JP3784466B2 - ドアクローザ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、扉に設けられるドアクローザの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のドアクローザとしては、作動油が封入されたシリンダと、シリンダを前方の第1室と後方の第2室とに仕切るピストンと、オリフィスを介して第1室と第2室とを連通させた導油路と、第2室内に装着され、ピストンを第1室に向け付勢させる戻しばねと、ピストンに設けられたラックと、ラックに噛み合うピニオンと、シリンダに支承されると共に、ピストン及び連係アームが固定される回転軸と、前記導油路に並設され、第1室と第2室とをピストンを通じて連通させたバイパスと、バイパスに設けた逆流防止弁とから成るものを極く一般的なものとして挙げることができ、そのようなドアクローザは例えば実開平2−85780号公報に開示されており公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来のクローザにおいては、シリンダ内に作動油のみを封入充填すると、温度上昇による作動油の膨張でシリンダの内圧が異常に高まり、O−リング装着部分から油漏れを起こすことがある。
【0004】
上記作動油の膨張を吸収するため、通常、容積比で作動油量の3〜4%の緩衝用の空気をシリンダ内に封入しておくのが普通である。この場合、温度上昇による作動油の膨張を気泡を潰す形態で吸収する。
【0005】
ところが作動油に混入された空気がシリンダ中のオリフィス部分や高圧側である第1室に滞留すると、次のような種々の不具合を生ずる。
【0006】
すなわち、扉の閉鎖中この空気がオリフィス部分を通過すると、作動油の粘性抵抗を利用したドアクローザの本来の緩衝作用が損われ、扉が急激に閉ることになるのではなはだ危険である。
【0007】
同様に、クローザの所謂バックチェック機能、すなわち、扉が風であおられた際のブレーキ機能も作動油がオリフィスを通過する際の粘性抵抗を利用しているが、気泡がオリフィスを通過する際このバックチェック機能が失われることは明らかである。
【0008】
また、近年導油路内に弁を設け、この弁を外側から開閉することにより扉を任意の閉鎖角度位置で停止させるクローザのストッパーが提案されているが、この場合気泡が第1室側にあれば気泡の圧縮分停止角度がずれ込む、という不都合が生じる。
【0009】
この発明のドアクローザは、シリンダ中に入れられる空気を排して作動油のみとしてあるに関わらず、油漏れをなくすようにし、また、混入空気の存在によって生ずる緩衝作用の低下あるいはクローザのストッパーにおける停止角度位置のずれを排除することを目的として提案されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明のドアクローザは、作動油が封入されたシリンダと、シリンダを前方の第1室と後方の第2室とに仕切るピストンと、オリフィスを介して第1室と第2室とを連通させた導油路と、第2室内に弾装され、ピストンを第1室に向け付勢させる戻しばねと、ピストンに設けられたラックと、ラックに噛み合うピニオンと、シリンダに支承されると共に、ピニオン及び連係アームが固定される回転軸と、前記導油路に並設され、第1室と第2室とをピストンを通じて連通させたバイパスと、バイパスに設けた逆流防止弁とから成るドアクローザにおいて、シリンダの第2室の外側に可撓性の袋体を液密に接続し、その第2室内と袋体内とを連通路を通じて連通させ、一方、シリンダにおける連通路部分に加圧された作動油により閉じるボール弁を設け、以て、第2室の圧力の袋体内への伝達を遮断し、他方、シリンダ及び袋体内空間に気泡を混入させずに作動油のみを充填したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基いてこの発明について説明する。
図1において,符号1は作動油が封入充填されたシリンダ、13はシリンダ1の後方側底部を形成するシリンダキャップ、2はシリンダ1内に挿入され、シリンダ1を前方の第1室11と後方の第2室12とに仕切っているピストン、3はピストン2を第1室11に向け付勢されるため、第2室12内に装着された戻しばねである。
【0012】
シリンダ1において、高圧側の第1室11と低圧側の第2室12との間は、図示は省略してあるが、オリフィスを介入させた導油路で連通させてある。
【0013】
前記のピストン2にはその摺動方向に沿ってラック21が設けてあり、そのラック21にはピニオン41が噛み合せてある。
【0014】
そして、ピニオンに41には一体に回転する回転軸42が固設してあり、その回転軸42はシリンダ1に対し支承させてある。また、周知のように回転軸42の外端には図示を省略した連係アームの1つが装着される。
【0015】
符号22はピストン内に設けたバイパスで、上記の導油路に並列に設けてあり、シリンダ1の第1室11と第2室12との間を連通させてある。
【0016】
また、ピストン2の図示しないピストンヘッドにボール弁(図示せず)が設けられており、扉閉鎖時、すなわちピストン2が図1で左方に移動するときにはこのボール弁が閉じてピストン2による第1室内の作動油の加圧が可能になり、開扉時、すなわちピストン2が右方に移動するときには、このボール弁が開いて第1室内の作動油が第2室に容易に移動することができるようになっている。
【0017】
前述したような構造のドアクローザは従来公知のところである。以下にこの発明の要部について説明する。
【0018】
シリンダ1における低圧側、すなわち後方側の第2室12の適当な個所(図示の実施例ではリアキャップ13)に連通路14を穿設し、この連通路14の外方開口部分には例えばゴム弾性材製の可撓性の袋体(以下単に袋体という)5を液密に接続する。
【0019】
すなわち、袋体5内と第2室12内とは連通路14を通じて液密の状態を保って連通させる。袋体5の形状は図示の有底円筒状に限らず、任意の形状に形成することができる。
【0020】
そしてまた、シリンダ1における連通路部分14にはボール弁6が設けてある。ボール弁6は、中央の仕切り部分に通孔64と、弁座65を有する円筒状の弁本体61、球状の弁体62及び脱落防止ピン63より成る。
【0021】
円筒状の弁本体61における小径の内端側はシリンダ1の連通路14にねじ合せ等により固定され、大径の外端側の内側には袋体5のフランジ状口部を密接させるため、大気への通気孔71を有する有底円筒状の保護筒7がねじ合せにより固定してある。図中、符号8は弁本体61とシリンダ1との間に挟示させたOリングである。
【0022】
袋体5内にはシリンダ1内と同様に作動油が封入充填されるので、袋体5の口部と弁本体61との間は液密に固着しなければならない。その固着手段としては、図示のような他部材(保護筒7)による挟着手段の他、接着手段、加硫接着手段又はねじ止め手段など任意の手段を選択することができる。
【0023】
この発明のドアクローザにおいては、シリンダ1内及び袋体5内には空気は積極的には封入されず、作動油のみが封入充填されている。
【0024】
上記のように構成されたこの発明の一実施例によるクローザにおいて、図1の状態ではドアクローザは不作動の常態にあって、ボール弁6の弁体62は弁座65から外れ、脱落防止ピン63上に定座している。
【0025】
このような常態において、温度上昇があってシリンダ1内の作動油がわずかに増量した場合、シリンダ1の容量に対する余剰分は袋体5内に該袋体5の可撓性または弾力性を利して流れ込む。
【0026】
そして、余剰分の作動油が流入した場合、袋体は太鼓型に膨張し、或いは軸線方向に伸張する。反対に、温度が下降した場合には袋体内の作動油はシリンダ1内に流入し、この場合袋体5は鼓型に収縮する。
【0027】
その際の作動油の袋体5への流入、流出は準静的に行われ、シリンダ1及び袋体5内の閉鎖空間における内圧は一様であり、圧力差は生じないので弁体62は弁座65に着座することはない。
【0028】
一方、ドアクローザが開扉方向に作動する場合、換言すればピストン2が後方に移動する場合、第2室内の作動油はピストン2によって加圧される。
【0029】
それは、ピストンの後端面にバイパスの一部をなす開口22が存在するとはいえ、その開口22を除く部分が第2室内の作動油を加圧することには変りはなく、あたかも地下鉄のホームに電車が進入するとき風が吹くのと同じ原理だからである。
【0030】
したがって、第2室12と袋体5との間に圧力の勾配が生じボール弁6が閉じる結果、第2室の圧力上昇が袋体5の内部空間に伝達されてこれをいたずらに膨張させることなく、あたかも袋体5及びシリンダ内空間の気泡が無いドアクローザと同様に作動する。
【0031】
他方、人が扉口を通過して扉から手を離すと、戻しばね3の弾力によりピストン2は第1室内の作動油を加圧しつつ前進し、そのため第1室内の作動油は導油路及びオリフィスを通って第2室に流入する。
【0032】
換言すれば、袋体5内の作動油より高圧の第2室内に更に高圧の第1室の作動油が流入する。
【0033】
したがって、ボール弁6はその閉塞状態を維持するので、上記扉開放時と同様に、第2室の圧力上昇が袋体5の内部空間に伝達されてこれをいたずらに膨張させることなく、あたかも袋体5及びシリンダ内空間の気泡が無いドアクローザと同様に作動する。
【0034】
なお、この発明は図示の実施例に限定されることなく、種々に変更して実施することができる。
【0035】
例えば、図示の実施例では袋体5の材質としてゴムを採用したが、これは所謂ベローズ、すなわち薄肉金属製の蛇腹体を採用することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明のドアクローザによれば、シリンダ内には作動油の容積上の逃げとしての空気が封入されていなくても、シリンダの第2室に連通させた可撓性の袋体が備えられているので、温度の変化による作動油の膨張、収縮はこの袋体によって吸収され、油漏れが生じることは全くない。
【0037】
また、シリンダ内の気泡に存在によって生じる種々の不都合、例えば気泡がオリフィスを通過する際に生じる緩衝作用の消失、バックチェック機能の消失、或いはシリンダ内に組込んだ弁によるストッパー装置の作動角度位置のずれ等を完全に防止することができ、クローザの信頼性を向上させることができる、等種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のドアクローザの実施例における要部を示す縦断側面図。
【符号の説明】
1 シリンダ
11 第1室
12 第2室
14 連通路
2 ピストン
21 ラック
22 バイパス
3 戻しばね
41 ピニオン
42 回転軸
5 袋体
6 ボール体
Claims (1)
- 作動油が封入されたシリンダと、シリンダを前方の第1室と後方の第2室とに仕切るピストンと、オリフィスを介して第1室と第2室とを連通させた導油路と、第2室内に弾装され、ピストンを第1室に向け付勢させる戻しばねと、ピストンに設けられたラックと、ラックに噛み合うピニオンと、シリンダに支承されると共に、ピニオン及び連係アームが固定される回転軸と、前記導油路に並設され、第1室と第2室とをピストンを通じて連通させたバイパスと、バイパスに設けた逆流防止弁とから成るドアクローザにおいて、シリンダの第2室の外側に可撓性の袋体を液密に接続し、その第2室内と袋体内とを連通路を通じて連通させ、一方、シリンダにおける連通路部分に加圧された作動油により閉じるボール弁を設け、以て、第2室の圧力の袋体内への伝達を遮断し、他方、シリンダ及び袋体内空間に気泡を混入させずに作動油のみを充填したことを特徴とするドアクローザ。
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JP21605896A JP3784466B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | ドアクローザ |
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JP21605896A Expired - Fee Related JP3784466B2 (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | ドアクローザ |
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1996
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