JP3783349B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空調装置において、車室内の温度を検出する内気温センサの検出値の補正に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内気温センサの検出値を補正するものとして、特公平5−15570号公報に記載されているものがある。そして、この従来装置では、吹出口モードに応じて、内気温センサの検出値を補正するようにしている。例えば、吹出口モードがフットモードである場合は、足元から温かい空調風が上方に立ち上がり、この空調風のよって内気温センサが実際の室温より高い値を検出するため、内気温センサの検出値が低くなるように補正している。
【0003】
また、吹出口モードがフェイスモードである場合は、冷たい空調風が下方に流れ落ちることによって、内気温センサが実際の室温より低い値を検出するため、内気温センサの検出値が高くなるように補正している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置では、吹出口モードに応じて内気温センサの検出値を補正しているが、吹出口モードが同じであっても、空調風の温度が変化すると、この空調風の影響を受けて内気温センサの検出値が、実際の室温と異なってくる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、空調風の温度の影響に係わらず、内気温センサの検出値を的確に補正できる車両用空調装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1ないし4記載の発明では、空調風の温度に関連する温度信号(TAO)を発生する温度信号発生手段(S4)を有し、
補正手段(S3)は、吹出口モードにかかわらず、内気温度検出手段(36)の検出値(T r )と温度信号(TAO)に基づいて補正内気温(T r ′)を算出するようになっており、
補正手段(S3)は温度信号(TAO)が高くなる程、補正内気温(Tr ′)を低く算出することを特徴としている。
【0007】
ところで、温度信号が高くなる程、内気温度検出手段は実際の室温より高い温度を検出するので、空調風の温度の影響が大きい。そこで、請求項1記載の発明では、温度信号が高くなる程、補正手段にて補正内気温が低く算出される。このため、空調風の温度の影響に係わらず、内気温度検出手段の検出値を的確に補正できる。
また、請求項1記載の発明では、以下の別の作用効果がある。上記従来装置では、吹出口モードが切り換わると、内気温度検出手段の検出値を補正するようにしているため、吹出口モードの切り換わり時に、補正内気温が急激に変化する。このため、空調風の温度が急激に変わったりして好ましく無い。
【0008】
そこで、請求項1記載の発明よれば、吹出口モードにかかわらず、上記温度信号に応じて上記検出値を補正しており、この温度信号は、設定温度を大幅に変更しない限り、急激に変化することが無いため、空調風の温度を急激に変化することが防止できる。
また、請求項2記載の発明では、少なくとも補正内気温(T r ′)および設定温度(Tset )に基づいて、空調風の目標吹出温度(TAO)を算出する算出手段(S4)と、
少なくともこの算出手段(S4)にて算出された目標吹出温度(TAO)に基づいて、空調風の温度を調整して、車室内の温度が設定温度(Tset )となるように制御する温度制御手段(6、31、S8、S10)とを有し、
温度信号は、算出手段(S4)にて算出される目標吹出温度(TAO)であることを特徴としている。
【0009】
これにより、請求項1記載の発明と同様の効果がある。
また、請求項3記載の発明では、補正手段(S3)は、設定温度(Tset )が高くなる程、補正内気温(Tr ′)を高く算出することを特徴としている。
ここで、設定温度が高く例えば28℃の場合と、設定温度が低く例えば20℃の場合とでは、実際の室温は前者の方が高くなる。このため、両者とも同じ温度信号であったとすると、設定温度が28℃の場合でも、設定温度が20℃と同様な補正量が算出されてしまう。
【0010】
このようにすると、設定温度が28℃の場合では、設定温度20℃の場合よりも、上記検出値は実際の室温に近いにも係わらず、実際の室温が28℃であっても補正内気温が28℃より低く算出されることがある。これにより、車両用空調装置は、さらに空調風の温度を高めて車室内を暖房することで、実際の室温が設定温度28℃より高くなり、このままでは精度良くフィードバック制御を行うことができないという問題がある。
【0011】
そこで、請求項3記載の発明では、補正手段にて設定温度が高くなる程、補正内気温を高く算出するため、各設定温度に応じて、精度良くフィードバック制御を行うことができ、実際の室温を設定温度に近づけることができる。
また、請求項4記載の発明では、補正手段(S3)は、内気温度検出手段(36)にて検出された検出値(Tr )が高くなる程、検出値(T r )からの減算値(ΔTr)を大きくして補正内気温(Tr ′)を低く算出することを特徴としている。
【0012】
これにより、検出値が高くなる程、空調風の影響が大きいとして、補正内気温Tr ′は、低く算出される。これにより、空調風が、内気温度検出手段に与える影響度合いに応じて、上記検出値を補正できる。この結果、実際の車室内の温度により近い補正内気温にて、空調制御を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図1ないし図5に基づいて説明する。先ず本実施形態の全体構成について図1を用いて説明する。
車両用空調装置1は、車室内に空調空気が導入される空調ケース2と、このケース2内に空気を導入し車室内へ送風する送風機3と、冷房手段を構成する冷凍サイクル4と、暖房手段を構成する温水回路5と、エアコン制御装置6とを備えている。
【0014】
空調ケース2の空気下流側部位には分岐ケース2a〜2cが接続されている。このうち分岐ケース2aの先端は、車両の窓ガラス10の内面に向けて空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口7に接続され、分岐ケース2bの先端は、乗員の上半身に向けて空気を吹き出すためのフェイス吹出口8に接続され、分岐ケース2cの先端は、乗員の足元に向けて空気を吹き出すためのフット吹出口9に接続されている。
【0015】
各吹出口7〜9は、分岐ケース2a〜2cの上流開口部に設けられた吹出口切換ドア11,12によって開閉される。この吹出口切換ドア11,12は、図示しないリンク機構を介して、サーボモータのような駆動手段13(図2参照)によって駆動される。
送風機3は、ブロワケース3a、遠心式ファン3b、およびその駆動手段としてのブロワモータ3cよりなり、ブロワモータ3cへの印加電圧(ブロワ電圧)に応じて送風量が決定される。
【0016】
ブロワケース3aの空気入口部には、空調ケース2内に車室内空気(以下、内気)を導入するための内気導入口14と、空調ケース2内に車室外空気(以下、外気)を導入するための外気導入口15とが形成された内外気切換箱50が接続されている。また、この外気導入口15には、実際には車両のアッパーカウルに開口した図示しない外気取入口と図示しない外気導入ダクトにて接続されている。
【0017】
上記内外切換箱50には、例えばサーボモータのような駆動手段17(図2参照)によって駆動される内外気切換ドア16が設けられており、この内外気切換ドア16によって内気導入口14から空調ケース2内へ導入される内気導入風量、および外気導入口15から空調ケース2内に導入される外気導入風量とが制御される。
【0018】
冷凍サイクル4は、車室内(空気)を冷却する冷却用熱交換器を構成するとともに、車両窓ガラス10の曇りを除去する除湿手段を構成する周知のものであり、具体的には冷媒圧縮機18、冷媒凝縮器19、レシーバ20、減圧装置21、および冷媒蒸発器22(以下、エバポレータ22)により構成され、冷媒配管24によって接続されている。
【0019】
このうち冷媒圧縮機18は、電磁クラッチ25を介して車両の走行用エンジン26によって駆動され、エバポレータ22側からのガス冷媒を圧縮して高温高圧冷媒とし、この高温高圧冷媒を冷媒凝縮器19側に吐出する。
冷媒凝縮器19は、クーリングファン27の送風を受けて、冷媒圧縮機18が吐出した高温高圧冷媒を凝縮液化する。レシーバ20は、冷媒凝縮器19からの冷媒を気液分離するとともに、冷凍サイクル4中の余分な冷媒を蓄える。
【0020】
減圧装置21は、レシーバ20からの液冷媒を減圧膨張して低温低圧冷媒とするもので、具体的には、エバポレータ22の出口配管を流れる冷媒の過熱度が一定となるように、自身を通過する冷媒流量を調節する温度作動式膨張弁で構成されている。
エバポレータ22は、空調ケース2内に配置されており、送風機3からの空気との熱交換によって前記低温低圧冷媒を蒸発させる。
【0021】
温水回路5は、空調ケース2内のうちエバポレータ22の空気下流側に配設され、熱源であるエンジン冷却水が循環することで、空調ケース2内の空気を加熱する加熱用熱交換器としてのヒータコア28と、このヒータコア28に接続された温水配管29とからなる。
このうちヒータコア28は、エバポレータ22からの冷風がヒータコア28をバイパスするバイパス通路30を形成するように、ケース2内に配設されている。そして、前記冷風のうち、ヒータコア28を通過する空気量とバイパス通路30を通過する空気量との割合は、ヒータコア28の空気上流側に設けられ、温度調整部材であるエアミックスドア31の位置によって調節される。このエアミックスドア31は、図示しないリンク機構を介して、サーボモータのような駆動手段32(図2参照)によって駆動される。
【0022】
エアコン制御装置6は、空調制御に係わる制御プログラムや各種演算式等が記憶されたマイクロコンピュータの他に、ROM、RAM、I/Oポート、A/D変換器等(いずれも図示しない)を内蔵する周知のもので、図2に示すように、エアコン操作パネル33から出力される操作信号と、後述する各種センサからの検出信号とに基づいて、上記各サーボモータ13、17、32と、ブロワモータ3cを駆動するためのモータ駆動回路34と、電磁クラッチ25を駆動するためのクラッチ駆動回路35とへ制御信号を出力する。
【0023】
上記各種センサとしては、車室内の温度を検出する手段である内気の温度を検出する内気温センサ36(内気温度検出手段)、車室外の温度を検出する外気温センサ37、車室内に照射される日射量を検出する日射センサ38、エバポレータ22を通過した直後の空気温度を検出する蒸発器後センサ39、およびヒータコア28の外表面に直接取り付けられエンジン冷却水温を検出する水温センサ40が用いられる。なお、本例では、上記内気温センサ36は、図3に示すように車両幅方向の中央部で、車室内の下方寄りに設置されている。
【0024】
エアコン操作パネル33は、車室内のインストルメントパネル(図示しない)に設けられ、図2に示すように車室内の設定温度を設定する温度設定器33aや、乗員の操作により周知の吹出モードを切り換える吹出モード設定スイッチ(図示しない)が設けられている。
次に本実施形態の作動を図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0025】
車両のイグニッションスイッチがオンされて、エアコン制御装置6に電源が供給されると、先ずステップS1にて、各種カウンタやフラグ等の初期化を行う。次にステップS2にて、情報読込として、温度設定器33aの設定温度信号(Tset )、各センサ36〜41の検出値をA/D変換した値(Tr ,Tam,Ts ,Te ,Tw )、およびエアコン操作パネル33の各種スイッチ類の状態を読み込む。
【0026】
続いて、ステップS3では、上記ステップS2にて読み込まれた内気温センサ36の検出値Tr を補正して、補正内気温Tr ′を算出する。なお、このステップS3での制御内容は、後で詳しく説明する。
次にステップS4にて、下記数式1に基づいて車室内へ吹き出す空調風の目標温度(必要熱量データ)である目標吹出温度(以下TAOという)を算出する。なお、このステップS4にて温度信号発生手段および算出手段を構成している。
【0027】
【数1】
TAO=Kset ×Tset −Kr ×Tr ′−Kam×Tam−Ks ×Ts +C
ここでKset 、Kr 、Kam、Ks はそれぞれゲインであり、Cは補正用定数である。
次にステップS5にて、上記TAOに基づいて吸込口モードを決定する。例えば、このステップS5では、上記ステップS4にて算出されたTAOが所定値より低いと、内気導入口14を開口し、外気導入口15を閉塞することで、空調ケース2内に内気を導入する内気循環モードに決定される。一方、ステップS5では、上記ステップS4にて算出されたTAOが所定値より高いと、内気導入口14を閉塞し、外気導入口15を開口することで、空調ケース2内に外気を導入する外気導入モードに決定される。
【0028】
次にステップS6にて、図5の特性図を用いて、上記ステップS4にて算出されたTAOに基づいて吹出口モードを決定する。例えば、TAOが高くなるにつれて、以下のフェイスモード(FACE)、バイレベルモード(B/L)、フットモード(FOOT)順に吹出モードを決定する。
なお、FACE(フェイス)モードとは、フェイス吹出口8から空調風を吹き出すモードであり、B/L(バイレベル)モードとは、フェイス吹出口8とフット吹出口9の両方から空調風を吹き出すモードであり、FOOT(フット)モードとは、フット吹出口9から空調風を吹き出すモードである。
【0029】
次にステップS7にてブロアモータ3cに印加するブロア電圧を決定し、さらにステップS8にて、車室内へ吹き出す空気の温度が上記TAOとなるように、エアミックスドア31の目標開度SWを下記数式2に基づいて決定する。
【0030】
【数2】
SW={(TAO−Te )/(TW −Te )}×100 (%)
次にステップS9にて、冷媒圧縮機18の作動判定を行う。この作動判定は、上記蒸発器後センサ39が検出する温度が3度以下であれば、蒸発器22にフロストが生じないように冷媒圧縮機18を停止し、4度より高ければ冷媒圧縮機18を作動させる。
【0031】
次に、ステップS10にて、上記各制御目標値が得られるように、各サーボモータ13、17、32、モータ駆動回路34、およびクラッチ駆動回路35へ制御信号を出力する。その後、ステップS11にて、所定の制御周期τが経過したか否かを判定し、経過したらステップS2に戻り、経過していなければ上記τが経過するまでステップS11の制御を繰り返す。
【0032】
次に、本発明の要部である上記ステップS3の内容を図6のフローチャートにて説明する。なお、本例では、上述のように内気温センサ36は車室内の下方寄りに設置されているため、フェイス吹出口8からの空調風の影響を受けにくく、フット吹出口9から吹き出される空調風(図3中矢印Aで示す)により、実際の車室内の温度より高い値を検出し易いようになっている。また、フット吹出口9からの空調風の温度が高い程、内気温センサ36の検出値Tr は、実際の室温より高くなる。
【0033】
上記補正内気温Tr ′は、ステップS3(c)にて示すように以下の数式3にて算出される。
【0034】
【数3】
Tr ′=Tr −ΔTr ×KTr
つまり、Tr はステップS2にて読み込まれた内気温センサ36の検出値であるため、Tr ′は、ΔTr とKTr とを乗じたものをTr から減算したものとなる。
【0035】
ΔTr は、ステップS3(a)に示すように検出値Tr が高くなる程、大きく算出されるようになっている。具体的には、検出値Tr が所定値Tr1(本例では30℃)より低いときは0と算出され、検出値Tr が所定値Tr1から所定値Tr2(本例では48℃)までは、検出値Tr が高くなる程、大きく算出される。そして、検出値Tr が所定値Tr2(本例では、48℃に相当)より高いときは10と算出される。
【0036】
つまり、本例では、上述したように検出値Tr はフット吹出口9からの空調風の影響を受けやすいので、検出値Tr が30℃より高いときに検出値Tr 上記空調風の影響を受けて、実際の室温より高い値となっているとして、ΔTr を0以上としている。これにより、本例では、検出値Tr が30℃より高いときのみに検出値Tr が補正され、検出値Tr が30℃より低いときにはΔTr は0となり、補正内気温Tr ′は検出値Tr となる。
【0037】
そして、実際の室温が30℃より高いことは、夏場を除いてあまり考えられない。つまり、春秋冬においては実際の室温が30℃以上であると、通常乗員は不快と感じるため、空調使用時においては現実的にあまり無いと考えられる。従って、検出値Tr が30℃より高くなるということは、フット吹出口9からの空調風により、検出値Tr が実際の室温より高くなっていることを意味する。
【0038】
そして、本例では、検出値Trが30℃より高くなる程、フット吹出口9からの空調風の影響が大きいとして、減算値ΔTr ×KTr が大きく算出されるため、補正内気温Tr ′は、低く算出される。これにより、フット吹出口9からの空調風が、内気温センサ36に与える影響度合いに応じて、上記検出値Tr を補正できるこの結果、実際の室温により近い補正内気温Tr ′にて、空調制御を行うことができ、乗員の空調フィーリングに合致する。
【0039】
また、KTr は、ステップS3(b)で示すようにTAOが高くなる程、大きく算出されるようになっている。具体的には、TAOが変動値TAO1+α・Tset より低いときは0と算出され、TAOが変動値TAO1+α・Tset から変動値TAO2+α・Tset までは、TAOが高くなる程、大きく算出される。そして、TAOが変動値TAO2+α・Tset より高いときは1と算出される。
【0040】
つまり温度信号であるTAOが高くなる程、内気温センサ36は実際の室温より高い温度を検出するので、フット吹出口9からの空調風の影響が大きくなる。そこで、ステップS3(b)では、TAOが高くなる程、KT r として大きい値を算出し、それにより、減算値ΔTr ×KTr が大きくなるため、検出値Tr は低く補正されることになる。このため、本例では空調風の温度の影響に係わらず、内気温センサ36の検出値Tr を的確に補正できる。
【0041】
なお、上述したように夏場においては、実際の室温が30℃以上になるが、通常上記TAOはかなり低い値で、TAOは変動値TAO1+α・Tset より必ず、低い値となるため、KTr は0となる。従って、夏場においては、実際の室温が30℃より高いときには、補正内気温Tr ′は、検出値Tr となるので、実際の室温にて空調制御を行うことができる。
【0042】
次に、上述の変動値TAO1+α・Tset および変動値TAO2+α・Tset について説明する。この(α・Tset )のうちαは定数であり、Tset は上記設定温度である。そして、ステップS3(b)の特性図は、設定温度が低い場合では実線▲1▼の特性となり、設定温度が高い場合は一点鎖線▲2▼の特性となる。
つまり、設定温度が高くなると、図6中Xであった変動値TAO1+α・Tset が、図中X1に変動し、図6中Yであった変動値TAO2+α・Tset が、図中Y1に変動する。この結果、▲1▼の特性線から▲2▼の特性線にずれる。従って、同じTAOであっても、設定温度が高い程、KTr は小さくなり、減算値ΔTr ×KTr も小さくなる。
【0043】
このようにしたのは、以下の理由がある。
例えば、変動値TAO1+α・Tset および変動値TAO2+α・Tset を固定する、つまり単なるTAO1、TAO2とする。そして、設定温度が高く例えば28℃の場合と、設定温度が低く例えば20℃の場合とでは、実際の室温は前者の方が高くなる。
【0044】
このため、例えば、ステップS3(b)での特性線が実線▲1▼だけで、両者とも同じTAOであったとすると、設定温度が28℃の場合でも、設定温度が20℃と同様に減算値ΔTr ×KTr (補正量)、および補正内気温Tr ′が算出されてしまう。
このようにすると、設定温度が28℃の場合では、設定温度20℃の場合よりも、上記検出値Tr は実際の室温に近いにも係わらず、実際の室温が28℃であっても補正内気温Tr ′が28℃より低く算出されることがある。これにより、エアコン制御装置6は、さらに空調風の温度を高めて車室内を暖房することで、実際の室温が設定温度28℃より高くなり、このままでは精度良くフィードバック制御を行うことができないという問題がある。
【0045】
そこで、本例では、上述のように設定温度が高い程、減算値ΔTr ×KTr を小さくして、補正内気温Tr ′を高くするため、各設定温度に応じて、精度良くフィードバック制御を行うことができ、実際の室温を設定温度に近づけることができる。
また、本例では、上記TAOに応じて検出値Tr を補正することで、以下の効果がある。つまり、従来装置では、吹出口モードが切り換わると、検出値Tr を補正するようにしたいるため、吹出口モードの切り換わり時に、本例でいう補正内気温Tr ′が急激に変化する。このため、空調風の温度が急激に変わったりして好ましく無い。
【0046】
そこで、本例では、上記TAOに応じて検出値Tr を補正しており、このTAOは、設定温度を大幅に変更しない限り、急激に変化することが無いため、空調風の温度を急激に変化することが防止できる。
(変形例)
上記各実施形態では、温度信号としてTAOを用いたが、空調風の温度を検出する温度センサを設けて、この温度センサの検出値に応じて、検出値Tr を補正するようにしても良い。
【0047】
また、上記実施形態では、内気温センサ36は、フット吹出口9からの空調風の影響を受けやすい位置に設けられていたが、フェイス吹出口8からの空調風の影響を受けやすい位置に設けても良いし、設置位置は限定されるものでは無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。
【図2】上記実施形態における車両用空調装置の制御系を表すブロック図である。
【図3】上記実施形態における内気温センサの取付位置を示す図である。
【図4】上記実施形態におけ空調制御内容を表すフローチャートである。
【図5】上記実施形態におけるTAOと吹出口モードとの関係を示す図である。
【図6】上記実施形態における内気温センサの検出値Tr の補正内容を表すフローチャートである。
【符号の説明】
6…エアコン制御装置、36…内気温センサ。

Claims (4)

  1. 車室内の温度を検出する内気温度検出手段(36)と、
    この内気温度検出手段(36)にて検出された検出値(Tr )を補正して補正内気温(Tr ′)を算出する補正手段(S3)とを有し、
    少なくとも前記補正手段(S3)にて算出された補正内気温(Tr ′)に基づいて、空調風の温度を制御することで、車室内の温度が設定温度(Tset)となるように自動的に制御する車両用空調装置であって、
    前記空調風の温度に関連する温度信号(TAO)を発生する温度信号発生手段(S4)を有し、
    前記補正手段(S3)は、吹出口モードにかかわらず、前記検出値(T r )と前記温度信号(TAO)に基づいて前記補正内気温(T r ′)を算出するようになっており、
    前記補正手段(S3)は、前記温度信号(TAO)が高くなる程、前記補正内気温(Tr ′)を低く算出することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 少なくとも前記補正内気温(T r ′)および前記設定温度(Tset)に基づいて、空調風の目標吹出温度(TAO)を算出する算出手段(S4)と、
    少なくともこの算出手段(S4)にて算出された目標吹出温度(TAO)に基づいて、空調風の温度を調整して、車室内の温度が前記設定温度(Tset)となるように制御する温度制御手段(6、31、S8、S10)とを有し、
    前記温度信号は、前記算出手段(S4)にて算出される目標吹出温度(TAO)であることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記補正手段(S3)は、前記設定温度(Tset )が高くなる程、前記補正内気温(Tr ′)を高く算出することを特徴とする請求項1または2記載の車両用空調装置。
  4. 前記補正手段(S3)は、前記内気温度検出手段(36)にて検出された検出値(Tr )が高くなる程、前記検出値(T r )からの減算値(ΔTr)を大きくして前記補正内気温(Tr ′)を低く算出することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つに記載の車両用空調装置。
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