JP3781972B2 - 飲料注出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、家庭用のビールディスペンサー等の飲料注出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家庭用のビールディスペンサー等の飲料注出装置においては、飲料容器の口部に栓体を嵌着し、その栓体を経て加圧系統及び注出系統を構成する各ホースを接続するようにしており、上記の栓体は飲料容器口部にねじ嵌合する構成となっている。
【0003】
図5はその一例であり、栓体41に加圧ホース42のホース継手43を設け、そのホース継手43に連通した継手44を下方に設けている。この継手44にチューブ状の逆止弁45が取付けられる。また、上記の栓体41に筒状のねじ継手46が設けられ、そのねじ継手46にねじ結合された着脱式のホース継手48が嵌合される。そのホース継手48に注出上ホース49が接続される。また、前記のねじ継手46の下方にこれに連通した継手51が設けられる。この継手51に注出下ホース52が接続される。
【0004】
また、栓体41の下面に飲料容器53の口部54をシールする口部パッキン55が装着される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の飲料注出装置によると、飲料の注出系統が注出下ホース52と注出上ホース49に別れ、これらのホース52,49が継手51及びホース継手48を介して接続されるため、注出されるビール液の通路に多くの段差部分が存在し、ビール液が過剰に発泡する原因となっている。
【0006】
また、従来の構造によると着脱式のホース継手48を用いるなどしているためコスト高になる問題もあった。
【0007】
そこで、この発明は、注出される発泡性飲料の発泡し難い液通路をもった飲料注出装置を提供すること、及び製品コストの削減を図ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、飲料容器の口部に嵌着される栓体を経て該容器内部を加圧する加圧系統と、加圧された内部の飲料を上記栓体を経て外部に注出する注出系統とを有し、該注出系統の出口にコックを設けてなる飲料注出装置において、上記注出系統を構成する飲料注出ホースを1本のホースにより形成した構成を採用した。
【0009】
上記の構成によると、飲料は1本の飲料注出ホースを通って注出されるので、その通路に段差が無く、従って飲料の発泡が抑制される。また、飲料注出ホースの継手が不要になるので、製品コストの削減を図ることができる。
【0010】
また、上記飲料注出ホースが上記栓体を貫通する部分に栓パッキンを装着し、該栓パッキンに上記飲料注出ホースの貫通穴を設け、その貫通穴に該飲料注出ホースに対するシール部を設けた構成を採用することができる。この構成によると、飲料注出ホースに対するシールが確実になると共に、そのホースを飲料容器のサイズに応じて長さ方向にスライドさせることなどが容易にできる。
【0011】
さらに、上記栓パッキンに上記加圧系統の加圧ホースのホース継手及び上記飲料容器からの圧力の逸脱を防ぐ逆止弁を一体に設けた構成を採用することができる。この構成によると、栓パッキンを加圧系統と前記の注出系統に共用することができるので、部品数が減少し、製品コストの一層の削減を図ることができる。
【0012】
なお、上記栓パッキンを、加圧系統と注出系統の2部品により構成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面に示したビールディスペンサーについて説明する。このビールディスペンサーは、図1に示すように、基台1と、その上に着脱自在に載置される断熱容器2、及び蓋3とからなる。蓋3にはコック4が取付けられる。基台1の内部には、図示を省略しているが、エアーポンプ、ガスボンベ等の加圧源が設けられる。
【0014】
飲料注出装置5は、図2に示すように、断熱容器2内に収納された飲料容器7の口部8に嵌着されるものであり、栓体9と、加圧ホース11及び飲料注出ホース12とにより構成される。
【0015】
上記の栓体9は、図3に示すように、栓本体13とこれに装着される栓パッキン14とからなる。栓本体13は、栓パッキン14を装着するための装着穴15を有するとともに、飲料容器7の口部8に螺合される雌ねじ部16を有する。上記の装着穴15の内周面に係合リブ17が形成される。
【0016】
上記の栓パッキン14は、全体として円板状のものであり、その外周面に前記の係合リブ17に係合される係合溝18が形成される。その係合溝18の下部に口部シール部19が形成される。また、栓パッキン14には加圧ホース11のスリーブ状のホース継手21が一体に形成される。また、そのホース継手21の下方にこれと連通したチューブ状の逆止弁22が一体に形成される。この逆止弁22は下端部がテーパー状に形成され、加圧ホース11側からの加圧に対しては開放される一方、飲料容器7側からの加圧に対しては閉塞されて圧力の逸脱を防止する。
【0017】
上記のホース継手21に接続された加圧ホース11は、ホース継手21の内周面との密着、及びホース継手21と逆止弁22との間の段差23に対する端面の当接によりシールされる。上記の加圧ホース11と逆止弁22とにより加圧系統が構成される。
【0018】
また、上記のホース継手21と並行に、栓パッキン14に上下方向の貫通穴24が設けられる。貫通穴24の入口端、即ち上端の周りに環状の案内リブ25が形成される。貫通穴24の下半分は途中の段差26により若干小径となり、それより下方は栓パッキン14の下方に延び出し、チューブ状のシール部27となっている。シール部27の下端部は薄肉のテーパー部28となり若干縮径されている。
【0019】
飲料注出ホース12は上記の貫通穴24の案内リブ25の部分から内部に挿通され、シール部27の内面に密着し、さらにテーパー部28で強く密着してシールが図られる。飲料注出ホース12は、その下端が飲料容器7の底面近傍まで達するようにスライドされる。上記の1本の飲料注出ホース12が注出系統を構成する。
【0020】
実施形態の飲料注出装置5は以上のようなものであり、図2に示すように加圧ホース11をホース継手21に接続すると共に、飲料注出ホース12を貫通穴24に挿通して、栓体9を口部8に螺合する。螺合操作の容易性を考慮して、飲料注出ホース12のコック4に対する接続は、栓体9の螺合の後に、着脱式のホース継手20を介して接続する。また、加圧ホース11のホース継手21に対する接続も栓体9の螺合の後に行われる。飲料注出ホース12の下端は、飲料容器7の底部近傍に達するまで、適宜スライドさせてその長さを調節する。
【0021】
上記のような準備の後に、加圧ホース11を通じて飲料容器7の内部を加圧しつつコック4のレバー29を操作すると、吐出口30からビール液が吐出される。
【0022】
次に、各種の変形例について説明する。
【0023】
図4(a)に示したものは、前記の栓パッキン14の外周縁にカバーシール部31を設け、これにより栓本体13の上面と外周面をカバーすることにより、一層シール性を向上させるとともに、栓体9を口部8に螺合する際の手の滑りを防止するようにしたものである。
【0024】
図4(b)に示したものは、加圧ホース11の端部にスリーブ状の継手部材32を取付け、その継手部材32を介してホース継手21に接続するようにしたものである。部品点数は増えるが、加圧系統のシール性の向上と接続の確実性を図ったものである。
【0025】
図4(c)に示したものは、上記の継手部材32の下端部に逆止弁22’を設け、栓パッキン14の逆止弁22を省略したものである。この構成によると栓パッキン14の構成が簡単になる。
【0026】
図4(d)に示したものは、栓パッキン14を加圧系統の栓パッキン14aと、注出系統の栓パッキン14b、及び口部パッキン14cに分け、それぞれ独立に設けたものである。加圧系統の栓パッキン14aは、ホース継手21とこれに連通した逆止弁22を有し、外周面に設けた係合溝34により栓本体13の上面の取付け穴内周に係合される。内部に若干の段差23があることは前述の場合と同じである。
【0027】
注出系統の栓パッキン14bは貫通穴24とこれに連通したチューブ状のシール部27を有する。このシール部27にテーパー部28を有すること、及び貫通穴24内に若干の段差26があることは前述の場合と同じである。また、外周面に設けた係合溝35により、栓本体13の上面に設けた取付け穴内周に係合される。
【0028】
口部パッキン14cは栓本体13の下面に強くはめられる。
【0029】
上記図4(d)の変形例は、部品数が多くなるが、従来例のような着脱式ホース継手48(図5参照)を用いるものに比べて低コストであると共に、飲料注出ホース12が1本である点で、改良されたものであるということができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、この発明の飲料注出装置によれば、飲料注出ホースが1本であるため、飲料の通路に段差が存在しない。このため、発泡性飲料であっても過剰な発泡を抑制することができる。また、加圧系統と注出系統に共通の栓パッキンを設けることにより、部品点数の減少による製品コストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のビールディスペンサーの斜視図
【図2】同上の飲料注出装置部分の断面図
【図3】(a)同上の栓体部分の拡大断面図
(b)(a)図の分解斜視図
【図4(a)】変形例の一部断面図
【図4(b)】変形例の一部断面図
【図4(c)】変形例の一部断面図
【図4(d)】変形例の一部断面図
【図5】従来例の断面図
【符号の説明】
1 基台
2 断熱容器
3 蓋
4 コック
5 飲料注出装置
7 飲料容器
8 口部
9 栓体
11 加圧ホース
12 飲料注出ホース
13 栓本体
14 栓パッキン
14a、14b 栓パッキン
14c 口部パッキン
15 装着穴
16 雌ねじ部
17 係合リブ
18 係合溝
19 口部シール部
20 ホース継手
21 ホース継手
22、22’ 逆止弁
23 段差
24 貫通穴
25 案内リブ
26 段差
27 シール部
28 テーパー部
29 レバー
30 吐出口
31 カバーシール部
32 継手部材
34 係合溝
35 係合溝

Claims (4)

  1. 飲料容器の口部に嵌着される栓体を経て該容器内部を加圧する加圧系統と、加圧された内部の飲料を上記栓体を経て外部に注出する注出系統とを有し、上記注出系統の出口にコックを設け、上記注出系統を構成する飲料注出ホースを1本のホースにより形成し、該飲料注出ホースが上記栓体を貫通する部分に栓パッキンを装着し、該栓パッキンに上記飲料注出ホースの貫通穴を設け、その貫通穴に該飲料注出ホースに対するシール部を設けてなる飲料抽出装置において、上記栓パッキンに飲料容器の口部に対向した口部シール部を一体に設けたことを特徴とする飲料注出装置。
  2. 上記栓パッキンに上記加圧系統の加圧ホースのホース継手及び上記飲料容器からの圧力の逸脱を防ぐ逆止弁を一体に設けたことを特徴とする請求項1に記載の飲料注出装置。
  3. 飲料容器の口部に嵌着される栓体を経て該容器内部を加圧する加圧系統と、加圧された内部の飲料を上記栓体を経て外部に注出する注出系統とを有し、上記注出系統の出口にコックを設け、上記注出系統を構成する飲料注出ホースを1本のホースにより形成し、該飲料注出ホースが上記栓体を貫通する部分に栓パッキンを装着し、該栓パッキンに上記飲料注出ホースの貫通穴を設け、その貫通穴に該飲料注出ホースに対するシール部を設けてなる飲料抽出装置において、上記栓パッキンを、加圧系統と注出系統の2部品により構成したことを特徴とする飲料注出装置。
  4. 上記栓パッキンに上記加圧系統の加圧ホースのホース継手及び上記飲料容器からの圧力の逸脱を防ぐ逆止弁を一体に設けたことを特徴とする請求項3に記載の飲料注出装置。
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