JP3780606B2 - 照明装置および発光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界放射型の電子放出素子を用いた発光装置、およびその発光装置を用いた薄型照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、平板型表示装置などの電子源として電界放射型の電子放出素子が採用されてきている。平板型表示装置では、面積の比較的大きい発光面に対して電子線を均一に照射することが要求されるから、この種の用途に用いる電子放出素子では、多数の電界放射型の陰極をアレイ状に配列した冷陰極アレイとして形成することが考えられている(Technical Digest of IVMC 91, Nagahama 1991, p.50 ,(社)日本電子工業振興協会,真空マイクロエレクトロニクス調査報告書I,1992年3月,p.37等参照)。
【0003】
電界放射型電子放出素子の一例としては、図20に示すように、カソード基板1上に導電性のベース層2、絶縁体層3および電子引き出し層4(以下、ゲート層4という)を順次形成し、ゲート層4および絶縁体層3にベース層2まで達する穴を形成し、その穴にベース層2と電気的に接続されたエミッタ(陰極)5を配置してカソード板6を構成する。ここで、エミッタ4の先端部はゲート層4の穴の端部から約1μm以下の微小空隙を隔てた位置となるよう設定されている。また、上述したように、エミッタ5は一つのベース層2上に複数個が配置され、アレイ状をなしている。
【0004】
一方、上記カソードを平面型表示素子として使用するには、蛍光面基板7上にアノード層8と電子線励起蛍光面9(以下、蛍光面9という)を順次形成して発光面板10とし、この発光面板10を真空空間を介してカソード板6に対向させる。
【0005】
このように構成された平面型表示素子において、ベース層2に対して数10V〜数100V程度の正の電圧をゲート層4に印加すると、ベース層2と電気的に接続されたエミッタ5とゲート層4との間に、108 V/m以上の高電界がかかり、電界電子放出によってエミッタ5の先端から電子が放出される。ここで、ベース層2に対して正の電圧をアノード層8に印加すると、放出された電子の大部分はアノード層8側に加速され、蛍光面9に衝突して蛍光面9が発光するといったシステムで動作する。
【0006】
通常、ベース層2およびゲート層4にはクロムなどの金属膜を用いており、透光性を持たない。また、蛍光面基板7にガラスを、アノード層8として透明導電膜を使用し、蛍光面9で発生した光をアノード層8および蛍光面基板7を通して外部に取り出す構造となっている。
【0007】
そして、ベース層2とゲート層4をパターニングし、蛍光面9も対応するようパターニングすることで、発光にパターンを持たせ表示素子としての機能を持たしている。ベース層2とゲート層4を互いに直交するストライプにパターニングすることでマトリックスを形成し、対応する蛍光面9も同様にマトリックスパターンとすることで、任意の図形や文字を表示する機能を持たせた表示素子が代表的な形態である。
【0008】
このような平面型表示素子は、次のような特長を有している。
1.高効率であること
電子源として電界放射型の電子放出素子を使用しているため、電子放出のためのヒーター加熱などが不要であり、低消費電力であること。ひいては表示素子としても高効率が得られる。LED(数V,数10mA)と比較した場合、この発光素子では駆動電圧が数10V〜数100Vと高いが、必要電流が数10μA〜数mAと小さいため、消費電力としてはLEDと同程度かそれ以下とすることが可能である。
2.薄型であること
電子放出素子自体は数μmと非常に薄く、カソード板6の厚さはほとんどカソード基板1と同程度であること。また、電子放出素子を広い面積にアレイ状に配置することで、放出された電子を偏向することなく蛍光面9に照射できるので、カソード板6と発光面板10との距離を狭くすることができる。結果として、表示素子としての厚さは、カソード基板1と蛍光面基板7を合わせた厚さと同程度にまで薄くできる。
【0009】
3.温度依存性が小さいこと
電界放出により電子を供給しているために、電子源の電子放出能は周囲温度にあまり依存しない。−40℃ほどの低温でも安定した電子放出が可能である。LEDの場合は、80℃付近を越えると輝度が1/3程度にまで劣化し、使用に耐えなくなるが、この発光素子の場合は、高温においては電子源の動作は数100℃まで可能であり、むしろ基板ガラスや周辺部品の耐熱性、蛍光面9の温度消光によってその高温動作は上限が規定される。
【0010】
4.発熱が小さいこと
特長の第1項目で示したように、この発光素子は電界放出で電子を発生させているために、電子源からの熱の発生はほとんどない。蛍光面9に突入した電子によってわずかに発熱する程度である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような平面型表示素子あるいは平面型発光素子の特長を有効利用した薄型の照明装置、あるいは薄型発光装置を利用した製品は、下記の課題が示すように、未だ提供されていないのが実情である。
【0012】
▲1▼ 従来、洗面台などにおいては鏡を使用者の正面に配置し、使用者を照らすための照明として直管型蛍光ランプを鏡の上部もしくは両側に配置していた。鏡自体は厚さが非常に薄いのに対して、直管型蛍光ランプが鏡面より前方に突出してしまうため、デザイン的に制限されていた。また、消費電力が小さく薄型の光源が商品化されていないために、小型の携帯用の鏡には照明を付加することはできなかった。
【0013】
▲2▼ 薄型で平面型発光光源としては、エレクトロルミネッセンスパネル、導光板付き冷陰極蛍光ランプなどが知られているが、これらはいずれも発光する平面部分は固体が充填されており、その表面と裏面での熱伝導性が高く、断熱性の面では十分なものではなかった。
【0014】
▲3▼ 従来、アイスクリーム、冷凍保存食品といった低温保存品のショーケースは、保護管内に納めた直管型蛍光ランプをショーケースの手前に配置していた。保護管は蛍光ランプ自体の発熱によってショーケース内部の温度が高くなるのを防ぐと共に、蛍光ランプの周囲温度を少しでも上げ、輝度を稼ごうとするためのものである。しかしながら、保護管を用いても温度保持は十分でなく、低温のために蛍光ランプの発光は著しく暗いものとなっていた。また蛍光ランプから発せられる熱によって、ショーケースの冷却が阻害されていた。
【0015】
▲4▼ 冷凍倉庫などをはじめとして低温保持を必要とする場所において、行き先表示などの表示として、自発光タイプのパネルを設置することは困難であった。その理由は、低温環境下で動作する効率の良い平面発光装置が無かったこと、発光装置自身の発熱によって低温保持のための冷却が僅かとはいえ妨げられることがあったためである。
【0016】
▲5▼ 店頭展示の棚では、展示品の照明はほとんどが棚の裏側に取り付けられた直管型の蛍光ランプによって行なわれている。蛍光ランプが取り付けられている位置は、ほとんどが棚の手前付近であるために、手前に展示してある品物に対しては十分な照明効果があるが、奥の品物に対しては照度が暗くなっていた。また、蛍光ランプを使用しているために紫外線の放射もあり、若干とはいえ紫外線照射に伴う展示品の劣化が発生していた。
【0017】
▲6▼ 室内で一般に仕様されるペンダントライトは、環形蛍光ランプを用いたものがほとんどであり、ランプ自身の厚さと、ランプ端に高電圧を印加する必要性から電源部をペンダント本体に設ける必要があり、そのためペンダント本体はかなりの厚さを必要としていた。また、蛍光ランプからの発熱により、あまり使用者の近くにペンダントライトを持ってくる構成を取ることができなかった。
【0018】
▲7▼ 埋め込み式もしくは塀にはめ込み式の街路誘導灯では、蛍光ランプやコンパクト蛍光灯が使用されているが、これらは外気温が低下したときの輝度の劣化が著しいこと、厚みがあるため路面や壁面からの出っ張りを少なくしようとすると、かなりの深さの取り付け穴を開ける必要があった。
【0019】
▲8▼ 従来、写真のパネルライト、ホテル等の壁面にある案内図用パネルライトとしては蛍光ランプを複数本並べて使用していた。しかしながら、蛍光ランプではその厚みのためにどうしても全体として厚くなり、特に壁面取り付けの場合は欠点となっていた。また蛍光ランプからの紫外線により、案内図のフィルムやその白色の拡散板の劣化が促進されていた。
【0020】
本発明は、上記種々の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、薄型の平面型発光装置あるいは平面型発光表示装置を用いた種々の照明装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、電界放射型電子放出素子を備えたカソード板と、電子線励起蛍光面を備えた発光面板とを真空空間を介して対向して配置し、電子線励起蛍光面と電子放出素子との間に電圧を印加することにより、電子放出素子から放出された電子で電子線励起蛍光面を発光させる発光装置を用いた照明装置であって、前記カソード板および前記発光面板を透光性(光透過性)とすると共に、前記発光面板を構成する蛍光面基板を延長し、蛍光面基板の裏面に反射層を形成し鏡としたことを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する前に、まず、本発明に用いる発光装置について図19を参照して説明する。
【0023】
この発光装置は、前記図20に示す従来例と同様に、電界放射型電子放出素子を備えたカソード板6と、電子線励起蛍光面を備えた発光面板10とを真空空間を介して対向して配置し、電子線励起蛍光面と電子放出素子との間に電圧を印加することにより、電子放出素子から放出された電子で電子線励起蛍光面を発光させる発光装置であり、以下に示すような特徴ある構成を有している。
【0024】
発光面板10を構成する蛍光面基板7およびカソード板6を構成するカソード基板1に、それぞれガラスに代表される透明な材料を用いるとともに、絶縁体層3にシリカ、アルミナに代表される透明な材料を用い、蛍光面9としては、蛍光体紛体を塗布して不透明ながらも透光性膜とするか、蒸着法などによって透明性を有する均一蛍光性層を形成する。
【0025】
また、ベース層2、ゲート層4には透明な導電性材料を用いるか、もしくは図1に示すように、エミッタ5周辺の電気的に必要な部位(図中斜線で示すベース不透明部2bおよびゲート不透明部4b)のみを接続した不連続構造(たとえばメッシュ構造)を持たせ、少なくとも部分的に透明な箇所(ベース透明部2aおよびゲート透明部4a)を設ける。同様にアノード層8においても透明導電膜を用いるか、図1に示すように、蛍光面9に入射された電子を逃がす程度の密度を持った不連続(メッシュ)構造(アノード透明部8aおよびアノード不透明部8bよりなる)を持たせる。エミッタ5部は占める面積が小さいので、全体の光透過性にはほとんど影響を与えない。
【0026】
なお、アノード層8、ゲート層4、ベース層2に不連続構造を用いた場合は、少なくとも透明性を有する部分8a,4a,2aの一部が、基板1,7に直交する方向で重なっている必要がある。
【0027】
このように構成された発光装置は、発光装置自体として透明性もしくは透光性を有する部分を持つことができる。特に蛍光面9を透明性膜とした場合は、この発光装置が動作していないとき、発光装置の透明性を有する部分8a,4a,2aを通して反対側を透かして見ることができ、動作させた場合は、発光によって発光装置を通過してくる反対側の光がマスクされるために光のシャッター的な効果を得ることができる。
【0028】
(実施形態1)
この実施形態は、上記図19に示す発光装置を用いた例であり、図1に示すように、透光性(光透過性)もしくは透明性を有するカソード板6と発光面板10を組み合わせる。発光面板10を構成する発光面基板7を延長し、その裏面に反射層11を形成し鏡としたものである。
【0029】
このように構成された鏡は、蛍光面9での発光は裏面の反射層11によって反射され、その大部分がカソード板6側へと取り出される。従って、非常に薄い光源と一体になった鏡を提供できる。電界放射電子源を応用した発光装置では、もともと薄い構造が可能であるが、発光面基板7をそのまま鏡の一部として用いることによって、さらなる薄さを実現できる。
【0030】
なお、図1において、1はカソード基板、2はベース層、3は絶縁体層、4はゲート層、5はエミッタ、6はカソード板、7は蛍光面基板、8はアノード層、9は蛍光面、10は発光面板であり、以下の図面における参照符においても同様である。
【0031】
参考例1)この実施形態は、上記図20に示す発光装置を用いた例であり、図2に示すように、透明性もしくは透光性を有する発光面板10を構成する発光面基板7を延長し、その延長した裏面に反射層11を形成し鏡としたものであり、鏡の裏面側に発光面板10を配置した構造である。この実施形態では、表面から見た場合は完全な平面の鏡に見える。なお、この場合、カソード板6は透光性を有していなくても使用可能である。
【0032】
参考例2)この実施形態は、上記図20に示す発光装置を用いた例であり、図3に示すように、鏡Aの左右両端部分に透明導電膜アノード層8と蛍光体層9を形成し、対向してカソード板6を配置して真空封止を行うことにより、鏡Aの左右両端部分に発光装置を備えたコンパクトな鏡を提供するものである。なお、発光装置の電源部分は鏡の支持台の部分に組み込まれている。
【0033】
このように構成された鏡は、発光装置自体は数mmの薄さであり、かつ鏡の裏側に配置されているので、外見上は通常の鏡と同じでさほど違和感はなく、蛍光面がある両側部分が白色のストライプに見える程度である。発光装置を動作させることによって、鏡の両側が発光し使用者を照明する。この発光装置の消費電力は発光ダイオードと同程度かそれ以下であるので、十分に乾電池で駆動することが可能であり、携帯性に優れている。さらに均一な面発光であり、かつ使用する蛍光体を選択することで演色性の優れた白色の発光を得ることができる。
【0034】
参考例3)図4に示すように、発光面板10とカソード板6とを比較的面積の小さなスペーサー12を介して接続することにより、発光面板10とカソード板6との間の大部分を真空空間としたものである。このように構成することにより、この平面型発光装置は、発光面板10とカソード板6の間での熱伝達が小さくなり、断熱性を有することになる。従って、この参考例によれば、前記課題2を解決することができる。
【0035】
参考例4)図5に示すように、発光面板10とカソード板6とを対向させ、スペーサー12として直径500μmのガラスビーズを5mm間隔で配置し、真空封止を行ない発光装置とした。スペーサー12の部分にはエミッタが配置されないようにカソードをパターニングしている。
【0036】
このように構成すると、発光面板10とカソード板6とを接続する部分は周囲の封止部分を除くと、5mm間隔に配置された直径500μmのスペーサー12の接触点部分のみで、その他の部分は真空であるため、この発光装置の発光面板10とカソード板6とでは熱伝導が抑えられ、断熱性に優れた特性を有することになる。
【0037】
従って、この発光装置を窓ガラス部分や低温保存容器の壁面部分に配置することによって、断熱性の優れた発光装置を実現できる。
【0038】
(実施形態)この実施形態は、図6に示すように、上述の両面発光あるいは片面発光の発光装置Bを低温保存型のショーケースに用いたものである。発光装置B自身は薄型化が可能なので、配置位置は上面部、側面部、背面部など任意に配置できる。また、各棚の上面もしくは下面に発光装置を配置することも可能である。
【0039】
この発光装置は低温においても輝度の劣化がほとんどないため、低温環境下での照明として適している。また、発光に伴う発熱が非常に小さいため、低温維持のための冷却エネルギーも節約することができる。例えば寿司屋のカウンターにおける寿司ネタの保存装置のように光源と展示品の距離が近い場合でも、光源からの熱輻射による展示品の劣化を抑えることができる。
【0040】
さらに前述したように、この発光装置Bをケースの外側面に配置した場合、発光装置Bに十分な断熱性を持たせることによって、ショーケースの断熱性を強化することも可能である。
【0041】
図7は、冷凍食品展示用の低温保持型ショーケースにおいて、両側の側面板部分として上述の平面発光装置Bを配置したものである。カソードは、図8に示すように、メッシュ構造にして透明性を持たている。アノード層8はクロム金属蒸着膜を用いて、発光面板10は反射性を持たせている。カソード板6側を低温部にし、真空部分を介して発光面板10が外側に配置されている。
【0042】
このように構成することにより、ショーケースの内部は側面から均一に照明されることになり、従来の保護管付きの蛍光ランプを前面の両サイドに配置する方式よりも、奥まで明るく照明される。また、この発光装置は低温での輝度劣化がないため、内部照度を明るく維持できる。さらに、ショーケースの側面部分はこの発光装置によって間に真空層が存在することになるので、外部との断熱性も向上する。
【0043】
もともとこの発光装置は、ほとんど発熱を伴わないものであるが、その発熱も大部分が電子線照射による蛍光面9からの発熱である。この実施形態では、蛍光面9を外側に配置していることから、このわずかな発熱もショーケース内部にはほとんど伝わらない。従って、発光装置によるショーケースの温度上昇はほとんど考慮する必要がなく、ショーケースを低温保持するための電力消費を低減できる。
【0044】
(実施形態)この実施形態は、両面発光の特性を有する平面発光装置の両面に、透光性を持つフィルムを配置し、天井部などに垂直に設置することにより、薄型で両面発光の表示が可能となる。このパネルライトは白色の発光が可能なので、任意の色のパネルを使用することができる。平面発光であることから発光のムラが無く、平面内の均一な発光が可能である。発光に伴う発熱がほとんどないこと、紫外線が出ないことから、使用するパネル、シートなどの劣化を抑えることができる、消費電力が小さい、といった利点がある。
【0045】
また、例えば壁面に取り付けて使用することを目的としたパネルライトの場合は、パネルライト自身が非常に(数mm)薄く作製できるので、壁面からの表示の突出をほとんど無くすることができる。
【0046】
また、透光性を有する発光装置を用いて、パネルライトの後方から光を入り込ませることが可能な設置状態とすることで、周囲環境が明るい場合はパネルライトがオフの状態でも、後方から導入した光によって表示を見ることができ、周囲環境が暗くなった場合か、表示をより強調したい場合のみパネルライトをオンにして表示を明るく発光させるという特長を持たせることが可能である。
【0047】
図9は上記実施形態の一例で、上述の両面発光あるいは片面発光の発光装置を用いて、その発光する側の面(この実施形態では蛍光面基板7)に透光性を有する表示フィルム13を配置し、低温環境下の発光表示装置とするものである。なお、発光する面は上記図19に示す発光装置を用いて、両面とも発光する発光表示装置としてもよい。
【0048】
また、上述のように表示フィルム13を配置するのではなく、ベース層2、ゲート層4をパターニングすることにより、発光パターンによって直接表示を行なう構成としてもよい。
【0049】
この発光表示装置は、低温による輝度劣化がほとんどないため、例えば冷凍倉庫などのような低温環境下での使用に適している。さらに、装置が薄型であるために、壁面などに配置した場合も表示部分が出っ張らないという特長を持つ。
【0050】
図10は、上記発光表示装置の一例を示すもので、透光性を有する発光面板10と透明性を有するカソード板6を組み合わせて真空封止し、両側発光する平面発光装置とし、発光装置の電源部分は天井取付けユニットFの部分に組み込まれている。発光装置の両側表面に、表示のための透光性を有したパネル13を配置して発光表示装置とした。この発光表示装置を低温となる場所、例えば低温倉庫などにおいて使用する場合、低温における輝度劣化、不点といったことがないために、自発光する表示として使用可能である。
【0051】
図11は、壁面取付け用パネルライトの一例で、上記発光装置の前面に透光性を有する表示用パネル13を配置して発光表示装置としたものである。例えば百貨店、ホテルなどの館内案内表示として応用できる。従来の複数の蛍光ランプを並べ、拡散用の白色アクリル板を用いた表示装置と比べて極端に薄い表示装置とすることが可能である。
【0052】
(実施形態)図12に示すように、展示用のショーケースの棚板Cの下面に、上述の片面発光の発光装置Dを配置した展示棚である。勿論、棚板Cの下面もしくは上面いずれに発光装置を配置してもよく、あるいは上述の両面発光特性を有する発光装置をそのまま棚板としてもよい。
【0053】
この実施形態によれば、蛍光灯照明と比較して、薄型であるので展示棚のデザインを良くすることができる。また、均一面発光なので、棚の奥にある展示物にも明るく照明することができる。
【0054】
さらに、光源が蛍光ランプの場合、紫外線が漏れ出て展示物を少しずつ劣化させてしまうが、この平面光源の場合は、紫外線の発生は無いので展示物の紫外線損傷を防ぐ効果もある。
【0055】
加えて、上記蛍光面9を構成する電子線励起発光物質を種々選択することによって、演色性を任意に設定でき、展示品を引き立たせる効果を持たせることができる。
【0056】
(実施形態)図13に示すように、上述の薄型平面発光装置Eを天井から吊り下げて使用するペンダントライトとしたものである。なお、駆動用の電源部はペンダント部分に組み込んでも、天井ユニットFの部分に収納してもよい。この発光装置Eは、駆動電圧は数10V〜数100Vと高いが、電流が数100nA/cm2〜数mA/cm2と小さいので、発光装置Eと電源部との間のケーブルGは細いものを使用できる。
【0057】
上述のように、この発光装置Eは非常に薄くできる(数mm)ので、環形蛍光ランプを用いた従来のペンダントライトと比較した場合、その薄さは画期的である。また、発光装置E自身の発熱が非常に小さいので、発光に伴う熱輻射も小さく、ペンダント部を使用者の近くにまで引き寄せて使用することも可能である。さらに、上記蛍光面9に使用する電子線励起発光体の選択によって、光色や演色性も任意に設定することができる。
【0058】
また、発光装置Eを上記図19に示すように、透光性もしくは透明性を有する構造とした場合、電源オフ時もペンダント部の影がほとんど発生しないような特長を有すると共に、動作(点灯)させた場合、ペンダント部の下側のみならず、上方も均一に照射させることができる。
【0059】
参考例5)この実施形態は、図20に示すような片面発光の発光装置を、図14に示すように、地中に窪地を設けてその内部に配置し、路上のアプローチライトとする。この発光装置は薄いために、路上に設ける窪地を浅くする事ができる。強度を持たせるために路上側の発光面基板7を厚い基板を用いたり、あるいはこの発光装置自体を別途の保護容器に収納する形で地面に設置する、あるいは電源ユニットを組み込んだ形で設置するとしても、せいぜい数cmの厚さであり、従来の蛍光灯やミニハロゲン電球光源に比べて十分な薄さである。また、この発光装置は低温下での発光劣化がほとんどないことから、夜間の温度が低い場所でも不点や輝度劣化の問題が生じない。従って、低温となる屋外環境でも動作が可能なアプローチライト等を提供できる。
【0060】
(実施形態)この実施形態は、図19に示すような両面発光の発光装置を、図15に示すように、壁面もしくは柱に取り付けたアプローチライトであり、前記実施形態と同様の効果を奏する。
【0061】
(実施形態)図16に示すように、この発光面板10は、厚手の十分な強度を有したガラス基板7の上に透明導電膜からなるアノード層8と蛍光体層9を形成することにより、透光性を有し、強度の大きな構成した。カソード板6は、厚手の十分な強度を有するガラス基板1の上に、メッシュ構造のベース層2とメッシュ構造のゲート層4を形成し、透明性を持ったカソードを形成した。マトリックスは切っていないので、ゲート層4とベース層2に電圧を印加すると、全てのエミッタ5から電子が放出される。
【0062】
このように構成された発光面板10とカソード板6を対向させて、その間を真空排気して発光装置を構成した。使用している基板1,7は、発光面板10側およびカソード板6側のいずれも十分な強度を持っているので、この発光装置自体も強度が高い。
【0063】
この発光装置を、図17に示すように、家屋の屋根部に取り付けて、トップライトHとした。このトップライトHは、発光装置自体として透光性を有しているので、日中は発光装置を通して外光が屋内に取り入れられる。夜間になると発光装置を動作させ、屋内照明として機能させることができる。
【0064】
(実施形態)この実施形態は、透光性を有する発光面板10と、透明性を有するカソード板6を組み合わせたパネルライトJを、図18に示すように組み込んで全体をスタンド形状としたものであり、電源部は支持台の部分に組み込まれており、パネルライトJの表面にフィルムを配置することができるようにガイドを設け、パネルスタンドとしたものである。
【0065】
このパネルスタンドは、消費電力が小さく、薄型で、演色性の良い白色光が得られると共に、パネルライト自身が透光性を有しているため、電源を入れていない場合も透過光によって装着されたフィルムを見ることができるという特長を有する。
【0066】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したことにより、課題▲1▼から課題▲8▼を解決した、薄型の平面型発光装置を用いた種々の照明装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す模式図である。
【図2】参考例1を示す模式図である。
【図3】参考例2を示す斜視図である。
【図4】参考例を示す模式図である。
【図5】参考例を示す模式図である。
【図6】本発明の実施形態の一例を示す模式図である。
【図7】本発明の実施形態の異なる例を示す模式図である。
【図8】図7に示す実施形態に用いる発光装置の模式図である。
【図9】本発明の実施形態の一例を示す模式図である。
【図10】本発明の実施形態の異なる例を示す模式図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図11】本発明の実施形態のさらに異なる例を示す模式図である。
【図12】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図14】参考例5を示す模式図である。
【図15】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図16】本発明の実施形態に用いる発光装置の模式図である。
【図17】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図18】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図19】本発明に用いる発光装置の模式図である。
【図20】従来例を示す模式図である。

Claims (1)

  1. 電界放射型電子放出素子を備えたカソード板と、電子線励起蛍光面を備えた発光面板とを真空空間を介して対向して配置し、電子線励起蛍光面と電子放出素子との間に電圧を印加することにより、電子放出素子から放出された電子で電子線励起蛍光面を発光させる発光装置を用いた照明装置であって、前記カソード板および前記発光面板を透光性(光透過性)とすると共に、前記発光面板を構成する蛍光面基板を延長し、蛍光面基板の裏面に反射層を形成し鏡としたことを特徴とする照明装置。
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