JP3784923B2 - シース接続口の成形方法および成形装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、仕切板もしくは既設ブロックの側面等を仕切面として、該仕切面の両側もしくは片側に橋梁用ポストテンションブロック桁を成形した後に分割するブロック桁製作施工に際して、成形されるブロック桁の端面に適正な形状のシースの接続口を開設するための成形方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、橋梁用のポストテンションブロック桁の製作にあたっては、架設現場付近で桁を製作する適当な広さのヤードがない場合や、桁が長く製作ヤードから架設地点までの運搬ができない場合には、主として、工場で桁を複数個に分割できるように同時成形し、コンクリート硬化後に分割して夫々の桁を現場に運搬し、架設後予め夫々の桁内に設けられたシース内にPC鋼線を導通して緊張することで一体化させている。
【0003】
上記のブロック桁を工場で製作する場合、一般的にこれらのブロック桁は、図7に示すように、鉄筋の組み込まれた型枠(図示せず)内に鋼板製の仕切板50を配置してコンクリート51を打設し、図8に示すように、コンクリート硬化後の脱型時に、前記仕切板50を境にして互いに左右の桁A,Bに分割することで互いに成形される。
【0004】
上記ブロック桁A,Bの成形に際しては、コンクリート51の打設に先立って、型枠内にPC鋼線導通用のシース52が配管されるので、前記仕切板50を境にした左右両側のシース52は、夫々口端を仕切板50に開設した導通孔53に接続しておかないと、図8のように、コンクリートが硬化した後でブロック桁A,Bを左右に分割する際に、夫々のブロック桁の端面にシース52の口端が開口した接続口54を形成することができない。
【0005】
このように、仕切板50の左右両側に配管されるシース52の口端は、夫々仕切板50に接続しなければならないので、夫々口端が仕切板50の導通孔53と確実に密着するように接続しておかないと、型枠内にコンクリート51を打設した時に、シース52の口端と仕切板導通孔53との接続部の隙間などからモルタルがシース52内に浸入し、硬化後にセメントの塊となってシース内を閉塞することになるので、後の行程でシース内にPC鋼線を導通できないという問題が発生する。
【0006】
このような障害が生じないように、従来では、図7に示すように、シース52と同径の短い接続管55を、予め仕切板50の導通孔53内に両端が突出するように挿着しておき、この接続管55の両端と左右のシース52の口端とを粘着テープ56により巻き付けて固定するという方法が一般的に行われている。
【0007】
また、別の方法としては、図9のように、仕切板50の導通孔53内に左右に連続するシース52を挿通するが、このシース52は仕切板導通孔53の挿通部分に、該シース52の長さ方向に沿って傾斜した切れ目57が設けられていて、脱型の際にブロック桁A,Bを左右に引き離すことでこの切れ目57が切り離されるようになっており、コンクリートの打設時には、この切れ目57の外周に粘着テープ56を巻き付けて保護しておき、コンクリートの硬化後にブロック桁を左右に引き離すことで、左右のシース52が切れ目57の部分から左右に切り離せるような方法も知られている。
【0008】
【発明が解決すべき課題】
しかしながら、図7のシース接続口の成形方法は、図8に示したように、ブロック桁A,Bを左右に引き離した時に、いずれか一方のブロック桁Aに接続管55が残されて、他方のブロック桁Bのシース接続口54の内周面には、接触していた接続管55が引き抜かれたことによるコンクリートの剥がれ損傷部58が生ずることになる。また、ブロック桁Aに残された接続管55を引き抜くときにも、ブロック桁Bのシース接続口54の内周面に同様なコンクリートの剥がれによる損傷部が生ずることになり、ブロック桁A,Bを左右に引き離した後で、夫々のシース接続口54の内周面損傷部58を改めて補修整形処理しなければならないという問題がある。
【0009】
また、図9のシース接続口の処理方法も、図10に示したように、ブロック桁A,Bを左右に引き離した時に、双方のブロック桁A,Bのシース接続口54の内周面に、互いに接触していたシース切り口59を無理に引き抜いたことによるコンクリートの剥がれ損傷部58が生じることになるので、前記と同様にブロック桁A,Bを左右に引き離した後で、夫々のシース接続口54の内周面の損傷部58を改めて補修整形処理しなければならないという問題、さらには、このような補修整形が適当でない場合には、現場での桁一体化作業で、隣接するブロック桁A,Bが互いに完全に密着しないという問題が生ずる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来におけるこの種のシースの接続口の成形方法における問題点に鑑みて、型枠内にシースを配管する際に、シースの口端と仕切板等の仕切面との接続が適切に行えるようにして、成形されたブロック桁が左右に分割された際に、桁の端面にコンクリートの剥がれ損傷の生じない美麗な接続口を設けることができる成形方法とそのための装置の提供を目的としたものである。
【0011】
本発明は、そのための具体的手段として、仕切板もしくは既成ブロックの側面等を仕切面として、該仕切面の両側もしくは片側の空間域にポストテンションブロック桁を成形する際における、ブロック桁接合面に設けられるシース接続口の成形方法であって、前記仕切面に開口する導通孔の前記ブロック桁成形空間域に配管されるシースの口端に、接続シースを介して先端にシース外径よりも大きい広口部をもった接続管を接続し、該接続管の前記広口部内に内周面がリングにより補強された弾性体からなる環状圧着部材を挿着して、所定の長さのガイドパイプを、一端が前記環状圧着部材の内側を通して前記シース内へ挿入されると共に、他端が仕切面における導通孔外側へ突出するように挿通配管し、前記接続管を前記仕切面方向へ移動して、環状圧着部材の開口端を前記仕切面に圧着保持させた状態で、前記仕切面の両側もしくは片側のブロック桁成形空間域にコンクリートを打設することを特徴とする。
【0012】
環状圧着部材の開口端を仕切面に圧着保持させる手段としては、接続管の広口部後方にシースと同径で同様な螺旋溝を有する圧着用シースを設けて、この圧着用シースと前記シース口端とを、該シース口端及び圧着用シースよりも外径が大きく同様な螺旋溝を有する接続シースにより螺着接続し、固定した接続シースに対して前記圧着用シースを回転することで前記接続管を仕切面の方向へ移動させるような接続手段を用いることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
【実施例】
本発明に係るシースの接続口の成形方法およびその装置を、図面に示す実施例により説明すると、図1は、型枠(図示せず)内に仕切板1を設けて、この仕切板1の左右両側に複数個のポストテンションブロック桁2a,2bを分割成形する場合の型枠内部分縦断面図であり、型枠内には鉄筋13とともに、導通孔3を開設した前記仕切板1が枠内を左右に仕切るように配置され、この仕切板1に開設された導通孔3の両側の仕切面1aにシース4の口端4aが相対向するようにして配置され、夫々のシース4が前記鉄筋13に針金13aにより縛られて固定保持されている。
【0014】
前記両側のシース4内には、仕切板1の導通孔3を通して、両端が夫々前記シース4内へ遊挿される内径と十分な長さをもったポリエチレン製のガイドパイプ5を挿通配管するが、このガイドパイプ5の挿通に先立って、予め前記シース4の口端4aに前記仕切面1aに面した側がシース4の外径よりも大きい広口部7をもった接続管6を挿着しておく。
【0015】
上記接続管6は、先端の前記広口部7とこの広口部7の後方における前記シース4と同径で、かつ、シース4の螺旋溝4aと同じピッチの螺旋溝8aをもった圧着用シース8とからなるが、前記広口部7の後端には前記圧着用シース8の内周面にきつめに挿入し得る外径の頸部7aがあって、この頸部7aが前記圧着用シース8の内周面に挿着され、好ましくは接着剤を介して固定することで圧着用シース8の先端に前記広口部7が開口するようになっている。
【0016】
また、前記接続管6の圧着用シース8と前記シース口端4aとには、該圧着用シース8及びシース口端4aの外径よりも大きく、かつ、シース4の螺旋溝4b及び圧着用シース8の螺旋溝8aと同じピッチの螺旋溝9aをもつた接続シース9の両端が嵌合され、夫々が螺旋溝4b,8a,9aとによって互いに所定の重なり幅をもつように連結されるとともに、接続シース9を固定した状態で接続管6の圧着用シース8を回転することで、固定されたシース口端4aに対して接続管6が仕切面1aの方向へ移動し、その突出長さ量を調整できるようになっている。
【0017】
更に、前記接続管6における広口部7内には、予め、内周面が金属もしくはプラスチック製のリング11により補強された軟質ゴム、スポンジなどの弾性体からなる環状圧着部材10を嵌合しておき、この接続管6を前記接続シース9を介してシース口端4aに連結した後で、前記ガイドパイプ5の両端が、左右のシース口端4aにおける前記リング11の内側を通して夫々のシース4内に深く挿入されるように組み合わせ、次いで、前記のように接続シース9を片手で固定した状態で接続管6を接続シース9から突出する方向に回転することで、該接続管6を仕切面1aの方向へ移動し、前記環状圧着部材10の開口端10aを前記仕切面1aに圧着保持させる。
【0018】
前記のように接続管6を回転して接続シース9から突出させ、環状圧着部材10の開口端10aを前記仕切面1aに圧着保持させると、シース4が鉄筋13に縛り付けられて固定され、接続シース9とシース口端4aとが螺旋溝4b,9aにより固形され、また、接続管6の圧着用シース8と接続シース9とが螺旋溝8a,9aにより固定されていることで、接続管6は元の位置、つまりシース口端4a方向へ戻ることなく、環状圧着部材10の開口端10aが仕切面1aに押し付けられた状態を維持することができる。
【0019】
上記のようにして、環状圧着部材開口端10aを仕切面1aに圧着させたのち、シース4の周囲にコンクリートを打設してブロック桁2a,2bを成形する。その際、接続管広口部7内の環状圧着部材開口端10aが仕切面導通孔3の片面周囲に適切に圧着されていることと、該環状圧着部材後端部10bが接続管6の広口部7内にしっかりと食い込んでいること、また、接続管圧着用シース8と接続シース9及び接続シース9とシース口端4aとが夫々螺旋溝4b,8a,9aを介して互いに密着状態で接続していることにより、接続管6の内側や夫々のシース4,8,9の継ぎ目からシース内にモルタルが浸入することを確実に防ぐことができる。
【0020】
図3に示すように、コンクリートの硬化後に型枠を分解して、両側のブロック桁2a,2bを分離することで仕切板1を剥すと、環状圧着部材開口端10aが露呈した夫々のブロック桁2a,2bの端面が表れるが、両側の環状圧着部材10の内側には、前記ガイドパイプ5の両端がシース4内に挿入されたままになっているので、図4に示すように、このガイドパイプ5の両端を両側のシース4内から引き抜くとともに、環状圧着部材10の外周面に設けられた窪み内から、環状圧着部材10を内側のリング11ごと引き出して取り外すことでシース4の接続口12を開口させることができる。
【0021】
上記ブロック桁2a,2bの成形の際に、接続管6の広口部7内に嵌合された弾性体環状圧着部材10は、内周面がリング11により補強されているので、接続管6の押し出し操作によりこの環状圧着部材開口端10aを仕切面1aに圧着させると、該環状圧着部材10の外周面は自由に変形するが、内周面はリング11によって変形が阻止された状態で、開口端10aが仕切面1aに適切に圧着され、かつ、該環状圧着部材後端部10bが広口部7内にしっかりと食い込まれることになる。
【0022】
また、前記リング11の内側は導通するガイドパイプ5により補強されているので、リング11の動きが阻止され、このリング11の内周面に適正なシース接続口12を形成することができる。
【0023】
更に、環状圧着部材10の内周面に設けられるリング11は、仕切板1の片側仕切面1aにおける環状圧着部材10の内周面のみを補強し、図7に示した接続管55のように、両端が仕切面導通孔3の両側に突出していないので、仕切板1に対してシース4が傾斜していても、両側のリング11をいずれも仕切面1aに対して水平に配置することができると共に、両側のブロック桁2a,2bを仕切面1aから分離する際に、いずれか一方のリング11が他方のリング11を引っ張ることがないので、シース接続口12に損傷を与えずに分離作業を円滑に行うことができる。
【0024】
このリング11の内周面に導通されるガイドパイプ5は、両端が接続管6の圧着用シース8よりも奥のシース4内方向へ延びるように配管されているので、仮に、環状圧着部材開口端10aと仕切面1aの接触面、あるいは接続管圧着用シース8と接続シース9及び接続シース9とシース口端4aとの接触面などからモルタルがシース内に浸入したとしても、環状圧着部材10および接続管6の内側にPC鋼線の挿通を阻害するようなセメントの塊ができることを防止することができる。
【0025】
図5は別の実施例であり、この場合は、既成のポストテンションブロック桁2dの側面を剥離剤等の塗られた仕切面1aとして、この仕切面1aの片側空間域に型枠を組んで、新しいポストテンションブロック桁2cを成形するマッチキャスト方式による場合の型枠内部分縦断面図であり、この既成ブロック桁2dの仕切面1aには、前記図1乃至図4に示した第1実施例の成形方法により形成された広口部7をもった接続管6が、導通孔3として開設されている。
【0026】
また、既成ブロック桁2dの側面を仕切面1aとする型枠内には、鉄筋23とともに、前記仕切面1aに開設された導通孔3の同軸上に、シース24の口端24aへ接続シース29を介して接続された広口部27を有する接続管26が前記導通孔3と相対向するようにして配置され、シース24が前記鉄筋23に針金23aにより縛られて固定保持されている。
【0027】
前記接続管26は、後端に螺旋溝28aをもった圧着用シース28を備えており、この圧着用シース28が前記接続シース29を介してシース口端24aと回転可能に接続され、圧着用シース28を回転することで接続管26の突出長さを調整できること、および、該接続管26の広口部27内に弾性体からなる環状圧着部材30が嵌合されていること、さらに、前記環状圧着部材30の内側を通して挿通配管されるガイドパイプ25を備えることは、前記実施例の構成と同様である。
【0028】
一方、この実施例の場合では、既成ブロック桁2dの仕切面1aにおける導通孔3は、接続管6の広口部7がそのまま開口しているので、この既設接続管広口部7内に新設ブロック用接続管広口部27内の環状圧着部材30を受け止めるためのバックアップ材31が嵌め込まれている。
【0029】
このバックアップ材31は、図5及び部材6に示すように、既設接続管広口部7の長さとほぼ等しい長さLをもつ筒状体31aの外端に、前記ガイドパイプ25の挿通孔31dを開設したフランジ31cを有しており、このフランジ31cと既設接続管広口部7の開口端とが新設ブロック用接続管広口部27とその内側のの環状圧着部材30を受け止めるための実質的な仕切面1aとなり、また、挿通孔31dが実質的な導通孔3の役割を果たすことになる。
【0030】
新設ブロック用接続管26の仕切面1aへの取り付けは、接続管26の広口部27内に環状圧着部材30を嵌合してから、ガイドパイプ25の一端をこの環状圧着部材30の内側を通してシース24内に深く挿入すると共に、このガイドパイプ25の他端を既設接続管広口部7内に嵌合した前記バックアップ材31の挿通孔31dを通して既設シース4内へ挿入し、次いで、前記のように新設接続管26を接続シース29から突出する方向へ回転して、新設接続管26の広口部27を仕切面1aに露呈する既設接続管広口部7の開口端と当接させると共に、該接続管広口部27内に嵌合した環状圧着部材30の先端30aを既設接続管広口部7におけるバックアップ材31のフランジ31cの表面に圧着保持させ、この状態でコンクリートを打設する。
【0031】
【発明の効果】
本発明のシース接続口の成形方法およびその装置によれば、先端の広口部と圧着用シースとからなる接続管とシースの口端とを接続シースを介して接続し、この広口部内に内周面をリングにより補強した弾性体環状圧着部材を嵌合し、固定した接続シースに対し、接続管圧着用シースを回転して押し出す操作により環状圧着部材の開口端を仕切面に圧着させるので、コンクリート硬化後にブロック桁を仕切面から分離する際に、仕切面と環状圧着部材開口端およびリングとの分離を円滑に行うことができ、ブロック桁端面に、従来のこの種の方法によるようなコンクリートの剥がれ損傷のない美麗なシース接続導通口を形成することができる。
【0032】
また、この方法および装置では、シース接続口を形成する環状圧着部材が軟質ゴム、スポンジのような弾性体からなっているので、コンクリート硬化後にブロック桁を仕切面から分離する際には、接続管広口部の内周面を含む環状圧着部材の外周面に形成された窪み内からこの環状圧着部材を指先などで簡単に取り外すだけでよく、従来の方法のように、ブロック桁の分離後にシース接続導通口に生じた損傷を改めて補修整形する必要が全くないので、施工を迅速かつ能率的に行えるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシース接続口の成形法による左右ブロック桁接合部の構成を示す断面図。
【図2】図1のI−I線における断面図。
【図3】図1と同じ部分のブロック桁を分割した時の断面図。
【図4】同じくシース接続口が開口した時の断面図。
【図5】別の実施例における図1と同じ部分の断面図。
【図6】図5の成形法で使用するバックアップ材の斜視図。
【図7】従来のシース接続口の成形方法を示す断面図。
【図8】図7の成形方法による左右ブロック桁を分割した時の断面図。
【図9】従来の別のシース接続口の成形方法を示す断面図。
【図10】図9の成形方法による左右ブロック桁を分割した時の断面図。
【符号の説明】
1:仕切板
1a:仕切面
2a,2b,2c:新設ブロック桁
2d:既成ブロック桁
3:導通孔
4,24:シース
4a,24a:シース口端
5,25:ガイドパイプ
6,26:接続管
7,27:広口部
8,28:圧着用シース
9,29:接続シース
10,30:環状圧着部材
10a,30a:環状圧着部材開口端
10b:環状圧着部材後端部
11:リング
12:シース接続口
13,23::鉄筋
31:バックアップ材
【発明の属する技術分野】
この発明は、仕切板もしくは既設ブロックの側面等を仕切面として、該仕切面の両側もしくは片側に橋梁用ポストテンションブロック桁を成形した後に分割するブロック桁製作施工に際して、成形されるブロック桁の端面に適正な形状のシースの接続口を開設するための成形方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、橋梁用のポストテンションブロック桁の製作にあたっては、架設現場付近で桁を製作する適当な広さのヤードがない場合や、桁が長く製作ヤードから架設地点までの運搬ができない場合には、主として、工場で桁を複数個に分割できるように同時成形し、コンクリート硬化後に分割して夫々の桁を現場に運搬し、架設後予め夫々の桁内に設けられたシース内にPC鋼線を導通して緊張することで一体化させている。
【0003】
上記のブロック桁を工場で製作する場合、一般的にこれらのブロック桁は、図7に示すように、鉄筋の組み込まれた型枠(図示せず)内に鋼板製の仕切板50を配置してコンクリート51を打設し、図8に示すように、コンクリート硬化後の脱型時に、前記仕切板50を境にして互いに左右の桁A,Bに分割することで互いに成形される。
【0004】
上記ブロック桁A,Bの成形に際しては、コンクリート51の打設に先立って、型枠内にPC鋼線導通用のシース52が配管されるので、前記仕切板50を境にした左右両側のシース52は、夫々口端を仕切板50に開設した導通孔53に接続しておかないと、図8のように、コンクリートが硬化した後でブロック桁A,Bを左右に分割する際に、夫々のブロック桁の端面にシース52の口端が開口した接続口54を形成することができない。
【0005】
このように、仕切板50の左右両側に配管されるシース52の口端は、夫々仕切板50に接続しなければならないので、夫々口端が仕切板50の導通孔53と確実に密着するように接続しておかないと、型枠内にコンクリート51を打設した時に、シース52の口端と仕切板導通孔53との接続部の隙間などからモルタルがシース52内に浸入し、硬化後にセメントの塊となってシース内を閉塞することになるので、後の行程でシース内にPC鋼線を導通できないという問題が発生する。
【0006】
このような障害が生じないように、従来では、図7に示すように、シース52と同径の短い接続管55を、予め仕切板50の導通孔53内に両端が突出するように挿着しておき、この接続管55の両端と左右のシース52の口端とを粘着テープ56により巻き付けて固定するという方法が一般的に行われている。
【0007】
また、別の方法としては、図9のように、仕切板50の導通孔53内に左右に連続するシース52を挿通するが、このシース52は仕切板導通孔53の挿通部分に、該シース52の長さ方向に沿って傾斜した切れ目57が設けられていて、脱型の際にブロック桁A,Bを左右に引き離すことでこの切れ目57が切り離されるようになっており、コンクリートの打設時には、この切れ目57の外周に粘着テープ56を巻き付けて保護しておき、コンクリートの硬化後にブロック桁を左右に引き離すことで、左右のシース52が切れ目57の部分から左右に切り離せるような方法も知られている。
【0008】
【発明が解決すべき課題】
しかしながら、図7のシース接続口の成形方法は、図8に示したように、ブロック桁A,Bを左右に引き離した時に、いずれか一方のブロック桁Aに接続管55が残されて、他方のブロック桁Bのシース接続口54の内周面には、接触していた接続管55が引き抜かれたことによるコンクリートの剥がれ損傷部58が生ずることになる。また、ブロック桁Aに残された接続管55を引き抜くときにも、ブロック桁Bのシース接続口54の内周面に同様なコンクリートの剥がれによる損傷部が生ずることになり、ブロック桁A,Bを左右に引き離した後で、夫々のシース接続口54の内周面損傷部58を改めて補修整形処理しなければならないという問題がある。
【0009】
また、図9のシース接続口の処理方法も、図10に示したように、ブロック桁A,Bを左右に引き離した時に、双方のブロック桁A,Bのシース接続口54の内周面に、互いに接触していたシース切り口59を無理に引き抜いたことによるコンクリートの剥がれ損傷部58が生じることになるので、前記と同様にブロック桁A,Bを左右に引き離した後で、夫々のシース接続口54の内周面の損傷部58を改めて補修整形処理しなければならないという問題、さらには、このような補修整形が適当でない場合には、現場での桁一体化作業で、隣接するブロック桁A,Bが互いに完全に密着しないという問題が生ずる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来におけるこの種のシースの接続口の成形方法における問題点に鑑みて、型枠内にシースを配管する際に、シースの口端と仕切板等の仕切面との接続が適切に行えるようにして、成形されたブロック桁が左右に分割された際に、桁の端面にコンクリートの剥がれ損傷の生じない美麗な接続口を設けることができる成形方法とそのための装置の提供を目的としたものである。
【0011】
本発明は、そのための具体的手段として、仕切板もしくは既成ブロックの側面等を仕切面として、該仕切面の両側もしくは片側の空間域にポストテンションブロック桁を成形する際における、ブロック桁接合面に設けられるシース接続口の成形方法であって、前記仕切面に開口する導通孔の前記ブロック桁成形空間域に配管されるシースの口端に、接続シースを介して先端にシース外径よりも大きい広口部をもった接続管を接続し、該接続管の前記広口部内に内周面がリングにより補強された弾性体からなる環状圧着部材を挿着して、所定の長さのガイドパイプを、一端が前記環状圧着部材の内側を通して前記シース内へ挿入されると共に、他端が仕切面における導通孔外側へ突出するように挿通配管し、前記接続管を前記仕切面方向へ移動して、環状圧着部材の開口端を前記仕切面に圧着保持させた状態で、前記仕切面の両側もしくは片側のブロック桁成形空間域にコンクリートを打設することを特徴とする。
【0012】
環状圧着部材の開口端を仕切面に圧着保持させる手段としては、接続管の広口部後方にシースと同径で同様な螺旋溝を有する圧着用シースを設けて、この圧着用シースと前記シース口端とを、該シース口端及び圧着用シースよりも外径が大きく同様な螺旋溝を有する接続シースにより螺着接続し、固定した接続シースに対して前記圧着用シースを回転することで前記接続管を仕切面の方向へ移動させるような接続手段を用いることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
【実施例】
本発明に係るシースの接続口の成形方法およびその装置を、図面に示す実施例により説明すると、図1は、型枠(図示せず)内に仕切板1を設けて、この仕切板1の左右両側に複数個のポストテンションブロック桁2a,2bを分割成形する場合の型枠内部分縦断面図であり、型枠内には鉄筋13とともに、導通孔3を開設した前記仕切板1が枠内を左右に仕切るように配置され、この仕切板1に開設された導通孔3の両側の仕切面1aにシース4の口端4aが相対向するようにして配置され、夫々のシース4が前記鉄筋13に針金13aにより縛られて固定保持されている。
【0014】
前記両側のシース4内には、仕切板1の導通孔3を通して、両端が夫々前記シース4内へ遊挿される内径と十分な長さをもったポリエチレン製のガイドパイプ5を挿通配管するが、このガイドパイプ5の挿通に先立って、予め前記シース4の口端4aに前記仕切面1aに面した側がシース4の外径よりも大きい広口部7をもった接続管6を挿着しておく。
【0015】
上記接続管6は、先端の前記広口部7とこの広口部7の後方における前記シース4と同径で、かつ、シース4の螺旋溝4aと同じピッチの螺旋溝8aをもった圧着用シース8とからなるが、前記広口部7の後端には前記圧着用シース8の内周面にきつめに挿入し得る外径の頸部7aがあって、この頸部7aが前記圧着用シース8の内周面に挿着され、好ましくは接着剤を介して固定することで圧着用シース8の先端に前記広口部7が開口するようになっている。
【0016】
また、前記接続管6の圧着用シース8と前記シース口端4aとには、該圧着用シース8及びシース口端4aの外径よりも大きく、かつ、シース4の螺旋溝4b及び圧着用シース8の螺旋溝8aと同じピッチの螺旋溝9aをもつた接続シース9の両端が嵌合され、夫々が螺旋溝4b,8a,9aとによって互いに所定の重なり幅をもつように連結されるとともに、接続シース9を固定した状態で接続管6の圧着用シース8を回転することで、固定されたシース口端4aに対して接続管6が仕切面1aの方向へ移動し、その突出長さ量を調整できるようになっている。
【0017】
更に、前記接続管6における広口部7内には、予め、内周面が金属もしくはプラスチック製のリング11により補強された軟質ゴム、スポンジなどの弾性体からなる環状圧着部材10を嵌合しておき、この接続管6を前記接続シース9を介してシース口端4aに連結した後で、前記ガイドパイプ5の両端が、左右のシース口端4aにおける前記リング11の内側を通して夫々のシース4内に深く挿入されるように組み合わせ、次いで、前記のように接続シース9を片手で固定した状態で接続管6を接続シース9から突出する方向に回転することで、該接続管6を仕切面1aの方向へ移動し、前記環状圧着部材10の開口端10aを前記仕切面1aに圧着保持させる。
【0018】
前記のように接続管6を回転して接続シース9から突出させ、環状圧着部材10の開口端10aを前記仕切面1aに圧着保持させると、シース4が鉄筋13に縛り付けられて固定され、接続シース9とシース口端4aとが螺旋溝4b,9aにより固形され、また、接続管6の圧着用シース8と接続シース9とが螺旋溝8a,9aにより固定されていることで、接続管6は元の位置、つまりシース口端4a方向へ戻ることなく、環状圧着部材10の開口端10aが仕切面1aに押し付けられた状態を維持することができる。
【0019】
上記のようにして、環状圧着部材開口端10aを仕切面1aに圧着させたのち、シース4の周囲にコンクリートを打設してブロック桁2a,2bを成形する。その際、接続管広口部7内の環状圧着部材開口端10aが仕切面導通孔3の片面周囲に適切に圧着されていることと、該環状圧着部材後端部10bが接続管6の広口部7内にしっかりと食い込んでいること、また、接続管圧着用シース8と接続シース9及び接続シース9とシース口端4aとが夫々螺旋溝4b,8a,9aを介して互いに密着状態で接続していることにより、接続管6の内側や夫々のシース4,8,9の継ぎ目からシース内にモルタルが浸入することを確実に防ぐことができる。
【0020】
図3に示すように、コンクリートの硬化後に型枠を分解して、両側のブロック桁2a,2bを分離することで仕切板1を剥すと、環状圧着部材開口端10aが露呈した夫々のブロック桁2a,2bの端面が表れるが、両側の環状圧着部材10の内側には、前記ガイドパイプ5の両端がシース4内に挿入されたままになっているので、図4に示すように、このガイドパイプ5の両端を両側のシース4内から引き抜くとともに、環状圧着部材10の外周面に設けられた窪み内から、環状圧着部材10を内側のリング11ごと引き出して取り外すことでシース4の接続口12を開口させることができる。
【0021】
上記ブロック桁2a,2bの成形の際に、接続管6の広口部7内に嵌合された弾性体環状圧着部材10は、内周面がリング11により補強されているので、接続管6の押し出し操作によりこの環状圧着部材開口端10aを仕切面1aに圧着させると、該環状圧着部材10の外周面は自由に変形するが、内周面はリング11によって変形が阻止された状態で、開口端10aが仕切面1aに適切に圧着され、かつ、該環状圧着部材後端部10bが広口部7内にしっかりと食い込まれることになる。
【0022】
また、前記リング11の内側は導通するガイドパイプ5により補強されているので、リング11の動きが阻止され、このリング11の内周面に適正なシース接続口12を形成することができる。
【0023】
更に、環状圧着部材10の内周面に設けられるリング11は、仕切板1の片側仕切面1aにおける環状圧着部材10の内周面のみを補強し、図7に示した接続管55のように、両端が仕切面導通孔3の両側に突出していないので、仕切板1に対してシース4が傾斜していても、両側のリング11をいずれも仕切面1aに対して水平に配置することができると共に、両側のブロック桁2a,2bを仕切面1aから分離する際に、いずれか一方のリング11が他方のリング11を引っ張ることがないので、シース接続口12に損傷を与えずに分離作業を円滑に行うことができる。
【0024】
このリング11の内周面に導通されるガイドパイプ5は、両端が接続管6の圧着用シース8よりも奥のシース4内方向へ延びるように配管されているので、仮に、環状圧着部材開口端10aと仕切面1aの接触面、あるいは接続管圧着用シース8と接続シース9及び接続シース9とシース口端4aとの接触面などからモルタルがシース内に浸入したとしても、環状圧着部材10および接続管6の内側にPC鋼線の挿通を阻害するようなセメントの塊ができることを防止することができる。
【0025】
図5は別の実施例であり、この場合は、既成のポストテンションブロック桁2dの側面を剥離剤等の塗られた仕切面1aとして、この仕切面1aの片側空間域に型枠を組んで、新しいポストテンションブロック桁2cを成形するマッチキャスト方式による場合の型枠内部分縦断面図であり、この既成ブロック桁2dの仕切面1aには、前記図1乃至図4に示した第1実施例の成形方法により形成された広口部7をもった接続管6が、導通孔3として開設されている。
【0026】
また、既成ブロック桁2dの側面を仕切面1aとする型枠内には、鉄筋23とともに、前記仕切面1aに開設された導通孔3の同軸上に、シース24の口端24aへ接続シース29を介して接続された広口部27を有する接続管26が前記導通孔3と相対向するようにして配置され、シース24が前記鉄筋23に針金23aにより縛られて固定保持されている。
【0027】
前記接続管26は、後端に螺旋溝28aをもった圧着用シース28を備えており、この圧着用シース28が前記接続シース29を介してシース口端24aと回転可能に接続され、圧着用シース28を回転することで接続管26の突出長さを調整できること、および、該接続管26の広口部27内に弾性体からなる環状圧着部材30が嵌合されていること、さらに、前記環状圧着部材30の内側を通して挿通配管されるガイドパイプ25を備えることは、前記実施例の構成と同様である。
【0028】
一方、この実施例の場合では、既成ブロック桁2dの仕切面1aにおける導通孔3は、接続管6の広口部7がそのまま開口しているので、この既設接続管広口部7内に新設ブロック用接続管広口部27内の環状圧着部材30を受け止めるためのバックアップ材31が嵌め込まれている。
【0029】
このバックアップ材31は、図5及び部材6に示すように、既設接続管広口部7の長さとほぼ等しい長さLをもつ筒状体31aの外端に、前記ガイドパイプ25の挿通孔31dを開設したフランジ31cを有しており、このフランジ31cと既設接続管広口部7の開口端とが新設ブロック用接続管広口部27とその内側のの環状圧着部材30を受け止めるための実質的な仕切面1aとなり、また、挿通孔31dが実質的な導通孔3の役割を果たすことになる。
【0030】
新設ブロック用接続管26の仕切面1aへの取り付けは、接続管26の広口部27内に環状圧着部材30を嵌合してから、ガイドパイプ25の一端をこの環状圧着部材30の内側を通してシース24内に深く挿入すると共に、このガイドパイプ25の他端を既設接続管広口部7内に嵌合した前記バックアップ材31の挿通孔31dを通して既設シース4内へ挿入し、次いで、前記のように新設接続管26を接続シース29から突出する方向へ回転して、新設接続管26の広口部27を仕切面1aに露呈する既設接続管広口部7の開口端と当接させると共に、該接続管広口部27内に嵌合した環状圧着部材30の先端30aを既設接続管広口部7におけるバックアップ材31のフランジ31cの表面に圧着保持させ、この状態でコンクリートを打設する。
【0031】
【発明の効果】
本発明のシース接続口の成形方法およびその装置によれば、先端の広口部と圧着用シースとからなる接続管とシースの口端とを接続シースを介して接続し、この広口部内に内周面をリングにより補強した弾性体環状圧着部材を嵌合し、固定した接続シースに対し、接続管圧着用シースを回転して押し出す操作により環状圧着部材の開口端を仕切面に圧着させるので、コンクリート硬化後にブロック桁を仕切面から分離する際に、仕切面と環状圧着部材開口端およびリングとの分離を円滑に行うことができ、ブロック桁端面に、従来のこの種の方法によるようなコンクリートの剥がれ損傷のない美麗なシース接続導通口を形成することができる。
【0032】
また、この方法および装置では、シース接続口を形成する環状圧着部材が軟質ゴム、スポンジのような弾性体からなっているので、コンクリート硬化後にブロック桁を仕切面から分離する際には、接続管広口部の内周面を含む環状圧着部材の外周面に形成された窪み内からこの環状圧着部材を指先などで簡単に取り外すだけでよく、従来の方法のように、ブロック桁の分離後にシース接続導通口に生じた損傷を改めて補修整形する必要が全くないので、施工を迅速かつ能率的に行えるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシース接続口の成形法による左右ブロック桁接合部の構成を示す断面図。
【図2】図1のI−I線における断面図。
【図3】図1と同じ部分のブロック桁を分割した時の断面図。
【図4】同じくシース接続口が開口した時の断面図。
【図5】別の実施例における図1と同じ部分の断面図。
【図6】図5の成形法で使用するバックアップ材の斜視図。
【図7】従来のシース接続口の成形方法を示す断面図。
【図8】図7の成形方法による左右ブロック桁を分割した時の断面図。
【図9】従来の別のシース接続口の成形方法を示す断面図。
【図10】図9の成形方法による左右ブロック桁を分割した時の断面図。
【符号の説明】
1:仕切板
1a:仕切面
2a,2b,2c:新設ブロック桁
2d:既成ブロック桁
3:導通孔
4,24:シース
4a,24a:シース口端
5,25:ガイドパイプ
6,26:接続管
7,27:広口部
8,28:圧着用シース
9,29:接続シース
10,30:環状圧着部材
10a,30a:環状圧着部材開口端
10b:環状圧着部材後端部
11:リング
12:シース接続口
13,23::鉄筋
31:バックアップ材
Claims (6)
- 仕切板もしくは既成ブロックの側面等を仕切面として、該仕切面の両側もしくは片側の空間域にポストテンションブロック桁を成形する際における、ブロック桁接合面に設けられるシース接続口の成形方法であって、
前記仕切面に開口する導通孔の前記ブロック桁成形空間域に配管されるシースの口端に、接続シースを介して先端にシース外径よりも大きい広口部をもった接続管を接続し、
該接続管の前記広口部内に内周面がリングにより補強された弾性体からなる環状圧着部材を挿着して、
所定の長さのガイドパイプを、一端が前記環状圧着部材の内側を通して前記シース内へ挿入されると共に、他端が仕切面における導通孔外側へ突出するように挿通配管し、
前記接続管を前記仕切面方向へ移動して、環状圧着部材の開口端を前記仕切面に圧着保持させた状態で、前記仕切面の両側もしくは片側のブロック桁成形空間域にコンクリートを打設するシース接続口の成形方法。 - 仕切板の両面を仕切面として、該仕切面の両側の空間域にポストテンションブロック桁を成形する際の各ブロック桁接合面に設けられるシース接続口の成形方法であり、
前記仕切面に開口する導通孔の両側の前記ブロック桁成形空間域に配管される夫々のシースの口端に前記広口部をもった接続管を接続し、
前記導通孔に、両端が夫々前記導通孔の両側のシース内へ挿入される長さをもったガイドパイプの前記両端を、夫々の接続管広口部内に挿着された環状圧着部材の内側を通して前記両側のシース内へ挿通配管し、
夫々の接続管を前記仕切面方向へ移動して、前記環状圧着部材の開口端を前記仕切面に圧着保持させた状態で、前記仕切面の両側にコンクリートを打設する請求項1のシース接続口の成形方法。 - 既成ブロックの側面を仕切面として、該仕切面と接する空間域にポストテンションブロック桁を成形する際における、ブロック桁接合面に設けられるシース接続口の成形方法であって、
前記仕切面に開口する導通孔の片側の前記ブロック桁成形空間域に配管されるシースの口端に前記広口部をもった接続管を接続し、
該接続管の前記広口部内に前記環状圧着部材を挿着すると共に、既成ブロックの仕切面に開口する導通孔内に設けられたシース口端の同様な広口部内にバックアップ材を設けて、
所定の長さのガイドパイプを、一端が前記環状圧着部材の内側を通して前記シース内へ挿入されると共に、他端が既成ブロックの仕切面に開口する広口部内におけるバックアップ材の開口部を通してシース内へ挿入されるように挿通配管し、
前記接続管を前記仕切面方向へ移動して、前記環状圧着部材の開口端を既成ブロックの導通孔広口部内におけるバックアップ材片面に圧着保持させた状態で、前記仕切面の片側のブロック桁成形空間域にコンクリートを打設する請求項1のシース接続口の成形方法。 - 環状圧着部材の開口端を仕切面に圧着保持させる手段として、接続管の広口部後方にシースと同径で同様な螺旋溝を有する圧着用シースを設けて、この圧着用シースと前記シース口端とを、該シース口端及び圧着用シースよりも外径が大きく同様な螺旋溝を有する接続シースにより螺着接続し、接続シースに対して前記圧着用シースを回転することで前記接続管を仕切面方向へ移動させる請求項1〜3のいずれかのシース接続口の成形方法。
- 仕切板の両面もしくは既成ブロックの側面等を仕切面として、該仕切面の両側もしくは片側の空間域にポストテンションブロック桁を成形する際における、ブロック桁接合面に設けられるシース接続口の成形装置であって、
前記仕切面に開設された導通孔の両側もしくは片側の空間域に配管されたシースの口端に接続される先端にシース外径よりも大きい広口部をもった接続管と、該接続管の前記広口部内に挿着された内周面がリングにより補強された弾性体からなる環状圧着部材と、
両端が夫々前記環状圧着部材の内側から前記導通孔を通して、両側のシース内へ挿通されるような長さをもったガイドパイプと、
前記接続管の後端と前記シース口端との間に、前記環状圧着部材の開口端を前記仕切面方向へ移動調整可能なるように圧着保持させるための接続固定手段を備えていることを特徴とするシース接続口の成形装置。 - 環状圧着部材の開口端を仕切面に圧着保持させる固定手段として、接続管の広口部後方にシースと同径で同様な螺旋溝を有する圧着用シースを設けて、この圧着用シースと前記シース口端とを、該シース口端及び圧着用シースよりも外径が大きく同様な螺旋溝を有する接続シースに対して回転可能なるように螺着する接続手段を使用する請求項5のシース接続口の成形装置。
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