JP3785670B2 - 可変バルブタイミング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、可変バルブタイミング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジンにおいては、エンジン負荷、エンジン回転数等の運転状態の変化に対応させて吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを適宜変更して出力性能あるいは排気エミッション性能の改善を図ることが試みられている。
【0003】
かかるバルブタイミングの可変機構として従来より種々のものが提案されているが、いずれのものにおいても、エンジンのクランク軸により駆動されるプーリー等のトルク伝達部材と該トルク伝達部材を介して駆動されるカムシャフトとの位相を保持してこれらを一体回転可能とする保持手段と、該保持手段による位相保持状態を解除する解除手段と、所定の駆動力により上記トルク伝達部材とカムシャフトとを適宜に相対回転させてこれらの位相を変更せしめる駆動手段とを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の可変バルブタイミング装置においては、位相変更を行う場合、先ず解除手段により保持手段の位相保持力を解除し、しかる後、駆動手段により所定の駆動力をかけてトルク伝達部材とカムシャフトとの位相を変更するようにしていたため、以下に述べるように位相変更の初期段階において所望の位相方向への駆動手段の駆動力が不足し、一時的に位相が所望している方向と逆方向へ変更され、その結果、かかる位相変更の初期段階においてバルブタイミングが適正タイミングと一時的に不一致となり、エンジンの出力性能あるいは排気エミッション性能の悪化を招来するという問題があった。
【0005】
即ち、例えば保持手段をツース式のクラッチ機構とし、このクラッチ機構の解除、即ち、保持手段の位相保持力の解除を電磁力を利用して行う一方、駆動手段として、カムシャフトに所定の制動力をかけるブレーキ機構と該ブレーキ機構の作動に伴う上記カムシャフトとトルク伝達部材との相対回転に伴って巻き上げられる渦巻きバネとで構成し、上記ブレーキ機構による制動力で一方側への位相変更(例えば、遅角方向への位相変更)を行う一方、上記渦巻きバネに蓄えられた復元方向のバネ力により他方側への位相変更(例えば、進角方向への位相変更)を行うように構成したものを例にとり、その遅角操作時について図2を参照して説明すると、上記問題点は次の通りである。
【0006】
今、図2において符号L1で示す目標位相角特性の如き位相変更要求が出された場合の遅角側への位相変更操作について考えると、遅角側への位相変更要求時点(時間t8)において、クラッチ制御信号がON→OFFへ切り替わり解除手段が作動しクラッチ機構が締結状態から解除状態へ切り替えられる。しかし、この場合、クラッチ機構は制御信号の入力と同時に締結状態から解除状態に切り替わるものではなく、符号L4で示す特性図の如くツースの噛合解除の進行に伴って次第に切り替わるものであり、クラッチ解除信号の出力時点(時間t8)から該クラッチ機構が完全に解除される実質的な保持解除時点(時間t9)までに所定の時間がかかる。
【0007】
この場合、従来は、符号L3′で示すように実質的な保持解除時点(時間t9)において初めてON信号を出力するようにしていたため、符号L6′で示すようにこの実質的な保持解除時点から実際に上記制御信号を受けてブレーキ機構が作動して所定の制動力(即ち、遅角方向への駆動力)が得られるまでに時間がかかり、この間においては駆動手段は「制動力<バネ力」の関係にあり、結果的に符号L2′で示すように、このバネ力により位相が一時的に進角側に変更され、バルブタイミングの一時的な不一致が生じるものである。
【0008】
尚、かかる現象は上記構成の如き可変バルブタイミング装置に限られるものではなく、例えば駆動手段をモーターあるいは油圧機構で構成した場合においても起こり得るものである。
【0009】
そこで本願発明は、かかる位相変更の初期における一時的なバルブタイミングの不一致を確実に防止し得るようにした可変バルブタイミング装置を提案せんとしてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0011】
本願の第1の発明では、カムシャフトと、クランク軸から駆動トルクを受けてこれを上記カムシャフトに伝達するトルク伝達部材と、上記カムシャフトとトルク伝達部材との間の位相を保持してこれらを一体回転可能とする保持手段と、該保持手段による位相保持状態を解除する解除手段と、上記カムシャフトとトルク伝達部材とを相対回転させることでこれらの位相を変更する駆動手段とを備え、該駆動手段は、上記カムシャフトとトルク伝達部材との相対回転を一方向に行わせる電磁ブレーキと、該相対回転を一方向とは逆方向に行わせる弾性部材と、により構成されている可変バルブタイミング装置であって、上記弾性部材は、上記カムシャフトとトルク伝達部材との位相角の増大に対応して発生する駆動トルクが増大するように構成されており、上記電磁ブレーキの作動を開始させるための 通電制御信号が、上記解除手段による位相保持の実質的な解除時点において電磁ブレーキの制動力が上記弾性部材の発生駆動トルクに抗して上記一方向への位相操作に必要な値まで達するように、上記位相保持の実質的な解除に先立つ所定時期に電磁ブレーキに出力されることを特徴としている。
【0012】
本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる可変バルブタイミング装置において、上記保持手段を上記カムシャフトとトルク伝達部材とを機械的に連結してこれらを一体回転可能とするクラッチ機構で構成したことを特徴としている。
【0013】
本願の第3の発明では、上記第1の発明にかかる可変バルブタイミング装置において、上記カムシャフトとトルク伝達部材とのトルク伝達経路中に遊星歯車機構を配置したことを特徴としている。
【0014】
【発明の効果】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0015】
1.本願の第1の発明にかかる可変バルブタイミング装置によれば、カムシャフトとトルク伝達部材との間の位相を保持してこれらを一体回転可能とする保持手段と、該保持手段による位相保持状態を解除する解除手段と、上記カムシャフトとトルク伝達部材とを相対回転させることでこれらの位相を変更する駆動手段とを備え、該駆動手段が、上記カムシャフトとトルク伝達部材との相対回転を一方向に行わせる電磁ブレーキと、該相対回転を一方向とは逆方向に行わせる弾性部材と、により構成されているものにおいて、上記弾性部材は、上記カムシャフトとトルク伝達部材との位相角の増大に対応して発生する駆動トルクが増大するように構成されており、上記電磁ブレーキの作動を開始させるための通電制御信号は、上記解除手段による位相保持の実質的な解除時点において電磁ブレーキの制動力が上記弾性部材の発生駆動トルクに抗して上記一方向への位相操作に必要な値まで達するように、上記位相保持の実質的な解除に先立つ所定時期に電磁ブレーキに出力されるので、例え上記電磁ブレーキの制動力がその作動開始から所定の位相変更可能な制動力に達するまでに時間がかかったとしても、位相保持の実質的な解除時点においては十分な制動力が得られ、所望の方向への適正な位相変更が実現され、これにより位相変更の初期段階における電磁ブレーキの制動力不足による一時的なバルブタイミングの不一致に起因するエンジンの出力性能あるいは排気エミッション性能の悪化が未然に且つ確実に防止されるものである。
【0016】
しかも、上記駆動手段は、カムシャフトとトルク伝達部材との位相角の増大に対応して発生駆動トルクが増大するように構成された弾性部材を備えているため、即ち、位相保持の実質的解除と同時に駆動トルクが作用し且つ位相角が大きいほど大きな駆動トルクを発生するような構成であるため、上記効果が確実に得られることになる。
【0017】
特に、本願の第2の発明にかかる可変バルブタイミング装置の如く、上記保持手段をカムシャフトとトルク伝達部材とを機械的に連結してこれらを一体回転可能とするクラッチ機構で構成したもの、即ち、位相保持の解除指令から実際に解除されるまでに比較的時間がかかる構造のものにおいては、上記効果がより顕著となるものである。
【0018】
2.本願の第3の発明にかかる可変バルブタイミング装置によれば、上記第1の発明にかかる可変バルブタイミング装置において、上記カムシャフトとトルク伝達部材とのトルク伝達経路中に遊星歯車機構を配置しているので、該遊星歯車機構の減速作用に基づく伝達トルクの増大効果により、上記弾性部材の発生駆動トルクをより小さくすることができ、該弾性部材のコンパクト化、延いては装置全体のコンパクト化に寄与し得るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0020】
−構造の説明−
図1には、エンジンの可変バルブタイミング装置を示しており、同図において符号1はシリンダヘッド9側に回転自在に支承されたカムシャフト、2はエンジンのクランク軸(図示省略)によりタイミングベルト3を介して駆動されるプーリー(特許請求の範囲中の「トルク伝達部材」に該当する)であり、これらカムシャフト1とプーリー2との位相を変更することでエンジンのバルブタイミングが変更されるものである。
【0021】
上記カムシャフト1の先端には、後述の遊星歯車機構4の構成部材の一部であるインターナルギヤ5と所定軸長をもつ中空軸部材11とが同軸上に配置されるととともにこれら各部材は結合ボルト12により上記カムシャフト1に結合固定され該カムシャフト1と一体回転するようになっている。
【0022】
上記プーリー2は、軸受33を介して上記シリンダヘッド9側に回転自在に支承されるとともに、その径方向内側には遊星歯車機構4が配置されている。この遊星歯車機構4は、上記インターナルギヤ5と後述する筒状部材17の一端側に形成したサンギヤ8と、上記プーリー2と一体形成されたキャリア6に支持された複数のピニオンギヤ7,7,・・とで構成されている。
【0023】
また、上記遊星歯車機構4の側方には、渦巻きバネ10(特許請求の範囲中の「弾性部材」に該当し、「駆動手段」の一部を構成する)が、その一端を上記プーリー2側に、他端を後述する筒状部材17側に、それぞれ固定せしめた状態で配置されている。尚、この渦巻きバネ10の巻方向については後述する。
【0024】
上記筒状部材17は、フランジ部材18と一体的に結合され、軸受31を介して上記中空軸部材11側に回転自在に支承されている。さらに、このフランジ部材18の一側には、所定径のピッチ円上に位置するようにして複数のツース18a,18a,・・が形成されるとともに、該各ツース18a,18a,・・の径方向外側部分は後述する電磁ブレーキ21に対する接触面18aとされている。
【0025】
一方、上記中空軸部材11の先端寄り部位には、次述のスライダー15と軸受支持部材13とが配置されている。上記中空軸部材11は、その一側の外周部に上記フランジ部材18のツース18b,18b,・・と対向するツース15a,15a,・・を設けた略円板状形態を有し、上記中空軸部材11に対してその軸方向へ移動可能にスプライン結合されている。また、上記軸受支持部材13は、上記スライダー15に近接対向する如く上記中空軸部材11の端部に非回動に取り付けられるとともに、上記スライダー15との間には、該スライダー15を常時上記フランジ部材18側へ押圧付勢するウェーブリング19を配置している。従って、このウェーブリング19により上記スライダー15がフランジ部材18側に押圧付勢され、その各ツース15a,15a,・・が上記フランジ部材18の各ツース18b,18b,・・に噛合した状態においてはこれらスライダー15とフランジ部材18とは相対回転が規制され一体的に回転することになる。即ち、この実施形態のものにおいては、上記カムシャフト1側に連結された上記スライダー15と上記プーリー2側に上記遊星歯車機構4を介して連結された上記フランジ部材18とで、特許請求の範囲中の「保持手段」に該当するクラッチ14を構成している。
【0026】
一方、上記スライダー15の裏面側には、ケーシング26側に固定された状態でコイル16が近接配置されている。このコイル16は、特許請求の範囲中の「解除手段」に該当するものであって、励磁されることでその吸引力により上記スライダー15を上記フランジ部材18側から引き離してこれらの間の結合状態を解除する(即ち、位相保持作用を解除する)ものであり、その通電制御はECU36からの制御信号を受けて作動するVVTコントローラ35により行われる。
【0027】
さらに、上記コイル16の径方向外側位置には、コイル22と該コイル22の磁力を受けてその軸方向へ移動可能とされた接触子23とからなる電磁ブレーキ21が配置されている。そして、この電磁ブレーキ21は、上記コイル22に通電して上記接触子23を励磁することで該接触子23の一端側を上記フランジ部材18の接触面18aに押圧して該フランジ部材18に所定の制動力を付与するようになっている。この電磁ブレーキ21のコイル22への通電制御はECU36からの制御信号を受けて作動するVVTコントローラ35により行われる。
【0028】
尚、このこの実施形態のものにおいては、上記フランジ部材18に制動力をかける上記電磁ブレーキ21と上記筒状部材17(即ち、フランジ部材18)にバネ力をかける上記渦巻きバネ10とで特許請求の範囲中の「駆動手段」を構成している。
【0029】
ここで、この「駆動手段」を構成する上記電磁ブレーキ21と上記渦巻きバネ10との作動上の相互関係について説明すると、この実施形態のものにおいては、上記電磁ブレーキ21により上記フランジ部材18に制動力をかけることで上記遊星歯車機構4を介して上記カムシャフト1の位相が上記プーリー2の位相に対して遅れる(即ち、位相遅角)とともに、このカムシャフト1とプーリー2との相対回転に伴って上記渦巻きバネ10が巻上げられてバネ力を蓄えるようにしている。これに対して、上記電磁ブレーキ21による制動力を解除した時は、上記渦巻きバネ10の復元方向のバネ力による駆動力を受けて上記遊星歯車機構4を介して上記カムシャフト1の位相が上記プーリー2の位相に対して早められる(即ち、位相進角)ようにしている。
【0030】
−作動の説明−
A:位相保持
カムシャフト1とプーリー2との位相保持は、上記クラッチ14を締結して上記スライダー15とフランジ部材18との一体状態を保持することで行われる。即ち、このスライダー15とフランジ部材18とが一体化されてその相対回転が規制されることで上記遊星歯車機構4はロック状態となり、上記プーリー2からのトルクは、キャリア6→ピニオンギヤ7→インターナルギヤ5→カムシャフト1と伝達され、該プーリー2とカムシャフト1とは所定の位相を保持したまま一体的に回転することになる。
【0031】
B:遅角操作
遅角操作は、上記コイル16に通電してその時期吸引力により上記スライダー15をフランジ部材18から引き離してクラッチ14の締結状態を解除し、その上で、上記電磁ブレーキ21を作動させて上記フランジ部材18に制動力をかけ、スライダー15の回転に対してフランジ部材18の回転を遅くする。すると、スライダー15と一体回転するカムシャフト1及び遊星歯車機構4のインターナルギヤ5は、フランジ部材18と一体回転する遊星歯車機構4のサンギヤ8よりも速く回転することになり、上記カムシャフト1の位相はプーリー2の位相に対して遅角されることになる。尚、この場合、上記プーリー2と筒状部材17との相対回転に伴い、上記渦巻きバネ10はバネ力を蓄える如く巻上げられる。
【0032】
上記カムシャフト1の遅角量が目標値に達すると、上記電磁ブレーキ21への通電を停止して制動力を解除するとともに、上記コイル16への通電を停止して上記クラッチ14のスライダー15をウェーブリング19のバネ力によりフランジ部材18側へ付勢しツース噛合によりこれを締結状態としてその位相を保持させる。
【0033】
C:進角操作
進角操作は、上記コイル16に通電してその磁気吸引力により上記スライダー15をフランジ部材18から引き離してクラッチ14の締結状態を解除して行う。即ち、このクラッチ14の締結状態(位相保持状態)が解除されると、上記渦巻きバネ10の復元方向のバネ力を受けて上記フランジ部材18は上記スライダー15に対して早く回転する。すると、スライダー15と一体回転するカムシャフト1及び遊星歯車機構4のインターナルギヤ5は、フランジ部材18と一体回転する遊星歯車機構4のサンギヤ8よりも遅く回転することになり、上記カムシャフト1の位相はプーリー2の位相に対して進角されることになる。
【0034】
上記カムシャフト1の進角量が目標値に達すると、上記コイル16への通電を停止して上記クラッチ14のスライダー15をウェーブリング19のバネ力によりフランジ部材18側へ付勢しツース噛合によりこれを締結状態としてその位相を保持させる。
【0035】
D:位相変更時における電磁ブレーキ21の通電制御
ところで、この実施形態の可変バルブタイミング装置は上述の如き基本作動により進角・遅角を行うものであるが、この場合、特にこの実施形態の如く渦巻きバネ10のバネ力を利用して進角させるようにしたものでは遅角操作の初期段階において一時的に進角方向に位相が変更され、エンジンのバルブタイミングが適正タイミングと一時的に不一致状態になる虞れがあり、且つその原因が、クラッチ14の締結状態(即ち、位相保持状態)が実質的に解除された時点において遅角させるべく電磁ブレーキ21に通電していたために制動力の立ち上がりが遅れ、その間に渦巻きバネ10のバネ力により進角方向へ位相変更されることによるものであることは既述の通りである。
【0036】
そこで、この実施形態のものにおいては、本願発明を適用して、上記クラッチ14が実質的に締結解除状態となる以前(即ち、該クラッチ14による位相保持が実質的に解除される以前)に上記電磁ブレーキ21に通電して制動力を前以て立ち上げるようにしている。即ち、図2に符号L3で示すように、電磁ブレーキ21への通電制御信号を上記クラッチ14が実質的に解除される以前に(この実施形態においてはクラッチ14の解除信号の出力と同時に)出力するようにしている。このようにすると、同図に符号L6で示すように、その制御信号の出力時点(時間t8)から徐々に電磁ブレーキ21の制動力が立ち上がっても、上記クラッチ14が実質的に締結解除された時点(時間t9)においては既に電磁ブレーキ21の制動力が遅角操作に必要な値にまで達しており、従って、同図に符号L2で示すように、クラッチ14の実質的な締結解除と同時に遅角方向への位相変更操作が開始され、従来のように一時的に位相が進角方向へ変更されるということが未然にかつ確実に防止されるものである。
【0037】
(その他の実施形態)
上記実施形態においては、位相の進角を渦巻きバネ10のバネ力で行い、位相の遅角を電磁ブレーキ21の制動力で行うようにしているが、本願発明はこれに限定されるものではなく、例えばこれとは逆に、位相遅角を渦巻きバネ10のバネ力で、位相進角を電磁ブレーキ21の制動力で、それぞれ行うようにすることもできる。尚、かかる構成とした場合には、位相の進角操作の初期段階において一時的に位相が遅角方向へ変更される虞れがあり、これを上述の如き電磁ブレーキ21の通電制御により防止することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかる可変バルブタイミング装置の好適な実施形態を示す断面図である。
【図2】 図1に示した可変バルブタイミング装置における位相変更制御のタイムチャートである。
【符号の説明】
1はカムシャフト、2はプーリー、3はタイミングベルト、4は遊星歯車機構、5はインターナルギヤ、6はキャリア、7はピニオンギヤ、8はサンギヤ、9はシリンダヘッド、10は渦巻きバネ、11は中空軸部材、12は結合ボルト、13は軸受支持部材、14はクラッチ、15はスライダー、15aはツース、16はコイル、17は筒状部材、18はフランジ部材、18aは接触面、18bはツース、19はウェーブリング、21は電磁ブレーキ、22はコイル、23は接触子、25はケーシング、26はケーシング、27はエンドプレート、31〜33は軸受、35はVVTコントローラ、36はECUである。
Claims (3)
- カムシャフトと、クランク軸から駆動トルクを受けてこれを上記カムシャフトに伝達するトルク伝達部材と、
上記カムシャフトとトルク伝達部材との間の位相を保持してこれらを一体回転可能とする保持手段と、
該保持手段による位相保持状態を解除する解除手段と、
上記カムシャフトとトルク伝達部材とを相対回転させることでこれらの位相を変更する駆動手段とを備え、
該駆動手段は、上記カムシャフトとトルク伝達部材との相対回転を一方向に行わせる電磁ブレーキと、該相対回転を一方向とは逆方向に行わせる弾性部材と、により構成されている可変バルブタイミング装置であって、
上記弾性部材は、上記カムシャフトとトルク伝達部材との位相角の増大に対応して発生する駆動トルクが増大するように構成されており、
上記電磁ブレーキの作動を開始させるための通電制御信号を、上記解除手段による位相保持の実質的な解除時点において電磁ブレーキの制動力が上記弾性部材の発生駆動トルクに抗して上記一方向への位相操作に必要な値まで達するように、上記位相保持の実質的な解除に先立つ所定時期に電磁ブレーキに出力することを特徴とする可変バルブタイミング装置。 - 請求項1において、
上記保持手段が上記カムシャフトとトルク伝達部材とを機械的に連結してこれらを一体回転可能とするクラッチ機構で構成されていることを特徴とする可変バルブタイミング装置。 - 請求項1において、
上記カムシャフトとトルク伝達部材とのトルク伝達経路中に遊星歯車機構が配置されていることを特徴とする可変バルブタイミング装置。
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