JP3785084B2 - 血管内皮機能測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管内皮機能測定装置に関し、特に利用価値の高い血管内皮機能の指標を測定可能な血管内皮機能測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動脈硬化の有無を検出するため、脈波速度(PWV:Pulse Wave Velocity)検査が広く用いられている。PWVは血管上の2点の脈波を測定し、その伝播時間と測定位置間の距離によって求めることができる。動脈硬化が進んで血管が堅くなるとPWVは大きくなる。
【0003】
一方、PWV以外の動脈硬化の指標としての、血管内皮機能測定が注目されている。血管内皮細胞はさまざまな生理活性物質を産生、分泌して血小板の凝集抑制(血栓の形成抑制)、白血球接着分子の発現抑制、血管平滑筋の弛緩(血管の拡張)などの、血管全体の働きや構成を制御することが知られている。そして、近年、血管内皮機能の低下が動脈硬化症の初期変化であるとの認識が深まってきている。
【0004】
上述した主な血管内皮機能のうち、非侵襲的に測定が可能なものは血管の拡張機能である。血管内皮細胞は内皮由来拡張因子(EDRF)とも呼ばれる一酸化窒素(NO)を産生し、血管を拡張させる。血管内皮細胞の機能は血流による刺激、より具体的には血液によるずり応力に依存するため、血管を圧迫して血流を止めたのち、一気に解放し、解放後の血管拡張の程度を測定して血管内皮機能の指標としていた。
【0005】
より具体的には、例えば超音波診断装置を用いて腕の所定部位で安静状態での血管径を検出する。その後カフを用いてこの所定部位を最大収縮期血圧+30mmHg程度の圧力で圧迫し、一定時間、例えば5分間駆血する。そして、駆血解除後、所定時間(例えば1分)経過後、再び所定部位の血管径を測定して、駆血前後の血管径を比較することによって血管の拡張割合を測定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまで、血管内皮機能の測定方法として確立された方法はなく、駆血部位、駆血圧、駆血時間、駆血後の測定時間等は測定者レベルで個々に設定されていたため、測定結果には定量性と、相互の比較に問題があった。
【0007】
仮に、駆血部位等の測定条件を全被験者について統一したとしても、駆血部位における血管径には個人差があり、有意な比較が行えるのはせいぜい同一被験者に対する測定結果に止まっていた。しかも、同一被験者であってもその時々で血圧や血流量等が異なるため、厳密に言えば測定結果の利用価値は基本的に個々の測定値にしかなかった。
【0008】
また、これまでは短くても5分間程度の駆血を行うことが多く、被験者の負担も小さくなかった。
【0009】
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、定量的な血管内皮機能の測定を可能とした血管内皮機能測定装置を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、被験者の負担を軽減化することが可能な血管内皮機能測定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、被験者の所定部位における血管内に発生するずり応力を求めるずり応力算出手段と、ずり応力に応じて変化する血管及び/又は血流に関する情報の変化量を、ずり応力の所定時間累計値で正規化した値を血管内皮機能の指標として求める指標算出手段とを有することを特徴とする血管内皮機能測定装置に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明をその好適な実施形態を用いて詳細に説明する。■(測定原理)
まず始めに、本発明による血管内皮機能測定装置における測定原理について説明する。本発明は、血管内皮機能の指標として、血流によるずり応力とそれに伴う血管径の拡張、血流量の変化もしくは末梢血管抵抗との関係を正規化した値を用いることを特徴とする。換言すれば、血管内皮細胞への入力値をずり応力、出力値を血管径の拡張割合、血流量もしくは末梢血管抵抗の増加率とし、両者の関係を正規化することを特徴とする。
【0013】
上述の通り、血管内皮細胞の機能、具体的には血管径の変化(血流量、末梢血管抵抗の変化)は血流のずり応力によって引き起こされる。ずり応力τは、血管を円筒管として考えると、
τ=4μQ/πr (1)
で与えられる。だたし、Qは血流量(ml/sec)、rは血管の内半径(mm)、μは粘性係数である。ここで、粘性係数μは血液のヘマトクリット値(Ht)に依存するので、詳細な比較を必要とする場合には様々な手段を用いて得られたヘマトクリット値による粘性係数を使用することが良いが、生理的範囲では最大でも30%弱の粘性の変動であり、その程度の誤差を了解した上での比較は可能である。もちろん、個々の被験者の駆血前後比較のように短期間であれば粘性の変化を無視できる。
一方、血液の見かけの粘性(相対粘性)は血管径が細くなるにつれて変化するが、半径1mm以上であればほとんど変化しないことが判っている。ちなみに成人の上腕動脈の平均的な血管半径は1.5mm程度である。従って、通常の測定においては相対粘性を考慮する必要はない。
【0014】
本発明においては、このずり応力τを仕事としてとらえ、駆血解放直後から所定時間継続的に測定したずり応力τの総和(積分)を血管内皮への入力値として用いる。μが定数として取り扱い可能な、比較的太い血管を用いて測定を行う場合、ずり応力τの総和は駆血解放時から血流量と血管内半径とを連続的に測定し、上述の式(1)から求めた瞬時ずり応力値を所定時間積分(加算)することによって容易に求めることができる。
【0015】
すなわち、図4に示すように、駆血解放時から継続的に求めた瞬時ずり応力値を所定時間(t1とする)加算することにより、斜線部分の面積としてずり応力の総和、すなわち血管内壁に与えた仕事量Στを求めることができる。
あるいは、一定時間ではなく、血管抵抗とコンプライアンスで決定される時定数までの総和としてもよい。具体的には、ずり応力が自然対数的に変化するとすると、ずり応力が初期値(駆血解放後の最大値)から約63.2%減衰するまで(換言すれば、初期値の約37.8%の値になるまで)の総和を仕事量Στとして用いてもよい。
すなわち、本発明において測定値の正規化に用いるずり応力は定量的な仕事量であれば任意の方法で求めることができる。
【0016】
駆血解放後の血管径拡張率については、従来と同様、駆血前の血管径と、駆血解放後所定時間経過した時点で測定した血管径とを用いて求めることができる。血管径拡張率ではなく血流量や末梢血管抵抗の変化率を出力値として利用することも可能である。
【0017】
例えば、所定時間におけるずり応力の総和をΣτ、駆血前の血管径をR0、駆血解放後所定時間たった時点の血管径をR1とすると、
a=(R1−R0)/Στ 又は
((R1−R0)/R0)/Στ (2)
として正規化された血管内皮機能の指標値aが求められる。
同様に、所定時間におけるずり応力の総和をΣτ、駆血前の血流量をQ0、駆血解放後所定時間たった時点の血流量をQ1とすると、
b=(Q1−Q0)/Στ 又は
((Q1−Q0)/Q0)/Στ (3)
として別の正規化された血管内皮機能の指標値bが求められる。
加えて、所定時間におけるずり応力の総和をΣτ、駆血前の末梢血管抵抗をZ0、駆血解放後所定時間たった時点の末梢血管抵抗をZ1とすると、
c=(Z0−Z1)/Στ 又は
((Z0−Z1)/Z0)/Στ (4)
としてさらに別の正規化された血管内皮機能の指標値cが求められる。
なお、所定時間におけるずり応力の総和Στではなく、所定時間内の平均ずり応力τ(ave)を用いて正規化を行った結果を血管内皮機能の指標値として用いても良い。
【0018】
本発明において、血流量と血管半径の測定方法は任意だが、例えば超音波診断装置を用いることができる。この場合、特に測定部位の制限はない。
【0019】
このように、駆血解放後所定時間におけるずり応力の総和(又は所定時間内の平均ずり応力)を用いて血管径、血流量又は末梢血管抵抗の変化を正規化することにより、測定部位、測定日時、駆血時間もしくは被測定者が異なる場合であっても、同一の指標を用いて測定結果を比較することが可能となり、測定結果の利用価値が非常に広くなる。
さらに、駆血時間を短縮することが可能になるため、被験者の負担を軽減することが可能である。
【0020】
■(血管内皮機能測定装置の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る血管内皮機能測定装置の構成性を示すブロック図である。なお、本実施形態においては血流量や血管径等のずり応力算出に必要な情報を収集する測定手段としてドプラ血流速度計と血管径をトレース可能な超音波診断装置を用いた場合を説明するが、上述したように本発明においてこれらの情報をどのような方法によって測定するかは本質的な事項ではなく、任意の測定方法を利用することができる。
【0021】
図1において、10は本実施形態に係る血管内皮機能測定装置の全体制御を司る演算制御部であり、図示しないCPU、ROM、RAM等から構成され、例えばROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより後述する計測処理を含めた装置全体の制御を実行する。
【0022】
演算制御部10は、ドプラ血流速度計測部30を用いて検出した血流速度、超音波診断部40で測定した血管径等を用いて血流量及びずり応力(及びその積分値)を算出する。また、駆血前後の測定値を比較して正規化された血管内皮機能の指標値を算出する。
【0023】
20は血圧計測及び駆血制御部であり、血圧測定/駆血用カフ22の加圧、計測制御を行って被検者の例えば駆血前の血圧測定及び前腕の駆血を行う血圧計測及び駆血制御部である。血圧は、末梢血管抵抗の算出に用いられる(平均血圧値BPmean/血流量Q=末梢血管抵抗Z)。
【0024】
血圧計測及び駆血制御部20は、通常の血圧測定装置の有する各構成、例えば、カフ内圧を検出する圧力センサ、カフ22のゴム嚢22aを加圧する加圧ポンプ、カフ内圧を定速度で減圧して例えば血圧測定などを行うための定速排気弁、駆血解除の場合など急速にカフ内圧を減圧するための急速排気弁、最高血圧値、最低血圧値、平均血圧値を決定する血圧決定部等を包含する。これらの構成については公知であるため詳細の説明は省略する。
【0025】
22は被検者の前腕(又は上腕、下肢)に巻回して血圧測定及び駆血が可能な加圧用のゴム嚢22aを備える血圧測定/駆血用カフである。
【0026】
30はドプラ効果を利用して血管内の血流速度を検出する血流速度計測部、35はプローブ(ドプラセンサ)であり、その先端部近傍より所定周波数の超音波信号を送出すると共に、被検者の血球より反射してくるドプラ信号を検出して被検者の検出器35装着位置における血管内の血流速度を計測する。
40は超音波診断部であり、被験者に装着した超音波プローブ45からの反射波を解析、画像処理を行い、血管径をリアルタイムに計測する。計測した血管径は演算制御部10に供給され、血流速度計測部30で測定した血流速度とともに血流量Qの算出に用いられる。
【0027】
本実施形態では、ドプラ血流速度計測部30は例えば5MHz〜10MHzの超音波信号を発振する発振部(図示せず)を内蔵し、発振部よりの超音波信号をプローブ35から送信するとともに、反射波を受信し、送信した超音波信号と受信反射波との周波数変化(ドプラ偏位)によって血流速度を検出可能である。また、超音波診断部40も同様のプローブ45を用いるが、反射波から血管画像を生成し、この血管画像から血管径(半径)をリアルタイムで計測可能である。
測定した血管の半径rと、血流速度計測部30で計測した血流速度vとを以下の式に代入し、血流量Qを求めることができる。
Q=πr
なお、ドプラ効果を利用した血流速度、血流量、血管径の検出原理については公知であるため、その詳細については説明を省略する。
【0028】
なお、本実施形態においてはドプラ血流速度計測部30が行うドプラ信号を用いた血流速度の算出、超音波診断部40が行う血管画像を用いた血管径の算出は演算制御部10で行い、ドプラ血流速度計測部30及び超音波診断部40は、それぞれドプラ信号及び血管画像情報のみを演算制御部10へ供給するように構成することも可能である。
【0029】
70は各種の操作ガイダンスや計測結果、診断指標等を表示可能な表示部、75は計測結果、診断指標等を記録出力可能な記録部、80は計測結果、診断指標等を記憶、保存する保存部であり、光/磁気記録媒体や半導体メモリを用いた外部記憶装置により構成可能である。85は音声でのガイダンス出力や各種報知音が出力可能な音声発生部である。
【0030】
図2は、図1の血管内皮機能測定装置のカフ22及びプローブ35の装着例を示す図である。本実施形態では、上腕部を測定部位とする場合を例として説明する。しかし、この例に限定されるものではなく、下肢を測定部位としても良いことは勿論であり、他の部位を利用してもよいことは言うまでもない。
【0031】
■(測定処理)
次に、図3に示すフローチャートを用いて、本実施形態における血管内皮機能測定装置における測定処理について説明する。上述の通り、この測定処理は演算制御部10内のROMに記憶されたプログラムをCPUが実行し、血管内皮機能測定装置の各構成要素を制御することによって実現される。
【0032】
まず、ステップS101において、ドプラ血流速度計測部30及び超音波診断部40を用いて駆血前の血流量Q0、血管内径R0(あるいは、血圧計測及び駆血制御部20を用いて駆血前の平均血圧値BPmean)を測定する。そして、測定結果を保存部80に格納する。
ここで、末梢血管抵抗を用いる場合には、血圧計測及び駆血制御部20を用いて駆血前の平均血圧BPmean0をさらに計測し、血流量Q0とから駆血前の末梢血管抵抗Z0を求め、その結果を保存部80に格納する。
【0033】
次に、ステップS103において、血圧計測及び駆血制御部20の加圧ポンプを用いてカフ22のゴム嚢22aに空気を送り込み、駆血を開始する。前述したように、駆血は被験者の最大収縮期血圧+30mmHg程度の圧力でカフ22の装着部位を圧迫して行う。
【0034】
ステップS105において、所定の駆血時間経過が検出されるまで駆血を継続する。本実施形態において、駆血時間は任意に設定可能であるが、例えば1〜2分程度に設定することも可能である。駆血時間が経過すると、血圧計測及び駆血制御部20の急速排気弁を制御してカフ22のゴム嚢22aから空気を抜き、駆血を解放する(ステップS107)。
【0035】
そして、駆血の解放と同時に、ドプラ血流速度計測部30及び超音波診断部40を用いて連続的に血流速度v及び血管内半径rの測定及び血流量Qの算出を開始し、これらの値を用いてずり応力値τを算出、積分する(ステップS109)。この際、ずり応力値τの算出はリアルタイムに行っても、血流量Qと血管内半径rの測定値を一時記憶し、積分時間経過後にずり応力値の算出、積分処理を行っても良い。どのタイミングでずり応力値の算出、積分処理を行うかはドプラ血流速度計測部30のサンプル周波数と演算制御部10の演算能力等を考慮して決定することができる。もちろん、血流量Qと血管内半径rの測定についても、血流速度と血管画像を連続的に記憶した後、積分時間経過後にまとめて求めても良い。
【0036】
ステップS111において所定の積分時間が経過したことが検出された場合、ステップS113へ移行し、必要であればさらに駆血後の血流量、血管内半径の測定時間まで所定時間待つ。この待機時間も任意に設定可能であるが、駆血時間と積分時間とを考慮して、血管径増加を観測可能な時間に設定することが好ましい。ステップS113での待機時間は具体的には0秒〜1分程度に設定することができる。
【0037】
次に、ステップS115において、駆血後の血流量Q1、血管径R1の測定を行う。末梢血管抵抗を求める場合にはさらに平均血圧BPmean1も測定する。これらの測定はステップS101で計測した位置と同一の位置で行う。
なお、最大の変化を捉えるため、ステップS115におけるQ1、R1の測定は連続して行うことが好ましいが、間欠的に(例えば15〜30秒間隔で)測定を繰り返すことも可能である。この場合には、ステップS115で一回の測定を行った後に所定時間待ち、再び測定を行う。いずれの場合も、ステップS115での測定処理全体の時間は5分程度でよい。
【0038】
そして、ステップS117において、ステップS101で測定した駆血前の血流量Q0及び血管内径R0と、ステップS115で測定した駆血後の血流量Q1、血管径R1とから、血流量の変化量ΔQ及び血管内径の変化量ΔRを求める。(末梢血管抵抗を測定した場合にはその変化量ΔZも求める)これら変化量をステップS109で求めたずり応力の積分値Στで正規化し、血管内皮機能の正規化された指標ΔQ/Στ((ΔQ/Q0)/Στ)、ΔR/Στ((ΔR/R0)/Στ)又はΔZ/Στ((ΔZ/Z0)/Στ)を求める(ステップS119)。
なお、上述したように、ずり応力の積分値Στの代わりにずり応力の平均値τ(ave)を用いて正規化を行っても良い。この場合には、積分値Στを積分時間で除した値を平均値τ(ave)として用いることができる。
【0039】
なお、上述したように、正規化された指標ΔQ/Στ、ΔR/Στ、ΔZ/Στ等はいずれか1つのみでも十分な意味を持つ値であるが、複数の指標を用いることにより、より正確な指標として利用することが可能である。
【0040】
【他の実施形態】
上述した実施形態においては、血管内皮機能測定装置がドプラ血流速度計測部、超音波診断部及び、血圧計測及び駆血制御部を有する場合を説明したが、本発明に係る血管内皮機能測定装置においてこれら機能は必須ではない。すなわち、ずり応力の算出及びずり応力によって変化する血管または血流に関する情報の変化量を算出するために必要な情報が供給されれば、計測後の情報を通信回線経由で受信する等、その供給方法は任意である。もちろん、変化量の算出までを別の装置で行い、結果のみを受信するようにしてもよい。
【0041】
また、ずり応力の所定時間積分値の算出前後における、ずり応力の算出及びずり応力によって変化する血管または血流に関する情報の変化量が計測可能であれば駆血も必須ではない。
【0042】
すなわち、図3に示したフローチャートにおいて、本発明に係る血管内皮機能測定装置に必須な処理ステップはステップS109、S111及びステップS119のみである。
【0043】
また、上述の実施形態においてはずり応力によって変化する血管または血流に関する情報として血流量及び血管径のみを提示したが、他の情報(将来的に測定可能となる情報をも含む)を用いることも可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、ずり応力値の累積値を用いてずり応力によって変化する血管または血流に関する情報の変化量を正規化することにより、定量的な血管内皮機能の測定が可能となる上、駆血する場合にもその時間を短く設定することが可能であるため、被検者の負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る血管内皮機能測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の血管内皮機能測定装置による測定時の被験者部位の状態例を説明する図である。
【図3】図1の血管内皮機能測定装置における血管内皮機能測定手順を説明するフローチャートである。
【図4】ずり応力値の積分処理を説明する図である。

Claims (6)

  1. 被験者の所定部位における血管内に発生するずり応力を求めるずり応力算出手段と、
    前記ずり応力に応じて変化する血管及び/又は血流に関する情報の変化量を、前記ずり応力の所定時間累計値で正規化した値を血管内皮機能の指標として求める指標算出手段とを有することを特徴とする血管内皮機能測定装置。
  2. さらに、前記ずり応力に応じて変化する血管及び/又は血流に関する情報を取得する血管情報取得手段を有することを特徴とする請求項1記載の血管内皮機能測定装置。
  3. 前記ずり応力に応じて変化する血管及び/又は血流に関する情報が、血流量、血管径及び末梢血管抵抗の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の血管内皮機能測定装置。
  4. 前記ずり応力が以下の式によって算出されることを特徴とする請求項3記載の血管内皮機能測定装置。
    ずり応力τ=4μQ/πr
    ただし、Qは血流量、rは血管内半径、μは粘性係数である。
  5. さらに、前記被験者の所定部位において駆血を行う駆血手段を有し、
    前記指標算出手段が、前記駆血の前後における、前記ずり応力に応じて変化する血管及び/又は血流に関する情報の変化量を前記ずり応力の所定時間累計値で正規化した値を血管内皮機能の指標として求めることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の血管内皮機能測定装置。
  6. 前記指標算出手段が、駆血解放時から求めた前記ずり応力の所定時間累積値を用いて前記正規化を行うことを特徴とする請求項5記載の血管内皮機能測定装置。
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