JP3780140B2 - 電気手術装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気手術装置、更に詳しくは高周波電流の出力制御部分に特徴のある電気手術装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気メス等の電気手術装置は、外科手術あるいは内科手術で生体組織の切開や凝固止血等の処置を行う際に用いられる。
このような電気手術装置は、高周波電流を発生する高周波焼灼電源装置と、この高周波焼灼電源装置に接続される手術具とから構成され、前記手術具を患者の生体組織に接触させて高周波焼灼電源装置から手術具を介して高周波電流を生体組織に供給し、生体組織に対して切開や、凝固止血等の処置を施すものである。
【0003】
上述した電気手術装置は従来より種々提案されており、例えば特開平8−98845号公報に記載の電気手術装置は、凝固処置する生体組織の炭化を防止し、生体組織の電極への付着を防止するため、凝固処置の終了を組織インピーダンスより判定し、高周波電流の出力を停止するものが提案されている。
【0004】
また、特開平10−225462号公報に記載の電気手術装置は、凝固処置の終了の判定を行った後、高周波電流の出力を停止せず低下させ、凝固終了の判定後、術者が凝固処置不十分と判断した場合、処置を継続できるようにしたものが提案されている。また、凝固処置を継続する際には、高周波電流の出力が低下しているため、生体組織の変性のスピードが遅く、術者は所望の凝固状態が得られた時点で処置を終了することが可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、生体組織とこの生体組織を把持する手術具である電極との接触面積が小さくなるほど、生体組織の組織インピーダンスの変化が速くなる。
【0006】
このため、上記特開平8−98845号公報や特開平10−225462号公報に記載の電気手術装置は、生体組織とこの生体組織を把持する手術具(電極)との接触面積が小さい場合、組織インピーダンスの測定、凝固処置の終了の判定を行っている間に、生体組織の炭化及び生体組織の手術具(電極)への付着が発生してしまう虞れが生じる。
また、上記特開平10−225462号公報の電気手術装置では、生体組織とこの生体組織を把持する手術具(電極)との接触面積が小さい場合、あるいは手術具(電極)によって把持された生体組織の厚みが小さい場合には生体組織の変性のスピードが速くなり、所望の凝固状態が得られた時点で術者が処置を終了することが困難であった。また、接触面積が大きい場合、手術具(電極)によって把持された生体組織の厚みが大きい場合は、生体組織の変性のスピードが過度に遅くなり、所望の凝固状態が得られるまでの時間が長くなるという問題があった。
【0007】
本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものであり、生体組織とこの生体組織を把持する手術具(電極)との接触面積及び手術具(電極)によって把持された生体組織の厚みによらず、確実に凝固処置の終了の判定を行い、生体組織の炭化及び生体組織の手術具(電極)への付着を防止できる電気手術装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気手術装置は、処置エネルギを手術具に供給する処置エネルギ発生手段と、前記処置エネルギ発生手段の出力を可変する可変手段と、前記処置エネルギ発生手段から前記手術具を介して生体組織に供給される処置エネルギにおける所定物理量の値を検出する検出手段と、前記検出手段において検出した所定物理量の値に基づいて、当該所定物理量の所定期間内における最大値または最小値を検出する物理量変化値検出手段と、前記処置エネルギ発生手段が出力を開始した後、前記物理量変化値検出手段当該出力開始後の前記所定物理量の最大値または最小値を検出するまでの時間を計測する計測手段と、前記物理量変化値検出手段により検出した前記所定物理量の前記最大値または最小値、及び前記計測手段において計測した計測時間に基づいて前記手術具で把持される生体組織の厚み及び当該生体組織と前記手術具との接触面積を算出する算出手段と、前記算出手段による算出結果に基づいて、前記処置エネルギにおける所定物理量の所定目標値を決定し、当該所定目標値に達した際に前記可変手段を制御して前記エネルギー発生手段の出力値を可変制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態の電気手術装置の全体構成を説明する外観構成図、図2は図1の高周波焼灼電源の構成を示す回路ブロック図、図3は図2に示される制御部の制御の流れを示すフローチャート、図4は電極が組織を把持した際の正面図、図5は電極が組織を把持した際の上面図、図6は高周波電源の動作を説明する第1のグラフ、図7は高周波電源の動作を説明する第2のグラフである。
【0010】
図1に示すように本実施の形態の電気手術器1は、高周波焼灼電源2と、この高周波焼灼電源2からの高周波電流を患者4の生体組織4aに供給する手術具としての一対の電極3とから主に構成される。また、前記高周波焼灼電源2には、高周波電流のON/OFF制御を行うフットスイッチ5が接続されている。
【0011】
図2に示すように前記一対の電極3は患者4の生体組織4aを把持することで、電極3に把持された厚みtの生体組織4aに高周波電流を供給するようになっている。また、図5に示すようにこのときの生体組織4aとこの生体組織4aとを把持している電極3との接触面積をAとしている。
【0012】
図2に示すように前記高周波焼灼電源2は、直流電流を供給する直流電源回路21と、前記直流電源回路21から直流電流を高周波電流に変換する高周波発生回路22と、前記高周波発生回路22に対して高周波電流の波形を制御する波形生成回路23と、前記高周波発生回路22からの高周波電流を前記一対の電極3に出力する出力トランス24と、前記出力トランス24より出力される出力電流を検出する検出手段としての電流センサ25と、前記電流センサ25により検出された電流値をA/D変換するA/D変換器26と、前記A/D変換器26でデジタル化された電流データに基づいて前記直流電源回路21及び前記波形生成回路23を制御する制御部27とから構成される。
【0013】
前記制御部27は、生体組織に供給される電流が出力開始から最大電流値Imaxに達するまでの時間を計測する計測手段としてのタイマ27aと、このタイマ27aで計測された時間T及び最大電流値Imaxとの組み合わせ(Imax,T)から生体組織4aの厚みt及び生体組織4aとこの生体組織4aを把持している電極3との接触面積(以下、単に接触面積)Aを求めるための後述のテーブルデータ(A,t)を記憶しているROM27bとを有している。
【0014】
次に図6及び図7を参照し、図3に示すフローチャートに従って、前記制御部27の動作を説明する。
先ず、患者4の生体組織4aを一対の電極3で把持して、フットスイッチ5をオンする。フットスイッチ5が踏まれると、制御部27はステップS1で最大電流値Imax及び時間Tに0を設定し、出力開始から最大電流値Imaxに達するまでの時間を前記タイマ27aによる計測を開始する。次にステップS2で出力電力が予め設定された初期設定値になるように、直流電源回路21、波形生成回路23を制御する。ここで、高周波電力と高周波電流との時間変化は、例えば図6又は図7に示すようになっている。
【0015】
一般的に高周波電流は、出力開始直後に一旦上昇するが、その後急激に下降する。これにより、高周波電流の上昇中は生体組織4aに加熱が行われ、生体組織4aの温度が沸点に達した場合、生体組織4a中に存在している水分が蒸発することによって抵抗値が上昇し電流値が低下することが予想される。
【0016】
ここで時間T=0の時点で、高周波電力は初期設定値通りに出力されている。この後、ステップS3からステップS6を繰り返し、高周波電流の第1目標値として最大電流値Imaxを決定すると共に、出力開始から最大電流値Imaxに達するまでの時間を計測する。
【0017】
ステップS3で、高周波電流は電流センサ25で検出され、検出された電流値はA/D変換器26でデジタルデータに変換される。デジタルデータに変換された電流値は、電流値Iとして制御部27に渡される。そして、制御部27は、ステップS4で電流の最大電流値(第1目標値)Imaxを求める最大値判定を行う。ステップS4での動作の詳細をステップS5及びステップS6に示す。
【0018】
ステップS5で前回までの最大電流値Imaxと今回測定した電流値Iとの大小の比較を行う。そして、電流値Iが前回までの最大電流値Imaxよりも大きい場合には、ステップS6でImaxの値をIに置き換え、時間Tを記憶し、ステップS3へ戻る。これは電流値Iが前回までの最大電流値Imaxを下回るまで繰り返される。
【0019】
一方、電流値Iが前回までの最大電流値Imaxを下回った場合には、今回の最大電流値(第1目標値)Imaxが決定したことになり、ステップ7へ移る。ステップS7で制御部27は、Imax及びこのImax到達までに要した時間(以下、単に時間)Tを用いて、以下に示す表1により生体組織4aの厚みt及び接触面積Aを求める。
【0020】
以下にステップS7での動作の詳細を説明する。
一般的に、抵抗値Rは面積Aに反比例し、長さ(厚さ)tに比例し、電流Iは抵抗Rと反比例する。
R∝l/A、R∝1/I ・・・(1)
また、電極3によって挟まれた生体組織4aの体質Vは、面積Aと厚みtとの積によって求められる。
V=A×t ・・・(2)
単位体積辺りの通常組織がタンパク変性を起こすエネルギ量は、出力Wと時間Tとの積によって求められ、
T∝V∝A×t ・・・(3)
という関係が得られる。
【0021】
本実施の形態では、最大電流値Imax及び時間Tとの組み合わせ(Imax,T)を基にして、制御部27が簡易的に3種類の生体組織4aの厚みt1〜t3及び接触面積A1〜A3に関するテーブルデータ(A1〜A3,t1〜t3)を前記ROM27bに有しており、このROM27bに記憶されているテーブルデータ(A1〜A3,t1〜t3)がそれぞれ以下の関係を有している場合について説明する。
【0022】
【表1】
Figure 0003780140
尚、この表1では、最大電流値Imax及び時間Tの組み合わせ(Imax,T)の基準値として接触面積A2及び生体組織4aの厚みt2の組み合わせ(A2,t2)を予め定められた初期設定値(Aset,tset)とし、この(A2,t2)を基準値として以下の関係となっている。
t1:t2:t3=1/2:1:2,A1:A2:A3=1/2:1:2,
I=A2/t2,V=A2×t2 ・・・(4)
この表1より、最大電流値Imax及び時間Tの組み合わせ(Imax,T)を用いて、現在の接触面積A及び生体組織4aの厚みtの組み合わせ(A,T)を知ることができる。
例えば、電流値がIで時間が4Tである場合(I,4T)は、表1より接触面積はA3、厚みはt3であること、即ち(A3,t3)であることが分かる。尚、図6に示しているグラフは、この(A3,t3)の場合である。また、別例として、電流値がIで時間が0.25Tである場合(I,0.25T)は、表1より接触面積はA1、厚みはt1であること、即ち(A1,t1)であることが分かる。尚、図7に示しているグラフは、この(A1,t1)の場合である。
【0023】
ステップS8では、得られた接触面積A及び生体組織4aの厚みtの組み合わせ(A,t)と、初期設定値の接触面積Aset及び厚みtsetの組み合わせ(Aset,tset)との比較を行い、この比較結果(A<Aset ort<tset)によって、その後の高周波電力の出力及び第2目標値としての凝固完了電流値の設定を2系統に場合分けして、出力の再設定又は第2目標値としての凝固完了電流値を決定する。
【0024】
ここで、図6及び図7のグラフのそれぞれの場合について説明する。先ず、図6の(A3,t3)の場合について説明する。
図6の(A3,t3)の場合には、接触面積及び厚みがそれぞれ初期設定値(Aset,tset)の2倍であるので、ステップS9へ移行する。ステップS9では得られた接触面積A3及び厚みt3の組み合わせ(A3,t3)より、出力の再設定を行う。この場合は、出力は設定出力のままとする。
次に、ステップS10では得られた接触面積A3及び厚みt3の組み合わせ(A3,t3)より、凝固完了電流値(第2目標値)Ifの設定を行う。この場合には、If=Imax×70%とする。
【0025】
一方、図7の(A1,t1)の場合には、接触面積及び厚みがそれぞれ初期設定値(Aset,tset)の1/2倍であるので、ステップS11へ移行する。
ステップS11では得られた接触面積A1及び厚みt1の組み合わせ(A1,t1)より、出力の再設定を設定出力×50%にする。そして、ステップS12では凝固完了電流値If=Imax×50%とする。
【0026】
ここで、出力、凝固完了電流値を下げているのは、以下の理由のためである。
接触面積が小さく、厚みが薄い場合、Imax後に把持された組織が急激に加熱され組織内の水分がすぐに蒸発することで、組織が炭化したり、電極3と組織が付着するのを防ぐために、比較的弱い出力で長時間出力を行うようにしている。
【0027】
この後、ステップS13で再度電流値Iの測定を行い、電流値Iが凝固完了電流値(第2目標値)Ifを下回るまで、ステップS14で電流値Iと凝固完了電流値Ifとの比較を行い、電流値Iが凝固完了電流値Ifを下回った場合は、ステップS15で電極3が把持した生体組織4aの凝固が完了したとみなし、電力を50%低下させ終了(ステップS16)となる。
【0028】
この結果、高周波電流の変化に基づき、電極3と組織の接触面積及び厚みを認識するため、いかなる条件においても、確実に凝固終了の判定を行い、生体組織4aの炭化及び生体組織4aの電極3への付着を防止できる。
【0029】
尚、本実施の形態では接触面積と厚みにより、その後の高周波電力の出力及び凝固完了電流値の設定を2系統にして説明したが、本発明はこれに限られるものではない。また、本実施の形態では表1を用いて、接触面積と厚みを求めたが、予めA=f(Imax,T)、t=g(Imax,T)の近似式を与え、この近似式から算出しても良い。また、電流値の変化については、測定をより正確におこなうために、数回の平均値を用いても良い。更に加えて、本実施の形態では凝固完了判定後の出力を50%としたが、その値に限られるものではなく、100%以下であれば良い。
【0030】
また、本実施の形態では、物理量の検出手段を電流センサとしたが、これに限定されるものではなく、電圧センサでも、電流センサと電圧センサとの組み合わせでも良い。
【0031】
(第2の実施の形態)
図8ないし図10は本発明の第2の実施の形態に係り、図8は本発明の第2の実施の形態を備えた制御部の制御の流れを示すフローチャート、図9は高周波電源の動作を説明する第1のグラフ、図10は高周波電源の動作を説明する第2のグラフである。
【0032】
上記第1の実施の形態では高周波電流から検出した電流値を用いて接触面積と厚みを求め、高周波電力の出力及び第2目標値としての凝固完了電流値の設定を行っていたが、本第2の実施の形態では電流値の代わりにインピーダンス(以下、抵抗)値を用いて接触面積と厚みを求めるように構成する。それ以外の構成は、第1の実施の形態とほぼ同様であるので説明を省略し、図9及び図10を参照し、図8に示すフローチャートに従って、制御部27の動作を説明する。
【0033】
先ず、患者4の生体組織4aを一対の電極3で把持して、フットスイッチ5をオンする。フットスイッチ5が踏まれると、制御部27はステップS21で最小抵抗値Zminに100及び時間Tに0を設定し、出力開始から最小抵抗値Zminに達するまでの時間を前記タイマ27aによる計測を開始する。次にステップS22で出力電力が予め設定された初期設定値になるように、直流電源回路21、波形生成回路23を制御する。ここで、高周波電力と抵抗との時間変化は、例えば図9又は図10に示すようになっている。
【0034】
一般的に抵抗は出力開始直後に一旦下降するが、人体組織が加熱によって乾燥することに伴い急激に上昇する。
ここで時間T=0の時点で、高周波電力は初期設定値通りに出力されている。この後、ステップS23からステップS26を繰り返し、第1目標値として最小抵抗値Zminを決定すると共に、出力開始から最小抵抗値Zminに達するまでの時間を計測する。
【0035】
ステップS23で、高周波電流は電流センサ25で検出され、検出された電流値はA/D変換器26でデジタルデータに変換される。デジタルデータに変換された電流値は、電流値Iとして制御部27に渡される。そして、制御部27は、設定出力と電流値Iから抵抗値Zを求め、ステップS24で最小抵抗値(第1目標値)Zminを求める最小値判定を行う。
【0036】
このように抵抗値の変化は第1の実施の形態で説明した電流値の変化とほぼ反対の動きをし、図8のフローチャートに記載した動きに従って、以下に示す表2により生体組織4aの厚みt、接触面積Aを求める。
【0037】
【表2】
Figure 0003780140
尚、この表2では、最小抵抗値Zmin及び時間Tの組み合わせ(Zmin,T)の基準値として表1と同様に接触面積A2及び生体組織4aの厚みt2の組み合わせ(A2,t2)を予め定められた初期設定値(Aset,tset)とし、この(A2,t2)を基準値としている。
この表2より、最小抵抗値Zmin及び時間Tを用いて、現在の接触面積A、生体組織4aの厚みtを知ることができる。
【0038】
ステップS28では、得られた接触面積A及び生体組織4aの厚みtの組み合わせ(A,t)と、初期設定値の接触面積Aset及び厚みtsetの組み合わせ(Aset,tset)との比較を行い、この比較結果(A<Aset ort<tset)によって、その後の高周波電力の出力及び第2目標値としての凝固完了抵抗値の設定を2系統に場合分けして、出力の再設定又は第2目標値としての凝固完了抵抗値を決定する。
【0039】
ここで、図9及び図10のグラフのそれぞれの場合について説明する。先ず、図9の(A3,t3)の場合について説明する。
図9の(A3,t3)の場合には、ステップS28からステップS29へ移行し、ステップS29で出力の再設定を行う。この場合は、出力は設定出力のままとする。
次に、ステップS10では凝固完了抵抗値(第2目標値)Zfの設定を行う。この場合には、Zf=Zmin×140%とする。
一方、図10の(A1,t1)の場合には、ステップS28からステップS31へ移行し、ステップS31では出力の再設定を設定出力×50%にする。そして、ステップS32では凝固完了抵抗値Zf=Zmin×200%とする。
【0040】
この後、ステップS33で再度抵抗値Zの測定を行い、抵抗値Zが凝固完了抵抗値(第2目標値)Zfを上回るまで、ステップS34で抵抗値Zと凝固完了抵抗値Zfとの比較を行い、抵抗値Zが凝固完了抵抗値Zfを上回った場合は、ステップS35で電極3が把持した生体組織4aの凝固が完了したとみなし、電力を50%低下させ終了(ステップS36)となる。
【0041】
この結果、抵抗の変化に基づき第1の実施の形態と同様に、電極3と組織の接触面積及び厚みを認識するため、いかなる条件においても、確実に凝固終了の判定を行い、生体組織4aの炭化及び生体組織4aの電極3への付着を防止できる。
【0042】
尚、本発明は、上記した実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0043】
[付記]
(付記項1) 処置エネルギを手術具に供給する処置エネルギ発生手段と、
前記処置エネルギ発生手段の出力を可変する可変手段と、
前記処置エネルギ発生手段から前記手術具を介して生体組織に供給される処置エネルギの物理量を検出する検出手段と、
前記処置エネルギ発生手段の出力開始から前記検出手段が所定の変化量を検出するまでの時間を計測する計測手段と、
前記検出手段の検出結果及び前記計測手段の計測時間に基づき、前記可変手段を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする電気手術装置。
【0044】
(付記項2) 前記検出手段で検出する物理量は、電流値、電圧値又はインピーダンス値であることを特徴とする付記項1に記載の電気手術装置。
【0045】
(付記項3) 前記制御手段は、前記検出手段で検出した検出値から所定の関数によって第1目標値を決定する第1目標値決定手段と、前記第1目標値決定手段により決定した第1目標値及び前記計測手段で計測した前記第1目標値に達するまでの計測時間によって、前記手術具で把持される生体組織の厚み及びこの生体組織と前記手術具との接触面積を算出する算出手段と、を有し、前記算出手段の算出結果によって第2目標値及び前記高周波電流の出力を決定することを特徴とする付記項1に記載の電気手術装置。
【0046】
(付記項4) 前記検出手段は電流センサであり、この電流センサで検出される検出値は電流値であることを特徴とする付記項1に記載の電気手術装置。
【0047】
(付記項5) 前記検出手段は電圧センサであり、この電圧センサで検出される検出値は電圧値であることを特徴とする付記項1に記載の電気手術装置。
【0048】
(付記項6) 前記検出手段は電圧センサ及び電流センサであり、これらの電圧センサ及び電流センサで検出される検出値は電圧値及び電流値であることを特徴とする付記項1に記載の電気手術装置。
【0049】
(付記項7) 前記第2目標値は、止血完了予測点又は凝固完了予測点であることを特徴とする付記項2に記載の電気手術装置。
【0050】
(付記項8) 前記算出手段による算出結果として、前記手術具で把持される生体組織の接触面積に対する生体組織の厚みの比率が小さい場合、予め定めた高周波電流の所定出力よりも低い出力に調整することを特徴とする付記項2に記載の電気手術装置。
【0051】
(付記項9) 前記算出手段による算出結果として、前記手術具で把持される生体組織の接触面積に対する生体組織の厚みの比率が小さい場合、予め定めた高周波電流の所定出力よりも低い出力になるように調整することを特徴とする付記項1に記載の電気手術装置。
【0052】
(付記項10) 前記算出手段による算出結果として、前記手術具で把持される生体組織の接触面積に対する生体組織の厚みの比率が小さい場合、高周波電流の時間が長くなるように前記第2目標値を調整することを特徴とする付記項2に記載の電気手術装置。
【0053】
(付記項11) 前記物理量が前記第2目標値に到達後、再度高周波電流の出力調整を行うことを特徴とする付記項2に記載の電気手術装置。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、生体組織とこの生体組織を把持する手術具(電極)との接触面積及び手術具(電極)によって把持された生体組織の厚みによらず、確実に凝固処置の終了の判定を行い、生体組織の炭化及び生体組織の手術具(電極)への付着を防止できる。また、生体組織の変性のスピードを判断し易い範囲に保ち、凝固状態の判断が容易であるという効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電気手術装置の全体構成を説明する外観構成図
【図2】図1の高周波焼灼電源の構成を示す回路ブロック図
【図3】図2に示される制御部の制御の流れを示すフローチャート
【図4】電極が組織を把持した際の正面図
【図5】電極が組織を把持した際の上面図
【図6】高周波電源の動作を説明する第1のグラフ
【図7】高周波電源の動作を説明する第2のグラフ
【図8】本発明の第2の実施の形態を備えた制御部の制御の流れを示すフローチャート
【図9】高周波電源の動作を説明する第1のグラフ
【図10】高周波電源の動作を説明する第2のグラフ
【符号の説明】
1 …電気手術器
2 …高周波焼灼電源
3 …電極(一対の電極)
5 …フットスイッチ
21 …直流電源回路
22 …高周波発生回路
23 …波形生成回路
24 …出力トランス
25 …電流センサ
26 …A/D変換器
27 …制御部
27a …タイマ
27b …ROM

Claims (1)

  1. 処置エネルギを手術具に供給する処置エネルギ発生手段と、
    前記処置エネルギ発生手段の出力を可変する可変手段と、
    前記処置エネルギ発生手段から前記手術具を介して生体組織に供給される処置エネルギにおける所定物理量の値を検出する検出手段と、
    前記検出手段において検出した所定物理量の値に基づいて、当該所定物理量の所定期間内における最大値または最小値を検出する物理量変化値検出手段と、
    前記処置エネルギ発生手段が出力を開始した後、前記物理量変化値検出手段当該出力開始後の前記所定物理量の最大値または最小値を検出するまでの時間を計測する計測手段と、
    前記物理量変化値検出手段により検出した前記所定物理量の前記最大値または最小値、及び前記計測手段において計測した計測時間に基づいて前記手術具で把持される生体組織の厚み及び当該生体組織と前記手術具との接触面積を算出する算出手段と、
    前記算出手段による算出結果に基づいて、前記処置エネルギにおける所定物理量の所定目標値を決定し、当該所定目標値に達した際に前記可変手段を制御して前記エネルギー発生手段の出力値を可変制御する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする電気手術装置。
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