JP3781254B2 - 液体注出容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体注出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来化粧水等の液体化粧品は比較的少量を手などに振り出し使用している。これらを収納する容器としては、筒状の周壁より口頚部を起立したごく一般的なボトルタイプのものが多く使用され、その材質もプラスチック,硝子等が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの液の中には紫外線照射や空気との接触により不都合を生じるものがあり、その様な液を収納する場合には、容器を不透明なものにしたり、プラスチック製のものにあってはガスバリアー性に優れた樹脂を選択する等種々の手段を講じているが、目的達成にはいまだ不十分な所がある。特に、容器開封前の保管,運搬時にはより良好な気密性,光遮断性を求められる場合が多い。
【0004】
また、これらの液は比較的少量を一回分として使用する場合があるが、容器を振っての液の注出では時によりその量がまちまちとなる不都合がある。
【0005】
本発明はこの様な点を考慮してなされたもので、収納液の確実な気密性や光遮断性を図れるととともに、所定量を簡単な操作で注出できる優れた液体注出容器を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本請求項1発明の液体注出容器は上記課題を解決するため、下端を開口した筒状周壁5上端より肩部6を介して口頚部7を起立するとともに、周壁内面上下方向中間部よりフランジ8を突設してなる容器体2と、フランジ8上方の容器体2内上部に充満させて収納するとともに、ガスバリアー性及び光遮断性を有し且つ可撓性の収納袋3と、フランジ8上の収納袋3底面との間に上昇可能に載置させた押圧板19を有する押圧部材4と、容器体周壁下端開口より外方付勢状態で押し込み可能に下端部を突出した押し釦22の押し込みにより、押圧板19を所定幅上昇させる上昇機構Aとを備えてなることを特徴とする液体注出容器として構成した。
【0007】
また、請求項2発明の液体注出容器は、上記容器体2が、上下端開口の筒状周壁5を備えた周壁形成筒2aと、該周壁形成筒外周上端部に嵌着させた嵌合筒13上端縁より内方へ延設した肩部6を介して口頚部7を起立してなる口部材2bとからなる容器体であり、上記収納袋3が、頂壁15外周縁より突設したフランジ部18を周壁形成筒2a上面と口部材肩部6下面とで挟持した収納袋である請求項1記載の液体注出容器として構成した。
【0008】
また、請求項3発明の液体注出容器は、上記口頚部7外周に装着筒37を着脱可能に嵌合させるとともに、頂壁38中央部より収納袋切断用のカッター40を垂設したキャップ36を、その下面に取り外し可能なストッパー35を介在させて装着してなる請求項1又は請求項2のいずれかに記載の液体注出容器として構成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
本発明の液体注出容器1は、容器体2と、収納袋3と、押圧部材4と、該押圧部材4を上昇させるための上昇機構Aとを備えている。
【0011】
容器体2は、下端を開口した筒状周壁5上端縁より肩部6を介して口頚部7を起立して構成している。また、周壁5内面上下方向中間部より内方へフランジ8を突設し、フランジ8より下方へ板バネ9を一体に突設している。板バネ9は図2に示す如く、フランジ8に設けた円弧帯状の窓孔10の一側端面より下方へ傾斜下降する円弧帯状をなしており、一対設けている。また、フランジ8内面には一対の案内突起11を突設している。
【0012】
また、本実施例の容器体2は、上下端を開口した筒状周壁5を備えた周壁形成筒2aと、該筒外周上端部に形成した嵌合凹部12に凹凸係合手段を介して抜け出しを防止して嵌合させた嵌合筒13の上端縁より内方へ延設した肩部6を介して口頚部7を起立してなる口部材2bとから構成している。
【0013】
収納袋3は、フランジ8上方の容器体内上部に収納した可撓性のあるもので、ガスバリアー性及び光遮断性のある材質により形成する。例えば、合成樹脂層と金属薄膜層との積層シート等を製袋して得られ、或いは、ガスバリアー性の高い合成樹脂と金属薄膜層との積層シートを製袋して得られる。
【0014】
また、収納袋3の形状としては種々採用できるが、フランジ8上方の周壁5内空間を略ピッタリ満たす筒状が好ましく、図示例では、円筒状の周壁14の上端縁よりそれぞれ水平な頂壁15及び底壁16を延設しており、底壁16を上方へ凹ませた凹部17を設け、この凹部17に押圧部材4の後述する押圧板を収納している。また、頂壁15外周縁より突設したフランジ部18を周壁形成筒2a上面と、口部材肩部6下面とで挟持させて固定し、収納袋3に注出口を開口し易く構成している。注出口を開口する際は別に用意した棒等の道具により開口することも可能であり、後述するカッターによる開口も可能である。
【0015】
押圧部材4は、フランジ8上の収納袋3底面との間に上昇可能に載置させた押圧板19を有するとともに、押圧板19下面中央より垂設した螺子棒20の外面に一対の縦凹溝21を縦設し、この凹溝21の上部にフランジ8より突設した各案内突起11を摺動可能に嵌合させている。
【0016】
この押圧部材4の押圧板19は上昇して収納袋3の液を注出させるためのものであるから、押圧板19が収納袋3の頂壁部分に達することが可能な螺子棒20の長さを設けると良い。また、押圧板19の形状も種々選択できるが、容器体周壁5と同様形状のものが良く、周壁内周より若干小径に形成すると良い。
【0017】
上昇機構Aは、容器体周壁5下端開口より外方付勢状態で押し込み可能に下端部を突出した押し釦22の押し込みにより、押圧板19を所定幅上昇させる機構であり、押し釦22に加え、回動部材23、上記した押圧部材4の螺子棒20、容器体の板バネ9等により構成される。
【0018】
回動部材23は、板バネ9により所定幅押し下げ回動された状態で係止されたリング板状の頂板24内周縁より螺子棒20上部に螺合した螺筒25を垂設するとともに、頂板24外周縁より周壁26を垂設して構成している。周壁26の下端は、下方に押し釦の上部が挿入可能な位置までの長さに構成している。
【0019】
押し釦22は、下端部を突出させて押し込み可能に、また、外周下部に突周設した係合突条27を容器体周壁5内周下端部に突周設した係止突条28に係合させることにより、抜け出しを防止して容器体周壁5内周下部に周壁29を嵌合させている。周壁29の上端は回動部材周壁26の下端と略同位置に構成している。また、容器体2下方へ突出した周壁29先端に押圧板30を延設している。更に、螺筒25下面と押圧板30上面との間にコイルスプリング31を介在させて回動部材23を互いに離隔する方向へ付勢させることにより、外方付勢状態を現出している。尚、図示例にはないが、押し釦22の回動を防止するための手段を講じると、より確実な押圧板19の上昇を図れるので好ましい。また、図示例では、周壁5内周下端部に補助筒32を嵌着して係止突条28を突設している。
【0020】
この様な押し釦22と回動部材23とを連係させるために、回動部材周壁26と押し釦周壁29とに、相対峙する先端面を互いに摺動可能な傾斜摺動面S1,S2にそれぞれ形成してなる係合突部33,34を、周方向等間隔に多数突設し、押し釦22の押し込みにより回動部材23が回動する如く構成している。
【0021】
押し釦22の各係合突部23は、周壁29外周上部に周方向等間隔に多数突設した縦長帯状をなし、それぞれ先端面に傾斜摺動面S1を形成している。また、回動部材23の係合突部34は、周壁26内周下部に周方向等間隔に多数突設した縦長帯状をなし、それぞれ下端部を傾斜摺動面S2に形成している。押し釦22と回動部材23とは各係合突部33,34が、図5に示す如く、回動方向に僅かに傾斜摺動面S1,S2が重なる程度にズレた位置となる如く配置されている。尚、上昇機構Aは、本実施例の場合に限らず、他の構成を採用することも可能である。
【0022】
口頚部7にはストッパー35を介してキャップ36が着脱可能に装着されている。このキャップ36は、口頚部7外周に螺着させた装着筒37を頂壁38裏面中央より垂設し、頂壁周壁部からは周壁39を垂下している。また、頂壁38裏面中央より収納袋3を破断するための棒状のカッター40を垂設している。
ストッパー35はカッターが収納袋3を不用意に破断するのを防止するために設けたもので、一部を切欠いたリング状をなしており、把手41を設けている。
【0023】
上記の如く構成した液体注出容器を使用する場合について説明すると、まず、ストッパー35を外した後キャップ36を螺動下降させるとカッター40により収納袋頂壁15中央部を破断して図3(b) に示す如く注出口hを開口する。次いで、キャップ36を外した後、押し釦22を押し込むと、上下の傾斜摺動面S1,S2が摺動することにより回動部材23が回動し、それに伴い螺筒25と螺子棒20が螺合しているため回動不能且つ上昇可能に設けられた押圧部材4を上昇させる。
【0024】
そして、押圧板19が上昇して可撓性の収納袋3下面を押し上げ、内部容積を減少させるため、注出口hより口頚部7を介して液が注出される。一回の押し釦22の押圧により上昇する押圧板19の幅は略一定であるため、液も略一定量が注出される。
【0025】
次いで、押し釦22の押圧を解除すると、押し釦22はスプリング31の弾発力で外方へ突出して元の状態に戻り、また、回動部材23はコイルスプリング31より弾発力が強い板バネ9により若干押し下げられて回動し、各係合突部33,34が所定位置に行くのを補正する。収納液の注出に伴い押圧板19が上昇するにつれ、収納袋3は図3(b) に示す如く周縁部が折り返されつつ底壁16が上昇する。
【0026】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明の液体注出容器は、既述構成としたことにより、空気との接触或いは光照射をきらう液を収納した場合でも、液に不都合を生じることがなく、開封前の長期間の保管,運搬の際にも確実に不都合を防止するとともに、開封後も同様の効果を発揮する。また、使用に当たって押し釦を押し込むという簡単な操作で常時略所定量の液を注出できる便利がある。更に、可撓性の袋の底面を押し上げて液の注出を行うため、収納袋内の液を最後まで残さず略全量を注出することができる。
【0027】
容器体を周壁形成筒と口部材とで構成、収納袋の頂壁外周縁より突設したフランジ部を周壁形成筒上面と口部材肩部下面とで挟持したものにあっては、頂壁を張った状態で収納袋を固定できるため、頂壁へ注出口を開口し易く、また、押圧板の押し上げの際にも、袋が歪む等の不都合が生じ難く、より安定した押し上げが可能となる。
【0028】
また、口頚部外周に装着筒を着脱可能に嵌合させるとともに、頂壁中央部よりカッターを垂設したキャップを、その下面に取り外し可能なストッパーを介在させて装着したものにあっては、ストッパーを取り外すことによって簡単に容器の開封を行える利点を兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す半断面図である。
【図2】同実施例の容器体のフランジ部分を示す要部切欠き斜視図である。
【図3】同実施例の収納袋の作動を説明する説明図である。
【図4】同実施例の上昇機構に係る部材の分解斜視図である。
【図5】同実施例の各係合突部を説明する説明図である。
【図6】同実施例の使用時の斜視図である。
【符号の説明】
2…容器体,2a…周壁形成筒,2b…口部材,3…収納袋,4…押圧部材,
5…容器体周壁,6…肩部,7…口頚部,8…フランジ,13…嵌合筒,
15…収納袋頂壁,18…フランジ部,19…押圧板,22…押し釦,
35…ストッパー,36…キャップ,37…キャップ,38…キャップ頂壁,
40…カッター,A…上昇機構
Claims (3)
- 下端を開口した筒状周壁5上端より肩部6を介して口頚部7を起立するとともに、周壁内面上下方向中間部よりフランジ8を突設してなる容器体2と、フランジ8上方の容器体2内上部に充満させて収納するとともに、ガスバリアー性及び光遮断性を有し且つ可撓性の収納袋3と、フランジ8上の収納袋3底面との間に上昇可能に載置させた押圧板19を有する押圧部材4と、容器体周壁下端開口より外方付勢状態で押し込み可能に下端部を突出した押し釦22の押し込みにより、押圧板19を所定幅上昇させる上昇機構Aとを備えてなることを特徴とする液体注出容器。
- 上記容器体2が、上下端開口の筒状周壁5を備えた周壁形成筒2aと、該周壁形成筒外周上端部に嵌着させた嵌合筒13上端縁より内方へ延設した肩部6を介して口頚部7を起立してなる口部材2bとからなる容器体であり、上記収納袋3が、頂壁15外周縁より突設したフランジ部18を周壁形成筒2a上面と口部材肩部6下面とで挟持した収納袋である請求項1記載の液体注出容器。
- 上記口頚部7外周に装着筒37を着脱可能に嵌合させるとともに、頂壁38中央部より収納袋切断用のカッター40を垂設したキャップ36を、その下面に取り外し可能なストッパー35を介在させて装着してなる請求項1又は請求項2のいずれかに記載の液体注出容器。
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