JP3785339B2 - ステッパモータ駆動回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のステッパモータを効率的に制御するステッパモータ駆動回路に関し、特に、ステッパモータにより位置制御される指針(又はステッパモータに駆動される被駆動部材)がそのゼロ位置を定めたストッパに当接したかどうかを検出するために回転子の回転により発生する誘導電圧を検出し、ストッパが上記ゼロ位置に設定されたかどうかを判定するゼロ位置検出処理(以下ゼロ検という)を効率的に行うことのできるステッパモータ駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
車速を表示するスピードメータやエンジンの回転数を表示するタコメータ等の車載メータには、指示精度の優位性等の観点から近年ステッパモータが多用されている。しかしながら、ステッパモータを搭載する車両の振動やエンジンノイズ等により発生した誤った駆動信号等により、ステッパモータの回転に連動する指針の本来移動すべき移動量と実際の移動量との間に差異が生じてしまう場合がある。このような場合を想定して、例えば、イグニッションスイッチのオンのタイミングで、指針を上記ストッパで定められるゼロ位置に戻すと共に、このときの指針の位置に同期させて計数機構の初期設定を行うゼロ位置設定処理が行われる。上記処理において、指針がゼロ位置に戻ったかどうか、すなわち、指針がストッパに当接したかどうかを判定するために、回転子の回転により発生する誘導電圧を検出する上述のゼロ検が、従来から行われている。
【0003】
ところが上記ゼロ検において、部品のバラツキや周囲温度変化によって、ストッパ当接時における回転子のパターンが初期設定時とは変わり、上記ゼロ検が正確に行えない状況が発生することがある。このような問題の解決案のひとつとして、平成12年8月9日に本出願人によって出願された先願発明(特願2000−241281)がある。この概要を図5及び図6を用いて以下に説明する。
【0004】
図5は、上記先願発明において用いられている励磁信号の各励磁ステップにおける信号波形、及び検出タイミング信号の関係を示す図である。図6は、図5の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を示す図である。
【0005】
図5及び図6において、長方形の中の数字はステップ番号を示し、括弧内の数字は回転子の回転角を示す。回転子はそれぞれ5つのN極及びS極が交互に均等に着磁された5磁極対であると想定する。回転子は、相互に軸が略垂直な角度になるようにして配置された1対のコイルC1及びC2に、図5に示すような励磁信号が印加されて、回転駆動される。コイルC1及びコイルC2は、後述する所定のタイミングで誘導電圧検出素子としても機能する。なお、ゼロ検時には図中、矢印で示す半時計周りの方向に回転子が回転するものとする。
【0006】
また、回転子を回転させるための励磁信号は、C1a信号及びC1b信号からなる第1コイル励磁信号、並びにC2a信号及びC2b信号からなる第2コイル励磁信号から構成される。これらは、図5に示すように、H(ハイレベル)及びL(ローレベル)の組み合わせにより構成される。このHは例えば5ボルトであり、Lは0ボルトである。コイルC1の両端子a及びbにはそれぞれ図5に示されているようなC1a信号、及びC1b信号が供給される。同様にコイルC2の両端子a及びbにはそれぞれC2a信号及びC2b信号が供給される。これら信号が供給された各コイルC1及びC2は、それらの端子a及びbに供給される上記信号の電位差に応じて電流が流れ、回転子に対抗するコイル端部がN極又はS極になり、回転子に均等に着磁されたN極又はS極に反発又は吸引されて回転子を回転駆動する。これらの励磁信号は、図示しない所定の波形パターン発生手段で生成され供給される。
【0007】
また、回転子に連動する指針がストッパで定められたゼロ位置方向に移動するように回転子を回転させるために、上記第1コイル励磁信号及び第2コイル励磁信号の1サイクルは共に、複数の励磁ステップ1、7a、7b、5a、5b、4、3及び2で構成されている。励磁ステップ1の励磁信号(C1a信号、C1b信号、C2a信号及びC2b信号からなる)とそれに対応する回転子の回転パターンが同期しており、励磁ステップが1、7a、7b、5a、5b、4、3及び2の順に遷移するにしたがって、回転子は図6に示すように回転していく。すなわち、励磁ステップ1から励磁ステップ7a(7b)に遷移する際、及び励磁ステップ7a(7b)から励磁ステップ5a(5b)に遷移する際には、18度だけ回転し、その他のステップ間は9度だけ回転する。各ステップ1、7a、7b、5a、5b、4、3及び2は、均等時間、例えば32msずつ割り当てられているとする。
【0008】
図5において、第1検出タイミング信号は上記検出ステップ5a及び5bのタイミングで、コイルC1に発生する誘導電圧を検出するための制御信号である。また、第2検出タイミング信号は上記検出ステップ7a及び7bのタイミングで、コイルC2に発生する誘導電圧を検出するための制御信号である。これらの検出タイミング信号において検出された誘導電圧が、後述の当接判定に利用される。
【0009】
ゼロ検時には、上述のような複数の励磁ステップからなるサイクルが、指針6がストッパ7に当接して回転子3が回転できなくなるまで、すなわち、コイルC1又はコイルC2により検出される誘導電圧が、検出ステップ5a、5b、7a、7bにおいて所定の基準電圧を下回るまで、すなわち、指針がストッパに当接したと判定されるまで、原則的に繰り返されることになる。
【0010】
上記第1及び第2検出タイミング信号がそれぞれH(ハイレベル)となる検出ステップ7a、7b、及び5a、5bにおいては回転子3を回転させるための駆動電圧は片励磁状態である。これを利用して、コイルC1及びC2を駆動用及び誘導電圧検出用として兼用化している。また、検出ステップ7a、7b及び5a、5bに他のステップから遷移する際に回転子3の回転角度を、他のステップ間より大きくすることによって、誘導電圧も増大させて当接判定を容易にしている。更に、1サイクルのうちの連続するステップ、すなわち、検出ステップ7a、7b及び5a、5bにわたって誘導電圧の検出をすることにより、周囲温度や部品のバラツキにより、ストッパ当接時における回転子のパターンが多少変動しても、当接時の誘導電圧を検出できる可能性を高めている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先願発明は、単一のステッパモータに対して確実にゼロ検を行うのには確かに効果的であるが、この方法を複数のステッパモータに対して適用すると、ゼロ検に非常に時間がかかるか、又は誘導電圧検出回路が増大するものと考えられる。例えば、複数のステッパモータ(モータ1、2及び3)に対して、ひとつの誘導電圧検出回路を共用しつつ上述の方法でゼロ検を行うものと想定すると、図7(A)に示すようにその全検出時間T2は、12ステップ相当も要することになる。これに対して、3つのステッパモータに対して、2つの誘導電圧検出回路を共用しつつ上述の方法でゼロ検を行うものと想定すると、図7(B)に示すようにその全検出時間T3は、8ステップ相当になる。更に、ここでは図示しないが、3つのステッパモータに対して、3つの誘導電圧検出回路をそれぞれ設け、並列的に誘導電圧の検出を行うようにすると、その全検出時間は4ステップ相当になる。
【0012】
このように、誘導電圧検出回路の数を増やしそれらを複数のモータのゼロ検のために並列的に動作させると、全検出時間は短くなるが回路規模が増大するという問題が発生し、逆に、誘導電圧検出回路の数を減らしそれを複数のモータのゼロ検のために切り替えて動作させると、回路規模の増大は防止できるが全検出時間は非常に長くなり、要求されるスペックを満たせなくなる等の問題が発生する。
【0013】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、複数のモータのゼロ検を行う際に、誘導電圧検出回路の増加を必要最低限に抑えつつ、全検出時間をできる限り短縮化したステッパモータ駆動回路を提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のステッパモータ駆動回路は、複数のメータにそれぞれ含まれ、N極及びS極が交互に均等に着磁された回転子と、複数の励磁ステップで1サイクルが構成される励磁信号に応答して前記回転子を回転させる、相互に所定の角度で配置された一対のコイルとをそれぞれ有する複数のステッパモータを駆動させるステッパモータ駆動回路であって、前記複数のステッパモータの各回転子により駆動される各被駆動部材が、各ストッパで定められるゼロ位置方向に移動するように前記各回転子を回転させる前記励磁信号を生成し、前記複数のステッパモータの前記各一対のコイルにそれぞれ供給する励磁信号供給手段12と、前記複数のステッパモータの各回転子の回転に伴い発生する各誘導電圧の検出に基づいて、前記各被駆動部材が前記各ストッパにそれぞれ当接したかどうかを判断する当接判断手段13、14、31、32と、前記当接判断手段による判断に基づいて、前記各被駆動部材の当接位置を計数機構に同期させる同期手段2とを備え、前記励磁信号は、前記1サイクルのうちで前記各回転子の回転変移量が他のステップ間遷移時の回転変移量よりも大きい検出ステップが連続する連続検出ステップ7a、7b及び5a、5bを含み、前記複数のステッパモータに供給される各励磁信号はそれぞれ、前記検出ステップの半ステップずつ遅延して供給され、前記複数のステッパモータに対応する前記各誘導電圧は、前記各励磁信号中の前記検出ステップの半分をそれぞれ用い、前記各誘導電圧の一部は並列的に検出されることを特徴とする。
【0015】
請求項1記載の発明によれば、複数のメータに含まれる各ステッパモータの一対のコイルには、各回転子により駆動される各被駆動部材を、各ストッパで定められるゼロ位置方向に移動するように、各回転子を回転させる励磁信号が供給される。この励磁信号は、1サイクルのうちで各回転子の回転変移量が他のステップ間遷移時の回転変移量よりも大きい検出ステップが連続する連続検出ステップ7a、7b及び5a、5bを含んでいる。そして、各励磁信号はそれぞれ、検出ステップの半ステップずつ遅延して供給され、各ステッパモータに対応する各誘導電圧は、各励磁信号中の検出ステップの半分をそれぞれ用いて、一部並列的に検出される。このように、検出ステップは他のステップ間遷移時の回転変移量よりも大きいので、それに伴う磁束変化による誘導電圧も増大する。この増大した誘導電圧が、検出ステップの半分を用いて検出される。この際、各ステッパモータに対する誘導電圧検出に関連する回路の過度の増大を防止するために、各励磁信号はそれぞれ、検出ステップの半ステップずつ遅延して供給され、各誘導電圧の一部は並列的に検出される。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載のステッパモータ駆動回路は、請求項1記載のステッパモータ駆動回路において、前記複数のステッパモータは、3つのステッパモータであり、前記当接判断手段は、前記3つのステッパモータのうちの2つのステッパモータの各誘導電圧を並列的に検出することを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、3つのステッパモータのうちの2つのステッパモータの各誘導電圧が並列的に検出される。この結果、2系統の誘導電圧検出に関連する回路を用いるだけで、3つのステッパモータに対する誘導電圧を短時間で検出できる。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載のステッパモータ駆動回路は、請求項1又2記載のステッパモータ駆動回路において、前記励磁信号は、ステップ間遷移時に前記各回転子を等角度ずつ回転させる複数の基本励磁ステップ1、8、7、6、5、4、3、2で1サイクルが構成される基本励磁信号のうちの特定ステップ8及び6がこれに続く次ステップ7及び5に置換されて前記検出ステップが形成されたものであることを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、図3に示すような、ステップが遷移する毎に回転子3を等角度ずつ回転させる複数の基本励磁ステップ1、8、7、6、5、4、3、2で1サイクルが構成される基本励磁信号のうちの特定励磁ステップが次励磁ステップに置換された検出ステップ、また他の特定励磁ステップが次励磁ステップに置換された他の検出ステップが設けられた図2に示すような励磁信号が生成される。つまり、特定励磁ステップ8がスキップされ、代わりに励磁ステップ7が連続的に割り当てられ、また特定励磁ステップ6がスキップされ、代わりに励磁ステップ5が連続的に割り当てられることになる。すなわち、励磁ステップ1から一気にステップ7に遷移するようになり、回転子3もこの間の励磁信号の変化に応じて通常励磁ステップの2倍の角度回転することになる。また、励磁ステップ7から一気にステップ5に遷移するようになり、ここでも通常励磁ステップの2倍の角度回転することになる。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載のステッパモータ駆動回路は、請求項3記載のステッパモータ駆動回路において、前記計数機構から供給される計数データに応じて、前記基本励磁信号と同様の信号を、順方向又は逆方向に前記各一対のコイルに供給することにより、前記被駆動部材を前記計数データに応じた量だけ位置制御することを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、計数機構から供給される計数データに応じて、請求項3記載の基本励磁信号と同様の信号を、順方向又は逆方向に一対のコイルに供給することにより、被駆動部材を計数データに応じた量だけ位置制御する。なお、ここでいう順方向とは基本励磁信号を構成する各励磁ステップを1、2、3、4、5、6、7、8の順(ステップ番号昇べき順)に遷移させることを意味し、逆方向とは同じく各励磁ステップを8、7、6、5、4、3、2、1の順(ステップ番号降べき順)に遷移させることを意味するが、これら順方向と逆方向を入れ替えて考えても差し支えない。
【0022】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載のステッパモータ駆動回路は、請求項4記載のステッパモータ駆動回路において、車載されることを特徴とする。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、本ステッパモータ駆動回路は車載される。すなわち、車両では、各種の雑音や振動等が発生しやすく、上記計数機構による計数値と、ステッパモータの回転子3の位置関係との同期がずれる可能性のある環境にある。したがって、本ステッパモータ駆動回路をこのような環境下及び条件下において適用することは、非常に有効である。また、上述したようにステッパモータ筐体が必要以上に大型化することはないので、居住スペースが限られた車両に本発明を適用することは、非常に有効になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のステッパモータ駆動回路及びその適用例を示すブロック図である。
【0025】
図1に示す例では、ステッパモータ駆動回路1は、例えば、車速センサ、エンジン回転センサ及び燃料レベルセンサからの検出結果に基づいて、速度メータ、タコメータ及び燃料計それぞれの指針(又は被駆動部材)を駆動する。すなわち、ステッパモータ駆動回路1は、車速センサのセンサ出力PS1、エンジン回転センサのセンサ出力PS2、及び燃料レベルセンサのセンサ出力PS3に基づいて計数装置2が生成する出力端子TXDから供給される計数データを、計数データ入力端子RXDを介して受信する。
【0026】
そして、ステッパモータ駆動回路1は、速度メータのステッパモータの回転子3や、ここでは図示しないタコメータ及び燃料計の回転子を回転駆動するための励磁信号を励磁信号出力端子Tx11〜14、Tx21〜24及びTx31〜34から出力する。なお、速度メータ、タコメータ及び燃料計の動作は同等なので、以降は代表して、速度メータを用いて説明する。
【0027】
速度メータ用第1コイル1C1及び速度メータ用第2コイル1C2はその励磁信号に応じてそれぞれの端部a及びbがN極又はS極になり、回転子3に交互に均等に着磁されたN極及びS極との吸引又は反発作用によって、回転子3を回転駆動する。この回転子3は中間ギア4を介して出力ギア5に機械的に連結され、出力ギア5を回転駆動する。この回転駆動される出力ギア5は、この回転駆動に連動して速度メータ上に割り振られた速度目盛り8の所定値を指示する指針6を有している。例えば、増速時には回転子3、ギア4、5及び指針6は図中、矢印で示す時計回りの方向に回転移動し、減速時又はゼロ検時にはこれとは逆方向に回転移動する。
【0028】
通常時には、指針6は、センサ出力PS1に対応するメータ上の所定の速度目盛りを指示する。この指針6は、被駆動部材としてのストッパ7で定められ、これ以上指針6が図中矢印と逆方向に移動できない位置をゼロ位置としている。なお、目盛り上の表示原点、すなわち、速度0km/h点は上記ゼロ位置よりやや正転方向に移動した点に設けられている。
【0029】
上述のような通常時の動作に対して、この駆動回路1を搭載する車両の振動やエンジンノイズ等により発生した誤った駆動信号等により、指針6が本来移動すべき移動量と実際の移動量との間に差異が生じてしまう場合がある。このような場合を想定して、例えば、イグニッションスイッチのオンのタイミングで、指針6を指針ゼロ位置に戻すと共にこれに同期させて計数装置2による計数機構を初期設定するゼロ位置設定処理が行われる。上記指針6がゼロ位置に戻ったかどうか、すなわち、指針6がストッパ7に当接したかどうかを判定するために、回転子3の回転により発生する誘導電圧を検出し上記判定を行う前述のゼロ検が行われる。
【0030】
なお、本実施形態では、指針6がストッパ7に当接する位置をゼロ位置としているが、指針6の他に、ギア5に片を突設し、この片とストッパ7との当接する位置をゼロ位置としてもよい。要は、回転子3に駆動され、かつストッパ7に当接することで上記のようなゼロ位置を特定できる手段であればよく、上記指針や片に限定されることはない。請求範囲においては、これを被駆動部材と記載している。しかしながら、本実施形態においては、説明を簡略化するために、代表して指針6がストッパ7と当接したことに基づいて、一連のゼロ検処理が行われるものとして説明している。
【0031】
次にステッパモータ及びステッパモータ駆動回路1の構成に関して説明する。ステッパモータは、基本的に回転子3、及び一対のコイル、すなわち、速度メータ用第1コイル1C1及び速度メータ用第2コイル1C2から構成される。この速度メータ用第1コイル1C1の端子a及びbにはそれぞれステッパモータ駆動回路1の出力端子TX11及びTX12から、回転子3を駆動するための上記励磁信号が供給される。速度メータ用第2コイル1C2の端子a及びbにもそれぞれステッパモータ駆動回路1の出力端子TX13及びTX14から、回転子3を駆動するための励磁信号が供給される。
【0032】
上記速度メータ用第1コイル1C1及び速度メータ用第2コイル1C2は共に、回転子3を駆動すると共に後述する所定の励磁ステップ、すなわち、検出ステップのタイミングでは、回転子3の回転に基づき発生する誘導電圧を検出するための誘導電圧検出素子としても機能する。
【0033】
これら速度メータ用第1コイル1C1及び速度メータ用第2コイル1C2それぞれの端子bは、抵抗及びコンデンサから構成されるフィルタとしてのRC回路31及びRC回路32に接続される。これらを介して上記回転に応じた誘導電圧が誘導電圧入力端子RX1及びRX2に供給される。そして、これら誘導電圧が上記ゼロ検に用いられることになる。
【0034】
一方、ステッパモータ駆動回路1は、シリアルパラレル変換部11、波形パターン発生部12、第1誘導電圧比較部13、第2誘導電圧比較部14、ゼロ検制御部15及び出力バッファ部16を有する。
【0035】
シリアルパラレル変換部11は、計数データ入力端子RXDを介して計数装置2から送出されてくる上記3種類のセンサの計数データを時分割的に受信し、コイル1C1及び1C2等に供給する励磁信号に対応するパラレルデータに変換して波形パターン発生部12に供給する。
【0036】
波形パターン発生部12は、図示しないフィルタ部、SIN/COS変換部、パルス幅変調(PWM)出力部から基本的に構成される。フィルタ部は、受信したパラレルデータに対してそれぞれ所定の演算式に基づいてフィルタ処理をする。SIN/COS変換部は、フィルタ部での演算結果を基にSIN/COSの象限データ及びSIN/COSデータを所定時間毎に更新してPWM出力部に出力する。PWM出力部は、SIN/COS変換部からの所定時間毎に更新されるデータをPWM信号に変換して、例えば上記コイル1C1及び1C2に供給する励磁信号を生成して、励磁信号出力端子TX11、TX12、TX13及びTX14に供給する。
【0037】
波形パターン発生部12はまた、ゼロ検制御部15からの指令信号に応答して後述する励磁信号(1C1a、1C1b、1C2a及び1C2b信号等)を生成して、これを出力バッファ部16を介して、励磁信号出力端子TX11、TX12、TX13及びTX14に供給する。波形パターン発生部12は更にまた、指針6の滑らかな動きを見せるための回転子3をマイクロステップで制御する専用の駆動波形も発生し、ゼロ検制御部15は確実にゼロ検制御を行うためにこの専用の駆動波形を出力するように制御することもできる。
【0038】
第1及び第2誘導電圧比較部13及び14は共に、コンパレータから基本的に構成されており、端子RX1及びRX2から供給される各誘導電圧を受けて上記指針6がストッパ7に当接したかどうかを検出するための基準となる予め設定された基準電圧値とを比較し、比較結果をゼロ検制御部15に供給する。この基準電圧は、温度及び経年変化等に応じて、基準電圧設定端子RXR1及びRXR2により変更可能である。基準電圧設定端子RXR1及びRXR2は、例えば、1組のピンスイッチの組み合わせにより構成される。使用環境や経時変化等を考慮して、上記基準電圧を変更することができる。
【0039】
ゼロ検制御部15は、第1及び第2誘導電圧比較部13及び14からの比較結果、及びゼロ検指令信号入力端子RXZからのゼロ検指令信号に応答して、波形パターン発生部12に後述する図2に示す励磁信号(1C1a、1C1b、1C2a及び1C2b信号等)の生成を指令し、この生成された励磁信号を出力バッファ部16を介して出力させると共にゼロ検処理中であることを示すゼロ検モニタ信号を端子TXMに出力する。またゼロ検制御部15は、計数装置2からのゼロ検指令信号に応答して、シリアルパラレル変換部11に計数データの格納を停止するように指令を出す。
【0040】
更にゼロ検制御部15は、上記励磁信号に同期して所定のタイミングで第1及び第2コイル側検出タイミング信号HZS1及びHZC1等を生成し、それぞれのタイミングで対応する出力バッファ部16を波形パターン発生部12から切り離す。これら第1及び第2コイル側検出タイミング信号HZS1及びHZC1等は、誘導電圧比較部14にも供給される。
【0041】
上述の例は、速度メータに関わる動作を例にして説明したが、ここでは図示しないタコメータ及び燃料計に関しても同様である。すなわち、波形パターン発生部12は、ゼロ検制御部15からの指令信号に応答してタコメータに対する励磁信号(2C1a、2C1b、2C2a及び2C2b信号等)を生成して、これを出力バッファ部16を介して、励磁信号出力端子TX21、TX22、TX23及びTX24に供給する。波形パターン発生部12はまた、ゼロ検制御部15からの指令信号に応答して燃料計に対する励磁信号(3C1a、3C1b、3C2a及び3C2b信号等)を生成して、これを出力バッファ部16を介して、励磁信号出力端子TX21、TX22、TX23及びTX24に供給する。これらの信号については、図2を用いて再度説明する。
【0042】
また、タコメータ及び燃料計は、上述した速度メータのコイル1C1、1C2、回転子3、中間ギア4、出力ギア5、指針6及びストッパ7と同等の部材を有している。基本動作も同等である。ここでは、コイル1C1及び1C2に対応させて、タコメータ用としてはタコメータ用第1コイル2C1及びタコメータ用第2コイル2C2が具備され、燃料計用としては燃料計用第1コイル3C1及び燃料計用第2コイル3C2が具備されるものとする。
【0043】
このタコメータ用第1コイル2C1の端部a及び端部bにはそれぞれ、上記出力端子TX21及び22が接続され、タコメータ用第2コイル2C2の端部a及び端部bにはそれぞれ、上記出力端子TX23及び24が接続されている。また、燃料計用第1コイル3C1の端部a及び端部bにはそれぞれ、上記出力端子TX31及び32が接続され、燃料計用第2コイル3C2の端部a及び端部bにはそれぞれ、上記出力端子TX33及び34が接続されている。更に、タコメータ用第1コイル2C1及び燃料計用第1コイル3C1の端部bは共に第1RC回路31に接続され、タコメータ用第2コイル2C2及び燃料計用第2コイル3C2の端部bは共に第2RC回路32に接続されている。
【0044】
次に図2及び前述した図6を用いて、本実施形態に関わる各励磁ステップ、信号波形、各検出タイミング信号、及び回転子の回転パターンの関係を説明しつつ、本実施形態を説明する。
【0045】
図2は、速度メータ、タコメータ及び燃料計の各ステッパモータの回転子に対する励磁信号の各励磁ステップにおける信号波形、並びに検出タイミング信号の関係を示す図である。図6は、上述したように各励磁ステップと回転子の回転パターンとの関係を示す図である。本実施形態では、図6で示した先願と同様の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を有するので、ここではそれを再利用する。
【0046】
図2において、長方形の中の数字はステップ番号を示す。速度メータ、タコメータ及び燃料計の各ステッパモータに含まれる各回転子は共に、5つのN極及びS極が交互に均等に着磁された5磁極対であるとする。ゼロ検時には矢印で示す半時計周りの方向に回転子3が回転するものと想定する。そして、各メータにおいて、励磁ステップ7a(又は7b)に同期させて、指針がストッパに当接するように初期設定されているとする。
【0047】
速度メータの回転子を回転させるための励磁信号は、1C1a信号、1C1b信号、1C2a信号及び1C2b信号からなり、これらはH(ハイレベル)及びL(ローレベル)の組み合わせにより構成される。このHは例えば5ボルトであり、Lは0ボルトである。コイル1C1の両端子a及びbにはそれぞれ図2に示されているような1C1a信号、及び1C1b信号が供給される。同様にコイル1C2の両端子a及びbにはそれぞれ1C2a信号及び1C2b信号が供給される。これら信号が供給された各コイル1C1及び1C2は、それらの端子a及びbに供給される上記信号の電位差に応じて電流が流れ、回転子に対抗するコイル端部がN極又はS極になり、回転子に均等に着磁されたN極又はS極に反発又は吸引されて回転子を回転駆動する。これらの励磁信号はゼロ検制御部15からの指令に応答して、波形パターン発生部12で生成され、出力バッファ部16を介して出される。
【0048】
図2において、図1で示したように回転子3にギア連結された指針6がストッパ7で定められたゼロ位置方向に移動するように回転子を回転させるための励磁信号の1サイクルは、複数の励磁ステップ1、7a、7b、5a、5b、4、3及び2で構成されている。
【0049】
励磁ステップ1の励磁信号(1C1a信号、1C1b信号、1C2a信号及び1C2b信号からなる)と、それに対応する図5に示すような回転子の回転パターンとが同期しており、励磁ステップが1、7a、7b、5a、5b、4、3及び2の順に遷移するにしたがって、回転子は図5に示すように所定の角度ずつ回転していく。例えば、各ステップはそれぞれ、32msずつ割り当てられている。
【0050】
詳述すると、図6の括弧内の回転角で示されるように、励磁ステップ1から7aに遷移する際には、回転子はその励磁信号(1C1a信号、1C1b信号、1C2a信号及び1C2b信号)によって、回転角0度から18度に角度変移する。励磁ステップ7aから7bに遷移する際には、励磁信号の波形は変化しないので回転角は18度のままである。励磁ステップ7bから励磁ステップ5aに遷移する際には回転角18度から36度に角度変移する。励磁ステップ5aから5bに遷移する際には、励磁信号の波形は変化しないので回転角は36度のままである。
【0051】
励磁ステップ5bから励磁ステップ4に遷移する際には、角度変移量は9度となり、回転角36度から45度に角度変移する。同様に、励磁ステップ5から4、励磁ステップ4から3及び励磁ステップ3から2にそれぞれ遷移する際も、角度変移は9度ずつであり、それぞれのステップに対応する回転角は、45度、54度、及び63度となる。なお、励磁ステップ2から次のサイクルの励磁ステップ1に遷移する際の角度変移量も9度である。
【0052】
このように検出ステップ7a、7b、及び5a、5bに他のステップから遷移する際に回転子3の回転量が大きくなるので、それに応じて磁束変化による誘導電圧も増大する。この結果、回転子3が回転している際、すなわち、未だ指針6がストッパ7に当接していない際の誘導電圧が確実に検出できるようになる。もちろん、指針6がストッパ7に当接した際には上記誘導電圧はゼロに近くなるはずなので、指針6がストッパ7に当接している時としてないときの誘導電圧の差が大きくなる。この結果、指針6がストッパ7に当接したかどうかの判断が容易になり、すなわち、ゼロ検が確実にできるようになる。
【0053】
速度メータのゼロ検時には、上述のような複数の励磁ステップからなるサイクルが、指針6がストッパ7に当接して回転子3が回転できなくなるまで、すなわち、コイル1C1又はコイル1C2により検出される誘導電圧が、検出ステップ7a及び5aにおいて、所定の基準電圧を下回るまで原則的に繰り返される。
【0054】
第1コイル側検出タイミング信号HZS1は上記検出ステップ5aのタイミングで、コイル1C1に発生する誘導電圧を検出するための制御信号である。この検出タイミング信号に応答して、図1で示したRC回路31を介して、検出された誘導電圧が第1誘導電圧比較部13に供給される。
【0055】
また、第2コイル側検出タイミング信号HZC1は上記検出ステップ7aのタイミングで、コイル1C2に発生する誘導電圧を検出するための制御信号である。この検出タイミング信号に応答して、図1で示したRC回路32を介して、検出された誘導電圧が第2誘導電圧比較部14に供給される。
【0056】
上記第1及び第2コイル側検出タイミング信号HZS1及びHZC1がそれぞれH(ハイレベル)となる検出ステップ5a、5b、及び7a、7bにおいては回転子3を回転させるための駆動電圧は片励磁状態である(図6参照)。すなわち、回転子3の回転に影響を与えることなく、コイルC1及びC2が、駆動用及び誘導電圧検出用としてより兼用化できる。したがって、検出専用コイルを別途、具備する必要がない。
【0057】
上記各検出タイミングで誘導電圧比較部14に供給された誘導電圧は、指針6がストッパ7に当接したと判定するために予め定められた所定の基準電圧と比較されることになる。すなわち、上記検出タイミングでは、指針6がストッパ7に当接してない限り、回転子3が回転するので誘導電圧が発生する。指針6がストッパ7に当接すると、回転子3はそれ以上図6に示す矢印方向に回転することができないので誘導電圧は発生せず上記基準電圧を下回り、これにより指針のゼロ位置復帰動作が終了したと判断することができる。
【0058】
また、タコメータの回転子に対する励磁信号(2C1a信号、2C1b信号、2C2a信号及び2C2b信号からなる)、第1コイル側検出タイミング信号HZS2、第2コイル側検出タイミング信号HZC2、並びに、燃料計の回転子に対する励磁信号(3C1a信号、3C1b信号、3C2a信号及び3C2b信号からなる)、第1コイル側検出タイミング信号HZS3、第2コイル側検出タイミング信号HZC3のそれぞれの1サイクル中の信号波形、及び各励磁ステップと回転子の回転パターンとの関係も上記速度メータのそれらと同様である。
【0059】
但し、タコメータの回転子に対する上記励磁信号及び両検出タイミング信号は、速度メータの回転子に対するそれらよりも、1ステップ(請求項中の「検出ステップの半ステップ」に相当)だけ遅延して供給されている。また、燃料計の回転子に対する励磁信号も、タコメータの回転子に対するそれらよりも、同様に、1ステップだけ遅延して供給されている。そして、このような速度メータ、タコメータ、燃料計に対応する信号は、それら全ての指針のゼロ位置復帰動作が終了したと判断されるまで、循環的に繰り返し供給され続ける。なお、請求項中の検出ステップ及び連続検出ステップの関係は、図2に示す通りである。
【0060】
タコメータのゼロ検時には、速度メータのゼロ検時と同様、上記励磁信号(2C1a信号、2C1b信号、2C2a信号及び2C2b信号からなる)が、その指針がストッパに当接して回転子が回転できなくなるまで、すなわち、コイル2C1又はコイル2C2により検出される誘導電圧が、タコメータの回転子に対応する検出ステップ7a及び5aにおいて、所定の基準電圧を下回るまで原則的に繰り返される。第1コイル側検出タイミング信号HZS2は上記検出ステップ5aのタイミングで、コイル2C1に発生する誘導電圧を検出するための制御信号である。この検出タイミング信号に応答して、図1で示したRC回路31を介して、検出された誘導電圧が第1誘導電圧比較部13に供給される。また、第2コイル側検出タイミング信号HZC2は上記検出ステップ7aのタイミングで、コイル2C2に発生する誘導電圧を検出するための制御信号である。この検出タイミング信号に応答して、図1で示したRC回路32を介して、検出された誘導電圧が第2誘導電圧比較部14に供給される。
【0061】
燃料計のゼロ検時も、同様に、上記励磁信号(3C1a信号、3C1b信号、3C2a信号及び3C2b信号からなる)が、その指針がストッパに当接して回転子が回転できなくなるまで、すなわち、コイル3C1又はコイル3C2により検出される誘導電圧が、燃料計の回転子に対応する検出ステップ7a及び5aにおいて、所定の基準電圧を下回るまで原則的に繰り返される。第1コイル側検出タイミング信号HZS3は上記検出ステップ5aのタイミングで、コイル3C1に発生する誘導電圧を検出するための制御信号である。この検出タイミング信号に応答して、図1で示したRC回路31を介して、検出された誘導電圧が第1誘導電圧比較部13に供給される。また、第2コイル側検出タイミング信号HZC3は上記検出ステップ7aのタイミングで、コイル3C2に発生する誘導電圧を検出するための制御信号である。この検出タイミング信号に応答して、図1で示したRC回路32を介して、検出された誘導電圧が第2誘導電圧比較部14に供給される。
【0062】
このようにして、第1誘導電圧比較部13及び第2誘導電圧比較部14に供給された各メータからの誘導電圧は、各指針がストッパに当接したかどうかを検出するための基準となる予め設定された基準電圧値とそれぞれ比較され、それら比較結果がゼロ検制御部15に供給される。そして、この判断結果に基づき、ゼロ検制御部15は、波形パターン発生部12及び出力バッファ部16を制御して、ゼロ位置復帰動作が未終了と判断されるメータの回転子に対する励磁信号の供給を継続させたり、ゼロ位置復帰動作が終了したと判断されるメータの回転子に対する励磁信号の供給を停止させたりする。そして、ゼロ検制御部15は、全てのメータの指針に対するゼロ位置復帰動作が終了したと判断すると、ゼロ検処理終了を示すゼロ検終了信号を端子TXMに出力する。このゼロ検終了信号を入力端子RXMを介して受信した計数装置2は、各メータに対する計数機構を初期設定するゼロ位置設定処理を行なう。
【0063】
このように、検出ステップ7a、7b及び5a、5bに対する回転変移量は、他のステップ間遷移時の回転変移量よりも大きいので、それに伴う磁束変化による誘導電圧も増大する。この増大した誘導電圧が、検出ステップの半分(7a及び5a)を用いて検出される。この際、各ステッパモータに対する誘導電圧検出に関連する回路の過度の増大を防止するために、各励磁信号はそれぞれ、検出ステップの半ステップずつ遅延して供給され、各誘導電圧の一部は並列的に検出される。この結果、回路規模の増加が必要最低限に抑えられつつ、全検出時間ができる限り短縮化され、更に被駆動部材のストッパへの当接が容易に検出されるようになる。誘導電圧を増大させて、当接検出を容易にすることは、換言すると、被駆動部材の初期設定を容易にすることにもなる。
【0064】
特に、図2に示すように、3つのステッパモータのうちの2つのステッパモータの各誘導電圧を並列的に検出させると、2系統の誘導電圧検出に関連する回路(すなわち、第1RC回路31、第1誘導電圧比較部13からなる系統、及び第2RC回路32、第2誘導電圧比較部14からなる系統)を用いるだけで、3つのステッパモータに関する誘導電圧を短時間に検出できるようになる。例えば、2系統の誘導電圧検出回路を用いた場合、従来、図7(B)に示すように、検出時間T3は8ステップ相当も要したのに対して、本実施形態によれば、図2に示すように全検出時間T1は5ステップ相当に短縮される。
【0065】
また、図1の適用例で示したように、本実施形態のステッパモータ駆動回路は車載用として非常に有用である。すなわち、車両では、各種の雑音や振動等が発生しやすく、計数機構による計数値と、ステッパモータの回転子3の位置関係との同期がずれる可能性のある環境にある。したがって、このような環境下及び条件下の車内に、本実施形態のステッパモータ駆動回路を採用することは、非常に有効である。また、上述したように駆動用コイルと誘導電圧検出用コイルの兼用化により、ステッパモータ筐体の小型化が可能になるので、居住スペースが限られた車内に本実施形態のステッパモータ駆動回路を採用することは、非常に有用である。
【0066】
なお、ここで、上記励磁信号の基本となる基本励磁信号について図3及び図4を用いて補足説明しておく。図3は、図2で示した本実施形態の基本となる基本励磁信号の各励磁ステップにおける信号波形を示す図である。図4は、図3の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を示す図である。これら図3及び図4において示される参照番号等は、前述の図6で示したものと同様の意味を示す。
【0067】
ここで示す基本励磁信号は、回転子を各ステップ間遷移時に同角度ずつ、すなわち9度ずつ回転させるものである。この励磁信号の1サイクルは、励磁ステップ1、8、7、6、5、4、3及び2から構成されている。例えば、各励磁ステップはそれぞれ、32msずつ割り当てられている。
【0068】
実施形態を示す図2とこの図3とを比較すればわかるように、上記基本励磁信号の1サイクルを構成するステップのうちの特定励磁ステップ8が次励磁ステップ7に置換された検出ステップ7a、7b、また特定励磁ステップ6が次励磁ステップ5に置換された検出ステップ5a、5bが設けられて、図2に示すような本実施形態の励磁信号が生成される。つまり、特定励磁ステップ8がスキップされ、代わりに励磁ステップ7が連続的に割り当てられ、また特定励磁ステップ6がスキップされ、代わりに励磁ステップ5が連続的に割り当てられることになる。
【0069】
したがって、図2で示した実施形態では、励磁ステップ1から一気にステップ7に遷移するようになり、回転子3もこの間の励磁信号の変化に応じて通常励磁ステップの2倍の角度回転することになる。また、励磁ステップ7から一気にステップ5に遷移するようになり、ここでも通常励磁ステップの2倍の角度回転することになる。
【0070】
このように、検出ステップ7a、7b、及び5a、5b以外では各励磁ステップごとに等角度毎回転することによりスムーズに回転子3の回転運動を維持しつつ、検出励磁ステップ7a、7b、及び検出ステップ5a、5bによりそれぞれ一気に基本励磁ステップの2倍の角度回転し、更にこれらは連続的発生するので、より大きな誘導電圧をより長時間検出できるようになり、指針6がストッパ7に当接した際の誘導電圧との差がより明確になり、より確実にゼロ検が行えるようになる。
【0071】
また、この図3に示す基本励磁信号は、ゼロ検以外の通常時にステッパモータを駆動する励磁信号として用いられる。この際には、各ステップの割当時間は所望の値に設定されることになる。ゼロ検時以外の通常時には、この図3で示す各ステップが、計数装置(計数機構)から供給される角度データに応じて、図中、右から左(順方向)又は左から右(逆方向)に遷移して、第1及び第2コイルC1及びC2に供給されることにより、回転子を時計回り又は半時計回りに回転させ、指針6を角度データに応じた量だけ位置制御することになる。
【0072】
このように、ゼロ検時及び通常時に利用される回転子の励磁信号は、検出ステップ7a、7b、5a、5bを除き同じになる。したがって、ゼロ検時及び通常時それぞれに対して全く別パターンの信号が用いられることがないので、回転子3の駆動制御が必要以上に複雑化することはない。
【0073】
また、本実施形態では励磁ステップ1で第2コイルが、N極を引っ張るようにしているが、S極を引っ張るようにしてもよい。その際には、ストッパ7に当接した際の回転子3の回転パターンや各励磁ステップでの信号波形は本実施形態とは異なるものになる。
【0074】
更に、本発明はゼロ検時の回転子の回転方向は本実施形態に示した方向に限定するものではない。両コイルの配極変更、ストッパの位置変更等も可能である。例えば、ゼロ位置検出時のみに出現するストッパにより定められる位置を上記ゼロ位置としてもよい。
【0075】
また更に、励磁信号は8ステップを1サイクルとするタイプに限定するものでなく、例えば、4ステップを1サイクルとするタイプでもよいし、回転子も5磁極対に限定するものでなく、例えば、3磁極対であってもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、検出ステップは他のステップ間遷移時の回転変移量よりも大きいので、それに伴う磁束変化による誘導電圧も増大する。この増大した誘導電圧が、検出ステップの半分を用いて検出される。この際、各ステッパモータに対する誘導電圧検出に関連する回路の過度の増大を防止するために、各励磁信号はそれぞれ、検出ステップの半ステップずつ遅延して供給され、各誘導電圧の一部は並列的に検出される。この結果、回路規模の増加が必要最低限に抑えられつつ、全検出時間ができる限り短縮化され、更に被駆動部材のストッパへの当接が容易に検出されるようになる。誘導電圧を増大させて、当接検出を容易にすることは、換言すると、被駆動部材の初期設定を容易にすることにもなる。
【0077】
請求項2記載の発明によれば、3つのステッパモータのうちの2つのステッパモータの各誘導電圧が並列的に検出される。この結果、2系統の誘導電圧検出に関連する回路を用いるだけで、3つのステッパモータに対する誘導電圧を短時間で検出できるようになる。
【0078】
請求項3記載の発明によれば、励磁ステップ1から一気にステップ7に遷移するようになり、回転子もこの間の励磁信号の変化に応じて通常励磁ステップの2倍の角度回転することになる。また、励磁ステップ7から一気にステップ5に遷移するようになり、ここでも通常励磁ステップの2倍の角度回転することになる。すなわち、2倍の回転角を有するステップが連続することになるので、より大きな誘導電圧をより長時間検出できるようになる。この結果、被駆動部材の一部がストッパ7に当接した際の誘導電圧との差がより明確になり、より確実にゼロ検が行えるようになる。また、検出ステップ7a、7b、及び5a、5b以外では各励磁ステップごとに等角度毎回転するので、スムーズに回転子3の回転運動が維持されつつ、上記の効果が得られることになる。
【0079】
請求項4記載の発明によれば、ゼロ検時及び通常時に利用される回転子3の励磁信号が検出ステップ7a、7b、5a、5bを除き同じになる。したがって、ゼロ検時及び通常時それぞれに対して全く別パターンの回転子駆動信号が用いられることがないので、回転子3の駆動制御が必要以上に複雑化することがない。
【0080】
請求項5記載の発明によれば、ステッパモータ駆動回路は車載される。すなわち、車両では、各種の雑音や振動等が発生しやすく、上記計数機構による計数値と、ステッパモータの回転子3の位置関係との同期がずれる可能性のある環境にある。したがって、本発明のステッパモータ駆動回路をこのような環境下及び条件下において適用することは、非常に有効である。また、上述したように駆動用コイルと誘導電圧検出用コイルの兼用化により、ステッパモータ筐体の小型化が可能になるので、居住スペースが限られた車両に本発明を適用することは、非常に有効になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステッパモータ駆動回路及びその適用例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による各励磁ステップに対応する励磁信号及び検出タイミング信号の関係を示す図である。
【図3】基本励磁信号の各励磁ステップに対応する信号波形を示す図である。
【図4】図3の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を示す図である。
【図5】先願発明による各励磁ステップに対応する励磁信号及び検出タイミング信号の関係を示す図である。
【図6】図5の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を示す図である。
【図7】想定される従来による全検出時間を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ステッパモータ駆動回路
2 計数装置(同期手段)
3 回転子
4 中間ギア
5 出力ギア
6 指針
7 ストッパ
8 速度目盛り
11 シリアルパラレル変換部
12 波形パターン発生部(励磁信号供給手段)
13 第1誘導電圧比較部(当接判断手段)
14 第2誘導電圧比較部(当接判断手段)
15 ゼロ検制御部
16 出力バッファ部
31 第1RC回路(当接判断手段)
32 第2RC回路(当接判断手段)

Claims (5)

  1. 複数のメータにそれぞれ含まれ、N極及びS極が交互に均等に着磁された回転子と、複数の励磁ステップで1サイクルが構成される励磁信号に応答して前記回転子を回転させる、相互に所定の角度で配置された一対のコイルとをそれぞれ有する複数のステッパモータを駆動させるステッパモータ駆動回路であって、
    前記複数のステッパモータの各回転子により駆動される各被駆動部材が、各ストッパで定められるゼロ位置方向に移動するように前記各回転子を回転させる前記励磁信号を生成し、前記複数のステッパモータの前記各一対のコイルにそれぞれ供給する励磁信号供給手段と、
    前記複数のステッパモータの各回転子の回転に伴い発生する各誘導電圧の検出に基づいて、前記各被駆動部材が前記各ストッパにそれぞれ当接したかどうかを判断する当接判断手段と、
    前記当接判断手段による判断に基づいて、前記各被駆動部材の当接位置を計数機構に同期させる同期手段とを備え、
    前記励磁信号は、前記1サイクルのうちで前記各回転子の回転変移量が他のステップ間遷移時の回転変移量よりも大きい検出ステップが連続する連続検出ステップを含み、
    前記複数のステッパモータに供給される各励磁信号はそれぞれ、前記検出ステップの半ステップずつ遅延して供給され、
    前記複数のステッパモータに対応する前記各誘導電圧は、前記各励磁信号中の前記検出ステップの半ステップにおいて検出され、かつ、その一部は並列的に検出される
    ことを特徴とするステッパモータ駆動回路。
  2. 請求項1記載のステッパモータ駆動回路において、
    前記複数のステッパモータは、3つのステッパモータであり、
    前記当接判断手段は、前記3つのステッパモータのうちの2つのステッパモータの各誘導電圧を並列的に検出する
    ことを特徴とするステッパモータ駆動回路。
  3. 請求項1又2記載のステッパモータ駆動回路において、
    前記励磁信号は、ステップ間遷移時に前記各回転子を等角度ずつ回転させる複数の基本励磁ステップで1サイクルが構成される基本励磁信号のうちの特定ステップがこれに続く次ステップに置換されて前記検出ステップが形成されたものである
    ことを特徴とするステッパモータ駆動回路。
  4. 請求項3記載のステッパモータ駆動回路において、
    前記計数機構から供給される計数データに応じて、前記基本励磁信号と同様の信号を、順方向又は逆方向に前記各一対のコイルに供給することにより、前記被駆動部材を前記計数データに応じた量だけ位置制御する
    ことを特徴とするステッパモータ駆動回路。
  5. 請求項4記載のステッパモータ駆動回路において、
    車載されることを特徴とするステッパモータ駆動回路。
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