JP3787560B2 - 横葺き屋根及びその施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は横葺き屋根及び横葺き屋根の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池の屋根への設置には大きくわけると2通りの方法があり、一つは既設屋根に太陽電池を取り付ける方法、今一つは太陽電池自体を屋根として葺く方法である。
【0003】
前者は、既設の屋根の上に何らかの架台を用いて設置するため、従来からの太陽電池モジュールをそのまま流用することができるが、設置コストが高くつき、また外観も悪くなるため、最近では後者の方法が注目されるようになってきている。
【0004】
後者の方法については、一般に屋根には古くからさまざまな施工方法が知られており、太陽電池を用いた公知例としても、特開平5−55618号公報(瓦葺き)(特許文献1)、特開昭59−152670号公報(横葺き)(特許文献2)、特開平6−114111号公報(横葺き)(特許文献3)、特表平6−503684号公報(縦葺き)(特許文献4)等が挙げられる。
【0005】
本発明は、横葺き屋根及びその施工方法に関するものであり、特に太陽電池と屋根材を一体とすることで発生する問題点を解決する横葺き屋根とその施工方法を提案するものである。
【0006】
まず、横葺き屋根について構造上の特徴を図21を用いて説明する。横葺き屋根の構造上の特徴は軒先から棟に向かって、横に屋根板を葺いていくことであり、縦葺き屋根の長尺板は屋根の流れに対して平行方向に葺かれるが、こちらは直角方向に葺かれることからこの呼び名がある。横葺き屋根板は通常、工場内でローラーフォーマー等の成形装置で加工され、現地で組立が行われる。角型のはぜ掛け部で段差が形成されるため、外観上アクセントのある葺き上がりになるほか、下側の屋根板の上に上側の屋根板の一部をはぜくみすることで、耐風圧強度と雨仕舞を実現する構造的特徴を有している。
【0007】
基本的施工方法は、下側の屋根板の上端係合開口部と反対面に開口する屋根板の下端係合開口部を相互にはぜくみすることで屋根板同士を連結するものである。上端係合開口部もしくは下端係合開口部は屋根板A101の設置時に吊り子A102によって、屋根下地材A103に釘もしくはボルトやビスにより固定される。更に詳しくは以下に説明する。
【0008】
図22は施工の一例を示す見取り図であり、横葺き屋根全体の施工は通常、下記手順で行われる。
【0009】
(1)母屋A201に金属垂木A202を取り付け
(2)軒先に軒先の止め具となる軒先唐草A203を取り付け
(3)金属垂木A202の間(上)に野地板A204を固定し
(4)その上からアスファルトルーフィングA205と呼ばれる防水シートを葺き込み
(5)屋根板A209の下端係合開口部を軒先唐草A203に挟み込み、上端係合開口部を吊り子A206を用いて金属垂木A202に固定する。
(6)屋根板の横の連結には、ジョイント部に継ぎ手水切り板A207を差し込み
(7)屋根板を横方向に連結して抑え板A211で固定し、
(8)抑え板A211に継ぎ手カバーA208を差し込むことで横方向の連結が完了する。
(9)上下間の連結は、前述(5)の方法に従いはぜくみを繰り返し、棟側に順々に葺きあげていくことで行う。
【0010】
以上が従来からの横葺き屋根の施工方法である。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−55618号公報
【特許文献2】
特開昭59−152670号公報
【特許文献3】
特開平6−114111号公報
【特許文献4】
特表平6−503684号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の横葺き屋根においては、軒先側から棟側に各屋根板がはぜ組みをしながら施工されていくために、施工後の一部屋根板の交換が難しく、例えば、軒先側の太陽電池が故障した際、全部の屋根を一度はぎ取らなければ交換することができない。そのため、メンテナンスが非常に煩雑になるという問題点がある。本問題は、従来の屋根においても問題点ではあるが、太陽電池と一体型とした場合、一つの故障がシステム全体に与える影響が大きいため、ことさらに大きな問題となる。
【0013】
また、太陽電池一体型屋根材の結線作業は一般に屋根の施工と同時に行われるため、結線作業が不十分なまま屋根が葺かれてしまうというトラブルもたまに発生し、その施工の煩雑さにも問題があるが、これらの問題点を十分に解決できる太陽電池一体型横葺き屋根板は現在まで存在しなかった。
【0014】
本発明は、前記問題点を解決するもので、特に太陽電池一体型屋根板に故障発生時、一部交換可能な横葺き屋根、およびその施工方法を提案することを目的とするものである。
【0015】
また、本発明は、太陽電池一体型屋根板施工時の配線作業の煩雑化から発生する配線ミス等のトラブルを未然に防止すると共に、配線ミスの発生時にも容易に対応できる手段を提供することをも目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の手段を用いることで前記に示した問題点を解決している。
【0017】
第1の発明は、第一部材を、一の屋根板である上板の下端係合部に係合し、第二部材を、前記一の屋根板に隣接する他の屋根板である下板の上端係合部に係合し、前記第一部材と前記第二部材とを連結すること、前記第一部材と前記第二部材とにより、吊り子が構成されること、前記第一部材は、雨仕舞いを行うこと、を少なくとも特徴とする横葺き屋根の施工方法である。
【0018】
本発明は、上記第1の発明において、
「前記連結を、ブラインドリベットを用いて行うこと」、
「前記第一部材が、屋根板とほぼ同じ幅を有すること」、
「前記吊り子は、前記第一部材と前記第二部材とが遊びを設けて連結されており、該2つの部材間で伝えられる力を線方向に分散させる爪を有していること」、「前記屋根板は、太陽電池一体型屋根板であること」、
を好ましい態様として含むものである。
【0019】
第2の発明は、複数の屋根板と、第一部材と、第二部材とを有する横葺き屋根であって、前記第一部材は、一の屋根板である上板の下端係合部に係合され、第二部材は、前記一の屋根板に隣接する他の屋根板である下板の上端係合部に係合され、前記第一部材と前記第二部材とは連結されていること、前記第一部材と前記第二部材とにより、吊り子が構成されること、前記第一部材は、雨仕舞いを行うこと、を少なくとも特徴とする。
【0020】
本発明は、上記第2の発明において、
「前記連結が、ブラインドリベットによりなされていること」、
「前記ブラインドリベットが露出していること」、
「前記第一部材が、屋根板とほぼ同じ幅を有すること」、
「前記吊り子は、前記第一部材と前記第二部材とが遊びを設けて連結されており、該2つの部材間で伝えられる力を線方向に分散させる爪を有していること」、「前記屋根板は、太陽電池一体型屋根板であること」、
を好ましい態様として含むものである。
【0021】
本発明による横葺き屋根及びその施工方法によれば、横葺きされた屋根板を施工後においても一部交換が可能になるという特別な作用を有している。
【0022】
一方、係合部を脱着可能としたことで、耐風圧強度は弱くなることが予想されるが、上記本発明の構成においては、耐風圧強度を十分維持することにも成功した。
【0023】
一般にボルト等貫通を伴う止め具を使用する場合に心配される雨仕舞いは、屋根板の係合部を野地板面に対して2重壁構造を形成することで、ネジの隙間から侵入した水は再度、下側の屋根板に戻すことが可能であり、そのため従来と同等の雨仕舞いも維持できるようにしている。
【0024】
また、本発明による横葺き屋根板によれば、横葺き屋根の途中部分をはぐることが可能であるため、屋根板裏側の端子部から容易に各部分の太陽電池に対しての電気配線作業が可能であり、施工時にミスを犯していても、配線作業のやりなおしが可能である。
【0025】
本発明による横葺き屋根板によれば、屋根板の途中部分をはぐることが可能であるため、施工後であっても、屋根板裏側の端子部等のチェックが容易であり、配線のみならず端子部等の現場での補修も可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明における横葺き屋根の参考形態を示しており、その主要構成は、可撓性金属基材B101、太陽電池素子B102、封止材B103、端子箱B104、配線部材B105から構成されている。尚、B106は下端係合部である下端係合開口部、B107は上端係合部である上端係合開口部を示している。
【0027】
図2は本形態における太陽電池一体型屋根の施工例を示しており、B201は母屋の構造部材、B202は垂木、B203は軒先唐草、B204は屋根下地材である野地板、B205はアスファルトルーフィング、B206は吊り子、B207は継ぎ手底部材である水切り板、B208は継ぎ手カバー部材である継ぎ手カバー、B209は屋根板、B210は配線部材、B211は継ぎ手抑え部材である抑え板を示している。
【0028】
図3は屋根の流れ方向の屋根板の係合部の断面図であり、図3を用いて本発明の基本施工手順を説明する。屋根板の係合には、まず、下板の上端係合開口部を吊り子によって野地板に釘もしくはドリルビス等で固定する。吊り子はB301のような形状をしており、内側の爪が下板の上端係合開口部の一部としっかり係合される。次に上板の下端係合開口部を下板の係合開口部とかみ合わせ、吊り子の外側の爪を、上板の下端係合開口部のくぼみにはめ込み、その後、上板の上端係合開口部を同様にして吊り子によって固定する。その後、係合部に野地板側に貫通しない開口部をあけ、止め具B302により固定する手順を繰り返すことで行う。なお、屋根板の連結にドリルビスで作成される開口部は、工場であらかじめ開けておいてもいい。
【0029】
止め具B302は具体的にはブラインドリベット等が好適である。ブラインドリベットは機械的強度が十分強いと同時に、ドリルを用いて簡単に取り外すことが可能で、専用具によって再装着も容易である。
【0030】
本形態の横葺き屋根全体の施工手順を図2を用いて順に説明すると、
(1)母屋の構造部材B201に垂木B202を取り付け
(2)軒先に軒先の止め具となる軒先唐草B203を取り付け
(3)垂木B202の間(上)に野地板B204を固定し
(4)その上からアスファルトルーフィングB205と呼ばれる防水シートを葺き込み
(5)屋根板B209本体を唐草の止めに屋根板B209の下端係合開口部を挟み込み、上端係合開口部を吊り子B206を用いて垂木B202に固定する。尚、この時、配線部材B210は屋根板B209外に出した状態にしておく。
(6)屋根板の横の連結には、まず、連結部に継ぎ手水切り板B207を差し込み
(7)屋根板B209を横方向に連結し、横方向の配線を水切り板B207の下で結線し、抑え板B211で屋根板を水切り板B207と固定する。
(8)その後、継ぎ手カバーB208を差し込むことで横方向の連結が完了する。
(9)上下間の連結は、前述(5)の方法に従いはぜくみを繰り返し、棟側に順々に葺きあげていくことで行う。
【0031】
大規模建築物等の場合には野地板を設けずに、垂木あるいは垂木に相当する梁に直接本発明の屋根板を葺くことも可能である。
【0032】
図4は、本形態を用いた屋根における屋根板間の裏面配線B402の結線を示す図であり、隣接する太陽電池一体型屋根板ごとに正極から負極、負極から正極に順に直列接続され、一定電圧ごとに接続箱に集められ並列接続される構成になっている。B401他のハッチング部材は太陽電池素子を有さない捨て板である。この部材は屋根を葺く際に発生する屋根板寸法と屋根の長さの寸法差から発生する半端部分を補充すると共に、端部の妻納め棟納め等の作業及び複数の屋根板からの配線の集積場所として使用する。本形態では、各太陽電池の出力は、横方向2列で一つの基本単位を形成しており、屋根の端部ちかくで形成される捨て板の下を通って、そこから棟部もしくは軒先部から屋内の接続箱に接続される。
【0033】
図5は、正極と負極が対称な2種類の太陽電池一体型横葺き屋根板を用いた設置形態を示しており、本形態では、配線をシンプルに施工できる他、太陽電池素子からの配線の全長が抑えられるため、配線材の低コスト化および電力損失低減の効果がある。
【0034】
なお、捨て板B401も太陽電池一体型屋根板B403と同一形状をしているため施工後、屋根板をはぐることが可能であることはいうまでもない。このため、横方向の太陽電池の出力の連結を一時捨て板下部空間で取りまとめれば、検査の容易性が更に向上する。このような用途に使用するため、この部分については特にブラインドリベットよりもボルト等の容易に取りはずしが可能な部材が好適である。図9は、本発明においてボルトを用いて固定した状態を示しており、B900は吊り子、B901はネジ受け部材である。
【0035】
また、図示しないが、屋根の端部処理は周知の妻納めで容易に処理できる。
【0036】
次に、メンテナンスする際の基本作業手順を以下に説明する。
【0037】
(1)不正常な太陽電池一体型屋根板の列の特定は屋内に設けられた接続箱の各出力を検査すれば、容易に特定できる。
【0038】
(2)継ぎ手カバーB208は、その上端部において上屋根板の下端係合部に係合されているので、まず、これを取りはずすことで、容易に引き抜くことができる。
【0039】
(3)継ぎ手カバーB208及び抑え板B211を取りはずすと、継ぎ手水切り板B207には開口部B212が設けてあり、該開口部B212から、配線B210を覗くことができ、J字状のフックで電気接続用コネクタB213を引き出せば、容易に各太陽電池の出力をチェックすることができる。
【0040】
(4)不正常な太陽電池一体型屋根板が特定できれば、継ぎ手水切り板B207をとりはずす。これによって、横葺き屋根板の両側の固定がなくなる。
【0041】
(5)更に、上記横葺き屋根の下端係合開口部の止め具(図3のB302)をはずせば、該屋根板は上側にはぐることが可能であり、この時点で容易に電気的な作業を行うことが可能になる。
【0042】
(6)更に屋根板自体の交換を要する時は、該屋根板の上に位置している屋根板を同様な手順ではぐれば、吊り子部分が露出されるため、吊り子を容易にはずすことができ、該屋根板の交換ができる。
【0043】
(7)交換後は、(1)〜(5)までの逆の手順で屋根板を固定していき横葺き屋根の補修作業が完了する。
【0044】
尚、図6は継ぎ手の組み合わせを示す見取り図であり、図7、図8は、継ぎ手部分A−B,C−Dの各断面図を示しており、B601は継ぎ手カバー、B602は抑え板、B603は継ぎ手水切り板、B604は屋根板である。
【0045】
以下に、屋根板を形成する部材及び該屋根板の施工にかかわる部材について、説明する。
【0046】
1.屋根板を形成する部材
(1−1可塑性金属基材)
基材B101の材料としては、従来からの金属屋根と同様に強度のある鋼板類と耐食性に優れた非鉄類が使用できる。
【0047】
鋼板には表面処理、塗覆した鋼板や他の元素を配合した合金、または特殊鋼の他、断熱材等を張り合せた複合鋼板があり、一般的には、溶融亜鉛メッキ鋼板、ガルファン、ガルバリウム鋼板、溶融アルミニウムメッキ鋼板、銅メッキ鋼板、塩化ビニル被覆鋼板、フッ素樹脂鋼板、ステンレス鋼板、制振鋼板、断熱亜鉛鉄板、耐候性鋼板、前記塗装鋼板がもちいられ、非鉄類としては、銅板、アルミニウム合金板、亜鉛合金板、鉛板、チタニウム板及び、前記の塗装カラー板が使用される。
【0048】
尚、本発明においては、基材に可撓性が要求されるため、堅い鋼板を使用する場合は、人力で容易に変形できる厚みにとどめることが好ましい。また、さらに好ましくは弾性を有する材料がよい。
【0049】
(1−2太陽電池素子)
本発明に用いる太陽電池素子B102としては特に種類に限定はなく、単結晶・多結晶・微結晶・アモルファスのいずれの形態でもよい。またSi系でも化合物系でもよい。なかでもアモルファスを用いた太陽電池素子は、可撓性を有するため好適である。またアモルファスは熱によってその劣化が回復するため屋根上で使用することが好適である。
【0050】
図10に該可撓性太陽電池素子である非晶質シリコン太陽電池の断面図を示す。
【0051】
基板C101は非晶質シリコンのような薄膜の太陽電池の場合の半導体層C103を機械的に支持する部材であり、また場合によっては電極として用いられる。前記基板は、半導体層C103を成膜するときの加熱温度に耐える耐熱性が要求されるが導電性のものでも電気絶縁性のものでも良い。
【0052】
導電性の材料としては、具体的にはFe,Ni,Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pb等の金属またはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレス鋼等の薄板及びその複合体やカーボンシート、亜鉛メッキ鋼板等が挙げられる。
【0053】
電気絶縁性材料としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ等の耐熱性合成樹脂のフィルムまたはシート又はこれらとガラスファイバー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維等との複合体、及びこれらの金属の薄板、樹脂シート等の表面に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO2,Si3N4,Al2O3,AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行ったものおよび、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。
【0054】
下部電極(裏面反射層)C102は、半導体層C103で発生した電力を取り出すための一方の電極であり、半導体層C103に対してはオーミックコンタクトとなるような仕事関数を持つことが要求される。材料としては、Al,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,Mo,W,Fe,V,Cr,Cu,ステンレス,真ちゅう,ニクロム,SnO2,In2O3,ZnO,ITO等のいわゆる金属単体又は合金、及び透明導電性酸化物(TCO)等が用いられる。
【0055】
前記下部電極C102の表面は平滑であることが好ましいが、光の乱反射を起こさせる場合にはテクスチャー化してもよく裏面反射層とも呼ばれる。また、基板C101が導電性であるときは前記下部電極C102は特に設ける必要はない。
【0056】
下部電極C102の作製法はメッキ、蒸着、スパッタ等の方法を用いることができ所望に応じて適宜選択される。
【0057】
本発明に用いられる太陽電池素子の半導体層C103としては、非晶質シリコン、非晶質シリコンゲルマニウム、非晶質シリコンカーボン等が挙げられる。
【0058】
i層を構成する半導体材料としては、a−Si:H、a−Si:F、a−Si:H:F、a−SiGe:H、a−SiGe:F、a−SiGe:H:F、a−SiC:H、a−SiC:F、a−SiC:H:F等のいわゆるIV族及びIV族合金系非晶質半導体が挙げられる。
【0059】
p層またはn層を構成する半導体材料としては、前述したi層を構成する半導体材料に価電子制御剤をドーピングすることによって得られる。また原料としては、p型半導体を得るための価電子制御剤としては周期律表第III族の元素を含む化合物が用いられる。第III族の元素としてはB、Al、Ga、In等が挙げられる。n型半導体を得るための価電子制御剤としては周期律表第V族の元素を含む化合物が用いられる。第V族の元素としては、P、N、As、Sbが挙げられる。
【0060】
非晶質シリコン半導体層の成膜法としては、蒸着法、スパッタ法、RFプラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD法、LPCVD法等の公知の方法を所望に応じて用いる。工業的に採用されている方法としては、原料ガスをRFプラズマで分解し、基板上に堆積させるRFプラズマCVD法が好んで用いられる。さらに、RFプラズマCVDに於いては、原料ガスの分解効率が約10%と低いことや、堆積速度が1オングストローム/secから10オングストローム/sec程度と遅いことが問題であるがこの点を改良できる成膜法としてマイクロ波プラズマCVD法が注目されている。
【0061】
以上の成膜を行うための反応装置としては、バッチ式の装置や連続成膜装置などの公知の装置が所望に応じて使用できる。本発明の太陽電池に於いては、分光感度や電圧の向上を目的として半導体接合を2以上積層するいわゆるタンデムセルやトリプルセルにも用いることが出来る。
【0062】
上部電極(透明導電膜)C104は、半導体層C103で発生した起電力を取り出すための電極であり、前記下部電極と対をなすものである。上部電極は、光入射側に位置するため、透明であることが必要で、透明導電膜とも呼ばれる。
【0063】
前記上部電極C104は、太陽や白色蛍光灯等からの光を半導体層C103内に効率良く吸収させるために光の透過率が85%以上であることが望ましく、さらに、電気的には光で発生した電流を半導体層C103に対し横方向に流れるようにするためシート抵抗値は100Ω/□以下であることが望ましい。このような特性を備えた材料としてSnO2,In2O3,ZnO,CdO,CdSnO4,ITO(In2O3+SnO2)などの金属酸化物が挙げられる。
【0064】
上部電極C104の作製方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング法、スプレー法等を用いることができ所望に応じて適宜選択される。
【0065】
上記太陽電池素子の発電のアクティブエリアを決定するためには公知のエッチング技術、例えば化学エッチングや印刷エッチング、電気化学エッチングなど所望の方法で上記透明導電膜C104をエッチング除去し、C105のエッチングラインを形成することができる。
【0066】
その後、集電電極C106を金属や導電性ペーストをスパッタ、蒸着、印刷、接着など方法により透明導電膜上に形成する。更に、図示しないが、端子の取り出し、配線などを行う。
【0067】
このようにして製造された非晶質太陽電池は、それ自体大きな可撓性を有しており、本発明に好適な特性を有した可撓性太陽電池となる。
【0068】
なお、太陽電池の屋根板上の配置は働き幅内のみにとどめることが屋根板と同時に加工する上で好ましい。
【0069】
また、該太陽電池の集電電極C106と上部電極C104の界面は最も接着強度の弱い部分であるため、該集電電極C106の長手方向は、横葺き屋根の長手方向と一致させる方向であることが好ましい。
【0070】
(1−3封止材)
封止材B103は、太陽電池素子との接着性、耐候性、緩衝効果の点でEVA(エチレンビニールアセテート)やEEA(エチレンエチルアクリレート),PVB(ポリビニルブチラール)等が好適に用いられる。また機械的特性を向上させるため、ガラス不織布やシリカ等の充填材と合わせて使用されることがある。
【0071】
(1−4表面フィルム)
耐湿性や耐傷性を向上させるために、表面フィルムとしては弗素系の樹脂が耐候性の点から好適である。弗素系の樹脂としては、例えば4フッ化エチレンの重合体TFE(デュポン製TEFLONなど)、4フッ化エチレンとエチレンの共重合体ETFE(デュポン製TEFZELなど)、ポリフッ化ビニル(デュポン製TEDLARなど)、ポリクロロフルオロエチレンCTFE(ダイキン工業製ネオフロン)等が挙げられる。またこれらの樹脂に公知の紫外線吸収剤を加えることで耐候性を向上させても良い。また接着層との接着性を向上させるため、コロナ放電処理等の方法で表面を荒らしたフィルムがより好適である。更に、種々の折り曲げに対して対応できるように無延伸型がより好適である。
【0072】
(1−5封止方法)
封止の方法としては、基材、充填材、太陽電池素子、充填材、及び表面フィルムとを積層し、真空ラミネーターを用いて真空中で加熱圧着する。封止ののち、基材の端部を屋根板の形状に折り曲げる。
【0073】
(1−6端子箱)
電力をとり出すための端子を収納する箱が端子箱B104である。その材料は、耐熱性、耐水性、電気絶縁性、老化性に優れたものが要求される。
【0074】
上記の要素を考慮にいれると端子箱としてはプラスチックが好ましく、難燃性などを考えると、難燃性プラスチックやセラミックスなどが好ましい。
【0075】
例えば、プラスチックとしては、ノリル、ポリアーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、変性PPO、ポリエステル、ポリアリレート、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの強度、耐衝撃性、耐熱性、硬度、老化性に優れたエンジニアリング・プラスチック等がある。またABS樹脂、PP、PVCなどの熱可塑性プラスチックも使うことができる。
【0076】
尚、端子箱の位置については、その場所を限定するものではないが、耐水性や絶縁性及び老化性の観点からは水まわり付近は避けた方がよく、また、配線が分かりやすくなる位置に配置することが好ましい。そのため、本形態では、屋根板裏面に端子箱を設けると共に、中央部に配置することで、正負極の端子が逆向きに配線される場合でも、配線がもつれない様に配慮した。
【0077】
万一漏水の際にも漏電を発生させないために本発明で端子箱の内部は充填材によって充填される。その材料に特に限定は無いが、その種類としては、電気絶縁性の良いエポキシ樹脂系接着剤やシリコン系ポッティング剤、シリコン系接着シール剤等が好ましく、柔軟性などを考慮すると、シリコン系の樹脂の方が好ましい。さらに、作業性を考慮すると一液型で硬化時間の短いもの、さらに粘度が低く細部まで充填され易いものが好ましい。また、シリコーン一液型RTVゴムを用いる場合、電極を侵食させないために硬化方式が脱アセトンタイプ、あるいは脱アルコールタイプであることが好ましい。
【0078】
例えば、Three Bond Co,Ltd.のエポキシ樹脂系接着剤では、商品名:「2001」、「2002H」、「2003」、「2016B」、「2022」などが使用でき、上記エポキシ樹脂は、商品名:「2102B」、「2103」、「2104」、「2105F」、「2105C」、「2106」、「2131B」、「2131D」、「2131F」、「2163」などの硬化剤と所定の割合混合して使用する事ができる。
【0079】
(1−7配線部材)
本発明は別に配線方法を限定するものではなく、従来から周知のさまざまな配線材料や接続手段を使用できる。特に屋根板の裏面で配線する構造をとる場合、耐水性や耐候性についての条件が緩和されるため、安価な材料で構成された屋内配線材料を使用できる利点がある。なお、本形態のように配線材料の結線には全てコネクターを使用すれば、チェック時、容易に配線を取りはずせるため、容易にチェックすることが可能となるので好適である。
【0080】
2.屋根板の施工にかかわる部材
(2−1継ぎ手)
一方の屋根板の側端と、屋根の流れに対して垂直な方向に隣接する他の屋根板の側端は、図6に示されるように雨仕舞い構造のために継ぎ手水きり板B603と継ぎ手カバー板B601と抑え板B602からなっている。
【0081】
継ぎ手水きり板B603は、横板からの水を更に下の屋根板上に流す板であり、周知の様々な水切り板が知られている。
【0082】
抑え板B602は、横板を固定すると同時に継ぎ手水切り板B603と連結固定する止め具の台座であり、周知の継ぎ手では、水切り板と一体化されているものもある。
【0083】
継ぎ手カバーB601は、抑え板の止め具内に雨水の侵入を防ぐと同時に連結部の外観をとりつくろうための部材である。
【0084】
なお、本発明の太陽電池一体型屋根板では、屋根板と太陽電池が高分子充填材により絶縁されているため、特開昭59−152670号公報記載のように、特別に、継ぎ手用水きり板と継ぎ手カバー板に隣接する太陽電池同志を絶縁するための絶縁機構を持たせる必要がないため、通常の継ぎ手と同様な材料が使用できる。
【0085】
また、本発明では、継ぎ手水切り板B603の下に配線が通る空間を設けると共に、配線を引き出せる開口部を設けることで、施工後、継ぎ手カバーB601を取りはずすことで各太陽電池の出力を測定可能な構造を有している。
【0086】
(2−2吊り子)
吊り子は、屋根板を屋根の下地に固定する金具であり、従来から屋根板の形状に合わせて様々な形状のものが知られている。吊り子は実質的に耐風圧強度を支える部材であるため、その厚みは屋根板より厚く、機械的強度を有する鋼部材が一般的に使用される。
【0087】
尚、本形態では図3に示す様に、2爪を有する吊り子を使用しており、1つめの爪で下板を固定するほか、2つめの爪では上板を固定する。
【0088】
(2−3屋根下地材)
屋根下地材の材料としては屋根葺き材を固定するベースを与える材料であれば、なんでもいいが、特に好ましくは断熱性能を有する板であり、具体的には木材平板野地板、モルタル、木毛セメント板、合板、木片セメント板、インシュレーションボードがあげられる。
【0089】
屋根下地材の裏にはポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、グラスウール、ロックウール等の断熱材を有していてもよい。
【0090】
熱伝導率が0.2kcal/m,hr℃以下の断熱材を用いると、屋根板D103と屋根下地材D101の間の空気が暖められ、その結果太陽電池にアモルファスシリコン太陽電池を使用した場合にはアモルファスシリコン太陽電池の性能劣化の回復がおき、結果としてアモルファスシリコン太陽電池の性能を向上させることが出来るので、屋根下地材としては好適である。
【0091】
その他、垂木、アスファルトルーフィング他についても従来からの既知の材料が使用できる。
【0092】
次に本発明の実施形態を説明する。本発明は、ここで説明する特徴部分以外は上記参考形態や後述の参考例中の構成を適宜組み合わせて実施できる。本実施形態において用いる横葺き屋根板を図18に示す。H101は基材、H102は封止材、H103は太陽電池、H104は端子箱、H105は配線材、H106は緩衝部材を示している。本実施形態における特徴は、吊り子が二つの構成部材H202とH203から構成されることにあり、図19に示されるように、H202が屋根上板を係合すると共に雨仕舞いを行い、H203は下板を野地板側にH206を介して固定される構造を有することにある。
【0093】
更に詳しく説明すると、H202は図20に示されるように屋根板と同サイズの幅を有しており、H205は2つの部材を接合するブラインドリベットであるが、この穴には若干の遊びを設けているため、風による屋根H201を持ちあげる力は、H202から直接H203へ爪H207を通じて伝えられることになる。そのため、耐風圧強度に対しては、線方向に力を分散して受けるため、耐風圧強度を大幅に強化できる作用がある。
【0094】
また、本実施形態では、上記参考形態や、後述の参考例のように屋根板に直接開口部を設けて固定する必要がないため、金属屋根特有の熱膨張及び収縮を吸収する余裕が大きく、一枚の屋根板の幅方向の拡大が容易である。また、金属疲労等に対する耐性も大幅に改善するという特別な作用効果がある。
【0095】
なお、H106は施工後、太陽電池一体型屋根板が踏まれた際の屋根板の踏み潰れを防ぐ緩衝部材であり、該緩衝部材は、屋根板の長手方向と平行に配置される。そのため、屋根板をはぐる際には邪魔にならない。該部材には、ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等周知の緩衝部材の他、横葺き屋根の長尺方向に木材やプラスチック材等の梁をいれることも可能である。
【0096】
本実施形態の横葺き屋根の一例として、働き幅275mm,長さ1500mmの横葺き屋根板を用い、屋根基材には0.30mmのガルバリウム鋼板上に0.125mmのステンレス板に成膜された非晶質太陽電池を、層厚0.9mmの封止材で封止したものを使用したものが挙げられる。なお、封止材には、EVAとガラス不織布を接着層として最表面には12.5μmのTEFZELフィルムを配したもの等が使用できる。また係合開口部付近については、基材の複雑な加工に対応するためにガラス不織布を排除した他、封止材の厚みを0.45mm薄く設定する等が好ましい形態として挙げられる。
【0097】
【参考例】
(参考例1)
本参考例の特徴を表す屋根板の流れ方向の係合部を図11に示す。D101は基材、D102は封止材、D103は吊り子、D104はブラインドリベット、D105は釘、D106は野地板を示している。
【0098】
本参考例は、上記参考形態に示した横葺き屋根の上端係合開口部B107を内側に2重に折り返すことで機械強度をより強化したものであり、本参考例によれば、下端係合開口部とブラインドリベットD104の結合が強化される他、上端係合開口部の機械的強度を向上させる効果があるため、耐風圧強度が強化される効果がある。そのため、本参考例は特に基材D101が機械的強度に劣る部材、例えば銅や鉛及び亜鉛合金を使用するときに好適である。
【0099】
尚、本参考例における屋根板は、働き幅200mm、長さ1500mmであり、基材には0.8mmの銅板上に0.125mmのステンレス板に成膜された非晶質太陽電池を層厚0.9mmの封止材で封止したものを使用した。封止材にはEVAとガラス不織布を接着層として最表面に12.5μmのTEFZELフィルムを配した。また、係合開口部付近の封止材については加工性を考慮して、層厚0.45mmとし、ガラス不織布は含有していない。
【0100】
(参考例2)
本参考例における横葺き屋根板を図12に示す。E101は基材、E102は封止材、E103は太陽電池、E104は端子箱、E105は配線材を示している。本参考例における特徴は、屋根基材に非常に弾性に富む鋼板を使用したこと、係合開口部付近に封止材を設けないこと、係合開口部に嵌合する凸部と凹部を設けたことにある。
【0101】
以下にその作用を屋根の流れ方向の結合状態を示す図13を用いて説明する。
【0102】
上板と下板の結合は、施工時には爪E201を下板の上端係合開口部に差し込んだ後、凸部E202を凹部E203に差し込むことで行われる。凸部E202は凹部に差し込まれると内部でその弾性により広がり機械的強度が更に強化される作用がある。
【0103】
施工後は、ボルトやブラインドリベット等で固定されていないため、まず爪E201をドライバー等の引っかけ治具等ではずし、弾性を生かして嵌合部を引き出せば上板をはぐることが可能になる。そのため、メンテナンス作業が更に容易であるという優れた特性がある。
【0104】
また、凸部E202は外側からみれば窪みとなっているが、凸部E202及び凹部E203の下側には水抜き穴があけてあるため、雨などの侵入による屋根板の腐食は防がれる構造になっている他、下板の上端係合開口部外壁は図13のように上板の下端係合開口部に強く接する構造となっているため非常に雨仕舞いに優れた構造を有している。
【0105】
本参考例における屋根板は、働き幅200mm,長さ1500mmの横葺き屋根板であり、屋根基材には0.20mmの弾性鋼板上に0.125mmのステンレス板に成膜された非晶質太陽電池を、層厚0.9mmの封止材で封止したものを使用した。なお、封止材には、EVAとガラス不織布を接着層として最表面にはフッ素12.5μmのTEFZELフィルムを配した。係合開口部付近については、基材の複雑な加工に対応するためと弾性を維持させるために封止材を用いていない。
【0106】
(参考例3)
本参考例3における横葺き屋根板を図14に示している。F101は基材、F102は封止材、F103は太陽電池、F104は端子箱、F105は配線材を示している。本参考例における特徴は、参考例1と逆の方向に折り曲げることで吊り子を不要にしたことにあり、図15は、本屋根板の屋根の流れ方向の結合の状態を示している。
【0107】
F201はネジ止めするためのネジ受け部材であり、該部材は溶接や構造接着剤等の周知の方法で基材と接着が行われている。F202は釘、F203は野地板を示している。
【0108】
本参考例によれば、吊り子が不要になる他、吊り子が不要であるために、吊り子のない部分の隙間が形成されず、折り返した下板を上板との密着度を強化することに利用できるので、強力な雨仕舞いを実現できる利点がある。
【0109】
本参考例における屋根板は、働き幅200mm,長さ1500mmの横葺き屋根板であり、屋根基材には0.25mmのガルバリウム鋼板上に0.125mmのステンレス板に成膜された非晶質太陽電池を、層厚0.9mmの封止材で封止したものを使用した。なお、封止材には、EVAとガラス不織布を接着層として最表面には12.5μmのTEFZELフィルムを配した。上端係合開口部付近については、基材の複雑な加工に対応するためと弾性を維持させるために封止材を用いていない。
【0110】
(参考例4)
本参考例4における横葺き屋根板を図16に示す。G101は基材、G102は封止材、G103は太陽電池、G104は端子箱、G105は配線材、G107は緩衝部材を示している。本参考例における特徴は、上端係合開口部に設けられた大きな窪みG106にあり、この窪みは図17に示すように吊り子を差し込んで使用される。G201はシーラントであり、吊り子と屋根板の窪みを充填し雨の侵入を防ぐ働きをする。
【0111】
G202はドリルビスであり、上板と吊り子更に下板を貫通して固定される。本参考例においては、上板は、下板のみならず下板を固定する吊り子とも該止め具で固定されるため極めて強力な耐風圧強度を有している。
【0112】
G107は施工後、太陽電池一体型屋根板が踏まれた際の屋根板の踏み潰れを防ぐ、緩衝部材であり、該部材には、ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等周知の緩衝部材の他、横葺き屋根の長尺方向に木材やプラスチック材等の梁をいれることも可能である。
【0113】
本参考例における屋根板は、働き幅275mm,長さ1500mmの横葺き屋根板であり、屋根基材には0.30mmのガルバリウム鋼板上に0.125mmのステンレス板に成膜された非晶質太陽電池を、層厚0.9mmの封止材で封止したものを使用した。シーラントについては、接着性や電気絶縁性は必須でないが雨水の侵入を抑え、熱劣化等に強いシリコーンシーラントを使用した。
【0114】
なお、封止材には、EVAとガラス不織布を接着層として最表面には12.5μmのTEFZELフィルムを配した。上端係合開口部付近については、基材の複雑な加工に対応するために封止材を用いていない。
【0115】
【発明の効果】
本発明によれば、故障した太陽電池一体型屋根板だけを交換することが容易にできることから、太陽電池特有の保守管理に対応することができる効果がある。また、煩雑な配線作業から生じる施工地のミスの修正等を容易に修正することができる。また、従来と同様な耐風圧強度を維持できる上に横葺き屋根としてもメンテナンス性の向上が図れるため、保守点検作業の低コスト化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】横葺き屋根板の断面図。
【図2】横葺き屋根の施工方法の見取り図。
【図3】横葺き屋根の流れ方向の結合部の断面図。
【図4】太陽電池一体型横葺き屋根の裏面配線図。
【図5】太陽電池一体型横葺き屋根の裏面配線図。
【図6】継ぎ手の施工見取り図。
【図7】継ぎ手のA−B間の断面図。
【図8】継ぎ手のB−C間の断面図。
【図9】横葺き屋根の流れ方向の結合部の断面図。
【図10】太陽電池素子の説明図。
【図11】参考例1の横葺き屋根の流れ方向の結合部の断面図。
【図12】参考例2の横葺き屋根板の断面図。
【図13】参考例2の横葺き屋根の流れ方向の結合部の断面図。
【図14】参考例3の横葺き屋根板の断面図。
【図15】参考例3の横葺き屋根の流れ方向の結合部の断面図。
【図16】参考例4の横葺き屋根板の断面図。
【図17】参考例4の横葺き屋根の流れ方向の結合部の断面図。
【図18】本発明の一実施形態にて用いる横葺き屋根板の断面図。
【図19】本発明の横葺き屋根の流れ方向の結合部の断面図。
【図20】本発明横葺き屋根の結合部の斜視図。
【図21】従来からの横葺き屋根の流れ方向の結合状態の断面図。
【図22】従来からの横葺き屋根の施工見取り図。
Claims (11)
- 第一部材を、一の屋根板である上板の下端係合部に係合し、第二部材を、前記一の屋根板に隣接する他の屋根板である下板の上端係合部に係合し、前記第一部材と前記第二部材とを連結すること、
前記第一部材と前記第二部材とにより、吊り子が構成されること、
前記第一部材は、雨仕舞いを行うこと、
を少なくとも特徴とする横葺き屋根の施工方法。 - 前記連結を、ブラインドリベットを用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の横葺き屋根の施工方法。
- 前記第一部材が、屋根板とほぼ同じ幅を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の横葺き屋根の施工方法。
- 前記吊り子は、前記第一部材と前記第二部材とが遊びを設けて連結されており、該2つの部材間で伝えられる力を線方向に分散させる爪を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の横葺き屋根の施工方法。
- 前記屋根板は、太陽電池一体型屋根板であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の横葺き屋根の施工方法。
- 複数の屋根板と、第一部材と、第二部材とを有する横葺き屋根であって、
前記第一部材は、一の屋根板である上板の下端係合部に係合され、第二部材は、前記一の屋根板に隣接する他の屋根板である下板の上端係合部に係合され、前記第一部材と前記第二部材とは連結されていること、
前記第一部材と前記第二部材とにより、吊り子が構成されること、
前記第一部材は、雨仕舞いを行うこと、
を少なくとも特徴とする横葺き屋根。 - 前記連結が、ブラインドリベットによりなされていることを特徴とする請求項6に記載の横葺き屋根。
- 前記ブラインドリベットが露出していることを特徴とする請求項7に記載の横葺き屋根。
- 前記第一部材が、屋根板とほぼ同じ幅を有することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の横葺き屋根。
- 前記吊り子は、前記第一部材と前記第二部材とが遊びを設けて連結されており、該2つの部材間で伝えられる力を線方向に分散させる爪を有していることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の横葺き屋根。
- 前記屋根板は、太陽電池一体型屋根板であることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の横葺き屋根。
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