容されている。
【００１４】
この梱包体は、供給元から需要先に送られ、まず天部のパレット２が取り外され、次いでスリーブ１が持ち上げられると共に、最上部の敷板６と仕切板７が取り払われ、最上段の包装体群が露出される。この最上段の包装体群は、枡目状に整列しているから、簡単に無人の自動取出装置で整然と取り出すことができる。その後、同様に敷板６と仕切板７を１段ずつ取り払い、各段の包装体を順次に取り出す。これにより、各包装体を迅速に取り出すことができる。
【００１５】
なお、包装体の取出しが終了した後は、各パレット２，３、折り畳んだスリーブ１及び折り畳んだ仕切板７を所定の集積場所に集積し、供給元へ返送する。
【００１６】
このパレット２，３には、第１，２図の通り凸部２ａ，３ａが設けられており、凸部同士の間にフォークリフトのフォークを差し込んで容易に運搬することができる。なお、パレット２，３は同一形状、同一寸法のものである。
【００１７】
第４図は別の寸法とされた敷板６と仕切板７との積層体の斜視図、第５図は第４図の積層体の小室に収容される梱包体の斜視図である。
【００１８】
第４図には各部の寸法が記入されているが、この寸法は一例にすぎない。
【００１９】
この実施の形態では２２７（又は２２８）×３３０×１２３ｍｍの大きさの小室が４×３×７＝８４室設けられている。１個の小室には、第５図のように３個１組とされ、３個まとめて１枚の袋に収容された包装体８が収容される。１個の包装体には２５枚のガラス基板が含まれており、この梱包体には、従って、８４室×２５枚×３体＝６３００枚のガラス基板が梱包される。
【００２０】
なお、これらの実施の形態にあっては、スリーブ１、敷板６及び仕切板７がすべて段ボール製であるため、軽量で且つ十分な強度を有する。しかも、適度な弾力性、振動吸収性を有するため、トラック、フォークリフト等による輸送や取扱い中に振動や衝撃が加えられても、ガラス基板の損傷が防止される。
【００２１】
また、いずれの実施の形態においても、敷板６に上下に１段ずつ収容スペースが区画され、最上段の収容スペースの上側にも敷板６が配置されている。そして、各敷板６がそれぞれ仕切板７によって支承されている。このため、上方からの押圧力はすべて敷板６及び仕切板７によって対抗されるようになり、包装体８には全く荷重が加えられない。従って、包装体８の損傷が確実に防止され、真空パックが破れることも全くない。
【００２２】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、ガラス基板の輸送、取り扱いを効率良く行うことができると共に、輸送中や取扱い中のガラス基板あるいはその包装体の損傷が確実に防止される。しかも、梱包用の資材を繰り返し使用し、省資源を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態に係るガラス基板の梱包体に用いられる容器の分解斜視図である。
【図２】図１の容器の側面図である。
【図３】敷板及び仕切板の積層体の斜視図である。
【図４】別の実施の形態に係るガラス基板の梱包体の敷板と仕切板との積層体の斜視図である。
【図５】図４の積層体の小室に収容される包装体集合体の斜視図である。
【符号の説明】
１ スリーブ
２，３ パレット
２ａ，３ａ 凸部
４ 係止孔
５ 積層体
６ 敷板
７ 仕切板
８ 包装体

Claims (2)

1. 段ボール製の敷板が複数枚の仕切板を介して積層された積層体と、
   各敷板上の該仕切板間の小室に収容されたガラス基板包装体と、
   該積層体を収容した容器とからなるガラス基板の梱包体であって、
   該容器は、折り畳み可能な角筒状の１個のスリーブと、該スリーブの天部及び底部にそれぞれ着脱可能に装着されたパレットとを備えてなり、
   該パレットに複数の凸部が設けられており、
   該スリーブの上縁近傍及び下縁近傍には係止孔が設けられ、該パレットには該係止孔に係合させる爪が設けられており、
   該ガラス基板包装体が袋に真空封入されているガラス基板の梱包体。
2. 請求項１において、前記仕切板は段ボールの紙葉を井桁状に組み合わせたものであることを特徴とするガラス基板の梱包体。

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