JP3788048B2 - 蓄圧式燃料噴射装置 - Google Patents

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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,ディーゼルエンジン,直噴式ガソリンエンジン等のエンジンに適用される蓄圧式燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの燃料噴射装置として、コモンレールに貯溜された燃料を複数のインジェクタに供給し、燃料の一部を作動流体として利用してインジェクタを作動させると共に、かかる各インジェクタの作動によってコモンレールから供給された燃料を、インジェクタの先端に形成された噴孔からエンジンの燃焼室に噴射する型式のコモンレール式と呼称されている蓄圧式燃料噴射装置、或いは作動流体をエンジンオイルとし、オイルポンプによって加圧されたエンジンオイルを高圧オイルマニホルドに蓄圧し、高圧オイルマニホルドから制御弁を通じてインジェクタに供給した高圧オイルによって増圧ピストンを作動し、増圧ピストンによって増圧室内に導入した燃料を増圧してインジェクタから噴射するオイル作動型の燃料噴射装置のような蓄圧式燃料噴射装置が知られている。
【0003】
図6には,上記の蓄圧式燃料噴射装置のうち,コモンレール式燃料噴射装置の一例が概略化されて示されている。燃料タンク54からフィルタ55を経てフィードポンプ56によって吸い上げられて所定の吸入圧力に加圧された燃料は,燃料管57を通じて高圧燃料ポンプ58に送られる。高圧燃料ポンプ58は,例えばエンジンによって駆動される,所謂,プランジャ式のサプライポンプであり,燃料を運転状態等に基づいて定められる高圧に昇圧し,昇圧された燃料を燃料管59を通じてコモンレール52に供給する。コモンレール52に所定圧力に昇圧した状態で貯溜された燃料は,コモンレール52からそれぞれ燃料供給管53を通じて,複数のインジェクタ51に供給される。図示のエンジンは,6気筒エンジンであり,6つの気筒(図示せず)には,それぞれの燃焼室に燃料を噴射するインジェクタ51が配設されている。なお,エンジンは,図示の6気筒に限らず,4気筒でもよいことは明らかである。
【0004】
高圧燃料ポンプ58からリリーフされた燃料は,戻し管60を通じて燃料タンク54に戻される。また,燃料管59からインジェクタ51に供給された燃料のうち,燃焼室への噴射に費やされなかった燃料は,戻し管61を通じて燃料タンク54に戻される。コントローラ62には,各種のセンサ,即ち,エンジン回転数を検出するクランク角度センサ,エンジン負荷を代表するものとしてのアクセル開度を検出するアクセル開度センサ,高圧燃料の温度を検出する燃料温度センサ等の各種センサからの信号が入力される。その他のエンジンの運転状態を検出するセンサとしては,吸気管内圧力を検出する吸気管内圧力センサ,冷却水温度を検出する水温センサ等がある。また,コントローラ62には,コモンレール52に設けられている圧力センサ63が検出したコモンレール52内の燃料圧力(以下,コモンレール圧力という)の検出信号が送られる。
【0005】
コントローラ62は,これらの信号に基づいて,エンジン出力がその運転状態に即した最適なものになるように,例えば,燃料が最適な噴射時期に最適な燃料噴射量でもって対応する燃焼室に噴射されるように,燃料の噴射時期や噴射量を含む噴射条件を定め,その噴射条件に従って燃料噴射を制御する。インジェクタ51から噴射される燃料の噴射圧はコモンレール圧力に略等しい。燃料噴射量は,噴射期間と噴射圧力とによって決定されるが,噴射圧力は,流量制御弁64によって制御されるコモンレール52への高圧燃料の送出し量によって制御される。インジェクタ51からの燃料の噴射でコモンレール52内の燃料が消費された場合や,燃料噴射量を変更する場合には,コントローラ62は,コモンレール圧力が所定の圧力となるように,流量制御弁64を制御して高圧燃料ポンプ58からコモンレール52への燃料の送出し量を制御する。なお,エンジンの運転状態がコモンレールの内圧の減圧要求状態であるとき,コモンレールの内圧を所望の減圧された圧力に早期に移行するため,高圧プレッシャレギュレータを電磁的に開状態にし,コモンレールの内圧の高圧燃料の一部を強制的に低圧側に開放するように構成したものが特開平10−54318号公報に開示されている。
【0006】
従来のコモンレール式燃料噴射装置では、コモンレール圧力を下降させるためには、インジェクタ51から燃焼室への燃料の噴射又は圧力制御室からの動的リークで燃料を消費するか、インジェクタからの静的リークによって燃料を消費する以外に手段がない。燃料噴射条件が急激に変化する遷移状態の場合には、目標のコモンレール圧力への追従性が十分でなく、コモンレール圧力が下降しきらないか、又は下降するにしても時間がかり過ぎるという現象が発生する。そのため、図5の(a)に示すコモンレール圧力のグラフ、(b)に示す圧力偏差のグラフ及び(c)のNOxの発生率のグラフに見られるように、圧力下降の遅れによって、NOxが増加するという問題がある。即ち、(a)に示すコモンレール圧力がCに示すように降下が遅れると、圧力偏差のグラフ(b)に示すように、圧力調節の遅れEが表れる。そのために燃料噴射圧力が高く、NOxの発生率のグラフ(c)において、時間領域においてグラフHに示すように、NOxの発生率が高くなっている。なおグラフ(d)は、スモーク排出量を示すグラフである。
【0007】
そこで,図6において,コモンレール52と戻し管61とをリーク路66によって接続し,リーク路66に圧力逃がし弁67を配設することが提案されている。圧力逃がし弁67は,例えば,図7に示すようなソレノイド68を有する電磁弁から構成されている。高圧流体の流入路69は流入側ピース70の流入通路71と連通している。圧力逃がし弁67によって逃がされた高圧流体は,流出側部材73の流出路74を通じて逃がされる。アーマチュア75の先端には,弁体76が設けられている。アーマチュア75は,ばね77によって,弁体76が流入側ピース70の流入通路71の出口側開口部72を一定の力で塞ぐように付勢されている。ソレノイド68の励磁によって,ばね77の力に抗してアーマチュア75を吸引すると,弁体76が流入通路71の出口側開口部72を開放し,コモンレール52内の高圧流体の圧力を逃がすことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような圧力逃がし弁67の構造では,コモンレール圧力が例えば200MPa以上に高くなると,圧力逃がし弁67が非作動状態であっても,静的リーク量が増大するため,高いコモンレール圧力が必要なときに,コモンレール圧力が上昇しないという現象が生じる。そこで,コモンレール圧力が高圧になっても,シール特性を維持して,圧力逃がし弁からの静的リークを無くす点で解決すべき課題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は,上記課題を解決することであり,コモンレール圧力の迅速な低下を確保するのにコモンレール圧力を逃がす圧力逃がし弁を設け,コモンレール圧力が高圧になったときの圧力逃がし弁からの静的リークを無くして,エンジン性能の向上と排気ガス特性の改善とに必要なコモンレール圧力の高圧化に対処し得る蓄圧式燃料噴射装置を提供することである。
【0010】
この発明は、ポンプから送り出される作動流体を貯溜する蓄圧室、前記蓄圧室から供給される作動流体の圧力作用に基づいて作動して燃料を燃焼室内に噴射するインジェクタ、エンジンの運転状態を検出する検出手段、前記検出手段からの検出信号に応じて前記インジェクタからの燃料噴射を制御するコントローラ、及び前記蓄圧室内の作動流体圧力を逃がす圧力逃がし弁を備えた蓄圧式燃料噴射装置であって、前記コントローラは、前記検出信号に基づいて前記蓄圧室における作動流体の圧力を減圧するための減圧指令信号を出力するものであり、前記圧力逃がし弁は、閉弁状態では前記蓄圧室に貯溜された作動流体の圧力作用によって閉弁方向に付勢されるセルフシール構造に構成されていると共に、前記減圧指令信号に応答して作動するアクチュエータによって開弁して前記蓄圧室における作動流体圧力を減圧するものである蓄圧式燃料噴射装置において、前記圧力逃がし弁は、前記蓄圧室内の燃料を排出する排出路に備わるスロート部を貫通して前記排出路の前記蓄圧室側に延びた弁ステム部と、前記弁ステム部の先端に一体化されて設けられ且つ閉弁状態で前記スロート部の入口側開口部に形成された弁シートに対して接触する弁フェースを有する弁体部とから成る弁部材を有し、前記弁シート又は前記弁フェースのいずれか一方に圧力キャンセル用の凹部が形成されており、該凹部は、前記弁シート又は前記弁フェースに形成された環状溝と該環状溝から放射状に延びて前記蓄圧室内の燃料を排出する排出路に連通する放射状溝とから構成されていると共に、前記弁部材は、補強プレートによって前記弁ステム部の端部に前記弁体部をレーザー溶接によって固着されていることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置に関する。
【0011】
この発明による蓄圧式燃料噴射装置においては,例えば,高負荷運転から急激に低負荷運転へ移行する場合のように,蓄圧室における作動流体の圧力を減圧すべき場合には,そうしたエンジンの運転状態を検出する検出手段からの検出信号に基づいて,コントローラは,蓄圧室における作動流体の圧力を減圧するための減圧指令信号に出力する。圧力逃がし弁は,その減圧指令信号に基づいて作動するアクチュエータによって開弁して,蓄圧室における作動流体圧力を逃がし,蓄圧室の燃料圧力を減圧する。高負荷運転のように蓄圧室における圧力を高圧力にする場合には,逃がし弁は閉弁状態となる。逃がし弁は,閉弁状態では蓄圧室に貯溜された作動流体の圧力作用によって閉弁方向に付勢されるセルフシール構造に構成されているので,蓄圧室からの静的リークが確実に防止される。
【0012】
前記圧力逃がし弁は、前記蓄圧室内の燃料を排出する排出路に備わるスロート部を貫通して前記排出路の前記蓄圧室側に延びた弁ステム部と、前記弁ステム部の先端に一体化されて設けられ且つ閉弁状態で前記スロート部の入口側開口部に形成された弁シートに対して接触する弁フェースを有する弁体部とから成る弁部材を有している。弁ステム部と弁体部とは、当初、それぞれ別体で成形するようにしたので、径が小さくてしかも精度のよいものを得ることができ、それゆえ、弁ステム部と弁体部とを結合した弁部材は燃料圧を受ける部分の面積が小さくなる。従って、開弁時に弁部材を押し出すときの開弁作動力が小さくなる。
また、前記弁シート又は前記弁フェースのいずれか一方には圧力キャンセル用の凹部が形成されている。圧力キャンセル用の凹部とは、コモンレール内の圧力が導入される凹部である。凹部を形成することにより、凹部に導入された燃料圧力が受圧面からの押圧力を打ち消すように作用するので、開弁時に弁部材を押し出す時の開弁動作力が小さくなる。
また、前記凹部は、前記弁シート又は前記弁フェースに形成された環状溝と前記環状溝から放射状に延びて前記蓄圧室内の燃料を排出する排出路に連通する放射状溝とから構成されている。前記凹部を弁体部の弁フェース面に形成する場合には、前記凹部は前記弁フェースに形成された環状溝と前記環状溝から放射状に延びて前記蓄圧室内の燃料を排出する排出路に連通する放射状溝とから構成されている。凹部は必ずしも溝状である必要はないが、このような形状の溝にすれば、弁体部の弁シートに対する座りが安定し、弁シート等の偏摩耗を防止することができる。
また,前記弁部材は補強プレートによって前記弁ステム部の端部に前記弁体部をレーザー溶接によって固着されている。弁体部は中心孔を有しており,中心孔に弁ステム部の先端部を嵌合し,弁ステム部の先端面と弁体部における弁シートの反対側端面とに補強プレートを当て,弁ステム部,弁本体及び補強プレートをレーザー溶接にて一体化するのが好ましい。補強プレートは弁体部や弁ステム部にクラックが発生するのを防止する。
【0016】
前記蓄圧式燃料噴射装置は,前記作動流体を前記ポンプとしての高圧燃料ポンプから送り出される燃料とし,前記蓄圧室を燃料を貯溜するコモンレールとしたコモンレール式燃料噴射装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下,図1〜図5を参照して,この発明の実施例を説明する。図1はこの発明による蓄圧式燃料噴射装置に用いられる圧力逃がし弁の一実施例を示す断面図,図2は図1に示す圧力逃がし弁の要部拡大断面図,図3は圧力逃がし弁の弁体部を示す平面図,図4は図3のA−A線で示す面で切断した断面図,図5はこの発明による蓄圧式燃料噴射装置の作動状態を説明するグラフである。なお,図4においては,弁体の周囲の構造が想像線で示されている。この発明による蓄圧式燃料噴射装置は,全体構成としては,図6に示されたものを用いることができるので,圧力逃がし弁の構造以外については,再度の説明を省略する。
【0018】
図1を参照すると、この蓄圧式燃料噴射装置に用いられる圧力逃がし弁1は、その本体2の一端部に形成された雄ねじ部3を、コモンレール52のベース42に設けたねじ穴部43に螺合し、更に、雄ねじ部3の先端部に形成されたテーパ部4をねじ穴部43の奥部に形成されたテーパ孔部44に液密に当接させることにより、コモンレール52に対して密封状態に取り付けられる。圧力逃がし弁1の本体2には、高圧燃料を排出する排出路5が形成されており、排出路5は、コモンレール52に形成されている高圧燃料溜まり室45に接続している。
【0019】
本体2には軸心に沿って中空穴6が形成されている。中空穴6には,後述する排出路5の開閉を行うための圧力逃がし弁1の主要な弁構造が形成される制御ブロック7と,制御ブロック7を押さえ込む押さえブロック8とが配置されている。圧力逃がし弁1を作動させるアクチュエータは,電磁ソレノイド10から構成される電磁アクチュエータ9であり,電磁ソレノイド10はソレノイドブロック12によって固定キャップ11に取り付けられており,固定キャップ11を本体2の外周にねじ込むことにより,制御ブロック7と押さえブロック8とは,ソレノイドブロック12によって中空穴6内に押さえられた状態で本体2内に取り付けられている。電磁ソレノイド10は,コントローラ62からの制御信号を受けて図1の左方に向けて作動し,圧力逃がし弁1を開く方向に駆動する。
【0020】
電磁ソレノイド10のプランジャ13の動きは制御部材14に伝達される。制御部材14は,制御ブロック14との間に介装された戻しばね15によって復帰方向に付勢されており,電磁ソレノイド10が消磁されたときに,制御部材14を非作動位置に復帰させて,圧力逃がし弁1を閉弁状態とする。また,電磁ソレノイド10が励磁されたときには,制御部材14は,戻しばね15の付勢力に抗して作動位置に移動され,圧力逃がし弁1を開弁状態に移行させる。制御部材14は,電磁ソレノイド10の作動により,高速で軸方向の往復動を繰り返すことができる。本体2の外周には,固定キャップ11によって排出路部材16が挟込み状態で取り付けられている。排出路部材16には,コモンレール52側の排出路5と圧力逃がし弁1を通じて連通可能な排出路17が形成されている。
【0021】
図2は,圧力逃がし弁1の制御ブロック7,制御部材14,及び弁部材25の詳細を示す拡大図である。制御ブロック7には,一側において,コモンレール52側の排出路5と連通する小径の弁入口部20が形成されており,他側において,戻しばね15の一端部を収容する大径のばね収容部21,制御部材14の一端部を摺動自在に案内する中径の制御部材案内部22,及び後述する圧力逃がし弁1の弁ステム26のヘッド部27が収容される小径の弁出口23が形成されている。弁入口部20と弁出口部23とは,最小径のスロート部24によって連通されている。
【0022】
圧力逃がし弁1の弁構造部は,制御部材14に当接するヘッド部27を有する弁ステム26と,弁ステム26の端部にレーザー溶接にて結合された弁体28とからなる。弁ステム26はこの発明の弁ステム部を構成し,弁体28はこの発明の弁体部を構成している。ばね収容部21に収容されている戻しばね15は,圧縮状態で介装されているので,常に制御部材14に対して弁ステム26から離れる方向に付勢する力を与えている。即ち,戻しばね15は圧力逃がし弁1を閉弁方向に付勢している。径方向に伸びる排出路18が,制御部材案内部22に対して開口するように形成されており,排出路18は,本体2に径方向に形成された排出路19を通じて排出路17と接続している。排出路5,17,18,19及びスロート部24は,リーク路38を構成している。
【0023】
弁ステム26は,制御部材14に形成されているスロート孔24を僅かな間隙を残して挿通し且つ弁入口部20内に延びている。弁ステム26の端部には弁入口部20とスロート部24との連通を遮断することで開弁可能な弁体28が設けられている。弁体28には,図3及び図4に示すように,中心孔29が形成され,中心孔29の中程にはテーパ面からなる段部30が形成されている。弁ステム26と弁体28はそれぞれ別体で製作される。弁ステム26と弁体28の中心孔29に嵌合すると,段部30と弁ステム26の細径部が係合して位置決めがなされ,弁体28の下端面31と弁ステム26の下端面32(図4の想像線で示す)とが面一になるように構成されている。弁部材25は,弁体28の下端面31と弁体28を貫通配置される弁ステム26の下端面32とに補強プレート33を当ててレーザー溶接で一体化されている。補強プレート33は高圧に晒される弁体28や弁ステム26にクラックが発生するのを防止する機能を果たす。また,弁ステム26と弁体28はそれぞれ別体で製作されるので,弁ステム26及び弁体28の径を小さくすることができる。従って,弁部材25自体が小型化するので,弁部材25に作用する燃料圧は小さいものとなる。
【0024】
弁体28は,円柱状部分36の上端に円錐状からなるテーパ面である弁フェース39を有している。弁フェース39は,スロート部24の弁入口部20側の開口に形成された円錐状の凹面をなす弁シート40に対して,丁度嵌まり合う形状を有している。したがって,電磁ソレノイド10が消磁されて制御部材14が戻しばね15によって復帰位置に付勢されている状態では,弁体28は,コモンレール52の高い燃料圧力によって閉弁方向に付勢される。即ち,圧力逃がし弁1は,閉弁状態ではコモンレール52に貯溜された高圧燃料の圧力作用によって閉弁方向に付勢されるセルフシール構造に構成されている。弁フェース39には,図3及び図4に示すように,中心孔29と同心円状に環状溝34が形成されており,環状溝34から放射状に外向きに等角度で放射状溝35が形成されている。即ち,放射状溝35は点対称となるように形成されている。放射状溝35は環状溝34と弁入口部20とを連通し,弁入口部20内,即ち,コモンレール52内の燃料圧を環状溝34に導くことができる。環状溝34に導入された燃料圧は弁体28に対して弁体28を押し下げようとする力として作用し,弁体28を弁シート40に押し付ける力をキャンセルするように作用する。従って,開弁時に弁体28を押し下げる力は小さくて済み,小型のアクチュエータでも十分機能を果たすことができる。
【0025】
電磁ソレノイド10が非通電時即ち非駆動時には,弁部材25は戻しばね15が与えるばね力によって閉じた状態となり,この状態では,弁体28の弁フェース39は,弁シート40に対して面接触状態に着座してリーク路38を閉じている。電磁ソレノイド10が励磁されると,弁部材25の弁ステム26は戻しばね15のばね力に打ち勝って図1及び図2において左方に押される。このとき,弁体28の弁フェース39は弁シート40から離れてリーク路38の弁入口部20側の開口を開くので,燃料の流れが生じ,コモンレール52内の燃料圧力はスロート部24と弁ステム26との間隙を通って,排出路18,19を経て排出路17に解放される。
【0026】
この実施例は、上記のように構成されており、次のように作動する。電磁ソレノイド10が励磁されていないときは、戻しばね15は制御部材14を図において右方に付勢している。弁入口部20に作用するコモンレール52側の高圧の燃料圧力は、弁体28に作用してその弁フェース39を弁シート40に押圧させているので、弁部材25は、コモンレール52の燃料圧力が高ければ高いほどシール力が強くなるセルフシールの状態で、リーク路38を閉じている。この状態では、コモンレール52からの高圧燃料は、弁入口部20からスロート部24に流れることができず、コモンレール52の静的リークを阻止することができる。したがって、エンジンの運転状態に応じてコモンレール52の圧力について増圧要求がある場合にも、コモンレール52の圧力を急速に上昇させることができる。
エンジンの運転状態に応じてコモンレール圧力に減圧要求がなされると、コントローラ62は電磁ソレノイド10を励磁し、図2に示されているように制御部材14は、制御部材案内部22の左端に当接するまで戻しばね15に抗して図2において左方に押される。制御部材14は、弁部材25の弁ステム26を、弁入口部20における燃料圧力に基づく閉弁力に抗して左方に押し、弁体28の弁フェース39を弁シート40から離脱させる。したがって、圧力逃がし弁1は開弁し、コモンレール52内の高圧燃料は、弁入口部20から弁スロート部24、弁出口部23、排出路18、19を経て、圧力逃がし弁1の外部に排出され、コモンレール圧力は急速に減圧する。
【0027】
図5(a)はコモンレール圧力の時間変化を、同(b)は目標コモンレール圧力との偏差の時間変化を、同(c)は排気ガス中のNOxの発生率の時間変化を、更に同(d)はスモークの排出量を表している。この発明によれば、圧力逃がし弁1が備えられているので、エンジンの運転状態がコモンレールの減圧要求状態であるときには、図5(a)においてBで示すように、圧力逃がし弁1が備えられていないCで示す場合と比較して、コモンレール圧力の低下の遅れを防止し、且つコモンレール圧力の変動を少なくすることができる。また、同(b)に示す目標コモンレール圧力との偏差で見ると、圧力逃がし弁1が設けられるこの発明によれば、Dで示すように圧力の偏差に大きな変化はみられないが、圧力逃がし弁1が設けられないと、EやFで示すように圧力変動が生じる。また、同(c)のNOxの発生率で示すように、時間間隔Iの範囲内において、圧力逃がし弁1が備えられている場合(Gで示す)には、圧力逃がし弁1が備えられていない場合(Hで示す)と比較して、NOxの発生を約17%の低下させることができる。
【0028】
また,この蓄圧式燃料噴射装置によれば,弁フェース39には,中心孔29と同心円状に環状溝34が形成され,且つ環状溝34から放射状に外向きに放射状溝55が形成されているので,弁入口部20内の燃料圧を環状溝34に導くことができ,環状溝34に導入された燃料圧によって弁体28は開弁方向の力を受けるので,従来のものに比べて小さな力で圧力逃がし弁1を開くことができる。従って,小型の電磁ソレノイド10を採用することができるだけでなく,電磁ソレノイド10で消費される電力も少なくて済む。
【0029】
上記実施例では,弁部材25の弁ステム26と弁体28を補強プレート33を介してレーザー溶接することにより一体化する例について示したが,必ずしもレーザー溶接による必要はなく,例えば,弁ステム26を弁体28に圧入し,弁ステム26の先端をかしめるようにして一体化することも可能である。また,上記実施例では,開弁作動用のアクチュエータ9として電磁ソレノイド10を例に挙げて説明したが,圧電素子等の他の手段を用いてもよい。
【0030】
以上,この蓄圧式燃料噴射装置は,コモンレール式燃料噴射装置として説明したが,作動流体をポンプとしての高圧オイルポンプから送り出されるオイルとし,蓄圧部をオイルを貯溜する高圧オイルマニホルドとしたオイル作動式燃料噴射装置に適用してもよいことは明らかである。
【0031】
【発明の効果】
この発明による蓄圧式燃料噴射装置は,上記のように構成されているので,コモンレール内の燃料圧力が高ければ高いほど,その燃料圧力は強く圧力逃がし弁を閉じる閉弁力として利用され,その結果,圧力逃がし弁を通じての燃料のリークを回避することができ,高圧燃料ポンプに無駄な仕事の負担をかけることがなくなり,コモンレール圧力を早期に上昇させることができる。また,弁フェースの弁シートに対する接触は面接触であるので,面圧を適正な値に設定することができ,弁シートの摩耗を回避することができる。圧力逃がし弁をポペット弁とし,弁シートをポペット弁の弁体部が当接するテーパ状凹面から構成すると,圧力逃がし弁は,燃料の乱流流れが生じても,テーパ面同士の嵌合により安定して速やかに作動するとともに,閉弁状態では弁フェースと弁シートの間に十分なシールを得て,燃料のリークを防止することができる。
【0032】
また,弁ステム部と弁体部とはそれぞれ別体で成形されているので,細くて精度のよい弁ステム部及び弁体部を得ることができ,それゆえ,弁ステム部と弁体部とを結合して製作した弁部材は燃料圧を受ける部分の面積が小さくなる。従って,開弁時に圧力逃がし弁の開弁作動力は小さくて済むので,小型のアクチュエータを使用することができるようになるとともに,消費電力も少なくて済む。
【0033】
また、特に弁体部に燃料圧を導入するための凹部形成されているので、凹部に導入された燃料圧力が圧力逃がし弁を閉じる方向の力をキャンセルするように作用することとなり、開弁作動力は一層小さくて済むという利点がある。また、前記凹部は弁フェースに形成した環状溝と該環状溝から放射状に外向きに延びて蓄圧室内の燃料を排出する排出路に連通する放射状溝とから構成されているので、弁体部の弁シートに対する座りが安定し、弁シート等の偏摩耗を防止することができるという利点がある。また、弁ステム部と弁体部とを一体化する際に、補強プレートを介して弁ステム部と弁体部とをレーザー溶接にて一体化すれば、補強プレートによって弁体部及び弁ステム部にクラックが発生するのを防止することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による蓄圧式燃料噴射装置に用いられる圧力逃がし弁の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1に示す圧力逃がし弁の要部拡大断面図である。
【図3】図1に示す圧力逃がし弁の弁体部を示す平面図である。
【図4】図3のA−A線で示す面で切断した断面図である。
【図5】この発明による蓄圧式燃料噴射装置の作動状態を説明するグラフである。
【図6】従来の蓄圧式燃料噴射装置を示す概図である。
【図7】従来の蓄圧式燃料噴射装置に用いられる圧力逃がし弁の断面図である。
【符号の説明】
1 圧力逃がし弁
2 本体
5 排出路
7 制御ブロック
9 アクチュエータ
10 電磁ソレノイド
13 プランジャ
14 制御部材
15 戻しばね
20 弁入口部
23 弁出口部
24 スロート部
25 弁部材
26 弁ステム
28 弁体
29 中心孔
31 下端面
32 下端面
33 補強プレート
34 環状溝(凹部)
35 放射状溝(凹部)
38 リーク路
39 弁フェース
40 弁シート
51 インジェクタ
52 コモンレール
58 高圧燃料ポンプ
62 コントローラ
63 圧力センサ
66 リーク路

Claims (2)

  1. ポンプから送り出される作動流体を貯溜する蓄圧室、前記蓄圧室から供給される作動流体の圧力作用に基づいて作動して燃料を燃焼室内に噴射するインジェクタ、エンジンの運転状態を検出する検出手段、前記検出手段からの検出信号に応じて前記インジェクタからの燃料噴射を制御するコントローラ、及び前記蓄圧室内の作動流体圧力を逃がす圧力逃がし弁を備えた蓄圧式燃料噴射装置であって、前記コントローラは、前記検出信号に基づいて前記蓄圧室における作動流体の圧力を減圧するための減圧指令信号を出力するものであり、前記圧力逃がし弁は、閉弁状態では前記蓄圧室に貯溜された作動流体の圧力作用によって閉弁方向に付勢されるセルフシール構造に構成されていると共に、前記減圧指令信号に応答して作動するアクチュエータによって開弁して前記蓄圧室における作動流体圧力を減圧するものである蓄圧式燃料噴射装置において、
    前記圧力逃がし弁は、前記蓄圧室内の作動流体を排出する排出路に備わるスロート部を貫通して前記排出路の前記蓄圧室側に延びた弁ステム部と、前記弁ステム部の先端に一体化されて設けられ且つ閉弁状態で前記スロート部の入口側開口部に形成された弁シートに対して接触する弁フェースを有する弁体部とから成る弁部材を有し、前記弁シート又は前記弁フェースのいずれか一方に圧力キャンセル用の凹部が形成されており、該凹部は、前記弁シート又は前記弁フェースに形成された環状溝と該環状溝から放射状に延びて前記蓄圧室内の作動流体を排出する排出路に連通する放射状溝とから構成されていると共に、前記弁部材は、補強プレートによって前記弁ステム部の端部に前記弁体部をレーザー溶接によって固着されていることを特徴とする蓄圧式燃料噴射装置。
  2. 前記蓄圧式燃料噴射装置は、前記作動流体を前記ポンプとしての高圧燃料ポンプから送り出される燃料とし、前記蓄圧部を燃料を貯溜するコモンレールとしたコモンレール式燃料噴射装置であることを特徴とする請求項1に記載の蓄圧式燃料噴射装置。
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