JP3784044B2 - ベルトコンベア - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベルトコンベアに関し、さらに詳しくは、ベルトに生じた幅方向の振れを円滑に減衰せしめる機能を具備したベルトコンベアに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のベルトコンベアの中には、コンベアベルトの復路側を駆動ローラの外周面に巻き付け、その駆動ローラの回転駆動により、ベルトを駆動せしめるベルトコンベア、所謂センタードライブベルトコンベアが広く普及している。
これらのベルトコンベアは、コンベア本体の両端部にテールローラ(若しくはナイフエッジ)を横架し、この両テールローラの間にベルトを架設してある。上記したテールローラは、クラウニング加工と称し、円筒型のローラーを軸方向に略三等分し、その左右両側の範囲を先細状にテーパー加工したものを使用することが常識となっている。上記したように、ベルトコンベアのテールローラにクラウニング加工を施す理由は、ベルトコンベアにより搬送物を搬送する際に、何らかの外力によりベルトが左右に振れが生じた場合、その振れを減衰せしめてベルトを安定走行させるためのものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようにクラウニング加工したローラの機能は、図12にて示す形で解析できる。
即ち、ベルト100が、ローラ101のクラウニング部102にかかる幅L1とL2とが等しくなる時、左右両クラウニング部102の斜面に対して垂直に作用する力F1とF2とは等しい。これによりベルト100に発生する分力fX1とfX2とが等しくなり、左右のバランスがとれてベルト100の安定走行を維持できる。
今、仮に外力によりベルト100が図面左側にずれて、L1>L2となるようにバランスが崩れると、左右両クラウニング部102の斜面に対して垂直に作用する力はF1>F2となり、さらに分力も fX1>fX2となる。その結果、図12において、左から右に向けてベルト100が徐々に移動し、左右のバランスが取れるまで同ベルト100が緩やかに移動する。また、上記した場合とは反対に、L1<L2となった場合も、同様な力学的関係に基づいて、ベルト100が右から左に向けて徐々に移動し、左右のバランスが取れる時点までベルト100は移動する。
【0004】
ところが、上述したように機能するクラウニング加工のテーパーにも、一般構造上限度があり(径方向に1mm〜2mm程度)分力f1,fx2を増大させることはできない。よって、ベルト100の振れを短時間の内に減衰せしめることができずに、ベルト100が中央部まで戻って安定するまでに多くの時間を必要としていた。
また、クラウニング加工を施したテールローラは、上記したようにベルト100の振れを自動的に減衰せしめて安定させる機能を有する反面、外力によりベルト100が簡単に移動してしまう性質も併せ持っており、悪条件下ではベルトが蛇行することもある。また、クラウニング加工は、円筒径の部材をテーパー状に加工して製造するため、加工に手間と時間を要し、製造コストの増大を招いていた。
【0005】
本発明は、上記した如きセンタードライブベルトコンベアに関し、作動中に生じたベルトの振れを短時間の間に減衰せしめて安定させる機能を合理的に具備することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明のベルトコンベアは、コンベア本体の両端部に外径が一定のストレートローラのテールローラを横架し、これらテールローラの間に無端状のベルトを架設すると共に、上記コンベア本体の下流側端部近傍の左右両側部間に亘って駆動ローラを横架し、該駆動ローラに駆動源を連結して駆動回転自在に支持すると共に、同駆動ローラの外周面に上記ベルトの復路側を下面側から掛け回し、この駆動ローラの一側と他側とに一対のスナップローラを配置し、これらを駆動ローラの外周面に各々押圧して、駆動ローラの外周面にベルトを圧接せしめ、且つ、上記両スナップローラの全幅をテールローラの全幅より小さく、更に、前記ベルトの全幅をコンベア本体の端部に設けたテールローラの幅よりも所定量大きくして成るものである。
尚、上記請求項1記載のベルトコンベアにおける作用は、(発明の実施の形態)の中で説明する。
【0007】
請求項2記載のベルトコンベアは、上記テールローラをナイフエッジに換えて成るものである。このように、テールローラをナイフエッジに換えた場合においても、基本的には、テールローラの場合と同様な作用を奏する。
また、請求項記載のベルトコンベアは、上記スナップローラとして、複数のローラを所定の間隔を置きつつ同芯上に配置せしめたものを用いて成るものである。この場合、同芯する複数のローラの内、両端部のものの外側端面同士の間がスナップローラの全幅となる形で機能する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1乃至図2 にて示すコンベアは、所謂センタードライブ型のベルトコンベアAである。
上記ベルトコンベアAのコンベア本体aは、左右両側に沿ってアルミ製のフレーム1a,1bを配設し、この両フレーム1a,1bの間を、略平板状の連絡板1cにより連絡し、平面視略平行状に構成してある。また、上記連絡板1cは、無端状のベルト3の往路側を下から全面的に支承して搬送面a1を構成する。尚、本実施例の場合、上記両フレーム1a,1bと、これらの間を連絡する平板状の連絡板1cとはアルミの押し出し成形により一体に成形してある。
【0009】
コンベア本体aの左右両フレーム1a,1bの上流側及び下流側の両端部には、折り返し用のテールローラ2a,2bを架設し、該テールローラ2a,2bの間に無端状で且つ所定幅のベルト3を掛け回し、このベルト3の上面を搬送面a1として構成してある。尚、上記した両テールローラ2a,2bは、外径の一定なストレートローラを用いているが、この点に関しては後で詳しく説明する。
上記コンベア本体a両側のフレーム1a,1bの始端側及び終端側には、脚19を取り付け、これら脚19を介してコンベア本体aを水平状態にて自立せしめている。
【0010】
コンベア本体aの両端部のテールローラ2a,2b間に掛け回したベルト3の往路側は、上記連結板1cにより下側から支承することにより、水平な平面を維持する。また、ベルト3の復路側は、両フレーム1a,1bの下流側寄りの部位に下方へ突出する形で設置した駆動ユニットCの内部に引き込んである。このベルト3は、駆動ユニットCが具備する駆動ローラ7の下面側に掛け回し、スナップローラ8a,8bにより両側から押圧する。これにより、駆動ローラ7の外周面にベルト3が強く密着し、駆動ローラ7の駆動力がベルト3に伝達されて、同ベルト3が駆動回転する(図4)。
【0011】
コンベア本体aの左右両側に設置したフレーム1a,1bの下流側寄りの復路には、各々支持板53a,53bの上辺部を取り付け支持し、その下辺部側を下方へ向けて垂下してある(図1,図3)。支持板53aは、周囲に枠を成形してなる。また、支持板53bは、上下両辺部を折曲形成した縦長状の板材である。
【0012】
上記したように、コンベア本体aの復路側に垂下する形で取り付け支持した両支持板53a,53bの略中央部には、各々駆動ローラ7を軸支するための軸受け部54a,54bを設け、これらの間に、駆動ローラ7を水平に横架して回転自在に軸支してある(図3)。
駆動ローラ7の支軸7bの一端部は、上記軸受け部54bを貫通して外側に突出させ、その突出部にタイミングプーリ71を取り付けてある。また、タイミングプーリ71の支持板53aに隣接して支持板44を取付固定し、該支持板44に減速機4a付きの駆動モータ4を装着してある(図1,図2)。
【0013】
そして、上記減速機4aの出力軸にタイミングプーリ41を装着し、このタイミングプーリ41と上記駆動ローラ7のタイミングプーリ71との間を無端状のタイミングベルト43により連絡してある。よって、上記駆動モータ4を駆動回転すると、この駆動力が駆動ローラ7に伝達され、該駆動ローラ7が所定の回転数で駆動回転する。
【0014】
ベルト3の復路側は、上記駆動ローラ7の下面側外周に略290゜の範囲に亘って接触させた状態で掛け回してある(図4)。また、駆動ローラ7の両側には、各々支持アーム9a,9bの先端部に、それそれ2個ずつ軸支したスナップローラ8a,8bを駆動ローラ7の一側と他側とに配置し、これらスナップローラ8a,8bにより、ベルト3の復路側を掛け回してある駆動ローラ7を両側から挟持して弾性的に押圧せしめている。
【0015】
上記スナップローラ8a及び8bは両支持アーム9a,9bの先端に貫挿した支軸95a及び95bの両端に各々取り付けて支持し、スナップローラ8a同士及び8b同士をそれぞれ支持アーム9a,9bの先端部において、所定の間隔を置いて軸支してある(図3)。すなわち、本実施例のスナップローラは、一対のスナップローラ8a,8a及び8b,8bを軸芯方向、即ちベルト3幅方向に所定の間隔を置いて配設することにより、同じ幅を有する1本のスナップローラと同様に機能するように構成してある。
【0016】
上記したように、支軸95a,95bの左右両端に取り付け支持したスナップローラ8a,8a及び8b,8bの全幅は、図3にて示すように、駆動ローラ7に巻回されるベルト3の全幅の1/3〜1/2程度に設定するのが好ましい。しかし、スナップローラ8a,8a及び8b,8b同士の間隔は上記範囲に限定するものではなく、ベルトの全幅よりも小さければ任意の寸法に設定してよい。
また、上記スナップローラは、本実施例のように2個一対のローラを同軸上に配置するものと限定するものではなく、2個以上のローラを同軸上に配置して構成しても、若しくは後述するように、1本状のストレートローラであってもよい。
【0017】
支持アーム9a,9bの先端部に取付支持した一対のスナップローラ8a,8bは、図4にて示すように駆動ローラ7外周の幾分上面側に対して当接するように構成してある。また、両支持アーム9a,9bの下端部は、上端部と同様に中央へ向けて略円弧状に屈曲形成してあり、その屈曲部の下端部に、後述する支承部10の支承凹部11内に嵌合する断面略Ω形の枢支体20を一体に突設してある。
【0018】
支承部10は、両支持アーム9a,9bの下端部を回動可能に支承する部位であると共に、その中央にはカム30を回動可能に挟持する間隙10bを設けてある(図3,図4)。両支承部10は支承凹部11を形成してある。両支承凹部11は、上面が開口する略C形の凹溝であり、且つ両支持アーム9a,9bの枢支体20の外径よりも一回り大きな径の円弧状の溝として形成してある。
【0019】
支承部10に凹設した支承凹部11の内部には、所定の厚みに形成したポリエチレン等の合成樹脂からなるブッシュ21を内嵌する。そして、上記支承凹部11内に両支持アーム9a,9bの枢支体20を嵌入して、ブッシュ21の内側に嵌合することにより、両アーム9a,9bの下部を支承凹部11内にて回動可能に支持している。
また、両支持アーム9a,9b下端の屈曲部の先端部には、カム当接部31を支承部10の中央へ向けて各々一体に突設し、これらの下面にカム30の外周面が当接する当接面31aを形成してある(図3,図4)。
【0020】
一方、支承部10の中央に向けて突出する支持アーム9a,9bのカム当接部31の直下には、図3にて示すような外周形を有するカム30を嵌入して回動可能に軸支してある。カム30は、ポリエチレン等の合成樹脂等を用いて形成し、側面の所定箇所に支軸32を水平に貫通せしめて回動可能に支持してある。
【0021】
両支持アーム9a,9bにおける下部側屈曲部の上面には、断面略C形に形成した3個の止め孔36a〜36cを適宜な間隔を置いて形成してある。この止め孔36a〜36cは、両支持アーム9a,9bの間に引き伸ばした状態で架設するコイルスプリング60の両端を取付シャフト62を介して係止する部分である。両支持アーム9a,9bの止め孔36a〜36cには取付シャフト62を選択選択的に挿嵌し、該取付シャフト62の両端部に各々コイルスプリング60の両端部を掛止することにより、両支持アーム9a,9bが互いに接近するように付勢力を加える(図4)。上記したように、3個の止め孔36a〜36cを設けることにより、コイルスプリング60の端部を掛止する位置を適宜に調節することができる。そして、枢支体20の軸芯と各止め孔36a〜36cとの距離を変化させることで、コイルスプリング60により両支持アーム9a,9b間に生じる締め付け力を調節する。
【0022】
上記した如く構成したベルトコンベアAにおいて、ベルト3を取り外す際には、カム30を操作する。すなわち、カム30の外周に穿設した孔33に適宜外径の棒材34若しくはプラスのドライバー等を挿入し、正方向へ90゜回動する(図3,図5)。これにより、カム30外周面が両作動アーム9a,9bの当接面31aを押し上げ、上記両作動アーム9a,9bの当接面31aに接した状態にて、カム30の回動が停止する。
この状態において、カム30の最上部のレベルがコイルスプリング60による付勢力に抗して所定量上方に移動する。これにより、両作動アーム9a,9bが拡開し、先端の両スナップローラ8a,8bの間隔が駆動ローラ7の外径よりも広がった状態、即ち、ベルト3を弛ませてベルト3を取り外しできる状態となる(図5)。
【0023】
反対に、取り外したベルト3を装着する際には、上記したカム30を逆方向へ90゜回動せしめることにより、カム30による付勢力が解かれ、開いた状態にあった両作動アーム9a,9b及び両スナップローラ8a,8bがコイルスプリング60による付勢力により再び引き寄せられ、図3,図4にて示す作動状態に復帰する。
【0024】
次いで、上記した如く構成した本発明のベルトコンベアAにおいて、作動中に生じたベルト3の振れが減衰する理由を図6に基づいて説明する。
図6は、コンベア本体aの下流側端に設けたテールローラ2b部分を簡略化して示す平面図である。テールローラ2bは、外径が一定なストレートローラを用いている。このテールローラ2bにはベルト3を巻回すると共に、該ベルト3の復路側を駆動ローラ(図示せず)に対して下面側から巻き付け、前述したように、駆動ローラ外周の一側と他側に、スナップローラ8a及び8aを弾性的に押圧した状態を示している。
【0025】
この実施例では、テールローラ2bに、同ローラ2bの全幅よりも若干狭い幅のベルト3を巻装してある。また、上記テールローラ2bから所定の距離Lだけ離れた位置にはそれぞれ2個ずつのスナップローラ8a,8aを同芯させた状態で配置してある。また、上記両スナップローラ8a,8aの全幅W2は、テールローラ2bに巻回したベルト3の幅よりも狭く設定して有り、基本的にはスナップローラ8a,8aの幅がベルト3の幅の1/2〜1/3程度になるように設定するのが好ましい。
【0026】
上記したように、スナップローラ8a,8aの全幅W2を、ベルト3の幅W1よりも小さくしたベルトコンベアは、テールローラ2bに巻回したベルト3の左右両側の縁部からスナップローラ8a,8bのへ向けて斜めに作用する張力F1及びF2が生じる。
張力F1,F2は、作動アーム9a,9bを付勢するコイルスプリング60の付勢力により生じるものであり、その値は一定となる。また、搬送路のセンターラインRを基準として左右に振り分けられた幅W3とW4との力関係は等しく、上記ベルトコンベアが安定して作動している際には、張力F1,F2と、スナップローラ8a,8bの中心を通過する基準線R1,R2とに挟まれる角度α1,α2は等しくなる(図6)。
【0027】
ベルトコンベアの作動中に何らかの理由でベルト3に外力が加わり、上記W3,W4のバランスが崩れると、ベルト3が左右幅方向に振れる。図6の仮想線はベルト3が右へ向けて振れた状態を示しており、この場合、W3<W4の状態と成る。すると、引っ張り角度α1,α2は、α1<α2となる。ここで、張力F1,F2は一定であるから、張り角度α1とα2の角度の差による幅方向へ働く分力f1とf2との関係は、f1<f2となり、外力により右側に振れたベルト3は、一変して左へ向けてスライドし、中央部まで移動した時点で元のように安定して作動する。
【0028】
次ぎに、図7,図8にて示す実施例を説明する。
このベルトコンベアは、テールローラ2bの全幅Bをベルト3の幅W1よりも所定量短くしたものであり、これにより、上記したものと同様な効果を奏する上、バランスの崩れたベルトを元に戻す機能はさらに高めることができる。
図7において、ベルト3の幅W1は、スナップローラ8a,8bの全幅W2よりも大きく、W1>W2となる。この時、テールローラ2bに巻回されるベルト3の左右両縁からスナップローラ8a,8bの中心へ向けて伸びる線上にベルト3を張る張力F1,F2が生じる。この張力F1,F2は、作動アーム9a,9bを付勢するコイルスプリング60によって一定に作用している。上記テールローラ2bの全幅Bとベルト3の幅W1との関係は、W1=W10+B+W20である。上記W10とW20とはベルト3がテールローラ2bの両端から延出して同テールローラ2bの外周面に接していない範囲であり、作動中のベルトが安定作動している時には、W10=W20の関係が成り立つ。
【0029】
何らかの理由でベルト3に外力が加わり、上記W1=W3+W4のバランスが崩れると、ベルト3が左右幅方向に振れる。図8はベルト3が左へ向けて振れた状態を示しており、W10>W20の状態と成る。これにより、引っ張り角度α1,α2の関係は、前記した場合とは逆に、α1>α2となる。そして、引っ張り角度α1とα2の角度の差により、幅方向へ働く分力f1とf2との関係が、f1>f2となる。その結果、左側に振れたベルト3は、右へ向けてスライドし、中央部まで移動した時点で元のように安定して作動する。
【0030】
上述した実施例のベルトコンベアにあっては、スナップローラの全幅をベルトの幅よりも適度に小さくすることにより上記した如き効果を奏するものである。ちなみに、ベルトの幅をそのままにして、テールローラの全幅をスナップローラの全幅よりも小さくした場合には、ベルト中央へ向けて作用する力の他に、外側に逃げようとする力が発生するので好ましくない(図示せず)。
【0031】
上記した実施例では、2個のスナップローラ8a,8bを各々所定の間隔を置いて同芯させて装着することにより、所定の幅を有する1本状のスナップローラと同様に機能するように構成した。
よって、本発明のベルトコンベアに用いるスナップローラは、図9にて示すように、所定の幅を有する1本状のスナップローラ8a',8b'を用いて構成してもよい。当然のことながら、1本状に構成したスナップローラ8a',8b'は、上記したように2個ずつのスナップローラ8a,8bを用いたものと同様に機能する。
【0032】
本発明のベルトコンベアは、上記した実施例のように、コンベア本体aの上流側と下流側の端部にテールローラ2a,2bを設置したが、本発明のベルトコンベアは、図10にて示すもののように、テールローラに換えてナイフエッジ2cを装着してもよい。この場合、小さな搬送物を搬送するナイフエッジ2cでありながら、上記したテールローラ2a,2bを装着したベルトコンベアと同様な効果を奏する。また、ナイフエッジにおいて難しいとされる蛇行調整も極めて簡単に行なうことができる。さらに、特別な加工、例えばナイフエッジにクラウニング加工を施したり、新たな調整機構を設ける必要もなく、低コストなベルトコンベアを提供することができる。
【0033】
尚、上記実施例のベルトコンベアAは、駆動ローラ7の外周面にベルト3の復路側を掛け回し、この駆動ローラ7の一側と他側とに、支持アーム9a,9bにて支持した一対のスナップローラ8a,8bを配置し、これらをコイルスプリング60の付勢力を利用して駆動ローラ7の外周面に各々押圧するように構成した。しかし、本発明の主旨によれば、駆動ローラの一側と他側とにスナップローラを押圧する構造は上述した実施例の構造に限定するものではなく、駆動ローラの一側と他側にスナップローラを適宜に押圧し得るものであれば、既存のどのような構造を用いても良い。
【0034】
ところで、本願出願人は、本発明に至るまでに多くの試験を実施している。
表1〜表3はその一部であるが、テールローラ2bとベルト3の幅の比率,及びテールローラ2bとスナップローラ8a,8bとの軸間距離L,ベルト3に加える張力,及びベルトの両縁とスナップローラの端面とを結ぶ張力F1,F2の角度αの各パラメータを適宜に変更しながら一定の位置まで振れたベルトが中央まで移動して安定するまでの時間を測定し、振れたベルトを復元し得る適用範囲を求めた。以下にその測定データをまとめた表1〜表3を記する。
尚、図11は、以下の各表を捕捉する図面である。
【表1】
Figure 0003784044
【表2】
Figure 0003784044
【表3】
Figure 0003784044
表1はクラウニング加工の有無によるベルト戻り時間の比較データである。
表2はスナップローラの幅と張力Fによるベルト戻り時間の比較データである。
表3はベルトの幅と角度α1,α2の適用範囲を示すデータである。表3にて示した角度α1,α2は、ベルト幅とスナップローラの全幅、及びテールローラ外周に巻回するベルト両縁とスナップローラの中心とを結ぶ線の傾斜角度であり、表3にて示した角度α1,α2の値は、本発明の効果が効率よく発揮し得るか否かの境界値といえる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成したものであるから、コンベアの作動中において、搬送物等から受ける外力により、ベルトが左右一方に振れた場合、例えば、ベルトが進行方向に向かって右に振れた場合を仮定すると、テールローラ(ストレートローラ)に巻回したベルトの左右両縁とスナップローラの左右両端とを結ぶ角度αに差を生じる。この場合、上記角度αは右>左となり、ベルトを左右両端から中央に向けて常時押すように働く左右の分力に差が生じ、右側に振れたベルトを左に向けてスライドさせ、同ベルトを中央位置まで速やかに移動し得る。また、ベルトが外力により左に振れた場合にも、上記したと同様な復元力が生じ、左に振れたベルトを中央部まで速やかに移動し得る。
よって、本発明のベルトコンベアは、テールローラとしてストレートローラを使用しても、外力により振れたベルトを速やかに中央まで移動せしめることが可能となり、さらにその復元性と安定性は、従来のクラウニング加工を施したローラのそれと比較して数段上の性能を発揮する。
また、テールローラとして外径が一定なストレートローラを使用できるので、従来のようにクラウニング加工を施したものと比較すると、手間のかかるテーパー加工を省くことができ、製造コストを大幅に低減することができる。
【0036】
そして、上記ベルトの全幅をコンベア本体の端部に設けたテールローラの幅よりも所定量大きくして成るものであるから、コンベアの作動中においても、ベルトの左右両縁部がテールローラの左右両端面よりも延出し、この延出部分がテールローラの外周面に当接しなくなる。よって、上記延出部分においては、ベルトが左右方向に振れた際に、テールローラの外周面に働く垂直方向の力が発生せず、同延出部分に生じる全ての張力がスナップローラへ向けて作用するので、左右方向に振れたベルトを中央へ向けて戻す力を効果的に加えることができる。従って、本発明のベルトコンベアは、スナップローラ幅とベルト幅との関係で生じる復元力に加えて、上記したベルト延出部分により生じる復元力が付加されるので、外力により左右方向に振れたベルトを中央へ向けて復元せしめる復元力は強力なものとなり、ベルトの復元性と安定性をより一層向上できる。
【0037】
請求項記載のベルトコンベアは、上記テールローラをナイフエッジに換えて成るものであるから、上記した請求項記載のベルトコンベアと同様な効果を奏し、ナイフエッジにおいて難しいとされる蛇行調節を容易に行なうことができる。さらに、特別な部品を付設することなく、安定したベルト作動を実現し得る。また、ナイフエッジを用いたので、小さな搬送物を支障なく搬送できることは勿論である。
【0038】
請求項記載のベルトコンベアは、上記スナップローラとして、複数のローラを所定の間隔を置きつつ同芯上に配置せしめたものを用いて成るものである。この場合、同芯する複数のローラの内、両端部のものの外側端面同士の間がスナップローラの全幅となり、同じ幅の1本状のスナップローラと同様に機能する。また、隣り合うスナップローラ同士の間に間隙を設けることができるので、支持構造の簡素化や部材間の干渉を回避することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施したベルトコンベアを一部切欠して示す側面図。
【図2】 本発明を実施したベルトコンベアを一部切欠して示す平面図。
【図3】 同ベルトコンベアの駆動ユニット部分を示す縦断面図。
【図4】 図3におけるIV-IV 線断面図。
【図5】 ベルトを弛めた状態を示す駆動ユニット部分を示す縦断面図。
【図6】 テールローラとスナップローラとの間に生じるベルトの張力関係を簡略して示す平面図。
【図7】 テールローラよりも広いベルトを具備するベルトコンベアのテールローラとスナップローラとの間に生じるベルトの張力関係を示す平面図。
【図8】 上記ベルトが振れた状態において、ベルトコンベアのテールローラとスナップローラとの間に生じるベルトの張力関係を示す平面図。
【図9】 テールローラと1本状のスナップローラとの間に生じるベルトの張力関係を簡略して示す平面図。
【図10】 ナイフエッジとスナップローラとの間に生じるベルトの張力関係を簡略して示す平面図。
【図11】 表1〜表3の捕捉図面である。
【図12】 クラウニング加工を施したテールローラとスナップローラとの間に生じるベルトの張力関係を示す平面図。
【符号の説明】
A・・・ベルトコンベア
a・・・コンベア本体
a1・・・搬送面
1a,1b・・・フレーム
2a,2b・・・テールローラ
2c・・・ナイフエッジ
3・・・ベルト
4・・・駆動モータ
7・・・駆動ローラ
8a,8b・・・スナップローラ(一対)
8a',8b'・・・スナップローラ(1本状)

Claims (1)

  1. コンベア本体の両端部に外径が一定のストレートローラのテールローラを横架し、これらテールローラの間に無端状のベルトを架設すると共に、上記コンベア本体の下流側端部近傍の左右両側部間に亘って駆動ローラを横架し、該駆動ローラに駆動源を連結して駆動回転自在に支持すると共に、同駆動ローラの外周面に上記ベルトの復路側を下面側から掛け回し、この駆動ローラの一側と他側とに一対のスナップローラを配置し、これらを駆動ローラの外周面に各々押圧して、駆動ローラの外周面にベルトを圧接せしめ、且つ、上記両スナップローラの全幅をテールローラの全幅より小さく、更に、前記ベルトの全幅をコンベア本体の端部に設けたテールローラの幅よりも所定量大きくして成るベルトコンベア。
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