JP3590583B2 - 血管内皮機能測定装置 - Google Patents
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- A61B5/02007—Evaluating blood vessel condition, e.g. elasticity, compliance
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆血前と駆血解除後の血管拡張反応を測定することにより血管内皮機能の評価指標を測定可能な血管内皮機能測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
血管内皮細胞はアセチルコリンやメカニカルストレス(又はshear stress)等の刺激により窒素酸化物、即ち、EDRF(一酸化窒素(Nitric Oxide)または窒素酸化物類似化合物)を産生、放出し血管のトーヌスを調節していることが判明してきており、動脈硬化血管ではこのEDRF(NO)を介する内皮依存性血管弛緩反応が低下していることが報告されてきている。
【0003】
このことより、近年、動脈硬化症の早期病変として、血管内皮細胞の機能的異常が指摘されてきている。そして、この血管内皮機能の低下が動脈硬化症の初期変化であるとの認識が深まってきている。
【0004】
従って、このEDRF(NO)を介する内皮依存性血管弛緩反応を測定すれば、血管内皮細胞の機能的異常を検出することが可能であり、動脈硬化症の早期病変の発見を容易に行うことができる。
【0005】
従来のEDRF(NO)を介する内皮依存性血管弛緩反応の測定方法としては、カテーテル等を用いた侵襲的方法により冠状動脈内にアセチルコリン等を投与し、同血管の拡張反応を検討する方法がとられていた。
【0006】
しかしながら、この様な侵襲的方法では測定に多大の労力が必要であり、また患者にも多大の負担を強いることになる。このため、超音波装置を用いた非侵襲的方法が発明され、内皮依存性血管拡張反応として、上腕動脈における血流依存性血管拡張反応を検討する方法も行われてきている。
【0007】
従来の超音波装置を用いた非侵襲的方法は、例えば腕の所定部位に測定端子を位置決め配置し、安静状態での血管状態を検出し、血管径を検出する。その後前記所定部位の血管を一定時間、例えば5分間駆血する。そして駆血解除後再び測定端子を先の安静時の血管系の測定部位に位置決め配置し、駆血解除後所定時間、例えば駆血解除後15分経過後の位置決め配置位置の血管径を検出する。そして血管の拡張割合を測定していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、血管の径はそれほど太いものではなく、しかもその血管の拡張割合を求めなければならず、駆血の前後で測定端子を全く同じ位置に配置しなければ測定の精度を確保できなかった。このため、よほどの熟練がなければ高精度での検出結果は得られなかった。
【0009】
また高価な超音披診断装置を使用し血管の長軸Bモード像を得るのに熱練を要し、また血管の計測において客観性あるいは再現性を得るために他に画像解析装置等を利用しなければならないなど計測値の信頼性や普及性に問題があった。
【0010】
更に検査期間中は超音波センサ固定に被検者が拘束される神経をつかう作業もあった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、被検者に多大な負荷を与えることなく、しかもさほどの熟練が無くても安定した測定環境を提供でき、精度の高い血管内皮機能の評価指標が測定できる血管内皮機能測定装置を提供することを目的とする。係る目的を達成する一手段として例えば以下の構成を備える。
【0012】
即ち、被検者の手足における所定距離離反した所定部位に装着された第1の生体電極間に所定の定電流を供給する定電流供給手段と、前記第1の生体電極の間の所定距離離間した部位に装着された第2の生体電極間の電圧値から生体インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、前記所定部位が存在する前記被験者の手足に巻回されたカフを加圧制御するカフ制御手段と、前記カフ制御手段を制御して一定時間前記カフ内圧を加圧して一定時間の間駆血する駆血制御手段と、前記第2の生体電極近傍における血流速度をドップラー血流センサを用いて検出する血流速度検出手段と、前記被験者の脈拍数を検出する脈拍数検出手段と、前記駆血制御手段による駆血の前と、前記一定時間の駆血を解除した後のそれぞれにおいて、前記生体インピーダンス及びその変化量と、前記血流速度と、前記脈拍数とを測定し、これら測定値から駆血前後における前記第2の生体電極間における血管径を算出し、当該血管径の前記駆血前後における変化率を血管内皮機能の評価指標として求める演算制御手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
そして例えば、前記脈拍数検出手段が、前記カフ制御手段を用いて測定した血圧に基づいて前記脈拍数を検出することを特徴とする。
【0014】
また例えば、前記演算制御手段が、前記生体インピーダンス及びその変化量と、前記血流速度と、前記脈拍数とを、前記駆血解除後、所定時間毎に複数回測定し、当該複数回の測定結果に基づいて算出した複数の血管径の各々と前記駆血前における血管径との比を求め、当該比の時間変化を表示することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る一発明の実施の形態例の血管内皮機能測定装置を詳細に説明する。
【0027】
近年、血管にシェアストレスが作用すると、血管内皮細胞よりの窒素酸化物、具体的には一酸化窒素(NO)やプロスタサイクリンの産生が増加したり,接着分子の発現も変化するなど,血管内皮細胞の活動が影響を受ける事が判明してきている。従って、シェアストレスを与える駆血の前後でのこれら血管内皮細胞の反応結果を比較すれば、血管内皮機能の指標を得る事が可能となる。
【0028】
これらシェアストレスに対する内皮細胞の反応としては、数分以内に起こる反応としての「NOの産生量増加」があり、また、「プロスタサイクリンの産生増加」、「プロテインキナーゼの活性化」、「接着斑の変化」、「Immediate early geneの発現」等があり、これらのいずれかを計測できれば血管内皮機能の評価指標として利用することができる。
【0029】
そこで、本実施の形態例ではこの内の「NOの産生量増加」に注目し、「NOの産生量増加」により血管径が拡張する点に着目して血流量、血流速度を計測、また、それらを用いて駆血前後の値を比較し血管内皮機能評価のための指標を提供可能とした点に特徴を有している。
【0030】
具体的には、被検者の例えば手(上腕)又は足(下肢)の生体インピーダンスを測定することにより、拍出量を求める点に特徴を有しており、それに血流速度、血圧値を同時に求めることで、動脈硬化の進展度合いを知る目的で、血管拡張変化等を独立して提供可能とし、血管内皮機能識別のための指標を提供する。
【0033】
また、生体インピーダンス計測に加え、血管内の血流速度をドップラー血流センサにより計測可能とし、対象血管を標的として生体電気インピーダンス計測と同時に実施し、血管拡張率を求める。
【0035】
血管内皮機能を反映する正確な評価指標の提供が可能となることより、心疾患、高血圧の診断と治療、予防に応用でき、小児から成人まで幅広い対象に対し、安全、容易で安価な検査手段を提供できる。
【0036】
即ち、生体インピーダンス法を単純なモデルである腕あるいは下肢に適用することで、熟練を必要とせずに、かつ簡単な構成で実現すると共に、被検者に対しても電極を装着するのみの簡単な、また後述するドップラー血流測定を行う場合でも検出部を一定部位に装着した状態のままで血管内皮機能評価のための諸指標が求められる。
【0037】
以上の結果、血管内皮機能の評価指標を簡便かつ定量的に計測する手段を提供でき、動脈硬化起因の冠動脈疾患、高血圧、閉塞性動脈疾患の予測、診断、予防、治療に幅広く応用可能となる。以下具体的に説明する。
【0038】
〔実施の形態例〕
図1は、本発明に係る一発明の実施の形態例の血管内皮機能測定装置の基本構成を説明するための図,図2は被検者に対する検出部の装着状態を説明するための図である。
【0039】
図において、10は本実施の形態例装置の全体制御を司る演算制御部であり、詳細を後述する駆血前後比較部11を内蔵している。演算制御部10は、表示部70,記録部75,保存部80,音声発生部85その他を制御可能である。
【0040】
更に、内蔵する駆血前後比較部11は、演算制御部10での各種の計測値、計測結果等を駆血前後で比較し、診断指標を演算するものであり、例えば駆血前後の血流量、血流速度比較、血管断面積(径)の比較、血圧値の比較などを行うことができる。そして、以上の指標より血管内皮機能の評価指標を導出して結果を表示部70に表示したり記録部75に記録出力可能であり、保存部80に保存させることも可能である。
【0041】
また、駆血前後の脈拍数を血圧測定/駆血用カフ22等を利用して計測し、測定した生体インピーダンスより求めた拍出量と計測した脈拍数から血流量を求め、駆血前後の血流量の変化量より血管内皮機能の評価指標を導出することが可能である。
【0042】
20は血圧計測及び駆血制御部であり、血圧測定/駆血用カフ22の加圧、計測制御を行って被検者の例えば駆血前の血圧測定及び前腕の駆血を行うと共に、手首用カフ24の加圧制御を行って手首駆血を行う血圧計測及び駆血制御部である。
【0043】
血圧計測及び駆血制御部20は、通常の血圧測定装置の有する各構成、例えば、カフ内圧を検出する圧力センサ、カフ22,24のゴム嚢22a、24aを加圧する加圧ポンプ、カフ内圧を定速度で減圧して例えば血圧測定などを行うための定速排気弁、駆血解除の場合など急速にカフ内圧を減圧するための急速排気弁、最高血圧値、最低血圧値を決定する血圧決定部等を包含する。これらの構成については公知であるため詳細説明を省略する。
【0044】
21は血圧計測及び駆血制御部20よりの加圧制御用エアーを血圧測定/駆血用カフ22に送るか手首用カフ24に送るかを切り換える切換弁である。22は被検者の前腕(又は上腕)に巻回して血圧測定及び駆血が可能な加圧用のゴム嚢22aを備える血圧測定/駆血用カフ、24は必要に応じて手首部分の駆血を行うための手首用カフである。
【0045】
30は超音波を利用したドップラー効果を利用して血管内の血流速度を検出する血流計測部、35は検出部であり、検出部(ドップラセンサ)35の先端部近傍より所定周波数の超音波信号を送出すると共に、被検者の例えば上腕部より反射してくる受信信号を検出して被検者の検出器35装着位置における血管内の血液の血流速度を計測する。なお、ドップラー効果を利用して血管内の血流速度を検出する原理、構成については公知であるため、詳細説明を省略する。
【0046】
本実施の形態例では、血流計測部30は例えば5MHz〜10MHzの超音波信号を発振する発振部を内蔵し、該発振部よりの超音波信号を検出部35から送信/受信し、受信した超音波信号の遅延度より公知のドップラー効果による血流速度を検測可能である。
【0047】
40は定電流電極41,42間に所定周波数の定電流を供給可能な定電流供給部であり、例えば約60kHzの信号を発振する発振回路と定電流源とを包含している。50は定電流供給部40の供給する定電流電極41,42間に装着される電圧電極51,52間のインピーダンス値(生体インピーダンス)を検出するインピーダンス変換部である。電圧電極51,52は安定した計測結果を得るためにAg−AgCl電極等を用いることが望ましい。
【0048】
電圧電極51,52間に微小高周波電流を流すと、両電極には両電極の間に存在する組織のインピーダンスに比例した電圧が検出される。上腕や下肢などの様に他の臓器などが無い部分では、電圧電極51,52間で検出されるインピーダンスは主に心臓から拍出される血液に影響される。従って、この電圧電極51,52間のインピーダンスを計測することにより、その部位を流れる拍出量を求めることが可能となり、血流量等を導き出すことができる。
【0049】
60はインピーダンス変換部50よりのインピーダンス値より血管内の血流量の時間変化を計測する流量計測部であり、生体インピーダンス値の微分値(dZ/dt)を検出可能である。62はインピーダンス変換部50よりのインピーダンス値より基底インピーダンス項(Zo)、ΔZを出力するZo,ΔZ出力部、63はインピーダンス変換部50よりのインピーダンス値の変動より心拍などとの同期を検出する同期検出部である。
【0050】
また、70は各種の操作ガイダンスや計測結果、診断指標を表示可能な表示部、75は計測結果、診断指標を記録出力可能な記録部1、80は計測結果、診断指標を保存する保存部であり、大容量外部記憶装置などが適用可能である。85は音声でのガイダンス出力や各種報知音が出力可能な音声発生部である。
【0051】
以上の構成を備える本実施の形態例において、被検者への各種センサ類の装着方法を図2を参照して説明する。定電流電極41,42を装着する部位、即ち被検者の測定部位は、被検者の体中で駆血が可能でかつ血管が最も単純に配置している単純モデル部位、例えば下肢や上腕に所定距離離間して装着することが望ましい。
【0052】
本実施の形態例では、上腕部を測定部位とする場合を例として説明する。そして、以下の説明は図2の例として上腕部に電圧電極51、52を装着し、前腕部に血圧測定/駆血用カフ22を装着する例について行う。しかし、この例に限定されるものではなく、上腕に血圧測定/駆血用カフ22を装着し、前腕に電圧電極51、52を装着しても同様の測定結果が得られる。この様に、装着部位は任意に選択できる。
【0053】
測定部位も腕部に限らず、下肢を測定部位としても良いことは勿論であり、他の部位を利用してもよいことは言うまでもない。
【0054】
図2に示す本実施の形態例では、上腕部の方の部分に一方の定電流電極41を装着し、他方の定電流電極42を手首の部分あるいは手の甲の部分に装着する。そして、インピーダンス測定時にはこの両電極41,42間に所定周波数の定電流を印加する。
【0055】
そしてこの両電極間に他のセンサ類をそれぞれ装着する。上腕部の最上部側(血液流の上流側)に電圧電極51,52の離間距離を所定距離、例えば“L”とした間隔に位置決めして固定する電圧電極固定治具55を介して装着する。なお、この電極の装着方法は電圧電極固定治具55及び電極51,52が離脱しない方法であれば任意の方法を採用できる。
【0056】
電圧電極固定治具55を介して電圧電極51,52の離間距離を所定距離、例えば“L”に位置決めして固定するのは、駆血前後での測定結果の相対比較を容易化するためであり、わずかの変動も正確に検出するためである。これにより、例え被検者が代わっても、あるいは計測日時が変更となっても離間距離を一定とでき、定量的な計測結果が得られる。
【0057】
そして、電圧電極52bの下流側(下部)の血管外側皮膚位置に検出部35を位置決め固定する。検出部35近傍の下流側部位に血圧測定/駆血用カフ22を位置決め装着する。そして必要に応じて更に下流側に手首用カフ24を装着する。
【0058】
なお、図2に示す例では手首用カフ24を装着しているが、手首用カフ24は手における血液の循環の影響を考慮する場合に使用するものであり手首用カフ24及び切換弁21を省略して使用されてもよい。
【0059】
以上のように各センサ類を装着した本実施の形態例の血管内皮機能測定方法を図3のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0060】
本実施の形態例においては、先ず図3のステップS1において、図2に示すように各センサ類を被検者の所定部位に装着する。装着が終了するとステップS2の処理に移行し、演算制御部10は切換弁21を血圧測定/駆血用カフ22側に切り換えると共に、血圧計測及び駆血制御部20を起動して被検者の血圧測定、特に最高血圧値の測定を行う。
【0061】
なお、指より血圧値を測定する場合や医師などによる手動での血圧測定を行うような場合にはステップS2の血圧測定を最初に行い、その後にステップS1のセンサ類の装着を行っても良い。
【0062】
続いてステップS4に進み、駆血前の血管状態の計測処理を行う。ここでは、駆血前の各種のセンサよりの計測データ(コントロールデータ)を取得する。ここでは、インピーダンス変換部50により電圧電極51,52間の生体インピーダンス計測(Zo及びΔZの計測)を行い、またドップラ血流計測部30、検出部35を用いての血流速度計測を行なう。
【0063】
これにより、Zo、ΔZ出力部62による駆血前の基底インピーダンスZo(すなわち、全インピーダンス)、インピーダンス変化分ΔZ、流量計測部60による駆血前の血流量の時間変化(dZ/dt(インピーダンスの微分値))、同期検出部63の検出した同期情報も参照しての1回拍出量ΔV、1分間拍出量、PR(脈拍数)等を計測する。また、先に測定した血圧値BPを取得すると共に連続的なインピーダンス計測結果に基づく血流量波形、血流速波形を取得し、この取得結果を表示部70の表示画面に表示する。
【0064】
そして、取得結果を保存部80に保存する。またこの取得結果は表示部70の表示画面に表示する。
【0065】
例えば、インピーダンス変換部50から計測したインピーダンス変化分をΔZとすると、電圧電極51,52間(距離L)の血液量変化分(1回拍出量)ΔVはΔV=ρ(L/Zo)2ΔZで表すことができる(ρは血液比抵抗である)。そして、1回拍出量(ml/脈拍)に脈拍数(脈拍数/s)を乗じて血流量(ml/s=cm 3 /s)を求め、この血流量を流量計測部60が計測する流量の時間変化を表す(dZ/dt)により除すことで、血管断面積(cm 2 )が得られる。そして、血管断面を円形と仮定すれば、血管断面積から血管径(cm)が得られる。
【0067】
本実施の形態例においては、面積の要素は無いが計測部位の血流速度を検出することができるドップラー血流計測部30を更に備える構成として、正確な血流速(cm/s)が得られるようにしている。このドップラー血流計測部30からは、インピーダンス変換部50の検出結果から流量計測部61が計測する血流量の時間変化を示す(dV/dt)と近似の波形が得られる。
【0068】
例えば、超音波信号を送受信して手足における血流に伴うドップラー効果により血流速度を検出し、検出血流量を血流速度で除すことで血管断面積を、さらに血管断面積から血管径を導出することができる。
【0069】
次に、ステップS4において、演算制御部10は切換弁21を血圧測定/駆血用カフ22側に切り換えられていることを確認すると共に、血圧計測及び駆血制御部20を起動して血圧測定/駆血用カフ22を加圧し被検者の上腕部で所定時間駆血する。本実施の形態例では、カフ内圧をステップS2で測定した最高血圧値より約30〜50mmHg程度高い圧力に約5分間維持する。
【0070】
続いてステップS5において、所定時間経過後(本実施の形態例では約5分後)血圧計測及び駆血制御部20を制御して内蔵する不図示の急速開放弁を起動して血圧測定/駆血用カフ22内圧を急速に減圧して駆血状態を解除する(ステップS6)。そしてステップS7に進む。
【0071】
ステップS7では駆血解除後所定時間間隔でステップS4と同様にΔZ、dZ/dt、心拍数を測定し、血管状態(血管径)を取得し、例えば保存部80に保存する。このステップS7における血管状態の取得はステップS4の場合と同様である。例えば駆血解除後1分毎に10分後まで計測する。これにより、例えばシェアストレスに対する内皮細胞の数分以内に起こる反応としての「NOの産生量増加による血管径拡張」状態を時系列に計測する。
【0072】
そして、計測終了後、あるいは計測中に、ステップS8で、ステップS7での測定毎の変化量割合(駆血前の血管径と駆血後の測定後との血管径変動比率)を駆血前後比較部11で比較して求め、所定閾値と比較して、所定閾値より大きいか小さいかなど血管内皮機能の状態を逐一計測し、例えば変化量がより大きい場合には血管内皮機能状態がより良いと判断して血管内皮機能の状態識別の指標として例えば表示部70に表示し、記録部75より記録出力する。また、必要に応じて保存部80に保存する。
【0073】
例えば、リアルタイムで血管状態を計測している状態時の表示部70への表示例を図4に、ステップS8での解析結果の出力例を図5に示す。
【0074】
そして最後にステップS9において、以上の計測、解析結果に基づいて血管の内皮非依存症性の評価を必要な場合行う。
【0075】
上記本実施の形態例の計測が、電圧電極51,52間のインピーダンスの変化に基づいて行われるため、血流量の変化計測も容易に行うことができる。
【0077】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、被検者に多大な負荷を与えることなく、しかもさほどの熟練が無くても、精度の高い血管内皮機能が測定できる血管内皮機能測定装置を提供することができる。
【0078】
また、生体の測定部の血管の駆血前後の血管状態を熟練を必要とせずに簡単な操作で計測可能とし、駆血前後の血管状態の変化に基づいて血管内皮機能の評価指標を求めるため、被検者の個体差の影響が少ない、多数の被検者に共通の血管内皮機能の評価指標を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一発明の実施の形態例の血管内皮機能測定装置の構成を説明するための図である。
【図2】本実施の形態例のセンサ類の装着状態を説明するための図である。
【図3】本実施の形態例の血管内皮機能測定手順を説明するためのフローチャート図である。
【図4】本実施の形態例の血管状態計測中の表示画面例を示す図である。
【図5】本実施の形態例の血管状態解析結果の表示例を示す図である。
【符号の説明】
41,42 定電流電極
51,52 電圧電極
21 切換弁
22 血圧測定/駆血用カフ
24 手首用カフ
Claims (3)
- 被検者の手足における所定距離離反した所定部位に装着された第1の生体電極間に所定の定電流を供給する定電流供給手段と、
前記第1の生体電極の間の所定距離離間した部位に装着された第2の生体電極間の電圧値から生体インピーダンスを測定するインピーダンス測定手段と、
前記所定部位が存在する前記被験者の手足に巻回されたカフを加圧制御するカフ制御手段と、
前記カフ制御手段を制御して一定時間前記カフ内圧を加圧して一定時間の間駆血する駆血制御手段と、
前記第2の生体電極近傍における血流速度をドップラー血流センサを用いて検出する血流速度検出手段と、
前記被験者の脈拍数を検出する脈拍数検出手段と、
前記駆血制御手段による駆血の前と、前記一定時間の駆血を解除した後のそれぞれにおいて、前記生体インピーダンス及びその変化量と、前記血流速度と、前記脈拍数とを測定し、これら測定値から駆血前後における前記第2の生体電極間における血管径を算出し、当該血管径の前記駆血前後における変化率を血管内皮機能の評価指標として求める演算制御手段とを備えることを特徴とする血管内皮機能測定装置。 - 前記脈拍数検出手段が、前記カフ制御手段を用いて測定した血圧に基づいて前記脈拍数を検出することを特徴とする請求項1記載の血管内皮機能測定装置。
- 前記演算制御手段が、前記生体インピーダンス及びその変化量と、前記血流速度と、前記脈拍数とを、前記駆血解除後、所定時間毎に複数回測定し、当該複数回の測定結果に基づいて算出した複数の血管径の各々と前記駆血前における血管径との比を求め、当該比の時間変化を表示することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の血管内皮機能測定装置。
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