JP3787063B2 - 可変容量ポンプの吐出量制御装置 - Google Patents

可変容量ポンプの吐出量制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1基の傾転自在のシリンダブロックにより2系統の吐出を得る型式の可変容量ポンプの吐出量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図1に示すように2台の可変容量ポンプa、aを1台の原動機で駆動して2系統の吐出を得ることが行われており、各可変容量ポンプaの吐出量が使用されていないとき、その使用されていない系統の可変容量ポンプaの吐出量を最小に制御して動力損失を防止するため、シリンダブロックなどの吐出量制御装置を作動させる一方の可変容量ポンプaの制御用ピストンbに他系統のタンクへの放出回路cの圧力を作用させ、一方の可変容量ポンプaの吐出量が多くなるように吐出量制御装置を作動させている。こうした制御は、一般に「ネガティブコントロール」と称されている。
【0003】
また、1基の傾転自在のシリンダブロックの端面が回転摺接するバルブプレートに2つの吐出口を設け、各吐出口から夫々の吐出回路へ吐出量を供給する、スプリットフロータイプともいわれる型式の可変容量ポンプが知られている。その構成の一例は図1及び図2に示す如くであり、ポンプハウジングd内で駆動軸eにより回転される円筒状のシリンダブロックfに、複数本のピストンgを出没自在に設け、該シリンダブロックfの端面の半径の異なる円弧上に開口h、iを形成し、該端面に摺接するコントロールプレートjに図2に示すような幅広い吸入口kと開口h、iに対向した吐出口l、mが形成される。
【0004】
該ポンプの吐出量は、斜板nを制御用ピストンoにより傾転させてピストンgのストロークを調整することにより制御され、該シリンダブロックfが回転されると、各吐出口l、mから2系統の吐出が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このスプリットフロータイプの可変容量ポンプは、小型に構成できるのでミニショベルなどの動力源として好都合であるが、シリンダブロックは1基であるので、2系統の吐出量のうちの1系統が使用されていないときにネガティブコントロールは行えない。
【0006】
本発明は、1基のシリンダブロックから2系統の吐出を得るスプリットフロータイプの可変容量ポンプをネガティブコントロールする装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、複数本のピストンが出没する1基のシリンダブロックを備え、該シリンダブロックの端面に2つの吐出を得るための2つの吐出口を設けたコントロールプレートが摺接され、該ピストンのストロークを制御して該吐出口からの吐出量を制御する吐出量制御装置を、各吐出口から仕事をせずにタンクへ夫々の放出回路から放出される流体の圧力が作用した制御用ピストンにより作動制御する装置に於いて、各放出回路の流体の圧力のうちの低い方の圧力を選択する低圧選択弁を設け、該低圧選択弁で選択された低圧を該制御用ピストンに作用させることにより、上記の目的を達成するようにした。該低圧選択弁に、該各放出回路のうちの低圧側を制御用ピストンへ導く切換選択位置と、両放出回路が同圧のとき両放出回路を該制御用ピストンに連通させる中立位置を具備させ、各放出回路から該低圧選択弁へ圧力を導く各パイロットラインにオリフィスを設けることにより、各パイロットラインを相互に流体がながれにくくなるようにした。
【0008】
【発明の実施の形態】
図面に基づき本発明の実施の形態を説明すると、図4に於いて、符号1は可変容量ポンプ、2は可変容量ポンプ1のポンプケース3内に回転自在に設けたシリンダブロックを示し、該シリンダブロック2には複数本のピストン4が出没自在に設けられる。該ピストン4の頭部は斜板からなる吐出量制御装置5に当接して回転し、その回転は図示してない原動機に連結した回転軸6により与えられる。
【0009】
該シリンダブロック2の端面には、図6に示したような、半径の異なる円弧上に開口7、8を形成し、該端面に摺接するコントロールプレート9に図5に示したような幅広の吸入口10と開口7、8と対向した2つの吐出口11、12を設けてスプリットフロータイプに構成した。該回転軸6によりシリンダブロック2が回転されると、各吐出口11、12から2系統の吐出が得られ、その吐出量は吐出量制御装置5の傾転作動を制御する制御用ピストン13に作用する流体圧により制御される。各吐出口11、12は、切換弁14、15を介してアクチュエータ16、17と放出回路18、19とに切換接続され、各放出回路18、19には、絞り20とリリーフ弁21とが夫々設けられる。
【0010】
こうした構成は従来のものと余り変わりがないが、各放出回路18、19の絞り20の前方から該制御用ピストン13の受圧室23へ圧力を導くパイロットライン24、25に低圧選択弁22を介在させ、両放出回路18、19のいずれかに吐出口からの流量が放出されたとき、即ち、いずれかのアクチュエータへの流量供給が行われなくなったとき、該制御用ピストン13に低圧を作用させるようにした。該低圧選択弁22は、両放出回路18、19のいずれかに吐出口からの流体が放出されたときに発生するバネ26に抗した抵抗圧の作用で作動して切換選択位置22aへ動き、両放出回路18、19の圧力のうちの低い方を該受圧室23へと導き、これにより制御用ピストン13が該吐出量制御装置5の斜板を吐出量を多くするように傾転作動し、該可変容量ポンプ1の吐出量は多くなる。
【0011】
該低圧選択弁22の詳細は、図7及び図8のように、両端にバネ26、26が作用した切換スプール27を有し、一方のパイロットラインの圧力がバネ26のばね力よりも高まったとき、該スプール27は他方のパイロットラインの低圧を該受圧室23へ導き、両パイロットラインの圧力が同圧であるときは、該スプール27は中立位置22bに位置して両パイロットライン24、25の圧力を該受圧室23へ導く。そのため、該受圧室23の圧力が高ければ、該吐出量制御装置5は吐出量を減らすように作動し、該ポンプ1は少ない吐出量を吐出し、動力の無駄使いが防止される。該パイロットライン24、25には、オリフィス28を夫々設けて両パイロットライン24、25間に流体が流通しにくくなるようにし、制御の確実性を得るようにした。
【0012】
図4の構成において、可変容量ポンプ1を作動させて各吐出口11、12から得られる同量のの吐出量を各アクチュエータ16、17へ供給するように切換弁14、15を操作すると、放出回路18、19には流量が流れないためパイロットライン24、25は低圧且つ同圧になり、低圧選択弁22は中立位置に位置するために制御用ピストン13には低圧が作用し、そのため吐出量制御装置5は多量の吐出量を吐出するように制御作動を行う。また、切換弁を操作して一方のアクチュエータへの供給を断つと、一方の吐出口の流量は放出回路に流れるためパイロットラインに圧力が発生し、もう一方のパイロットラインの低圧が制御用ピストンに導かれるため、吐出量制御装置5はやはり多量の吐出量を吐出するように制御作動を行う。そして、両アクチュエータ16、17への流量を断つように切換弁14、15を操作したときは、両吐出口11、12から両放出回路18、19へ吐出量が流れ、両パイロットライン24、25は絞り20とリリーフ弁21で制御された同圧の圧力になるが、この圧力で低圧選択弁22が中立位置になり制御用ピストン13には低圧でない圧力が作用するため、吐出量制御装置5は吐出量を最小或いは少なくするように作動し、無駄な吐出を避けて動力損失を防ぐことが出来る。
【0013】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、1基のシリンダブロックから2系統の吐出が吐出口に得られる可変容量ポンプの吐出量制御装置を作動制御する制御用ピストンに、各吐出口から仕事をせずに放出される流体が流れる放出回路の圧力のうちの低い方の圧力を低圧選択弁で選択して作用させるようにしたので、一方の吐出口の流量をタンクへ放出しても該制御用ピストンに吐出量制御装置が最大或いは多量の吐出を行うように作動させることができ、低圧選択弁の中立位置では両放出回路を該制御用ピストンに連通し、各放出回路から該低圧選択弁へ圧力を導く各パイロットラインにオリフィスを設けたことにより、無駄な吐出を控えて動力の有効利用を行える等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のネガティブコントロールの基本回路図
【図2】1基のシリンダブロックで2系統の吐出を得る型式の可変容量ポンプの截断側面図
【図3】図2の3−3線部分の側面図
【図4】本発明の実施の形態を示す説明図
【図5】図4の5−5線部分の側面図
【図6】図4の6−6線部分の側面図
【図7】低圧選択弁の截断側面図
【図8】図7の8−8線部分の断面図
【符号の説明】
1 可変容量ポンプ、2 シリンダブロック、4 ピストン、5 吐出量制御装置、7・8 開口、9 コントロールプレート、11・12 吐出口、13 制御用ピストン、18・19 放出回路、22 低圧選択弁、22a 切換選択位置、22b 中立位置、24・25 パイロットライン、28 オリフィス、

Claims (2)

  1. 複数本のピストンが出没する1基のシリンダブロックを備え、該シリンダブロックの端面に2つの吐出を得るための2つの吐出口を設けたコントロールプレートが摺接され、該ピストンのストロークを制御して該吐出口からの吐出量を制御する吐出量制御装置を、各吐出口から仕事をせずにタンクへ夫々の放出回路から放出される流体の圧力が作用した制御用ピストンにより作動制御する装置に於いて、各放出回路の流体の圧力のうちの低い方の圧力を選択する低圧選択弁を設け、該低圧選択弁で選択された低圧を該制御用ピストンに作用させたことを特徴とする可変容量ポンプの吐出量制御装置。
  2. 上記低圧選択弁に、上記各放出回路のうちの低圧側を上記制御用ピストンへ導く切換選択位置と、両放出回路が同圧のとき両放出回路を該制御用ピストンに連通させる中立位置を具備させ、各放出回路から該低圧選択弁へ圧力を導く各パイロットラインにオリフィスを設けたことを特徴とする請求項1に記載の可変容量ポンプの吐出量制御装置。
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