JP3786783B2 - 超音波センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波センサに関し、特に、超音波の送受波により物体を検知する超音波センサにおける指向性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
超音波センサは、空中における超音波の送受波によって例えば人の有無や居場所を検知するセンサである。それは、物体検知センサ、警備用の在室者検索センサ、侵入検知センサ等として、一般家庭、会社、公共の施設などで活用されている。
【0003】
そのような超音波センサにおいては、一般に、超音波パルスが送波され、検知対象からの反射波が受波される。かかる送受波に当たって検知精度を向上させるためには、主センサ方位に相当する検知方位のみに超音波の送受を行い、それ以外の方位については超音波が送受されないようにする必要がある。これは周囲の障害物などに起因した誤検知を排除するためである。このため、何らかの方法によって超音波ビームの指向性を制御し、必要な方位へのみ超音波が送受されるようにする必要性が生じている。
【0004】
超音波の指向性を制御するための代表的な手法として、音響ホーンやリフレクタ(反射器)があげられる。前者の音響ホーンの場合には、狭指向性が実現できたとしても、理論上、サイドローブは消えない。サイドローブのレベルはメインローブよりも10数dB小さいだけである。このため、メインローブに関して狭指向性が実現できたとしても、サイドローブの影響により、周囲の障害物に起因する誤検知の可能性が残る。これに対し、後者のリフレクタを利用する場合には、パラボラ形状の反射器の焦点位置に超音波素子が配置され、リフレクタでの超音波の反射・収束を利用して送受波が行われる。ただし、単にリフレクタを利用しただけでば、ホーンの場合と同程度のサイドローブが発生することが知られている。
【0005】
ちなみに、従来、互いに相違する送波指向特性及び受波指向特性を形成し、それらを組み合わせることによって、結果として主検知方位の指向性を向上させる手法も知れられている。しかし、その方式を人体検知用の超音波センサに適用すると、非対称の送受波器を構成するのが困難となり、特に、センサに組み込んだ際に当該センサが大型化するという問題がある。例えば、警備用途での超音波センサに関しては、美観上の都合からサイズの制限は無視できない。また、センサ性能を向上させるために、超音波センサと他のセンサとを組み合わせた複合センサを構成する場合、特に大きさの問題が顕著になる。このため、小さなサイズのホーン等を利用しようとすると、大きなサイドローブが生じてしまう。結局、音響管とホーンを組み合わせて、所望の性能を得るといったことが、実際には行われている。
【0006】
しかし、音響管とホーンを組み合わせる手法の場合、理論解析が容易ではない。このため、試行錯誤の繰り返しで作製するしかなく、設計・製作に多大の労力と費用を必要とする。しかも、実際に作製してみると、大抵の場合、所望の性能が得られない。このような傾向は、ホーン以外の方式においても同様に見られ、たまたま偶然に高性能のものが得られることを期待して設計しているのが実状である。結局、新規の設計は事実上困難であり、これまで発見的に作製された数少ないホーンを利用するしかなくなっていた。このことが新しいセンサ開発に大きな制約となっていた。
【0007】
なお、特公昭54−2112号公報、特開平2−223881号公報、実公平5−33984号公報には本発明に関連する技術が開示されているが、いずれの文献にも以下の本発明の目的に適合する超音波センサは開示されていない。
【0008】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、サイドローブが少なく指向性を向上できかつ小型化に適する超音波センサを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、設計が容易で、特に人体の検出に適する超音波センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、送波素子とその送波素子からの超音波を反射する送波用反射部とからなり、センサ主方位と直交するビーム断面が扁平した送波ビームを形成する送波手段と、受波素子とその受波素子へ向けて超音波を反射する受波用反射部とからなり、前記センサ主方位と直交するビーム断面が扁平した受波ビームを形成する受波手段と、を含み、前記送波ビームと前記受波ビームが前記センサ主方位を中心として部分的に重複することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、送波手段によって形成される送波ビームのパターン(送波指向特性)と受波手段によって形成される受波ビームのパターン(受波指向特性)がセンサ主方位(ビーム軸)を中心として部分的に重複しているので、送波手段及び受波手段を利用して超音波の送受波を行えば、結果として、それらの指向特性が合成され、サイドローブを低減しつつセンサ主方位方向に指向性の鋭い送受波ビームを形成できる。特に、送波手段及び受波手段では反射部が利用され、小型化ないし薄型化された超音波センサを構成できる。なお、扁平したビーム断面は、ビーム軸に直交する面内において音響パワーを偏在させることによって形成され、その形態として楕円その他の非円形形状が含まれる。
【0012】
(2)望ましくは、前記送波用反射部及び前記受波用反射部は単一の凹面型反射板上に設定される。この構成によれば、よりセンサを小型化できる利点があり、また送波素子及び受波素子の固定・位置決めを単純化できるので、指向特性の調整も容易である。
【0013】
望ましくは、前記送波素子及び前記受波素子は、前記凹面型反射板における中央から変位しかつ互いに異なる送波反射中心点及び受波反射中心点に向けて配置される。また望ましくは、前記送波素子及び前記受波素子は、それぞれ前記凹面型反射板の焦点を通過しつつ前記送波反射中心点及び前記受波反射中心点に向けて配置される。更に望ましくは、前記送波素子及び前記受波素子は、センサ主方位方向から見て直交配置される。
【0014】
前記送波用反射部と前記受波用反射部はそれぞれ別個の凹面型反射板で構成することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
最初に実施形態の原理について、図面を用いて説明する。
【0016】
図1には、超音波センサにおける送波部の構成が示されている。図のように、パラボラ形状の反射器10の内部に超音波振動子12が設置され、超音波が送波される。具体的には、この例では超音波振動子12の設置位置がパラボラの焦点Pの近傍とされ、そこからy軸に並行に超音波100が放射される。その超音波100が反射器10の焦点Pを通過しつつ反射器10表面上に照射されると、反射された超音波102がZ軸方向に放射される。ちなみに、図1において、超音波が照射される反射領域の中心がKで示されている。この例では超音波100の方向をy軸と並行にし、また焦点Pを通過するようにしたが、それ以外の構成もとりうる。なお、z軸はセンサ主方位と一致しており、x軸及びy軸はそのz軸と直交する軸である。
【0017】
図2には、図1に示した送波部の構成を利用して送波を行う場合における仮想的な送信ビームパターンが示されている。すなわち、超音波センサを図1に示すような構造にすると、送波ビームのパターン(指向特性)は図2のようにビーム軸に直交するビーム断面が扁平する。具体的には、x−y平面でのパワーの分布は、図の斜線部のように楕円形となり、x軸方向には狭く、y軸方向には広くなる。注目すべき特徴として、このような構造の場合、単なる音響ホーンを利用した場合などに比べて、x方向の指向性が非常に狭く、かつサイドローブが非常に小さくなるという事項をあげることができる。なお、F点はセンサ中心点を示しており、S点は主方位上の観測点を示すものとする。
【0018】
図3には、図1に示した構成をx−y平面上で90度回転させて受波部を構成し、外部から到来する超音波の受波を行う場合における仮想的な受信ビームパターンが示されている。この場合、超音波振動子は可逆な電気音響変換器として動作するため、ビームパターンの形状は送波の場合(図2)と全く同じになる。しかし、図2の送波時の指向特性に対して図3の受信時の指向特性は90度回転したものとなる。
【0019】
図4には、上記の送波部の構成及び受波部の構成を組み合わせた場合における送受波ビームパターンが示されている。図示のように、互いの指向特性の積すなわちそれらの統合の結果、z方向に鋭い指向特性を得られ、かつz方向に直交する方向の全域にわたってサイドローブを効果的に抑制できる。
【0020】
なお、上記の例では、送波部と受波部とが直交関係になるように構成したが、送波時の指向特性と受波時の指向特性を異ならせて統合するという点において、各種の応用が可能である。例えば、両者の積の部分(図4において斜線部分の面積)が多少広がっても構わないのであれば、必ずしも直交させる必要はなく、交差角度は適宜設定可能である。
【0021】
次に、上述の原理が適用された好適な実施形態について説明する。
【0022】
図5には、本発明に係る超音波センサの第1実施形態の構成が示されている。(A)は超音波センサの正面図であり、(B)は側断面図である。この実施形態において、超音波センサは、単一のパラボラ型反射器10と、その内部に互いに直交する向きで配置された送波専用の超音波振動子T及び受波専用の超音波振動子Rと、で構成される。
【0023】
反射器10は、図1に示したものと同様であって凹面型形状、具体的にはパラボラ形状を有する。反射器10は、超音波の反射に好適な部材、例えば樹脂などで構成される。その大きさは、用途及び性能に応じて適宜選択可能であるが、例えば十数cmの直径を有する。
【0024】
超音波振動子T,Rは、それぞれ同一の振動子で構成され、例えば、40kHzの超音波パルスの送受波を行うものである。超音波の周波数は用途などに応じて適宜設定可能であり、それに応じて振動子が選択される。超音波振動子T,Rの前面に音響レンズなどを設けることも可能であるが、反射器10の収束作用が十分であればそのような部材は不要である。本実施形態において、超音波振動子T,Rとしては、円筒状のプラスチックケースに圧電体がパッケージされたものが利用されている。
【0025】
図5に示すように、超音波振動子T,Rはセンサ主方位に直交する面内において直交配置され、反射前の送波超音波の経路及び反射後の受波超音波の経路は反射器10の焦点において交差し、送波超音波及び受波超音波はそれぞれ反射器10上の領域T200及び領域R202で反射する。具体的には、図5にも示すように、超音波振動子Tから出た送波超音波は、領域T200において反射し、主センサ方位へ向けて送波される。その超音波が反射物体Qで反射されると、その反射波が領域R202で反射され、受波超音波として超音波振動子Rで受波される。その結果、図4に示したような送受波に係る指向特性を得ることができる。なお、符合204,206は、それぞれ領域T200,R202の中心(反射中心点)を表している。
【0026】
このように領域T200及び領域R202は、反射部として機能するものであり、それぞれを別体の反射板として構成することもできるが、位置決めの容易さ、部品点数の削減などを考慮すると、この第1実施形態のように単一の反射器10を実質的に送波用反射部および受波用反射部として機能させるのが望ましい。また、単一の反射器10上に2つの超音波振動子T,Rを設ければ、その凹面部のスペースの一部を超音波振動子の配置場所として活用して超音波センサの厚みを薄くできるという利点がある。
【0027】
上記の方式では、パラボラ形状の反射器10を利用するため、振動子を単独で使用する場合に比べてゲインを向上できる。ここで、そのゲインは、送波時においては領域T200の面積に依存し、受波時においては領域R202の面積に依存する。端的に言うと、領域が大きければ大きい程、ゲインを大きくできる。よって、超音波センサの用途などに応じて反射器10の大きさを定めるのが望ましい。
【0028】
上記実施形態において、反射器10は、少なくとも超音波の反射が行われる領域以外の領域については形状変更又は切欠可能である。また、超音波ビームを三次元走査する場合には、各超音波振動子T,Rと反射器10との位置関係を変化させたり、超音波センサ自体を傾斜又は回転させたりするなどの方式を適用できる。
【0029】
以上のように、従来の反射器を利用した超音波センサでは、どちらかと言えば主センサ方位に直交する面内において対称性、均一性が得られるように設計が行われていたが、本実施形態によれば、送波及び受波の位置及び向きを積極的に変位させて、ビーム断面が扁平の指向特性を形成し、それらの統合として鋭い送受波ビームを形成できるとともにサイドローブの効果的な抑制を達成できる。
【0030】
特に、上記実施形態によれば、指向特性の調整は一般に超音波振動子の位置を調整するだけでよく、また、超音波振動子の位置が多少ずれていてもある程度の指向特性を容易に得られるので、超音波センサ全体を再設計する手間や調整の手間を大幅に軽減できる。
【0031】
次に、第2実施形態について説明する。
【0032】
図5に示した実施形態は、「単一反射器タイプ」であったが、かかる超音波センサにおいて、超音波を実質的に反射しているのは反射器上の2つの領域T200,R202である。したがって、送波用及び受波用の反射手段としては一体型にする必要はなく、領域T200や領域R202に一致するような形状のものを利用することが可能である。
【0033】
図7に示す第2実施形態は、上記の考えに基づいて設計された超音波センサである。(A)は超音波センサの正面図であり、(B)は超音波センサの側面図である。図7において、超音波センサは、2つの反射器20,22と、2つの超音波振動子T,Rと、で構成される。各超音波振動子T,Rが直交配置されている点は図5に示した実施形態と同様であるが、この実施形態では、反射器20が送波専用の反射器として機能し、反射器22が受波専用の反射器として機能する。つまり、超音波振動子Tと反射器20によって送波部が構成され、超音波振動子Rと反射器22によって受波部が構成される。この実施形態によれば、反射器の物量を少なくできる利点があり、配置スペース上の利点を得られる。
【0034】
反射器の設計に当たっては、超音波が直接あたらない部分については、音響的な乱反射が生じないようにさえすれば比較的自由な形状にできる。もし、音響的な乱反射が生じると、受信波形を観測した際に、残響成分が増加したように見える。逆に考えると、受信波形を観測し、残響成分が増加しない限りは、反射器以外の周囲形状を自由に設計できることになる。
【0035】
図8には、「反射器分離タイプ」である第2実施形態の変形例が示されている。
【0036】
上記の図7に示した構成では、反射器10における反射前の送波超音波と反射後の受波超音波とが焦点位置で交差するように各超音波振動子T,Rが配置されていた。しかし、これは本質的に要求される条件ではなく、図8のように配置することも可能である。すなわち、図8の実施形態では、送波部(超音波振動子T、反射器20)及び受波部(超音波振動子R、反射器22)の直交配置関係は維持されているものの、超音波経路は交差していない。このような構成によれば、超音波センサ全体が大きくなるものの、送受波に係る開口を広げて信号精度を向上できるという利点を得られる。
【0037】
いずれにしても、上記の各実施形態によれば、送波部と受波部の直交関係という制約以外に格別の制約がないので、従来の音響ホーン設計などに比べて、柔軟性の高いセンサ設計を実現できる。
【0038】
次に、本発明が適用される複合センサについて説明する。
【0039】
図9〜図11には、複合センサの一例が示されている。図9は、複合センサの断面図であり、図10は斜視図であり、図11は正面図である。
【0040】
図9において、この複合センサは、超音波センサと赤外線センサとを組み合わせたものであり、例えば防犯用として利用されるものである。円筒形のケース32の背面には背面板33が設けられ、その前面には保護ネット31が設けられる。ケース32の内部には、超音波センサ及び赤外線センサが設けられている。保護ネット31には、赤外線を透過させることができる部材例えばポリエチレンを使用することが好ましい。
【0041】
具体的には、超音波センサは、ケース32の内部に設けられた全体として凹面型の反射器30と、その反射器30の振動子取付部40に固定された送波用及び受波用の一対の超音波振動子T,Rと、で構成される。赤外線センサは、反射器30の中央部の奥側に設けられた受光素子48と、反射器30の中央部を構成するフレネルレンズ34と、で構成される。受光素子48は基板46上に設けられており、その基板46と各超音波振動子T,Rは信号線42によって電気的に接続されている。
【0042】
フレネルレンズ34は、光透過作用及び集光作用を有するもので、反射器30自体と別部材で構成されていてもよいし、同一部材で構成されていてもよい。ただし、フレネルレンズ34は指向特性を乱さないように超音波の反射が行われる領域以外に形成されるのが望ましい。図12には、フレネルレンズを介して赤外線が受光素子48で検出される状態が示され、ここで(A)は模式的な正面図であり、(B)は模式的な側断面図である。
【0043】
図9及び図12に示されるように、超音波センサは、基本的に図5に示した実施形態と同様の形態を有しており、上述したように、一対の超音波振動子T,Rが直交配置され、非対称性をもった指向特性の合成が実現されている。
【0044】
図13には、複合センサの他の例が示されている。この例において、反射器50の全部又は一部が特定波長の赤外線を透過する材料で構成される。そして、反射器50を透過した赤外線がミラー54で反射され、受光素子52で受光されている。なお、赤外線を通過させる材質としてポリエチレンなどを利用することもできる。音響ホーンに赤外線を透過させる場合、そのホーン表面と赤外線の入射方向とのなす角度が小さくなると赤外線の透過性が悪くなるが、図13の例では、反射器50がもともと開いているためその角度を大きくとれる利点がある。
【0045】
以上説明したように、本発明に係る実施形態によれば、鋭い指向性で、かつ、サイドローブが非常に小さい超音波センサを構成できる。このため、かかる超音波センサを物体検知センサや侵入センサとして利用した場合、検知エリアと非検知エリアとの境界を明確にでき、検知精度を向上できる。また、素子単体に比べゲインが増加するため、S/Nが向上する。
【0046】
本実施形態の別の特徴としては、設計・製作が容易であるという点が挙げられる。音響ホーンを利用した超音波センサにおいて音響的な干渉効果を利用することによって性能を向上させることもできるが、そのような音響的干渉を考慮した設計は通常は極めて困難なものであり、実験的に検証しない限りは確実な設計が難しい。
【0047】
これに対し、上記実施形態によれば、そのような音響的干渉といったものを利用しておらず、本実施形態では、超音波の反射現象のみを利用したものであり、光学的な設計の考え方が適用できる。すなわち、干渉効果は利用する超音波の波長に依存するが、反射現象は波長に依存せずに設計できる。このことは、考慮すべきパラメータ(波長)が一つ少ないことを意味し、机上での設計がしやすくなることを意味する。
【0048】
上記実施形態では、反射が正確に行われさえすればよく、反射器の形状や素子配置の自由度は非常に大きい。このため、従来、超音波の音響設計が他の設計に種々の制限を与えていたが、多くの制限が緩和されるようになった。さらに、試行錯誤しなければわからないような不明点が減り、設計に要する労力・費用の面でのメリットも大きい。
【0049】
警備用の侵入検知センサとして応用する場合、従来においてはホーン長がある程度必要となることから、センサ高がどうしても高くなりがちであった。このため、美観上問題となることが多かった。これに対し、本実施形態によれば、高さはホーンの半分程度まで減少できる。ただし、直径方向は一定の大きさが必要となるが、これは一般的なセンサの直径を増加させるほどのものではない。
【0050】
複合センサを構成する場合、ホーンを利用する際には光学設計に無理が生じがちであった。これに対し、上記実施形態を適用すれば光学設計と音響設計のいずれにも自由度が生じ、小型で低コストなセンサの設計が可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、サイドローブが少なく指向性を向上できかつ小型化に適する超音波センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 反射器を利用した超音波の送信を示す図である。
【図2】 非対称な送信指向性特性の一例を示す図である。
【図3】 図2の指向特性を90度回転させた受波指向特性を示す図である。
【図4】 図2と図3の指向特性を統合した指向特性を示す図である。
【図5】 本発明に係る実施形態の構成を示す図である。
【図6】 図5に示す構成の作用を示す図である。
【図7】 他の実施形態の構成を示す図である。
【図8】 他の実施形態の構成を示す図である。
【図9】 複合センサの構成例を示す図である。
【図10】 複合センサの斜視図である。
【図11】 複合センサの正面図である。
【図12】 複合センサの作用を説明するための図である。
【図13】 複合センサの他の例を示す図である。
Claims (6)
- 送波素子とその送波素子からの超音波を反射する送波用反射部とからなり、センサ主方位と直交するビーム断面が扁平した送波ビームを形成する送波手段と、
受波素子とその受波素子へ向けて超音波を反射する受波用反射部とからなり、前記センサ主方位と直交するビーム断面が扁平した受波ビームを形成する受波手段と、
を含み、
前記送波ビームと前記受波ビームが前記センサ主方位を中心として部分的に重複することを特徴とする超音波センサ。 - 請求項1記載の超音波センサにおいて、
前記送波用反射部及び前記受波用反射部は単一の凹面型反射板上に設定されたことを特徴とする超音波センサ。 - 請求項2記載の超音波センサにおいて、
前記送波素子及び前記受波素子は、前記凹面型反射板における中央から変位しかつ互いに異なる送波反射中心点及び受波反射中心点に向けて配置されたことを特徴とする超音波センサ。 - 請求項3記載の超音波センサにおいて、
前記送波素子及び前記受波素子は、それぞれ前記凹面型反射板の焦点を通過しつつ前記送波反射中心点及び前記受波反射中心点に向けて配置されたことを特徴とする超音波センサ。 - 請求項4記載の超音波センサにおいて、
前記送波素子及び前記受波素子は、前記送波ビームと前記受波ビームの方向がセンサ主方位方向から見て直交するように配置されたことを特徴とする超音波センサ。 - 請求項1記載の超音波センサにおいて、
前記送波用反射部と前記受波用反射部はそれぞれ別個の凹面型反射板で構成されたことを特徴とする超音波センサ。
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