JP3786099B2 - 携帯端末装置とその開閉方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PDC(Personal Digital Cellular)、PHS(Personal Handy-Phone System)、CDMA(Code Division Multiple Access)、GSM(Global System for Mobile Communication)、手帳並みの大きさのPDA(個人向け小型携帯情報端末:Personal Digital Assistants)や携帯型のパソコン等の携帯端末装置に関し、特に、使用者に対する面にそれぞれ異なった機能を備える一方の筐体と他方の筐体とにおける端部を回転機構で連結し、前記使用者に対する面をそれぞれ同一方向に向けた状態で相対的に回動可能に構成した携帯端末装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯端末装置には、データの高速伝送が可能なPDC(Personal Digital Cellular)、PHS(Personal Handy-Phone System)、CDMA(Code Division Multiple Access)、GSM(Global System for Mobile Communication)や、さらに、次世代の技術として開発されているWCDMA(Wide band CDMA)、CDMA2000等の通信手段を用いた携帯電話、手帳並みの大きさのPDA(個人向け小型携帯情報端末:Personal Digital Assistants)や携帯型のパソコンなど、種々のものがつくられている。
【0003】
またこの種の携帯端末装置には、携帯性を高めるため、一方の筐体と他方の筐体を重ね合わせて折り畳めるようにした機構を持ったものが普及しつつあり、その中でも例えば、表示部を有する一方の筐体と、操作部を有する他方の筐体とを連結部を介して接続し、一方の筐体の表示部を有する面が他方の筐体の操作部を有する面と同じ側を向いた状態で開閉させることが可能な携帯端末装置が提案きれている。
【0004】
例えば、特許文献1には、図18(A)、(B)に示すように、表示部107と受話部108を有する一方の筐体101と、操作部106と送話部105を有する他方の筐体103とをヒンジ軸部104を介して連結してなり、一方の筐体101の表示部107と受話部108を有する面102を他方の筐体103の操作部106と送話部105を有する面103aと同じ方向に向けた状態で、一方の筐体101を他方の筐体103の操作部106と送話部105を有する面103aに対して水平に回動させるようにした携帯端末装置100が開示されている。なお、109は一方の筐体101の端部に出し入れ可能に配置されたアンテナである。
【0005】
また、特許文献2には、図19(A)、(B)に示すように、表示部122と受話部123を有する一方の筐体111と、操作部121と送話部120を有する他方の筐体115とを有し、一方の筐体111の表示部122と受話部123を有する面113が他方の筐体115の操作部121と送話部120を有する面116と同じ方向を向くように一方の筐体111と他方の筐体115とを対向配置した時、上記他方の筐体115の操作部121と送話部120を有する面116より突出した傾斜面117を備えるとともに、一方の筐体111の表示部122と受話部123を有する面113と反対側の面112には上記傾斜面117に対応して切り欠かれた傾斜面114を備え、これら傾斜面114と117を回転軸119によって連結してなり、上記回転軸119を中心に一方の筐体111を他方の筐体115に対して回動させるようにした携帯端末装置110が開示されている。なお、124は他方の筐体115の端部に設けられたアンテナである。
【0006】
そして、図18(A)(B)及び図19(A)(B)のいずれの携帯端末装置100、110も、図18(A)、図19(A)のような開いた時だけでなく、図18(B)のように閉じた時でも表示部107、122に情報を表示させることができるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−288860号公報
【特許文献2】
特開2002−158758公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図18(A)(B)に示す携帯端末装置100は、一方の筐体101が他方の筐体103の操作部106と送話部105を有する面103aに対して水平に回動する構造であるため、一方の筐体101が他方の筐体103の操作部106と摺動し、その結果、操作部106の頂面に有する記号が一方の筐体101によって削られ、記号が読めなくなるとともに、一方の筐体101の受話部108と反対側の面にも傷が付いたり、汚れてしまうといった課題があった。
【0009】
また、一方の筐体101が他方の筐体103の操作部106と送話部105を有する面103aに対して水平に回動する構造であるため、一方の筐体101を他方の筐体103に対して開いた時には、他方の筐体103の操作部106と送話部105を有する面103aが一方の筐体101の表示部107と受話部108を有する面102と平行に配置され、しかも一方の筐体101の表示部107と受話部108を有する面102より後方に配置されることになるため、通話を行うために一方の筐体101の受話部108を使用者の耳元に近づけても他方の筐体103の送話部105を使用者の口元に近づけることができず、その結果、集音率が悪く、通話相手へ綺麗な通話音を送ることができないといった課題もあった。
【0010】
また、図19(A)(B)に示した携帯端末装置110も、回動初期に一方の筐体111が他方の筐体115の操作部121と送話部120を有する面116に対して水平に回動する構造であるため、一方の筐体111が他方の筐体115の操作部121と摺動し、その結果、操作部121の頂面に有する記号が一方の筐体111によって削られ、記号が読めなくなるとともに、一方の筐体111の受話部123と反対側の面にも傷が付いたり、汚れてしまうといった課題があった。
【0011】
そのため本発明においては、使用者に対する面にそれぞれ異なった機能を備える一方の筐体と他方の筐体とを回転機構で連結し、前記使用者に対する面をそれぞれ同一方向に向けた状態で相対的に回動可能とする携帯端末装置において、簡単、安価な構成で、回動時に一方の筐体が他方の筐体表面をこすらないように回動可能とさせると共に、一方の筐体と他方の筐体とを重ね合わせた状態から略180度回動させた位置において、一方の筐体と他方の筐体とに所定の角度を持たせるようにし、使い勝手を向上させられるようにした携帯端末装置とその開閉方法を提供することが課題である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、
使用者に対する面にそれぞれ異なる機能を備えた一方の筐体と他方の筐体とを回転機構を介して連結してなり、前記両筐体は、前記使用者に対する各面をそれぞれ略同一方向に向けた状態で相対的に回動させることが可能な携帯端末装置において、
前記回転機構は、前記一方の筐体と他方の筐体の少なくとも回動初期に、前記一方の筐体を前記他方の筐体に対して傾動させて両筐体間を離間させる揺動機構を有することを特徴とする。
【0013】
このようにすることにより、使用者に対する面にそれぞれ異なった機能を備える一方の筐体と他方の筐体とにおける少なくとも回動初期に、一方の筐体を他方の筐体に対して相対的に離間させることで、互いの筐体表面がこすられることが防止できる。
【0014】
そして、前記回転機構は、前記一方の筐体を他方の筐体における機能を有する面側に付勢する付勢手段を有することを特徴とする。
【0015】
このようにすることにより、一方の筐体を他方の筐体における機能を有する面側に付勢することができるため、回転機構が備える揺動機構によって一方の筐体がガタ付くことを防止できる。
【0016】
また、前記回転機構は、前記一方の筐体と他方の筐体の相対的な回動に伴い、前記一方の筐体と他方の筐体の機能を備える各面のなす角度を変化させる角度制御手段を有することを特徴とする。
【0017】
このようにすることにより、一方の筐体を他方の筐体に対して所定の角度で傾動することができるため、例えば、各筐体に備える機能として、他方の筐体に操作部を備えると共に、一方の筐体に表示部を備える場合、データ入力において、表示部を使用者に向けることができ、表示部を見ながらの入力が容易になり、使い勝手を大きく向上させた携帯端末装置を提供することができる。また、前記携帯端末装置が、前記他方の筐体に送話部を備え、前記一方の筐体に受話部を備えた携帯電話機である場合、使用者が受話部を耳元に近づけることにより、送話部を使用者の口元に近づけることができるから、集音率を高めることができる。
【0018】
そして、前記角度制御手段は、前記両筐体が重ね合わされた状態からの回動初期後、両筐体の機能を備える各面のなす角度を一定に保ち、その後増加させることができることを特徴とする。
【0019】
あるいは、前記角度制御手段は、前記両筐体が重ね合わされた状態からの回動初期後、両筐体の機能を備える各面のなす角度を徐々に増加させることができることを特徴とする。
【0020】
このようにすることにより、いずれも一方の筐体を他方の筐体に対して所定の角度で傾動させるにあたり、非常に軽い力で回動初期の離間を達成することができる。
【0021】
そして、前記角度制御手段は、前記一方の筐体側又は他方の筐体側に備える案内部と、前記他方の筐体又は一方の筐体に備え、かつ前記案内部に当接する凸部とを有し、前記一方の筐体と他方の筐体の相対的な回動に伴って前記凸部が前記案内部上を摺動移動することにより、前記一方の筐体と前記他方の筐体の機能を備える各面のなす角度を変化させるようにしたことを特徴とする。
【0022】
このようにすることにより、凸部が案内部上を摺動移動することによって、両筐体の回動と共に、一方の筐体を他方の筐体に対して所定の角度まで滑らかに傾動させることができる。
【0023】
そして、前記両筐体が重ね合わされた状態において、前記凸部と対向する案内部の位置に前記凸部が落ち込む凹部を有することを特徴とする。
【0024】
このようにすることにより、前記両筐体が重ね合わされた状態において、使用者の意志に反して両筐体が回動することを防止することができる。
【0025】
そして、前記回転機構は、前記他方の筐体に固定される取付孔を備えた第一のベース部材と、前記一方の筐体に固定され、前記取付孔に回転可能に係合する回転体を備えた第二のベース部材とを有し、該第二のベース部材は前記揺動機構によって前記回転体の軸線に直交する揺動軸を中心に揺動可能に構成され、前記一方の筐体側には凸部を備えると共に、前記他方の筐体側には前記凸部が当接する案内部を備え、かつ前記凸部を前記案内部に付勢する付勢手段を有することを特徴とする。
【0026】
このようにすることにより、回転機構を大型化することなく、簡単な構造で構成することができると共に、回動初期における互いの筐体表面や機能のこすれを効果的に防止することができ、さらには、一方の筐体を他方の筐体に対して所定の角度まで滑らかにガタ付きなく傾動させることができる。
【0027】
そして、前記付勢手段は、前記第二のベース部材と前記回転体との間に弾性変形させて配置される弾性体からなり、当該弾性体の復元力により前記凸部を前記案内部に付勢させる付勢力を発生させるようにしたことを特徴とする。
【0028】
このようにすることにより、簡単な構造で付勢手段を構成することができる。
【0029】
そして、前記第二のベース部材は、前記一方の筐体に固定される固定板と、該固定板に一体的に設けられた筒状体とからなり、該筒状体は、当該筒状体の軸線に直交して貫通配置された回転軸に対して揺動可能とし、かつ前記回転軸を前記回転体の軸線に対して直交するように回転体に固定して前記第二のベース部材と前記回転体を連結することによって揺動機構を構成し、かつ前記付勢手段は、前記筒状体と前記回転体との間に弾性変形させて配置した弾性体からなり、当該弾性体の復元力により前記一方の筐体側に備える凸部を前記他方の筐体側に備える案内部に付勢させる付勢力を発生させるようにしたことを特徴とする。
【0030】
また、前記第二のベース部材は、一方の筐体に固定される起伏軸受を備えたブラケットであって、前記回転体には当該回転体の軸線に直交する方向に突出する起伏軸を備え、該起伏軸を前記起伏軸受に挿通して前記ブラケットと前記回転体とを連結することにより揺動機構を構成し、かつ前記付勢手段は、前記ブラケットと前記回転体との間に弾性変形させて配置した弾性体からなり、当該弾性体の復元力により前記一方の筐体側に備える凸部を前記他方の筐体側に備える案内部に付勢させる付勢力を発生させるようにしたことを特徴とする。
【0031】
さらに、前記第二のベース部材は、一方の筐体に固定される貫通穴を備えたブラケットであって、前記貫通穴には、当該貫通穴の内側へ突出する一対の起伏軸板が対向配置され、前記回転体の外周面には、当該回転体の軸線方向途中まで刻設された溝が対向配置され、前記回転体を前記ブラケットの貫通穴に挿通させると共に、前記ブラケットの起伏軸板を前記回転体の溝に係合支持させることで前記ブラケットと前記回転体とを連結して揺動機構を構成し、かつ前記付勢手段は、前記ブラケットと前記回転体との間に弾性変形させて配置した弾性体からなり、当該弾性体の復元力により前記一方の筐体側に備える凸部を前記他方の筐体側に備える案内部に付勢させる付勢力を発生させるようにしたことを特徴とする。
【0032】
このようにすることにより、いずれも回転機構を大型化することなく、簡単な構造で構成することができると共に、回動初期における互いの筐体表面や機能のこすれを効果的に防止することができ、さらには、一方の筐体を他方の筐体に対して所定の角度まで滑らかにガタ付きなく傾動させることができる。
【0033】
そして、前記両筐体が重ね合わされた状態において、前記凸部と対向する案内部の位置に前記凸部が落ち込む凹部を有することを特徴とする。
【0034】
このようにすることにより、両筐体が重ね合わされた状態において、使用者の意志に反して両筐体が回動することを防止することができる。
【0035】
そして、前記回転機構に、少なくとも前記両筐体を重ね合わせた位置と、該位置から略180度回動させた位置とのそれぞれに位置決め機構を有することを特徴とする。
【0036】
このようにすることにより、少なくとも前記両筐体を重ね合わせた位置と、この位置から略180度回動させた位置において、両筐体が使用者の意志に反して回動することを防止することができる。
【0037】
そして、前記回転体を中空とし、該中空部に一方の筐体と他方の筐体とに案内される電源や信号等のリード線を挿通させるようにしたことを特徴とする。
【0038】
このようにすることにより、回動機構に接点を設けたりすることなく、リード線によって確実に信号や電源を両筐体間へ伝達することができる。
【0039】
一方本発明は、
互いに重ね合わせた一方の筐体と他方の筐体とにおける端部を結合し、前記一方の筐体と他方の筐体における同一側の面を略同一方向に向けた状態で一方の筐体を他方の筐体に対して相対的に回動させて開閉するように構成した回転機構を備えた携帯端末装置における開閉方法であって、
前記一方の筐体の少なくとも回動初期に、前記一方の筐体を他方の筐体に対して相対的に離間させるようにしたことを特徴とする。
【0040】
このようにすることにより、両筐体の少なくとも回動初期に、互いの筐体表面がこすられることを防止することができる。
【0041】
また、前記回動初期後、前記回転機構により前記一方の筐体を他方の筐体に対して相対的に回動させるに際し、前記一方の筐体と他方の筐体とのなす角度を一定に保った後、増加させて所定の角度に達するようにしたことを特徴とする。
【0042】
このようにすることにより、一方の筐体を他方の筐体に対して所定の角度で傾動させることができるため、例えば、他方の筐体に操作部を備えると共に、一方の筐体に表示部を備える場合、データ入力において、表示部を使用者に向けることができるため、表示部を見ながらの入力を行い易く、使い勝手を大きく向上させた携帯端末装置を提供することができる。また、前記携帯端末装置が、前記他方の筐体に送話部を備え、前記一方の筐体に受話部を備えた携帯電話機である場合、使用者が受話部を耳元に近づけることにより、送話部を使用者の口元に近づけることができるから、集音率を高めることができる。
【0043】
さらに、前記回動初期後、前記回転機構により前記一方の筐体を他方の筐体に対して相対的に回動させるに際し、前記一方の筐体と他方の筐体とのなす角度が徐々に増加して所定の角度に達するようにしたことを特徴とする。
【0044】
このようにすることにより、一方の筐体を他方の筐体に対して所定の角度で傾動させることができるため、例えば、他方の筐体に操作部を備えると共に、一方の筐体に表示部を備える場合、データ入力において、表示部を使用者に向けることができるため、表示部を見ながらの入力を行い易く、使い勝手を大きく向上させた携帯端末装置を提供することができる。また、前記携帯端末装置が、前記他方の筐体に送話部を備え、前記一方の筐体に受話部を備えた携帯電話機である場合、使用者が受話部を耳元に近づけることにより、送話部を使用者の口元に近づけることができるから、集音率を高めることができる。さらに、所定の角度を回動に伴って徐々に増加させれば、非常に軽い力で回動初期の離間を達成することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0046】
図1は本発明の携帯端末装置の一例である携帯電話機を示す図で、同図(A)は閉じた状態を示す平面図、同図(B)は開いた状態を示す平面図、図2は本発明の携帯端末装置に備える連結部の第一実施形態を示す図で、同図(A)は裏面図、同図(B)は側面図、同図(C)は正面図、図3は同じく本発明の携帯端末装置に備える第一実施形態の連結部を示す断面図、図4は図3におけるX−X線断面図、図5は本発明の携帯端末装置の第一実施形態における開閉状態を示す斜視図、図6は本発明に係る携帯端末装置の第一実施形態における開閉時の状態を示す側面図、図7は本発明の携帯端末装置の第一実施形態における開閉時の連結部の状態を示す断面図である。
【0047】
図中同一構成要素には同一番号を付してあり、1は表示部6を備えた一方の筐体、2は操作部5を備えた他方の筐体、3は一方の筐体1と他方の筐体2の連結部、4は送話部、5は操作部、6は表示部、7、8は受話部、9はアンテナ、10は携帯端末装置、11は第一のベース部材、11aはフランジ部、11bは案内面(案内部)、11cは始点側の凹部、11dは終点側の凹部、12は回転体、12aは内壁面、13は継ぎ手部、14は筒状体、14aは固定板、14bは凸部、15は回転軸、16は弾性体であり、筒状体14、固定板14a、凸部14bとで第二のベース部材が構成されている。
【0048】
本発明に係る携帯端末装置10は、図1に携帯端末装置の一例である携帯電話機の場合を示したように、対向配置された一方の筐体1と他方の筐体2及び両筐体1、2を回動可能に連結する連結部3とからなり、連結部3によって対向面2aに略垂直な軸線を中心に回動させるようになっている。
【0049】
他方の筐体2における一方の筐体1との対向面2a側には、操作部5と送話部4からなる機能を備え、送話部4は連結部3と反対側の端部に配置してある。また、一方の筐体1における他方の筐体2と反対の外面1b側には、液晶表示装置等の表示部6と、この表示部6を挟んで配置される二つの受話部7、8からなる機能を備え、一方の受話部7は連結部3の近傍に、他方の受話部8は連結部3と反対側の端部にそれぞれ配置してある。その為、一方の筐体1の受話部7、8を有する外面1bは、他方の筐体2の送話部4を有する対向面2aと同じ側を向いた状態で回動するようになっている。なお、他方の筐体2には出し入れ可能にアンテナ9を収納してあり、連結部3近傍の端面より出し入れすることができるようになっている。
【0050】
次に、本発明の携帯端末装置に備える連結部3の第一実施形態の詳細な構造について、図2乃至図4を基に説明する。
【0051】
連結部3は、他方の筐体2の送話部4を有する対向面2aに対して垂直な軸線を有する略円筒状をした第一のベース部材11と、この第一のベース部材11の内側に回転可能に嵌合される略円筒状をした回転体12と、この回転体12と一方の筐体1とを連結するとともに、回転体12に対して一方の筐体1を傾斜させ得る傾斜機構を備えた継ぎ手部13とからなる。
【0052】
継ぎ手部13は、回転体12内に配置される筒状体14と、筒状体14の軸線に対して直角に上記筒状体14を貫通して配置される回転軸15と、上記筒状体14の端部に備える固定板14aとからなり、筒状体14に備える固定板14aを一方の筐体1の対向面1a側と接合するとともに、回転軸15の両端を回転体12に固定することによって一方の筐体1と回転体12とを連結するようになっている。この時、回転軸15は回転体12の軸線に対して直交し、かつ他方の筐体2の端面2cに対して平行に位置するように配置してあり、この回転軸15と筒状体14及び回転体12とで一方の筐体1を他方の筐体2に対して傾斜させ得る傾斜機構を構成するようになっている。
【0053】
即ち、筒状体14は回転軸15を中心に回転体12に対して傾動させることができるようになっており、図5(A)、図6(A)に示したように、一方の筐体1の連結部3と反対側の端部を他方の筐体2の送話部4を有する対向面2aに対して持ち上げれば、一方の筐体1を他方の筐体2に対して傾斜させ得るようになっている。
【0054】
なお、16は筒状体14の固定板14aと反対側の端部に取着された弾性体で、この弾性体16を回転体12の内壁面12aに付勢させることにより、その弾性作用によって一方の筐体1の連結部3と反対側の端部が他方の筐体2の送話部4を有する対向面2aに押し付けられるようになっている。
【0055】
また、第一のベース部材11の一端にはフランジ部11aを備え、このフランジ部11aを他方の筐体2の対向面2a側と結合するとともに、第一のベース部材11の他端頂部にはその半分の領域を切り欠いて高さを低くした段差部を形成してあり、この段差部底面を案内面11bとし、その始点Sと終点Eにそれそれ凹部11c、11dを形成してある。また、案内面11bは始点S付近から途中まで同じ高さを有し、終点E近傍で若干高くなっている。なお、案内面11bは始点Sから終点Eまでその高さが徐々に大きくなる傾斜面としても構わない。
【0056】
そして、第二のベース部材を形成する固定板14aに備える凸部14bが、上記第一のベース部材11の案内面11bに沿って摺動しながら案内されるようになっている。なお、案内面11bの始点Sと終点Eを結ぶ線は回転軸15に対して直交するように配置してあり、案内面11bの始点Sが操作部5側に、案内面11bの終点Eが他方の筐体2の端面2c側に位置するようになっている。
【0057】
次に、図1に示す携帯端末装置10の開閉状態について説明する。まず、図1(A)に示すように、一方の筐体1が他方の筐体2に対して閉じた状態では、図2(c)及び図3に示すように、第二のベース部材の凸部14bが第一のベース部材11の始点S側に備える凹部11cと係合しているため、一方の筐体1が他方の筐体2に対して連結部3を中心に回動しないようになっている。
【0058】
そして前記したように、携帯端末装置10が携帯電話機の場合、一方の筐体1と他方の筐体2を重ね合わせた状態において着信があった場合、発呼者の氏名や電話番号等の受信情報を表示部6に表示させるとともに、送話部4及び送話部4より遠方(連結部3近傍)にある受話部7を動作させ、送話部4近傍(連結部3と反対側の端部)にある受話部8を不動作とする。そして、不図示のオフフック操作部を押下し、受話部7を耳元に近づけることにより通話を行うことができる。この時、携帯端末装置10は重ね合わせた状態であるから、送話部4を口元近傍に配置するのに十分な長さを有していないものの、送話部4の感度を高めることで送話音を集音することができる。
【0059】
次に、一方の筐体1を他方の筐体2に対して閉じた状態から開くには、図5(A)、図6(A)、図7(A)に示すように、一方の筐体1の連結部3と反対側の端部1dを他方の筐体2の送話部4を有する対向面2aに対して持ち上げ、一方の筐体1を他方の筐体2の送話部4を有する対向面2aに対して傾斜させる。この時、第二のベース部材の凸部14bは、第一のベース部材11の始点S側にある凹部11cより外れるようになっている。
【0060】
次に、図5(B)に示すように、一方の筐体1を第一のベース部材11の軸線を中心に回動させるのであるが、この時、第二のベース部材の凸部14bは案内面11b上を摺動しながら終点Eまで案内され、一方の筐体1を他方の筐体2の送話部4を有する対向面2aに対して傾斜させた状態で回動させるようになっている。その為、他方の筐体2の対向面2aに備える操作部5が一方の筐体1と摺動することがないため、操作部5の頂面に有する記号等が一方の筐体1によって削られるのを防止することができるとともに、一方の筐体1の対向面1aが汚れることを防ぐことができる。
【0061】
また、一方の筐体1が他方の筐体2に対して回動する際、一方の筐体1は第一のベース部材11によって支持された状態で案内されることになるため、回動時における一方の筐体1のガタ付きを抑えることもできる。さらに、第一のベース部材11には段差部を形成してあることから、一方の筐体1を図5(B)に点線で示す矢印の方向に回動するのを防ぎ、例えば、連結部3を形成する回転体14内に挿通させたリード線(不図示)等が絡まるのを防止することができる。
【0062】
そして、図5(c)、図6(B)、図7(B)に示すように、一方の筐体1を略180度回動させ、第二のベース部材の凸部14bを案内面11bの終点Eに備える凹部11dに係合させることにより回動が終了し、一方の筐体1を他方の筐体2に対して傾斜させた状態で開くことができる。なお、開いた状態において、一方の筐体1の受話部7、8を有する外面1bと他方の筐体2の送話部4を有する対向面2aとのなす角度βは90度より大きく、かつ180度より小さい範囲、好ましくは150度より大きく、かつ、180度より小さい範囲とすることが好ましい。
【0063】
そして、この開いた状態において、受信があった場合、発呼者の氏名や電話番号等の受信情報を表示部6に表示させるとともに、送話部4及び送話部4より遠方(連結部3と反対側の端部)にある受話部8を動作させ、送話部4近傍(連結部3近傍)にある受話部7を不動作とする。次いで、不図示のオフフックボタンを押下し、受話部8を使用者の耳元に近づけると、他方の筐体2の送話部4を使用者の口元により近づけることができるため、集音率を高めることができ、通話相手に綺麗な送話音を送信することができる。
【0064】
次に、図8乃至図11を用い、本発明に係る携帯端末装置の第二実施形態について説明する。図8は本発明の携帯端末装置の第二実施形態における一方の筐体1と他方の筐体2の開閉方法を説明するための斜視図、図9は本発明の携帯端末装置の第二実施形態における回転機構を説明するための構成図、図10は本発明の携帯端末装置の第二実施形態における回転機構の一実施例分解図で、(A)は上方から見た図、(B)は下方から見た図、図11は本発明の携帯端末装置の第二実施形態における回転機構の一実施例断面図で、(A)は一方の筐体1と他方の筐体2が互いに重ね合わされた状態の図、(B)は一方の筐体1と他方の筐体2とを互いに略180度回動させた状態の図である。
【0065】
図8、図9における一方の筐体1と他方の筐体2は、図1における一方の筐体1と他方の筐体2とを直方体形状で示したもので、図中20は回転機構、21は回転機構の回転体61に設けられた起伏軸62の軸受け用孔22(図9)を有し、一方の筐体1に固定したブラケット、60はスプリング、75、76は一方の筐体1と他方の筐体2に設けられた回転機構20を設ける孔、77、78は回転止め凹部、61は一方の筐体1を傾斜させるためにブラケット21の孔22に挿通させる起伏軸62を有した回転体、63は凸部64を有して回転止めの突起65によって一方の筐体1に固定されるレバー、66は回転体61を回転可能にはめ込んで他方の筐体2の一方の筐体1側に固定され、レバー63の凸部64の当接によって一方の筐体1の回動初期に一方の筐体1と他方の筐体2を離間させた後、一方の筐体1と他方の筐体2に所定の角度を設けるための傾斜面67aを備えた案内部67と、一方の筐体1と他方の筐体2が互いに重ね合わされた時、レバー63の突起64を位置決めする凹部68を有したスリーブ、69はフリクションプレート、70は一方の筐体1と他方の筐体2を重ね合わせた状態と略180度回動させた状態に対応させた位置決め用の係止機構の凹部70aを有し、回転体61を回転可能にはめ込んで他方の筐体2に固定されているホルダー、71は弾性体で作製され、一方の筐体1と他方の筐体2の位置決め用係止機構を構成する突起72を有し、回転体61に固定されて回転体61を他方の筐体2の中で回転できるようにするスプリングプレートである。
【0066】
この第二実施形態においても、前記一方の筐体1と他方の筐体2を相対的に回動させる少なくとも回動初期に、前記一方の筐体1と他方の筐体2とを離間させ、その後一方の筐体1と他方の筐体2の機能を備える各面のなす角度が徐々に増加して所定の角度となるようにする手段を設けたものである。
【0067】
すなわちこの第二実施形態の携帯端末装置は、図8(A)に示したように、一方の筐体1と他方の筐体2を互いに重ね合わせた端部を回転機構20で結合し、前記一方の筐体1と他方の筐体2における同一側の面を同一方向に向けた状態で、図8(B)、(C)、(D)のように一方の筐体1を他方の筐体2に対して相対的に回動可能に構成してある。またこの回動にともない、少なくとも回動初期に、一方の筐体1と他方の筐体2とを離間させ、一方の筐体1と他方の筐体2の相対する面に設けられた例えば操作部5などがこすられたり傷を付けられたりするのを防止できるようにすると共に、一方の筐体1と他方の筐体2とを重ね合わせた位置から略180度回動させたとき、一方の筐体1に対して他方の筐体2が、一方の筐体1における他方の筐体2側に設けられた傾斜部23の角度と同じ所定角度θを生じるようにしてある。そのため、例えばこの携帯端末装置10を携帯電話とした場合、一方の筐体1に表示部6を、他方の筐体2に操作部5を設けると、表示部6が常時視認できると共に使用状態においては表示部6が使用者の方に傾斜しているから操作部5の操作がし易く、携帯電話などにおいては受話部8と送話部4がそれぞれ耳と口に近付いて非常に使いやすくなる。
【0068】
この図8、図9において20は、図10、図11に詳細を示した回転機構であり、21はこの回転機構20における回転体61に設けられた起伏軸62を受ける軸受け用孔22を有し、一方の筐体1に固定されている第二のベース部材としてのブラケットである。すなわち一方の筐体1は、このブラケット21の軸受け用孔22に挿通された起伏軸62によって、一方の筐体1を他方の筐体2から離間させる方向に回動できるようにされ、さらに回転機構20を中心として前記図8(B)に24で示した矢印方向に回動できるようになっている。そしてこの回転機構20には、凹部68、案内部67を有した第一のベース部材としてのスリーブ66が設けられ、一方の筐体1は回動初期に、一方の筐体1における他方の筐体2側が他方の筐体2から離間する方向の力を受け、一方の筐体1が他方の筐体2上をこすることなく図8(C)のように回動してゆき、同時に、回動に伴って一方の筐体1と他方の筐体2の角度が徐々に増大してゆく。そして、図8(D)のように一方の筐体1と他方の筐体2とを重ね合わせた位置から略180度回動させると、一方の筐体1における他方の筐体2側に設けられた傾斜部23の角度と同じ所定角度θとなる。
【0069】
そして一方の筐体1と他方の筐体2、及び回転機構20は、図9、及び図11の断面図に示したように、一方の筐体1にブラケット21が固定され、回転機構20が、他方の筐体2の下から一方の筐体1、他方の筐体2に開けられた孔75、76に挿入されて、回転機構20の図9に示したスリーブ66が他方の筐体2の一方の筐体1側に固定される。またこの回転機構20は、図10、図11に示したように、起伏軸62を有した回転体61を有し、この回転体61の起伏軸62がブラケット21の軸受け用孔22に差し込まれて、一方の筐体1がこの起伏軸62によって回動可能にされながら一方の筐体1に固定され、スプリング60がこの起伏軸62の周りからブラケット21に装着されて、一方の筐体1を他方の筐体2の方に押しつける力を与えている。
さらにこの回転機構20は、凸部64と回転止めの突起65を有し、凸部64及び突起65を一方の筐体1の孔75に設けた回転止め凹部(孔)77、78(図9)に嵌め合わせるレバー63、一方の筐体1と他方の筐体2とが対面する対向面上に案内部67と凹部68を有し、他方の筐体2の一方の筐体1側に固定される第一のベース部材としてのスリーブ66、他方の筐体2の一方の筐体1とは反対側に、前記一方の筐体1と他方の筐体2とを重ね合わせた位置と該位置から略180度回動させた位置とのそれぞれに、位置決め用係止機構の凹部70aを有して固定されるホルダー70、弾性体で作製され、一方の筐体1と他方の筐体2の位置決め用係止機構を構成する突起72を有し、回転体61に固定されて回転体61を他方の筐体2の中で回転できるようにするスプリングプレート71などで構成される。
【0070】
そして、この状態を示した断面図、図11(A)のように、前記一方の筐体1と他方の筐体2とを重ね合わせた状態(閉じた状態)においては、レバー63の凸部64がスリーブ66の凹部68にはまり込んでおり、スプリング60の押圧力で一方の筐体1が他方の筐体2に押しつけられて、一方の筐体1と他方の筐体2が密着している。次に、この状態で図8(B)のように一方の筐体1を矢印24方向に回動させると、レバー63の凸部64が凹部68からスリーブ66の案内部67に備える傾斜面67aに乗り上げ、一方の筐体1をスプリング60の押圧力に抗して押し上げるため、一方の筐体1と他方の筐体2は離間する。そのため、さらに一方の筐体1を矢印24方向に回動させても、一方の筐体1が他方の筐体2上の操作部5や他方の筐体2の表面2aをこすることなく、図8(C)のように回動してゆき、同時に、回動に伴ってレバー63の凸部64が傾斜面67aに添って徐々に押し上げられ、一方の筐体1と他方の筐体2の角度が徐々に増大してゆく。そして図1(D)のように、一方の筐体1と他方の筐体2とを重ね合わせた位置から略180度回動させた位置(開いた状態)まで一方の筐体1が回動すると、図11(B)のようにレバー63の凸部64がスリーブ66の案内部67における一番高いところにきて、一方の筐体1は、一方の筐体1における他方の筐体2側に設けられた傾斜部23の角度と同じ所定角度θ(図8(D)参照)となる。
【0071】
そして、一方の筐体1と他方の筐体2とを重ね合わせた状態(閉じた状態)の図11(A)と略180度回動させた位置(開いた状態)の図11(B)においては、スプリングプレート71に設けられた突起72がホルダー70に設けられた位置決め用係止機構の凹部70aと係合して位置決めされる。そのため一方の筐体1と他方の筐体2は、閉じた状態と開いた状態のそれぞれで、容易に動かないように位置決めされる。
【0072】
次に、図12乃至図17を用い、本発明に係る携帯端末装置の第三実施形態について説明する。図12は本発明の携帯端末装置の第三実施形態における回転機構の一実施例分解斜視図、図13は本発明の携帯端末装置の第三実施形態における回転機構の組み付け状態の斜視図、図14は本発明の携帯端末装置の第三実施形態における回転機構の組み付け状態の正面図、図15は本発明の携帯端末装置の第三実施形態における説明用の側面図、図16は本発明の携帯端末装置の第三実施形態における回転機構の一方の筐体1と他方の筐体2を重ね合わせた状態(A)、90度回動させた状態(B)、180度回動させた状態(C)の拡大説明側面図、図17は本発明の携帯端末装置の第三実施形態における回転機構の一方の筐体1と他方の筐体2を重ね合わせた状態(A)と180度回動させた状態(B)の拡大断面図である。
【0073】
図15における一方の筐体1と他方の筐体2は、前記第二実施形態と同様説明を簡単化するため図1における一方の筐体1と他方の筐体2を直方体形状で示したもので、図中80は固定具、81は第一のベース部材、82は回転体84の取付孔、83はブラケットからなる第二のベース部材、84は回転体、85は空洞孔部、86は弾性体、87は位置決め係止機構、89は凸部、90は案内面(案内部)、91は凹部である。
【0074】
この本発明の第三実施形態は、前記した第二実施形態における起伏軸62を回転体61ではなく、第二のベース部材83に設けて回転体84に対して相対的に傾動自在に構成し、前記一方の筐体1と他方の筐体2を相対的に回動させる少なくとも回動初期に、前記一方の筐体1と他方の筐体2とを離間させ、その後一方の筐体1と他方の筐体2の機能を備える各面のなす角度が徐々に増加して所定の角度となるようにする手段を設けたものである。そのためこの第三実施形態においては、例えば図15に示したように他方の筐体2に第一のベース部材81を設け、一方の筐体1に第二のベース部材83を設け、図12に示したように第一のベース部材81に設けた取付孔82に、第二のベース部材83に設けた回転体84を挿通係合して他方の筐体2と一方の筐体1とを連結することで、他方の筐体2と一方の筐体1とが重ね合わせた状態から、前記一方の筐体1を相対的に略平行に回動して操作部5を露出させることができるようにしたものである。
【0075】
また、他方の筐体2と一方の筐体1とを重ね合わせた状態においては、弾性体86により第二のベース部材83の片側が押圧されてこの第二のベース部材83は相対的に傾動付勢され、これにより他方の筐体2に対して一方の筐体1は重合(重ね合わせた)伏方向に閉じて付勢されることとなる。即ち、弾性体86は、例えば生じる付勢力が一側へ片寄った板状のバネとし、重合(重ね合わせた)状態で一方の筐体1を伏方向に傾動させる側となる第二のベース部材83の一側を常に押圧する形状に設定して、重合状態となったとき、第二のベース部材83が傾動可能となって且つ前記所定側を自動的に押圧するように構成すれば、重合状態でこの弾性体86により第二のベース部材83が傾動付勢されて、他方の筐体2に対して一方の筐体1は閉じ付勢されることとなる。
【0076】
具体的には、第一のベース部材81側に、第二のベース部材83に設けた凸部89が当接する案内面90を設け、この凸部89を前記弾性体86によって常に案内面90に摺動移動自在に圧接し、この案内面90若しくは重合状態で前記凸部89が相対する位置に(前記他方の筐体2と前記一方の筐体1とが重合した状態のとき)前記凸部89が落ち込み、前記第二のベース部材83が傾動することを許容する凹部91を設け、この重合状態のとき前記弾性体86により前記凸部89を前記凹部91へ落ち込み付勢することで前記第二のベース部材83を傾動付勢して、前記一方の筐体1を他方の筐体2に対して重合伏方向に付勢し得るように構成する。
【0077】
これによって簡易な構成にして常に重合状態となる凸部89が凹部91に位置して傾動可能となり、且つ常に第二のベース部材83の一側を片寄り押圧している弾性体86によって、重合状態でこの弾性体86により第二のベース部材83が傾動付勢されて他方の筐体2に対して一方の筐体1は閉じ付勢されることとなる。
【0078】
また、案内面90は前記取付孔82を設けた固定具80側に設け、この案内面90は、前記他方の筐体2に対して前記一方の筐体1が相対的に回動することで、前記回転体84が前記取付孔82に対して回動する際、この案内面90の傾斜に沿って第二のベース部材83の凸部89が摺動移動することによって前記回転体84に対して前記第二のベース部材83が相対的に傾動するように構成し、例えば前記他方の筐体2と前記一方の筐体1とが上下に略平行に重合した状態から前記一方の筐体1を相対的に重合面に対して略平行に180度回動して略直線状に連設状態となるように配設して重合面を露出させた際、前記案内面90の傾斜に沿って前記凸部89が摺動移動することによって前記回転体84に対して前記第二のベース部材83が相対的に傾動して、略水平に配置した前記他方の筐体2に対して前記一方の筐体1が自動的にやや立ち上がり傾斜して連設した状態となるように構成すれば、回動に際してこの案内面90に当接している凸部89が摺動移動することによって前記回転体84に対して前記第二のベース部材83が相対的に傾動することとなり、この第二のベース部材83の回動による傾動によって、略水平に配置した前記他方の筐体2に対して前記一方の筐体1が自動的にやや立ち上がり傾斜して略直線状に連設した状態となる。
【0079】
即ち、他方の筐体2を操作部5を設けた本体部2とし、一方の筐体1を表示部6を設けた重合部1とすれば、この回転機構により端部同士を重合して連結することで、本体部2に対して重合部1を略水平方向に回動自在に連結でき、前記操作部5を操作しない時にはコンパクト化するため、この操作部5を覆うように本体部2と重合部1とを上下に重合配設し、また、このコンパクト化された重合状態では、表示部6は重合部1の上面側に配されているため、操作部5は操作できないにしても表示部6を視認することができ、また表示部6を機能させるように構成すれば、例えば予め操作部5により設定するなどした日付やカレンダー表示をさせたり、またデータ通信表示(携帯電話では例えば着信表示など)を行うようにしたりすれば、表示部6は視認できるため様々な使用が可能となり、使用用途が広がったり、機能性が向上し、非常に便利となり実用性(商品価値)が高まる。
【0080】
また、前記操作部5を操作するに際して前記重合部1を起伏回動させて前記操作部5を露出させるのではなく、前記重合部1を略水平方向に略180度回動することで前記操作部5を露出させることができる。従って、前述のように操作部5を重合部1により隠蔽した状態のとき露出側となる上面側に表示部6を設けて機能性を高めても、重合部1を水平回動することで操作部5を露出できるため、操作部5を露出させても表示部6は露出状態のままであり、操作部5を操作して表示部6に表示させる従来通りの使用も可能となる。
【0081】
また、起伏回動でなく水平回動のため横押し操作により操作部5を露出できるため、開放動作が従来の起伏回動操作に比して容易に行え、扱い易い。また、この際、開放回動すれば自動的に重合部1がやや立ち上がり傾斜状態となって表示部6が見易くなる。
【0082】
さらにこの第三実施形態について、詳細に説明する。この第三実施形態は、前記した第二実施形態と同様、一方の筐体1(重合部1)と他方の筐体2(本体部2)とを重合した状態から重合部1を略180度水平回動して本体部2と重合部1とが一直線状に連設した状態とした際、この回動によって自動的に重合部1の表示部6が本体部2に対してやや立ち起こされたように傾斜状態となり見易くなるように構成している。
【0083】
すなわち前記回転体84は、図12から明らかなように第二のベース部材83に対して回り止め状態に設けられて前記重合部1の回動に伴ってこの第二のベース部材83と共に回動するように構成すると共に、この回転体84に対して前記第二のベース部材83は回転体84の回動軸方向と略直交する方向を揺動軸方向として前記回転体84に対して相対的に傾動自在に構成している。また、この第二のベース部材83に凸部89を垂設し、この凸部89が当接する傾斜状の案内面90を前記取付孔82を設けた第一のベース部材81側、即ち前記取付孔82の周辺部に周方向に沿って設け、この案内面90に弾性体86により前記凸部89を案内面90に沿って摺動移動自在に圧接した構成としている。
【0084】
具体的には、この案内面90は、前記本体部2に対して前記重合部1が相対的に回動することで、前記回転体84が前記取付孔82に対して回動する際、この案内面90の傾斜に沿って前記凸部89が摺動移動することによって前記回転体84に対し、前記第二のベース部材83が相対的に傾動するように構成している。
【0085】
即ち、本体部2と重合部1とが上下に略平行に重合した状態から上側の重合部1を相対的に重合面に対して略平行に180度回動して略直線状に連設状態となるように配設して重合面を露出させた際、周方向に配設されていて登り傾斜面を有する前記案内面90に沿って前記凸部89が摺動移動することによって、この案内面90の傾斜により前記回転体84に対して前記第二のベース部材83が相対的に傾動して、略水平に配置した前記本体部2に対して前記重合部1が自動的にやや立ち上がり傾斜して略直線状に連設した状態となるように構成している。また、前記回転体84の回動を重合状態(0度回動位置)と180度回動位置で位置決め係止する位置決め係止機構87を設けて、前記重合部1が前記本体部2を覆うように重合する位置と、本体部2と直線状に連設状態となる位置で位置決め係止されるように構成している。
【0086】
また、固定具80に取付孔82を備えた第一のベース部材81を設け、この第一のベース部材81の取付孔82に第二のベース部材83を備える回転体84を回動自在に係合している。またこの回転体84は第二のベース部材83の貫通穴に挿通され、貫通穴より内側へ突出し、かつ対向配置された一対の起伏軸枝83aと、前記回転体84の外周面に対向して形成され、当該回転体84の軸線方向途中まで刻設された縦長係合溝84aとを契合させることによって、回り止め状態に係合すると共に、前記固定具80の取付孔82に係合した回転体84の軸線に対して直交する方向に第二のベース部材83が揺動可能(傾斜自在)となるように、第二のベース部材83の貫通穴に回転体84を支承する構成としている。
【0087】
また、この第二のベース部材83には切り出された舌片を凸部89として垂設し、この凸部89が当接する案内面90は前記第一のベース部材81の取付孔82の半周部上面に形成し、登り傾斜面に形成している。さらに、回転体84に被嵌して第二のベース部材83を押圧する板状のバネを弾性体86として抜け止め連結部88によって介在させ、この弾性体86によって第二のベース部材83を押圧して凸部89を案内面90に圧接させている。
【0088】
これによって凸部89は、案内面90に沿って摺動移動すると共に、案内面90の傾斜に沿って第二のベース部材83が傾動し、表示部6が開放回動時に見易いように自動傾斜し、また、この弾性体86によってふらつきなくフリーストップ状態で回動できることとなる。
【0089】
また本実施例では、前記他方の筐体2(本体部2)に対して前記一方の筐体1(重合部1)を重合伏方向に付勢する弾性体86として機能させるべく、この前記重合部1を重合伏方向に付勢し得る方向に前記第二のベース部材83を傾動させる付勢力が生じる形状に前記弾性体86を構成している。即ち、前記弾性体86は生じる付勢力が一側へ片寄る板状のバネにて形成し、前述のように回転体84に被嵌配設して第二のベース部材83の所定側のみを常に強く押圧する構成としている。
【0090】
更に説明すれば、前記第二のベース部材83に設けた凸部89が当接する案内面90を第一のベース部材81の取付孔82半周辺に設け、この凸部89を設けた側を常に前記弾性体86によって案内面90に摺動移動自在に圧接し、この案内面90に、前記本体部2と前記重合部1とが重合した状態のとき、前記凸部89が落ち込み前記第二のベース部材83が傾動することを許容する凹部91を設け、前記弾性体86により常に凸部89側を押圧して、この凸部89を前記凹部91へ落ち込み付勢することで前記第二のベース部材83を傾動付勢して、重合部1を重合伏方向に閉じ付勢し得るように構成している。
【0091】
即ち、前記第二のベース部材83は前記回転体84の回動軸方向と略直交する方向を揺動軸方向として前記回転体84に対して相対的に傾動自在に構成し、本体部2と重合部1とが重合した状態のとき、前記凸部89が凹部91に位置して第二のベース部材83が傾動し得る状態となり、この凸部89側を常に押圧している弾性体86によって第二のベース部材83は傾動付勢されて、本体部2に対して重合部1を重合伏方向に閉じ付勢するように構成している。
【0092】
従って弾性体86は、生じる付勢力が一側へ片寄った板状のバネを複数枚重ね、回転体84に回り止め被嵌されて回転体84及び第二のベース部材83と共に回動するように構成し、重合状態で一方の筐体1を伏方向に傾動させる側となる第二のベース部材83の一側を常に押圧する形状に設定している。即ち、本実施例では、常にこの取付ベース83部材の凸部89を設けた側を押圧している。そして、重合状態となったとき第二のベース部材83が傾動可能となって且つ前記所定側が自動的に押圧されているように構成することで、重合状態でこの弾性体86により第二のベース部材83が傾動付勢されて他方の筐体2に対して一方の筐体1は閉じ付勢されるように構成している。
【0093】
即ち、重合状態となると、押圧されている凸部89が凹部91に落ち込むことが可能となることで、この第二のベース部材83が回転体84に対して(他方の筐体2に対して)傾動許容状態となり、弾性体86によって常に凸部89は押圧されていることによって、第二のベース部材83が傾動付勢されて他方の筐体2に対して一方の筐体1は閉じ付勢されるように構成している。
また、前記位置決め係止機構は、第一のベース部材81の取付孔82周辺に配設する係合突起81aと、外周部に突起部87aを備える環状体87とからなり、環状体87は回転体84と共に回動するように構成し、環状体87の突起部87aが係合突起81aに当接することにより、前記所定位置で回動ロックされるように構成している。
【0094】
以上、本発明の実施形態について種々説明してきたが、本発明は上述した実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良や変更したものに適用できることは言う迄もない。すなわち、前記本発明の携帯端末装置における実施形態の説明では、受話部を2つ備えた携帯電話機の場合を例に説明したが、受話部が一つだけの携帯電話機であっても良いことは勿論であり、また前記したように、携帯端末装置は携帯電話機だけでなく、PDAや携帯型のパソコン等種々のものがあり、こういった携帯端末装置にも適用できる。
【0095】
また、各実施形態における継ぎ手部13及び回転体12、回転体61、回転体84の軸方向内部に電源線や信号線などのコード線を挿通配設して一方の筐体1を回動する構成としてもよい。また、第三実施形態では、第一のベース部材81、第二のベース部材83及び回転体84等を導電性の金属材で構成しているため、この回転機構自体を導電部として他方の筐体2(本体部2)側と一方の筐体1(重合部1)側とを電気的に接続するように構成しても良く、他の実施形態においても同様に構成できる。
【0096】
以上種々述べてきたように本発明によれば、使用者に対する面にそれぞれ異なった機能(表示部、操作部、受話部、送信部等)を備える一方の筐体と他方の筐体とにおける端部を回転機構で連結し、前記使用者に対する面をそれぞれ同一方向に向けた状態で相対的に回動可能に構成した携帯端末装置において、前記回転機構を、前記一方の筐体と他方の筐体の少なくとも回動初期に離間させる揺動機構を設けたことにより、互いの筐体表面がこすられるといった心配が無くなる。
【0097】
そしてこの一方の筐体と他方の筐体との回動初期の離間は、前記回転機構により前記一方の筐体を他方の筐体に対して相対的に回動させるに際し、前記一方の筐体の回動に伴って他方の筐体とのなす角度が徐々に増加して所定の角度に達するように回動させることにより、一方の筐体と他方の筐体とを重ね合わせた状態から回動させて開いた状態の時、所定の角度を生じさせることによって携帯電話などにおいては送話部と受話部を口と耳に近づけることができるから集音率を高めることができ、またデータ入力においても、表示部を見ながら入力できるから、使い勝手を大きく向上させた携帯端末装置を提供できる。さらに、この所定角度を回動に伴って徐々に増加させることにより、非常に軽い力で回動初期の離間を達成できる。
【0098】
また前記回転機構は、前記一方の筐体と他方の筐体とが対面する対向面における他方の筐体側に傾斜状の案内部を、一方の筐体側に前記案内部に当接する凸部を有し、前記一方の筐体と他方の筐体の少なくとも回動初期に、前記凸部の案内部への乗り上げで、前記一方の筐体と他方の筐体とが離間するよう構成することにより、前記した一方の筐体と他方の筐体のなす角度を徐々に増加でき、前記一方の筐体と他方の筐体の離間を達成することができる。
【0099】
また前記回転機構は、前記一方の筐体に固定した起伏軸受に挿通させて一方の筐体を傾動させる起伏軸を一端側に有し、他端側を前記他方の筐体に回転可能に保持された回転体と、前記一方の筐体と他方の筐体とが対面する対向面上に設けた傾斜状の案内部とで構成され、前記一方の筐体の少なくとも回動初期に、前記案内部と起伏軸によって一方の筐体を他方の筐体に対して離間させ、一方の筐体の回動に伴って他方の筐体に対して所定角度を生じさせる角度制御手段が存在するように構成してもよい。
【0100】
また前記回転機構は、前記他方の筐体における機能を備える面に対して略垂直に軸線を向けて固定される第一のベース部材と、該第一のベース部材に回転可能に嵌合される回転体と、該回転体と前記一方の筐体とを連結し、かつ、一方の筐体を前記他方の筐体に対して傾斜させ得る傾斜機構を備えた継ぎ手部とからなり、前記一方の筐体を前記他方の筐体に対して相対的に回動させる時、前記一方の筐体を前記他方の筐体に対して傾斜させて前記第一のベース部材の軸線を中心に回動させるようにしてもよい。
【0101】
そして、この第一のベース部材頂面に案内面を備えると共に前記継ぎ手部には凸部を備え、前記他方の筐体が回動する時、前記継ぎ手部の凸部が上記第一のベース部材に備える案内面上を摺動しながら移動するよう構成することにより、一方の筐体を第一のベース部材で支持することができるため、一方の筐体をガタ付かせることなく回動させることができ、また、前記第一のベース部材頂部に段差部を有し、該段差部底面を案内面としてあることにより、一方の筐体が他方の筐体に対して所定の方向と逆方向に回動しないようにし、それによって、連結部内に挿通されたリード線が絡まることを防ぐようにすることが好ましい。
【0102】
また本発明は、前記一方の筐体若しくは他方の筐体の一方の部材に取付孔を設けた第一のベース部材を設け、他方の部材に前記取付孔に係合する回転体を有する第二のベース部材を設け、前記一方の筐体に対して前記他方の筐体が相対的に回動することで、前記回転体が前記取付孔に対して回動し得るように構成し、前記回転体は前記第二のベース部材に対して回り止め状態に設けられて前記他方の筐体若しくは前記一方の筐体の回動に伴って、前記第二のベース部材と共に回動するように構成すると共に、前記第二のベース部材は、前記回転体の回動体と略直交する方向を傾動軸として前記回転体に対して相対的に傾動自在に構成し、前記第二のベース部材側には凸部を設けると共に、前記第一のベース部材側には前記凸部と当接する案内面を設け、かつ、一端が前記回転軸に固定され、他端が前記凸部を案内面に押しつけるように前記第二のベース部材を押圧する弾性体を配設してなり、前記一方の筐体と前記他方の筐体とを重ね合わせた状態から前記一方の筐体若しくは前記他方の筐体が回動するとき、前記凸部が前記案内面上を摺動移動することによって前記第二のベース部材が前記回転体に対して相対的に傾動するように構成しても良い。
【0103】
また、前記一方の筐体と前記他方の筐体とが重ね合わされた状態の時、前記凸部が落ち込んで前記第二のベース部材が傾動することを許容する凹部を前記第一のベース部材に設け、前記弾性体により前記凸部を前記凹部へ落ち込み付勢することで前記第二のベース部材を傾動付勢して、前記一方の筐体若しくは前記他方の筐体を重ね合わせ方向に付勢し得るように構成することが好ましい。
【0104】
また前記回転機構に、少なくとも前記一方の筐体と他方の筐体とを重ね合わせた位置と、該位置から略180度回動させた位置とのそれぞれに、位置決め係止機構を設けることにより、一方の筐体、または他方の筐体を回動させても、確実に使用位置、不使用位置で回動を停止させることができ、使用者の意思に反して回動するのを規制することができる。
【0105】
さらに、前記回転機構により回動する側の筐体における回転機構側端部に、所定角度の傾斜を設けたことにより、一方の筐体または他方の筐体を回動させて使用状態としたとき、所定角度傾斜させた側の筐体を安定させることができる。
【0106】
また前記回転軸を中空とし、この中空部に一方の筐体と他方の筐体を結ぶ電源線や信号線等のリード線を通せるようにしたことにより、回転部分に接点を設けたりすることなく、信号線により確実に信号や電源を他方の筐体から一方の筐体に伝えることができる。
【0107】
また前記回転機構は、前記一方の筐体を他方の筐体側に付勢する弾性部材を設けたことにより、一方の筐体が常に他方の筐体側に押しつけられる形になり、勝手に開いて誤動作したりすることが防止できると共に、一方の筐体と他方の筐体を回動させた状態(使用状態)から互いに重ね合わせた状態(不使用状態)に戻したとき、一方の筐体が自動的に他方の筐体側に押圧されて接することができるようになる。
【0108】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明の携帯端末装置によれば、一方の筐体1と他方の筐体2における同一側の面を同一方向に向けた状態で一方の筐体1を他方の筐体2に対して相対的に回動可能に構成すると共に、一方の筐体1を他方の筐体2に対して相対的に回動させる回動初期に一方の筐体1と他方の筐体2とを離間させるようにしたから、互いの筐体表面がこすられるといった心配が無くなる。また、一方の筐体1と他方の筐体2とを重ね合わせた状態から相対的に回動させたときに所定の角度が生じるから、一方の筐体1と他方の筐体2が同一側の面を同一方向に向けた状態で回動することと相俟って、使い勝手を大きく向上させられる携帯端末装置装置とその開閉方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の携帯端末装置の一例である携帯電話機を示す図で、同図(A)は閉じた状態を示す平面図、同図(B)は開いた状態を示す平面図である。
【図2】 本発明の携帯端末装置に備える連結部の第一実施形態を示す図で、同図(A)は裏面図、同図(B)は側面図、同図(c)は正面図である。
【図3】 本発明の携帯端末装置に備える第一実施形態の連結部を示す断面図である。
【図4】 図3におけるX−X線断面図である。
【図5】 本発明の携帯端末装置の第一実施形態における開閉状態を示す斜視図である。
【図6】 本発明に係る携帯端末装置の第一実施形態における開閉時の状態を示す側面図である。
【図7】 本発明の携帯端末装置の第一実施形態における開閉時の連結部の状態を示す断面図である。
【図8】 本発明の携帯端末装置の第二実施形態における一方の筐体と他方の筐体の開閉方法を説明するための斜視図である。
【図9】 本発明の携帯端末装置の第二実施形態における回転機構を説明するための構成図である。
【図10】 本発明の携帯端末装置の第二実施形態における回転機構の一実施例分解図で、(A)は上方から見た図、(B)は下方から見た図である。
【図11】 本発明の携帯端末装置の第二実施形態における回転機構の一実施例断面図で、(A)は一方の筐体と他方の筐体が互いに重ね合わされた状態の図、(B)は一方の筐体と他方の筐体とを互いに略180度回動させた状態の図である。
【図12】 本発明の携帯端末装置の第三実施形態における回転機構の一実施例分解斜視図である。
【図13】 本発明の携帯端末装置の第三実施形態における回転機構の組み付け状態の斜視図である。
【図14】 本発明の携帯端末装置の第三実施形態における回転機構の組み付け状態の正面図である。
【図15】 本発明の携帯端末装置の第三実施形態における説明用の側面図である。
【図16】 本発明の携帯端末装置の第三実施形態における回転機構の一方の筐体1と他方の筐体2を重ね合わせた状態(A)、90度回動させた状態(B)、180度回動させた状態(C)の拡大説明側面図である。
【図17】 本発明の携帯端末装置の第三実施形態における回転機構の一方の筐体1と他方の筐体2を重ね合わせた状態(A)と180度回動させた状態(B)の拡大断面図である。
【図18】 従来の携帯端末装置の一例を示す図で、同図(A)は開いた状態を示す平面図、同図(B)は閉じた状態を示す平面図である。
【図19】 従来の携帯端末装置の他の例を示す図で、同図(A)は開いた状態を示す平面図、同図(B)は開いた状態を示す一部を破断した概略側面図である。
【符号の説明】
1 一方の筐体
2 他方の筐体
3 連結部
4 送話部
5 操作部
6 表示部
7、8 受話部
9 アンテナ
10 携帯端末装置
11 第一のベース部材
11a フランジ部
11b 案内面
11c 始点側の凹部
11d 終点側の凹部
12 回転体
12a 内壁面
13 継ぎ手部
14 筒状体
14a 固定板
14b 凸部
15 回転軸
16 弾性体
Claims (18)
- 使用者に対する面にそれぞれ異なる機能を備えた一方の筐体と他方の筐体とを回転機構を介して連結してなり、前記両筐体は、前記使用者に対する各面をそれぞれ略同一方向に向けた状態で相対的に回動させることが可能な携帯端末装置において、
前記回転機構は、前記一方の筐体と他方の筐体の少なくとも回動初期に、前記一方の筐体を前記他方の筐体に対して傾動させて両筐体間を離間させる揺動機構を有することを特徴とする携帯端末装置。 - 前記回転機構は、前記一方の筐体を他方の筐体における機能を有する面側に付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1に記載した携帯端末装置。
- 前記回転機構は、前記一方の筐体と他方の筐体の相対的な回動に伴い、前記一方の筐体と他方の筐体の機能を備える各面のなす角度を変化させる角度制御手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した携帯端末装置。
- 前記角度制御手段は、前記両筐体が重ね合わされた状態からの回動初期後、両筐体の機能を備える各面のなす角度を一定に保ち、その後増加させることができることを特徴とする請求項3に記載した携帯端末装置。
- 前記角度制御手段は、前記両筐体が重ね合わされた状態からの回動初期後、両筐体の機能を備える各面のなす角度を徐々に増加させることができることを特徴とする請求項3に記載した携帯端末装置。
- 前記角度制御手段は、前記一方の筐体側又は他方の筐体側に備える案内部と、前記他方の筐体又は一方の筐体に備え、かつ前記案内部に当接する凸部とを有し、前記一方の筐体と他方の筐体の相対的な回動に伴って前記凸部が前記案内部上を摺動移動することにより、前記一方の筐体と前記他方の筐体の機能を備える各面のなす角度を変化させるようにしたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一つに記載した携帯端末装置。
- 前記両筐体が重ね合わされた状態において、前記凸部と対向する案内部の位置に前記凸部が落ち込む凹部を有することを特徴とする請求項6に記載した携帯端末装置。
- 前記回転機構は、前記他方の筐体に固定される取付孔を備えた第一のベース部材と、前記一方の筐体に固定され、前記取付孔に回転可能に係合する回転体を備えた第二のベース部材とを有し、該第二のベース部材は前記揺動機構によって前記回転体の軸線に直交する揺動軸を中心に揺動可能に構成され、前記一方の筐体側には凸部を備えると共に、前記他方の筐体側には前記凸部が当接する案内部を備え、かつ前記凸部を前記案内部に付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1に記載した携帯端末装置。
- 前記付勢手段は、前記第二のベース部材と前記回転体との間に弾性変形させて配置される弾性体からなり、当該弾性体の復元力により前記凸部を前記案内部に付勢させる付勢力を発生させるようにしたことを特徴とする請求項8に記載した携帯端末装置。
- 前記第二のベース部材は、前記一方の筐体に固定される固定板と、該固定板に一体的に設けられた筒状体とからなり、該筒状体は、当該筒状体の軸線に直交して貫通配置された回転軸に対して揺動可能とし、かつ前記回転軸を前記回転体の軸線に対して直交するように回転体に固定して前記第二のベース部材と前記回転体を連結することによって揺動機構を構成し、かつ前記付勢手段は、前記筒状体と前記回転体との間に弾性変形させて配置した弾性体からなり、当該弾性体の復元力により前記一方の筐体側に備える凸部を前記他方の筐体側に備える案内部に付勢させる付勢力を発生させるようにしたことを特徴とする請求項8に記載した携帯端末装置。
- 前記第二のベース部材は、一方の筐体に固定される起伏軸受を備えたブラケットであって、前記回転体には当該回転体の軸線に直交する方向に突出する起伏軸を備え、該起伏軸を前記起伏軸受に挿通して前記ブラケットと前記回転体とを連結することにより揺動機構を構成し、かつ前記付勢手段は、前記ブラケットと前記回転体との間に弾性変形させて配置した弾性体からなり、当該弾性体の復元力により前記一方の筐体側に備える凸部を前記他方の筐体側に備える案内部に付勢させる付勢力を発生させるようにしたことを特徴とする請求項8に記載した携帯端末装置。
- 前記第二のベース部材は、一方の筐体に固定される貫通穴を備えたブラケットであって、前記貫通穴には、当該貫通穴の内側へ突出する一対の起伏軸板が対向配置され、前記回転体の外周面には、当該回転体の軸線方向途中まで刻設された溝が対向配置され、前記回転体を前記ブラケットの貫通穴に挿通させると共に、前記ブラケットの起伏軸板を前記回転体の溝に係合支持させることで前記ブラケットと前記回転体とを連結して揺動機構を構成し、かつ前記付勢手段は、前記ブラケットと前記回転体との間に弾性変形させて配置した弾性体からなり、当該弾性体の復元力により前記一方の筐体側に備える凸部を前記他方の筐体側に備える案内部に付勢させる付勢力を発生させるようにしたことを特徴とする請求項8に記載した携帯端末装置。
- 前記両筐体が重ね合わされた状態において、前記凸部と対向する案内部の位置に前記凸部が落ち込む凹部を有することを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか一つに記載した携帯端末装置。
- 前記回転機構に、少なくとも前記両筐体を重ね合わせた位置と、該位置から略180度回動させた位置とのそれぞれに位置決め機構を有することを特徴とする請求項1又は8に記載した携帯端末装置。
- 前記回転体を中空とし、該中空部に一方の筐体と他方の筐体とに案内される電源や信号等のリード線を挿通させるようにしたことを特徴とする請求項8に記載した携帯端末装置。
- 互いに重ね合わせた一方の筐体と他方の筐体とにおける端部を結合し、前記一方の筐体と他方の筐体における同一側の面を略同一方向に向けた状態で一方の筐体を他方の筐体に対して相対的に回動させて開閉するように構成した回転機構を備えた携帯端末装置における開閉方法であって、
前記一方の筐体の少なくとも回動初期に、前記一方の筐体を他方の筐体に対して相対的に離間させるようにしたことを特徴とする携帯端末装置における開閉方法。 - 前記回動初期後、前記回転機構により前記一方の筐体を他方の筐体に対して相対的に回動させるに際し、前記一方の筐体と他方の筐体とのなす角度を一定に保った後、増加させて所定の角度に達するようにしたことを特徴とする請求項16に記載した携帯端末装置における開閉方法。
- 前記回動初期後、前記回転機構により前記一方の筐体を他方の筐体に対して相対的に回動させるに際し、前記一方の筐体と他方の筐体とのなす角度が徐々に増加して所定の角度に達するようにしたことを特徴とする請求項16に記載した携帯端末装置における開閉方法。
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