JP2001107709A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP2001107709A
JP2001107709A JP28612299A JP28612299A JP2001107709A JP 2001107709 A JP2001107709 A JP 2001107709A JP 28612299 A JP28612299 A JP 28612299A JP 28612299 A JP28612299 A JP 28612299A JP 2001107709 A JP2001107709 A JP 2001107709A
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clutch
gear
spring clutch
supply
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Shinichi Io
伸一 猪尾
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    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
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    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/3442Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear using hydraulic chambers with variable volume to transmit the rotating force
    • F01L2001/3445Details relating to the hydraulic means for changing the angular relationship
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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊星歯車装置を常に潤滑状態に保持し、耐久
性や寿命を向上させると共に、安定したバルブタイミン
グ制御を実現できるようにする。 【解決手段】 駆動スプロケット1とカムシャフト2と
の間に設けた遊星歯車装置7を、カムシャフト2の段付
軸部2A外周側に設けた入力歯車部材8、出力歯車部材
9、キャリア11、遊星軸12および遊星歯車13,1
4によって構成する。また、入力歯車部材8のドラム
部、リングドラム3およびキャリア11のドラム部11
E間にはスプリングクラッチ17を巻回して設け、スプ
リングクラッチ17を緊締状態に保持または解除するこ
とにより、位相保持、遅角または進角制御を行う。そし
て、遊星歯車装置7の各歯車にはカムシャフト2の導入
路4から潤滑油を供給し、それぞれの摺動部を潤滑状態
に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジンの吸気バルブ、排気バルブ等の開閉時期を運転状
態に応じて可変に制御するのに好適に用いられる内燃機
関のバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等の内燃機関
にあっては、運転状態等に応じて吸気バルブ、排気バル
ブ等の開閉タイミングを適宜に変更してエンジンの出力
性能を向上させ、排気ガス中の有害成分を低減するた
め、エンジンのクランクシャフトとカムシャフトとの回
転位相を可変に変化させるバルブタイミング制御装置を
搭載したものが提案されている(例えば、特開平9−2
50309号公報)。
【0003】この種の従来技術によるバルブタイミング
制御装置は、内燃機関のクランクシャフトによって回転
駆動される回転体と、内燃機関の吸気バルブと排気バル
ブを開,閉弁するため該回転体の回転に従って回転され
るカムシャフトと、該カムシャフトと回転体との間に設
けられ前記回転体に対する該カムシャフトの回転位相を
可変に制御する回転位相可変手段とから構成されてい
る。
【0004】ここで、回転位相可変手段は、前記回転体
とカムシャフトとの間に設けられた遊星歯車装置と、該
遊星歯車装置の太陽歯車をケーシングに対して締結また
は解除する電磁クラッチと、該電磁クラッチを解除した
状態で前記太陽歯車の回転に制動力を与える電磁ブレー
キとにより構成されている。そして、電磁クラッチを解
除したときには、電磁ブレーキで太陽歯車の回転を制動
するか否かにより、前記カムシャフトを回転体に対して
減速方向または増速方向に相対回転させ、カムシャフト
の回転位相を遅角制御または進角制御するものである。
【0005】また、前記回転体に対するカムシャフトの
回転位相を保持するときには、ウエーブリング等の板ば
ねを用いて電磁クラッチを締結状態の保持し、遊星歯車
機構の太陽歯車を回転不能に固定することによって、前
記回転体とカムシャフトとの回転位相を一定に保つ構成
としているものである。
【0006】即ち、内燃機関の排気バルブは、図12に
例示するようにクランクシャフトのクランク角が排気上
死点に達する前に所定のリフト量をもって開弁すること
により、気筒内の排気ガスを外部に排出させる。また、
吸気バルブはクランク角が排気上死点を通過した後に同
様に開弁することにより、吸入空気を気筒内に吸込ませ
るものである。
【0007】そして、カムシャフトの回転位相を回転体
よりも進める増速方向に制御したときには、図12に示
すように排気バルブ、吸気バルブの開弁タイミングが進
角制御され、カムシャフトの回転位相を遅らせる減速方
向に制御したときには、排気バルブ、吸気バルブの開弁
タイミングが遅角制御されるものである。
【0008】また、これらの排気バルブ、吸気バルブは
コイルばねにより閉弁方向に常時付勢され、開弁時には
コイルばねの付勢力に抗して開弁されるため、カムシャ
フトにはバルブの開,閉弁に応じて回転トルクとしての
負荷トルクが作用し、この負荷トルクは図13に示す如
くカムシャフトの回転角に対して、例えばサインカーブ
を描くように変動するものである。
【0009】そして、図13に示すように負荷トルクが
正,逆の交番トルクとなってカムシャフトに働くと、電
磁クラッチには正,逆方向の回転トルクが繰返し付加さ
れることになる。そこで、電磁クラッチに設けるウエー
ブリング等の板ばねは、可能な限りばね力を大きくする
ことにより、クラッチの締結力が交番トルクの影響で低
下するのを抑えるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術は、遊星歯車装置を用いて回転体に対するカムシ
ャフトの回転位相を変える構成としており、遊星歯車装
置の太陽歯車、内歯車および遊星歯車間には、各歯車の
噛合部、軸受部等の摺動部分を潤滑しない限りは摺動部
分が早期に摩耗、損傷し易く、耐久性や寿命を向上でき
ないという問題がある。
【0011】この場合、各歯車の噛合部、軸受部等の摺
動部分にグリス等の潤滑油を塗布等の手段を用いて供給
するのが一般的である。しかし、遊星歯車装置の各歯車
はエンジンのクランクシャフトに追従して高速回転する
ため、グリス等の潤滑油には遠心力が作用して外側へと
飛散することが多く、長時間の運転により潤滑油不足が
発生し易いという問題がある。
【0012】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、回転体に対するカムシ
ャフトの回転位相を遊星歯車装置等の変速歯車機構によ
り可変に制御でき、安定した制御を実現できると共に、
遊星歯車装置等の変速歯車機構を常に潤滑状態に保持で
き、耐久性や寿命を高めることができるようにした内燃
機関のバルブタイミング制御装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、内燃機関のクランクシャフトによっ
て回転駆動される回転体と、内燃機関の吸気バルブと排
気バルブを開,閉弁するため該回転体の回転に従って回
転されるカムシャフトと、該カムシャフトと回転体との
間に設けられ前記回転体に対する該カムシャフトの回転
位相を可変に制御する回転位相可変手段とからなる内燃
機関のバルブタイミング制御装置に適用される。
【0014】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記回転位相可変手段は少なくとも変速歯車機
構からなり、該変速歯車機構には前記内燃機関に付設の
潤滑油ポンプから吐出される潤滑油を供給する構成とし
たことにある。
【0015】このように構成することにより、内燃機関
のクランクケース側等に通常設けられている潤滑油ポン
プを用いて当該内燃機関の各摺動部に潤滑油を供給でき
ると共に、このときの潤滑油の一部を変速歯車機構にも
供給でき、各歯車の摺動部分等を常に潤滑状態に保つこ
とができる。
【0016】また、請求項2の発明によると、変速歯車
機構はカムシャフトの外周側にそれぞれ回転可能に設け
られた複数の歯車からなり、前記カムシャフトには、潤
滑油ポンプの吐出側に接続される潤滑油の導入路と、該
導入路から径方向外側に向けて延び前記各歯車に潤滑油
を給排する複数の給排路とを設けてなる構成としてい
る。
【0017】これにより、機関の潤滑油ポンプからカム
シャフトの導入路内に供給された潤滑油を、複数の給排
路を介して径方向外側へと遠心力を利用して供給でき、
カムシャフトの外周側に設けた変速歯車機構の各歯車に
対して潤滑油を常に循環させつつ供給し続けることがで
きる。
【0018】また、請求項3の発明によると、給排路は
各歯車の噛合部に潤滑油を給排する構成としている。こ
れにより、各歯車の噛合部を常に潤滑状態に保持でき、
噛合部での摩耗、損傷を抑えることができる。
【0019】また、請求項4の発明によると、給排路は
各歯車の軸受部に潤滑油を給排する構成としている。こ
れにより、各歯車の軸受部を常に潤滑状態に保持でき、
軸受部周囲での摩耗、損傷を抑えることができる。そし
て、軸受部にボールベアリング等の高価な軸受部品を用
いる必要がなくなり、軸受部の構造を簡素化することが
できる。
【0020】さらに、請求項5の発明は、軸受部に潤滑
油を溜める環状の油溝を設けてなる構成としている。こ
れにより、軸受部の周囲で全周に亘って潤滑油を溜めて
おくことができ、摺動面等を均等に潤滑し続けることが
できる。
【0021】一方、請求項6の発明によると、回転位相
可変手段は、保持状態となったときに回転体とカムシャ
フトとの相対回転を少なくとも一方向で規制し保持状態
を解除したときには両者の相対回転を許すクラッチと、
変速歯車機構とからなり、該変速歯車機構は前記クラッ
チに対して保持可能な方向の力を回転トルクとして発生
させる構成としている。
【0022】このように構成することにより、クラッチ
の保持状態にあっては、変速歯車機構が保持力を発生
し、クラッチに対して保持方向の回転トルクを付加する
ため、バルブの開,閉弁による負荷トルクが正,逆の交
番トルクとなってカムシャフトに作用しても、クラッチ
の締結力が交番トルクにより瞬間的に低下するのを変速
歯車機構によって抑えることができ、カムシャフトが回
転体に対して相対回転するのを規制できる。
【0023】また、請求項7の発明によると、変速歯車
機構は、第1の歯車を有し回転体と一体に回転する第1
の回転部材と、第2の歯車を有しカムシャフトと一体に
回転する第2の回転部材と、前記第1の回転部材および
第2の回転部材に対して相対回転可能に設けられ、前記
第1の歯車に噛合する第1の遊星歯車と前記第2の歯車
に噛合する第2の遊星歯車とを遊星軸を介して回転自在
に支持した第3の回転部材と、前記回転体に対するカム
シャフトの回転位相を減速または増速方向に変更するた
め前記第3の回転部材の回転速度を調整する回転速度調
整手段とからなる遊星歯車装置により構成し、クラッチ
は、前記第1の回転部材、カムシャフトおよび第3の回
転部材間に巻回して設けられ前記第3の回転部材がカム
シャフトに対して一方向に相対回転するのを規制し他方
向に相対回転するのを許すと共に前記第1の回転部材と
カムシャフトとの間に発生する増速力または減速力によ
り保持力が付加される第1のスプリングクラッチと、該
第1のスプリングクラッチの外周側に位置して前記第3
の回転部材に設けられ該第3の回転部材がカムシャフト
に対して他方向に回転するときに前記第1のスプリング
クラッチによる保持力を解除する第2のスプリングクラ
ッチとにより構成し、前記第1のスプリングクラッチに
は外部からの解除信号により保持状態を解除するクラッ
チ解除手段を設ける構成としている。
【0024】これにより、第1,第2の歯車と第1,第
2の遊星歯車との噛合条件等に従って第1,第2の回転
部材間に同方向の増速力または減速力を発生でき、回転
速度調整手段とクラッチ解除手段とを選択的に作動させ
ることにより、カムシャフトの回転位相を遅角方向また
は進角方向に変更することができる。また、第1のスプ
リングクラッチをカムシャフトと第3の回転部材との間
の一方向クラッチとして作動させ、第3の回転部材がカ
ムシャフトに対して一方向に相対回転するのを規制で
き、他方向に相対回転するのを許すことができる。さら
に、第2のスプリングクラッチを第1のスプリングクラ
ッチの解除クラッチとして作動させることにより、特別
な解除手段等を設ける必要がなくなり、全体の構造を簡
素化することができる。
【0025】また、請求項8の発明によると、第2の遊
星歯車は第1の遊星歯車よりも大なる歯数を有し、カム
シャフトの回転を回転体に対して同方向で減速するとき
には、回転速度調整手段により第3の回転部材を無負荷
で回転させると共にクラッチ解除手段により第1のスプ
リングクラッチを解除し、前記カムシャフトの回転を回
転体に対して同方向で増速するときには、前記回転速度
調整手段で前記第3の回転部材に負荷を与えることによ
り第2のスプリングクラッチによって第1のスプリング
クラッチを解除する構成としている。
【0026】この場合には、回転速度調整手段により第
3の回転部材を無負荷状態で回転させつつ、クラッチ解
除手段で第1のスプリングクラッチを解除することによ
り、カムシャフトの回転を回転体に対して同方向で減速
することができ、カムシャフトの回転位相を遅角方向に
制御できる。また、回転速度調整手段により第3の回転
部材に負荷を与えたときには、第3の回転部材をカムシ
ャフトに対して相対回転させることにより、第1のスプ
リングクラッチを解除することができる。そして、この
ときにはカムシャフトが第2の回転部材と一体に回転
し、カムシャフトの回転を回転体に対して同方向で増速
でき、カムシャフトの回転位相を進角方向に制御するこ
とができる。
【0027】また、請求項9の発明は、クラッチ解除手
段を、外部からの解除信号により制動力が付与される第
1の歯車部材と、該第1の歯車部材に中間歯車を介して
噛合し第3の回転部材とは逆向きに回転されることによ
って第1のスプリングクラッチに保持状態を解除する回
転トルクを与える第2の歯車部材とにより構成してい
る。
【0028】この場合には、外部からの解除信号により
第1の歯車部材に制動力を付与すると、第1の歯車部材
から中間歯車を介して第2の歯車部材に制動力が伝えら
れ、第2の歯車部材を第3の回転部材とは逆向きに回転
でき、第1のスプリングクラッチに保持状態を解除する
回転トルクを与えることができる。
【0029】一方、請求項10の発明は、クラッチ解除
手段を、第3の回転部材に設けられ圧油が供給されるこ
とにより第1のスプリングクラッチを拡径方向に駆動す
るクラッチ解除シリンダと、外部からの解除信号に応じ
て該クラッチ解除シリンダに対する圧油の給排を制御す
る給排制御バルブとにより構成している。
【0030】これにより、給排制御バルブを作動させて
クラッチ解除シリンダに圧油を供給すると、第1のスプ
リングクラッチを拡径方向に駆動でき、該第1のスプリ
ングクラッチによる第1の回転部材、カムシャフトおよ
び第3の回転部材間の保持状態を解除することができ
る。
【0031】また、請求項11の発明によると、給排制
御バルブは、変速歯車機構の摺動面を潤滑する圧油をク
ラッチ解除シリンダに選択的に給排する構成としてい
る。これにより、変速歯車機構である遊星歯車装置を潤
滑する圧油を用いて給排制御バルブを選択的に作動する
ことができる。
【0032】さらに、請求項12の発明は、給排制御バ
ルブは、クラッチ解除シリンダに圧油を給排するためカ
ムシャフト内に摺動可能に設けられたスプールと、前記
カムシャフトの外部に設けられ解除信号に従って該スプ
ールを駆動する電磁アクチュエータとにより構成してい
る。これにより、カムシャフトの外部から電磁アクチュ
エータを用いてスプールの駆動制御を安定して円滑に行
うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
内燃機関のバルブタイミング制御装置を、自動車用エン
ジンに適用した場合を例に挙げ添付図面に従って詳細に
説明する。
【0034】ここで、図1ないし図5は本発明の第1の
実施の形態を示している。図中、1は回転体としての駆
動スプロケットで、該駆動スプロケット1はエンジンの
クランクシャフトにタイミングベルト(いずれも図示せ
ず)等を介して連結され、前記クランクシャフトにより
後述するカムシャフト2の周囲で図2中の矢示A方向
(時計回り方向)に回転駆動されるものである。
【0035】2はカムシャフトで、該カムシャフト2は
エンジンのシリンダヘッド(図示せず)側に回転可能に
設けられ、駆動スプロケット1の回転に従って同方向
(矢示A方向)に回転されるものである。そして、カム
シャフト2はエンジンの吸気バルブと排気バルブ(図示
せず)のうち、いずれか一方または両方のバルブを開,
閉弁操作するものである。また、カムシャフト2には先
端側に向けて多段に縮径した段付軸部2Aが設けられて
いる。
【0036】3はカムシャフト2の一部を構成するリン
グドラムで、該リングドラム3は後述の入力歯車部材8
とキャリア11との間に位置して段付軸部2Aの外周側
に廻止め状態で固定されている。そして、リングドラム
3は後述のドラム部8B,11Eとほぼ同一の外径をも
って形成され、リングドラム3は後述のスプリングクラ
ッチ17によりドラム部8B,11Eに対して締結状態
に保持または解除されるものである。
【0037】4はカムシャフト2の段付軸部2A内に設
けられた潤滑油の導入路で、該導入路4はカムシャフト
2の軸中心側に位置し、その一端側は軸方向に延びる大
径の油穴4Aとなり、その先端側は後述のボルト10に
より閉塞されている。また、導入路4の他端側は径方向
に延びる油路4Bとなり、該油路4Bは後述の潤滑油ポ
ンプ26に軸受部材5等を介して接続されている。
【0038】ここで、軸受部材5はカムシャフト2を回
転自在に支持すると共に、その内部には油路5Aおよび
環状溝5B等が形成され、油路5Aは潤滑油ポンプ26
から吐出された比較的高圧の潤滑油(圧油)を環状溝5
Bを介して油路4B側から導入路4内に流入させるもの
である。
【0039】6A,6B,6C,…はカムシャフト2に
設けられた圧油の給排路で、該給排路6A〜6Cは図
1、図3に示す如くカムシャフト2の径方向および軸方
向等に伸長し、導入路4の油穴4Aに連通する油路とし
て形成されている。そして、これらの給排路6A〜6C
は互いに連通し、カムシャフト2の段付軸部2Aと入力
歯車部材8、キャリア11との摺動面等に潤滑油を供給
するものである。また、これらの摺動面に供給された潤
滑油は他の給排路(図示せず)等を介して後述のオイル
パン27等に回収される構成となっている。
【0040】7は駆動スプロケット1とカムシャフト2
との間に設けられた変速歯車機構としての遊星歯車装置
で、該遊星歯車装置7は後述の入力歯車部材8、出力歯
車部材9、キャリア11および遊星歯車13,14等に
より構成されるものである。そして、遊星歯車装置7は
後述のスプリングクラッチ17,18と共に回転位相可
変手段を構成しているものである。
【0041】8は遊星歯車装置7の第1の回転部材とな
る入力歯車部材で、該入力歯車部材8は断面コ字形状を
なすリング体として形成され、その内周側はカムシャフ
ト2の段付軸部2A外周側に回転可能に挿嵌されてい
る。そして、入力歯車部材8にはボルト等を用いて駆動
スプロケット1が固着され、入力歯車部材8はカムシャ
フト2の段付軸部2A周囲を駆動スプロケット1と一体
に回転駆動されるものである。
【0042】また、入力歯車部材8には径方向の外側部
位に第1の歯車となる内歯車8Aが形成され、径方向内
側部位は図3に示すように円筒状のドラム部8Bとなっ
ている。そして、該ドラム部8Bの内周側はカムシャフ
ト2の段付軸部2Aとの間が軸受部となり、ドラム部8
Bの内周面には潤滑油を溜める環状の油溝8Cが断面凹
形状の全周溝として形成されている。
【0043】さらに、ドラム部8Bには径方向内側から
外側へと斜めに延びる潤滑油用の給排路8Dが複数個形
成され、これらの給排路8Dは油溝8Cを介してカムシ
ャフト2の給排路6A〜6C等に連通している。そし
て、各給排路8Dはドラム部8Bとスプリングクラッチ
17との間、内歯車8Aと遊星歯車13との噛合部等に
潤滑油を供給するものである。
【0044】9は遊星歯車装置7の第2の回転部材とな
る出力歯車部材を示し、該出力歯車部材9は断面コ字形
状をなすリング体として形成され、その中心側がカムシ
ャフト2の段付軸部2A先端側にボルト10を用いて締
着され、これにより、出力歯車部材9はカムシャフト2
と一体に回転するものである。そして、出力歯車部材9
の径方向外側部位には第2の歯車となる内歯車9Aが形
成され、該内歯車9Aは入力歯車部材8の内歯車8Aと
ほぼ同一の歯数を有するものである。
【0045】また、出力歯車部材9には径方向内側から
外側へと斜めに延びる潤滑油用の給排路9B等が複数個
形成され、これらの給排路9Bはカムシャフト2の給排
路6A〜6C等に連通している。そして、各給排路9B
は給排路6A〜6Cからの潤滑油を内歯車8Aと遊星歯
車14との噛合部等に給排するものである。
【0046】11は遊星歯車装置7の第3の回転部材と
なるキャリアで、該キャリア11はカムシャフト2のリ
ングドラム3と出力歯車部材9との間に位置して段付軸
部2Aの外周側に回転可能に設けられている。そして、
キャリア11の外周側には例えば2個の軸挿嵌穴11A
が穿設され、該各軸挿嵌穴11A内には各遊星軸12が
それぞれ摺動可能に挿嵌されている。また、キャリア1
1の外周には径方向外向き突出する環状のディスク部1
1Bが一体に形成され、該ディスク部11Bは後述の電
磁ブレーキ16により制動力が付与されるものである。
【0047】一方、キャリア11の内周側はカムシャフ
ト2の段付軸部2Aとの間が軸受部となり、キャリア1
1の内周面には潤滑油を溜める環状の油溝11Cが断面
凹形状の全周溝として形成されている。また、キャリア
11の径方向中間部にはリングドラム3に対応した位置
にリング状のクラッチ収容溝部11Dが全周に亘って形
成され、該クラッチ収容溝部11Dの内周側は段付円筒
状のドラム部11E,11Fとなっている。
【0048】そして、該ドラム部11E,11Fのうち
小径側のドラム部11Eにはスプリングクラッチ17が
巻回され、大径側のドラム部11F側にはスプリングク
ラッチ18が巻回されている。また、キャリア11には
径方向に延びる潤滑油の給排路11G等が形成され、こ
れらの給排路11Gはカムシャフト2の給排路6A〜6
C等に連通している。そして、給排路11Gはキャリア
11の軸挿嵌穴11Aと遊星軸12との間の軸受部とな
る摺動面に潤滑油を供給するものである。
【0049】ここで、遊星軸12は図2に示す如くカム
シャフト2の径方向に離間して例えば2本設けられ、そ
れぞれの遊星軸12がキャリア11の軸挿嵌穴11A内
に回転可能に挿嵌されている。そして、各遊星軸12は
両端側が図3に示すようにキャリア11の軸挿嵌穴11
Aから突出し、その突出端側にはそれぞれ遊星歯車1
3,14が一体に設けられている。また、遊星軸12の
外周面には潤滑油を溜める環状の油溝12Aが形成さ
れ、該油溝12Aは軸挿嵌穴11Aの軸方向中間に位置
してキャリア11の給排路11Gと連通している。
【0050】13は各遊星軸12の一端側に圧入等の手
段を用いて固着された第1の遊星歯車で、該遊星歯車1
3は入力歯車部材8の内歯車8Aに噛合し、駆動スプロ
ケット1からの回転トルクを遊星軸12に伝えるもので
ある。
【0051】14は各遊星軸12の他端側に圧入等の手
段を用いて固着された第2の遊星歯車で、該遊星歯車1
4は出力歯車部材9の内歯車9Aに噛合し、遊星軸12
からの回転トルクを出力歯車部材9、カムシャフト2に
伝えるものである。そして、遊星歯車14は遊星歯車1
3よりも大なる歯数をもって形成され、例えば電磁ブレ
ーキ16によりキャリア11の回転を制動した状態で
は、カムシャフト2を駆動スプロケット1よりも前記歯
数差分だけ増速して回転させるものである。
【0052】15は支持フレームを示し、該支持フレー
ム15は、例えばエンジンのシリンダヘッド等によって
構成されるものである。16は該支持フレーム15に固
定して設けられた回転速度調整手段としての電磁ブレー
キで、該電磁ブレーキ16はブレーキ制御コイル16A
および一対の制動子16B,16Bを有している。
【0053】そして、電磁ブレーキ16は外部からの制
御信号でブレーキ制御コイル16Aを励磁することによ
り、一対の制動子16B,16B間でキャリア11のデ
ィスク部11Bを挟持し、キャリア11に制動力を負荷
として与えるものである。
【0054】また、電磁ブレーキ16はブレーキ制御コ
イル16Aを消磁したときに、各制動子16Bによる挟
持力を最小化し、この状態ではキャリア11のディスク
部11Bにほとんど制動力を付加することはなく、キャ
リア11は実質的に無負荷状態で回転されるものであ
る。
【0055】即ち、駆動スプロケット1を図2中の矢示
A方向(時計回り方向)に回転駆動すると、この回転は
入力歯車部材8の内歯車8Aから遊星歯車13,14に
伝えられるため、これにより遊星歯車13,14は図2
中の矢示B方向に自転しつつ矢示C方向の公転力が伝え
られ、この公転力は遊星軸12を介してキャリア11に
回転トルクとなって伝達される。
【0056】そして、キャリア11が無負荷状態で矢示
C方向に回転する間は、入力歯車部材8の内歯車8Aに
噛合した遊星歯車13が自転しつつ公転し、出力歯車部
材9の内歯車9Aに噛合した遊星歯車14についても同
様に自転しつつ公転することになる。そして、この状態
では駆動スプロケット1からの回転トルクが出力歯車部
材9、カムシャフト2に伝達されることはなく、カムシ
ャフト2は駆動スプロケット1に対して回転位相が遅れ
るものである。
【0057】一方、電磁ブレーキ16でキャリア11に
制動力を付与し、キャリア11の回転速度を遅くする調
整を行うと、キャリア11の回転(図3中の矢示C方
向)が制限されるため、遊星歯車13,14の矢示B方
向の自転トルクが、図2に示す内歯車9Aから出力歯車
部材9、カムシャフト2に伝達される。これにより、カ
ムシャフト2は遊星歯車14からの自転トルクによって
回転され、駆動スプロケット1に対して回転位相を速め
る方向(進角方向)に制御されるものである。
【0058】次に、17はキャリア11のドラム部11
E、カムシャフト2のリングドラム3および入力歯車部
材8のドラム部8B間に巻回して設けられたクラッチを
構成する第1のスプリングクラッチで、該スプリングク
ラッチ17は、図3、図4に示す如く左巻きのコイルと
して形成され、その一端側はキャリア11のドラム部1
1E外周側に巻回されている。また、スプリングクラッ
チ17はカムシャフト2のリングドラム3外周側に巻回
されると共に、その他端側は入力歯車部材8のドラム部
8B外周側に巻回されている。
【0059】また、スプリングクラッチ17の一端に
は、図3、図4に示すように軸方向に突出するフック部
17Aが設けられ、該フック部17Aはキャリア11の
クラッチ収容溝部11D内で後述する内側歯車筒24の
切欠き24Bに掛止めされている。そして、スプリング
クラッチ17は、内側歯車筒24が図4中の矢示D方向
に回動されたときに、フック部17A側が同方向に押動
されて拡径し、キャリア11とリングドラム3(カムシ
ャフト2)とのスプリングクラッチ17による保持状態
が解除され、両者は相対回転することになる。
【0060】ここで、スプリングクラッチ17は左巻き
のコイルであるため、入力歯車部材8が駆動スプロケッ
ト1と一体に時計回り方向に回転駆動されると、下記の
数1によるトルク条件下で、スプリングクラッチ17は
コイル径を拡径する方向の捩りトルクを受けることにな
る。
【0061】
【数1】駆動スプロケット1の角速度>カムシャフト2
の角速度
【0062】このため、スプリングクラッチ17はドラ
ム部8Bの外周面から僅かに離間するように動作し、入
力歯車部材8のドラム部8Bとカムシャフト2のリング
ドラム3との間の保持状態を解除して両者の相対回転を
許すことになる。
【0063】一方、キャリア11がカムシャフト2のリ
ングドラム3に対して回転位相を速める方向で回転する
ときには、下記の数2によるトルク条件下で、スプリン
グクラッチ17はコイル径を縮径する方向の捩りトルク
を受けることになる。
【0064】
【数2】キャリア11の角速度≧リングドラム3の角速
【0065】これによって、スプリングクラッチ17は
キャリア11のドラム部11Eとリングドラム3との間
に強く巻付くように動作し、両者を緊締状態に保持する
ものである。
【0066】そして、スプリングクラッチ17はキャリ
ア11とカムシャフト2との間で一方向クラッチとして
機能し、キャリア11がカムシャフト2に対して時計回
り方向に相対回転するのを規制し、逆向きに反時計回り
方向へと相対回転するのを許すものである。
【0067】18はキャリア11のクラッチ収容溝部1
1D内に設けられた第2のスプリングクラッチで、該第
2のスプリングクラッチ18は一端側がキャリア11の
ドラム部11F外周側に巻回され、その他端側は後述す
る内側歯車筒24の縮径ドラム部24A外周側に巻回さ
れている。
【0068】ここで、スプリングクラッチ18は右巻き
のコイルとして形成され、第1のスプリングクラッチ1
7に対する解除クラッチを構成している。そして、キャ
リア11が電磁ブレーキ16により制動力が付与されて
反時計回り方向に相対回転されるときに、スプリングク
ラッチ18は下記の数3によるトルク条件下で、コイル
径を縮径する方向の捩りトルクを受けることになる。
【0069】
【数3】内側歯車筒24の角速度≧キャリア11の角速
【0070】これによって、スプリングクラッチ18は
キャリア11のドラム部11Fと内側歯車筒24との間
に巻付くように動作し、両者を緊締状態に保持するもの
である。
【0071】これにより、内側歯車筒24はスプリング
クラッチ18を介してキャリア11の回転方向(図2中
の矢示D方向)に回動されるので、スプリングクラッチ
17はフック部17Aが矢示D方向に押動されて拡径
し、キャリア11とリングドラム3(カムシャフト2)
とのスプリングクラッチ17による保持状態を解除する
ものである。
【0072】なお、前述したスプリングクラッチ17,
18は、例えば特開平6−10977号公報、特開平6
−66328号公報、特開平7−91459号公報、特
開平7−332385号公報等に記載されたスプリング
クラッチとほぼ同様に構成されるものである。
【0073】19は入力歯車部材8の外周側に回転可能
に設けられた第1の歯車部材となる外側歯車筒で、該外
側歯車筒19は後述の中間歯車20,21、内側歯車筒
24およびクラッチ解除装置25と共にクラッチ解除手
段を構成するものである。
【0074】ここで、外側歯車筒19は、図3、図5に
示すように入力歯車部材8の外周側に微小隙間を介して
回転可能に挿通された筒部19Aと、該筒部19Aの端
部から径方向外向きに突出した環状のディスク部19B
と、入力歯車部材8とキャリア11との間に位置して筒
部19Aの内周側に形成された内歯車19Cとから構成
されている。
【0075】20,21は入力歯車部材8とキャリア1
1との間に位置して外側歯車筒19、内側歯車筒24間
に設けられた中間歯車で、該中間歯車20,21は図
2、図3に示すように支持ピン22,23を介してキャ
リア22に回動可能に取付けられ、互いに噛合状態に保
持されている。そして、中間歯車20は外側歯車筒19
の内歯車19Cに噛合し、中間歯車21は後述する内側
歯車筒24の外歯車24Cに噛合しているものである。
【0076】24はスプリングクラッチ17の外周側に
回転可能に挿嵌された第2の歯車部材となる内側歯車筒
で、該内側歯車筒24はスプリングクラッチ17よりも
僅かに大径の薄肉円筒体として形成され、スプリングク
ラッチ17に対する遅角制御ドラムを構成している。そ
して、内側歯車筒24は図4に示す如く一端側が縮径ド
ラム部24Aとなり、該縮径ドラム部24Aにはスプリ
ングクラッチ17のフック部17Aを掛止めする径方向
の切欠き24Bが形成されている。
【0077】また、内側歯車筒24には縮径ドラム部2
4Aの外周側にスプリングクラッチ18が巻回され、該
スプリングクラッチ18により内側歯車筒24はキャリ
ア11のドラム部11Fに対して保持または解除される
ものである。さらに、内側歯車筒24の外周側には外歯
車24Cが形成され、該外歯車24Cには中間歯車21
が噛合している。そして、内側歯車筒24は中間歯車2
1,20を介して外側歯車筒19と同方向に回転するも
のである。
【0078】即ち、後述の位相保持制御時にあっては外
側歯車筒19がクラッチ解除装置25により制動力を付
与されることはないので、内側歯車筒24はスプリング
クラッチ17と一体にフック部17A等を介して時計回
り方向に回転し、この回転は中間歯車21,20を介し
て外側歯車筒19に伝達されることにより、該外側歯車
筒19も時計回り方向(矢示A方向)に回転される。
【0079】しかし、クラッチ解除装置25により制動
力が付与されたときには、外側歯車筒19が反時計回り
方向に制動トルクを受けるため、外側歯車筒19は図
2、図5中の矢示E方向に相対回転され、これにより中
間歯車20が矢示F方向に回転されると共に、中間歯車
21は矢示G方向に回転される。そして、中間歯車21
の回転は内側歯車筒24に反時計回り方向(矢示D方
向)の回転となって伝えられる。
【0080】このため、内側歯車筒24は切欠き24B
によってスプリングクラッチ17のフック部17Aを図
4中の矢示D方向に相対移動させる。これにより、スプ
リングクラッチ17はフック部17A側がキャリア11
のドラム部11E外周面から僅かに離間するように動作
し、キャリア11のドラム部11Eとリングドラム3と
はスプリングクラッチ17による保持状態が解除され、
両者は相対回転することになって後述の遅角制御が行わ
れるものである。
【0081】25は図1に示すように支持フレーム15
に固定して設けられ、外側歯車筒19、中間歯車20,
21および内側歯車筒24と共にクラッチ解除手段を構
成するクラッチ解除装置で、該クラッチ解除装置25は
クラッチ制御コイル25Aを有し、先端側が外側歯車筒
19のディスク部19Bを軸方向両側から挟むように配
設されている。そして、クラッチ解除装置25はクラッ
チ制御コイル25Aを外部からの解除信号により励磁す
ると、図5に示すようにディスク部19Bの表面に向け
て矢示H方向の磁界を生じさせる。
【0082】これにより、ディスク部19Bの表面には
図5中に点線で示す渦電流I,Iが発生する。このた
め、外側歯車筒19は渦電流Iによって生起する磁界
を、図5中に示す矢示E方向の制動力として受けること
になり、この制動力により前述の如くスプリングクラッ
チ17を解除方向に動作させるものである。
【0083】26はエンジンに付設された潤滑油ポンプ
で、該潤滑油ポンプ26は図1に示す如くエンジンのオ
イルパン27内に収容された潤滑油を吸込みつつ、この
潤滑油をエンジンの各摺動部位等に供給するものであ
る。そして、潤滑油ポンプ26から吐出される潤滑油の
一部は管路28を介して軸受部材5の油路5Aにも供給
される。
【0084】さらに、29は潤滑油ポンプ26と軸受部
材5との間を接続する管路28の途中に設けられた制御
弁で、該制御弁29は電磁弁等からなり、例えばエンジ
ンの作動、停止等に応じて管路28を連通,遮断し、こ
れによって、遊星歯車装置7に対する潤滑油の供給を制
御するものである。
【0085】本実施の形態による内燃機関のバルブタイ
ミング制御装置は上述の如き構成を有するもので、次
に、その作動について説明する。
【0086】まず、電磁ブレーキ16のブレーキ制御コ
イル16Aを下記の表1に示す如く消磁した状態で、駆
動スプロケット1を時計回り方向に回転駆動すると、こ
の回転は入力歯車部材8の内歯車8Aから遊星歯車13
に伝えられる。これによって遊星歯車13は自転しつつ
公転し、この公転力はキャリア11に回転トルクとなっ
て伝達される。
【0087】なお、このときにスプリングクラッチ17
は、前記数1によるトルク条件下でコイル径を拡径する
方向の捩りトルクを受けることになるため、スプリング
クラッチ17は入力歯車部材8のドラム部8B外周面か
ら僅かに離間するように動作し、入力歯車部材8とリン
グドラム3(カムシャフト2)との間の相対回転を許す
ことになる。
【0088】しかし、遊星歯車13側からの公転力がキ
ャリア11に伝わり、キャリア11が時計回り方向に回
転しようとすると、この回転は前記数2によるトルク条
件下で、スプリングクラッチ17を縮径する方向の捩り
トルクとして伝わり、スプリングクラッチ17はカムシ
ャフト2のリングドラム3に強く巻付くように動作し、
キャリア11とカムシャフト2との間を緊締状態に保持
する。
【0089】そして、カムシャフト2とキャリア11と
の間では、スプリングクラッチ17が一方向のワンウエ
イクラッチとして働くことにより、キャリア11の時計
回り方向での回転を規制し、カムシャフト2が回転し始
めるまでは遊星歯車13,14が公転することなく、自
転することになり、出力歯車部材9には遊星歯車14の
回転が内歯車9Aを通じて伝達される。
【0090】また、遊星歯車14は遊星歯車13よりも
歯数が多く、この歯数差分だけ遊星歯車14は遊星歯車
13よりも速く回転しようとするため、カムシャフト2
が出力歯車部材9と一体に時計回り方向に回転する。そ
して、カムシャフト2の回転が駆動スプロケット1の回
転よりも僅かでも速くなると、下記の数4によるトルク
条件下で、スプリングクラッチ17はコイル径を縮径す
る方向の捩りトルクを受け、スプリングクラッチ17は
リングドラム3とドラム部8Bとの間に強く巻付くよう
に動作し、両者を緊締状態に保持する。
【0091】
【数4】カムシャフト2の角速度≧駆動スプロケット1
の角速度
【0092】この結果、駆動スプロケット1の回転は遊
星歯車装置7およびスプリングクラッチ17を通じてカ
ムシャフト2へと伝達され、この間はカムシャフト2が
駆動スプロケット1に対して回転位相を保持した状態で
回転することになる(位相保持制御)。
【0093】
【表1】
【0094】そして、この状態では内歯車8A,9Aと
遊星歯車13,14とが互いに噛合し、両者の歯面は接
触状態を保ち続けると共に、スプリングクラッチ17は
緊締状態を保持する関係におかれる。このため、図13
に示す如き正,逆の交番トルクとなった負荷トルクがカ
ムシャフト2に作用しても、スプリングクラッチ17を
締結状態に保持でき、バックラッシュの影響を除去でき
ると共に、交番トルクによる歯面間等での打音の発生を
良好に抑えることができる。
【0095】次に、この状態でクラッチ解除装置25の
クラッチ制御コイル25Aを、表1に示す如く励磁して
外側歯車筒19のディスク部19Bに制動力を付与する
と、外側歯車筒19が反時計回り方向に制動トルクを受
けるため、外側歯車筒19は図2中の矢示E方向に相対
回転され、これにより中間歯車20が矢示F方向に回転
されると共に、中間歯車21は矢示G方向に回転され、
内側歯車筒24は矢示D方向(反時計回り方向)に相対
回転する。
【0096】かくして、スプリングクラッチ17はフッ
ク部17Aが内側歯車筒24の切欠き24Bによって反
時計回り方向(図4中の矢示D方向)に相対移動され、
キャリア11のドラム部11E外周面から僅かに離間す
るように動作する。そして、キャリア11のドラム部1
1Eとリングドラム3とはスプリングクラッチ17によ
る保持状態が解除されて相対回転可能となり、キャリア
11のドラム部11E、リングドラム3および入力歯車
部材8のドラム部8B間のトルク伝達を遮断することが
できる。
【0097】この結果、キャリア11は時計回り方向に
フリーで回転することになり、遊星歯車13は入力歯車
部材8の内歯車8Aに沿って自転しつつ公転し、遊星歯
車14についても出力歯車部材9の内歯車9Aに沿って
自転しつつ公転する。また、キャリア11のクラッチ収
容溝部11D内に設けたスプリングクラッチ18は、右
巻きのコイルとして形成されているので、キャリア11
の時計回り回転に対して拡径し、ドラム部11Fの外周
側から離間するように動作し、保持力を発生することは
ない。
【0098】このため、駆動スプロケット1からの回転
トルクは、クラッチ解除装置25の作動中に遊星歯車装
置7、スプリングクラッチ17,18を通じてカムシャ
フト2に伝達されることはなくなり、カムシャフト2の
回転位相を駆動スプロケット1に対して遅らせる遅角制
御を実現することができる。そして、エンジンがどのよ
うな回転状態にあっても、外周側のクラッチ解除装置2
5を用いてスプリングクラッチ17の解除を確実に行う
ことができ、応答性を向上することができる。
【0099】また、クラッチ解除装置25の作動を停止
させたときには、外側歯車筒19に対する制動力が解除
され、内側歯車筒24は時計回り方向に回転可能となる
ために、キャリア11の時計回り回転に追従してスプリ
ングクラッチ17がドラム部11Eの外周面に巻き付く
ように動作し、スプリングクラッチ17はキャリア1
1、リングドラム3および入力歯車部材8間を再び緊締
状態に保持することになる。これにより、キャリア1
1、リングドラム3および入力歯車部材8間は、スプリ
ングクラッチ17によって再びトルク伝達され、前述し
た位相保持制御に自動的に戻すことができる。
【0100】次に、電磁ブレーキ16のブレーキ制御コ
イル16Aを表1に示すように励磁した状態で、キャリ
ア11に反時計回り方向の回転トルク(制動力)を付与
すると、スプリングクラッチ18は、前記数3のトルク
条件下で縮径方向のトルクを受け、キャリア11のドラ
ム部11Fと内側歯車筒24との間に巻付くように動作
する。
【0101】そして、このときに内側歯車筒24はスプ
リングクラッチ18を介してキャリア11の回転方向
(図4中の矢示D方向)に回動されるので、スプリング
クラッチ17はフック部17Aが矢示D方向に押動され
て拡径し、キャリア11とリングドラム3(カムシャフ
ト2)とのスプリングクラッチ17による保持状態を解
除することができる。
【0102】そして、キャリア11は電磁ブレーキ16
からの制動力により反時計回り方向に相対回転するた
め、出力歯車部材9(カムシャフト2)は遊星歯車1
3,14間の歯数差分だけ入力歯車部材8よりも速く回
転し、駆動スプロケット1に対するカムシャフト2の回
転位相を速める方向の進角制御が実現される。また、電
磁ブレーキ16の作動を停止させることにより、前述し
た位相保持制御に自動的に戻すことができる。
【0103】かくして、本実施の形態によれば、遊星歯
車装置7、電磁ブレーキ16、スプリングクラッチ1
7,18およびクラッチ解除装置25等を用いることに
より、駆動スプロケット1に対するカムシャフト2の回
転位相を可変に制御でき、回転位相の遅角、進角、保持
制御を高精度に行うことができる。
【0104】そして、スプリングクラッチ17による回
転位相の保持動作を安定させ、バルブ開,閉時の交番ト
ルクによってスプリングクラッチ17の締結力が低下す
るのを防止できると共に、トルク変動による異音等の発
生を抑えることができ、駆動スプロケット1に対するカ
ムシャフト2の回転位相が僅かにずれる等の問題を解消
することができる。
【0105】この結果、従来技術で用いている電磁クラ
ッチのように、カムシャフトに働く交番トルクを受承す
る電磁クラッチの板ばねを、ばね力の大きい大型のばね
部材等で形成する必要がなく、また電磁クラッチを解除
するときの電磁力を高める必要もなくなるので、例えば
クラッチ解除装置25のクラッチ制御コイル25Aに比
較的小型なコイルを使用でき、装置全体を小型、軽量化
することができる。
【0106】また、本実施の形態にあっては、カムシャ
フト2の軸中心側に潤滑油の導入路4を形成し、エンジ
ンに付設の潤滑油ポンプ26から吐出される潤滑油の一
部を管路28、軸受部材5の油路5A等を介して導入路
4内に導くと共に、カムシャフト2には導入路4に連通
する潤滑油の給排路6A〜6Cを形成し、遊星歯車装置
7の入力歯車部材8、出力歯車部材9およびキャリア1
1にはそれぞれ給排路6A〜6Cに連通する給排路8
D,9B,11Gを設ける構成としている。
【0107】これにより、潤滑油ポンプ26からカムシ
ャフト2の導入路4内に供給された潤滑油を、複数の給
排路6A〜6C,8D,9B,11G等を介して径方向
外側へと遠心力を利用して供給でき、カムシャフト2の
外周側に設けた遊星歯車装置7の入力歯車部材8、出力
歯車部材9およびキャリア11等に対して潤滑油を常に
循環させつつ供給し続けることができる。
【0108】そして、このときの潤滑油を遊星歯車装置
7の内歯車8A,9Aと遊星歯車13,14との噛合部
等にも給排することができるので、各歯車8A,9A,
13,14の噛合部を常に潤滑状態に保持でき、それぞ
れの噛合部での摩耗、損傷を抑え、耐久性、寿命を確実
に延ばすことができる。
【0109】また、遊星歯車装置7の入力歯車部材8お
よびキャリア11にはカムシャフト2との軸受部となる
内周面側に環状の油溝8C,11Cを形成し、これらの
油溝8C,11C内には給排路6A,6C,11Gから
の潤滑油を全周に亘って均等に溜める構成としているの
で、それぞれの摺動面となる軸受部を常に潤滑状態に保
持でき、軸受部周囲での摩耗、損傷を抑えることができ
る。そして、これらの軸受部にボールベアリング等の高
価な軸受部品を用いる必要がなくなり、軸受部の構造を
簡素化することができる。
【0110】さらに、このときの潤滑油を入力歯車部材
8の給排路8D、スプリングクラッチ17等を介して内
側歯車筒24、中間歯車21,20および外側歯車筒1
9等にも供給でき、これらの軸受部および噛合部等を潤
滑状態に保ち、摩耗、損傷等の発生を良好に抑えること
ができる。
【0111】従って、本実施の形態によれば、駆動スプ
ロケット1に対するカムシャフト2の回転位相を遊星歯
車装置7およびスプリングクラッチ17,18等を用い
て可変に制御でき、安定したバルブタイミング制御を実
現できる。また、遊星歯車装置7の入力歯車部材8およ
びキャリア11等を常に潤滑状態に保持でき、バルブタ
イミング制御装置全体の耐久性や寿命を確実に高めるこ
とができる。
【0112】さらに、エンジンに予め付設された潤滑油
ポンプ26を利用しているので、遊星歯車装置7に対し
て潤滑油を常に循環させつつ供給でき、大幅な設計変更
等を不要にして安価な構造とすることができる。そし
て、車両用エンジン等の定期点検時等には潤滑油を交換
するので、遊星歯車装置7に新しい潤滑油を供給でき、
摺動部分等を良好な潤滑状態に保つことができる。
【0113】次に、図6ないし図11は本発明の第2の
実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、クラッチ解
除手段を、潤滑油ポンプからの圧油が供給されることに
より第1のスプリングクラッチを拡径方向に駆動するク
ラッチ解除シリンダと、外部からの解除信号に応じて該
クラッチ解除シリンダに対する圧油の給排を制御する給
排制御バルブとにより構成し、スプリングクラッチを油
圧制御により解除すると共に、構造を簡素化し、位相保
持と遅角、進角との切替制御を高精度に実現する構成と
したことにある。
【0114】なお、本実施の形態では前記第1の実施の
形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を
省略するものとする。
【0115】図中、31は回転体としての駆動スプロケ
ットで、該駆動スプロケット31は第1の実施の形態で
述べた駆動スプロケット1と同様に構成されるものであ
る。32はカムシャフトで、該カムシャフト32も第1
の実施の形態とほぼ同様に構成され、該カムシャフト3
2の先端側には多段に縮径した段付軸部32Aが設けら
れている。
【0116】33はカムシャフト32の一部を構成する
リングドラムで、該リングドラム33は後述の入力歯車
部材38とキャリア41との間に位置して段付軸部32
Aの外周側に廻止め状態で固定されている。そして、リ
ングドラム33は後述のドラム部38B,41Eとほぼ
同一の外径をもって形成され、リングドラム33は後述
のスプリングクラッチ46によりドラム部38B,41
Eに対して締結状態に保持または解除されるものであ
る。
【0117】34はカムシャフト32の段付軸部32A
内に設けられたバルブ収容穴で、該バルブ収容穴34は
カムシャフト32の軸中心側に位置して軸方向に延び、
その大径部側には後述のスプール52が摺動可能に挿嵌
されている。そして、バルブ収容穴34の大径部側とな
る一端側は後述のボルト40により閉塞され、他端側は
後述の導入路35に連通している。
【0118】35はバルブ収容穴34と共にカムシャフ
ト32の軸中心側に形成された潤滑油の導入路で、該導
入路35は一端側がバルブ収容穴34に連通する大径の
油穴35Aとなり、他端側は径方向に延びる油路35B
となっている。そして、導入路35の油路35Bは、第
1の実施の形態で述べたカムシャフト2の導入路4と同
様に軸受部材5の油路5A、環状溝5B等を介してエン
ジンの潤滑油ポンプ26に接続されている。
【0119】36A,36B,36C,36D,…はカ
ムシャフト32に設けられた潤滑油の給排路で、該給排
路36A〜36D等は図8、図9に示すようにカムシャ
フト32の径方向および軸方向等に伸長した油路として
形成されている。しかし、これらの給排路36A〜36
D等のうち給排路36Aは、他の給排路36B〜36D
等とは独立した油路として形成され、給排路36Aは後
述のクラッチ解除シリンダ48に圧油状態の潤滑油を給
排するものである。
【0120】一方、給排路36B〜36D等は互いに連
通し、カムシャフト32の段付軸部32Aと入力歯車部
材38、キャリア41との摺動面(軸受部)および後述
の油溝38C,41C等に圧油状態の潤滑油を供給する
ものである。そして、これらの軸受部に供給された圧油
は他の給排路(図示せず)等を介してエンジンのオイル
パン27側に回収される構成となっている。
【0121】37は駆動スプロケット31とカムシャフ
ト32との間に設けられた変速歯車機構としての遊星歯
車装置で、該遊星歯車装置37は後述の入力歯車部材3
8、出力歯車部材39、キャリア41および遊星歯車4
3,44等によって構成されている。また、遊星歯車装
置37は後述のスプリングクラッチ46,47等と共に
回転位相可変手段を構成するものである。
【0122】38は遊星歯車装置37の第1の回転部材
となる入力歯車部材で、該入力歯車部材38は断面コ字
形状をなすリング体として形成され、カムシャフト32
の段付軸部32A外周側に回転可能に配設されている。
そして、入力歯車部材38にはボルト等を用いて駆動ス
プロケット31が固着され、入力歯車部材38はカムシ
ャフト32の段付軸部32A周囲を駆動スプロケット3
1と一体に回転駆動されるものである。
【0123】また、入力歯車部材38には径方向の外側
部位に第1の歯車となる内歯車38Aが形成され、径方
向内側部位には図8に示すように円筒状のドラム部38
Bが形成されている。そして、該ドラム部38Bの内周
側はカムシャフト32の段付軸部32Aとの間が軸受部
となり、ドラム部38Bの内周面には潤滑油を溜める環
状の油溝38Cが全周溝として形成されている。
【0124】さらに、ドラム部38Bには径方向内側か
ら外側へと斜めに延びる潤滑油用の給排路38Dが複数
個形成され、これらの給排路38Dはカムシャフト32
の給排路36B〜36D等に連通している。そして、各
給排路38Dはドラム部38Bとスプリングクラッチ4
6との間、内歯車38Aと遊星歯車43との噛合部等に
潤滑油を供給するものである。
【0125】39は遊星歯車装置37の第2の回転部材
となる出力歯車部材を示し、該出力歯車部材39は断面
コ字形状をなすリング体として形成され、その中心側が
カムシャフト32の段付軸部32A先端側にボルト40
を用いて締着され、これにより、出力歯車部材39はカ
ムシャフト32と一体に回転するものである。また、出
力歯車部材39の径方向外側部位には第2の歯車となる
内歯車39Aが形成され、該内歯車39Aは入力歯車部
材38の内歯車38Aとほぼ同一の歯数を有するもので
ある。
【0126】さらに、出力歯車部材39には図8、図9
に示すように径方向内側から外側へと斜めに延びる潤滑
油用の給排路39Bが複数個形成され、これらの給排路
39Bはカムシャフト32の給排路36B〜36D等に
連通している。そして、各給排路39Bは内歯車38A
と遊星歯車44との噛合部等に潤滑油を供給するもので
ある。一方、ボルト40には軸方向にロッド摺動穴40
Aが穿設され、該ロッド摺動穴40A内には後述の小径
ロッド55が挿嵌されている。
【0127】41は遊星歯車装置37の第3の回転部材
となるキャリアで、該キャリア41は第1の実施の形態
で述べたキャリア11とほぼ同様に構成され、カムシャ
フト32のリングドラム33と出力歯車部材39との間
に位置して段付軸部32Aの外周側に回転可能に設けら
れている。そして、キャリア41の外周側には例えば2
個の軸挿嵌穴41Aが穿設され、該各軸挿嵌穴41A内
には各遊星軸42がそれぞれ摺動可能に挿嵌されてい
る。また、キャリア41の外周には径方向外向き突出す
る環状のディスク部41Bが一体に形成され、該ディス
ク部41Bは後述の電磁ブレーキ45により制動力が付
与されるものである。
【0128】一方、キャリア41の内周側はカムシャフ
ト32の段付軸部32Aとの間が軸受部となり、キャリ
ア41の内周面には潤滑油を溜める環状の油溝41Cが
全周溝として形成されている。また、キャリア41の径
方向中間部には、リングドラム33に対応した位置にリ
ング状のクラッチ収容溝部41Dが全周に亘って形成さ
れ、該クラッチ収容溝部41Dの内周側は円筒状のドラ
ム部41Eとなっている。
【0129】また、キャリア41のドラム部41Eには
径方向に延びるシリンダ穴41Fが形成され、該シリン
ダ穴41Fは油穴41Gを介してカムシャフト32の給
排路36Aと常時連通している。さらに、キャリア41
にはシリンダ穴41Fから軸方向に離間して潤滑油の給
排路41H等が形成され、該各給排路41Hはカムシャ
フト32の給排路36B〜36D等に連通している。そ
して、各給排路41Hは後述する遊星軸42の油溝42
A等に潤滑油を供給するものである。
【0130】ここで、キャリア41はカムシャフト32
の段付軸部32A外周側に回転可能に配設され、その外
周側には図8に示すように一対の遊星軸42,42が回
転可能に設けられている。そして、該各遊星軸42は両
端側がキャリア41から突出し、その突出端側にはそれ
ぞれ第1,第2の遊星歯車43,44が一体に設けられ
ている。
【0131】また、遊星軸42の外周面には潤滑油を溜
める環状の油溝42Aが形成され、該油溝42Aは軸挿
嵌穴41Aの軸方向中間に位置してキャリア41の給排
路41Hと連通している。そして、第1の遊星歯車43
は入力歯車部材38の内歯車38Aに噛合し、駆動スプ
ロケット31からの回転トルクを遊星軸42に伝えるも
のである。
【0132】また、第2の遊星歯車44は出力歯車部材
39の内歯車39Aに噛合し、遊星軸42からの回転ト
ルクを出力歯車部材39およびカムシャフト32に伝え
るものである。さらに、遊星歯車44は遊星歯車43よ
りも大なる歯数をもって形成され、例えば後述の電磁ブ
レーキ45によりキャリア41の回転を制動した状態で
は、出力歯車部材39を入力歯車部材38(駆動スプロ
ケット31)よりも前記歯数差分だけ増速して回転させ
るものである。
【0133】45は支持フレーム15に固定して設けら
れた回転速度調整手段としての電磁ブレーキで、該電磁
ブレーキ45は第1の実施の形態で述べた電磁ブレーキ
16と同様に構成され、ブレーキ制御コイル45Aおよ
び一対の制動子45B,45Bを有している。
【0134】次に、46はキャリア41のドラム部41
E、カムシャフト32のリングドラム33および入力歯
車部材38のドラム部38B間に巻回して設けられたク
ラッチを構成する第1のスプリングクラッチで、該スプ
リングクラッチ46は、第1の実施の形態で述べた図4
に示すスプリングクラッチ17と同様に左巻きのコイル
として形成され、その一端側はキャリア41のドラム部
41E外周側に巻回されている。また、スプリングクラ
ッチ46はカムシャフト32のリングドラム33外周側
に巻回されると共に、その他端側は入力歯車部材38の
ドラム部38B外周側に巻回されている。
【0135】また、スプリングクラッチ46の一端に
は、図10、図11に示す如く例えば軸方向に突出する
フック部46Aが設けられ、該フック部46Aはキャリ
ア41のクラッチ収容溝部41D内で後述する解除ピス
トン49の先端側に当接されると共に、後述するスプリ
ングクラッチ47の屈曲部47Aに係合されている。
【0136】そして、スプリングクラッチ46は、クラ
ッチ解除シリンダ48の解除ピストン49が図10中の
矢示J方向に駆動されたときに、フック部46A側が径
方向外向きに押動されて拡径し、キャリア41とリング
ドラム33(カムシャフト32)とのスプリングクラッ
チ46による保持状態が解除され、両者は相対回転する
ことになる。
【0137】ここで、スプリングクラッチ46は左巻き
のコイルであるため、入力歯車部材38が駆動スプロケ
ット31と一体に時計回り方向に回転駆動されると、下
記の数5によるトルク条件下で、スプリングクラッチ4
6はコイル径を拡径する方向の捩りトルクを受けること
になる。
【0138】
【数5】駆動スプロケット31の角速度>カムシャフト
32の角速度
【0139】このため、スプリングクラッチ46はドラ
ム部38Bの外周面から僅かに離間するように動作し、
入力歯車部材38のドラム部38Bとカムシャフト32
のリングドラム33との間の保持状態を解除して両者の
相対回転を許すことになる。
【0140】一方、キャリア41がカムシャフト32の
リングドラム33に対して回転位相を速める方向で回転
するときには、下記の数6によるトルク条件下で、スプ
リングクラッチ46はコイル径を縮径する方向の捩りト
ルクを受けることになる。
【0141】
【数6】キャリア41の角速度≧リングドラム33の角
速度
【0142】これによって、スプリングクラッチ46は
キャリア41のドラム部41Eとリングドラム33との
間に強く巻付くように動作し、両者を緊締状態に保持す
るものである。
【0143】そして、スプリングクラッチ46はキャリ
ア41とカムシャフト32との間で一方向クラッチとし
て機能し、キャリア41がカムシャフト32に対して時
計回り方向に相対回転するのを規制し、逆向きに反時計
回り方向へと相対回転するのを許すものである。
【0144】47はキャリア41のクラッチ収容溝部4
1D内に設けられた第2のスプリングクラッチで、該第
2のスプリングクラッチ47は一端側が図10、図11
に示す如くクランク状に折曲げられた屈曲部47Aとな
り、該屈曲部47Aは第1のスプリングクラッチ46の
フック部46Aに係合されている。そして、第2のスプ
リングクラッチ47は第1のスプリングクラッチ46の
外周側に位置し、その他端側はクラッチ収容溝部41D
内でキャリア41に掛止めされている。
【0145】また、第2のスプリングクラッチ47は右
巻きのコイルとして形成され、第1のスプリングクラッ
チ46の外周側に小さい隙間を介して巻回されている。
そして、スプリングクラッチ47はキャリア41のクラ
ッチ収容溝部41D内に位置し、キャリア41とスプリ
ングクラッチ46との間で拡径方向のトルクを受けたと
きにクラッチ収容溝部41Dの外周側に押付けられるも
のである。
【0146】さらに、第2のスプリングクラッチ47は
第1のスプリングクラッチ46に対する解除クラッチを
構成し、キャリア41が電磁ブレーキ45により制動力
が付与されて反時計回り方向に相対回転されるときに、
屈曲部47Aによりフック部46Aを図11中の矢示K
方向に移動させ、キャリア41のドラム部41E、カム
シャフト32のリングドラム33および入力歯車部材3
8のドラム部38B間のスプリングクラッチ46による
保持状態を解除するものである。
【0147】48はスプリングクラッチ46の径方向内
側に位置してキャリア41内に設けられたクラッチ解除
シリンダで、該クラッチ解除シリンダ48は、図8〜図
11に示す如くキャリア41のシリンダ穴41F内に摺
動可能に挿嵌された解除ピストン49と、該解除ピスト
ン49とシリンダ穴41Fとの間に画成された油室50
とにより大略構成されている。
【0148】ここで、クラッチ解除シリンダ48は後述
の給排制御バルブ51と共にクラッチ解除手段を構成
し、給排制御バルブ51を通じて油室50内に圧油が給
排されることにより解除ピストン49をシリンダ穴41
F内で摺動変位させ、スプリングクラッチ46をフック
部46A側から保持状態を解除する方向に駆動するもの
である。
【0149】即ち、解除ピストン49には図8〜図11
に示す如く略台形状をなす突出部49Aが設けられ、該
突出部49Aはスプリングクラッチ46の内周側に当接
可能となっている。そして、突出部49Aの先端側端面
はスプリングクラッチ46の一端側から他端側に向けて
僅かに傾斜して形成され、スプリングクラッチ46のフ
ック部46A側には常時当接するものの、これ以外の部
分ではスプリングクラッチ46の内周面から僅かに後退
(離間)した位置に置かれている。
【0150】そして、解除ピストン49は図10中の矢
示J方向に駆動されたときに、突出部49Aの先端側で
スプリングクラッチ46のフック部46Aを径方向外向
きに押動すると共に、これに続くコイル部位も漸次径方
向に押動し、スプリングクラッチ46によるキャリア4
1とカムシャフト32との間の保持状態をフック部46
A側から漸次解除してゆくものである。
【0151】51はクラッチ解除シリンダ48と共にク
ラッチ解除手段を構成する給排制御バルブで、該給排制
御バルブ51は、カムシャフト32のバルブ収容穴34
内に摺動可能に挿嵌されたスプール52と、該スプール
52をボルト40の端面側に向けて常時付勢した付勢手
段としてのスプリング53と、後述の電磁アクチュエー
タ54とから大略構成されている。
【0152】ここで、給排制御バルブ51のスプール5
2はスプリング53により図8に示す初期位置に付勢さ
れているときに、スプール52の油穴52Aをカムシャ
フト32の給排路36B〜36Dおよびキャリア41の
油溝41C、給排路41H等に連通させる。これによ
り、導入路35側からの潤滑油(圧油)は遊星歯車装置
37の入力歯車部材38、出力歯車部材39およびキャ
リア41の軸受部、噛合部等に供給されるものである。
【0153】また、給排制御バルブ51はスプール52
がスプリング53に抗して図9に示す解除位置に摺動変
位したときに、油穴52Aをカムシャフト32の給排路
36A、キャリア41の油穴41Gを介してクラッチ解
除シリンダ48の油室50に連通させ、該油室50内に
導入路35側からの潤滑油を圧油として供給する。これ
により、クラッチ解除シリンダ48は解除ピストン49
を図10中の矢示J方向に駆動し、前述の如くスプリン
グクラッチ46の保持状態を強制的に解除するものであ
る。
【0154】54はカムシャフト32から軸方向に離間
して外部に設けられた電磁アクチュエータで、該電磁ア
クチュエータ54は支持フレーム15等に固定して設け
られ、制御コイル54Aを内蔵している。また、電磁ア
クチュエータ54は制御コイル54Aを励磁することに
より軸方向に駆動される可動鉄心54Bを有し、該可動
鉄心54Bには給排制御バルブ51のスプール52との
間に小径ロッド55が設けられている。
【0155】ここで、小径ロッド55はボルト40のロ
ッド摺動穴40A内に挿嵌され、その先端側はバルブ収
容穴34内のスプール52に当接されている。そして、
電磁アクチュエータ54は外部からの通電により制御コ
イル54Aを励磁したときに可動鉄心54Bにより小径
ロッド55を図8、図9中の矢示L方向に駆動し、バル
ブ収容穴34内のスプール52をスプリング53に抗し
て図9に示す解除位置に摺動変位させるものである。
【0156】また、電磁アクチュエータ54は外部から
の通電を停止して制御コイル54Aを消磁させたとき
に、小径ロッド55が可動鉄心54Bと共に制御コイル
54A側に後退するのを許す。そして、バルブ収容穴3
4内のスプール52は、スプリング53によりボルト4
0の端面に当接する位置まで付勢され、図6、図8に示
す初期位置に復帰されるものである。
【0157】かくして、このように構成される本実施の
形態にあっても、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効
果を得ることができるが、特に本実施の形態では、下記
のような作用効果を奏する。
【0158】即ち、電磁ブレーキ45のブレーキ制御コ
イル45Aを下記の表2に示すように消磁した状態で、
駆動スプロケット31を時計回り方向に回転駆動する
と、この回転は入力歯車部材38の内歯車38Aから遊
星歯車43に伝えられる。これによって、遊星歯車43
は自転しつつ公転し、この公転力はキャリア41に回転
トルクとなって伝達される。
【0159】なお、このときにスプリングクラッチ46
は、前記数5によるトルク条件下でコイル径を拡径する
方向の捩りトルクを受けることになるため、スプリング
クラッチ46は入力歯車部材38のドラム部38B外周
面から僅かに離間するように動作し、入力歯車部材38
とリングドラム33(カムシャフト32)との間の相対
回転を許すことになる。
【0160】しかし、遊星歯車43側からの公転力がキ
ャリア41に伝わり、キャリア41が時計回り方向(図
11中の矢示A方向)に回転しようとすると、この回転
は前記数6によるトルク条件下で、スプリングクラッチ
46を縮径する方向の捩りトルクとして伝わり、スプリ
ングクラッチ46はカムシャフト32のリングドラム3
3に強く巻付くように動作し、キャリア41とカムシャ
フト32との間を緊締状態に保持する。
【0161】そして、カムシャフト32とキャリア41
との間では、スプリングクラッチ46が一方向のワンウ
エイクラッチとして働くことにより、キャリア41の時
計回り方向での回転を規制し、カムシャフト32が回転
し始めるまでは遊星歯車43,44が公転することな
く、自転することになり、出力歯車部材39には遊星歯
車44の回転が内歯車39Aを通じて伝達される。
【0162】また、遊星歯車44は遊星歯車43よりも
歯数が多く、この歯数差分だけ遊星歯車44は遊星歯車
43よりも速く回転しようとするため、カムシャフト3
2が出力歯車部材39と一体に時計回り方向に回転す
る。そして、カムシャフト32の回転が駆動スプロケッ
ト31の回転よりも僅かでも速くなると、下記の数7に
よるトルク条件下で、スプリングクラッチ46はコイル
径を縮径する方向の捩りトルクを受け、スプリングクラ
ッチ46はリングドラム33とドラム部38Bとの間に
強く巻付くように動作し、両者を緊締状態に保持する。
【0163】
【数7】カムシャフト32の角速度≧駆動スプロケット
31の角速度
【0164】この結果、駆動スプロケット31の回転は
遊星歯車装置37およびスプリングクラッチ46を通じ
てカムシャフト32へと伝達され、この間はカムシャフ
ト32が駆動スプロケット31に対して回転位相を保持
した状態で回転することになる(位相保持制御)。
【0165】
【表2】
【0166】そして、この状態では内歯車38A,39
Aと遊星歯車43,44とが互いに噛合し、両者の歯面
は接触状態を保ち続けると共に、スプリングクラッチ4
6は緊締状態を保持する関係におかれる。このため、図
13に示す如き正,逆の交番トルクとなった負荷トルク
がカムシャフト32に作用しても、スプリングクラッチ
46を締結状態に保持でき、バックラッシュの影響を除
去できると共に、交番トルクによる歯面間等での打音の
発生を良好に抑えることができる。
【0167】次に、この状態で電磁アクチュエータ54
の制御コイル54Aを、表2に示すように励磁して可動
鉄心54Bにより小径ロッド55を矢示L方向に駆動
し、給排制御バルブ51のスプール52をスプリング5
3に抗して図9に示す解除位置に摺動変位したときに
は、スプール52の油穴52Aがカムシャフト32の給
排路36A、キャリア41の油穴41Gを介してクラッ
チ解除シリンダ48の油室50に連通する。
【0168】そして、クラッチ解除シリンダ48は油室
50内に導入路35側からの圧油が供給されることによ
り、解除ピストン49をキャリア41の径方向外向き
(図10中の矢示J方向)に駆動し、スプリングクラッ
チ46の保持状態を強制的に解除して、キャリア41の
ドラム部41E、リングドラム33および入力歯車部材
38のドラム部38B間のトルク伝達を遮断することが
できる。
【0169】この結果、キャリア41は時計回り方向に
フリーで回転することになり、遊星歯車43は入力歯車
部材38の内歯車38Aに沿って自転しつつ公転し、遊
星歯車44についても出力歯車部材39の内歯車39A
に沿って自転しつつ公転する。また、キャリア41のク
ラッチ収容溝部41D内に設けたスプリングクラッチ4
7は右巻きのコイルとして形成され、キャリア41の時
計回り回転に対して縮径し、クラッチ収容溝部41Dの
外周側から離間するように動作し、保持力を発生するこ
とはない。
【0170】このため、駆動スプロケット31からの回
転トルクは、電磁アクチュエータ54(クラッチ解除シ
リンダ48)の作動中に遊星歯車装置37、スプリング
クラッチ46,47を通じてカムシャフト32に伝達さ
れることはなくなり、カムシャフト32の回転位相を駆
動スプロケット31に対して遅らせる遅角制御を実現す
ることができる。
【0171】また、電磁アクチュエータ54を消磁して
クラッチ解除シリンダ48の作動を停止させたときに
は、解除ピストン49がスプリングクラッチ46のフッ
ク部46A等により図11に示す初期位置に押し戻さ
れ、スプリングクラッチ46はキャリア41のドラム部
41E、リングドラム33および入力歯車部材38のド
ラム部38B間を再び緊締状態に保持することになる。
【0172】これにより、キャリア41のドラム部41
E、リングドラム33および入力歯車部材38のドラム
部38B間は、スプリングクラッチ46によって再びト
ルク伝達され、前述した位相保持制御に自動的に戻すこ
とができる。
【0173】次に、電磁ブレーキ45のブレーキ制御コ
イル45Aを表2に示すように励磁した状態で、キャリ
ア41に反時計回り方向の回転トルク(制動力)を付与
すると、スプリングクラッチ47が拡径方向のトルクを
受け、屈曲部47Aによりスプリングクラッチ46のフ
ック部46Aを図11中の矢示K方向に移動させる。こ
れにより、スプリングクラッチ46のフック部46Aは
キャリア41のドラム部41Eの外周面から僅かに離間
するように動作し、キャリア41、リングドラム33
(カムシャフト32)および入力歯車部材38はスプリ
ングクラッチ46による保持状態が解除される。
【0174】そして、キャリア41は電磁ブレーキ45
からの制動力により反時計回り方向に相対回転するた
め、出力歯車部材39(カムシャフト32)は遊星歯車
43,44間の歯数差分だけ入力歯車部材38よりも速
く回転し、駆動スプロケット31に対するカムシャフト
32の回転位相を速める方向の進角制御が実現される。
また、電磁ブレーキ45の作動を停止させることによ
り、前述した位相保持制御に自動的に戻すことができ
る。
【0175】また、本実施の形態によれば、カムシャフ
ト32の回転中心側に設けた給排制御バルブ51のスプ
ール52を電磁アクチュエータ54を用いて駆動制御す
ることにより、キャリア41内のクラッチ解除シリンダ
48に圧油(潤滑油)を給排し、スプリングクラッチ4
6の保持,解除を制御する構成としている。
【0176】これにより、カムシャフト32の回転中心
側から圧油を給排してスプリングクラッチ46を円滑に
制御でき、油洩れによる応答性の低下等を防止すること
ができる。そして、カムシャフト32内にスプール52
を収納し、キャリア41内にはクラッチ解除シリンダ4
8を収納することにより、全体をコンパクトに形成して
小型化を図ることができると共に、電磁アクチュエータ
54によりスプール52を高い応答性をもって駆動制御
でき、バルブタイミングの制御を円滑に安定して行うこ
とができる。
【0177】また、電磁アクチュエータ54の制御コイ
ル54を消磁し、給排制御バルブ51のスプール52を
スプリング53により初期位置に復帰させたときには、
スプール52の油穴52Aをカムシャフト32の給排路
36B〜36Dおよびキャリア41の油溝41C、給排
路41H等に連通できるので、導入路35側からの潤滑
油(圧油)を遊星歯車装置37の入力歯車部材38、出
力歯車部材39およびキャリア41の軸受部、噛合部等
に供給でき、これらを潤滑状態に保持することができ
る。
【0178】なお、前記各実施の形態では、入力歯車部
材8(38)、出力歯車部材9(39)に内歯車8A
(38A),9A(39A)を設けた場合を例に挙げて
説明したが、本発明はこれに限らず、例えば遊星歯車に
噛合する外歯車を設ける構成としてもよいものである。
【0179】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、回転体に対するカムシャフトの回転位相を
変える回転位相可変手段の変速歯車機構に、内燃機関に
付設の潤滑油ポンプから吐出される潤滑油を供給する構
成としているので、変速歯車機構に潤滑油を円滑に供給
でき、各歯車の摺動部分等を常に潤滑状態に保つことが
できる。従って、回転体に対するカムシャフトの回転位
相を変速歯車機構により可変に制御でき、安定したバル
ブタイミング制御を実現できると共に、変速歯車機構を
常に潤滑状態に保持し、耐久性や寿命を高めることがで
きる。
【0180】また、内燃機関に予め付設されている潤滑
油ポンプを利用しているので、変速歯車機構に対して潤
滑油を常に循環させつつ供給でき、大幅な設計変更等を
不要にして安価な構造とすることができる。そして、内
燃機関の定期点検時等には潤滑油を交換するので、変速
歯車機構に新しい潤滑油を供給でき、摺動部分等を良好
な潤滑状態に保つことができる。
【0181】また、請求項2に記載の発明によると、カ
ムシャフトに、潤滑油ポンプの吐出側に接続される潤滑
油の導入路と、該導入路から径方向外側に向けて延び各
歯車に潤滑油を給排する複数の給排路とを設ける構成と
しているため、機関の潤滑油ポンプからカムシャフトの
導入路内に供給された潤滑油を、複数の給排路を介して
径方向外側へと遠心力を利用して供給でき、カムシャフ
トの外周側に設けた変速歯車機構の各歯車に対して潤滑
油を常に循環させつつ供給し、各歯車の摩耗、損傷等を
長期に亘って防止することができる。
【0182】また、請求項3に記載の発明によると、給
排路は各歯車の噛合部に潤滑油を給排する構成としてい
るので、各歯車の噛合部を常に潤滑状態に保持でき、噛
合部での摩耗、損傷を抑えることができる。
【0183】また、請求項4に記載の発明によると、給
排路は各歯車の軸受部に潤滑油を給排する構成としてい
るので、各歯車の軸受部を常に潤滑状態に保持でき、軸
受部周囲での摩耗、損傷を抑えることができる。そし
て、軸受部にボールベアリング等の高価な軸受部品を用
いる必要がなくなり、軸受部の構造を簡素化することが
できる。
【0184】さらに、請求項5に記載の発明は、軸受部
に潤滑油を溜める環状の油溝を設けてなる構成としてい
るので、軸受部の周囲で全周に亘って均等に潤滑油を溜
めておくことができ、摺動面等を均等に潤滑し続けるこ
とができ、軸受部の長寿命化を図ることができる。
【0185】一方、請求項6に記載の発明によると、回
転位相可変手段を、保持状態となったときに回転体とカ
ムシャフトとの相対回転を少なくとも一方向で規制する
クラッチと、該クラッチに対して保持可能な方向の力を
回転トルクとして発生させる変速歯車機構とにより構成
しているため、バルブの開,閉弁による交番トルクがカ
ムシャフトに作用しても、クラッチの締結力が交番トル
クによって瞬間的に低下するのを抑えることができ、カ
ムシャフトが回転体に対して相対回転するのを規制する
ことができる。従って、クラッチによる保持動作を安定
させることができ、回転体に対するカムシャフトの回転
位相を高い精度をもって保持し続けることができる。
【0186】また、請求項7に記載の発明は、変速歯車
機構を第1の回転部材、第2の回転部材、第3の回転部
材および回転速度調整手段からなる遊星歯車装置により
構成し、第3の回転部材がカムシャフトに対して他方向
に回転するときに第1のスプリングクラッチによる保持
力を第2のスプリングクラッチにより解除すると共に、
前記第1のスプリングクラッチにはクラッチ解除手段を
設ける構成としているので、第1,第2の歯車と第1,
第2の遊星歯車との噛合条件等に従って第1,第2の回
転部材間に同方向の増速力または減速力を発生でき、回
転速度調整手段とクラッチ解除手段とを選択的に作動さ
せることにより、カムシャフトの回転位相を遅角または
進角方向に変更することができる。また、第1のスプリ
ングクラッチをカムシャフトと第3の回転部材との間の
一方向クラッチとして作動させ、第3の回転部材がカム
シャフトに対して一方向に相対回転するのを規制でき、
他方向に相対回転するのを許すことができる。さらに、
第2のスプリングクラッチを第1のスプリングクラッチ
の解除クラッチとして作動させ、特別な解除手段等を設
ける必要がなく、構造を簡素化することができる。
【0187】また、請求項8に記載の発明は、第2の遊
星歯車を第1の遊星歯車よりも大なる歯数に形成し、カ
ムシャフトの回転を回転体に対して同方向で減速または
増速するときに、回転速度調整手段とクラッチ解除手段
を選択的に作動させる構成としているため、回転速度調
整手段により第3の回転部材を無負荷状態で回転させつ
つ、クラッチ解除手段で第1のスプリングクラッチを解
除することにより、カムシャフトの回転位相を遅角方向
に制御できる。また、回転速度調整手段により第3の回
転部材に負荷を与えたときには、第3の回転部材をカム
シャフトに対して相対回転させることにより、第1のス
プリングクラッチを解除でき、第2の回転部材と一体に
回転するカムシャフトの回転位相を進角方向に制御する
ことができる。
【0188】また、請求項9に記載の発明は、クラッチ
解除手段を、外部からの解除信号により制動力が付与さ
れる第1の歯車部材と、該第1の歯車部材に中間歯車を
介して噛合する第2の歯車部材とにより構成しているの
で、外部からの解除信号により第1の歯車部材に付与し
た制動力を、第1の歯車部材から中間歯車を介して第2
の歯車部材に伝達でき、これによって第2の歯車部材を
第3の回転部材とは逆向きに回転させ、第1のスプリン
グクラッチに保持状態を解除する回転トルクを容易に与
えることができると共に、スプリングクラッチを解除す
るときの応答性を向上できる。
【0189】一方、請求項10に記載の発明は、クラッ
チ解除手段をクラッチ解除シリンダと給排制御バルブと
により構成しているので、例えばカムシャフトの回転中
心側で給排制御バルブを作動させてクラッチ解除シリン
ダに圧油を供給することにより、第1の回転部材、カム
シャフトおよび第3の回転部材間に設けた第1のスプリ
ングクラッチを容易に解除でき、スプリングクラッチの
解除を油圧力により円滑に行うことができる。
【0190】また、請求項11に記載の発明は、変速歯
車機構の摺動面を潤滑する圧油を給排制御バルブにより
クラッチ解除シリンダに対して選択的に給排する構成と
しているので、変速歯車機構を潤滑する圧油を用いて給
排制御バルブによりクラッチ解除シリンダを作動制御で
きると共に、変速歯車機構の摺動面を潤滑状態に保持す
ることができる。
【0191】さらに、請求項12に記載の発明は、給排
制御バルブを、カムシャフト内に摺動可能に設けたスプ
ールと、該スプールを駆動する電磁アクチュエータとに
より構成しているため、カムシャフト内にスプールをコ
ンパクトに収納して油洩れ等による応答性の低下を防止
でき、全体を小型化できると共に、外部の電磁アクチュ
エータによりスプールを高い応答性をもって駆動制御す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるエンジンのバ
ルブタイミング制御装置を図2中の矢示I−I方向から
示す縦断面図である。
【図2】バルブタイミング制御装置の一部を破断して示
す図1の左側面図である。
【図3】図1に示すバルブタイミング制御装置の要部拡
大図である。
【図4】図1に示す第1,第2のスプリングクラッチお
よび内側歯車筒の分解斜視図である。
【図5】クラッチ解除装置により外側歯車筒に付与する
制動力の原理を説明するための斜視図である。
【図6】第2の実施の形態によるエンジンのバルブタイ
ミング制御装置を示す縦断面図である。
【図7】バルブタイミング制御装置を図6中の矢示 VII
−VII 方向から示す断面図である。
【図8】図7に示すバルブタイミング制御装置の要部拡
大図である。
【図9】図7中の電磁アクチュエータでスプールを駆動
した状態を示す要部拡大図である。
【図10】クラッチ解除シリンダによりスプリングクラ
ッチを解除した状態を図9中の矢示X−X方向から示す
拡大断面図である。
【図11】スプリングクラッチを解除する前の状態を示
す図10と同様位置の拡大断面図である。
【図12】排気バルブと吸気バルブの開,閉弁動作を示
す特性線図である。
【図13】カムシャフトに働く負荷トルクを示す特性線
図である。
【符号の説明】 1,31 駆動スプロケット(回転体) 2,32 カムシャフト 3,33 リングドラム 4,35 導入路 6A〜6C,8D,9B,11G,36A〜36D,3
8D,39B,41H給排路 7,37 遊星歯車装置(回転位相可変手段) 8,38 入力歯車部材(第1の回転部材) 8A,38A 内歯車(第1の歯車) 8C,11C,12A,38C,41C,42A 油溝 9,39 出力歯車部材(第2の回転部材) 9A,39A 内歯車(第2の歯車) 11,41 キャリア(第3の回転部材) 11A,41A 軸挿嵌穴(軸受部) 12,42 遊星軸 13,14,43,44 遊星歯車 16,45 電磁ブレーキ(回転速度調整手段) 17,46 第1のスプリングクラッチ 18,47 第2のスプリングクラッチ 19 外側歯車筒(第1の歯車部材) 20,21 中間歯車 24 内側歯車筒(第2の歯車部材) 25 クラッチ解除装置(クラッチ解除手段) 26 潤滑油ポンプ 27 オイルパン 48 クラッチ解除シリンダ(クラッチ解除手段) 51 給排制御バルブ 52 スプール 54 電磁アクチュエータ 55 小径ロッド
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 13/02 F02D 13/02 G Fターム(参考) 3G013 AA05 BA01 BA02 BB32 BC06 BC11 BD14 BD38 BD41 CA00 EA01 3G016 AA07 AA08 BA45 BA46 BA50 CA05 CA12 CA22 CA24 CA25 CA27 CA28 CA29 CA36 CA59 DA03 DA22 DA23 GA02 3G092 AA11 DA01 DA02 DA09 DF04 DF09 DG02 DG05 DG09 EA13 EA15 EA22 EA26 EA27 EA28 EA29 FA06 FA13 FA50

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランクシャフトによって回
    転駆動される回転体と、内燃機関の吸気バルブと排気バ
    ルブを開,閉弁するため該回転体の回転に従って回転さ
    れるカムシャフトと、該カムシャフトと回転体との間に
    設けられ前記回転体に対する該カムシャフトの回転位相
    を可変に制御する回転位相可変手段とからなる内燃機関
    のバルブタイミング制御装置において、 前記回転位相可変手段は少なくとも変速歯車機構からな
    り、該変速歯車機構には前記内燃機関に付設の潤滑油ポ
    ンプから吐出される潤滑油を供給する構成としたことを
    特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速歯車機構は前記カムシャフトの
    外周側にそれぞれ回転可能に設けられた複数の歯車から
    なり、前記カムシャフトには、前記潤滑油ポンプの吐出
    側に接続される潤滑油の導入路と、該導入路から径方向
    外側に向けて延び前記各歯車に潤滑油を給排する複数の
    給排路とを設けてなる請求項1に記載の内燃機関のバル
    ブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記給排路は各歯車の噛合部に潤滑油を
    給排する構成としてなる請求項1または2に記載の内燃
    機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 【請求項4】 前記給排路は各歯車の軸受部に潤滑油を
    給排する構成としてなる請求項1,2または3に記載の
    内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 【請求項5】 前記軸受部には潤滑油を溜める環状の油
    溝を設けてなる請求項4に記載の内燃機関のバルブタイ
    ミング制御装置。
  6. 【請求項6】 前記回転位相可変手段は、保持状態とな
    ったときに前記回転体とカムシャフトとの相対回転を少
    なくとも一方向で規制し保持状態を解除したときには両
    者の相対回転を許すクラッチと、前記変速歯車機構とか
    らなり、該変速歯車機構は前記クラッチに対して保持可
    能な方向の力を回転トルクとして発生させる構成として
    なる請求項1,2,3,4または5に記載の内燃機関の
    バルブタイミング制御装置。
  7. 【請求項7】 前記変速歯車機構は、第1の歯車を有し
    前記回転体と一体に回転する第1の回転部材と、 第2の歯車を有し前記カムシャフトと一体に回転する第
    2の回転部材と、 前記第1の回転部材および第2の回転部材に対して相対
    回転可能に設けられ、前記第1の歯車に噛合する第1の
    遊星歯車と前記第2の歯車に噛合する第2の遊星歯車と
    を遊星軸を介して回転自在に支持した第3の回転部材
    と、 前記回転体に対するカムシャフトの回転位相を減速また
    は増速方向に変更するため前記第3の回転部材の回転速
    度を調整する回転速度調整手段とからなる遊星歯車装置
    により構成し、 前記クラッチは、前記第1の回転部材、カムシャフトお
    よび第3の回転部材間に巻回して設けられ前記第3の回
    転部材がカムシャフトに対して一方向に相対回転するの
    を規制し他方向に相対回転するのを許すと共に前記第1
    の回転部材とカムシャフトとの間に発生する増速力また
    は減速力により保持力が付加される第1のスプリングク
    ラッチと、該第1のスプリングクラッチの外周側に位置
    して前記第3の回転部材に設けられ該第3の回転部材が
    カムシャフトに対して他方向に回転するときに前記第1
    のスプリングクラッチによる保持力を解除する第2のス
    プリングクラッチとにより構成し、 前記第1のスプリングクラッチには外部からの解除信号
    により保持状態を解除するクラッチ解除手段を設ける構
    成としてなる請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の遊星歯車は第1の遊星歯車よ
    りも大なる歯数を有し、前記カムシャフトの回転を回転
    体に対して同方向で減速するときには、前記回転速度調
    整手段により前記第3の回転部材を無負荷で回転させる
    と共に前記クラッチ解除手段により第1のスプリングク
    ラッチを解除し、前記カムシャフトの回転を回転体に対
    して同方向で増速するときには、前記回転速度調整手段
    で前記第3の回転部材に負荷を与えることにより前記第
    2のスプリングクラッチによって第1のスプリングクラ
    ッチを解除する構成としてなる請求項7に記載の内燃機
    関のバルブタイミング制御装置。
  9. 【請求項9】 前記クラッチ解除手段は、外部からの解
    除信号により制動力が付与される第1の歯車部材と、該
    第1の歯車部材に中間歯車を介して噛合し前記第3の回
    転部材とは逆向きに回転されることにより前記第1のス
    プリングクラッチに保持状態を解除する回転トルクを与
    える第2の歯車部材とにより構成してなる請求項7また
    は8に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  10. 【請求項10】 前記クラッチ解除手段は、前記第3の
    回転部材に設けられ圧油が供給されることにより前記第
    1のスプリングクラッチを拡径方向に駆動するクラッチ
    解除シリンダと、外部からの解除信号に応じて該クラッ
    チ解除シリンダに対する圧油の給排を制御する給排制御
    バルブとにより構成してなる請求項7または8に記載の
    内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  11. 【請求項11】 前記給排制御バルブは、前記変速歯車
    機構の摺動面を潤滑する圧油を前記クラッチ解除シリン
    ダに選択的に給排する構成としてなる請求項10に記載
    の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  12. 【請求項12】 前記給排制御バルブは、前記クラッチ
    解除シリンダに圧油を給排するため前記カムシャフト内
    に摺動可能に設けられたスプールと、前記カムシャフト
    の外部に設けられ前記解除信号に従って該スプールを駆
    動する電磁アクチュエータとにより構成してなる請求項
    10または11に記載の内燃機関のバルブタイミング制
    御装置。
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