JPH11204819A - 太陽光発電装置 - Google Patents

太陽光発電装置

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JPH11204819A
JPH11204819A JP10001487A JP148798A JPH11204819A JP H11204819 A JPH11204819 A JP H11204819A JP 10001487 A JP10001487 A JP 10001487A JP 148798 A JP148798 A JP 148798A JP H11204819 A JPH11204819 A JP H11204819A
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JP
Japan
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roof
solar cell
ground
metal reinforcing
roofing material
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Pending
Application number
JP10001487A
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English (en)
Inventor
Seiki Itoyama
誠紀 糸山
Yoshitaka Nagao
▲吉▼孝 長尾
Tatsuo Fujisaki
達雄 藤▲崎▼
Fumitaka Toyomura
文隆 豊村
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B10/00Integration of renewable energy sources in buildings
    • Y02B10/10Photovoltaic [PV]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 系統電力回路に接続されているトランスレス
インバータを使用した太陽光発電装置の電気安全性を向
上する。 【解決手段】 金属製補強材を有する太陽電池付き屋根
材と、前記太陽電池に接続されたトランスレスインバー
ターを介して系統電力回路に接続されている太陽光発電
装置であって、前記金属製補強材がアース接続されてい
ることを特徴とする太陽光発電装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光発電装置に
関し、より詳しくは電気安全性に優れた太陽光発電装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より環境問題に対する意識の高まり
が、世界的に広がりを見せている。中でも、CO2排出
に伴う地球の温暖化現象に対する危惧感は深刻で、クリ
ーンなエネルギーへの希求はますます強まってきてい
る。太陽電池は現在のところ、その安全性と扱いやすさ
から、クリーンなエネルギー源として期待のもてるもの
だということができる。
【0003】近年では、太陽電池すなわち太陽光発電装
置の形態として様々なタイプが提案されてきている。そ
の中でも、より高い設置容易性、経済性、意匠性を重視
する観点から、既設屋根上に設置する方式から脱却し、
建材そのものに太陽電池を組み入れた、いわゆる建材一
体型太陽電池を用いた太陽光発電装置に関する技術開発
が行われている。
【0004】図14は屋根建材と一体になった屋根材を
使用した太陽光発電装置の概略図を示している。図14
において、1401は家屋上面に設けられ屋根材を載置
して屋根を構成するための屋根設置面、1402は前記
屋根設置面上に設けられ屋根材を保持するための屋根固
定部材、1403は一般屋根材、1404は太陽電池付
き屋根材、1405は屋根面の軒先納め部材、1406
は屋根面のケラバ納め部材、1407は屋根面の棟納め
部材である。
【0005】太陽電池付き屋根材1404は一般屋根材
1403と同様の形状に曲げ加工されており、一般屋根
材を保持するための屋根固定部材1402上に、一般屋
根材と同じように固定されている。そして屋根納め部
材、すなわち軒先納め部材1405、ケラバ納め部材1
406、棟納め部材1407がそれぞれの所定の位置に
配置され、一般的にはビスにより屋根設置面1401も
しくは屋根設置面の端部近傍に取り付けられる。
【0006】図15は一般屋根材と太陽電池付き屋根材
の固定状態を表す拡大図を示す。図15において150
1は光起電力素子(太陽電池)、1502は充填材、1
503は最表面被覆材、1504は絶縁フィルム、15
05は金属製補強材、1506は一般屋根材、1507
は屋根材を保持するための屋根固定部材、1508は屋
根固定部材を配置して固定し、屋根を構成するための野
地板、1509は屋根固定部材を野地板上に固定するた
めのビスである。
【0007】太陽電池付き屋根材1404は、金属製補
強材1505上に光起電力素子1501が構成されてお
り、光起電力素子を封止して上下の材料を接着するため
の充填材1502、光起電力素子1501と金属製補強
材1505との電気的絶縁性を保つために使用する絶縁
フィルム1504、そして光入射側の最表面被覆材15
03が図15のように構成されている。太陽電池付き屋
根材1404は一般屋根材1506と同じ形状になるよ
うに曲げ加工されている。そして屋根固定部材1507
が野地板1508上に、ビス1509により予め決めら
れた間隔で固定されており、そこへ太陽電池付き屋根材
1404および一般屋根材1506がはめ込み固定され
る。太陽電池付き屋根材および一般屋根材は屋根固定部
材1507上へはめ込み固定される時に、折り曲げ加工
部が弾性変形して屋根固定部材の曲げ部を乗り越えて図
15に示されているように収まることによって機械的に
固定されている。
【0008】上記のような太陽電池付き屋根材を用いた
太陽光発電装置において、上記の太陽電池同士は電気的
に直列に接続されて高電圧となされ、電力会社の系統電
力回路に接続されて系統連携システムを構築することが
一般的となっている。その場合に太陽電池で発電した直
流電力を交流電力に変換するとともに、系統電力回路の
電力波形に合致した交流電力として系統電力回路に流し
込ませるために、直交流電力変換装置(一般的にインバ
ーターと呼ぶ。以後インバーターと呼ぶ。)を備えてい
る。
【0009】インバーターには現在2種類あり、トラ
ンス内蔵インバーター、トランスレスインバーターが
ある。トランス内蔵インバーターは、内部に絶縁トラン
スを有しているために、太陽電池と系統電力回路との絶
縁が保たれており、電気安全性が極めて高く太陽光発電
装置の系統連携システムには好んで使用されている。一
方、近年注目されてきているトランスレスインバータは
絶縁トランスが不要であるということから、小型、軽
量、高変換効率、低発熱、低コストという利点があり、
特に個人用住宅向けの系統連携システムを行なう上で
は、非常に好適であると考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、トランスレ
スインバータを使用して太陽光発電装置の系統連携シス
テムを構築しようとすると、前記トランス内蔵インバー
ターのように太陽電池と系統電力回路との絶縁がとれな
いため、安全性が劣っていることが指摘されている。
【0011】図13は太陽光発電装置の系統連携システ
ムのブロック概略図である。図において1301は太陽
電池付き屋根材、1302は接続箱、1303はトラン
スレスインバータ、1304は配電盤、1305は積算
電力計、1306は系統電力回路、1307はアース
線、1308は家庭内の電気機器である。
【0012】系統連携システムについて簡単に説明する
と、太陽電池で発電した電力は接続箱1302にまとめ
られ、トランスレスインバータ1303によって直交流
変換し、配電盤1304を介して家庭内の電気機器13
08に送られる。ここで発電量が多く余った電力があれ
ば、系統電力回路1306に送電し電力会社に電力を買
ってもらうことができる。逆に発電量が少ない、あるい
は家庭内の電気機器1308の消費電力が多い場合は、
不足分を系統電力回路1306から補って電力会社から
購入することができるというものである。
【0013】図のようにトランスレスインバータ130
3は、太陽電池付き屋根材1301の光起電力素子と系
統電力回路1306とを絶縁することなく接続すること
で、直交流変換している。
【0014】トランスレスインバータを使用した系統連
携システムの場合、図15においては、1505の金属
製補強材が外殻導体部であり、1501の光起電力素子
がトランスレスインバータにより系統電力回路と絶縁さ
れることなく接続されることになる。図15中の150
4の絶縁フィルムは、光起電力素子1501と金属性補
強材1505とを電気的に絶縁するために使用している
が、万が一のトラブルにより絶縁性が低下して光起電力
素子1501より漏れ電流が発生した場合、外殻導体部
すなわち金属性補強材1505に対地電圧が発生するた
め、電気安全面を考慮するとを金属性補強材1505を
アース接続することが従来に増して重要になってくる。
【0015】本発明者は、太陽電池、特に屋根材と一体
になった屋根建材一体型太陽電池の開発をすすめてお
り、その中でトランスレスインバータを使用した太陽光
発電装置の電気的安全性を高めるためにいろいろな検討
をおこなった。
【0016】その結果、以下のようなことが実験の結果
わかった。 (1)太陽電池付き屋根材においては、施工時、および
施工後に作業者が屋根材を踏みつけたり、あるいは屋根
上へ屋根材を運ぶ時に軒先やケラバ部の突起物に屋根材
を打ち付けたり、また作業をおこなう上で野地板上に工
具類を置いているが、その工具類に屋根材を打ち付けた
りする場合がある。その場合、屋根材は局部的に変形
し、その変形部の材料は応力を受けたままになるため、
屋外設置環境において材料劣化が進行することが懸念さ
れる。金属製補強材と光起電力素子とを絶縁している絶
縁フィルムが材料劣化した場合は、漏れ電流により金属
製補強材の対地電圧が発生してしまう可能性がある。こ
のようにトランスレスインバータを使用した太陽光発電
装置の場合、トランス内蔵インバーターを使用した太陽
光発電装置ほどの電気的安全性が得られない。 (2)太陽電池付き屋根材を折り曲げ加工した場合、屋
根材の働き幅に対する太陽電池の有効幅を大きくとるた
めに、絶縁フィルム端部は折り曲げ加工部近傍に位置す
ることになる。加工条件が振れた場合には、絶縁フィル
ムが曲げ部に存在してしまう可能性がある。その場合、
上記(1)と同じ理由で、金属製補強材の対地電圧が発
生してしまう可能性があり、トランスレスインバータを
使用した太陽光発電装置の場合、トランス内蔵インバー
ターを使用した太陽光発電装置ほどの電気的安全性が得
られない。 (3)また、太陽電池付き屋根材を光発電域において折
り曲げ加工する場合においては、施工時に作業者が屋根
材に乗って作業をする時に、局部的に作業者の荷重がか
かってしまい、その荷重がかかった部分での太陽電池付
き屋根材を構成する材料は、強いストレスの履歴を受け
ることになる。従って、上記(1)と同じ理由でトラン
スレスインバータを使用した太陽光発電装置では、光発
電域において折り曲げ加工する太陽電池付き屋根材を使
用する時は、従来より施工時に注意を要することがわか
った。
【0017】本発明はこれらについての安全性の向上策
を提言するものであり、トランス内蔵インバーターを使
用した太陽光発電装置以上の安全性を、トランスレスイ
ンバータを使用した太陽光発電装置において確保するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意研究開発を重ねた結果、次のような太
陽光発電装置が最良であることを見いだした。すなわち
本発明は、 金属製補強材を有する太陽電池付き屋根材と、前記太
陽電池に接続されたトランスレスインバーターを介して
系統電力回路に接続されている太陽光発電装置であっ
て、前記金属製補強材がアース接続されていることを特
徴とする太陽光発電装置である。 主に本発明は、折り曲げ加工されている太陽電池付き
屋根材を使用する場合において有効である。 さらに本発明は、光発電域において折り曲げ加工され
ている太陽電池付き屋根材を使用する場合においても有
効である。かかる構成により、太陽電池付き屋根材の設
置形態をほとんど変更することなく、比較的簡単に金属
製補強材をアース接続することができて、トランスレス
インバータを使用した系統電力回路に接続された太陽光
発電装置の電気安全性を向上することができる。
【0019】また、本発明においては上記安全性の確保
を実現できる具体的なアース接続方法をも提言するもの
である。具体的には 前記太陽光発電装置は、アース部材が前記金属製補強
材と電気的導通をとることにより前記金属製補強材がア
ース接続されていることを特徴とするものである。 前記太陽光発電装置は、前記太陽電池付き屋根材が吊
子部材により屋根面上に固定されると同時に、前記吊子
部材をビス部材が貫通して前記金属製補強材を押し付け
ることで、前記金属製補強材と前記吊子部材とが電気的
導通をとることにより、前記金属製補強材がアース接続
されていることを特徴とするものである。 前記太陽光発電装置は、前記太陽電池付き屋根材がビ
ス貫通止めすることにより屋根面に固定されると同時
に、前記金属製補強材が前記ビス貫通により電気的導通
をとってアース接続されていることを特徴とするもので
ある。 前記太陽光発電装置は、前記金属製補強材表面にアー
ス片が溶接されており、前記アース片を介して電気的導
通をとることにより前記金属製補強材がアース接続され
ていることを特徴とするものである。 前記太陽光発電装置は、前記太陽電池付き屋根材が吊
子部材により屋根面上に固定されると同時に、前記吊子
部材は爪部を有しており、前記爪部が前記金属製補強材
を押し付けることで、前記金属製補強材と前記吊子部材
が電気的導通をとることにより、前記金属製補強材がア
ース接続されていることを特徴とするものである。以上
の方法により、施工性の高いアース接続が実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の太陽光発電装置の
概略図である。図において、101は野地板、102は
屋根固定部材、103は一般屋根材、104は太陽電池
付き屋根材、105はアース接続に使用する鋼帯、10
6はアース線、107はアース線と鋼帯との固定点、1
08は屋根固定部材と鋼帯との固定点である。
【0021】図2は図1の太陽電池付き屋根材の外殻導
体部(金属製補強材)をアース接続する部分を説明する
ための概略図である。図において、201は光起電力素
子(太陽電池)、202は充填材、203は最表面被覆
材、204は絶縁フィルム、205は金属性補強材、2
06は一般屋根材、207は屋根固定部材、208は野
地板、209は屋根固定部材を野地板上へ固定するビ
ス、210は太陽電池付き屋根材の外殻導体部をアース
接続するために使用するアース部材である。
【0022】屋根の下地部の作製について説明する。屋
根の下地面、すなわち野地板101上の棟側に鋼帯10
5を配置し固定する。次にこの上から屋根固定部材10
2を配置して固定するが、屋根固定部材のピッチは、後
工程で屋根材をはめ込み固定できるようにしておいた。
また、棟側に配置した鋼帯105上で、屋根固定部材/
鋼帯の双方を貫くようにしてビスで固定することによ
り、野地板上に固定すると同時に、屋根固定部材/鋼帯
の電気的導通をとっている。(屋根固定部材と鋼帯との
固定点108)
【0023】屋根材の金属製補強材が電気的導通をとる
部分について説明する。
【0024】太陽電池付き屋根材の金属性補強材205
はアース部材210により屋根固定部材207と電気的
に接続される。この時のアース部材210は金属製で太
陽電池付き屋根材と接触する側は尖った形状を有してお
り、かつ図2のような断面形状をであるためにばね性を
有している。そして太陽電池付き屋根材104が上方よ
りはめ込み固定されるときに、アース部材210は自ら
収縮して太陽電池付き屋根材の裏面を傷つけることによ
って、太陽電池付き屋根材の金属製補強材205と電気
的導通をとることができる。また、アース部材は屋根固
定部材207とは電気的導通をとった形で固定されてい
る。以上の構成により太陽電池付き屋根材の金属性補強
材205はアース部材210により屋根固定部材207
と電気的に接続されることになる。
【0025】図6はアース部材210が太陽電池付き屋
根材の発電域で金属製補強材205に接触している例を
示している。図において211はアース部材が接触して
いる部分である。アース部材が接触している部分211
は、長期的な屋外設置で応力を受け続けることになり、
また風の影響で屋根材が振動した時により強く応力を受
けるため、太陽電池付き屋根材を構成している金属製補
強材205、絶縁フィルム204、充填材205が応力
の影響をうけて変形する恐れがある。この変形がさらに
進行すると各材料間での剥離が発生し、この剥離部分に
水分が浸入してしまう恐れがある。そして最終的には、
その水分が光起電力素子すなわち太陽電池201にまで
及んで出力性能に影響を与えてしまうことが懸念され
る。
【0026】従って、アース部材が接触するエリアは、
太陽電池の無いところ、すなわち非発電域であることが
好ましい。
【0027】最後にアース線106の端を鋼帯105に
電気的に接続して固定し、そしてアース線の反対側の端
をアース接続することにより、太陽光発電装置のアース
接続は完了する。
【0028】図1の屋根固定部材と鋼帯との固定点10
8、およびアース線と鋼帯との固定点107は、それぞ
れを固定するだけでなく、同時に電気的導通もとってい
る。電気的導通の流れとしては、金属製補強材205〜
アース部材210〜屋根固定部材102〜屋根固定部材
と鋼帯との固定点108〜鋼帯105〜アース線と鋼帯
との固定点107〜アース線106〜アースの流れで電
気的導通が取れていることになる。
【0029】次に、本発明の太陽光発電装置を構成して
いる各材料について説明する。
【0030】〔野地板〕家屋上面に設けられ屋根材を載
置して屋根を構成するための屋根材設置面である。屋根
材を葺く下地となる面に使用されている。一般的には耐
水合板を使用する。また、屋根下地面の屋根面を均一に
したり、あるいは釘打ち貫通部での防水性を向上するた
めに、ルーフィング材をこの野地板上に貼り合わせ構成
する場合が多い。
【0031】一般屋根材は、野地板上に固定されること
になるが、固定方法はその屋根の形状、種類によって様
々である。本実施態様例では屋根固定部材を野地板上に
固定して、その後に屋根材を屋根固定部材上へ固定する
方法を示しているが、他には、例えば屋根材を直接、野
地板上へビス打ち固定したり、あるいは屋根材に吊子を
組み合わせて吊子を野地板上へ固定することにより屋根
材を野地板上へ固定する等の方法が可能である。
【0032】〔屋根固定部材〕屋根材を野地板上へ固定
するために使用する。また場合によっては、固定された
太陽電池付き屋根材の金属製補強材をアース接続するた
めの電気的導通路を形成するために使用する。材質とし
ては、金属製でかつ表面は防錆防腐処理がなされている
ことが好ましい。一般的には亜鉛メッキ鋼板を使用す
る。
【0033】本実施態様例では屋根固定部材は曲げ加工
されており、屋根材の曲げ加工部と組み合わさることに
より屋根材を機械的に固定(保持)しているが、特に曲
げ形状は問わない。違う形状の例として、断面がH状の
鋼材である屋根固定部材上に、折り曲げ加工がなされて
いない屋根材を配置して、屋根固体部材と屋根材の重な
り合わさり部をビス打ちすることにより固定する等が可
能である。
【0034】また、必ずしも使用するわけではなく、例
えば野地板上に屋根材を直接固定する場合においては不
要である。
【0035】〔一般屋根材〕太陽電池を有していない屋
根材のことである。一般的には同一屋根面を構成する屋
根材は同形状を有しているため、太陽電池付き屋根材と
同形状、同寸法に曲げ加工されている。もちろん太陽電
池付き屋根材と違う寸法、形状であってもかまわない。
また曲げ加工されていない屋根材を使用することも可能
である。
【0036】〔鋼帯〕太陽電池付き屋根材の金属製補強
材をアース接続するための電気的導通路を形成するため
に、屋根材設置面上に固定して使用する。材質として
は、金属製でかつ表面は防錆防腐処理がなされているこ
とが好ましい。一般的には亜鉛メッキ鋼板を使用する。
【0037】本実施態様例では屋根の流れ方向に固定さ
れている屋根固定部材との交点で、それぞれの屋根固定
部材と電気的導通をとった形で野地板上に固定されてい
る。このように屋根面に葺かれている太陽電池付き屋根
材の金属製補強材すべてと電気的導通をとって、かつア
ース線と電気的に接続することにより、太陽電池付き屋
根材の金属製補強材をアース接続するための電気的導通
路を形成している。
【0038】また、鋼帯を使用しなくても太陽電池付き
屋根材の金属製補強材をアース接続できる場合は必要と
しない。
【0039】〔アース線〕太陽電池付き屋根材の金属製
補強材をアース接続するための電気的導通路を形成する
ために屋根材設置面(野地板面)からの接地、あるいは
屋根材設置面(野地板面)からアース接続されている構
造建材物と電気的接続する部分に使用する。
【0040】一般的には絶縁被覆電線を使用し、絶縁被
覆部及び導体部はアース線として使用する環境、例えば
屋根裏環境等に十分に耐えうるものであればよい。例え
ば塩ビ被覆絶縁電線を使用できる。屋根設置面での接続
は、絶縁被覆を取り除いた内部導体部に圧着端子を取り
付けて、その圧着端子をビス固定することにより行な
う。
【0041】また、アース線を使用しなくても太陽電池
付き屋根材の金属製補強材をアース接続できる場合は必
要としない。
【0042】〔アース部材〕本実施態様例においては、
太陽電池付き屋根材を構成する金属製補強材を屋根固定
部材上へ電気的に接続する目的で使用する。
【0043】図3はアース部材の一つの例を示してい
る。図において301はアース部材本体、302アース
部材固定用の穴、303はアース部材の先端押し付け部
である。
【0044】太陽電池付き屋根材の裏面側の金属製補強
材表面に接触する部分303は、図3のように先端が尖
っていることが好ましい。こうすることによりアース部
材の先端303が太陽電池付き屋根材の金属製補強材に
比較的簡単に食込むことができ、金属製補強材とアース
部材との電気的導通性が確実なものとなる。
【0045】一般的に、太陽電池付き屋根材の金属製補
強材は耐候性を向上するために表面にコーティングされ
ており、また場合によっては耐摩耗性を向上するため
に、コーティング材中に微細なガラス繊維が混入されて
いるものがある。この場合、ただ単にアース部材が接触
するだけでは金属製補強材とアース部材との電気的導通
をとるのは難しいため、アース部材は先端押し付け部3
03を有している。
【0046】また、アース部材の材質としては、金属製
であれば使用できるが、好適にはステンレス材、さらに
好適にはばね性ステンレス材を用いる。ステンレス材を
使用することにより、電気的接続部での腐食の影響をよ
り少なくすることができる。そしてばね性材料を使用す
ることにより、アース部材の弾性域が広くなり、太陽電
池付き屋根材をはめ込んだときにアース部材が収縮し
て、弾性域内で太陽電池付き屋根材の金属製補強材に接
触できる。
【0047】アース部材の固定は、図3の固定用の穴3
03を介して、図2のように屋根固定部材上へビス/ナ
ット止めしているが、これに限られたものではない。他
の固定方法としては、固定用の穴303および屋根固定
部材のアース部材固定用の穴はない状態でで、ドリルビ
スでアース部材と屋根固定部材を貫通して固定したり、
あるいは釘打ちして固定したり、溶接する等して固定す
ることができる。また固定すると同時にアース部材と屋
根固定部材とは電気的に導通する必要があるため、ビス
/ナット止めする場合には例えば歯付き座金を介在させ
ることによって電気的導通をより確実なものとすること
が出来る。
【0048】図3に形状としての一つ例を示している
が、もちろんこれに限られたものではない。
【0049】また、本実施態様例では、アース部材を使
用して太陽電池付き屋根材の金属製補強材のアース接続
をおこなったが、屋根材形状が変わればアース部材を使
用しなくても金属製補強材をアース接続できる場合があ
るため、アース部材は必ずしも必要であるわけではな
い。
【0050】次に、太陽電池付き屋根材について説明す
る。
【0051】図4は太陽電池付き屋根材の概略図を示し
ており、図4(a)は一体成形後の太陽電池付き屋根
材、図4(b)は折り曲げ加工後の太陽電池付き屋根材
を表している。図において401は光起電力素子(太陽
電池)、402は充填材、403は最表面被覆材、40
4は絶縁フィルム、405は金属製補強材である。
【0052】まず一体成形方法は、図4(a)のように
金属製補強材405の上に接着層として充填材402、
次に絶縁フィルム404、そして接着層かつ光起電力素
子401を充填する充填材402、光起電力素子40
1、そして充填材402、最表面被覆材403の順に積
層して、真空引き、加熱して太陽電池付き屋根材を一体
成型処理する。
【0053】次に、太陽電池付き屋根材を折り曲げ加工
して太陽電池付き屋根材を一般屋根材と同様の形状に仕
上げる。図4(b)は折り曲げ加工後の太陽電池付き屋
根材の概略図をあらわしている。
【0054】次に、本発明の太陽電池付き屋根材を構成
する各材料について説明する。
【0055】〔光起電力素子〕本発明に於ける光起電力
素子は、特に限定はないが、好ましくは、可とう性を有
する光起電力素子である。例えば導電性基体上に、光変
換部材としての半導体光活性層が形成されたものがあ
る。その一例としての概略構成図を図5に示すが、この
図に於いて501は導電性基体、502は金属電極層、
503は半導体光活性層、504は透明導電層、505
は集電電極である。
【0056】導電性基体501は光起電力素子の基体に
なると同時に、下部電極の役割も果たす。材料として
は、シリコン、タンタル、モリブデン、タングステン、
ステンレス、アルミニウム、銅、チタン、カーボンシー
ト、鉛メッキ鋼板、導電層が形成してある樹脂フィルム
やセラミックスなどがある。上記導電性基体501上に
は金属電極層502として、金属層、あるいは金属酸化
物層、あるいは金属層と金属酸化物層を形成しても良
い。金属層には、例えば、Ti,Cr,Mo,W,A
l,Ag,Ni,などが用いられ、金属酸化物層には、
例えば、ZnO,TiO2,SnO2などが用いられる。
上記金属層及び金属酸化物層の形成方法としては、抵抗
加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法など
がある。
【0057】半導体光活性層503は光電変換を行う部
分で、具体的な材料としては、pn接合型多結晶シリコ
ン、pin接合型非結晶シリコン、あるいはCuInS
2,CuInS2,GaAs,CdS/Cu2S,Cd
S/CdTe,CdS/InP,CdTe/Cu2Te
をはじめとする化合物半導体などが挙げられる。上記半
導体光活性層の形成方法としては、多結晶シリコンの場
合は溶融シリコンのシート化か非結晶シリコンの熱処
理、非結晶シリコンの場合はシランガスなどを原料とす
るプラズマCVD、化合物半導体の場合はイオンプレー
ティング、イオンビームデポジション、真空蒸着法、ス
パッタ法、電析法などがある。
【0058】透明導電層504は光起電力素子の上部電
極の役目を果たしている。用いる材料としては、例え
ば、In23,SnO2,In23−SnO2(IT
O),ZnO,TiO2,Cd2SnO4,高濃度不純物
ドープした結晶性半導体層などがある。形成方法として
は抵抗加熱蒸着、スパッタ法、スプレー法、CVD法、
不純物拡散法などがある。
【0059】透明導電層504の上には電流を効率よく
集電するために、格子状の集電電極505(グリッド)
を設けてもよい。集電電極505の具体的な材料として
は、例えば、Ti,Cr,Mo,W,Al,Ag,N
i,Cu,Sn、あるいは銀ペーストをはじめとする導
電性ペーストなどが挙げられる。集電電極205の形成
方法としては、マスクパターンを用いたスパッタリン
グ、抵抗加熱、CVD法や、全面に金属膜を蒸着した後
で不必要な部分をエッチングで取り除きパターニングす
る方法、光CVDにより直接集電電極パターンを形成す
る方法、集電電極パターンのネガパターンのマスクを形
成した後にメッキする方法、導電性ペーストを印刷する
方法などがある。導電性ペーストは、通常微粉末状の
銀、金、銅、ニッケル、カーボンなどをバインダーポリ
マーに分散させたものが用いられる。バインダーポリマ
ーとしては、例えば、ポリエステル、エポキシ、アクリ
ル、アルキド、ポリビニルアセテート、ゴム、ウレタ
ン、フェノールなどの樹脂が挙げられる。
【0060】一般的に太陽電池付き屋根材を設置する場
合、作業性の面から軽量であることが望まれている。ま
た建材一体型や建物の外壁等へ設置するタイプの太陽電
池モジュールのニーズが高まってきており、太陽電池モ
ジュールを曲げ加工するあるいは曲面へ設置するために
フレキシブルにすることが求められてきている。これら
に対してステンレス基板上に形成された非結晶シリコン
の光起電力素子は非常に適している。それは、光起電力
素子自体をかなり薄くすることができ、基板を含めて0.
1mm程度の厚みまで薄くすることができるため、光起電
力素子を封止するための充填材の量を少なくすることが
できるからである。その結果、太陽電池付き屋根材の軽
量化が図れ、厚みを減らすことができる。厚みを減らす
ことができれば、太陽電池付き屋根材を折り曲げた時
の、表面被覆材に対する応力を少なくすることができ
る。引っ張りに対しては被覆材の亀裂を抑制し、収縮に
対しては被覆材のよりを抑制することができる。またス
テンレス基板上に形成されているので可曲性があるた
め、太陽電池付き屋根材に必要以上の剛性を要求しない
ため、屋根材の厚みを減らすことができる。結果的にフ
レキシブルで折り曲げ加工に適しており、そして軽量化
を図ることができる。
【0061】よって光起電力素子は、ステンレス基板上
に形成された非結晶シリコン系光起電力素子が最適であ
ることがわかる。
【0062】〔最表面被覆材〕最表面被覆材に要求され
る特性としては透光性、耐候性があり、汚れが付着しに
くいことが要求される。材料としてガラスを使用した場
合、充填材が厚くなければ充填不良が起きるという問題
がある。またガラスを使用した場合、重量が大きくなる
だけでなく外部からの衝撃により割れやすいという問題
も考えられる。また太陽電池付き屋根材は一般屋根材と
同様の屋根材であり、太陽電池付き屋根材自身を折り曲
げ加工することになるため、最表面被覆材はフレキシブ
ルな材料である必要がある。
【0063】以上の理由より最表面被覆材には耐候性透
明フィルムが好意的に用いられる。耐候性透明フィルム
を使用することにより、充填性が良くなり、軽量化が図
れ、衝撃により割れない上に、折り曲げ加工することで
屋根材として使用することができる。さらにはフィルム
表面にエンボス処理を施すことで、太陽光の表面反射が
眩しくないという効果も生まれる。
【0064】材料としては、ポリエチレンテトラフルオ
ロエチレン(ETFE)、ポリ3フッ化エチレン、ポリ
フッ化ビニルなどのフッ素樹脂フィルムなどをもちいる
ことができるがこれに限られたものではない。充填剤と
の接着面には、充填剤が接着しやすいようにコロナ放電
処理などの表面処理を施すこともできる。
【0065】〔充填材〕本発明で充填材は、光起電力素
子を封止し金属製補強材上に光起電力素子を接着し固定
する目的で使用する。
【0066】充填材に要求される特性としては、熱可塑
性、耐候性、熱接着性、光透過性が挙げられる。材料と
しては、EVA(酢酸ビニル−エチレン共重合体)、ブ
チラ−ル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、EEA(エ
チレンエチルアクリレート)、EMA(エチレンメチル
アクリレート)、EBA(エチレンブチルアクリレー
ト)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂PVA(ポリビニル
アルコール)などの透明な樹脂を使用することができる
がこれに限られたものではない。また光劣化を抑制する
ために、紫外線吸収剤が含有されていることが望まし
い。
【0067】〔絶縁フィルム〕光起電力素子と金属製補
強材との間の電気的絶縁性を保つために使用する。充填
材だけでも絶縁性を有しているが厚さにばらつきがある
ため、充填材の薄い部分あるいはピンホール部分におい
ては、光起電力素子と金属製補強材との間でショートが
発生する恐れがある。絶縁フィルムはそれを防止するた
めに使用する。材料としては十分な電気的絶縁性を確保
でき、しかも長期的耐久性に優れ、熱膨張、熱収縮に耐
えられる柔軟性を兼ね備えた材料が好ましい。好適に用
いられる材料としてはナイロン、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)等がある。
【0068】〔金属製補強材〕太陽電池付き屋根材の最
裏面側の被覆材、あるいは太陽電池の補強材として機能
する。材質は例えば、アルミニウム板、ステンレス板等
の他に亜鉛メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板などのメッキ
鋼板を使用できるがこれに限られたものではない。太陽
電池付き屋根材では、この導電性補強材を折り曲げ加工
することにより太陽電池モジュ-ルを一般の金属屋根材
と同様に扱うことができる。
【0069】〔曲げ加工〕特に限定はないが、曲げ加工
としては例えばローラーフォーミングやプレス、ベンダ
ー曲げを行なうことができる。従来の一般屋根材が加工
されている機械をそのまま使用することができる。
【0070】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。
【0071】(実施例1)まず、非結晶シリコン(a−S
i)系光起電力素子を製作した。この作製手順を図5を
用いて説明する。
【0072】図5において501は導電性基体であるス
テンレス基板、502は金属電極層、503は半導体光
活性層、504は透明導電層、505は集電電極であ
る。洗浄したステンレス基板501上に、スパッタ法で
裏面金属電極層502としてAl層(膜厚5000Å)
とZnO層(膜厚5000Å)を順次形成する。つい
で、プラズマCVD法により、SiH4とPH3とH2
混合ガスからn型a−Si層を、SiH4とH2の混合ガ
スからi型a−Si層を、SiH4とBF3とH2の混合
ガスからp型微結晶μc−Si層を形成し、n層膜厚1
50Å/i層膜厚4000Å/p層膜厚100Å/n層
膜厚100Å/i層膜厚800Å/p層膜厚100Åの
層構成のタンデム型a−Si系光電変換半導体層503
を形成した。次に、透明導電層504として、In23
薄膜(膜厚700Å)を、O2雰囲気下でInを抵抗加
熱法で蒸着する事によって形成した。
【0073】この上に、集電電極505を、銀ペースト
をスクリーン印刷機によりパターン印刷し、乾燥をおこ
なうことにより形成した。
【0074】次に、上記作製済の光起電力素子を一体成
形処理し、その後折り曲げ加工する工程を図4を用いて
説明する。
【0075】図4は実施例1の太陽電池付き屋根材の一
体成形処理〜折り曲げ加工までの作製工程を説明するた
めの概略図である。図4(a)は一体成形後の太陽電池
付き屋根材の概略断面図、図4(b)は折り曲げ加工後
の太陽電池付き屋根材の概略断面図を表している。(図
中の各々の符号の名称については実施態様例で説明済)
【0076】まず一体成形処理するために太陽電池付き
屋根材を形成する材料を積層した。金属製補強材40
5、充填材402、絶縁フィルム404、充填材40
2、光起電力素子401、充填材402、最表面被覆材
403の順に積層をおこなった。金属製補強材405は
ガルバリウム鋼板(日新製鋼製、商品名: ガルバスタ
ー、0.4mm厚)、充填材402はEVA(エチレン−酢
酸ビニル共重合ポリマ−耐候性グレ−ド、ブリジストン
社製、460μm)、絶縁フィルム404はPET(ル
ミラーS50、東レ製)、最表面被覆材403はフッ素
樹脂フィルム(エチレンテトラフルオロエチレン、50
μm厚、ダイキン社製、商品名:ネオフロンEF−00
50SB1)を使用した。
【0077】次に、上記のようにして積層した材料を真
空引きした状態で160℃に加熱し、充填材402に熱
を加えて架橋させて一体成形処理した。その後冷却し、
一体成形後の太陽電池付き屋根材を作製した。
【0078】そして、一体成形された太陽電池付き屋根
材をローラーフォーマーを使用して折り曲げ加工し、図
4(b)のような折り曲げ加工後の太陽電池付き屋根材
を仕上げた。この曲げ部の形状は後工程で屋根固定部材
と組み合わさるようにした。また、後工程でアース部材
の接触する部分(アース接続部)が非発電域になるよう
にして曲げ加工をおこなった。
【0079】図2は実施例1の太陽電池付き屋根材の金
属製補強材がアース接続されているところを説明するた
めの拡大図である。(図中の各々の名称については実施
態様例で説明済)図においてAは光起電力素子端部から
折り曲げ部までの距離、Bはアース部材が接触する部分
と太陽電池付き屋根材の折り曲げ部までの距離を表して
いる。
【0080】上記の太陽電池付き屋根材の折り曲げ加工
の説明で、アース部材の接触する部分(アース接続部)
が非発電域になるようにして曲げ加工をおこなったとい
うのは、図2においてA>Bとなるようにしたことを意
味する。
【0081】次に屋根材の下地側の作製について説明す
る。
【0082】図1は実施例1の太陽光発電装置の概略図
を表している。(図中の各々の名称については実施態様
例で説明済)
【0083】まず、野地板101が葺かれている屋根面
の棟側にドリルビス(ユニクロメッキ)を使用して鋼帯
105を固定した。鋼帯は亜鉛メッキ鋼板(厚さ0.5
mm、幅100mm、めつけ量190g/m2)を使用
した。鋼帯の長さは、後工程で屋根面に固定する屋根固
定部材すべてに鋼帯が交差するようにした。次に屋根材
設置面である野地板101上に屋根固定部材102をド
リルビス(ユニクロメッキ)により固定した。屋根固定
部材は亜鉛メッキ鋼板(厚さ1.6mm、めつけ量30
0g/m2)を使用した。このとき屋根固定部材の曲げ
形状は屋根材が組み合わさるものとし、固定ピッチは屋
根材がはめ込み固定できるようにした。また、屋根固定
部材と鋼帯との交点108はドリルビス(ユニクロメッ
キ)により双方を貫通するようにして野地板上に固定し
た。
【0084】次に、図3のようなアース部材を作製し
た。
【0085】図3は実施例1で使用するアース部材の概
略図である。(図中の各々の名称については実施態様例
で説明済)アース部材はステンレス材(SUS304C
SP、0.6mm厚さ)を使用して図3の形状になるよ
うに加工した。このアース部材を屋根固定部材一本につ
き1個取り付け、すべての太陽電池付き屋根材にアース
部材が接触できるようにした。また、アース部材の先端
押し付け部303の高さは、屋根固定部材の高さよりも
高くなるようにし、アース部材は屋根材がはめ込み固定
される時に自らが収縮しながら太陽電池付き屋根材の金
属製補強材に接触できるようにした。
【0086】そして上記で作製した折り曲げ加工済の太
陽電池付き屋根材を屋根固定部材上にはめ込み固定し
た。
【0087】次に棟部に固定した鋼帯の端部において、
アース線106(塩ビ絶縁被覆電線、5.5sq)と鋼
帯105とを電気的に接続した。(図1の107)この
接続部においてはアース線の端部の絶縁被覆を取り除い
た内部導体部に圧着端子を取り付けて、その圧着端子を
ドリルビスにより鋼帯上に貫通固定することによりおこ
なった。アース線の反対側の端は地中に打ち込まれた金
属棒に電気的に接続することにより接地した。
【0088】その後、屋根の納め部材として、棟納め部
材、軒先納め部材、ケラバ納め部材(不図示)を所定の
位置に固定することにより屋根部の納めをおこなった。
【0089】最後に、上記のようにして作製した太陽電
池付き屋根材の出力ケーブルは、各々の屋根材を直列接
続した後屋内に引き込まれ、トランスレスインバータを
介することにより系統電力回路と接続した。(図13参
照)
【0090】このように、トランスレスインバータを用
いた太陽光発電装置において、太陽電池付き屋根材の金
属製補強材をアース接続することにより、アース接続を
確実なものとし、太陽光発電装置の電気安全性を向上す
ることができる。また、予めアース部材の接触する部分
が非発電域になるように太陽電池付き屋根材の曲げ加工
をしておくことにより、アース接続部の太陽電池付き屋
根材の構成材料が劣化することによる太陽電池の性能低
下の弊害を抑制することができる。さらに、前準備とし
て屋根面への鋼帯の貼り付け固定とアース部材の加工、
屋根固定部材への固定をしておくことで、施工性の良い
確実なアース接続作業をおこなうことができる。
【0091】(実施例2)図7は本発明の実施例2の太陽
電池付き屋根材の金属製補強材をアース接続するところ
を説明するための概略図であり、図7(a)は全体概略
図、図7(b)は金属製補強材をアース接続するところ
を説明するための拡大図である。図において、701は
野地板、702は一般屋根材、703は太陽電池付き屋
根材、704は棟に平行な鋼帯、705は吊子、706
はアース線、707は鋼帯/鋼帯の固定部、708は鋼
帯/アース線の固定部、709はアース接続用の押し付
けビス、710は吊子固定用のビス、711は太陽電池
(光起電力素子)、712は屋根面の流れに平行な鋼帯
である。
【0092】実施例1と違うところは、屋根材が横葺き
タイプであり、屋根材の固定が吊子により固定している
ため、アース接続方法が違うところである。実施例1と
同様にして一体成形処理した太陽電池付き屋根材を、実
施例1とは違う折り曲げ機で加工して、断面が図7
(b)のような形状とした。屋根材の軒先側と棟側の曲
げ加工部の形状は、互いに組み合わさるようにした。
【0093】屋根材の下地側の作製は、まず屋根面の棟
側に棟と平行になるように鋼帯704を配置した。その
後屋根面の流れに平行な鋼帯712を配置した。棟と平
行な鋼帯704の長さは、流れ方向の鋼帯712すべて
と交差できる長さとした。屋根面の流れに平行な鋼帯7
12の配置位置は、屋根材を全面に葺いた時にすべての
太陽電池付き屋根材703と鋼帯が交差できるようにし
た。
【0094】次に、屋根材を屋根面の軒先側より葺い
た。図7(b)のように、屋根材の軒先側の曲げ加工部
を軒先側の屋根材にかみ合わせて、棟側へ引っ張り上げ
る。そして棟側の曲げ加工部に吊子705を組み合わせ
て吊子を野地板701上へビスにより固定した。この作
業を順次おこなって棟側まで葺いた。なお、軒先先端部
は軒先唐草部材(不図示)に組み合わせて上記と同様に
おこなった。一般屋根材の固定は、吊子705により野
地板上へ固定すればよいが、太陽電池付き屋根材703
を固定する時には、金属製補強材をアース接続する必要
があるために、予め屋根面に固定されている鋼帯712
上で必ず吊子を固定した。そのアース接続部の吊子固定
部の拡大図が図7(b)である。吊子705と鋼帯71
2とを共に貫通するようにしてビス710(ドリルビ
ス、ユニクロメッキ)により固定した。
【0095】次に、押し付けビス709( 3種溝きり
タッピングビス、SUS304)を吊子のタッピング穴
よりねじ込んで、太陽電池付き屋根材の金属製補強材を
押し付けて固定した。この押し付けビスの溝切り先端部
が金属製補強材の塗膜を破って、金属製補強材〜押し付
けビス〜吊子間の電気導通がとれることになる。なお、
このアース接続部に使用する吊子には、押し付けビスを
通すためのバーリング加工済タッピング穴を予め有して
いるものを使用した。
【0096】そして実施例1と同様に、棟部に固定した
鋼帯704の端部において、アース線706の片側を接
続し、反対側は接地した。
【0097】次に、横葺き屋根材用の納め部材として、
棟納め部材、軒先納め部材、ケラバ納め部材(不図示)
を所定の位置に固定することにより屋根部の納めをおこ
なった。
【0098】最後に、実施例1と同様にして太陽電池出
力ケーブルを屋内へ引き込んで、トランスレスインバー
タとの接続をおこなった。
【0099】このように、トランスレスインバータを用
いた太陽光発電装置において、横葺きタイプの太陽電池
付き屋根材で吊子を使用して固定する場合は、押し付け
ビスにより確実にアース接続をとることができ、太陽光
発電装置の電気安全性を向上することができる。また、
屋根面への鋼帯の貼り付け固定と、押し付けビスによる
固定をおこなうことで、施工性の良い確実なアース接続
作業をおこなうことができる。
【0100】(実施例3)図8は本発明の実施例3の太陽
電池付き屋根材の金属製補強材をアース接続するところ
を説明するための概略図であり、図8(a)は全体概略
図、図8(b)は金属製補強材をアース接続するところ
を説明するための拡大図である。図において、801は
野地板、802は一般屋根材、803は太陽電池付き屋
根材、804は棟に平行な鋼帯、805は屋根面の流れ
に平行な鋼帯、806は太陽電池付き屋根材/鋼帯の固
定部、807は鋼帯/鋼帯の固定部、808は鋼帯/ア
ース線の固定部、809はアース線、810は太陽電池
付き屋根材/鋼帯の固定部に使用するビス、811は太
陽電池(光起電力素子)である。
【0101】実施例2と違うところは、屋根材を直接ビ
スで貫通することにより固定しているため、アース接続
方法が違うところである。
【0102】実施例1と同様にして一体成形処理した太
陽電池付き屋根材を、実施例1とは違った折り曲げ機で
加工して、図8(b)のような形状とした。軒先側と棟
側の曲げ加工部の形状は、互いに組み合わさるようにし
た。
【0103】屋根材の下地側の作製は、まず屋根面の棟
側に棟と平行になるように鋼帯804を配置した。その
後屋根面の流れに平行な鋼帯805を配置した。棟と平
行な鋼帯804の長さは、流れ方向の鋼帯805すべて
と交差できる長さとした。屋根面の流れに平行な鋼帯8
05の配置位置は、屋根材を全面に葺いた時にすべての
太陽電池付き屋根材803が鋼帯と交差できるようにし
た。
【0104】次に、屋根材を屋根面の軒先側より葺い
た。図8(b)のように、屋根材の軒先側の曲げ加工部
を軒先側の屋根材にかみ合わせて、棟側へ引っ張り上
げ、野地板上に屋根材をドリルビス810で直接貫通し
て固定した。この作業を順次おこなって棟側まで葺い
た。軒先先端部は軒先唐草部材(不図示)に組み合わせ
て同様におこなった。
【0105】本実施例3における一般屋根材の固定は、
ドリルビスあるいは釘により野地板上へ直接貫通させて
固定すればよいが、太陽電池付き屋根材803を固定す
る時には、金属製補強材をアース接続する必要があるの
で、予め屋根面に固定されている鋼帯805上で、必ず
ドリルビス貫通により固定した。そのアース接続部のド
リルビス貫通部の拡大図が図8(b)である。太陽電池
付き屋根材の金属製補強材と鋼帯805とを共に貫通す
るようにしてドリルビス(ユニクロメッキ)により固定
した。
【0106】上記以外は実施例2と同様にして作製し
た。
【0107】以上のようにすることで、トランスレスイ
ンバータを用いた太陽光発電装置において、横葺きタイ
プで直接ビス固定する太陽電池付き屋根材の場合は、ビ
ス貫通部で鋼帯と確実に電気接続することができ、太陽
光発電装置の電気安全性を向上することができる。ま
た、屋根面への鋼帯の貼り付け固定と、施工時に確実に
鋼帯上でビス貫通固定することで、施工性の良い確実な
アース接続作業をおこなうことができる。
【0108】(実施例4)図9は本発明の実施例4の太
陽電池付き屋根材の金属製補強材をアース接続するとこ
ろを説明するための概略図であり、図9(a)は太陽電
池付き屋根材を裏面側より見た全体図、図9(b)は太
陽電池付き屋根材の金属製補強材をアース接続するとこ
ろを説明するための拡大図、図9(c)は鋼帯/アース
片の固定部の例である。図において、901は太陽電池
付き屋根材の金属製補強材の裏面、902はアース片、
903はアース片の溶接部、904は鋼帯、905は野
地板、906はアース片/鋼帯の固定部、907は光起
電力素子(太陽電池)、908は出力ケーブルである。
【0109】本実施例4は、太陽電池付き屋根材の金属
製補強材にアース片902を溶接して取り付けておき、
そのアース片を介して鋼帯904と接続するというアー
ス接続方法をおこなっている以外は実施例2と同じであ
る。
【0110】実施例2と同様にして折り曲げ加工した太
陽電池付き屋根材の裏面側にアース片を取り付ける工程
を説明する。まず、アース片902を取り付ける部分の
表面の塗膜をグラインダーで削って素地を出した。その
削った部分にアース片902を重ね合わせてスポット溶
接903をおこなった。この時、太陽電池のないエリア
(非発電域)で溶接をおこなった。溶接装置はセイワ製
作所のマイクロスポットウェルダーMCW-1500を使用し、
接合条件は5msec通電で300×10mVでおこなった。アー
ス片は0.1mm厚さのステンレス304を使用した。
【0111】このアース片が取り付けられた太陽電池付
き屋根材を、実施例2と同様にして吊子により野地板上
へ固定した。そしてアース片902は鋼帯904に固定
しなければならないが、位置が鋼帯と合っている場合は
そのまま固定できるが、位置がずれている場合は、図9
(c)のようにアース片902を折り曲げて鋼帯904
と交差させて、アース片/鋼帯の重なり部にドリルビス
(ユニクロメッキ)を貫通して野地板上へ固定した。
【0112】上記以外は実施例2と同様にして作製し
た。
【0113】以上のように、トランスレスインバータを
用いた太陽光発電装置において、横葺きタイプで吊子で
固定する太陽電池付き屋根材の場合は、アース片を介し
て鋼帯と確実に電気接続することができ、太陽光発電装
置の電気安全性を向上することができる。また、太陽電
池付き屋根材のアース接続部を非発電域とすることによ
りより、溶接時の発熱が太陽電池に影響しないため、太
陽電池の性能低下の弊害を抑制することができる。さら
に、アース片を予め長くしておくことで本実施例のよう
に折り曲げることで簡単に鋼帯と交差させることができ
る。このように、屋根面への鋼帯の貼り付け固定と、施
工前に太陽電池付き屋根材の金属製補強材表面にアース
片を溶接しておくことで、施工性の良い確実なアース接
続作業をおこなうことができる。
【0114】(実施例5)図10は本発明の実施例5の太
陽電池付き屋根材の金属製補強材をアース接続するとこ
ろを説明するための概略図であり、図10(a)は全体
概略図、図10(b)は金属製補強材をアース接続する
ところを説明するための拡大図、図10(c)は本実施
例で使用する吊子の概略図である。図において、100
1は野地板、1002は一般屋根材、1003は太陽電
池付き屋根材、1004は棟に平行な鋼帯、1005は
吊子、1006はアース線、1007は屋根面の流れに
平行な鋼帯、1008は吊子を固定するビス、1009
は吊子の爪部である。
【0115】実施例2と違うところは、吊子での電気的
接続が押し付けビスではなく、吊子に加工された爪部を
押し付けることによりおこなうところである。
【0116】実施例2で使用した吊子に対して、屋根材
を固定した時に屋根材を押し付けることができるように
図10(c)のように、吊子に爪の加工をおこなった。
この吊子を使用することで、図10(b)のように吊子
をビスにより固定することで、吊子に設けられた爪の先
端部が太陽電池付き屋根材の金属製補強材に押し付けら
れて、金属製補強材〜吊子が電気的に接続することにな
る。
【0117】吊子部分以外は実施例2と同様にして作製
した。
【0118】以上のようにすることで、トランスレスイ
ンバータを用いた太陽光発電装置において、横葺きタイ
プで吊子により屋根材を固定する場合は、吊子に爪部の
加工をしておくことで簡単にそして確実に電気接続する
ことができ、太陽光発電装置の電気安全性を向上するこ
とができる。
【0119】(実施例6)図11は本発明の実施例6の太
陽電池付き屋根材の金属製補強材をアース接続するとこ
ろを説明するための概略図であり、図11(a)は全体
概略図、図11(b)は金属製補強材をアース接続する
ところを説明するための拡大図である。図において、1
101は野地板、1102は一般屋根材、1103は太
陽電池付き屋根材、1104は棟に平行な鋼帯、110
5は吊子、1106はアース線、1107は屋根面の流
れに平行な鋼帯である。
【0120】実施例2と違うところは、屋根材が波形形
状にプレス加工されているところである。
【0121】まず実施例2で作製した曲げ加工済の太陽
電池付き屋根材をプレス加工して波形形状とした。次に
実施例2で使用した吊子1105を用いて波形形状にプ
レス加工された太陽電池付き屋根材1103を、野地板
1101上に固定した。そして実施例2と同様にして押
し付けビスにより太陽電池付き屋根材の金属製補強材表
面を傷つけて、金属製補強材〜吊子の電気的接続をおこ
なった。また、屋根面の流れに平行な鋼帯1107の配
置は、吊子を介して太陽電池付き屋根材の金属製補強材
をアース接続する必要があるので、屋根材の波形形状の
谷部(野地板と屋根材が接するところ)と位置が合うよ
うにしておこなった。
【0122】上記以外には屋根のケラバ、軒先、棟の納
め部材の形状が異なるものを使用しており、それ以外は
実施例2と同様にして作製した。
【0123】以上のようにすることで、トランスレスイ
ンバータを用いた太陽光発電装置において、横葺きタイ
プで波形のプレス加工された太陽電池付き屋根材を用い
た場合においても、押し付けビスにより金属製補強材〜
吊子の電気的接続をおこなうことにより、簡単にそして
確実に電気接続することができ、太陽光発電装置の電気
安全性を向上することができる。
【0124】また、光発電域を曲げ加工した太陽電池付
き屋根材においては、本実施例のように、金属製補強材
を確実に電気的に接続しておくことで、系統電力回路と
接続したトランスレスインバータを使用した発電システ
ムにおいても、安全性を高めることができる。
【0125】(実施例7)図12は本発明の実施例7の太
陽電池付き屋根材の金属製補強材をアース接続するとこ
ろを説明するための概略図であり、図12(a)は全体
概略図、図12(b)は金属製補強材をアース接続する
ところを説明するための拡大図である。図において、1
201は野地板、1202は屋根固定部材、1203は
太陽電池付き屋根材、1204は鋼帯、1205はアー
ス線、1206はアース線/鋼帯の固定点、1207は
太陽電池付き屋根材の固定部、1208は締め付け固定
前の太陽電池付き屋根材の固定部、1209は屋根固定
部材の固定用ビス、1210は光起電力素子(太陽電
池)、1211は充填材、1212は最表面被覆材、1
213は絶縁フィルム、1214は金属製補強材であ
る。
【0126】実施例1と違うところは、太陽電池付き屋
根材を折り曲げ加工せずに、屋根固定部材上に直接ビス
止めをおこない、そのためアース接続方法が異なってい
るところである。
【0127】屋根材の下地側の作製は、まず屋根面の棟
側に棟と平行になるように鋼帯1204を配置した。鋼
帯1204の長さは、流れ方向の屋根固定部材1202
すべてと交差できる長さとした。次に野地板1201上
に屋根固定部材1202をドリルビス(ユニクロメッ
キ)により固定した。屋根固定部材は亜鉛メッキ鋼板の
リップ型鋼材(厚さ1.6mm、めつけ量300g/m
2)を使用した。このとき屋根固定部材のピッチは屋根
材が固定できるようにした。また、屋根固定部材と鋼帯
との交点はドリルビス(不図示)により双方を貫通する
ようにして野地板上に固定した。
【0128】次に、実施例1で作製した折り曲げ加工前
の太陽電池付き屋根材を固定した。図12(b)のよう
に、太陽電池付き屋根材の端部を屋根固定部材上へのせ
て、太陽電池付き屋根材1203と屋根固定部材120
2の双方を貫くようにしてドリルビス(ユニクロメッ
キ)により固定した。この時ドリルビスにはばね座金
(SUS304CSP)を併用し(1208)、ばね座
金がつぶれるまで固定した。(1207)この作業を順
次おこなって屋根面全面に葺いた。
【0129】上記以外には屋根のケラバ、軒先、棟の納
め部材の形状が異なるものを使用しており、それ以外は
実施例1と同様にして作製した。
【0130】以上のようにすることで、トランスレスイ
ンバータを用いた太陽光発電装置において、折り曲げ加
工していないタイプの太陽電池付き屋根材の場合は、ビ
スを貫通することで屋根固定部材と確実に電気接続する
ことができ、太陽光発電装置の電気安全性を向上するこ
とができる。また、屋根面への鋼帯の貼り付け固定をお
こなっておくことで、施工性の良い確実なアース接続作
業をおこなうことができる。
【0131】
【発明の効果】本発明によれば、すなわち、金属製補強
材を有する太陽電池付き屋根材と、前記太陽電池に接続
されたトランスレスインバーターを介して系統電力回路
に接続されている太陽光発電装置であって、前記金属製
補強材がアース接続されていることを特徴とする太陽光
発電装置によれば以下の効果が得られる。 ・ 系統電力回路に接続されたトランスレスインバータ
を使用した太陽光発電装置において、太陽電池付き屋根
材の金属製補強材をアース接続することによって、電気
安全性を高めることができる。 ・ また、本発明内容による具体的なアース接続方法に
より、施工時に比較的簡単な方法で確実にアース接続す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様例および実施例1の太陽光発
電装置の概略図である。
【図2】図1の太陽電池付き屋根材の外殻導体部(金属
製補強材)をアース接続する部分を説明するための概略
図である。
【図3】本発明の実施態様例および実施例1で使用する
アース部材の例を表している。
【図4】太陽電池付き屋根材の概略図であり、(a)は
一体成形後の太陽電池付き屋根材、(b)は折り曲げ加
工後の太陽電池付き屋根材を表している。
【図5】光起電力素子の概略図である。
【図6】アース部材が太陽電池付き屋根材の発電域で金
属製補強材に接触している例である。
【図7】本発明の実施例2の太陽電池付き屋根材の金属
製補強材をアース接続するところを説明するための概略
図であり、(a)は全体概略図、(b)は金属製補強材
をアース接続するところを説明するための拡大図であ
る。
【図8】本発明の実施例3の太陽電池付き屋根材の金属
製補強材をアース接続するところを説明するための概略
図であり、(a)は全体概略図、(b)は金属製補強材
をアース接続するところを説明するための拡大図であ
る。
【図9】本発明の実施例4の太陽電池付き屋根材の金属
製補強材をアース接続するところを説明するための概略
図であり、(a)は太陽電池付き屋根材を裏面側より見
た全体図、(b)は金属製補強材をアース接続するとこ
ろを説明するための拡大図、(c)は鋼帯/アース片の
固定部の例である。
【図10】本発明の実施例5の太陽電池付き屋根材の金
属製補強材をアース接続するところを説明するための概
略図であり、(a)は全体概略図、(b)は金属製補強
材をアース接続するところを説明するための拡大図、
(c)は本実施例で使用する吊子の概略図である。
【図11】本発明の実施例6の太陽電池付き屋根材の金
属製補強材をアース接続するところを説明するための概
略図であり、(a)は全体概略図、(b)は金属製補強
材をアース接続するところを説明するための拡大図であ
る。
【図12】本発明の実施例7の太陽電池付き屋根材の金
属製補強材をアース接続するところを説明するための概
略図であり、(a)は全体概略図、(b)は金属製補強
材をアース接続するところを説明するための拡大図であ
る。
【図13】太陽光発電装置の系統連携システムのブロッ
ク概念図である。
【図14】屋根建材と一体になった屋根材を使用した太
陽光発電装置の概略図である。
【図15】一般屋根材と太陽電池付き屋根材の固定状態
をあらわす拡大図である。
【符号の説明】
101、208、701、801、905、1001、
1101、1201、1508 野地板 102、207、1202、1402、1507 屋根
固定部材 103、206、702、802、1002、110
2、1403、1506一般屋根材 104、703、803、1003、1103、120
3、1301、1404 太陽電池付き屋根材 105、704、712、804、805、904、1
004、1007、1104、1107、1204 鋼
帯 106、706、809、1006、1106、120
5、1307 アース線 107、708、808、1206 アース線と鋼帯と
の固定点 108 屋根固定部材と鋼帯との固定点 201、401、711、811、907、1210、
1501 光起電力素子(太陽電池) 202、402、1211、1502 充填材 203、403、1212、1503 最表面被覆材 204、404、1213、1504 絶縁フィルム 205、405、1214、1505 金属性補強材 209、810、1209、1509 ビス 210 アース部材 211 アース部材が接触している部分 301 アース部材本体 302 アース部材固定用の穴 303 アース部材の先端押し付け部 501 導電性基体 502 金属電極層 503 半導体光活性層 504 透明導電層 505 集電電極 705、1005、1105 吊子 707、807 鋼帯/鋼帯の固定部 709 アース接続用の押し付けビス 710、1008 吊子固定用のビス 806 太陽電池付き屋根材/鋼帯の固定部 902 アース片 901 金属製補強材の裏面 903 アース片の溶接部 906 アース片/鋼帯の固定部 908 出力ケーブル 1009 吊子の爪部 1207、1208 太陽電池付き屋根材の固定部 1302 接続箱 1303 トランスレスインバータ 1304 配電盤 1305 積算電力計 1306 系統連携回路 1308 家庭内の電気機器 1401 屋根設置面 1405 軒先納め部材 1406 ケラバ納め部材 1407 棟納め部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊村 文隆 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製補強材を有する太陽電池付き屋根
    材と、前記太陽電池に接続されたトランスレスインバー
    ターを介して系統電力回路に接続されている太陽光発電
    装置であって、前記金属製補強材がアース接続されてい
    ることを特徴とする太陽光発電装置。
  2. 【請求項2】 前記太陽電池付き屋根材は折り曲げ加工
    されていることを特徴とする請求項1記載の太陽光発電
    装置。
  3. 【請求項3】 前記太陽電池付き屋根材は光発電域にお
    いて折り曲げ加工されていることを特徴とする請求項1
    記載の太陽光発電装置。
  4. 【請求項4】 前記太陽光発電装置は、アース部材が前
    記金属製補強材と電気的導通をとることにより前記金属
    製補強材がアース接続されていることを特徴とする請求
    項1記載の太陽光発電装置。
  5. 【請求項5】 前記太陽光発電装置は、前記太陽電池付
    き屋根材が吊子部材により屋根面上に固定されると同時
    に、前記吊子部材をビス部材が貫通して前記金属製補強
    材を押し付けることで、前記金属製補強材と前記吊子部
    材とが電気的導通をとることにより、前記金属製補強材
    がアース接続されていることを特徴とする請求項1記載
    の太陽光発電装置。
  6. 【請求項6】 前記太陽光発電装置は、前記太陽電池付
    き屋根材がビス貫通止めすることにより屋根面に固定さ
    れると同時に、前記金属製補強材が前記ビス貫通により
    電気的導通をとってアース接続されていることを特徴と
    する請求項1記載の太陽光発電装置。
  7. 【請求項7】 前記太陽光発電装置は、前記太陽電池付
    き屋根材の前記金属製補強材表面にアース片が溶接され
    ており、前記アース片を介して電気的導通をとることに
    より前記金属製補強材がアース接続されていることを特
    徴とする請求項1記載の太陽光発電装置。
  8. 【請求項8】 前記太陽光発電装置は、前記太陽電池付
    き屋根材が吊子部材により屋根面上に固定されると同時
    に、前記吊子部材は爪部を有しており、前記爪部が前記
    金属製補強材を押し付けることで、前記金属製補強材と
    前記吊子部材が電気的導通をとることにより、前記金属
    製補強材がアース接続されていることを特徴とする請求
    項1記載の太陽光発電装置。
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