JP3787293B2 - コネクタ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばサイドスペーサといった端子係止部材を用いた場合におけるコネクタハウジングの肥大化を防止したコネクタ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、雄・雌両コネクタを嵌合させてワイヤハーネス同士やワイヤハーネスと機器等とを電気的に接続させる構造においては、コネクタ内の端子の抜け出しを確実に防止するために、端子二重係止用のスペーサやリテーナやホルダといった係止部材を用いている。
【0003】
図6は、合成樹脂製の雌側のコネクタハウジング41に合成樹脂製のサイドスペーサ42を挿着する状態を示すもの(後方視断面図)である。
雌側のコネクタハウジング41は外側のフード部43と内側のハウジング主体部44とを有し、ハウジング主体部44は上下二段に複数の端子収容室45,46を並列に有している。フード部43の一側壁47にスペーサ挿入用の開口部48が設けられ、ハウジング主体部44の上下両壁部49にスペーサ案内部50が設けられ、案内部50にスペーサ仮係止用と本係止用の各凹部51,52が設けられている。ハウジング主体部44の高さ方向中央には、上下の端子収容室45,46の間で水平方向の略スリット状のスペーサ挿入空間53が設けられている。
【0004】
サイドスペーサ42は、上下一対の保持板55と、両保持板55を結ぶ連結壁56と、連結壁56の高さ方向中央に設けられた端子係止板57と、端子係止板57の上下に突設された複数の係止突部58とで構成されている。
【0005】
図7にサイドスペーサ42の挿着状態(本係止状態)を示す如く、ハウジング主体部44の上下の壁部49に沿ってサイドスペーサ42の一対の保持板55が挿入され、中央の挿入空間53に沿って端子係止板57(図6)が挿入される。各保持板55の係止突起6がハウジング主体部44の凹部52に係合して、サイドスペーサ42が抜け出しなく係止(保持)される。
【0006】
端子係止板57の各係止突部58(図6)はコネクタハウジング41内の雌型の端子(図示せず)の例えば箱状の電気接触部の後段部に当接して、端子の後抜けを阻止する。端子は左側と右側の各端子収容室45,46に大小二種類のものが挿入される。
【0007】
端子の挿入はサイドスペーサ42の仮係止状態で行われる。仮係止状態は係止突起6がハウジング主体部44の手前側の凹部51(図6)に係合した状態であり、サイドスペーサ42は図7の本係止位置よりも少し手前(挿入反対方向)に位置し、各端子係止突部58は各端子収容室45,46の側方に位置する。端子はハウジング主体部44内の可撓性の係止ランス(図示せず)で一次係止される。サイドスペーサ42を仮係止から本係止に移行させることで、端子が二重に係止(二次係止)される。
【0008】
端子は電線に圧着接続されており、電線には防水ゴム栓やマットシール(図示せず)が外挿される。防水ゴム栓は端子収容室45,46の後部に圧入される。コネクタハウジング41とサイドスペーサ42と端子と防水ゴム栓等で雌側のコネクタが構成される。
【0009】
フード部43とハウジング主体部44ないしサイドスペーサ42との間の略矩形環状の隙間60に相手雄側のコネクタハウジング61(図8)が挿入される。隙間60の奥側(後部)には略矩形環状の防水パッキン(図示せず)が嵌着されている。雄側のコネクタハウジング61(図9)の前端部62が防水パッキンに押接し、それによってハウジング主体部44と雄側のコネクタ内の防水が行われる。サイドスペーサ42の一対の保持板55は防水パッキンの正面に当接して防水パッキンの抜け出しを防止する。
【0010】
図8〜図9は従来の雄側のコネクタハウジング61を示すもの(図8は正面図)であり、雄側のコネクタハウジング61は、上下左右の壁部63で囲まれたコネクタ嵌合室16と、コネクタ嵌合室16の基壁(底壁)22とを有し、基壁22には、雄型の端子を挿通させる複数の孔部30,64が設けられている。雄側のコネクタハウジング61と雄型の端子とで雄側のコネクタが構成される。
【0011】
なお、本明細書では、雌側のコネクタのロック部66(図7)のある側を上と定義しているが、これはあくまでも説明の便宜上のものであり、実使用時の方向とは必ずしも一致するものではない。また、本明細書では、雄型の端子を収容し、コネクタ嵌合室16を有する側を雄側のコネクタ、雌型の端子を有して、コネクタ嵌合室16に挿入される側を雌側のコネクタと定義し、雄・雌コネクタが嵌合を開始する側を前と定義している。
【0012】
上記基壁22は図9の如く段付きに形成され、右側の基壁22aは中央部が高く、且つ上下両側が凹んで低く位置し、左側の基壁22bは中央部が低く、且つ上下両側が右側の基壁22aの中央部と同じく高く位置している。左側の基壁22bの上下両側の部分は隔壁67(図8)で区画されている。右側の基壁22aに端子挿通用の小さな孔部30が形成され、左側の基壁22bに端子挿通用の大きな孔部64が形成され、小さな孔部30に細い雄型(ピン状)の端子が挿通され、大きな孔部64に幅広の雄型(タブ状)の端子が挿通される。
【0013】
各端子はコネクタハウジング61の基壁22を貫通してコネクタ嵌合室16内と底部側とに突出し、例えば底部側の端子部分は回路基板(図示せず)にハンダ接続され、回路基板はコネクタハウジング61の底部側69で機器(図示せず)に接続され、コネクタハウジング69の底部側69の外周にはシールリングが装着され、底部側の部分69は機器に直付け固定される。
【0014】
その状態で、前記サイドスペーサ42(図7)を装着した雌側のコネクタが雄側のコネクタに嵌合接続され、それにより、雌側のコネクタに続くワイヤハーネスが機器に接続される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のサイドスペーサ(端子係止部材)42を用いたコネクタ構造にあっては、図7の如くサイドスペーサ42の保持板55と雌側のコネクタのフード部43との隙間60に雄側のコネクタハウジング61(図8)を挿入させる構造であるが故に、近年の雄・雌コネクタの小型化に伴って、上記隙間60が狭く、且つ雄側のコネクタハウジング61の壁部63板厚が薄くなり、特に雄側のコネクタハウジングの61上下の壁部17(図8)の機械的強度が低下して、壁部17が撓みやすくなり、樹脂成形時に大きな反りを生じたり、嵌合時のこじり力や衝撃や外部との強い干渉等によって雄側のコネクタハウジング61が破損しやすくなるといった問題を生じた。
【0016】
図8の形態のコネクタハウジング61においては特に右側の上下の壁部17の内側に凹部20が形成されているために、コネクタハウジング61の右側において壁部17が撓みやすく、且つ強度が弱いという問題があった。
また、サイドスペーサ42が上下対称な形状をしているために(前後方向すなわち板幅方向には対称ではない)、作業者が上下逆にして雌側のコネクタハウジング41に組み込んで、サイドスペーサ42を破損したり、雌側のコネクタハウジング41や雌型の端子を傷付けてしまうといった問題もあった。
【0017】
本発明は、上記した点に鑑み、コネクタの小型化に伴う雄側のコネクタハウジングの強度低下を防ぐことができ、しかも雌側のコネクタハウジングへの端子係止部材の誤組付を確実且つ容易に防ぐことのできるコネクタ構造を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るコネクタ構造は、一方のコネクタハウジングに端子係止部材であるサイドスペーサを端子挿入交差方向に挿着し、該一方のコネクタハウジングを他方のコネクタハウジングに挿入するコネクタ構造において、前記他方のコネクタハウジングの内壁面に補強部としてコネクタ嵌合方向に延びる複数のリブが形成され、前記一方のコネクタハウジングの外面に沿って前記サイドスペーサの弾性の保持板が位置し、該保持板の自由端側から一側方に該複数のリブを逃がす部分としての切欠部が設けられ、該切欠部の手前側で該保持板の幅広部の内面に、係止手段として該一方のコネクタハウジングの外面側の係合凹部又は係合突起に対する係止突起又は係止凹部が設けられたことを特徴とする。
上記構成により、他方のコネクタハウジングが補強部である複数のリブで剛性アップされ、複数のリブによるコネクタハウジングの板厚増加分をサイドスペーサの切欠部が吸収する。また、保持板が切欠部で対称形状でなくなり、切欠部で端子係止部材の組付時の方向性が認識される。
また、複数のリブの間に隙間があるから、コネクタハウジングの重量増加が抑えられ、且つ複数のリブで確実にコネクタハウジングの剛性がアップする。リブがコネクタ嵌合方向に延びたことで、コネクタハウジングの嵌合時の過大なこじり等に対応できる。
また、一方のコネクタハウジングをサイドスペーサと共に他方のコネクタハウジングに挿入した際に、他方のコネクタハウジングの壁部が薄くても、リブで強度アップされており、且つサイドスペーサの切欠部がリブを収容するから、コネクタ全体の肥大化が起こらない。
【0019】
請求項2に係るコネクタ構造は、請求項1記載のコネクタ構造において、前記端子係止部材の前記複数のリブを逃がす部分の手前に、前記一方のコネクタハウジングに対する係止手段が設けられたことを特徴とする。
上記構成により、端子係止部材が複数のリブを逃がす部分である程度強度低下するのは否めないが、その強度低下部分とは無関係の部分に係止手段があるから、係止力が低下せず、端子係止部材が挿着状態でコネクタハウジングに確実に係止される。
【0022】
請求項2に係るコネクタ構造は、請求項1記載のコネクタ構造において、前記切欠部側の保持板の幅よりも前記係止手段の長さが長いことを特徴とする。
上記構成により、サイドスペーサの保持板が切欠部で幅狭になっても、それとは何ら無関係に係止手段が強い係止力を発揮する。
【0023】
請求項3に係るコネクタ構造は、請求項1又は2記載のコネクタ構造において、前記切欠部が前記保持板の係止手段側の幅広部に続く円弧状部を有することを特徴とする。
上記構成により、保持板の幅広部と幅狭部との間が円弧状部で滑らかに繋がるから、保持板の強度が極端には低下せず、保持板の板厚方向の弾性力が確保され、保持板がコネクタハウジングに確実に保持(挟持)される。
【0025】
請求項4に係るコネクタ構造は、請求項1〜3の何れかに記載のコネクタ構造において、前記保持板に交差して、前記一方のコネクタハウジング側の防水パッキンを抜け止めする副板が設けられたことを特徴とする。
上記構成により、サイドスペーサの副板が防水パッキンに当接して防水パッキンの抜け止めを行う。このように、サイドスペーサの係止とリブの収容と防水パッキンの抜け止めとが同時に行われる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明のコネクタ構造における端子係止部材であるサイドスペーサの一実施形態を示すものである。なお、上下等の定義は従来の技術で述べた通りである。
【0027】
このサイドスペーサ(端子係止部材)1は合成樹脂を材料として、上下一対の保持板2と、一対の保持板2を結ぶ連結壁3と、連結壁3の高さ方向中央に突設され、保持板2と平行に且つ保持板2よりも長く突出した端子係止板4とで構成され、上下一対の保持板2の一側方(前側)にそれぞれ大きな切欠部(図1)5が形成されたことを特徴としている。
【0028】
一対の保持板2には連結壁3寄りの部分にそれぞれ係止突起(係止手段)6(図2)が内向きに設けられ、係止突起6の近傍で(係止突起6に隣接して)切欠部5(図1)が開始されて保持板長手方向に保持板2の先端(自由端)側まで続いている。すなわち、係止突起6の近傍に切欠部5の円弧状部5aが位置し、円弧状部5aは保持板長手方向に接線方向の真直部5bとして続いている。従来のサイドスペーサの保持板を鎖線7の如く削除することで、円弧状部5aと真直部5bとで成る切欠部5が構成されている。
【0029】
係止突起6(図2)は保持板2の全長のほぼ1/4程度の長さの位置にあり、保持板2の幅方向(横断方向)に延びており、自由端寄りの摺接用の傾斜面6aないし湾曲面と、その反対側の係止面6bとを有している。係止突起6の傾斜面6aの近傍に切欠部5の円弧状部5aが位置している。係止突起6(図1)は切欠部5側の保持板2の幅狭部2bの幅よりも長く形成され、切欠部5の影響を受けることなく従来と同じ長さで保持板幅方向に延びており、十分な係止力が確保されている。
【0030】
切欠部5(図1)の長さは保持板2の全長のほぼ3/4程度であり、切欠部5の幅は保持板2の全幅のほぼ2/3程度である。保持板2は全幅の1/3程度の幅で円弧状部5aから真直に延び、その幅狭部2bに直交して副板8が形成されている。副板8は保持板2の細幅部2bと同程度の幅を有し、図示しない雌側のコネクタ内の防水パッキンの前面に当接(面接触)して、防水パッキンの抜け出しを防止する。
【0031】
副板8(図2)は先端側半部8bが幅広で、基端側半部8aが幅狭に形成されており、先端部に係止解除用の傾斜面8cを有し、治具棒(図示せず)を傾斜面8cに押接させて保持板2を外側に撓ませて、内向きの係止突起6と雌側のコネクタハウジング(従来技術の図6参照)との係合を解除可能である。副板8の基端は連結壁3に交差し、連結壁3の上下両側にはスペーサ脱出用の傾斜状の凹部10が形成され、凹部10を他の治具棒(図示せず)でこじってサイドスペーサ1を抜き出し可能である。
【0032】
中央の端子係止板4(図2)には雌側のコネクタ内の雌型の端子(図示せず)に対応して基端側半部4aに大きな端子係止突部11が、先端側半部4bに小さな端子係止突部12がそれぞれ上下対称に配列されている。各端子係止突部11,12の正面11a,12aで雌型の端子の例えば箱状の電気接触部の後段部を係止する。
【0033】
保持板2(図1)の切欠部5は端子係止突部12の長さの半分程度の位置まで切欠され、保持板2の真直部2bは端子係止板4の長手方向中央に対向して位置し、端子係止板4の幅方向の半分以上の部分が保持板2から幅方向に突出(露出)している。端子係止板5は幅方向に段付き(13)に形成され、端子係止突部12のある部分が厚く形成されて強度が確保され、端子係止突部12のない部分4cが薄く形成されて省スペース化されている。
【0034】
図4〜図5は、本発明のコネクタ構造における雄側のコネクタハウジング15の一実施形態を示すものである。なお、上下前後等の方向の定義は上記同様である。
【0035】
この雄側のコネクタハウジング15は、コネクタ嵌合室16内において上下の各壁部17の内側面にコネクタ嵌合(離脱)方向に延びる複数の突条であるリブ(補強部)18を並列に設けて、コネクタハウジング15の機械的強度を向上させたことを特徴としている。リブ18はコネクタハウジング15と一体の合成樹脂で形成されている。
【0036】
本形態の雄側のコネクタハウジング15において、リブ18は右側の細径の端子(図示せず)を固定する部分19(図4)に対応して配設されている。それは、高さ方向中央の端子固定部19(図4)の上下に凹部20が形成され、凹部20に対応する上下の各壁部17が撓みやすく、且つ強度的に弱いからである。
【0037】
また、リブ18がコネクタ嵌合方向すなわち雄側のコネクタハウジング15の前後方向に延びていることで、コネクタハウジング15を前後方向に曲げようとする力に対する抗力(剛性)が増し、コネクタ嵌合時や離脱時等における強いこじり力等に対して極めて有効となる。
【0038】
リブ18は断面略台形状ないし矩形状に形成され、等ピッチでコネクタハウジング15の幅方向に並列に配設されている。各リブ間の凹み21の幅はリブ18の幅と同程度で、凹み21の底部21a(図4)は断面略円弧状に形成されて、リブ18と壁部17の一層の強度アップが図られている。リブ18の突出高さは壁部17の厚さのほぼ1/2程度である。壁部17はコネクタ嵌合方向ほぼ中央位置で段付き(32)に形成され、壁部17の後半部(奥側)17aの厚さは前半部17bのほぼ2倍程度である。この壁部17の後半部(厚肉部)17aにリブ18が形成され、リブ18の前端18a(図5)は段差部32と同一面に位置し、リブ18の後端18bはコネクタハウジング15の基壁(底壁)22まで達し、基壁22に直交して続いている。壁部17の前半部(入口側)はさらに小さい段付き(23)(図5)に形成されている。
【0039】
本実施形態でリブ18は上下の各壁部17で対称に配列され、六本の幅狭なリブ18と左端の一本の幅広のリブ18’とで成り、左端のリブ18’は長さ方向ほぼ中間で壁部17の左側の厚肉部17c(図5)に交差して続いており、左側の厚肉部17cの前端17c’は右側の厚肉部17aの前端17a’よりも後方に位置し、左側の厚肉部17cは段差(符号17c’で代用)を介して右側の厚肉部17aに続き、左側の厚肉部17cの前方には広いスペース24が、右側の厚肉部17aの前方には狭いスペース25がそれぞれ位置し、両スペース24,25はコネクタ幅方向(コネクタ嵌合直交方向)に連続している。
【0040】
図5に鎖線2で示す如く、雄・雌コネクタの嵌合時に左側の広いスペース24に雄コネクタ側のサイドスペーサ1(図1)の保持板2の基端側の幅広部分2aが収容され、右側の狭いスペース25に同じく保持板2の先端側の幅狭部2bが収容され、リブ18を逃げるようにして保持板2の切欠部5が位置する。すなわち、切欠部5はリブ18に保持板2を干渉させないためのものであり、この切欠部5によって、リブ18があってもサイドスペーサ1を通常に装着でき、リブ18の突出高さの寸法で雄側のコネクタハウジング15が上下方向に肥大化することがなくなり、コネクタの小型化が達成される。
【0041】
サイドスペーサ1は従来の技術の図7で示したように雌側のコネクタに挿着された状態で、コネクタ嵌合によって雄側のコネクタのコネクタ嵌合室16内に収容されて、コネクタ完全嵌合時に図5の鎖線2の如く位置する。すなわち、保持板2の切欠部5側の真直部5b(図1)がリブ18の前端面18aに接して又は若干の隙間を存して対向(近接)して位置し、保持板2の先端2cがリブ18の並び方向中間部に位置し、切欠部5の円弧状部5aが左端のリブ18’の左側に位置して、左側の幅広のスペース24内で保持板2の幅広部2aに続いている。
【0042】
保持板2の真直部5bをリブ18の前端面18aに接触させつつ挿入する構成とすれば、複数のリブ18の前端面18aがサイドスペーサ1に対する案内部として作用し、他の案内部をコネクタハウジング15に形成する必要がなくなる。
【0043】
また、サイドスペーサ1を雌側のコネクタハウジング(図6参照)内に挿入する際には、切欠部5によってサイドスペーサ1の前後が明確に識別されている(切欠部5側が前と規定される)から、作業者が方向を誤って誤挿入を起こす心配がなく、サイドスペーサ1や雌側のコネクタハウジングや端子の変形や破損等が防止される。切欠部5によって他品番のサイドスペーサとの識別も可能となる。
【0044】
また、従来技術の図7では係止突起6が保持板26の先端寄りに位置しているが、本発明における係止突起6は図2の如く保持板2の基端(根本)寄りに位置し、それによってリブ18を逃げつつ確実な係止を可能としている。
【0045】
図4の雄側のコネクタハウジング15の構成はリブ18を除いて従来(図8〜図9)とほぼ同様である。雄側のコネクタハウジング15の左右両側の壁部27は上下の壁部17に較べて幅が狭いから、剛性が高く、リブを設ける必要はない。
【0046】
コネクタハウジング15の基壁22は右側の中央部(図4の符号19で代用)と左側の上下両側部28(図4)とが同一面で続き、右側の上下両側部20が凹み、左側の中央部29がさらに凹んで厚い底壁部(図5の符号29で代用)に続いている。基壁22の右側の中央部分の複数の孔部30に細径な雄型の端子(図示せず)が圧入ないしインサート成形で固定され、左側の中央部分29に幅広の端子(図示せず)が同様に固定され、それらの端子は例えば機器側の回路基板(図示せず)に接続され、コネクタハウジング15の後端側は機器(図示せず)に固定される。コネクタハウジング15と端子とで雄側のコネクタが構成される。
【0047】
上記実施形態では、コネクタハウジング15の形状に応じて壁部17の特に弱い部分17aにリブ18を設け、サイドスペーサ1の基部側(係止側)の部分2aは壁部17の強い部分17c(凹部20がないため)に対応して位置させている。
【0048】
上記形態以外に、コネクタハウジング(15)の左右の形状が同一である場合には、コネクタハウジング(15)の上下の壁部(17)の内側面の全面にリブ(18)を設けることも可能であり、この場合には、サイドスペーサ(1)の保持板(2)を全長に渡って細幅に形成してリブ(18)を逃げるようにする。係止突起(6)は細幅の保持板(2)に形成するが、それだけでは係止力不足の場合には、保持板(2)と直交する副板(8)等にも係止突起等を設けることが可能である。係止手段として係止突起6に代えて係止凹部(図示せず)を設け、雌側のコネクタハウジング(図6参照)のハウジング主体部に、係止凹部に対する係合突起を設けることも可能である。
【0049】
また、雄側のコネクタハウジング15ではなく、サイドスペーサ(1)を挿着する雌側のコネクタハウジングのハウジング主体部の外壁面に補強用のリブ(18)を設け、サイドスペーサ(1)の保持板(2)に、リブ(18)を逃げる切欠部(5)を設けることも可能である。また、一対の保持板(2)の一方にのみ切欠部(5)を設け、雄側ないし雌側のコネクタハウジングの上又は下の壁部(17)にのみリブ(18)を設けることも可能である。上又は下の壁部(17)とは保持板(2)に対面する側の壁部であり、サイドスペーサ(1)の挿入方向によっては左右の側壁となることもある。
【0050】
また、一対の保持板(2)の両方に切欠部(5)を設け、雌側のコネクタハウジングの一方の壁部と雄側のコネクタハウジング(15)の他方の壁部17とにそれぞれリブ(18)を設けることも可能である。コネクタハウジング(15)のリブ(18)はサイドスペーサ(1)を用いないコネクタ構造においても有効である。その場合、サイドスペーサ(1)に代えて端子係止部材として図示しないフロントホルダやリヤホルダ等を用いてもよい。
【0051】
また、上記実施形態においては、リブ18をコネクタ嵌合(離脱)方向に延長させたが、リブ(18)をコネクタ嵌合直交方向すなわち横幅方向に延長させて、コネクタハウジング(15)の左右方向の曲げに対する剛性を高めることも可能である。また、真直なリブ(18)に代えて格子状に交差したリブや厚肉の壁部(図示せず)を形成することも可能である。この場合、図4の実施形態においてリブ18の突出高さに相当する厚さの壁部を形成することができ、その厚肉の壁部や格子状のリブや横幅方向に延びるリブをサイドスペーサ(1)の切欠部(5)で逃がして、コネクタハウジングの肥大化を防止することができる。
【0052】
また、サイドスペーサ1に代えてフロントホルダやリヤホルダ等の端子係止部材を用いた場合でも、コネクタハウジング(15)のリブ(18)等の補強部を逃げる切欠部(5)をこれら端子係止部材に設けることは可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、コネクタハウジングが補強部である複数のリブで強度アップされ、複数のリブによるコネクタハウジングの板厚増加分を端子係止部材であるサイドスペーサの切欠部が吸収するから、コネクタ全体の肥大化が防止され、コネクタハウジングの薄肉化により、コネクタ全体の小型化が可能となる。また、切欠部でサイドスペーサの組付時の方向性が視認又は検知され、サイドスペーサの誤挿入が防止される。また、複数のリブによってコネクタハウジングの重量増加が抑えられる共に、コネクタハウジングの剛性が確実にアップする。また、リブがコネクタ嵌合方向に延びたことで、コネクタハウジングの嵌合時等の過大なこじり変形等が防止され、コネクタハウジングの破損が確実に防止される。
【0054】
請求項2記載の発明によれば、端子係止部材の複数のリブを逃がす部分とは無関係に係止が行われるから、係止力が低下せず、端子係止部材の組付の信頼性が高まる。
【0057】
請求項2記載の発明によれば、サイドスペーサの保持板が切欠部で幅狭になっても、それとは何ら無関係に係止手段が強い係止力を発揮するから、サイドスペーサの組付の信頼性が高まる。
【0058】
請求項3記載の発明によれば、円弧状部によって保持板の強度低下が抑えられ保持板が板厚方向の弾性力でコネクタハウジングに確実に保持(挟持)されるから、サイドスペーサの組付の信頼性が高まる。
【0060】
請求項4記載の発明によれば、サイドスペーサによってコネクタハウジングへの係止と、コネクタハウジングのリブの収容と、防水パッキンの抜け止めとが同時に行われ、製品価値が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコネクタ構造における端子係止部材であるサイドスペーサの一実施形態を示す平面図である。
【図2】同じくサイドスペーサを示す正面図である。
【図3】同じくサイドスペーサを示す側面図である。
【図4】本発明のコネクタ構造における雄側のコネクタハウジングの一実施形態を示す正面図である。
【図5】同じく雄側のコネクタハウジングを示す横断面図である。
【図6】従来のサイドスペーサを雌側のコネクタハウジングに挿着する状態を示す背面側から見た図である。
【図7】同じくサイドスペーサを雌側のコネクタに挿着した状態を示す縦断面図である。
【図8】従来の雄側のコネクタハウジングの一形態を示す正面図である。
【図9】同じく雄側のコネクタハウジングを示す横断面図である。
【符号の説明】
1 サイドスペーサ(端子係止部材)
2 保持板
2a 幅広部
5 切欠部(補強部を逃がす部分)
5a 円弧状部
6 係止突起(係止手段)
8 副板
15 雄側のコネクタハウジング(他方のコネクタハウジング)
18,18’ リブ(補強部)
Claims (4)
- 一方のコネクタハウジングに端子係止部材であるサイドスペーサを端子挿入交差方向に挿着し、該一方のコネクタハウジングを他方のコネクタハウジングに挿入するコネクタ構造において、前記他方のコネクタハウジングの内壁面に補強部としてコネクタ嵌合方向に延びる複数のリブが形成され、前記一方のコネクタハウジングの外面に沿って前記サイドスペーサの弾性の保持板が位置し、該保持板の自由端側から一側方に該複数のリブを逃がす部分としての切欠部が設けられ、該切欠部の手前側で該保持板の幅広部の内面に、係止手段として該一方のコネクタハウジングの外面側の係合凹部又は係合突起に対する係止突起又は係止凹部が設けられたことを特徴とするコネクタ構造。
- 前記切欠部側の保持板の幅よりも前記係止手段の長さが長いことを特徴とする請求項1記載のコネクタ構造。
- 前記切欠部が前記保持板の係止手段側の幅広部に続く円弧状部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のコネクタ構造。
- 前記保持板に交差して、前記一方のコネクタハウジング側の防水パッキンを抜け止めする副板が設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のコネクタ構造。
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