JP3787499B2 - 記録ヘッド及び記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリアル型の記録装置(シリアルプリンタ)に関し、特に、記録のために利用される熱エネルギーを発生する熱発生部を有する記録ヘッドを具備する記録装置に関する。さらには、そのような記録装置の記録ヘッド、その記録ヘッドが搭載されるキャリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板等の被記録材上にドットパタ−ンからなる画像を記録するように構成されている。この種の記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サ−マル式、レ−ザ−ビ−ム式等に分けることができる。ここでは、インクジェット式の記録装置について述べる。
【0003】
インクジェット式は、記録ヘッドの吐出口から記録液(インク)滴を吐出飛翔させ、これを被記録材に付着させることにより記録を行うものである。このインクジェット式を採用する記録装置、例えばインクジェット式のシリアルプリンタでは、記録ヘッドが主走査方向に移動しながらインクを吐出し、この記録ヘッドのスキャンとスキャンの間で被記録材搬送部(ローラー)が被記録材を搬送することによって記録が行われる。
【0004】
記録ヘッドとしては、電気熱変換体等によって発生される熱エネルギーを利用して微小液滴を吐出させるものや、一対の電極を設けて液滴を偏向して吐出させるもの等が知られている。これらの中でも、熱エネルギーを利用してインク滴を吐出する記録ヘッドは、インク吐出部(吐出口)を高密度に配列することができるために、高解像度の記録が可能である他、全体的に記録装置のコンパクト化を容易に図ることができる等の利点があり、すでに実用化されている。
【0005】
図14は、従来のシリアル型インクジェット記録装置の表面の一部を切り欠いた斜視図である。図14を参照すると、インクタンクITと記録ヘッド100がキャリッジ200上に搭載されている。インクタンクITは、記録ヘッド100に着脱自在に設けられている。
【0006】
キャリッジ200は、無端ベルト201に固定され、且つガイドシャフト202に沿って移動可能である。無端ベルト201は、プーリ203および204に巻回されている。プーリ203には、キャリッジ駆動モータ205の駆動軸が連結されており、このキャリッジ駆動モータ205の回転駆動によってキャリッジ200がガイドシャフト202に沿って往復方向(図14中の矢印A)にスキャン走査される。
【0007】
記録ヘッド100は、被記録材としての記録紙Pと対向して配置され、記録紙Pと対向する面に複数個のインク吐出口が形成されている。ここでは、複数個のインク吐出口が、記録紙Pの搬送方向(図14中の矢印B)に並設されている。各インク吐出口は、それぞれ異なるインク流路を介して共通液室(不図示)に共通に連通しており、この共通液室にインクタンクITからインクが供給される。各インク吐出口部には、インク吐出のための熱エネルギーを発生する電気熱変換体が設けられており、これら電気熱変換体に駆動データに応じた電気パルスを印加することにより、インクに膜沸騰を生じさせ、その気泡の生成に伴って吐出口からインクが吐出する。
【0008】
キャリッジ200の移動位置を検出するためにリニアエンコーダ206が設けられており、キャリッジ200の移動方向に沿ってリニアスケール207が設けられている。このリニアスケール207には、1インチ間に等間隔で1200個程度のスリットが形成されている。一方、キャリッジ200には、例えば、発光部及び受光センサを有するスリットの検出系208および信号処理回路が設けられている。エンコーダー206は、キャリッジ200が移動すると、インク吐出タイミングを示す吐出タイミング信号及びキャリッジの位置情報を出力する。リニアスケール207のスリットを検出系208が検出するたびに、インクを吐出するようにすれば、主走査方向に1200dpiの解像度の印刷を行うことが可能である。
【0009】
記録紙Pは、キャリッジ200のスキャン方向と直交する矢印B方向に間欠的に搬送される。上流側の一対のローラユニット209、210と、下流側一対のローラユニット211、212とにより記録紙Pが支持されるとともに、記録紙Pに対して一定の張力が与えらており、これにより、記録紙Pを記録ヘッド100のヘッド面に対する平面性を確保した状態で搬送する。各ローラユニットに対する駆動力は、この場合図示しない用紙搬送モータによって付与される。
【0010】
上記のように構成されたインクジェット記録装置では、キャリッジ200の移動に伴い記録ヘッド100のヘッド吐出口の配列幅に対応した幅の記録と記録紙Pの送りとを交互に繰り返しながら、記録紙P全体に記録がなされる。
【0011】
キャリッジ200は、記録開始時または記録中に必要に応じてホームポジションで停止する。このホームポジションには、各ヘッドの吐出面側をキャッピングするキャップ部材213が設けられており、さらにこのキャップ部材213には、吐出口から強制的にインクを吸収して吐出口の目詰まりを防止するための吸引回復手段(不図示)が設けられている。
【0012】
図15は、図14に示したシリアル型インクジェット記録装置の記録ヘッドの一例を示す斜視図である。この記録ヘッドは、インクタンク50が着脱自在に設けられたヘッド筐体51を有する。ヘッド筐体51は、その裏面(インクタンク50が取り付けられる面とは反対の面)に、各インクタンク50のインク供給口とそれぞれ液室を介して繋がるインク流路を備えたインク供給部55が設けられており、このインク供給部55に支持部材54を介して吐出部52が設けられている。
【0013】
インク供給部55と支持部材54、支持部材54と吐出部52はともに接着により固定されている。支持部材54には、各吐出部52へインクを供給するための複数のインク流路が設けられており、これらインク流路はインク供給部55の各インク流路とそれぞれ繋がるようになっている。吐出部52の精度は極めて重要なため、支持部材54には、耐熱性や平面度の高いものを用いる必要があり、通常は、金属やセラミックなどが用いられている。
【0014】
吐出部52は、長手方向(スキャン方向と交差(例えば直交)する方向)に所定の間隔で複数の吐出口が配置されており、各吐出口毎に電気熱変換素子等のエネルギー変換素子が配置されている。また、吐出部52はフレキシブルケーブル53と電気的に接続されており、このフレキシブルケーブル53を介して不図示の制御部から各エネルギー変換素子を駆動するための電気信号が供給される。フレキシブルケーブル53は、通常、その電気抵抗を下げるために、支持部材54の吐出部52が設けられる面(吐出側表面)と概略同じ面積を持ち、その支持部材54の吐出側表面を覆うように設けられる。
【0015】
上述の図15に示した記録ヘッドは、各インクタンク50毎に吐出部52が設けられているが、これらインクタンクおよび吐出部の数は仕様に応じて異なる。
【0016】
次に、従来の記録ヘッドの吐出部分の構造についてさらに具体的に説明する。図16(a)は、従来の記録ヘッドの吐出部分の斜視図、図16(b)はその吐出部の分解斜視図である。図16において、吐出部52、支持部材54およびインク供給部55は、形状やインク流路の数が異なる以外は基本的には上述の図15に示したものと同様のものである。
【0017】
支持部材54は複数のインク流路54aを備え、これらインク流路54a毎に吐出部52が接着固定される。インク供給部55はモールド部材(有機樹脂などの部材)よりなり、支持部材54の各インク流路54aと対応する複数のインク流路55aを備え、それぞれ対応するインク流路同士が繋がるように支持部材54が接着固定される。吐出部52と支持部材54および支持部材54とインク供給部55の接着には、いずれも熱伝導性の非常に良い接着剤が用いられる。
【0018】
吐出部52は長手方向(スキャン方向と交差(例えば直交)する方向)に沿って複数の吐出口が配置され、各吐出口毎に電気熱変換素子が設けられており、インクを吐出する際は、各吐出口毎に電気熱変換素子に駆動データに応じた電気パルスが印加され、これにより、インクに膜沸騰が生じ、その気泡の生成に伴って吐出口からインクが吐出する。
【0019】
このインク吐出の際に発生する熱は、大きく分けて以下の3つの過程で冷却されると考えられる。
(1)吐出されたインク自身が熱を奪う。
(2)吐出部52から支持部材54およびインク供給部55への個体熱伝導。
(3)吐出部52、支持部材54、インク供給部55から外部空間(空気中)への放熱。
【0020】
このように、従来の記録ヘッドでは、インク吐出の際に吐出部52にて発生した熱は、吐出されたインク滴自身によりその一部が奪われるとともに、個体熱伝導および放熱により冷却される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の記録ヘッドにおいて、熱の移動は、一般に空気中への放熱よりも支持部材54への個体熱伝導の方が圧倒的に早く、その熱量も多い。このため、吐出部52にて発生した熱は、すぐさま支持部材54へ伝わることになる。しかしながら、インク供給部55に用いられている有機樹脂などの部材は熱伝導性が低いため、支持部材54からインク供給部55へは個体熱伝導をし難く、結局は支持部材54へ伝わった熱は、その表面から空気中へ放熱されることとなる。このように、従来の記録ヘッドにおける冷却は、吐出されたインク滴自身により熱の一部が奪われる他は、吐出部52および支持部材54の表面からの放熱に頼っており、このためヘッド内部に熱が蓄積され易く、またその蓄熱容量もあまり大きくないことから、昇温し易い構造になっていた。特に支持部材54の表面がフレキシブルケーブルで覆われるものは、支持部材54からフレキシブルケーブルへ熱伝導する過程を経る必要があるため、ヘッド内部に熱が蓄積され易く、昇温し易い。
【0022】
ヘッドが過度に昇温すると、以下のような問題を生じる。
(1)インクが吐出できなくなる(不吐出)。
(2)吐出時にインク滴が破裂してしまう。
(3)電気熱変換素子(発熱体(ヒータ))の焦げや劣化が促進される。
(4)紙などの被記録材に記録したときに記録濃度が変化する。
【0023】
このため、記録ヘッドの昇温をいかにして抑制するかが重要な課題となっている。
【0024】
最も一般的な昇温抑制対策は、記録ヘッドがある程度昇温してきたら、各スキャンの間に休止時間を設け、その間に放熱させるというものである。しかし、この方法では、放熱による冷却のため休止時間が長く、記録紙1枚あたりの記録に要する時間がその休止時間分だけ増えるため、結果的に記録スピードが大幅に低下することになる。
【0025】
インク吐出時の発熱により昇温した記録ヘッドをファンを用いて冷却することは有効であり、記録ヘッドを搭載するキャリッジにファンを固定するものがすでに提案されている。しかし、この場合は、キャリッジにファンを固定するため、キャリッジが重くなり、駆動周波数を上げることが困難となる。また、インク滴の小液滴化に伴い、記録時に、ファンによって発生した風を記録ヘッドに当てることによる着弾位置のずれや吐出部におけるインクの乾燥が懸念される。
【0026】
ファンを用いないで、キャリッジの移動により発生する空気流を利用して記録ヘッドを空冷する方法もある。一例として、特開2000-141819号公報には、インクジェットプリンタのヘッドユニットに設けられたヘッド放熱板と、このヘッド放熱板と対峙するキャリッジ内面側壁との間に冷却用通気路を設けた冷却機構が提案されている。この冷却機構では、キャリッジが移動することで冷却用通気路内に空気流が生じ、この空気流がヘッド放熱板の表面に沿って流れることにより、ヘッド放熱板による放熱を効率良く行うことができる。しかしながら、この冷却機構の場合は、ヘッドユニットの中で最も熱を持つインク吐出口付近から離れた位置に放熱板が形成されているため、インク吐出口付近を空冷するには不十分である。
【0027】
上記の他、液体を用いて記録ヘッドを冷却する方法もある。一例として、特登録2738697号(特開平01-242257号公報)には、
(1)液体噴射記録ヘッドの周囲にチューブを巻回し、該チューブ内に冷却用液体を流すもの:
(2)熱エネルギー作用部が形成された基板に、液体を通すための通路を有し、該通路に液体を流すもの:
(3)熱エネルギー作用部を上部に蓄熱層を有する多孔質部材よりなる基板上に形成し、該多孔質部材に冷却用の液体が浸透せしめられているもの:
等の冷却手段が提案されている。しかしながら、これらの冷却手段は、いずれもチューブ、流路、多孔質部材に冷却用液体を供給する手段、冷却用液体の交換および廃棄の手段が必要となるため、装置が複雑になる他、コストも高くなる。
【0028】
また、近年、記録スピードの高速化、高画質化のために、ノズルの高密度化が進むとともに入力エネルギーも増え、その一方で熱の拡散するスペースが減るという、ヘッド昇温に対してはますます不利な状況に進む傾向にある。このような技術背景からしても、今後、記録ヘッドの昇温の問題は避けられないものとなっている。
【0029】
以上、インクジェット式の記録装置の記録ヘッドの昇温に伴う問題について説明したが、良く知られているサーマル式の記録装置においても、記録ヘッド(サーマルヘッド)の昇温による記録品質の劣化を生じる。例えば、サーマルヘッドでは、ヘッドを記録温度まで昇温して記録(ドット)を行った後は、速やかに記録に影響しない程度の温度までヘッドを冷却して次記録(ドット)に備える必要があるが、ヘッドに熱が溜まると、うまく冷却されずに不要な記録が行われたり、記録濃度が変化することがある。特に、駆動周波数が高い(記録スピードが速い)場合には、その問題が顕著なものとなる。また、ヘッドに熱が溜まると、ヒータの焦げや劣化が促進されるという問題もある。
【0030】
本発明の目的は、上記各問題点を解決し、ヘッドを効率的に冷却することが可能な記録ヘッドおよびそれを用いた記録装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の記録ヘッドは、記録のために熱エネルギーを利用して液体を吐出する複数の液体吐出部と、前記液体吐出部が固定される支持部材と、前記支持部材の前記液体吐出部が固定される面とは反対側の面と対向する位置に配置され、前記液体を収容するタンクと、前記タンクから前記液体吐出部に液体を供給する流路と、を有し、キャリッジに搭載されてスキャン方向に移動しながら記録を行う記録ヘッドにおいて、前記タンクと前記支持部材の間に配置され、スキャン方向に沿って貫通し、前記支持部材の前記液体吐出部が固定される面とは反対の面と前記流路の回りに空気を流すダクトを有することを特徴とする。
【0033】
上記の場合、前記ダクトが、前記液体吐出部の前記液体が吐出される面とは反対側の面に隣接して設けられてもよい。
【0034】
また、前記支持部材が固定され、前記液体吐出部に液体を供給する液体供給部をさらに有し、前記ダクトが、前記液体供給部の前記支持部材が固定される面側に設けられ、該ダクト内に、前記支持部材の前記液体吐出部が固定される面とは反対の面が露出するとともに、前記液体供給部から前記液体吐出部に液体を供給する流路が配されてもよい。
【0035】
本発明の記録ヘッドは、上述した記録ヘッドのいずれかと、該記録ヘッドを搭載するキャリッジと、前記記録ヘッドを冷却するための空冷ファンとを有し、前記記録ヘッドは所定の位置で前記空冷ファンと対峙し、前記空冷ファンによりダクト内に空気が流れるように構成されていることを特徴とする
【0036】
上記の場合、キャリッジは、対向配置された流入出口を有し、これら流入出口は、一方の流入出口から空気が流入し、その流入した空気が記録ヘッドの内部を通って他方の流入出口から流出するように構成されてもよい
【0037】
また、空冷ファンが、記録ヘッドから吐出されて当該記録装置内を浮遊するミストを吸着するためのミスト吸着ファンであってもよい。
【0038】
さらに、空冷ファンの吹き出し口と密接に接合された第2のダクトをさらに有し、該第2のダクトは、記録ヘッドと前記空冷ファンとが対峙した状態で、前記記録ヘッドのダクトと連結されてもよい。
【0047】
上記のとおりの本発明によれば、記録ヘッドに設けられたダクトは、例えば、記録ヘッドをスキャン方向に移動することで、一方のダクト口から空気が流入し、その流入した空気が他方のダクト口から流出する。ダクト内に空気が流れると、その空気の流れによって熱発生部が冷却される。記録は記録ヘッドをスキャン方向に移動させながら行われることから、記録動作時は、必ずダクト内に空気が流れることとなり、記録ヘッドを冷却することが可能である。このように、本発明によれば、記録ヘッドの移動に伴い、熱発生部をヘッド表面からとヘッド内部からの両方から冷却することが可能である。
【0049】
また、本発明によれば、記録ヘッドは所定の位置で空冷ファンと対峙し、空冷ファンによりダクト内に空気を流すようになっているので、従来の空冷ファンを用いたものより、効率的に、且つ、短時間でヘッドを冷却することができる。よって、ヘッドが過度に昇温して空冷ファンによる強制空冷動作が行われても、短時間で冷却することができるので、従来のように大幅に記録スピードが低下することはない。
【0053】
本発明のうちダクト内に支持部材の裏面(液体吐出部が固定される面とは反対の面)が露出しているものにおいては、液体吐出部にて発生した熱のうち個体熱伝導により支持部材に伝わった熱は、ダクト内に露出した裏面から放熱されることのなる。よって、記録ヘッドが停止している状態であっても、熱発生部をヘッド表面からとヘッド内部からの両方から冷却することが可能である。また、液体を供給する流路がダクト内に配されているものにおいては、流路についても空冷可能となる。また、ヘッドが移動して、あるいは、空冷ファンが駆動されて、ダクト内に空気が流れた場合には、その空気の流れによってダクト内に露出した支持部材の裏面および流路が冷却されることになるので、より高い冷却効果を得られる。
【0055】
上述のいずれの発明においても、記録ヘッドにダクトと空冷ファンを設けるだけでよいので、従来用いられていた冷却手段のように装置が複雑になることはなく、また、コストも高くなることはない。
【0056】
なお、本発明では、「記録」とは、文字や図形の意味を持つ画像を被記録材に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を付与することをも意味する。また、「被記録材」は、紙などの記録紙の他、プラスチック薄板や布等の媒体も含む。
【0057】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0058】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の記録装置の記録ヘッド冷却機構を説明するための図である。
【0059】
本形態の記録装置の記録ヘッドは、インクタンク1が着脱自在に設けられたヘッド筐体2を有し、このヘッド筐体2の裏面のインク供給部7に支持部材4を介して吐出部5が設けられている。吐出部5はフレキシブルケーブル3が接続されており、内部に配置された電気熱変換体に駆動データに応じた電気パルスが印加されることで、インクに膜沸騰を生じさせ、その気泡の生成に伴って吐出口からインクが吐出する。これらの構成は、前述の図15に示した記録ヘッドのものと基本的に同じであるが、ヘッドを冷却するための新たな構成として、インク供給部7の支持部材4が固定される部分に、所定の方向(スキャン方向)に沿って貫通したダクト6が設けられている。
【0060】
図2は、図1に示した記録ヘッドの分解斜視図である。図2を参照すると、インクタンク1は、ヘッド筐体2への取り付け面にジョイント部12を有し、このジョイント部12には、インクをヘッドに供給する際に不純物を取り除くことができるようにフィルタが設けられている。インク供給部7の内部には、ジョイント部12と接合されるインク流路13が設けられている。インクタンク1は、ジョイント部12がインク供給部7のインク流路13の入口と合わさるようにヘッド筐体2へ取り付けられる。
【0061】
支持部材4は、インク供給部7のインク流路13と対応するインク流路11が設けられており、インク流路11の入口とインク流路13の出口が合わさるようにインク供給部7に接着固定される。
【0062】
インク供給部7は、インク流路13以外の部分が、断面形状が略コの字状の、一方向に連続する溝のような構造となっており、支持部材4が固定されることにより、その溝部分が所定の方向に貫通したダクト6となる。このダクト6は、その入口9aおよび出口9bの径が内部の径より大きくなっており、これにより、ダクト6内に空気を効率的に取り込めるようになっている。
【0063】
吐出部5は、支持部材4に各インク流路11毎に接着固定される。接着固定された吐出部5は、インク流路11、13およびジョイント部12を介してインクタンク1と連通しており、インクタンク1からインクの供給を受けられる。吐出部およびインク流路の数、吐出部のインク流路への固定形態は設計仕様に応じて異なる。図2の例では、一方のインク流路11が他方に比べて大きくなっており、大きい方のインク流路11には3つの吐出部5が接合されて接着固定されている。
【0064】
フレキシブルケーブル3は、記録装置本体にある制御部(不図示)からの電気信号を吐出部5へ供給するもので、その一部が支持部材4の表面(吐出部5が接着固定される面)を覆うように設けられる。この支持部材4の表面を覆う部分には、吐出部5を支持部材4に接着固定できるように開口が設けられており、この開口部おいて吐出部5とフレキシブルケーブル3との電気的な接続がなされる。
【0065】
上記の如く構成された記録ヘッドは、キャリッジ(不図示)に搭載されてガイドシャフト14に沿って往復移動(スキャン)する。そして、その移動に伴ってダクト6内に空気が流れ、その空気の流れによって支持部材4の裏面が冷却される。
【0066】
上記ダクト6による冷却の他、本形態の記録装置は、記録ヘッドが所定の位置でキャップ部材16によりそのヘッドの吐出面側がキャッピングされるようになっており、この位置に空冷ファン15(図1中の破線で示した部分)が設けられている。空冷ファン15はダクト6内に空気を送り込むように設けられており、不図示の制御部によりその動作が制御される。この機構によれば、記録ヘッドの吐出面をキャップした状態で空冷ファン15によりダクト6内に空気を送り込むことができる(矢印8)。よって、空冷ファン15からの強力な風が記録ヘッドにあたっても吐出部5が乾燥することがない。
【0067】
次に、本形態の記録装置の動作について説明する。本形態の記録装置の全体の構成は、上述した空冷機構を備えている以外は、前述の図14に示したものとほぼ同じであり、その動作も空冷動作が行われる以外はほぼ同じであるので、ここでは一般的な記録動作についての説明は省略することとし、空冷動作を含む動作について説明する。
【0068】
図3に、本形態の記録装置の制御系のブロック図を示す。記録ヘッド10は上述の図1に示した記録ヘッドで、その一部(望ましくは、熱発生部である吐出部近傍)に温度センサ17を備える。ROM101には、記録、記録ヘッド10の空冷動作および吸引回復動作など、一連の処理動作に関する制御プログラムが記憶され、RAM102はその処理手順実行の際のワークエリアなどとして用いられる。
【0069】
CPU100は、ROM101に記憶されている制御プログラムに基づき、ホスト装置から受信した記録情報をRAM102などの周辺ユニットを用いて処理し、記録データへの変換処理などを実行する。また、CPU100は、記録ヘッド10の吐出部の電気熱変換体の駆動データ、すなわち記録データ及び駆動制御信号をヘッドドライバ103に出力する。さらに、CPU100は、キャリッジ200(図14参照)を往復運動させるためのキャリッジ駆動モータ205(図14参照)及び被記録材としての記録紙Pを搬送するための用紙搬送(PF)モータ104を、モータドライバ105、106を介してそれぞれ制御する。ヘッドドライバ103は、駆動データとしてエンコーダ206(図14参照)から吐出タイミング信号及びキャリッジの位置情報が入力され、入力された駆動データに基づいて記録ヘッド10の電気熱変換体を駆動する。これにより、記録ヘッド10からインクが吐出され、記録紙Pへの記録が行われる。
【0070】
記録動作中に、温度センサ17によって検出される記録ヘッド10の温度が予め設定された温度(冷却開始温度)を超えると、CPU100は、その記録動作を中断して、記録ヘッド10をキャップ部材16上まで移動させて空冷ファン15を駆動する。これにより、記録ヘッド10のダクト6内に空気が流れてヘッドが冷却される。この冷却により、温度センサ17によって検出される記録ヘッド10の温度が予め設定された温度(冷却終了温度)より低くなると、CPU100は、中断した記録動作に復帰させ、記録ヘッド10による記録を再開する。
【0071】
上述の空冷動作は、空冷ファン15による強制空冷動作であるが、本形態の記録装置では、記録ヘッド10は、ヘッド内部の熱発生部(吐出部)に隣接して所定の方向(スキャン方向)に沿って貫通したダクト6が形成されているので、この記録ヘッド10がガイドシャフト14に沿って移動(スキャン)すると、その移動に伴ってダクト6内に空気が流れ、ヘッドが冷却されるようになっている。よって、空冷ファン15による強制空冷動作が必要とされるケースは実際には少なく、場合によっては、強制空冷動作を行わなくても済む。
【0072】
また、上述の空冷ファン15による強制空冷動作は、従来から行われている吸引回復動作と併用させることもできる。
【0073】
さらに、記録ヘッド10を急速に冷却する必要がある場合は、空冷ファン15の回転数を上げる(風量が多くなる)ことで、対処することが可能である。
【0074】
さらに、CPU100は、記録ヘッド10による記録動作中に、記録ヘッド10から吐出されるインク滴の軌道に影響しない範囲の風量で空冷ファン15を駆動することもできる。この場合、空冷ファン15によって生じる空気の流れがスキャン方向に沿うようにすれば、記録ヘッド10のダクト6内に効率良く空気を流すことができる。
【0075】
また、記録装置内部には電源等の熱源があるため、内部の空気の温度は装置外部の空気の温度より高い。よって、記録装置外部の空気を取り込むように空冷ファンを設けることで、より温度の低い空気を記録ヘッドにあてることができ、より冷却効果を高めることができる。例えば、記録装置外装の空冷ファン15の吸い込み口の近傍にスリットのようなものを形成することで、記録装置外部の空気を取り込むことができる。
【0076】
本形態の記録装置では、記録ヘッドは、ダクト6を設けたことによりそのヘッド表面からとヘッド内部からの両方から冷却することができ、より高い冷却効果を得られるようになっているので、空冷ファン15によってヘッドを冷却する場合の風量は少なくて済む。よって、吐出部5が乾燥しない範囲の風量で空冷ファン15を駆動することが可能であり、その場合は、キャップ部材16によってヘッド面をキャップする必要がなくなる。この場合、記録ヘッドと空冷ファン15の対峙する位置は、キャップ部材16が設けられた位置以外であってもよい。
【0077】
また、本形態では、ヘッドの移動に伴いダクト6内に効率的に空気を流すために、ダクト6はスキャン方向に貫通するように設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ダクト6の貫通方向は、空冷ファン15の位置および向きなど、設計に応じて異なる。
【0078】
さらに、本形態では、ダクト6は断面形状が略コの字状の溝により構成されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ダクト6内の支持部材4の露出面に沿って空気の流れを形成することができるのであれば、どのような構造としてもよい。
【0079】
本形態のようなインクを吐出して記録を行う記録装置の場合、通常、記録紙に着弾できなかった微小インク(ミスト)の回収を目的に、吸い込み口にトラップフィルタを備えたミスト吸着ファンが設けられる。このミスト吸収ファンは、記録装置内部から外部へ空気を流すことにより、トラップフィルタでミストを回収するように構成されている。上述の空冷ファン15に代えてこのミスト吸収ファンを用いて記録ヘッドを冷却することも可能である。この場合は、記録ヘッドの昇温時に、ミスト吸収ファンを逆回転(記録装置外部から内部へ空気を流す方向にファンを駆動すること)し、これにより、記録ヘッドの所定部に風を当てる、またはダクト6へ空気を送り込むことになる。
【0080】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態の記録装置の記録ヘッド冷却機構を示す斜視図、図5は、その記録ヘッド冷却機構を側面からみた断面図である。図5の断面図では、空冷ファン15、接続ダクト20、ダクト6の接続構造を主に示しており、記録ヘッドの詳細な構成については省略している。図4および図5中、矢印30は空冷ファン15により外部から取り込まれた空気の流れ、矢印31は吐出部5の昇温により熱せられた支持部材4のダクト6内への放熱をそれぞれ示す。
【0081】
本形態の記録装置は、上述の第1の実施形態の記録装置の、空冷ファン15と記録ヘッドのダクト6との間に接続ダクト20を設けて、ダクト6内へ空気を積極的に取り込めるようにしたものである。以下、第1の実施形態のものと重複する部分についての説明は省略し、本形態の特徴点についてのみ説明する。
【0082】
空冷ファン15は記録装置外装21に設けられており、記録装置外部の空気を記録装置内部へ取り込むようになっている。この空冷ファン15の吹き出し口は、接続ダクト20のダクト入り口側端部と密接に接合されており、空冷ファン15から吹き出した空気が接続ダクト20内を流れるようになっている。
【0083】
接続ダクト20のダクト出口側端部は、記録ヘッドが所定に位置に移動した状態において、ダクト6のダクト入り口9a内に進入するようになっている。これにより、接続ダクト20のダクト出口から吹き出た空気流は、記録ヘッドのダクト6内を確実に流れる。なお、接続ダクト20のダクト出口側端部とダクト6のダクト入り口9aとの接続構造は、図4および図5に示した構造に限定されるものではなく、接続ダクト20のダクト出口から吹き出た空気流が記録ヘッドのダクト6内を確実に流れるのであれば、どのような構造としてもよい。例えば、接続ダクト20はクの字状に曲がったダクトであってもよい。
【0084】
上記のように空冷ファン15と記録ヘッドのダクト6とを接続ダクト20により接続した本形態の記録装置は、以下のような3つの特徴を有する。
【0085】
(1)流速を速める:
空冷ファン15の吹き出し口の断面積は、記録ヘッドのダクト6のダクト入り口9aの断面積よりも大きい。この場合、接続ダクト20は、ダクト入り口の断面積がダクト出口の断面積より大きくなる構造、すなわち、ダクトの先を絞るような構造となる。この構造によれば、空冷ファン15により発生した空気流を全て記録ヘッドのダクト6内へ取り込むことができ、結果、ダクト6内における流速を速め、空冷効果を高めることができる。
【0086】
(2)記録装置内部の他の部分からの熱の影響を受け難い:
空冷ファン15は記録装置外部の空気を内部へ取り込むように構成されており、また、その空冷ファン15により取り込まれた空気は、記録装置内部の他の部分からの熱により暖められた空気と混ざることなく、接続ダクト20を介して記録ヘッドのダクト6内に直接流入するようになっている。したがって、記録装置内部の温度が高くなっても、記録ヘッドの空冷効果を保つことができる。
【0087】
(3)乾燥防止キャップを行う必要がない:
空冷ファン15により取り込まれた空気は、接続ダクト20を介して記録ヘッドのダクト6内に直接流入するようになっているので、空冷ファン15により生じた空気流によって吐出部5が乾燥することがない。このため、本形態では、空冷ファン15を用いた強制空冷動作を行う際に、前述の第1の実施形態の場合のように、記録ヘッドをキャップ部材16上まで移動させてその吐出部をキャップする必要がなく、空冷ファン15を回復機構部以外の場所に設けることができる。例えば、記録ヘッドが移動することのできる範囲で、回復機構部のある位置とは反対側の位置に空冷ファン15を設けることができる。一般に、回復機構部は複雑な機構を備えるため、スペース上、その部分に空冷ファンを設けることは困難であることから、空冷ファン15を回復機構部のある位置とは反対側に設けることは有効であり、また、記録装置の小型化においても有効である。
【0088】
本形態における空冷ファン15を利用した強制空冷動作も、前述の第1の実施形態で説明した制御系(図3参照)によって行われる。記録動作中に、温度センサ17によって検出される記録ヘッド10の温度が予め設定された温度(冷却開始温度)を超えると、CPU100は、その記録動作を中断して、記録ヘッド10を所定の位置に移動して空冷ファン15を駆動する。すると、空冷ファン15により外部空気が取り込まれ、該取り込まれた空気が接続ダクト20を介して記録ヘッド10のダクト6内を流れてヘッドが冷却される。この冷却により、温度センサ17によって検出される記録ヘッド10の温度が予め設定された温度(冷却終了温度)より低くなると、CPU100は、中断した記録動作に復帰させ、記録ヘッド10による記録を再開する。
【0089】
次に、上述した第1および第2の実施形態の記録装置に適用可能な、ヘッド内部に冷却用のダクトを備えた記録ヘッドの構造例について具体的に説明する。
【0090】
(ダクト付き記録ヘッドの第1の構造例)
図6は本発明の記録装置に適用可能な、ダクト付き記録ヘッドの第1の構造例を説明するための図で、(a)は吐出部分の斜視図、図6(b)はその吐出部分の分解斜視図である。図6を参照すると、支持部材4は複数のインク流路4aを備え、これらインク流路4a毎に吐出部5が接着固定されるとともに、その裏面(吐出部5が接着固定される面とは反対側の面)に熱伝導性に優れた蓄熱プレート22が接着固定される。インク供給部7はモールド部材(有機樹脂などの部材)よりなり、支持部材4の各インク流路4aと対応する複数のインク流路7aを備え、それぞれ対応するインク流路同士が繋がるように支持部材4が接着固定される。吐出部5と支持部材4、支持部材4と蓄熱プレート22、支持部材4とインク供給部5の接着には、いずれも熱伝導性の非常に良い接着剤を用いる。インク供給部7は、インク流路7aを除くと、断面形状が略コの字状の、一方向に連続する溝のような構造となっており、支持部材4が固定されることにより、その溝部分が所定の方向に貫通したダクト6となる。
【0091】
以上の構成は、蓄熱プレート22が設けられた以外は、前述の図2に示した記録ヘッドと同様のものである。
【0092】
蓄熱プレート22は、インク流路7aの部分に相当する箇所が開口しており、プレートの厚さdは、インク供給部7の支持部材4が固定される部分の、ヘッド筐体2の裏面からの高さhに比べて十分に小さい。図7は、図6(a)に示した吐出部分のA−A断面を矢印Bの方向から見た断面図である。この図7から分かるように、蓄熱プレート22は、ダクト6内に露出する支持部材4の裏面の、インク流路4aを除く部分をほぼ覆うように接着固定されるが、ダクト6を塞ぐことはない。
【0093】
本記録ヘッドでは、インク吐出の際に吐出部5にて発生した熱は、個体熱伝導により支持部材4および蓄熱プレート22に非常に速やかに伝わるようになっており、蓄熱プレート22を持たない記録ヘッド(例えば、図2の記録ヘッド)と比べて、その蓄熱容量は、蓄熱プレート22の分だけ大きい。このように本記録ヘッドは、インク吐出の際に発生する大量の熱量を抱え込むことが可能であり、蓄熱プレート22を持たない記録ヘッド(例えば、図2の記録ヘッド)よりも昇温し難い構造になっている。よって、本記録ヘッドによれば、例えば連続して記録を行う場合に、吐出部5で発生した熱による短時間でのヘッドの破壊を防止することができ、また、ヘッド冷却のために記録動作の中断することなく、長時間にわたって安定した記録を行うことができる。なお、ヘッド昇温により記録が不安定になる場合には、前述の空冷ファンを用いた強制空冷動作が行われることになるが、蓄熱容量を大きくしたことで、その回数は図2に示した記録ヘッドの場合よりも少なくて済む。
【0094】
また、インクに接する部材には、インクによる劣化を受けることがなく、かつ、インクを変質させないような非常に限られた材質しか使用できないが、蓄熱プレート22はインク流路を形成するものではないので、その材質を自由に選択することができる。よって、蓄熱プレートに熱伝導性に優れた材質、例えばアルミニウム、アルミナ、銅などの材質を使用することができ、これにより、より高い冷却効果を期待できる。
【0095】
また、蓄熱プレート22は表裏面ともにシンプルな平面構造であり、あまり加工を施す必要がないため、コスト面で有利である。
【0096】
冷却効果としては、蓄熱プレート22の裏面からの放熱による冷却効果と、蓄熱プレート22の裏面にダクト6内に流れる空気があたることによる冷却効果がある。蓄熱プレート22の放熱面、冷却面の面積を大きくとることで、冷却効果をより高めることができる。
【0097】
以下に、放熱面、冷却面の面積を大きくとることのできる蓄熱プレートの例を挙げる。
【0098】
図8の(a)〜(c)は、図7に示した蓄熱プレート22の変形例である。図8(a)に示す蓄熱プレートは、支持部材4と接着される面とは反対の面に複数の溝22aが形成されている。これら溝22aは、スキャン方向(キャリッジの主走査方向)に沿って形成されており、キャリッジの移動に伴って各溝22aに沿って空気の流れが生じ、これにより冷却効果を高めている。また、この溝22aを設けたことにより、放熱が行われる面の面積が大きくなり、これによっても冷却効果を高めている。この構造によれば、図7に示したものよりも、吐出部5にて発生した熱を効率良く放熱させることができる。
【0099】
図8(b)に示す蓄熱プレートは、支持部材4と接着される面に複数の溝22bが形成されている。これら溝22bも、上記の溝22aと同様、スキャン方向に沿って形成されており、キャリッジの移動に伴って各溝22bに沿って空気の流れが生じ、これにより冷却効果を高めている。また、この溝22bを設けたことにより、放熱が行われる面の面積(この場合は、蓄熱プレートのダクト6内に露出した裏面の面積と各溝22bの表面積の総和)が大きくなり、これによっても冷却効果を高めている。この場合も、図7に示したものよりも吐出部5にて発生した熱を効率良く放熱させることができる。
【0100】
図8(c)に示す蓄熱プレートは、図8(a)に示した溝22aと図8(b)に示した溝22bの両方を形成したものである。この構造によれば、図8(a)、図8(b)に示したものより、さらに冷却効果を高めることができる。
【0101】
上述の図8(a)〜(c)に示した蓄熱プレートにおいて、溝22a、22bの形状は図示した形状に限定されるものではなく、効果的に放熱部分の表面積の増大を図ることができるとともに、強度的な問題が生じることがなく、また、蓄熱プレートとの安定した接着面積の確保や接着や組み立ての作業性、さらには吐出部にて発生する熱を十分に逃すことのできる体積の確保などに、支障がない限り、どのような形状としてもよい。また、溝形状に代えて多孔を設けてもよい。この場合、各孔はスキャン方向に貫通していることが望ましい。また、上記の溝と孔を組み合わせてもよい。
【0102】
(ダクト付き記録ヘッドの第2の構造例)
上述したダクト付き記録ヘッドの第1の構造例では、ダクト内に露出するインク流路の外壁は、いくつかのインク流路がまとめられたものであったが、ここでは、各インク流路毎にダクト内に外壁が露出するような構造について説明する。
【0103】
図9は、本発明の記録装置に適用可能な、ダクト付き記録ヘッドの第2の構造例を説明するための図で、(a)は吐出部分の上面図、(b)はその吐出部分の側面図である。
【0104】
吐出部である複数のシリコンチップ111〜11nがチッププレート24に固定され、このチッププレート24がインク供給部23に固定されている。各シリコンチップ111〜11nには、その長手方向(スキャン方向に対して垂直な方向)に沿って複数のインク吐出口が形成されており、インク供給部23には、各シリコンチップ111〜11n毎に複数のインク流路141〜14nが形成されている。各シリコンチップ111〜11nは、各インク吐出口毎に電気熱変換素子等のエネルギー変換素子が配置されており、このエネルギー変換素子から吐出エネルギー(膜沸騰により生じる熱エネルギー)がインクに付与されることによって、インク吐出口からインクが液滴として吐出される。
【0105】
チッププレート24は正確に平面を作る必要があるため、多くの場合アルミナなどのセラミックスが用いられる。また、インク供給部23は複雑な形状をしたインク流路が形成されるため、有機樹脂が用いられるのが一般的である。
【0106】
図9中、矢印42は記録ヘッドのスキャン方向であり、この方向に沿ってシリコンチップ111〜11nが配置されている。インク供給部23のチッププレート24が設けられる面側には、スキャン方向(矢印42)に沿って貫通したダクト40が設けられている。
【0107】
インク供給部23の一方の側面のチッププレート24が設けられる側には流入出口21a〜21dが設けれている。これと同様に、インク供給部23の他方の側面には流入出口21a’〜21d’が設けれている。記録ヘッドが矢印42方向に移動すると、これら流入出口21a〜21d、21a’〜21d’を介してダクト40内に空気が流れる。図9中、矢印41はそのときの空気の流れを示す。
【0108】
図10は、図9に示したダクト40の部分の断面構造を示す図で、(a)は図9(a)のA−A’断面図、(b)は図9(a)のB−B’断面図である。ダクト40は、チッププレート24の裏面(シリコンチップが設けられる面とは反対の面)の一部が流路壁となっており、このチッププレート24の裏面に沿ってチッププレート24の長手方向に貫通している。なお、ダクト40内には、各インク流路141〜14nの外壁(図10(a)には、流路141の外壁43を示している。)が存在するが、ダクト40内を流れる空気は、その一部がこの外壁を取り巻くように流れ、全体的には、チッププレート24の裏面に沿ってその長手方向に流れる(図9(a)の矢印41)。この構造によれば、チッププレート24の裏面のうちインク流路が接合されている部分以外は、すべて空気の流れによって冷却(空冷)される。このようなダクト40は、射出成形等によって形成することができる。
【0109】
上記のように構成された本記録ヘッドでは、スキャン時において、流入口21a〜21dが設けられた面側へ移動した場合には、その流入口21a〜21dから空気が流入し、その流入した空気はダクト40内を通って反対側の流入口21a’〜21d’から流出する。反対に、流入口21a’〜21d’が設けられた面側へ移動した場合には、その流入口21a’〜21d’から空気が流入し、その流入した空気はダクト40内を通って反対側の流入口21a〜21dから流出する。このように、記録ヘッドの移動に伴って、ヘッド内部のダクト40に矢印41のような空気の流れが発生し、この空気の流れにより、チッププレート24の裏面が冷却されることになる。
【0110】
スキャン時(記録時)に、熱発生部を備えるシリコンチップ111〜11nの付近(インク吐出口付近)の温度が上昇するが、本記録ヘッドでは、上記の如く、チッププレート24が冷却されるので、シリコンチップ111〜11n付近の温度が必要以上に上昇するのを防ぐことができる。すなわち、本記録ヘッドによれば、発熱源であるシリコンチップ11の表面だけでなくチッププレート24の裏面もがスキャンによって空冷されることで、より効果的に記録ヘッドの昇温を抑制することができる。
【0111】
本記録ヘッドにおいて、ダクト40は、インク流路141〜14nの障害になることが無く、且つ、チッププレート24がインク供給部23に十分に接着固定されるだけの糊代を残して、ダクト内に露出するチッププレート24の裏面の面積が可能な限り大きくなるように形成することが望ましい。このように構成することで、冷却効果をより高めることができる。なお、チッププレート24は正確に平面を出す必要があるため、ダクト40の形成は、そのチッププレート24の平面を損なわない範囲で行う。
【0112】
また、ダクト40は冷却効果を望めるのであれば、どこに設けてもよいが、望ましくは熱発生部である吐出部の近傍に設ける。図9に示した例では、チッププレート24は、発熱源を備えるシリコンチップ11が固定されるために熱を持ち易いので、このチッププレート24の裏面にダクト40を設けることが最も望ましい。
【0113】
上記の場合、チッププレート24の裏面は、ダクト40内に流れる空気のあたる面積をより大きくとることで、その冷却効果をより高めることができる。したがって、空気のあたる面積をより大きくするために、チッププレート24の裏面を凹凸形状にしてもよい。この場合、その凹凸形状は、ダクト40内に流れる空気の流れを妨げないようなパターン、例えば空気の流れに沿って溝が形成されたパターンとすることが望ましい。ただし、チッププレート24は正確な平面をつくる必要があるため、凹凸パターンの形成はそのチッププレート24の平面性を損なわない範囲で行う。
【0114】
また、前述のダクト付き記録ヘッドの第1の構造例の場合と同様、本記録ヘッドにおいても、チッププレート24の裏面に蓄熱プレートを設けることは有効である。図11は、図9に示した記録ヘッドに蓄熱プレートを設けた例を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【0115】
この記録ヘッドは、前述の図9に示した記録ヘッドの構成に、シリコンチップにて発生する熱を拡散する熱拡散手段としてアルミニウム等の熱伝導性の高い部材よりなる蓄熱プレート44を設けたものである。図11中、図9の構成と同じものには同じ符号を付し、ここでは、その構成についての詳細な説明は省略する。
【0116】
蓄熱プレート44は、ダクト40内に設けられている。図12(a)は図11(a)のA−A’断面図、図12(b)は図11(a)のB−B’断面図である。図12に示すように、この蓄熱プレート44は、インク流路141〜14nの障害とならないようにそれらインク流路の部分が開口しており、ダクト40内に露出しているチッププレート24の裏面を覆うように接着固定される。
【0117】
蓄熱プレート44を組み込むことで、チッププレート24に溜まった熱は、まず蓄熱プレート44に拡散されることになる。そして、スキャン方向に記録ヘッドが移動することで、ダクト40内に空気が流れ込み、その空気の流れによって蓄熱プレート44が空冷される。
【0118】
蓄熱プレート44は、ダクト40内に流れる空気のあたる面積を大きくとることで、その冷却効果をより高めることができる。したがって、蓄熱プレート44は、図12に示したように、チッププレート24の裏面の、インク流路以外の部分を全て覆うように構成することが望ましい。
【0119】
また、蓄熱プレート44は、空気のあたる面積をより大きくとれるように凹凸形状にしてもよい。この場合、その凹凸形状は、ダクト40内に流れる空気の流れを妨げないようなパターン、例えば空気の流れに沿って溝が形成されたパターンとすることが望ましい。
【0120】
(第3の実施形態)
本形態の記録装置は、上述の第1または第2の実施形態の記録装置の構成において、熱発生部である吐出部にて発生した熱をヘッド内部からヘッド外部へ輸送する、ヒートパイプなどの熱輸送装置と、この熱輸送装置にて輸送された熱を放出する放熱部とをさらに備える。
【0121】
熱輸送装置は、一端(熱を吸収する側)が支持部材の裏面(液体吐出部か固定される面とは反対の面)に接するように設けられている。放熱部は、熱輸送装置の他端(熱を放出する側)と接するように設けられている。放熱部の表面に空冷ファンからの空気流があたるようにすることもできる。この放熱部の材料としては、アルミニウム、アルミナ、銅など熱伝導性に優れた部材を用いる。
【0122】
吐出部にて発生した熱は、すぐさま支持部材に伝わり、さらに熱輸送装置を介して放熱部へと伝わる。放熱部の表面はヘッド外部の空気に接しており、放熱部に伝わった熱はヘッド外部の空気中に放出される。この放熱部は、前述した蓄熱プレートと同様、蓄熱容量を増大させる部材でもある。
【0123】
本形態においても、前述の第1の実施形態で説明した制御系(図3参照)によって空冷ファン15を利用した強制空冷動作が行われる。記録動作中に、温度センサ17によって検出される記録ヘッド10の温度が予め設定された温度(冷却開始温度)を超えると、CPU100は、その記録動作を中断して、記録ヘッド10を所定の位置に移動して空冷ファン15を駆動する。これにより、記録ヘッド10の放熱部に空冷ファン15からの空気流があたりヘッドが冷却される。この冷却により、温度センサ17によって検出される記録ヘッド10の温度が予め設定された温度(冷却終了温度)より低くなると、CPU100は、中断した記録動作に復帰させ、記録ヘッド10による記録を再開する。
【0124】
[キャリッジ]
上述したようなダクト付き記録ヘッドをキャリッジに搭載する場合、構造によっては、キャリッジ側にもダクト内に空気を流すための流入出口を設ける必要がある。ここでは、そのようなキャリッジの構成について説明する。
【0125】
図13は、本発明の記録装置に適用可能な、ダクト付き記録ヘッドを搭載するキャリッジの一例を示す斜視図である。このキャリッジは、前述の図9〜図12に示した構造の記録ヘッド10を搭載するものであって、ガイドシャフト14に沿って移動可能である。キャリッジは、記録ヘッド10のダクトの流入出口が設けられた面と接する、対向する2つの側面45a、45bを有する。一方の側面45aには流入出口22a〜22dが設けられ、他方の側面45bには流入出口22a’〜22d’が設けられている。流入出口22a、22b、22c、22dはそれぞれ記録ヘッド10の流入出口21a、21b、21c、21dと対応し、流入出口22a’、22b’、22c’、22d’はそれぞれ記録ヘッド10の流入出口21a’、21b’、21c’、21d’と対応している。
【0126】
キャリッジがガイドシャフト14に沿って側面45a側へ移動すると、その移動に伴って、側面45aの流入出口22a〜22dから空気が流入し、その流入した空気が記録ヘッド10の流入出口21a〜21dを介してヘッド内部のダクト40内に流入する。ダクト40内に流入したく空気は、記録ヘッド10の流入出口21a’〜21d’を介してキャリッジの側面45bの流入出口22a’〜22d’から流出する。
【0127】
反対に、キャリッジがガイドシャフト14に沿って側面45b側へ移動すると、その移動に伴って、側面45bの流入出口22a’〜22d’から空気が流入し、その流入した空気が記録ヘッド10の流入出口21a’〜21d’を介してヘッド内部のダクト40内に流入する。ダクト40内に流入したく空気は、記録ヘッド10の流入出口21a〜21dを介してキャリッジの側面45aの流入出口22a〜22dから流出する。
【0128】
前述の図1および図4に示した空冷ファンを用いて記録ヘッドを冷却する場合は、キャリッジの側面45aの流入出口22a〜22dまたは側面45bの流入出口22a’〜22d’から、空冷ファンにより空気が送り込まれる。
【0129】
以上説明した第1乃至第3の実施形態の記録装置では、吐出部(シリコンチップ)が支持部材(チッププレート)に接着固定され、さらにその支持部材がインク供給部に接着固定されたインクジェット式の記録ヘッドを例にその冷却機構を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、他の構造の記録ヘッドにも適用することができる。
【0130】
(他の実施形態)
上述した第1乃至第3の実施形態の記録装置の冷却機構は、サ−マル式の記録ヘッドを備える記録装置にも適用することができる。この場合、制御系は、インクによる記録動作に代えてサーマルヘッドによる記録動作が行われる以外は、前述の図3に示した制御系とほぼ同様の構成のものを用いることができ、空冷ファンによる空冷動作は、CPUが、記録ヘッドに取り付けられた温度センサの検出温度に基づいて行う。ただし、サ−マル式の場合は、インクを用いないため、空冷ファンによって発生した風を記録ヘッドに当てることによるインク滴の着弾位置のずれや吐出部におけるインクの乾燥などの問題が無く、記録動作中であっても、空冷ファンを駆動させることが可能であり、その風量も大きくすることが可能である。
【0131】
以上説明した各実施形態の記録装置は、将来的により発熱量の多くなる記録ヘッドに対しても安定したインク吐出を実現可能である。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ヘッド表面からの冷却に加えて、ヘッド内部からも冷却することができるので、基本的にヘッド表面からの放熱により冷却が行われていた従来のものより冷却効果に優れ、記録ヘッドが昇温し難い。よって、より長時間わたって、より高デューティーの画像を安定して記録することができる。
【0133】
さらに、本発明によれば、ヘッドが過度に昇温しても、空冷ファンにより、ヘッド表面からとヘッド内部からの両方から記録ヘッドを速やかに冷却することができるので、ヘッドが過度に昇温すると長時間の休止が必要とされていた従来のものと比べて、大幅に記録スピードを改善することができる。特に、ヘッド面をキャップした状態で空冷ファンによる冷却を行うものにおいては、ヘッドの乾燥を防ぐとともに、風量を多くして急速な冷却を行うことができるので、記録スピードをさらに改善することができる。
【0134】
また、本発明によれば、ダクトと空冷ファンの組み合わせにより実現することができるので、簡単な構成で、低コストなものを提供することができる。
【0136】
本発明のうち、ダクト内に、支持部材の裏面(液体吐出部が固定される面とは反対の面)が露出するとともに、液体供給部から液体吐出部に液体を供給する流路が配されているものにおいては、ダクト内に流れる空気によって支持部材の裏面および流路が冷却されるので、より一層の冷却効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の記録装置の記録ヘッド冷却機構を説明するための図である。
【図2】図1に示す記録ヘッドの分解斜視図である。
【図3】図1に示す記録装置の制御系を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の記録装置の記録ヘッド冷却機構を示す斜視図である。
【図5】図4に示す記録装置の記録ヘッド冷却機構を側面からみたときの概略構成を示す断面図である。
【図6】本発明の記録装置に適用可能な、ダクト付き記録ヘッドの第1の構造例を説明するための図で、(a)は斜視図、図6(b)は分解斜視図である。
【図7】図6(a)に示す吐出部分のA−A断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、図7に示す蓄熱プレートの変形例を示す斜視図である。
【図9】本発明の記録装置に適用可能な、ダクト付き記録ヘッドの第2の構造例を説明するための図で、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図10】(a)は図9(a)のA−A’断面図、(b)は図9(a)のB−B’断面図である。
【図11】図9に示す記録ヘッドに蓄熱プレートを設けた例を示す図で、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図12】(a)は図11(a)のA−A’断面図、(b)は図11(a)のB−B’断面図である。
【図13】本発明の記録装置に適用可能な、ダクト付き記録ヘッドを搭載するキャリッジの一例を示す斜視図である。
【図14】従来のシリアル型インクジェット記録装置の表面の一部を切り欠いた斜視図である。
【図15】図14に示すシリアル型インクジェット記録装置の記録ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図16】(a)は従来の記録ヘッドの吐出部分の斜視図、(b)は(a)に示す吐出部分の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 インクタンク
2 ヘッド筐体
3 フレキシブルケーブル
4 支持部材
5 吐出部
6、40 ダクト
7、23 インク供給部
8、41 空気の流れ
9a ダクト入り口
9b ダクト出口
10 記録ヘッド
11、13、141〜14n インク流路
111〜11n シリコンチップ
12 ジョイント部
14 ガイドシャフト
15 空冷ファン
16 キャップ部材
17 温度センサ
20 接続ダクト
21 記録装置外装
21a〜21d、21a’〜21d’、22a〜22d、22a’〜22d’流入出口
22、44 蓄熱プレート
22a、22b 溝
24 チッププレート
42 スキャン方向
43 外壁
44a、44b 側面
100 CPU
101 ROM
102 RAM
103 ヘッドドライバ
104 PFモーター
105、106 モータドライバ
205 キャリッジモーター
206 エンコーダ

Claims (8)

  1. 記録のために熱エネルギーを利用して液体を吐出する複数の液体吐出部と、
    前記液体吐出部が固定される支持部材と、
    前記支持部材の前記液体吐出部が固定される面とは反対側の面と対向する位置に配置され、前記液体を収容するタンクと、
    前記タンクから前記液体吐出部に液体を供給する流路と、を有し、キャリッジに搭載されてスキャン方向に移動しながら記録を行う記録ヘッドにおいて、
    前記タンクと前記支持部材の間に配置され、スキャン方向に沿って貫通し、前記支持部材の前記液体吐出部が固定される面とは反対の面と前記流路の回りに空気を流すダクトを有することを特徴とする記録ヘッド。
  2. 前記ダクトが、前記液体吐出部の前記液体が吐出される面とは反対側の面に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  3. 前記ダクト内に、前記支持部材の前記液体吐出部が固定される面とは反対の面が露出していることを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッド。
  4. 前記ダクト内に露出する支持部材の面を覆うように蓄熱プレートが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録ヘッドと、該記録ヘッドを搭載するキャリッジと、前記記録ヘッドを冷却するための空冷ファンとを有し、前記記録ヘッドは所定の位置で前記空冷ファンと対峙し、前記空冷ファンにより前記ダクト内に空気が流れるように構成されていることを特徴とする記録装置。
  6. 前記キャリッジは、対向配置された流入出口を有し、これら流入出口は、一方の流入出口から空気が流入し、その流入した空気が前記記録ヘッドの内部を通って他方の流入出口から流出するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記空冷ファンが、前記記録ヘッドから吐出されて当該記録装置内を浮遊するミストを吸着するためのミスト吸着ファンであることを特徴とする請求項5または6に記載の記録装置。
  8. 前記空冷ファンの吹き出し口と密接に接合された第2のダクトをさらに有し、該第2のダクトは、前記記録ヘッドと前記空冷ファンとが対峙した状態で、前記記録ヘッドのダクトと連結されることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
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