JP3780652B2 - 空気調和装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調ケースに設けられた空気通過口を開閉可能な板状のドアを備える空気調和装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
空気調和装置のドアは、手動操作される場合に、空気通過口を小量開いた状態に設定される場合がある。
また、電動モータ等を用いて自動操作される場合であっても、エアミックスドア（冷風と温風との割合を調節するドア）のように、空気通過口（冷風通過口あるいは温風通過口）を小量開いた状態に設定される場合がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記で示したように、ドアが空気通過口を少量開いた状態に設定された場合、ドアと空気通過口との間に細長い隙間が生じて、この隙間を空気が流れるため、笛吹き音が発生する場合がある。
この笛吹き音を防ぐ手段として、細長い隙間の中央部を遮断するように、空調ケースに凸部材を一体的に設ける技術が知られている。
しかし、空調ケースの空気通過口に凸部材を一体的に設けるのは、空調ケースの型抜きの制約から実現が困難な場合が多い。
【０００４】
【発明の目的】
本発明の目的は、ドアが空気通過口を少量開いた状態で発生する笛吹き音を、容易に防ぐことのできる空気調和装置の提供にある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
〔請求項１の手段〕
ドアが空気通過口を小量開く際に、ドアに設けた凸部材が、ドアと空気通過口との間に生じる細長い隙間の中間部を遮断する。この結果、隙間の長さが短くなり、笛吹き音の発生が防がれる。
ドアに凸部材を設けることで笛吹き音の発生が防がれるため、笛吹き音対策が容易に実施できる。
なお、請求項１の少量とは、もしも本発明の凸部材が無かったとすれば、ドアと空気通過口との間に生じる隙間を流れる空気によって笛吹き音が発生する程度の量を意味するものである。
【０００６】
〔請求項２の手段〕
凸部材をドアに後付けするため、既存のドアを変更することなく、笛吹き音対策が実施できる。
【０００７】
〔請求項３の手段〕
ドアの構成部品によって凸部材が設けられるため、部品点数および製造工程数が少なくて済み、コストを抑えることができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例および変形例を用いて説明する。
〔実施例〕
図１は車両用空気調和装置の要部断面図、図２は図１のＩ視図、図３はドアの平面図である。
空調ケースの内部には、空気加熱手段（例えば、ヒータコア）をバイパスする空気流量と、空気加熱手段を通過する空気流量との割合を調節するエアミックスドア１（以下、ドア）が配置される。このドア１は、図示しないサーボモータによって、冷風バイパス口２（空気通過口に相当する）を全閉する状態から、図示しない空気加熱手段入口を全閉する状態まで、連続可変可能なものである。
【０００９】
ドア１は、回転軸３ａと板材３ｂとが一体化して設けられた樹脂成形品よりなるドア本体３と、板材３ｂの一方の面に接合された冷風バイパス口２をシールするための第１パッキング４と、板材３ｂの他方の面に接合された空気加熱手段入口をシールするための第２パッキング５とからなる。
【００１０】
第１パッキング４の回動端側の中央（中間部の一例）には、ドア１に１つの凸部材６が接着剤等で接合されている。この凸部材６は、ゴム材、樹脂材、発泡樹脂材など、空気流を遮断できる材料よりなり、図１に示すように、ドア１が冷風バイパス口２を僅かに開く場合、冷風バイパス口２の内部に入り込み、且つ冷風バイパス口２の縁に接触して、図２に示すように、冷風バイパス口２とドア１との間の微小隙間Ｓの中央を遮断するものである。
【００１１】
このように、ドア１が冷風バイパス口２を小量開く際に、エアミックスドアに設けた凸部材６が、ドア１と冷風バイパス口２との間に生じる細長い隙間Ｓを２つに分断するため、空気が流れる隙間Ｓの長さが短くなり、笛吹き音の発生が防がれる。
【００１２】
〔変形例〕
上記の実施例では、ドア１とは別体に設けられた凸部材６を、凸部材６に後付けした例を示したが、ドアを構成する部材（ドア本体あるいはパッキング等）によって凸部材を形成しても良い。つまり、図４に示すように、第１パッキング４と一体に凸部材６を設けても良いし、図５に示すように、ドア本体３と一体に凸部材６を設けても良い。
上記の実施例では、ドアに１つの凸部材６を設けて、隙間を２つに遮断した例を示したが、複数の凸部材をドアに設けて隙間を３つ以上に遮断しても良い。
上記の実施例では、エアミックスドア１に本発明を適用した例を示したが、他のドア（例えば、内外気切替ドア、モード切替ドアなど）に本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図１】車両用空気調和装置の要部断面図である（実施例）。
【図２】図１のＩ視図である（実施例）。
【図３】エアミックスドアの平面図である（実施例）。
【図４】車両用空気調和装置の要部断面図である（変形例）。
【図５】車両用空気調和装置の要部断面図である（変形例）。
【符号の説明】
１ ドア
２ 冷風バイパス口（空気通過口）
３ ドア本体
３ａ 回転軸
３ｂ 板材
４ 第１パッキング
５ 第２パッキング
６ 凸部材
Ｓ 隙間

Claims (3)

1. 空気流が通過可能な空気通過口を備えた空調ケースと、
   前記空気通過口を開閉可能な板状のドアと、
   を備える空気調和装置において、
   前記ドアの端部の中間部には、
   前記ドアが前記空気通過口を小量開く際に、その隙間の中間部を遮断する１つあるいは複数の凸部材が設けられ、
   前記凸部材は、前記ドアが前記空気通過口を前記少量開く際に、前記空気通過口の内部に入り込み、且つ前記空気通過口の縁に接触することを特徴とする空気調和装置。
2. 請求項１の空気調和装置において、
   前記凸部材は、前記ドアとは別体に設けられて、前記ドアに接合されたものである
   ことを特徴とする空気調和装置。
3. 請求項１の空気調和装置において、
   前記ドアは、回転軸と板材とが一体化して設けられたドア本体と、前記板材の表面に接合されたパッキングとからなり、
   前記凸部材は、前記ドア本体あるいは前記パッキングのいずれか一方によって形成された
   ことを特徴とする空気調和装置。

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