JP3782643B2 - 硬質フォーム性能を改善するためのポリウレタン触媒組成物 - Google Patents
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Description
【発明の背景】
本発明は、硬質ポリウレタンフォームを製造するための第三級アミン触媒に関する。
【0002】
ポリウレタンフォームは広く知られており、自動車、住宅およびその他の産業で使用されている。このようなフォームは、種々の添加剤の存在下でポリイソシアネートをポリオールと反応させて製造する。このような添加剤の一つはクロロフルオロカーボン(CFC)発砲剤であり、これは反応の発熱の結果、気化して重合塊にフォームを形成させる。CFCはkファクターによって測定される熱伝導性が低いため、硬質フォームを絶縁するのに重要である。
【0003】
CFCが成層圏中のオゾンを枯渇させることがわかったので、CFCの使用を減らすよう要求されるようになった。このため、水とポリイソシアネートとの反応により発生するCO2によって発泡が起こる水発泡フォームの製造がますます重要になってきた。
【0004】
第三級アミン触媒は、典型的には、発泡(CO2を生成する水とイソシアネートとの反応)およびゲル化(ポリオールとイソシアネートとの反応)を促進するために使用される。発泡またはゲル化のいずれかを選択的に促進する第三級アミンの触媒能は、特定のポリウレタンフォームを製造するための触媒を選択する際の重要な考慮事項である。触媒が発泡反応をあまりに急激に促進する場合、イソシアネートとポリオールとの反応が十分に起こる前に多くのCO2が発生し、CO2が処方物の外に泡立ち、そしてフォームが崩壊する結果となり、品質の不十分なフォームが製造される。これに対して、触媒があまりに強くゲル化反応を促進すると、かなりの程度の重合が起こった後に、CO2の実質的な部分が発生する。再び、この場合は高密度で崩壊したかもしくは輪郭が不明瞭なセルまたはその他の望ましくない特徴を有する品質の不十分なフォームが製造される。
【0005】
第三級アミン触媒は一般に悪臭を放ち不快であり、そして多くは低分子量のために高い揮発性を有する。フォーム処理中の第三級アミンの放出は重大な安全性と毒性の問題を提起する可能性があり、そして、消費製品からの残留アミンの放出は一般に望ましくない。
【0006】
尿素官能基を含むアミン触媒(例えばRNHCONHR′)は、この官能基を欠く関連した構造と比較した時に、分子量と水素結合が増大するので揮発性と臭気が低減される。さらに、尿素官能基を含む触媒は、反応中に化学的にウレタンに結合して最終製品から放出されない。この概念を具体化する触媒構造は、典型的には活性の低いものから中程度のものであり、発泡(水−イソシアネート)およびゲル化(ポリオール−イソシアネート)反応の両方を種々の程度まで促進する。
【0007】
U.S. 5,859,079は、生成する軟質フォームの流動性、空気流、および圧潰力の物理的性質を系統的に制御するために比率を変えることができるN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素および3−ジメチルアミノプロピル尿素からなる、軟質ポリウレタンフォームを製造するためのポリウレタン触媒組成物を開示している。
【0008】
U.S. 4,644,017は、周囲物質の組織を変色または変化させないポリイソシアネート付加生成物の製造において、第三級アミノ基を有するある種の拡散安定なアミノアルキル尿素の使用を開示している。具体的には、ジメチルアミノプロピルアミンと尿素の使用の反応生成物である触媒Aと触媒Dが教示されている。
【0009】
U.S. 4,007,140は、ポリウレタンを製造するための低臭気触媒としてN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素の使用を開示している。
U.S. 4,194,069は、ポリウレタンフォームを製造するための触媒としてN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−(3−モルホリノプロピル)尿素、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素およびN,N′−ビス(3−モルホリノプロピル)尿素の使用を開示している。
【0010】
U.S. 4,094,827は、臭気がより低く、ポリウレタンフォームの製造を助ける発泡反応を遅延するN,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素を含むある種のアルキル置換された尿素の使用を開示している。
U.S. 4,330,656は、1,5−ナフチレンジイソシアネートとポリオールとの反応のためのまたは大気酸化を促進することなく1,5−ナフチレンジイソシアネートをベースとするプレポリマーを連鎖延長するための触媒としてN−アルキル尿素の使用を開示している。
【0011】
DE 30 27 796 A1 は、ポリウレタンフォームを製造するために臭気の低減された触媒としてより高分子量のジアルキルアミノアルキル尿素の使用を開示している。
U.S.4,310,632 および U.S.5,057,480 は、定義済み触媒を使用するポリウレタンの製造法を開示している。
【0012】
【発明の概要】
本発明は、硬質ポリウレタンフォームを作るための触媒組成物を提供する。触媒組成物は、3−ジメチルアミノプロピル尿素とN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素、すなわち、それぞれ3−ジメチルアミノプロピルアミンのモノ−およびビス−尿素を含有する。>0〜<100モル%のモノ−尿素および>0〜<100モル%のビス−尿素の量のモノおよびビスアルキル置換された尿素の混合物を含有するこの触媒組成物を用いると、ポリウレタンフォームの物理的性質が改善される。
【0013】
2つの尿素化合物の比率を変化させて、開放セル含量%、kファクター値および反応しているフォーム形成成分の流動性を系統的に制御して処理性を高めることができる。3−ジメチルアミノプロピル尿素に対するN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素の比率を増加させると、フォームの開放セル含量%およびkファクター値が減少するが、一方3−ジメチルアミノプロピル尿素に対するN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素の比率を減少させると、発泡組成物の流動性が改善される。
【0014】
開放セル含量%は、フォームセルを通して発泡剤が拡散することによる発泡剤の損失を評価するための指標である。これは、フォームセルを通しての空気の拡散、すなわちフォームを通しての「空気流」に相当する。開放セル含量がより大きいということは、気体の拡散がより大きく、空気流がより大きいことを意味する。
【0015】
kファクターは、物質、この場合硬質ポリウレタンフォームを絶縁する熱伝導率の指標である。硬質フォームのkファクターが低いほど、その絶縁性が良くなる。フォームを絶縁するためには、セル中に発泡剤を保持してkファクターを低く維持する。したがって、フォーム中の開放セル含量が少ないのは望ましい。本発明は器具、例えば冷凍庫および冷蔵庫および絶縁フォームを含む積層板、ならびに他のkファクターの重要な用途で価値がある。
【0016】
US 5,859,079では触媒ブレンドのモノ尿素に対するビス尿素の比率を増やすと軟質フォーム中で空気流が増加することを教示しているのに対して、本明細書による硬質フォームでは、触媒ブレンドのモノ尿素に対するビス尿素の比率を高めると、フォームの開放セル含量が減少し、これに伴い空気流が減少しており、U.S.5,859,079に教示されている効果とは反対である。
【0017】
さらに、当該分野では、典型的にはフォームのkファクターが本質的に開放セル含量%に正比例して変化することが認められるのに対して、触媒ブレンドのモノ尿素に対するビス尿素の比率を高めると、開放セル含量の減少から予想されるよりも非常に劇的にkファクターが減少した。
【0018】
硬質フォームが真空パネルまたは他のkファクターが重要でない用途に望まれる場合、モノ尿素に対するビス尿素の比率を減少させた触媒組成物を使用することにより発泡組成物の流動性が改善される。
【0019】
これらの触媒のさらなる利点は、それが反応中にイソシアネートと反応してウレタン中に化学的に結合するウレイド基を含むということである。したがって、触媒は完成したフォーム製品から放出されない。
【0020】
【発明の詳述】
本発明で使用する触媒組成物は、イソシアネート官能基と活性水素含有化合物、すなわちアルコール、ポリオール、アミンまたは水との間の反応、特にポリウレタンを作るためのポリオールのヒドロキシルとイソシアネートとのウレタン(ゲル化)反応および発泡ポリウレタンを作るために二酸化炭素を放出する水とイソシアネートとの発泡反応に触媒作用を及ぼす。
【0021】
硬質ポリウレタンフォームは、典型的には硬質フォーム中のイソシアヌレートがより高いレベルで存在することによって軟質フォームと区別することができる。さらに、軟質フォームでは、典型的にはフォーム組成物中の全ポリオール含量の一部としてポリオールポリマーに加えて4000〜5000の重量平均分子量(Mw)および28〜35のヒドロキシル価(OH#)の慣用のトリオールが使用される。これに対して、硬質ポリウレタンフォーム組成物では、160〜700のOH#を有するMw500〜1000のポリオールを使用する。また、硬質フォームは、フォーム組成物のイソシアネート(NCO)インデックスによって軟質フォームと区別することができる。硬質フォーム組成物では、典型的には100〜300のNCOインデックスを使用するが、一方、軟質フォーム組成物では典型的には70〜115のNCOインデックスが必要である。
【0022】
硬質ポリウレタンフォーム生成物は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)および4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を含む当該分野でよく知られている任意の適切な有機ポリイソシアネートを用いて製造する。特に適切なイソシアネートは、「粗MDI」として商業的に知られているジイソシアネートの混合物であり(Dow ChemicalによってPAPIとして販売されている)、これには約60%の4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートと共に他の異性体および類似のより高級なポリイソシアネートが含まれる。他の適当なイソシアネートは、2,4−および2,6−TDIそれぞれ単独またはそれらの商業的に入手可能な混合物として一緒にしたものである。また、ポリイソシアネートとポリエーテルまたはポリエステルポリオールを部分的に予備反応させた混合物からなるこれらのポリイソシアネートのプレポリマーも適当である。
【0023】
硬質ポリウレタン組成物の成分として適切なポリオールの例はポリアルキレンエーテルおよびポリエステルポリオールである。ポリアルキレンエーテルポリオールには、ポリ(アルキレンオキシド)ポリマー、例えばポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)ポリマー、およびジオールおよびトリオール、例えば、とりわけエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパンおよび同様の低分子量ポリオールを含む多価化合物から誘導された末端ヒドロキシル基を有するコポリマーが含まれる。
【0024】
本発明の実施においては、単一の高分子量のポリエーテルポリオールを使用することができる。また、高分子量のポリエーテルポリオール、例えばジ−およびトリ官能性物質の混合物および/または異なる分子量または異なる化学組成の物質の混合物を使用することができる。
【0025】
有用なポリエステルポリオールには、ジカルボン酸を過剰のジオールと反応させる、例えばアジピン酸をエチレングリコールまたはブタンジオール等と、無水フタル酸をジエチレングリコールと反応させるか、またはラクトンを過剰のジオールと、例えばカプロラクトンをプロピレングリコールと反応させることによって製造したものが含まれる。これらのポリエステル物質の典型的なOH#値は、160〜490の範囲である。
【0026】
ポリウレタンフォーム処方物中に見られる他の典型的な剤には、連鎖延長剤、例えばエチレングリコールおよびブタンジオール; 架橋剤、例えばジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンおよびトリプロパノールアミン; 発泡剤、例えば化学発泡剤、例えば水および物理発泡剤、例えばCFC、HCFC、HFC、ペンタン等; ならびにセル安定剤、例えばシリコーンが含まれる。
【0027】
触媒、例えば本発明による触媒組成物を含む0.5〜5lb/ft3(8〜80kg/m3)の密度を有する一般のポリウレタン硬質絶縁フォーム処方物(例えば、器具フォーム;積層板)は以下の成分を重量部(pbw)で含む。
硬質フォーム処方物
(硬質ポリウレタンフォーム処方物) pbw
ポリオール 100
シリコーン界面活性剤 1〜3
物理発泡剤 0〜50、好ましくは2〜50
水 0〜4、好ましくは1〜4
助触媒 0〜5、好ましくは0.2〜5
発明の触媒 0.5〜10
イソシアネートインデックス 100〜300
【0028】
積層板(断熱板)および器具フォームを作るためには、NCOインデックスは、典型的には100〜300であり、開放セルフォームを作るためには、NCOインデックスは典型的には100〜120であり、そしてフォームは通常すべて水発泡させる。
【0029】
経済的な方法で硬質ポリウレタンフォームを作る際に、加工寛容度を制御するための反応性の触媒組成物には、好ましくは、任意のモル%比率で下記の式IおよびIIによって表される化合物が含まれる。モル%は、モノ尿素(I)とビス尿素(II)のモルに基づく。発泡組成物の流動性を改善するためには触媒組成物は、50〜95モル%のモノ尿素(I)および5〜50モル%のビス尿素(II)、好ましくは80〜95モル%のモノ尿素(I)および5〜20モル%のビス尿素(II)を含まなければならない。硬質フォームの開放セル含量%およびkファクター値を減少させるためには、触媒組成物は、5〜50モル%のモノ尿素(I)および50〜95モル%のビス尿素(II)、好ましくは5〜20モル% のモノ尿素(I)および80〜95モル%のビス尿素(II)を含まなければならない。加えて、製造手段によっては、触媒組成物は化合物(I)および(II)の重量を基準にして20重量%までの未反応の尿素(III)を含みうる。
【0030】
【化1】
【0031】
化合物IおよびIIは、高められた温度で不活性雰囲気下、適当なモル比で尿素とN,N−ジメチルアミノプロピルアミンとを反応させることによって製造される。化合物IおよびIIは、合成分野で知られているクロマトグラフィー技術によって、個々に単離することができる。
【0032】
ポリウレタン処方物では、触媒として有効な量の触媒組成物を使用する。さらに特定すると、触媒組成物の適切な量は、ポリウレタン処方物中ポリオール100部につき約0.01〜10重両部(pphp)、好ましくは0.05〜1pphpである。
触媒組成物は、ウレタン分野でよく知られている他の第三級アミン、有機スズ、またはカルボキシレートウレタン触媒と組み合わせてまたは含めて使用することができる。
【0033】
実施例1
3−ジメチルアミノプロピル尿素(I)の合成
3−ジメチルアミノプロピル尿素(I)とN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素(II)のモル比94:6のブレンドの触媒混合物を、以下:機械撹拌器、還流冷却器、窒素バブラーおよび温度制御された加熱マントルを備えた1リットル三ツ口丸底フラスコを用いて製造した。176.3gの尿素[CH4N2O]と300.0gのN,N−ジメチルアミノプロピルアミン[(CH3)2NCH2CH2CH2NH2]をフラスコに入れた。混合物を一定の速度で撹拌しながら、120℃にゆっくり加熱した。NH3発生の全ての徴候が終わる(N2圧力開放装置中の泡立ちによって確かめられる)まで、反応を120℃に制御した。淡黄色の液体を80℃に冷却し、そして液体を含むフラスコを、真空ポンプを用いて排気し、そしてN2を3回再充填してなお存在するすべての揮発性物質を除去した。定量的 13C NMRは、最終生成物が86モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素(I)、5モル%のN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素(II)および9モル%のみ反応尿素であることを示した。モノ対ビスのモル比は、モノ尿素対ビス尿素17.2対1、すなわち94:6の比率であった。
【0034】
実施例2
N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素(II)の合成
1リットル三ツ口丸底フラスコは、以下:機械撹拌器、還流冷却器、窒素バブラーおよび温度制御された加熱マントルを備えていた。フラスコに、83.96gの尿素[CH4N2O]および300gのN,N−ジメチルアミノプロピルアミン[(CH3)2NCH2CH2CH2NH2]をフラスコに入れた。混合物を一定の速度で撹拌しながら、120℃までゆっくり加熱した。反応は120℃で1.5時間制御し、次いで反応温度を140℃、160℃そして最終的に180℃に高めた。各場合、アンモニアの発生が停止した後に、温度を高めた。過剰なN,N−ジメチルアミノプロピルアミンを蒸留により除去した。定量的13CNMRは、生成物が98モル%のN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素(II)および2モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素(I)であることを示した。
【0035】
実施例3
以下の成分を重量部(pbw)で有する処方物を使用して慣用のポリウレタンフォームを製造した:
【0036】
ポリオールA…慣用のポリエーテルポリオール
ポリオールB…慣用のポリエステルポリオール
Forane(R) 141b…慣用の補助HCFC発泡剤(Elf Atochem によって販売されている)。
DABCO(R) Polycat41…慣用の第三級アミン触媒(Air Products and Chemicals, Inc. によって販売されている、APCI)
DABCO Polycat5…慣用の第三級アミン触媒(APCI によって販売されている)
DABCO(R) DC-5357…慣用のシリコーン界面活性剤(APCI によって販売されている)
MDIポリマー…慣用のMDIポリマー
【0037】
慣用の方法で140°F(60℃)で均一に加熱維持された典型的な12×12×2インチ(30.5×30.5×5.1cm)の水平底部/12×24×2インチ(30.5×61×5.1cm)の垂直脚部からなるL−成形型中でポリウレタンフォームを製造した。ポリウレタン処方物は重量部で上に列記した。使用する触媒レベルは、すべて自由上昇フォーム試験で測定した等しいストリングゲル時間に基づく同等の反応性レベルで比較した。
【0038】
慣用の成形ポリウレタンフォームは、上に列記した処方物を使用して製造した。処方物を、使用可能なビン中で触媒なしで製造し、10分間手で振盪して成分を完全に混合した。次いで、マスターバッチを23℃の定温器中に約2時間貯蔵した。32オンス(946mL)の紙コップ中のマスターバッチ220.49gに1.29gの触媒を加え、そして完全なマスターバッチを直径2インチ(5.1cm)の撹拌パドルを備えたオーバーヘッド撹拌器を使用して6000rpmで10秒間混合した。混合中に蒸発した発泡剤は、ここで戻して加えた。十分なMDIポリマーを、カップ混合物に加えインデックスが115のフォームを作った[インデックス=(NCOモル/活性水素モル)×100]。同じオーバーヘッド撹拌器を用いて完全な処方物を5秒間よく混合した。32オンス(946mL)カップを、上部の穴を通して、そして厚さ2インチのL状の成形型の水平部分の底部を通して滴下した。カップは、カン上部で縁が巻かれて隙間のないシールを形成しているため下の穴がはずれないようになっている。型を、安定な140°F(60℃)に予熱した。型の内部の水平および垂直寸法により、それぞれ、厚さ2インチ(5.1cm)の、中心部で11×12インチ(28×30.5cm)および中心部で25×12インチ(63.5×30.5cm)の最大寸法を有する完成したフォームを製造した。底部穴は、32オンス(946mL)の円筒形カップの上部の口を捉える大きさに設定した。素早く上部の穴をきつく封じて、フォームの流れを水平に、次いで成形型の垂直脚部を通して上がるよう強制した。6分後、成形型の上部を取り外し、そして硬化したフォームを脱型した。紙コップをフォーム部分からはずし、発泡塊の流れ性の指標である垂直脚部の平均高さをミリメートルで測定した。24時間後、屈曲部より上約2インチ(5.1cm)を中心にして垂直脚部から8×8×1インチ(20.3×20.3×2.5cm)の部分を切り取った。この部分を、Lasercomp Fox 200熱流量計装置を利用してkファクターについて試験し、そして英国の熱単位(インチ/時・ft2・°F)およびワット/メートル・°K(W/mK)で報告した。次いで、試験した部分を切断して、3枚一組みの2×2×1インチ(5.1×5.1×2.54cm)のサンプルにして、圧縮強度について試験した。kファクターパネルの残りの部分を切断して、2枚一組の1立法インチ(2.54cm3)のサンプルにし、Quantachrome比重瓶を利用して開放/独立セル含量%について試験した。
【0039】
表1は、実施例1〜3の触媒を使用して得られた物理的性質を示している。試験したフォームは標準仕様にあわせ、そして開放セル含量%についてはASTM指定のD2856そしてkファクター値についてはC177を使用して試験を実施した。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例3は、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノ−プロピル)尿素(II)のレベルを上げると、硬質フォームのフォーム高さ、開放セル含量%およびkファクター物理的性質が減少することを示している。この改良は、例えば器具や積層板のような絶縁用途では重要である。先行技術から考えると、実施例1および2の触媒で硬質フォームの物理的性質が異なる結果になったのは予想外のことであった。
【0042】
U.S. 4,644,017の表3は、3−ジメチルアミノプロピル尿素(触媒A)とN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素(触媒D)で、PVCホイル裏付き半硬質フォームと同等の性能が得られたことを示している。したがって、当業者はこれらの触媒の混合物を使用することによって性能が改善されることを予期しないが、予想に反してこれらの触媒の混合物は、硬質フォームの性能を改善する。
【0043】
U.S. 4,007,140の実施例6は、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素では対照よりも高いレジリエンスのフォームが製造されたことを示している。さらに、U.S. 4,194,069は、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素ではN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−(3−モルホリノプロピル)尿素と比較してフォームの縮みが少なく、セルが連通して製造されたことを示している。したがって、硬質フォームのkファクター値および開放セル含量を下げるためにN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素を添加する、または3−ジメチルアミノプロピル尿素に対するN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素の比率を高めるということは考えられなかった。3−ジメチルアミノプロピル尿素に対するN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素の比率を減少させると、フォームの流動性が改善される。本発明の利点は、触媒比率を使用して流動性、開放セル含量およびkファクター値を系統的に制御し、これにより硬質フォームにおけるより大きな加工寛容度が得られるということである。
【0044】
U.S. 5,859,079は、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素と3−ジメチルアミノプロピル尿素の比率を変えて製造した軟質フォームの物理的性質を予測して、系統的に制御する能力を記述している。N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素のレベルを上げると、空気流が増加し、圧潰力が減少し、そしてフォームの流動性が減少することになった。しかし、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素および3−ジメチルアミノプロピル尿素の比率を硬質フォーム用途で変えると、開放セル含量が低くなる結果、空気流は減少する。この結果は軟質フォーム処方物における結果からは予想されない。開放セル含量が減少すると、kファクター値が改善される(より低くなる)。しかし、実施例2の触媒と比較して実施例1の触媒から得られたkファクターの大きな違いは、さらに驚くべきことである。硬質フォームでの流れの改良は、軟質フォーム用途で見られるのと同じ傾向である。3−ジメチルアミノプロピル尿素の量が増加すると、フォームの流動性は改善される。
【0045】
【産業用途の説明】
本発明は、硬質ポリウレタンフォームを作るための触媒組成物を提供する。
Claims (21)
- ポリオール、有機ポリイソシアネート、発泡剤、セル安定剤及び触媒組成物を有する硬質フォーム処方物から製造される硬質ポリウレタンフォームにおいて、>0〜<100モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素および>0〜<100モル%のN,N′−ビス(3−ジメチル−アミノプロピル)尿素からなる尿素触媒組成物を使用することからなる、フォームの加工寛容度を制御するための改善された前記硬質フォーム。
- 0.5〜5lb/ft3(8〜80kg/m3)の密度を有し、そして以下の成分:
硬質フォーム処方物 pbw
ポリオール 100
シリコーン界面活性剤 1〜3
物理発泡剤 0〜50
水 0〜4
助触媒 0〜5
尿素触媒組成物 0.5〜10
イソシアネートインデックス 100〜300
を重量部(pbw)で有する硬質フォーム処方物から製造される硬質ポリウレタンフォームにおいて、本質的に>0〜<100モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素および>0〜<100モル%のN,N′−ビス(3−ジメチル−アミノプロピル)尿素からなる尿素触媒組成物を使用することからなる、フォームの加工寛容度を制御するための改善された請求項1に記載の硬質フォーム。 - 尿素触媒組成物が50〜95モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素および5〜50モル%のN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素からなる、硬質ポリウレタンフォーム処方物の流動性の改善された請求項2に記載の硬質フォーム。
- 尿素触媒組成物が80〜95モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素および5〜20モル%のN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素からなる、硬質ポリウレタンフォーム処方物の流動性の改善された請求項2に記載の硬質フォーム。
- 尿素触媒組成物が5〜50モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素
および50〜95モル%のN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素からなる、硬質フォームの開放セル含量%およびkファクター値を低減するための請求項2に記載の硬質フォーム。 - 尿素触媒組成物が5〜20モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素および80〜95モル%のN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素からなる、硬質フォームの開放セル含量%およびkファクター値を低減するための請求項2に記載の硬質フォーム。
- 助触媒組成物が一つ以上の第三級アミン、有機スズまたはカルボキシレートウレタン触媒からなる請求項2に記載の硬質フォーム。
- 助触媒組成物が一つ以上の第三級アミン、有機スズまたはカルボキシレートウレタン触媒からなる請求項3に記載の硬質フォーム。
- 助触媒組成物が一つ以上の第三級アミン、有機スズまたはカルボキシレートウレタン触媒からなる請求項4に記載の硬質フォーム。
- 助触媒組成物が一つ以上の第三級アミン、有機スズまたはカルボキシレートウレタン触媒からなる請求項5に記載の硬質フォーム。
- 助触媒組成物が一つ以上の第三級アミン、有機スズまたはカルボキシレートウレタン触媒からなる請求項6に記載の硬質フォーム。
- 発泡剤、セル安定剤および触媒組成物の存在下で有機ポリイソシアネートをポリオールと反応させることによって硬質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、本質的に>0〜<100モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素および>0〜<100モル%のN,N′−ビス(3−ジメチル−アミノプロピル)尿素からなる触媒組成物を使用することからなる、フォームの加工寛容度を制御するための改善された前記方法。
- 50〜95モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素および5〜50モル%のN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素からなる触媒組成物を使用することからなる、硬質ポリウレタンフォーム処方物の流動性を改善するための請求項12に記載の方法。
- 80〜95モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素および5〜20モル%のN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素からなる触媒組成物を使用することからなる、硬質ポリウレタンフォーム処方物の流動性を改善するための請求項12に記載の方法。
- 5〜50モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素および50〜95モル%のN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素からなる触媒組成物を使用することからなる、硬質ポリウレタンフォームの開放セル含量%およびkファクター値を低減するための請求項12に記載の方法。
- 5〜20モル%の3−ジメチルアミノプロピル尿素および80〜95モル%のN,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)尿素からなる触媒組成物を使用することからなる、硬質ポリウレタンフォームの開放セル含量%およびkファクター値を低減するための請求項12に記載の方法。
- 触媒組成物を他の第三級アミン、有機スズまたはカルボキシレートウレタン触媒と組み合わせて使用する請求項12に記載の方法。
- 触媒組成物を他の第三級アミン、有機スズまたはカルボキシレートウレタン触媒と組み合わせて使用する請求項13に記載の方法。
- 触媒組成物を他の第三級アミン、有機スズまたはカルボキシレートウレタン触媒と組み合わせて使用する請求項14に記載の方法。
- 触媒組成物を他の第三級アミン、有機スズまたはカルボキシレートウレタン触媒と組み合わせて使用する請求項15に記載の方法。
- 触媒組成物を他の第三級アミン、有機スズまたはカルボキシレートウレタン触媒と組み合わせて使用する請求項16に記載の方法。
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