JP3779553B2 - 加熱炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハやプリント回路基板のはんだリフロー等の熱処理に使用される加熱炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハやプリント回路基板などのはんだリフローや、その他の熱処理に使用されるコンベア炉等のトンネル型連続加熱炉では、例えば図2(a)及び(b)に示すような簡単な構成のパージ室50を炉の入出口に設けて余分なコストをかけることなく外気と炉内との雰囲気を遮断する。図において、この従来の加熱炉では、図示しないガス供給源に接続されるガス供給口51がパージ室50の上部に設けられており、N2ガス等のパージガスが上記ガス供給口51からパージ室50に供給される。また、このパージ室50の内部には、複数のバッフル板52を支持したバッフルサポート53が着脱可能に取り付けられている。尚、図2(a)及び(b)では、図面の簡略化のために、1枚のバッフル板52のみ図示している。
【0003】
上記バッフルサポート53は、例えば金属薄板の両端部を折り曲げ加工することにより形成されたものである。このバッフルサポート53は、パージ室50の内部に固定された断面L字状のレール部材54に沿ってスライド可能に取り付けられており、メンテナンス時等にバッフル板52をパージ室50から一括して引き出せるようになっている。また、バッフルサポート53の各側端部53aには、上記複数のバッフル板52を所定の間隔で配列するために、複数の取付孔53bが設けられている。これらの取付孔53bに各バッフル板52の係合端52aが挿通されることにより、バッフルサポート53は複数のバッフル板52を所定の間隔で支持している。また、このバッフルサポート53の平板部53cには、隣り合う2つのバッフル板52の間にパージガスを吹き出すための複数の吹き出し孔53dが設けられている。
【0004】
上記バッフルサポート53によって、パージ室50の内部に、ガス供給口51からのパージガスを複数の各吹き出し孔53dに分散供給するためのガス供給空間Pが形成される。このガス供給空間Pは、バッフルサポート53の前方及び後方側に設けられたメクラ板(図示せず)によって区画されるものであり、パージガスはガス供給空間Pから図2(b)の矢印で示すように各吹き出し孔53dを通り、バッフル板52に沿ってパージ室50の下方に導入され、外気が当該パージ室50の内部に流入するのを阻止する。尚、ガス供給空間Pの内部では、バッフルサポート53をレール部材54上で円滑にスライド移動させ、かつ上記係合端52aとの干渉を避けるために、その係合端52aとレール部材54との間に隙間を設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の加熱炉では、ガス供給空間Pの内部において、係合端52aとレール部材54との間の上記隙間、取付孔53bと係合端52aとの隙間や、上記メクラ板とバッフルサポート53あるいは側端部53aとレール部材54との各当接部での微少な隙間にパージガスが流れるのを避けられず、そのためパージガスの流れに乱れが生じたり、充分な下向きの流速が得られず、パージガスによる外気と炉内との遮断効果を向上するのが難しいという問題があった。
【0006】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、簡単な構成で吹き出し孔からバッフル板の間にパージガスを効率よく均一に供給することができ、よって低コストでパージガスによる外気と炉内との遮断効果を向上することができる加熱炉を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パージガスが供給されるガス供給口と、複数のバッフル板が所定の間隔で配列されたパージ室とを備える加熱炉において、
前記パージ室の天板に、隣り合う2つの前記バッフル板の間へパージガスを吹き出すための複数の吹き出し孔を設けるとともに、
前記吹き出し孔の上方空間を閉塞部材により気密に閉塞し、かつその閉塞部材に前記ガス供給口を気密に接続して、そのガス供給口から各吹き出し孔にパージガスを分散供給するためのガス供給空間を形成したことを特徴とするものである(請求項1)。
【0008】
上記のように構成された加熱炉によれば、上記吹き出し孔をパージ室の天板に設け、その上方のガス供給空間を閉塞部材により密閉しているので、簡単な構成でガス供給口からのパージガスを外部に漏らすことなく、上記ガス供給空間を通して吹き出し孔からバッフル板の間にパージガスを効率よく均一に供給することができる。しかも、ガス供給空間をパージ室の上方に形成したことにより、パージ室の容積を小さくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の加熱炉の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)及び(b)は、それぞれ本発明の一実施形態による加熱炉のパージ室の要部構成を示す欠裁斜視図及び断面図である。図において、本実施形態の加熱炉では、パージ室1と、このパージ室1の上方に設けられたガス供給空間2とを備えている。上記パージ室1の内部には、左右一対の支持部材3が着脱可能に取り付けられており、この支持部材3にはN2ガス等のパージガスを下方にガイドするための複数のバッフル板4が支持されている。尚、図1(a)及び(b)では、図面の簡略化のために、1枚のバッフル板4のみ図示している。また、半導体ウェハやプリント回路基板などの被処理物は、バッフル板4の下方に設けられたコンベア(図示せず)によって搬送されている。
【0010】
また、パージ室1の天板1aには、隣り合う2つのバッフル板4の間へパージガスを吹き出すための複数の吹き出し孔1bが設けられている。この吹き出し孔1bは幅方向に沿って直線上に配列された複数個を一列として長手方向に複数列配列されている。また、これらの吹き出し孔1bの上方空間を閉塞部材5で気密に閉塞することにより、上記のガス供給空間2が形成されている。具体的には、このガス供給空間2は、上記の吹き出し孔1bを覆うように、一方が開口した箱体状の閉塞部材5の側壁5aを、例えば溶接により天板1aに固定することで形成されている。また、閉塞部材5の他方側の底板5bには、ガス供給口7が気密に接続されており、図示を省略したガス供給源からのパージガスがガス供給口7を通ってガス供給空間2の内部に導入されて各吹き出し孔1bに分散供給される。尚、上記の説明以外に、コーキング材やパッキンを用いて、閉塞部材5を天板1aに気密に取り付けてガス供給空間2を形成してもよい。
【0011】
上記の各支持部材3は、例えば断面L字状の金属部材により構成されたものであり、パージ室1の内部に固定された断面L字状のレール部材6に沿ってスライド可能に取り付けられている。また、各支持部材3には、上記複数のバッフル板4を所定の間隔で配列するために、複数の取付孔3aが設けられている。これらの取付孔3aに各バッフル板4の係合端4aが挿通されることにより、支持部材3は各バッフル板4を支持している。これにより、パージガスはガス供給空間2から図1(b)の矢印で示すように各吹き出し孔1bを通り、バッフル板4に沿ってパージ室1の下方に導入され、外気が当該パージ室1の内部に流入するのを阻止することができる。
【0012】
上記のように構成された本実施形態の加熱炉では、ガス供給空間2が天板1aに設けられた上記の吹き出し孔1bの上方空間を閉塞部材5により気密に閉塞し、かつその閉塞部材5にガス供給口7を気密に接続することによって形成されているので、ガス供給口7からのパージガスを外部に漏らすことなく、当該ガス供給空間2を通して吹き出し孔1bからバッフル板4の間にパージガスを均一に効率よく供給することができる。したがって、パージガスによる外気と炉内との遮断効果を向上することができ、炉内の雰囲気を容易に安定させることができる。さらに、パージ室1の外部にガス供給空間2を形成しているので、上述の従来例のものと比べて、パージ室1の容積を小さくすることができ、パージガスの消費量を減らすことができる。また、上述の従来例のものと異なり、ガス供給空間2を区画するためのメクラ板を設ける必要がないので、組立やメンテナンス時等においてパージ室1に対して支持部材3及びバッフル板4を容易に着脱することができる。
【0013】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明の加熱炉によれば、上記ガス供給空間によってガス供給口からのパージガスを外部に漏らすことなく、吹き出し孔からバッフル板の間にパージガスを効率よく均一に供給することができるので、簡単な構成で余分なコストをかけることなくパージガスによる外気と炉内との遮断効果を向上することができ、炉内の雰囲気を容易に安定させることができる。しかも、上述の従来例のものと異なり、ガス供給空間をパージ室と別個に形成しているので、パージ室の容積を小さくすることができ、パージガスの消費量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)はそれぞれ本発明の一実施形態による加熱炉のパージ室の要部構成を示す欠裁斜視図及び断面図である。
【図2】(a)及び(b)はそれぞれ従来の加熱炉のパージ室の要部構成を示す欠裁斜視図及び断面図である。
【符号の説明】
1 パージ室
1a 天板
1b 吹き出し孔
2 ガス供給空間
4 バッフル板
5 閉塞部材
7 ガス供給口
Claims (1)
- パージガスが供給されるガス供給口と、複数のバッフル板が所定の間隔で配列されたパージ室とを備える加熱炉において、
前記パージ室の天板に、隣り合う2つの前記バッフル板の間へパージガスを吹き出すための複数の吹き出し孔を設けるとともに、
前記吹き出し孔の上方空間を閉塞部材により気密に閉塞し、かつその閉塞部材に前記ガス供給口を気密に接続して、そのガス供給口から各吹き出し孔にパージガスを分散供給するためのガス供給空間を形成したことを特徴とする加熱炉。
Priority Applications (1)
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JP2001063492A JP3779553B2 (ja) | 2001-03-07 | 2001-03-07 | 加熱炉 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001063492A JP3779553B2 (ja) | 2001-03-07 | 2001-03-07 | 加熱炉 |
Publications (2)
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JP2002267367A JP2002267367A (ja) | 2002-09-18 |
JP3779553B2 true JP3779553B2 (ja) | 2006-05-31 |
Family
ID=18922479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001063492A Expired - Lifetime JP3779553B2 (ja) | 2001-03-07 | 2001-03-07 | 加熱炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3779553B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5571292B2 (ja) * | 2008-03-27 | 2014-08-13 | 光洋サーモシステム株式会社 | 連続焼成炉 |
-
2001
- 2001-03-07 JP JP2001063492A patent/JP3779553B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JP2002267367A (ja) | 2002-09-18 |
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