JP3786322B2 - 測定環境の評価機能を有する電子秤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は測定環境を評価し、かつその環境評価に基づいて荷重測定の演算処理方法を使用者が主体的に選択することを可能にした電子秤に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電子天秤と称される電磁平衡式の電子秤では、時系列的に出力される多数の測定データを平均化等の処理を行なうことにより重量計測の表示(計量表示)として出力するよう構成されている。
この場合、振動や空気の流動等が外乱として作用し、測定結果が安定せず、表示が刻々変化して所謂表示のバラツキが生じることがある。このような事態に対処するため、最近の装置ではデジタル処理された測定データから計量表示を行なう演算過程において、測定環境に対応して計量値を安定させるための演算処理プログラム、即ちデジタルフィルタ(以下単に「フィルタ」とする)を選択したり、測定データの平均化のためのデータ取得数を調整したりする等して計量表示の安定を図る装置が提案されている。
【0003】
フィルタを有する装置のうち、初期の装置では上記フィルタの選択は電子天秤の使用者が手動により行うよう構成されている。即ち何種類かフィルタを選択して試験し、選択したフィルタによる表示のバラツキをチエックし、必要なら再度フィルタを選択してチェックするという方法を繰り返すことにより適当なフィルタを設定する方法が実施されていた。しかしこの方法は、天秤使用者がその試行錯誤の中からフィルタを恣意的に選択するものであり、データ選択に手数がかかり、しかもその労力にも係わらず、選択されたフィルタがその測定環境および電子天秤使用者が欲しいデータの精度に関して最適であるという保証はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上の点に鑑み、電子天秤の配置されている環境において最適なフィルタを自動的に選択するよう構成した電子天秤が提案されている。例えばこの装置は予め質量が判明している内蔵分銅を負荷した時に、電子天秤における計測データの安定度を測定することによって当該電子天秤の配置されている環境(振動、空気の流動等)を測定し、この測定結果に対応して最適なフィルタを自動的に選択するよう構成されている(実開平05−055032)。この自動フィルタ選択方式の電子天秤によれば、手動方式のようなフィルタ選択時の試行錯誤もなく、人手を煩わすことなく比較的短時間で適正なフィルタを選択することが可能となる。
【0005】
自動フィルタ選択が可能な装置は上記のような利点を有する反面、その自動的な動作故に後述するような問題が生じる。問題が生じる根本的な原因は電子天秤を始めとする秤量装置においては、その計量(測定)目的は千差万別であって、目的によっては上記自動選択方式は極めて有効である反面、場合によっては手動選択に劣る事態が生じ、或いは自動選択とすることによって計量の目的を達成できない致命的な欠陥となることもある。
【0006】
先ず電子天秤の使用者の使用目的が、例えば計量精度が悪くとも作業効率を優先させる点にある場合、フィルタの自動選択を行なうと、必要以上の計量精度を得るためにフィルタ選択が行われ、この選択工程の結果作業効率は犠牲となる。また逆に作業効率を優先してフィルタ自動選択モードを用いず手動によりフィルタを選択した場合には、選択したフィルタが周囲の環境レベルに対してどの程度の有効性を有するものであるかの判断がつかなくなる。
【0007】
次に電子天秤により連続的に計量作業を行なって計量データを取得する場合、計量作業中にフィルタが自動的に、即ち電子天秤使用者の意向に係わらず勝手に変更されると、連続計量作業全体の計測データの有効性が低下したり、時には全く使用できないデータとなってしまう。
【0008】
以上の様に、フィルタの自動選択モードには色々な問題点もある。しかし直ちに荷重計測を必要とせず、しかも電子天秤の配置されている環境が大きく変わった場合、例えば新たに電子天秤を購入して設置する場合も含め、電子天秤を移動して設置し直した場合や、比較的静かな実験室から生産ラインに電子天秤を移動させる等により配置環境が大きく変化した場合には、自動選択モードによって予め最適フィルタを設定しておけば、以後自動設定モードを継続するか、或いは手動設定モードに変更するかにかかわらず少数回のフィルタ変更で最適のフィルタが設定でき便利である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点に鑑み構成した電子式秤に係り、フィルタの選択を電子天秤使用者がその目的に応じて、自動設定或いは手動設定のいずれも自由に行えるよう構成され、荷重測定機構部から出力される複数の計測データにおける変動を測定し、かつこの測定結果により荷重算出回路における演算処理方法を選択して荷重の計測結果を出力するよう構成された電子秤であって、前記計測データは無負荷時の計測データと内蔵分銅負荷時の計測データのうち、少なくとも無負荷時の計測データとし、当該電子秤は、この計測データの変動をチェックする手段と、チェックされた計測データの変動状態から荷重計測の適否を基準として、電子秤の置かれた環境を段階評価する環境評価手段と、この環境評価手段から出力された特定段階の環境評価を表示する手段と、当該環境評価の段階に基づいて演算処理方法を自動モードにより自動設定する手段と、表示分解能を設定する手段とを有し、かつ演算処理方法は記憶手段に予め複数記憶され、演算処理方法の設定は自動モードと手動モードの選択が可能に構成され、手動モードでは、前記表示された環境評価の段階に基づいて、当該複数の演算処理方法の中から秤使用者が、選択設定した表示分解能における特定の演算処理方法を選択することが可能なよう構成したことを特徴とする測定環境の評価機能を有する電子秤であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
電子天秤の演算部は、電子秤の使用に先立って秤使用者が手動により、或いはタイマの設定等により自動的に当該電子天秤の配置されてる環境の評価を行なう。環境の評価は、秤量機構部に対して負荷が加わっていない無負荷状態、或いは正確な荷重が判明している内蔵分銅を負荷した場合等、電子天秤に対する負荷が定まっている状態で計測データをサンプリングし、このサンプリングしたデータの変動状態をチエックする。
【0011】
チエックされたサンプリングデータの変動状態は環境評価手段において、記憶手段に予め入力されている評価基準に基づき環境のランク(段階)付けが行なわれ、このランクが環境評価として記憶され、かつ要すれば表示手段に表示される。フィルタの設定を手動により行う場合には、電子天秤使用者はこのランク付けされた環境評価を参考にし、所定のフィルタを設定する。
【0012】
次に、自動設定では中央処理装置は予め評価された評価段階に基づき、この評価段階に対応するフィルタを自動選択し、この自動選択したフィルタで満足であればこのフィルタを使用する。また最初に選択したフィルタでは不十分の場合には自動的に次のフィルタを選択する。この場合環境評価により最初に選択するフィルタは当該環境評価の段階に対応するフィルタ或いは、このフィルタに近似する処理を行なうフィルタであるため、フィルタの選択は最初の一回で終了することが大半であり、一回で終了しない場合でもフィルタ選択の回数は、環境評価を行なわない場合に比較して圧倒的に少なくて済む。
【0013】
次に電子天秤の表示分解能を設定した場合のフィルタ自動設定の例を示す。例えば測定値のうちデータとして取得が不要な桁、電子天秤使用が例えば小数点以下3桁までのデータが必要であるとすると、小数点以下4桁の取得は不要であるからこの桁のバラツキは許容することになり、中央処理装置は段階評価された環境評価と、バラツキの許容値とから最適のフィルタを選択する。この場合秤使用者が低い表示分解能を設定すればその分フィルタの選択は早く行なわれることになる。
【0014】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面を参考に説明する。
先ず図1により装置の構成を示す。図示の秤量装置は電子天秤であって、符号1は荷重伝達機構、電磁部等を有する荷重測定機構部である。2は演算制御部であって、中間処理部や各種のメモリー機構等から構成されている。3は各種設定を行なう入力部、4は計測値、各種設定内容等を表示する表示手段である。
【0015】
演算制御部2には各種演算処理および指令を発する中央処理部5、A/D変換部6を介してデジタル出力される計測データをサンプリングするデータサンプリング手段7、サンプリングされた複数の計測データの変動をチエックする手段8、データ変動チエック手段8から出力される変動データにより電子天秤の配置されている環境を評価する環境評価手段9、段階的な環境評価を記憶する記憶手段10、環境評価手段9により段階評価された評価データを取り込む記憶手段11、及び複数のフィルタ1〜nを記憶する記憶手段12を有している。またこの演算制御部2には時刻データを出力するタイマ13が接続している。
【0016】
なお、電子天秤の配置される環境の評価は、無負荷時或いは校正分銅負荷時等の電子天秤に対する負荷が一定している場合に、荷重測定機構部1から出力される計測データの変動を測定することによって実施されるので、環境評価は計測データを変動させる要因、即ち振動や空気の流動状態等をファクターとして評価が行われることになる。
【0017】
環境の評価は例えば最良のAから最悪のJまでの10段階とし、計測データの変動状態と、この変動状態に対応した段階的環境評価とを記憶手段10に記憶させておく。この記憶は電子天秤出荷前の工場段階で予め設定してROM化しておく外、実際の測定時に随時RAMに記憶させる等、色々な方法が実施可能である。
【0018】
また、表示分解能を電子秤使用者の目的に応じて適宜設定(変更)した場合には、評価環境とこの評価された環境において、各表示分解能に対応するフィルタを予め選択してこれを記憶しておくことにより、特定の環境下で表示分解能を変更しても直ちに新たなフィルタを設定することが可能となる。例えば「評価環境がランクBでかつ設定された表示分解能が小数点以下4桁有効の場合にはフィルタ3を用いる」と記憶するなどである。
【0019】
次に上記構成の装置の作動状態の第1の例を図2も含めて説明する。
まず電子天秤使用者は入力部3を用いて自己の必要とする計測データの表示分解能を設定する(SA1)。設定方法は上述の如く、「小数点以下何桁有効」等の如く設定する。この設定の際には荷重測定機構部1は無負荷状態であり、演算制御部2においてはA/D変換部6を介してデジタル出力された無負荷状態の計測データがデータサンプリング手段7を介してデータ変動チェック手段8に入力され、かつこのチェック手段8のチェックデータは環境評価手段9に出力される。環境評価手段9ではこの変動チェックデータと記憶手段10に記憶されている評価基準とから電子天秤が置かれている現在の環境をチェックし、例えばランクAからランクJの何れかの段階に評価し、評価の表示が予め設定されている場合にはこの環境評価を表示手段4に表示する(SA2〜SA4)。
【0020】
環境評価が終了するとこの環境評価の段階に対応するフィルタが選択される(SA5)。この場合、環境評価結果が表示され、かつこの環境評価結果が電子天秤使用者の予想と相違する場合には、電子天秤使用者は表示分解能の設定を変更する事態も予想される。例えば環境評価の段階が予想よりも良好であった場合には表示分解能を高めて設定したり、或いは予想よりも低い場合には最初の設定を諦めて表示分解能を低く設定し直す等の事態(SA6)が予想される。このような事態も含め最適フィルタを選択するルーチンを実施し(SA7)、フィルタの設定を行い、最適のフィルタが設定されたならば計測可能表示を行なう(SA8、SA9)。この状態で使用者は荷重測定機構部1に荷重を負荷して計測を行ない、この計測結果が表示される(SA10、SA11)。なお環境評価の段階と秤の表示分解能とをリンクさせ、荷重計測の適否を基準として評価された環境評価に対応する表示分解能を設定・表示してもよい。これにより秤使用者は示された表示分解能に基づいて、つまり示された表示分解能を最高基準の表示分解能とし、作業の迅速性等を考慮して最高基準の表示分解能を採用するか否かを含めて、所望の表示分解能を設定するようにしてもよい。
【0021】
上記フローにおいて、入力部3において手動モードに設定しておくと最初に設定されたフィルタの自動変更は行なわれず、特定のフィルタで順次重量計測が行なわれる。なお測定作業の間で入力部3により評価表示設定を行なうと、SA2、SA3のフローにより新たな環境評価がおこなわれ、この環境評価が表示される(SA4 )。従って使用者はこの新たな環境評価により新たなフィルタを設定するか或いは今までのフィルタを継続して使用するかを判断する。新たなフィルタを設定する場合には例えば入力部3の手動モードボタンを再度押すなどの操作により図2のフローのSA5〜SA9を実行させる。また自動設定の場合には適宜環境評価を行ない、フィルタの自動選択作業を行なう。なお、環境評価は計測データの変動状態で実施するので、計測作業中で秤量物を負荷している場合でも実施可能である。但しこの場合にはフィルタの設定が終了するまでは計測値の表示はできないので、例えば表示手段にその旨表示する。
【0022】
次に、電子天秤に対する外乱の影響、特に振動に対する計測データの変動状態は、無負荷時と内蔵分銅等の特定の荷重を負荷している状態では下記の理由等により完全に一致するものではない。従って環境の評価は無負荷時の一点ではなく、無負荷時と荷重負荷時等複数の点で総合評価することによってより精度の高い評価が可能となる。
【0023】
電子天秤は他の装置と同様筐体や内部機構等が固有の振動数を有しており、外部から負荷される振動により各部の振動が相殺されたり、或いは共振して振動が増幅されたりする。またこの振動数は無負荷時と、特定の荷重を負荷したときとでも相違する。つまり計測データの変動は外乱の結果振動する電子天秤の振動も大きく影響するため、計測データの変動は荷重無負荷時と、特定の荷重を負荷した状態では必ずしも一致しない。
【0024】
図3は上記の点に鑑み環境評価の他の方法として内蔵分銅負荷時と無負荷時の両方で評価する状態を示す。なお、図示のフローでは内蔵分銅負荷時の評価はゼロ点やスパンを校正する校正時に同時に行なうようにしているが、校正とは別に環境評価のデータサンプリングを目的として内蔵分銅を負荷するよう作動させることはもとより可能である。
【0025】
まず校正開始条件となったか否かを判断する(SB1)。校正開始条件は例えば予め設定された量の温度変化、タイマによる校正オン信号等色々な開始条件がある。校正開始となり、図1に示す内蔵分銅加除機構14により内蔵分銅の荷重Agが荷重測定機構部1に負荷されたならば、校正作業と共に荷重Agの計測データがサンプリングされる(SB2〜SB4)。このサンプリングデータから計量値のバラツキが測定され、このバラツキから荷重負荷時の環境評価〔環境評価(1)〕が行なわれ(SB5)、校正及び第1の環境評価が終了したならば前記内蔵分銅加除機構14は内蔵分銅を上昇させる(SB6)。
【0026】
次に無負荷時の計測データをサンプリングし、無負荷時の計測データの変動(バラツキ)から第2の環境評価を行なう(SB7、SB8))。最終的な環境評価の方法は幾つか考えられるが、例えばこの二つの環境評価のうち悪い環境評価を選択し、この選択した悪い方の環境評価を表示する(SB9、SB10)。因みに環境評価として悪い方の評価を採用することにより、計測データの表示を確実に安定化させることができる。但し二つの評価を表示し、何れの評価によるフィルタを選択するかを電子天秤使用者の判断に任せるようにすることも当然可能である。
【0027】
なお、特定の荷重を負荷して計測および表示を行う場合には、その荷重が内蔵分銅の荷重に近ければ荷重計測データの変動状態は内蔵分銅負荷時の変動に近似し、また荷重が軽く、無負荷時に近くなれば荷重計測データの変動状態は無負荷時の変動に近似してくる。従って、計測荷重の大小により環境評価を上記(1)、(2)のうちから選択し、これに対応してフィルタの選択も変えるようにするとより精密な処理が可能となる。例えば負荷された荷重の計測データが内蔵分銅の荷重の1/2以下である場合には無負荷時のデータサンプリングによる無負荷時の環境評価(2)を選択し、内蔵分銅の荷重の1/2以上である場合には内蔵分銅負荷時の環境評価(1)を選択する等である。
【0028】
図4は、一定時間の間、例えば24時間の間に電子天秤が配置されている環境がどのように変化するかを記憶し、得られたデータを特に連続測定の際に利用するようにした環境評価方法を示す。
【0029】
データの取得に当たっては、入力部3(図1参照)を用いて電子天秤を連続評価モードに設定し、タイマ13の信号を確認し、タイマ13の信号により第1回のデータサンプリングを実施する(SC1〜SC3)。この第1回のデータサンプリングによりサンプリングされた計測データの変動状態により第1回の環境評価を行い、かつこの第1回の環境評価を行った時刻と共にこの第1回環境評価を記憶する(SC4〜SC6)。同様にして次回以降も、環境評価のルーチンを実施し各環境評価を時刻データと共に記憶する(SC3〜SC7)。またこの環境評価は必要であれば表示される(SC8)。
【0030】
以上の様に連続的に環境を評価することによって、電子天秤の配置されている環境の時間経過に対応する変化が観測可能となる。特に長時間連続的に計測を行なう場合には、例えば計測前にこの計測を行なう時間帯の中で最も悪い環境評価を基準としてフィルタを選択しておけば、計測データを安定して得ることが可能となる。但し、環境評価の選択は上記方法により選択する以外に、例えば大半の環境評価の段階がB又はAであるにもかかわらず、一つの環境評価のみがEであった場合には、環境評価Eは、例えば近くで重いものを落とすなど当該電子天秤の配置されている環境において生じた特殊な事態として、全体評価から排除するなどいろいろな選択が可能である。
【0031】
以上本発明を電子天秤を例に説明したが、フィルタの設定などを始めとする計測データの処理における環境評価の必要性は電子天秤に限るものではなく、測定データを演算処理して荷重を表示する演算回路を有する電子式の秤に幅広く利用可能である。
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上具体的に説明した様に、電子式秤が配置されている環境を当該電子式秤自体が評価し、かつこの評価結果に基づいてフィルタ設定等の荷重計測データの処理を行なうため、自動的な処理方法の設定による演算処理の外、表示される環境評価と、自己の欲するデータ精度等から使用者がフィルタの設定を始めとする処理方法を自己の意思に基づいて主体的に選択し、自己の欲するデータを過不足無く得ることが可能となる。
【0033】
また、フィルタの設定等の処理方法の設定は、評価が完了している環境評価に基づいて行なわれるため、演算処理方法の設定はこの環境評価によりほぼ定まり、自動設定はもとより手動による設定でも一回若しくは少数回の設定で所望の処理方法を得ることが可能となり、従来の手動による設定に比較して短時間に、しかも目的に叶う適正な処理方法を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す電子天秤の荷重演算部を中心としたブロック図である。
【図2】 本発明に係る装置の第1の作動状態を示すフロー図である。
【図3】 本発明に係る装置の第2の作動状態を示すフロー図である。
【図4】 本発明に係る装置の第3の作動状態を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 荷重測定機構部
2 演算制御部
3 入力部
4 表示手段
5 中央処理装置
7 データサンプリング手段
8 データ変動チェック手段
9 環境評価手段
10、11、12 記憶手段
13 タイマ
Claims (6)
- 荷重測定機構部から出力される複数の計測データにおける変動を測定し、かつこの測定結果により荷重算出回路における演算処理方法を選択して荷重の計測結果を出力するよう構成された電子秤において、前記計測データは無負荷時の計測データと内蔵分銅負荷時の計測データのうち、少なくとも無負荷時の計測データとし、当該電子秤は、この計測データの変動をチェックする手段と、チェックされた計測データの変動状態から荷重計測の適否を基準として、電子秤の置かれた環境を段階評価する環境評価手段と、この環境評価手段から出力された特定段階の環境評価を表示する手段と、当該環境評価の段階に基づいて演算処理方法を自動モードにより自動設定する手段と、表示分解能を設定する手段とを有し、かつ演算処理方法は記憶手段に予め複数記憶され、演算処理方法の設定は自動モードと手動モードの選択が可能に構成され、手動モードでは、前記表示された環境評価の段階に基づいて、当該複数の演算処理方法の中から秤使用者が、選択設定した表示分解能における特定の演算処理方法を選択することが可能なよう構成したことを特徴とする測定環境の評価機能を有する電子秤。
- 環境評価手段により評価された環境評価の段階に対応した表示分解能が設定表示され、秤使用者はこの設定表示された表示分解能を基準として自己の所望する表示分解能を設定するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の測定環境の評価機能を有する電子秤。
- 電子秤には校正を行なうための内蔵分銅と当該内蔵分銅の荷重を荷重測定部に対して加除する内蔵分銅加除機構とが設けられ、荷重測定部に負荷された内蔵分銅の荷重計測データの変動を測定して環境評価を行うよう構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の測定環境の評価機能を有する電子秤。
- 秤量物の荷重計測時に負荷された荷重の計測結果が、内蔵分銅負荷時の荷重に対して予め定められた比率以下の荷重であるときは無負荷時の計測データの変動による環境評価から得られた演算処理方法を採用し、当該計測結果が内蔵分銅負荷時の荷重に対して当該比率以上の荷重であるときは内蔵分銅負荷時の計測データ変動による環境評価から得られた演算処理方法を採用するよう構成したことを特徴とする請求項3記載の測定環境の評価機能を有する電子秤。
- 内蔵分銅負荷時の計測データの変動による環境評価と、無負荷時の計測データの変動による環境評価のうち、悪い方の環境評価をもって最終的な環境評価として表示するよう構成したことを特徴とする請求項3又は4記載の測定環境の評価機能を有する電子秤。
- 予め定められた時間間隔で計測データの変動による環境評価が順次行われ、かつ各環境評価は時刻データと共に時系列的に記憶手段に記憶されるよう構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の測定環境の評価機能を有する電子秤。
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