JP3780904B2 - レーダ装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明はレーダ装置に関するものであり、特に車両に搭載されるレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平11−326504号公報には、(A)周波数が変化する送信信号を送信する送信装置と、(B)その送信装置から送信されて物体において反射した信号を受信し、この受信信号と前記送信信号とに基づいてビート信号を取得する受信装置と、(C)前記ビート信号に基づいて前記物体との間の相対位置関係を取得する相対位置関係取得装置とを含むレーダ装置が記載されている。
このレーダ装置においては、ビート信号の周波数成分の符号が正の場合と負の場合とで、異なる規則に従って、物体との間の距離および相対速度が検出される。そのため、ビート信号の周波数成分の符号が正であっても負であっても、物体との間の距離や相対速度を精度よく検出することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果】
本発明の課題は、レーダ装置において、物体との相対位置関係の検出の信頼性を向上させることである。この課題は、レーダ装置を下記各態様の構成のものとすることによって解決される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまで、本明細書に記載の技術の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきではない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならないものではなく、一部の事項のみを取り出して採用することも可能である。
【0004】
以下に示す各項のうち、(1)項,(2)項がそれぞれ請求項1,2に対応し、(10)項が請求項3に対応する。
【0005】
(1)周波数が変化する送信信号を送信する送信装置と、
(a)その送信装置から送信されて物体において反射した信号を受信する複数の受信部と、(b)これら複数の受信部の各々において受信した受信信号各々と送信信号とに基づいてそれぞれビート信号を取得するビート信号取得手段とを含む受信装置と、
(c)前記複数の受信部各々に対応するビート信号を前記受信部毎に処理する個別処理手段と、(d)その個別処理手段によって前記各受信部毎に処理された信号を、それぞれ、さらに、前記複数の受信部の各々に対応して予め定められた規則であって、各受信部における信号の処理に関する特性に基づいて決まる、前記信号の振幅と位相との少なくとも一方を補正する際の規則に従って処理した後、それらを合成して合成信号を取得する合成信号取得手段とを含み、その合成信号取得手段によって取得された合成信号に基づいて前記物体との間の相対位置関係を取得する相対位置関係取得装置と
を含むレーダ装置であって、
前記相対位置関係取得装置が、前記個別処理手段によって処理された同じ受信部において受信された信号の各々に応じて、前記規則を変更する規則変更手段を含むことを特徴とするレーダ装置。
本項に記載のレーダ装置においては、ビート信号が受信部毎に個別に処理される。そして、受信部毎にビート信号が個別に処理されることによって得られたデータ(以下、個別処理済みデータと略称する)が、さらに、予め定められた規則に従って処理され、それらが合成されて合成信号が得られる。この合成信号に基づいて物体と本レーダ装置(以下、自装置と略称する)との間の相対位置関係が検出される。
規則は、例えば、個別処理済みデータを合成する際に行われる処理の規則とすることができる。複数の受信部各々において、振幅、位相等が同じである信号が受信された場合に、処理された信号の誤差が小さくなるように行われる処理の規則とするのである。複数の受信部各々において受信された信号が同じである場合には処理された信号も同じになることが望ましい。しかし、複数の受信部それぞれに対応する信号の処理に関する特性(例えば、受信部の特性、信号処理回路の特性、これらの間の信号線における信号伝達特性等)は、互いに同じであるとは限らず、処理された信号に誤差(例えば、振幅や位相の誤差)が生じる。そのため、受信した信号が同じである場合に処理された信号も同じになるように、個別処理済みデータについて処理が行われるのが普通である。この場合において、個別処理済みデータがどのような信号であっても同じ規則で処理が行われるようにすることも可能であるが、本項に記載のレーダ装置においては、個別処理済みデータに応じて規則が変更される。すなわち、同じ受信部であっても、受信された信号に応じて規則が変更されるのである。その結果、常に同じ規則で処理が行われる場合より、これら特性の関係(特性の差)に起因して生じる信号の誤差を小さくすることができ、精度よく信号処理が行われるようにすることができる。
例えば、複数種類の規則が予め記憶され、これら複数種類の規則のうちの1つが、個別処理済みデータに応じて選択されるようにしたり、個別処理済みデータに応じてその都度規則が決定されるようにしたりすることができる。このようにすれば、例えば、ビート周波数成分の符号が負であっても、物体との相対位置関係の検出精度を向上させることができるのであり、検出の信頼性を向上させることができる。
規則は、例えば、受信部、信号線、信号処理回路の少なくとも1つにおける特性の関係に基づいて決定することができる。また、規則はパターン(例えば、位相や振幅の補正量や補正率)で表すことができる。
なお、複数の受信部に対して信号処理回路が共通に設けられる場合があるが、その場合においても、信号線は別個に設けられるのであり、受信部各々の特性、信号線各々の信号伝達特性によって信号処理に関する特性の関係に基づいて規則が決定されることになる。
【0006】
(2)前記個別処理手段が、前記ビート信号をフーリエ変換するフーリエ変換手段を含み、
前記規則変更手段が、(e)前記フーリエ変換手段によって前記ビート信号を変換することによって得られたデータに基づいて、前記ビート信号の周波数成分の符号が正であるか負であるかを取得する周波数成分符号検出手段と、(f)その周波数成分符号検出手段によって前記周波数成分の符号が正である場合と負である場合とで前記規則を変更するフーリエ変換データ対応規則変更手段とを含む(1)項に記載のレーダ装置。
本項に記載のレーダ装置において、ビート信号をフーリエ変換することによって得られたデータに基づいてビート信号の周波数成分の符号が正であるか負であるかが検出される。ビート信号の周波数成分の符号が正とは、送信信号の周波数が受信信号の周波数より大きく、送信信号の周波数から受信信号の周波数を引いた値が正の値であることをいい、周波数成分の符号が負とは、送信信号の周波数が受信信号の周波数より小さく、送信信号の周波数から受信信号の周波数を引いた値が負の値であることをいう。
当該レーダ装置と物体との相対位置関係が通常の関係である場合には、送信信号の周波数の増加中においてはビート信号の周波数成分の符号が正となり、周波数の減少中においては負となる。それに対して、当該レーダ装置と物体との間の距離が小さく、かつ、接近速度が大きい特殊な場合には、送信信号の周波数の増加中においても減少中においてもビート信号の周波数成分の符号が負となる。
このように、当該レーダ装置と物体との相対位置関係が、特殊相対位置関係(距離が小さく接近速度が大きい関係)にある場合と通常相対位置関係にある場合とでは、送信信号の増加中におけるビート信号の周波数成分の符号が逆になる。そのため、送信信号の増加中におけるビート信号の周波数成分の符号に基づけば、当該レーダ装置と物体との間の相対位置関係が特殊相対位置関係にあるか否かがわかる。この意味において、周波数成分符号検出手段は、物体との相対位置関係が特殊相対位置関係にあることを検出する特殊相対位置関係検出手段と称したり、送信信号の周波数が受信信号の周波数より大きいか否かを検出する周波数大小検出手段と称したりすることができる。
また、ビート信号の周波数成分の符号が正の場合と負の場合とでは、当該レーダ装置と物体との間の相対位置関係が異なるため、これらの場合で規則を変更することは妥当なことである。
【0007】
(3)前記周波数成分符号検出手段が、少なくとも1つの受信部における前記ビート信号の周波数成分の位相の時間に対する変化状態と、2つ以上の受信部間における前記周波数成分の位相の差との少なくとも一方に基づいて周波数成分の符号を検出する位相対応符号検出手段を含む(2)項に記載のレーダ装置。
〔発明の実施の形態〕において説明するように、例えば、1つの受信部におけるビート信号の周波数成分の位相の時間に対する変化量(例えば、微分値)の符号や2つの受信部間におけるビート信号の周波数成分の位相の差(一方の受信部におけるビート信号の周波数成分の位相から他方の受信部におけるビート信号の周波数成分の位相を引いた値)の符号によれば、ビート信号の周波数成分の符号が正か負かを検出することができる。
具体的には、送信信号の周波数の増加中と減少中とで、位相の微分値の符号(位相が増加傾向にあるか減少傾向にあるか)が異なる場合には、送信信号の周波数の増加中においてビート信号の周波数成分の符号が正であり、微分値の符号が同じ場合には、周波数成分の符号が負であるとすることができる。いずれの場合においても減少中のビート信号の周波数成分の符号は負であるからである。この場合には、複数の受信部の各々において周波数成分の符号が正であるか負であるかを検出することができ、複数の受信部の各々における検出結果に基づけば、周波数成分の符号の検出の信頼性を向上させることができる。
また、2つの受信部間の位相の差の符号が送信信号の周波数の増加中と減少中とで異なる場合には、送信信号の周波数の増加中においてビート信号の周波数成分の符号が正であり、符号が同じ場合には、周波数成分の符号が負であるとすることができる。受信部が3つ以上ある場合には、3つ以上の受信部のうちの2つの受信部の組み合わせの各々において、同様に周波数成分の符号を検出することができ、その場合には、周波数成分の符号の検出の信頼性を向上させることができる。
(4)前記規則変更手段が、前記ビート信号の周波数成分の振幅と位相との少なくとも一方についての処理に関する規則を変更する振幅・位相関連規則変更手段を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載のレーダ装置。
振幅についての規則と位相についての規則との少なくとも一方が個別処理済みデータに基づいて変更される。
(5)前記フーリエ変換データ対応規則変更手段が、前記位相の補正量を、前記ビート信号の周波数成分の符号が正の場合と負の場合とで変更する位相補正量変更手段を含む(2)項ないし(4)項のいずれか1つに記載のレーダ装置。
位相の補正量が、周波数成分の符号が正の場合と負の場合とで変更されれば、周波数成分の符号が正であっても負であっても、合成信号の取得精度を向上させることができる。また、それによって、物体と当該レーダ装置との間の相対位置関係の検出精度を向上させることができる。位相の補正量の変更には、補正量の絶対値の変更と符号の変更との少なくとも一方が含まれる。なお、位相の補正率について同様に変更することもできる。
【0008】
(6)前記相対位置関係取得装置が、前記物体との間の距離、物体の相対速度、物体の当該レーダ装置の基準線方向に対する角度のうちの少なくとも1つを取得する距離等取得部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載のレーダ装置。
本項に記載のレーダ装置においては、物体との間の距離、相対速度、方向(相対位置関係である当該レーダ装置の基準線方向に対する角度)の少なくとも1つが取得される。
【0009】
(7)前記相対位置関係取得装置が、(g)前記個別処理手段によって処理された信号に基づいて、前記送信信号が送信される送信領域内における前記ビート信号の周波数成分の強度分布を取得する強度分布取得手段と、(h)その強度分布取得手段によって取得された強度分布に基づいて、前記物体との相対位置関係として基準線方向に対する角度を取得する方向取得手段と、(i)前記個別処理手段によって処理された信号に応じて前記強度分布取得手段によって取得された強度分布を補正する強度分布補正手段とを含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載のレーダ装置。
強度分布取得手段によって取得された強度分布と実際の強度分布とが異なる場合があり、この場合には、強度分布取得手段によって取得された強度分布を補正することが望ましい。強度分布が補正されれば、実際の強度分布を得ることができ、物体の方向を正しく検出することができる。
送信領域は、一次元的に延びた領域であっても、二次元的に広がった領域であっても、3次元的に形成された領域であってもよい。いずれにしても、送信領域は、送信装置による信号の送信領域や受信装置における信号の受信可能な受信領域等によって決まる。この意味において、送信領域は受信領域と称することもできる。
(8)前記強度分布補正手段が、前記ビート信号の周波数成分の符号が負である場合に、前記強度分布取得手段によって取得された強度分布を前記基準線方向に対して反転させる強度分布反転手段を含む(7)項に記載のレーダ装置。
ビート信号の周波数成分の符号が負の場合には、強度分布が基準線方向に対して反転して取得される場合がある。そこで、周波数成分の符号が負であることが検出された場合に、強度分布を基準線方向に対して反転させれば、物体の方向を正しく検出することが可能となる。
(9)前記強度分布反転手段が、前記送信信号の周波数の増加中のビート信号について得られた強度分布を、その送信信号の周波数の増加中のビート信号の周波数成分の符号が負である場合に反転させる増加期間対応強度分布反転手段を含む(8)項に記載のレーダ装置。
図3ないし5に記載のように、送信信号の周波数の減少中においては、受信信号と送信信号との大小関係は同じであるため、この期間においては、ビート信号の周波数成分の符号は常に負で一定である。それに対して、増加中においては、正の場合と負の場合とがあるのであり、負の場合に反転させる。
【0010】
(10)周波数が変化する送信信号を送信する送信装置と、
その送信装置から送信されて物体において反射した信号を受信し、この受信信号と前記送信信号とに基づいてビート信号を取得する受信装置と、
前記ビート信号に基づいて前記物体との間の相対位置関係を取得する相対位置関係取得装置と
を含むレーダ装置であって、
前記相対位置関係取得装置が、
前記ビート信号に基づいて、前記送信信号が送信される送信領域内における前記受信信号の強度分布を取得する強度分布取得手段と、
その強度分布取得手段によって取得された強度分布と予め定められた規則とに基づいて、前記物体との相対位置関係として基準線方向に対する角度を取得する方向取得手段と、
前記ビート信号の周波数成分の符号が正である場合には、前記強度分布取得手段によって取得された強度分布から強度が設定値以上であるピークを取得し、その取得したピークに対応する基準線方向に対する角度が前記物体が存在する角度であるとする規則とし、前記ビート信号の周波数成分の符号が負である場合には、前記強度分布を前記基準線方向に対して反転させて、前記ピークを取得するとともに、そのピークに対応する角度を、前記物体が存在する前記基準線方向に対する角度であるとする規則とする規則変更手段と
を含むことを特徴とするレーダ装置。
本項に記載のレーダ装置には、(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
【0011】
(12)(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載のレーダ装置と、
そのレーダ装置が搭載された車両と前方物体との間の相対位置関係が運転者の所望する関係になるように、前記車両の駆動状態と制動状態との少なくとも一方を制御する駆動・制動制御装置と
を含む車両走行制御装置。
本項に記載の車両走行制御装置によれば、例えば、自車両と前方車両との相対位置関係が運転者の所望する関係に保たれるように駆動装置と制動装置との少なくとも一方が制御されるようにすることができる。例えば、自車両と前方車両との車間距離が小さく、接近速度が大きい場合には、大きな制動力が得られるように制御することができる。駆動・制動制御装置は、クルージング制御装置と称することができる。
(13)(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載のレーダ装置と、
そのレーダ装置が搭載された自車両と前方物体との相対位置関係に基づいて前記自車両の操舵状態を制御する操舵状態制御装置と
を含む車両走行制御装置。
前方車両の方向が精度よく検出できれば、それに基づいて自車両の操舵状態を制御することができる。
(14)(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載のレーダ装置と、
そのレーダ装置が搭載された車両と前方物体との相対位置関係が予め定められた設定関係より接近傾向が強い関係にあることが検出された場合に、警報を発生させる警報発生装置と
を含む警報装置。
相対位置関係が設定関係より接近傾向が強い関係にある場合に警報が発生させられるようにすれば、運転者にそのことを知らせることができる。
警報装置は、音を発生させるもの等聴覚に訴えるものであっても、光を点滅させたり、表示パネルにその旨を表示させる等視覚に訴えるものであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるレーダ装置について図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すレーダ装置は、連続波(CW)に周波数変調(FM)が施された送信信号を用いるFM−CWレーダ装置である。このレーダ装置は、車両(自車両)に搭載され、前方の車両や道路標識等の物体等(以下、ターゲットと称する)を検出し、そのターゲットと自車両との間の相対位置関係を取得する。本レーダ装置においては、ターゲットを検出するために、ディジタル・ビーム・フォーミング(DBF)技術によるアンテナビームの形成および走査が行われる。また、アダプティブアレーアンテナフィルタを用いて前方物体が点情報として検出される。
【0013】
まず、FM−CWレーダ装置の探知原理について図3および4に基づいて説明する。図3、4において、実線は送信信号を表し、破線は受信信号を表す。
実線が示すように、送信信号の周波数は連続的に変化する。送信信号は、三角状に周波数変調された連続波であり、送信信号の中心周波数、すなわち、搬送波周波数はf0で、周波数f0を中心に±ΔF/2変化させられる。また、送信信号の周期、すなわち、三角波の繰り返し周波数はfmである。
図3(A)は、ターゲットが相対速度が0で距離R(ターゲットが車両の場合には車間距離に対応する)だけ隔たった位置にある場合の図であり、
図4(A)は、ターゲットが距離Rだけ隔たった位置で、相対速度V(V≠0)で接近している場合の図である。
このように、ターゲットの相対速度が0の場合には、距離Rに応じた時間T(T=2R/C:Cは光速)だけ受信信号の位相が送信信号に対して遅れる。また、相対速度がVの場合には、相対速度Vに応じた周波数Dだけ受信信号の周波数が変化させられる。周波数変化はドップラ効果に起因する。
【0014】
この受信信号と送信信号の一部とをミキシングすればビート信号が得られる。ビート信号の周波数(以下、ビート周波数と略称する)を、図3(B)、図4(B)に示す。
ここで、相対速度が0の場合のビート周波数をfrとし、相対速度Vに応じたドップラ効果に起因する周波数変化をfdとし、送信信号の周波数が増加させられる区間(以下、アップ期間またはアップ側と称する)におけるビート周波数をfb1とし、送信信号の周波数が減少させられる区間(以下、ダウン期間またはダウン側と称する)におけるビート周波数をfb2とした場合に、以下の式
fb1=fr−fd ・・・(1)
fb2=fr+fd ・・・(2)
が成立する。
また、これら(1)式、(2)式から
fr =(fb1+fb2)/2 ・・・(3)
fd=(fb2−fb1)/2 ・・・(4)
が導かれる。これら(3)、(4)式に示すように、アップ期間、ダウン期間のそれぞれにおけるビート周波数fb1、fb2が求められれば、距離Rに応じた周波数fr、相対速度Vに応じた周波数fdを求めることができ、これら周波数fr、fdに基づけば、距離R、相対速度Vを求めることができる。
R=(C/(4・ΔF・fm))・fr ・・・(5)
V=(C/(2・f0))・fd ・・・(6)
【0015】
図1において、レーダ装置は、送信装置10、受信装置12、相対位置関係取得装置14を含む。送信装置10は、中心周波数がf0(例えば、76GHz)の電圧制御型発振器(VCO)22,バッファアンプ24,送信アンテナ26,RFアンプ28等を含む。電圧制御型発振器22は、図示しない変調用の直流電源から出力される制御電圧によってf0±ΔF/2の被変調波(送信信号)を出力する。被変調波はバッファアンプ24で増幅され、送信アンテナ26から電磁波として放射される。本実施形態においては、送信信号の一部はRFアンプ28で増幅され受信検波用のローカル信号として出力される。
【0016】
受信装置12は、受信用アレーアンテナ30,信号処理回路(信号処理部)34等を含む。受信用アレーアンテナ30は信号処理回路34に信号線35によって接続される。受信用アレーアンテナ30によって受信された信号は信号処理回路34に供給されて、処理される。受信用アレーアンテナ30は、図2に示すようにn個の素子アンテナ40を含む。n個の素子アンテナの各々において受信された信号が信号処理回路34に出力され、処理される。
n個の素子アンテナ40は、間隔dで配列されている。素子アンテナ40において、当該レーダ装置の基準線方向X(素子アンテナ40の配列方向に垂直な方向)に対して角度θの方向から送られる電波を受信する場合、チャンネル1(ch.1)に対応する素子アンテナ40aに対する伝搬経路長を基準とすると、素子アンテナ40b,40c,・・・40nに対する各伝搬経路長は、それぞれ、dsin θ、2dsin θ、・・・(n−1)dsin θだけ長くなる。したがって、その分だけ、素子アンテナに到達する電波の位相が素子アンテナ40aに対して遅れることになる。
この場合の位相の遅れ量は、(2πdsin θ)/λ、(4πdsin θ)/λ、・・・(2π(n−1)dsin θ)/λとなる。λは、電波の波長である。
この遅れ量だけ各素子アンテナ40において受信した受信信号の位相を調整すれば、θ方向からの電波がすべての素子アンテナ40において同位相で受信されることになり、指向性がθ方向に向けられることになる。このように位相調整量(移相量)を適宜制御することによって素子アンテナ40で構成されるアレーアンテナを固定したまま任意の方向に指向性を動かすことができる。本実施形態においては、この処理が相対位置関係取得装置14において行われる。
【0017】
信号処理回路34は、RFアンプ50,ミキサ52,アンプ54,フィルタ56,A/D変換器58,切換信号用発振器60等を含む。
素子アンテナ40の受信信号は、RFアンプ50で増幅され、ミキサ52でRFアンプ28からの送信信号の一部とミキシングされる。ミキサ52において、受信信号がダウンコンバートされ、送信信号と受信信号との差信号であるビート信号が生成される。
ビート信号は、アンプ54,ローパスフィルタ56を経てA/D変換器58に入力される。A/D変換器58においては、切換信号用発振器60によって出力される切換信号に応じてディジタル信号に変換される。
本実施形態においては、各素子アンテナ毎にアップ期間とダウン期間とのそれぞれにおいてビート信号が得られ、ディジタル信号に変換される。
【0018】
相対位置関係取得装置14は、FFT(フーリエ変換)演算部66およびDBF信号処理部68を含む。FFT演算部66は、各素子アンテナ毎のディジタルビート信号を複素フーリエ変換して、DBF信号処理部68に供給する。複素フーリエ変換によれば、周波数成分の強度と周波数成分の位相とを取得することができる。
【0019】
DBF信号処理部68においては、
(a)各素子アンテナ毎に得られたビート信号について複数フーリエ変換された信号に対して、強度が設定値以上である周波数のピークがピックアップされて(そのピックアップされた強度のピークの周波数をピーク周波数と称する。)、(b)振幅、位相の補正が行われて、移相処理等が行われ、(c)素子アンテナ毎に処理された信号が合成され、送信領域内における強度分布が取得され、(d)その後、ターゲットの相対位置関係が取得される。
【0020】
(a)において、ピックアップされたピーク周波数が1つの場合、すなわち、強度が設定値以上の周波数のピークが1つである場合の一例を図6〜8に示す。アップ側、ダウン側のそれぞれにおいてピークが1つずつ検出された場合である。また、図5に示すように、ターゲットと自車両との間の距離が短く、接近速度が大きい場合には、アップ側において、受信信号の周波数が送信信号の周波数より大きくなり、ビート信号の周波数成分の符号が負になる。この場合には、図8に示すように、ピークが実際のピークとは異なった位置に得られる。実際には破線で表されるピークになるはずであるが取得されるピークは実線のようになるのである。
【0021】
(b)において、フーリエ変換された信号に対して、振幅、位相の補正が校正パターンに従って行われる。複数の素子アンテナ40各々に対応して信号線35,信号処理回路34が接続されているが、信号線35各々の信号伝達特性、素子アンテナ40の特性、信号処理回路34の特性等が互いに異なるため、素子アンテナ40において受信された信号の振幅、位相が同じであっても信号処理回路34において処理された信号が異なることがある。そこで、これら素子アンテナ40、信号線35,信号処理回路34等の少なくとも1つの信号の処理に関する特性の関係に基づいて決まる規則で補正が行われれば、これら特性の相違に基づく信号の振幅や位相の誤差を小さくすることができる。この補正は、常に同様に行われるのではなく、ビート信号の周波数の符号が正の場合と負の場合とで異なる校正パターンで行われる。
【0022】
本実施形態においては、校正パターンI、IIの2種類が予め記憶されている。校正パターンIにおいては、振幅の補正量がAiとされ、位相の補正量がαiとされる(iは素子アンテナの位置を表す)。校正パターンIIにおいては、振幅の補正量がBiとされ、位相の補正量がβiとされる。校正パターンI 、IIのいずれかが、ビート周波数成分の符号に応じて選択されるのであり、周波数成分の符号が正の場合には校正パターンIが選択され、負の場合には校正パターンIIが選択される。それによって、周波数成分の符号に応じた校正パターンを採用することができ、相対位置関係を精度よく取得することができる。
なお、校正パターンは、アップ期間とダウン期間とで変更されるようにすることもできる。例えば、アップ期間においては校正パターンI,IIのいずれか一方が選択され、ダウン期間においては、校正パターンIII(Ci,γi)が選択されるようにすることができる。また、校正パターンの内容については、(Ai,−αi)=(Bi,βi)としたり、(Ai,−αi)=(Bi,βi)=(Ci,γi)としたりすること等ができる。校正パターンは、請求項1に記載の規則の一態様である。
【0023】
この振幅、位相の補正が行われた後に、位相回転行列を掛けることによって移相処理が行われる。本実施形態においては、送信信号の送信領域が基準方向に対して−10度から+10度の範囲とされ、その送信領域内が40分割(0.5度刻み)される。位相回転行列は、これら各々の指向角度で決まる。
その後、複数の素子アンテナ40の相対位置関係に基づいて振幅の調整が行われる。複数の素子アンテナ40のうちの中央に位置する素子アンテナにおける振幅が最も大きくなるような処理とすることができる。中央に位置する素子アンテナについての調整量を最大にし、両端に位置する素子アンテナ40における調整量を最小にすることができる。振幅調整量は実際の振幅に対する比率で表したり、増加量または減少量で表したりすること等ができる。
【0024】
(c)においては、上述のように素子アンテナ毎に個別に処理されたデータが合成されて合成信号が得られる。その一例を図9に示す。これが強度分布(スキャン結果)であり、アップ期間、ダウン期間のそれぞれについて求められる。
(d)において、強度分布に基づいて、強度が設定値以上のピークがピックアップされ、そのピークに対応する方向にターゲットが存在するとするとされる。ターゲットの方向は、基準線方向(0度)に対する角度で表すことができる。
アップ期間とダウン期間とについてペアリングが行われ、アップ期間中の周波数fb1、ダウン期間中の周波数fb2 が求められ、ターゲットの自車両に対する距離、相対速度が求められる。さらに、図9に示すように、ピークの幅Wに基づけば、ターゲットの幅を取得することができる。この一連の処理がディジタルビームフォーミング(DBF)の一態様である。
【0025】
アップ期間におけるビート信号の周波数成分の符号が負である場合には、図9に示すように、DBF合成後のビームスキャン結果において、強度分布が実際の強度分布とは異なり、基準線に対して左右に反転した結果が得られる。それに対して、本実施形態においては、受信信号の周波数が送信信号の周波数より大きいことが検出された場合に(ビート信号の周波数成分の符号が負であることが検出された場合に)、強度分布が基準線方向に対して反転させられる。その結果、アップ期間における強度分布を正しく求めることができる。また、アップ期間における強度分布を正しく求めることができるため、アップ期間とダウン期間とにおいて行われるベアリングも正しく行うことができ、ターゲットの方向を正しく求めることができ、距離および相対速度を精度よく検出することができる。正しい強度分布が得られれば、周波数ピークが複数ある場合に、誤ってペアリングが行われることを防止することができる。この強度分布からターゲットの方向を決定するための規則が請求項3の規則に対応する。
ターゲットの距離、相対速度は、式
fr=|fb2 −fb1|/2 ・・・(7)
fd=−(fb1+fb2)/2 ・・・(8)
に従って求められる。
【0026】
アップ期間におけるビート信号の周波数成分の符号が正であるか負であるかは、同じ素子アンテナ40におけるビート信号の周波数成分の位相の時間に対する変化量(微分値)に基づいて取得することができる。アップ期間とダウン期間との両方で位相が同じ方向に変化する場合(微分値の符号が同じ場合)には、アップ期間における受信信号の周波数が送信信号の周波数より大きいこと、すなわち、ビート信号の周波数成分の符号が負であることがわかる。この場合、複数の素子アンテナ40の各々における検出結果に基づいて、ビート周波数成分の符号が正か負かを取得することができる。
また、2つの素子アンテナ間のアップ期間、ダウン期間のそれぞれにおけるビート信号の周波数成分の位相の差(一方の素子アンテナにおける位相から他方の素子アンテナにおける位相を引いた値)の符号が同じ場合にはビート周波数が負であるとすることができる。この場合においても、複数の素子アンテナの組合わせの各々における検出結果に基づいて取得することができる。
さらに、前回までの取得結果と今回の取得結果とは同じであるとすることも可能である。
このように、本実施形態においては、IQミキサによらなくても、ビート周波数成分の符号が取得されるため、コストアップを回避することができる。
【0027】
ターゲットと自車両との間の相対位置関係が図10のフローチャートで表される相対位置関係取得プログラムの実行に従って取得される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする。)において、各素子アンテナ毎に、アップ期間、ダウン期間のそれぞれにおいて、ビート信号がフーリエ変換され、S2において、それぞれピーク周波数が検出される。そして、S3において、アップ期間のピーク周波数とダウン期間のピーク周波数とのいずれか一方、または、これらの和が設定値以下であるか否かが判定される。前述の距離を求める式から、アップ期間、ダウン期間のビート信号の周波数fb1、fb2の和が大きい方が、相対的に距離が大きいとすることができるからである。この場合において、和が設定値以下であるか否かが判定されるようにしても、周波数fb1、fb2のいずれか一方が設定値以下であるか否かが判定されるようにしてもよい。いずれにしても、1つのターゲットに対応するピーク周波数が設定値以下である場合には、距離が短く、周波数成分の符号が負になる可能性が高いことがわかる。
ピーク周波数が設定値以下である場合には、S4において、前述のように、ビート信号の周波数成分の符号が正であるか負であるかが判定される。換言すれば、アップ期間において、受信信号の周波数が送信信号の周波数より大きいか否かが判定されるのであり、いわゆる折り返し周波数であるか否かが判定される。
【0028】
折り返し周波数でない場合、すなわち、図3、4に示す状態にある場合には、S5における判定がNOとなって、S6において、校正パターンIが選択される。位相、振幅の補正処理が校正パターンIに従って行われ、DBF合成が行われる。その後、S7、8において、ペアリングが行われ、ターゲットの基準線方向に対する角度が求められるとともに、ターゲットの距離、相対速度が求められる。
それに対して、折り返し周波数である場合、すなわち、図5に示す状態にある場合には、S5における判定がYESとなってS9において校正パターンIIが選択される。位相、振幅の補正処理が校正パターンIIに従って行われ、DBF合成が行われる。S10において、図9に示すように、強度分布が反転させられ、実線に示す強度分布が得られる。それに従って、S7、8において、ペアリングが行われ、ターゲットの方向が求められ、距離、相対速度が求められる。
【0029】
以上のように、本実施形態においては、相対位置関係取得装置14のS4,S5を記憶する部分、実行する部分等により周波数符号検出手段が構成され、S5,6,9を記憶する部分、実行する部分等により規則変更手段が構成される。規則変更手段はフーリエ変換データ対応規則変更手段でもある。また、S9を記憶する部分、実行する部分等により合成信号取得手段が構成される。
さらに、S9を記憶する部分、実行する部分等により強度分布取得手段が構成され、S10を記憶する部分、実行する部分等により規則変更手段が構成され、S7を記憶する部分、実行する部分等により方向取得手段が構成される。
【0030】
このように、本実施形態におけるレーダ装置によれば、ビート周波数成分の符号が負であることが検出された場合に、校正パターンIIに従って振幅、位相の補正が行われる。そのため、DBF合成されたビームのスキャン結果(強度分布)を精度よく得ることができる。また、符号が負であることが検出された場合には、強度分布が反転させられるため、強度分布を正しく求めることができ、ターゲットの方向を正しく求めることができる。
【0031】
なお、上記実施形態においては、素子アンテナ40が複数個設けられていたが、1つでもよい。
また、二種類の校正パターンI,IIが予め記憶されていたが、校正パターンを予め記憶させておくことは不可欠ではない。フーリエ変換された信号に基づいて校正パターン、すなわち、位相や振幅の補正量が、その都度決定されるようにすることもできる。
さらに、ビート周波数成分の符号に応じて校正パターンを変更することと、強度分布を反転させることとの両方が行われるようにすることは不可欠ではない。いずれか一方が行われる場合においても、相対位置関係の取得精度を向上させることができる。
【0032】
また、レーダ装置は、それ単体において広く、ターゲット検出装置として使用することができるが、車両走行制御装置に適用することもできる。図11に示す車両においては、レーダ装置98に走行制御装置100と警報装置102とが接続される。例えば、レーダ装置98によって検出されるターゲットとの距離、相対速度に基づいて走行制御装置100により制動、駆動状態を制御することができる。また、ターゲットとの間の相対位置関係が設定関係より接近傾向が強い関係になった場合に、警報装置102が作動させられるようにすることもできる。さらに、車線が複数ある道路において、前方車両が自車両より右側のレーンにあるのか左側のレーンにあるのかを正しく取得することができる。それによって、前方車両から避ける方向に自車両の操舵方向を変更することもできる。
【0033】
その他、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題、課題解決手段および効果〕に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるレーダ装置の全体の回路図である。
【図2】上記レーダ装置に含まれる受信装置の一部を示す図である。
【図3】上記レーダ装置における受信信号と送信信号との関係を示す図である。
【図4】上記レーダ装置における受信信号と送信信号との別の関係を示す図である。
【図5】上記レーダ装置における受信信号と送信信号とのさらに別の関係を示す図である。
【図6】上記レーダ装置において、ビート信号をフーリエ変換して得られたデータを示す図である。
【図7】上記レーダ装置において、ビート信号をフーリエ変換して得られた別のデータを示す図である。
【図8】上記レーダ装置において、ビート信号をフーリエ変換して得られたさらに別のデータを示す図である。
【図9】上記レーダ装置において、DBF合成によって得られたスキャン結果を示す図である。
【図10】上記レーダ装置の相対位置関係取得装置に記憶された相対位置関係取得プログラムを表すフローチャートである。
【図11】上記レーダ装置を備えた車両制御装置を表す図である。
【符号の説明】
10送信装置
12受信装置
14相対位置関係取得装置
30受信用アレーアンテナ
34信号処理部
66FFT演算部
68DBF信号処理部
Claims (3)
- 周波数が変化する送信信号を送信する送信装置と、
(a)その送信装置から送信されて物体において反射した信号を受信する複数の受信部と、(b)これら複数の受信部の各々において、受信した受信信号各々と送信信号とに基づいてそれぞれビート信号を取得するビート信号取得手段とを含む受信装置と、
(c)前記複数の受信部各々に対応するビート信号を前記受信部毎に処理する個別処理手段と、(d)その個別処理手段によって前記各受信部毎に処理された信号を、それぞれ、さらに、前記複数の受信部の各々に対応して予め定められた規則であって、各受信部における信号の処理に関する特性に基づいて決まる、前記信号の振幅と位相との少なくとも一方を補正する際の規則に従って処理した後、それらを合成して合成信号を取得する合成信号取得手段とを含み、その合成信号取得手段によって取得された合成信号に基づいて前記物体との間の相対位置関係を取得する相対位置関係取得装置と
を含むレーダ装置であって、
前記相対位置関係取得装置が、前記個別処理手段によって処理された同じ受信部において受信された信号の各々に応じて、前記規則を変更する規則変更手段を含むことを特徴とするレーダ装置。 - 前記個別処理手段が、前記ビート信号をフーリエ変換するフーリエ変換手段を含み、
前記規則変更手段が、(e)前記フーリエ変換手段によって前記ビート信号を変換することによって得られたデータに基づいて、前記ビート信号の周波数成分の符号が正であるか負であるかを取得する周波数成分符号検出手段と、(f)その周波数成分符号検出手段によって前記周波数成分の符号が正である場合と負である場合とで前記規則を変更するフーリエ変換データ対応規則変更手段とを含む請求項1に記載のレーダ装置。 - 周波数が変化する送信信号を送信する送信装置と、
その送信装置から送信されて物体において反射した信号を受信し、この受信信号と前記送信信号とに基づいてビート信号を取得する受信装置と、
前記ビート信号に基づいて前記物体との間の相対位置関係を取得する相対位置関係取得装置と
を含むレーダ装置であって、
前記相対位置関係取得装置が、
前記ビート信号に基づいて、前記送信信号が送信される送信領域内における前記受信信号の強度分布を取得する強度分布取得手段と、
その強度分布取得手段によって取得された強度分布と予め定められた規則とに基づいて、前記物体との相対位置関係として基準線方向に対する角度を取得する方向取得手段と、
前記ビート信号の周波数成分の符号が正である場合には、前記強度分布取得手段によって取得された強度分布から強度が設定値以上であるピークを取得し、その取得したピークに対応する基準線方向に対する角度が前記物体が存在する角度であるとする規則とし、前記ビート信号の周波数成分の符号が負である場合には、前記強度分布を前記基準線方向に対して反転させて、前記ピークを取得するとともに、そのピークに対応する角度を、前記物体が存在する前記基準線方向に対する角度であるとする規則とする規則変更手段と
を含むことを特徴とするレーダ装置。
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