JP3779458B2 - ルアー - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルジグと呼ばれる、外形を魚体に似せた金属製本体を有するルアーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のルアーには、合成樹脂製のルアー本体を有するプラグルアーと呼ばれるものがある。プラグルアーは、外形を魚に似せた合成樹脂製のルアー本体と、ルアー本体内に収納されたバランスウェイトと、ルアー本体頭部に設けられたライン(釣り糸)を結束するためのアイ(止め輪)とを有している。そして、ルアー本体は、成形加工後に様々な模様で塗装され、その上からラッカー等で表面をコーティングされている。
【0003】
このプラグルアーは、水中で釣糸を引き寄せてリトリーブすると、バランスウェイトがルアー全体のバランスを保ち、ルアーは魚のように泳動して様々なアクション起こし、魚に強くアピールする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のプラグルアーは、ルアー本体が合成樹脂製であり、キャスティング後の沈降速度及び沈降深さには限界がある。そこで、ルアーを速く沈降させ、また深い箇所にまで沈降させて釣りを行う場合には、金属製のルアー本体を有するメタルジグを用いて釣りを行っている。
【0005】
しかし、このメタルジグは、キャスティング後に釣糸を巻き上げてリトリーブしたのみでは、ほとんどアクションを起こさず、十分に魚にアピールできない。本発明の課題は、速くかつ深くまで沈降し、十分にアクションを起こすルアーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1にかかるルアーは、魚釣りに用いるルアーであって、金属製のルアー本体と、ルアー本体の頭部から尾部に渡って設けられたワイヤ部材と、ルアー本体内の頭部底面側又は腹部底面側に埋め込まれ、ルアー本体を構成する金属の比重より大きい比重を有する重りと、ルアー本体の頭部側端部付近においてワイヤ部材から分岐し重りを貫通してルアー本体の腹部付近から外部に突出する枝部と、ワイヤ部材の一端に設けられ釣糸を係止する係止部と、ワイヤ部材の他端に連結された第1フックと、枝部の先端に連結された第2フックとを備えている。
【0007】
この場合には、金属製のルアー本体によって、ルアーは水深の深い箇所まで素早く沈降する。沈降後、ルアーをリトリーブさせると、重りがルアー全体のバランスを調整して泳動姿勢を安定させる。そして、ルアーは安定して泳動し、魚のような様々なアクションを起こす。ここで、重りは、ルアー本体の頭部の底部側付近や、腹部の底部側付近に埋め込むのが好ましい。また、ルアー本体は全体的に薄い板状であり、特に尾部にかけて薄く軽くなるように形成するのが好ましい。このように、頭部〜腹部付近にかけて重りを入れて重量を大きくして、尾部に向かって軽くなるように形成すると、リトリーブのアクションがより大きく活発になる。
【0008】
発明2にかかるルアーは、発明1のルアーであって、ルアーは鉛製部材である。この場合には、ルアー本体が鉛製部材であり、安価にかつ容易にルアーを製造できる。発明3にかかるルアーは、発明2のルアーであって、重りはタングステン合金である。
【0009】
この場合には、鉛より比重の大きいタングステン合金が、鉛製のルアー本体に対して重りとして作用し、ルアーのバランスを調整して泳動姿勢を安定させる。
発明4にかかるルアーは、魚釣りに用いるルアーであって、頭部側底部付近に中空部を有し他の部分は中実の金属製のルアー本体と、ルアー本体の頭部から尾部に渡って設けられたワイヤ部材と、ルアー本体の中空部内に配置され、ルアー本体を構成する金属の比重より大きい比重を有する重りと、ワイヤ部材の一端に設けられ釣糸を係止する係止部と、ワイヤ部材の他端に連結されたフックとを備えている。
【0010】
この場合には、金属製のルアー本体によって、ルアーは水深の深い箇所まで素早く沈降する。沈降後、ルアーをリトリーブさせると、重りがルアー全体のバランスを調整して泳動姿勢を安定させる。さらに、リトリーブ時のルアー本体のアクションに併せて重りが中空部内を移動して、より大きなアクションを演出する。
【0011】
発明5にかかるルアーは、発明4のルアーであって、重りは小球状であり、ルアー本体の中空部内に複数配置されている。この場合には、リトリーブ時に重り同士が中空部内で衝突して金属音を発生し、魚により強くアピールする。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1実施形態を採用したルアーは、図1及び図2に示すように、外形を魚に似せて形成した鉛製のルアー本体1と、ルアー本体1の頭部の上方側から尾部に渡って設けられたワイヤ部材11と、ワイヤ部材11の一端に設けられライン(釣糸)を係止し得るアイ(止め輪)2と、ワイヤ部材11の他端に設けられたアイ3とを有している。そして、このアイ3にはスプリットリング4を介してフック(釣針)5が装着されている。さらに、ルアー本体1内の頭部底面側には重り10が挿入されている。この重り10はタングステンカーバイド−コバルト合金製部材である。具体的には、高純度のタングステン等の金属粉末を混合,粉砕し乾燥させ金型成形したものを高温真空中で焼結したものである。
【0013】
ルアー本体1はやや薄目の板状部材であり、尾部にかけてさらに薄く軽くなるように形成されている。ワイヤ部材11は、ルアー本体1の頭部側端部付近から分岐しているワイヤ枝部11aを有している。そして、このワイヤ枝部11aの先端が重り10に挿入されている。
【0014】
このルアーは以下のように製造される。まず、所定のワイヤ11を用意する。このワイヤ11は、ルアー本体1の頭部側に該当する一端にアイ2が連結されており、ルアー本体1の尾部側に該当する他端にアイ3が連結されている。そして、ワイヤ11を成型用の金型内の所定位置に配置する。さらに、所定の位置に重り10を配置して、鉛材を金型内に流し込んで鉛製のルアー本体1を成形し、フック5をアイ3に連結してルアーを製造する。
【0015】
このように構成されたルアーでは、鉛製のルアー本体1によって、ルアーは水深の深い箇所まで素早く沈降する。沈降後、ルアーをリトリーブさせると、重り10がルアー全体のバランスを調整して泳動姿勢を安定させる。そして、ルアーは安定して泳動し、魚のような様々なアクションを起こす。さらに、ワイヤ枝部11aが重り10に挿入されているので、重り10の位置安定性も向上する。
【0016】
また、重り10は、ルアー本体1の頭部の底部側付近に埋め込まれており、ルアー本体1は尾部にかけて薄く軽くなるように形成されているので、リトリーブ時のアクションがさらに活発になる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
本発明の第2実施形態を採用したルアーは、図3に示すように、ルアー本体1の頭部の上方側から尾部に渡って設けられたワイヤ部材21を有している。このワイヤ部材21は、ルアー本体1の頭部側端部付近から分岐しているワイヤ枝部21aを有している。このワイヤ枝部21aの先端はルアー本体1の腹部付近から外部に突出しており、この突出した先端にはアイ22が設けられている。そして、アイ22にはスプリットリング23を介してフック24が装着されている。
【0018】
また、ルアー本体1の腹部底面側には重り10が挿入されており、ワイヤ枝部21aは、この重り10を貫通している。なお、その他の構成は、第1実施形態と同様であり、説明を省略する。このように構成されたルアーでは、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。さらに、ワイヤ枝部21aが重り10を貫通しているので、重り10の位置安定性も向上する。
【0019】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本発明の第3実施形態を採用したルアーは、図4及び図5に示すように、外形を魚に似せて形成し頭部側底部付近に中空部41aを有する鉛製のルアー本体41と、ルアー本体41の頭部の上方側から尾部に渡って設けられたワイヤ部材51と、ワイヤ部材51の一端に設けられラインを係止し得るアイ42と、ワイヤ部材51の他端に設けられたアイ43とを有している。そして、このアイ43にはスプリットリング44を介してフック45が装着されている。
【0020】
また、ルアー本体41内の中空部41a内には、複数の小球重り50が配置されている。この重り50は、第1実施形態と同様に、タングステンカーバイド−コバルト合金製部材である。このように構成されたルアーでは、ルアー本体51が鉛製部材であるので、ルアーは水深の深い箇所まで素早く沈降する。そして、沈降後にルアーをリトリーブすると、小球重り50がルアー全体のバランスを調整して泳動姿勢を安定させる。さらに、リトリーブ時に小球重り50同士が中空部51a内で衝突して金属音を発生し、魚により強くアピールする。
【0021】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の第4実施形態を採用したルアーは、図6に示すように、外形を魚に似せて形成した鉛製のルアー本体61と、ルアー本体61の頭部の上方側から尾部下方に渡って設けられたワイヤ部材71と、ルアー本体61の頭部底面側に挿入された重り10とを有している。
【0022】
ワイヤ部材71の両端はフック状に折り曲げられ、それぞれラインを係止可能な係止部71aとフックを連結可能な連結部71bとなっている。そして、折り曲げられた先端部はルアー本体61内に挿入されている。なお、その他の構成は第1実施形態と同様であり、説明を省略する。このように構成されたルアーでは、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、ワイヤ部材71の両端がそれぞれ係止部71a及び連結部71bとなっているので、容易に製造できる。
【0023】
[他の実施形態]
(a)ルアー本体は、鉛以外の合金を用いて製造してもよい。
(b)分岐していないワイヤ部材を用いてもよい。
(c)ルアー本体の中空部に配置する小球重りは、ルアー本体と同様の素材で製造してもよい。この場合にも、小球重り同士が衝突して金属音を発生し、魚に強くアピールすることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明にかかるルアーによれば、ルアー本体が金属製部材であるので、素早く水深の深い所にまで沈降させることができる。また、ルアー本体より比重の大きい重りをルアー本体内に有しているので、ルアー全体のバランスを調整でき、泳動姿勢を安定し、魚のような様々なアクションを演出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を採用したルアーの全体図。
【図2】 図1のII−II断面図。
【図3】 本発明の第2実施形態を採用したルアーの全体図。
【図4】 本発明の第3実施形態を採用したルアーの全体図。
【図5】 図4のV −V 断面図。
【図6】 本発明の第4実施形態を採用したルアーの全体図。
【符号の説明】
1,41,61 ルアー本体
11,51,71 ワイヤ部材
10 重り
50 小球重り
Claims (5)
- 魚釣りに用いるルアーであって、
金属製のルアー本体と、
前記ルアー本体の頭部から尾部に渡って設けられたワイヤ部材と、
前記ルアー本体内の頭部底面側又は腹部底面側に埋め込まれ、前記ルアー本体を構成する金属の比重より大きい比重を有する重りと、
前記ルアー本体の頭部側端部付近において前記ワイヤ部材から分岐し、前記重りを貫通して前記ルアー本体の腹部付近から外部に突出する枝部と、
前記ワイヤ部材の一端に設けられ釣糸を係止する係止部と、
前記ワイヤ部材の他端に連結された第1フックと、
前記枝部の先端に連結された第2フックと、
を備えたルアー。 - 前記ルアーは鉛製部材である、請求項1に記載のルアー。
- 前記重りはタングステン合金である、請求項2に記載のルアー。
- 魚釣りに用いるルアーであって、
頭部側底部付近に中空部を有し他の部分は中実の金属製のルアー本体と、
前記ルアー本体の頭部から尾部に渡って設けられたワイヤ部材と、
前記ルアー本体の中空部内に配置され、前記ルアー本体を構成する金属の比重より大きい比重を有する重りと、
前記ワイヤ部材の一端に設けられ釣糸を係止する係止部と、
前記ワイヤ部材の他端に連結されたフックと、
を備えたルアー。 - 前記重りは小球状であり、前記ルアー本体の中空部内に複数配置されている、請求項4に記載のルアー。
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