JP3779378B2 - 鉄道車両用側扉制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道車両の側扉を開閉制御するための鉄道車両用側扉制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両の側面に形成された乗客乗降口は、鉄道車両用側扉装置である側引戸装置によって開閉される。従来から広く用いられてきた側引戸装置は、空気圧によって側引戸の作動力を得る空気式のものがほとんどであったが、最近では、低コスト、メンテナンスフリーおよび艤装の簡素化等のメリットから、電気式ドアエンジンを用いたものが注目され始めている。たとえば、空気式の装置では、数年毎にOリングなどゴム製品の交換が必要であるが、電気式にはこのようなメンテナンスは不要である。また、空気式の装置は艤装に際して空気配管および電気配線の両方が必要であるのに対して、電気式のものでは電気配線のみを行えば足りる。
【0003】
電気式のドアエンジンを用いた側引戸装置の先行技術は、たとえば、特公昭57−50914号公報に開示されている。この先行技術では、一対の側引戸を乗降口の上方に設けたレールに対してスライド自在に吊設し、レールに平行に配置されたねじシャフトに螺合するナットと側引戸とをブラケットを介して結合するとともに、ねじシャフトを電動モータで正転/逆転することによって、側引戸の開閉が達成されている。
【0004】
鉄道車両用側引戸装置においては、乗客の安全を確保するための構成が必須である。そのため、上記公告公報に開示されている先行技術においては、リミットスイッチなどで側引戸の位置や障害物の有無などを検知し、その検知結果に基づいて、モータ駆動用のリレーを作動させるようにしている。これにより、側引戸がぴしゃりと閉まるのを防ぐように、閉成サイクルの最終部分において側引戸のスライド速度を低速にするためのクッション動作を行わせたりするようにしている。
【0005】
車両の走行中における乗客の安全を確保するための他の装置は、特公昭52−3164号公報に開示されている。この公告公報に記載の装置では、車両の走行速度が速度検出器によって設定値以上であることが検知されたことに応答して、速度検出リレーを作動させ、扉の開閉を制御するための電磁弁の作動を禁止するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の2つの先行技術では、いずれも、アナログ電気回路によって側引戸の制御装置が構成されているため、高機能化には限界がある。たとえば、故障状態のモニタリングや故障個所の自動検診のような高度な機能を付与することができない。そのため、従来から、側引戸制御装置のマイコン化により、側引戸制御装置の機能を高度化することが要望されていた。
【0007】
マイクロコンピュータを制御装置として用いた扉開閉装置は、たとえば、建築用自動扉装置において用いられている例がある。しかし、建築用等における扉開閉装置と鉄道車両用側扉装置とでは、要求される信頼性のレベルが全く異なり、建築用等の装置を鉄道車両用側引戸装置にそのまま転用しても、所要の安全性を確保することは到底できない。
具体的には、車両走行中や側引戸の開閉時における乗客の安全は上述の先行技術の適用によって確保できるとしても、たとえば、ノイズによるマイクロコンピュータの誤動作に起因して、上記先行技術が予期していない不具合が生じるおそれがある。たとえば、駅停車中に、プラットフォームとは反対側の側引戸が開成動作したり、乗客が乗降口を通過している間に突然側引戸が閉成動作したりすれば、乗客の安全を確保できないおそれがある。
したがって、鉄道車両用側扉装置の制御をマイコン化してその高機能化を図るためには、マイクロコンピュータの誤動作対策に万全を期する必要がある。特に、乗務員の指令無しに側引戸が開成されることは、絶対にあってはならない。
【0008】
なお、マイクロコンピュータの誤動作を監視するために、1つの入力信号に対する処理を2系列のプログラムで行い、その結果を比較することが考えられる。しかし、たとえば、電動モータを駆動する駆動回路に故障が生じる場合も考えられるから、プログラムを二重化するだけでは必ずしも充分とは言えない。
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、マイクロコンピュータによる制御によって高機能化を図ることができるとともに、従来と同等以上の安全性を確保することができる鉄道車両用側扉制御装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、故障時であっても安全に側扉を開閉駆動することが可能な鉄道車両用側扉制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1記載の鉄道車両用側扉制御装置は、鉄道車両の側扉の開閉を制御するための装置であって、
側扉を作動させるための側扉動作指令が入力され、この側扉動作指令を複数の側扉動作指令信号に多重化して出力する複数の入力部を有する入力回路と、
側扉を駆動するための電動モータに駆動電流を供給するための駆動回路と、
上記入力回路の上記複数の入力部からの複数の側扉動作指令信号が入力され、この複数の側扉動作指令信号に基づいて上記駆動回路に駆動指令信号を供給するマイコン制御型の制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記多重化された側扉動作指令信号のそれぞれに対応して設けられ、各側扉動作指令信号に対応する駆動指令信号をそれぞれ出力する複数の判断手段を有しており、
上記判断手段は、当該判断手段に入力された側扉動作指令信号と、他の少なくとも1つの判断手段に入力された側扉動作指令信号とが一致しているか否かを判別し、判別の結果、一致している場合は上記駆動指令信号を供給し、一致していない場合は供給しないことを特徴とするものである。
【0010】
上記の構成の鉄道車両用側扉制御装置によれば、多重化された複数の側扉動作指令信号はそれぞれ判断手段において独立に処理される。そして、判断手段は一の側扉動作指令信号と他の側扉動作指令信号が一致している場合は駆動指令信号を駆動回路に供給し、一致していない場合は供給しない。これにより、マイコン制御によって側扉の動作を制御しつつ、側扉の誤動作を確実に防止できる。
【0011】
また、複数の判断手段に入力される側扉駆動指令は入力回路において多重化されているだけであるから、本来は一致しているはずである。不一致であれば、それは、入力回路の故障やノイズの影響などによる誤入力である。したがって、複数の判断手段の間で入力指令の一致/不一致を監視する構成を採用することによって、故障等を確実に検知できるから、装置の信頼性を一層向上することができる。
【0012】
請求項2記載の鉄道車両用側扉制御装置は、上記判断手段は、この判断手段が出力した駆動指令信号と上記駆動回路の作動状態とに整合がとれているか否かを監視する作動状態監視手段と、この作動状態監視手段によって上記駆動指令信号と上記駆動回路の作動状態とに整合がとれていないことが検知されたことに応答して、上記駆動指令信号の出力を禁止する手段とを含むものであることを特徴とする。
この構成では、判断手段が出力した駆動指令信号と駆動回路の作動状態とに整合がとれているかを監視することにより、駆動回路の異常を検知することができる。そして、駆動指令信号と駆動回路の作動状態とに整合性がなければ、駆動指令信号の出力が禁止されるので、駆動回路が故障している場合には、電動モータへの給電が禁止されることになる。これにより、側扉装置の安全性を高めることができる。
【0013】
請求項3記載の鉄道車両用側扉装置は、鉄道車両の側扉の開閉を制御するための装置であって、
側扉を作動させるための側扉動作指令が入力され、この側扉動作指令を複数の側扉動作指令信号に多重化して出力する複数の入力部を有する入力回路と、
側扉を駆動するための電動モータに駆動電流を供給するための駆動回路と、
上記入力回路の上記複数の入力部からの複数の側扉動作指令信号が入力され、この複数の側扉動作指令信号に基づいて上記駆動回路に駆動指令信号を供給するマイコン制御型の制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記多重化された側扉動作指令信号のそれぞれに対応して設けられ、各側扉動作指令信号に対応する駆動指令信号をそれぞれ出力する複数の判断手段を有しており、
上記判断手段は、当該判断手段に入力された側扉動作指令信号と、他の少なくとも1つの判断手段に入力された側扉動作指令信号とが一致しているか否かを判別する指令監視手段を有しており、
さらに、上記指令監視手段が側扉動作指令信号の不一致を検知したときに、他の側扉に設けられた制御手段に故障信号を出力するとともに、上記駆動回路と上記電動モータとの間の接続を遮断する故障制御回路を備えており、
この故障制御回路は、上記他の側扉の制御手段から駆動指令信号を供給される他の側扉の駆動回路と上記電動モータとの間を接続する切換手段を有するものであることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、複数の判断手段に入力される側扉動作指令信号の不一致が検知されると、故障が生じているものとされて、他の側扉に対応した側扉制御装置の制御手段に故障信号が与えられる。そして、その後は、故障制御装置の働きによって、当該故障が生じている側扉制御装置からの電動モータへの給電が禁止され、代わって、上記他の側扉に対応した側扉制御装置の駆動回路からの電流が電動モータに供給される。
これにより、側扉制御装置に異常が生じたときには、他の正常な側扉制御装置によって電動モータが制御されることになるから、故障が生じた場合であっても、安全性を確保しつつ、側扉の開閉動作を行わせることができる。
【0015】
請求項4記載の鉄道車両用側扉制御装置は、上記判断手段は、この判断手段が出力した駆動指令信号と上記駆動回路の作動状態とに整合がとれているか否かを監視する作動状態監視手段を含み、この作動状態監視手段によって上記駆動指令信号と上記駆動回路の作動状態とに整合がとれていないことが検知されたときにも故障信号を出力するものであることを特徴とする。
この構成によれば、判断手段が出力する駆動指令信号と駆動回路の作動状態とに整合性がとれていないときにも故障信号が出力されるので、故障検知の精度が向上し、より安全なシステムを構築できる。
【0016】
請求項5記載の鉄道車両用側扉制御装置は、上記切換手段によって上記他の側扉の駆動回路と上記電動モータとの間が接続されている状態のときに、この電動モータで駆動される側扉の閉成状態検知信号を、上記他の側扉を制御するための側扉制御装置が有する制御手段に向けて送出する手段をさらに含むことを特徴とする。
この構成によれば、当該側扉制御装置に異常が発生し、他の正常な側扉制御装置から電動モータへの給電が行われている状態では、側扉の閉成状態検知信号が上記他の正常な側扉制御装置に送出される。これにより、上記他の正常な側扉制御装置は、側扉の閉成状態を知ることができるので、長時間に亘る不必要なモータ駆動を防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
図1は、この発明の実施の一形態に係る鉄道車両用側扉制御装置が適用されたドアシステムの全体の構成を示す概念図である。互いに連結された複数の車両1,2,・・・・・・のうちの先頭の車両の最前部には、各種の情報を表示するための表示装置を含む運転台3が備えられている。各車両1,2には、それぞれ、たとえば6個の乗降口E11,E12,E13,E14,E15,E16;E21,E22,E23,E24,E25,E26(以下、総称するときには「乗降口E」という。)が側面に形成されている。各乗降口Eに関連して、乗降口を開閉するための側引戸装置F11,F12,F13,F14,F15,F16;F21,F22,F23,F24,F25,F26(以下、総称するときには「側扉装置F」という。)が設けられている。
【0018】
各側扉装置Fは、それぞれに対応する乗降口Eに沿ってスライド可能に設けられた側引戸S11,S12,S13,S14,S15,S16;S21,S22,S23,S24,S25,S26(以下、総称するときには「側引戸S」という。)と、この側引戸Sを駆動して乗降口Eを開閉するための電動モータM11,M12,M13,M14,M15,M16;M21,M22,M23,M24,M25,M26(以下、総称するときには「モータM」という。)とを備えている。各モータMは、側扉制御装置としてのローカルコントロールユニット(LCU:Local Control Unit)D11,D12,D13,D14,D15,D16;D21,D22,D23,D24,D25,D26(以下、総称するときには「ローカルコントロールユニットD」という。)によってそれぞれ駆動制御される。
【0019】
各ローカルコントロールユニットDには、LEDディスプレイのような表示器P11,P12,P13,P14,P15,P16;P21,P22,P23,P24,P25,P26(以下、総称するときには「表示器P」という。)が接続されている。各ローカルコントロールユニットDは、それぞれの車両に1つずつ設けられたメインコントロールユニット(MCU:Main Control Unit )51,52(以下、総称するときには「メインコントロールユニット5」という。)に、通信線41,42(以下、総称するときには「通信線4」という。)を介して接続されている。つまり、各ローカルコントロールユニットDからの情報がメインコントロールユニット5に集められるようになっている。
【0020】
メインコントロールユニット51,52は、それぞれ、各車両に1つずつ設けられたモニタ端末61,62(以下、総称するときには「モニタ端末6」という。)に接続されている。モニタ端末61,62は、全ての車両1,2,・・・・・・を通って引き回されている通信線7に接続されており、この通信線7を介して運転台3との間の双方向通信を行うことができる。
運転台3には、側引戸Sを開閉させるための開閉指令信号が導出される車両引通し線8R,8L(以下、総称するときには「車両引通し線8」という。)が接続されている。この車両引通し線8は、全ての車両1,2,・・・・・・を通って引き回されており、全てのローカルコントロールユニットDと接続されている。これにより、全ての側引戸Sを一斉に開閉できるようになっている。
【0021】
図2は、ローカルコントロールユニットDの詳しい構成を説明するための図である。ローカルコントロールユニットDには、側引戸Sを乗降口Eに沿ってスライドさせるための駆動力を発生するモータMと、このモータMの回転情報を検出するためのエンコーダENとが接続されている。ローカルコントロールユニットDは、運転台3からの指令や各種の検出信号に基づいて、モータMの駆動制御を行う。
【0022】
ローカルコントロールユニットDは、マイコン制御方式のものであって、所定のプログラムに従って動作する制御手段としてのCPU11と、各種の指令および検出信号をCPU11に入力するための入力回路12と、モータMに駆動電力を供給するためのモータ駆動回路15と、メインコントロールユニット5とのデータ通信のためのインタフェースIF1と、表示器Pに表示情報を与えるためのインタフェースIF2と、各部に供給すべき電源電圧を発生するための電源部14とを備えている。 入力回路12は、複数のフォトカプラPCを有しており、電気的絶縁状態を保ちつつ、入力信号をCPU11に入力できる構成になっている。入力回路12に入力される入力信号には、たとえば、側引戸Sの開成指令および閉成指令(側扉動作指令)、全閉していない側引戸Sのみを再度開閉動作させるための再開閉指令、非常時に側引戸Sをわずかに開くための電気式一斉開放指令、車両の内部において各側引戸Sの手動開放を許容するための内部手動開放指令、車両の外部において各側引戸Sの手動開放を許容するための外部手動開放指令、側引戸Sが全閉状態でロックされたことを表すロック検知信号、ならびに車両の走行速度が所定速度(たとえば、5km/h)に達したことを表す所定速検知信号が含まれている。
【0023】
これらの信号のうち、各指令および所定速検知信号は、運転台3から車両引通し線8を介して与えられる。ロック検知信号は、側引戸Sに関連して設けられた図示しない検知手段からの信号である。側引戸Sには、側引戸が全閉状態になったときに作動し、その全閉状態を保持するためのロック機構が設けられており、このロック機構が施錠状態になると、検知手段からロック検知信号が出力される。検知手段としては、たとえば、ロック機構が施錠状態になったときにアクチュエータが駆動されるように配置されたリミットスイッチ(ドアロックスイッチ)を適用することができる。上記のロック機構は、側引戸Sを開成する方向にモータMを駆動することによって解錠されるように構成されている。
【0024】
入力回路12には、各指令または信号に対応して各一対のフォトカプラPCが設けられている。すなわち、全ての入力信号が入力回路12において二重化されることになる。ただし、必ずしも全ての入力信号が二重化される必要はなく、重要性の高い一部の信号のみを二重化するようにしても勿論よい。
【0025】
モータ駆動回路15は、DC100Vの直流電圧が供給される電源ライン16,17の間においてブリッジ接続された4個のパワートランジスタ(FET:電界効果トランジスタ)Q1,Q2,Q3,Q4と、このパワートランジスタQ1〜Q4をそれぞれオン/オフ駆動するためのFETドライバ20とを有している。トランジスタQ1およびQ2、ならびにトランジスタQ3およびQ4は、電源ライン16,17の間にそれぞれ直列に接続されている。そして、トランジスタQ1およびQ2の接続点と、トランジスタQ3およびQ4の接続点との間に、電流センサ18および速度検知リレー接点23aを介してモータMが接続されている。
【0026】
FETドライバ20には、正転用アンドゲート21および逆転用アンドゲート22を介して、CPU11からの駆動指令信号が与えられている。CPU11は、側引戸Sを開成するときには、モータMを正転させるために、正転用アンドゲート21に駆動指令信号を与える。側引戸Sを閉成するときには、モータMを逆転させるために、逆転用アンドゲート22に駆動指令信号が与えられる。アンドゲート21および22には、入力回路12からの所定速検知信号が与えられており、車両の速度が上記所定速以上であるときには、アンドゲート21,22からの駆動指令信号の出力が禁止されるようになっている。
【0027】
FETドライバ20は、正転用アンドゲート21から駆動指令信号が与えられると、一対のパワートランジスタQ1およびQ4をオン/オフ制御するとともに、他の一対のパワートランジスタQ3およびQ2をオフ状態に保持する。これにより、モータMが正転する。一方、逆転用アンドゲート22から駆動指令信号がFETドライバ20に入力されると、正転の場合とは逆に、トランジスタQ3およびQ2の対がオン/オフ駆動され、トランジスタQ1およびQ4の対はオフ状態に保持されることにより、モータMが逆転方向に付勢される。
【0028】
モータMに流れる電流の方向および大きさは、上記の電流センサ18によって検出され、その検出信号は、ライン24を介して、CPU11のアナログ/ディジタル(A/D)変換入力端子にフィードバックされている。このフィードバック信号に基づいて、CPU11は、駆動指令信号のパルス幅またはデューティ比を所望のモータ回転速度に対応するように制御する。また、側引戸Sに乗客や乗客の持ち物などの障害物が挟まったときに、過大な力で押しつけることないように、電流センサ18の出力を監視し、所定のリミット値以上の電流がモータMに流れないようにしている。
【0029】
モータMの回転位置および回転速度のような回転情報は、エンコーダENによって検出される。このエンコーダENのA相およびB相の各出力信号は、フォトカプラを含む絶縁入力回路26を介してCPU11に入力されている。モータMの回転位置に基づいて側引戸Sの位置および速度を知ることができるから、たとえば、側引戸Sの位置に応じてモータMの回転速度を変化させ、側引戸Sの閉成直前にその移動速度を緩めたりする制御を実現できる。
【0030】
モータMと電流センサ18との間に接続されている上記の速度検知リレー接点23aは、所定速検知信号によって励磁される速度検知リレーコイル23cの働きにより、モータ駆動回路15からの電流をモータMに供給する通電位置と、モータMを短絡してその動作を禁止するとともにブレーキをかける短絡位置とをとることができる。つまり、車両の速度が所定速度以上になると、リレー接点23aは短絡位置に制御され、モータMの回転を禁止する。したがって、車両が所定速度以上で走行している期間に側引戸Sが開成されることはない。また、所定速検知信号は、上述のアンドゲート21および22からの駆動指令信号の出力を禁止するから、所定速度以上での走行中には、FETドライバ20に駆動指令信号が入力されることもない。
【0031】
速度検知リレー接点23aの動作を検出するために、リレー動作検出部27が備えられている。このリレー動作検出部27は、速度検知リレーコイル23cが励磁されたときに閉成するリレー接点23bを含む。リレー動作検出部27は、さらに、リレー接点23bが閉成したときに発光する発光ダイオードと、この発光ダイオードからの光を受光するフォトトランジスタとの対から成るフォトカプラ28を有している。車両の速度が所定速度以上となると、リレー接点23bが閉じられ、このことが、フォトカプラ28からライン29を介してCPU11に通知される。これにより、CPU11は、リレー接点23bとともに速度検知リレーコイル23cによって共通に作動される速度検知リレー接点23aの状態に関する情報を得ることができる。
【0032】
モータ駆動回路15の電源ライン16には、リレー接点25aおよびリレーコイル25cを有するフェイルセーフリレー(FSR)25が介装されている。つまり、FETドライバ20と直列にフェイルセーフリレー25が接続されている。このフェイルセーフリレー25は、CPU11によって制御されるフェイルセーフリレー駆動回路30によって開閉駆動される。フェイルセーフリレー25の動作状態を検知するために、リレーコイル25cによって作動される接点25bを含む接点検知回路31が設けられており、その出力は、CPU11にフィードバックされている。
【0033】
図3は、図2に示された構成のうち、この実施の形態における特徴的な構成部分を抽出して表したブロック図であり、運転台3から車両引通し線8を介して与えられる開閉指令に関連する構成が示されている。開閉指令は、入力回路12内の一対のフォトカプラPC1,PC2に共通に入力される。フォトカプラPC1の出力信号は、CPU11が実行するプログラムによって実現される第1制御部111に与えられ、同様に、フォトカプラPC2の出力信号は、CPU11が実行するプログラムによって実現される第2制御部112にそれぞれ入力される。これらの第1制制御部111および第2制御部112は、それぞれ判断手段に相当する。
【0034】
第1制御部111は、モータ駆動回路15において直列に接続された第1出力部151および第2出力部152のうちの第1出力部151を制御する。第2制御部112は、第2出力部152を制御する。図2と図3との比較から明らかなように、第1出力部151は、モータ駆動回路15において電源ライン16に介装されたフェイルセーフリレー25に相当し、第2出力部152は、FETドライバ20に相当する。すなわち、第1出力部151および第2出力部152は、電源に対して直列に接続されており、両方が動作状態となって初めてモータMへの給電が達成される。
【0035】
第1制御部111と第2制御部112とは、互いに連携しており、両制御部111および112による判断結果が一致するかどうかを確認したうえで、第1出力部151および第2出力部152をそれぞれ駆動する。すなわち、第1制御部111および第2制御部112は、入力回路12において二重化された指令または検知信号についての処理を独立に行い、両制御部111,112が同一の指令を受けたと判断した場合にのみ、第1出力部151および第2出力部152を駆動して、モータMを付勢する。
【0036】
図4は、第1制御部111および第2制御部112の動作を説明するためのフローチャートであり、図4(a) は第1制御部111の動作を表し、図4(b) は第2制御部112の動作を表す。実際には、CPU11が図4(a) および図4(b) のアルゴリズムに従うプログラムを交互に実行することによって、第1および第2制御部111,112の各機能が実現される。
第1制御部111は、フォトカプラPC1から与えられる第1の入力信号を監視している(ステップA1)。同様に、第2制御部112は、フォトカプラPC2からの第2の入力信号を監視している(ステップB1)。そして、第1の入力信号が開閉指令(開成指令または閉成指令)を表すものである場合には、開閉指令フラグf1が立てられて「1」とされ(ステップA2)、第2の入力信号が開閉指令を表すものである場合には、開閉指令フラグf2が立てられて「1」とされる(ステップB2)。
【0037】
第1および第2の入力信号に対応した開閉指令フラグf1およびf2がいずれも「1」で一致している場合には(ステップA3,B3)、開閉指令が間違いなく与えられたものであると解釈され、第1制御部111は、フェイルセーフリレー25を駆動して閉成させ(ステップA4)、第2制御部112は、FETドライバ20に対する駆動指令を発生する(ステップB4)。これにより、モータMが駆動される。このように、上記ステップA3,B3などの処理が、指令監視手段の機能に相当している。
第1および第2の入力信号に対応した開閉指令フラグf1およびf2の少なくともいずれか一方が「0」である場合には(ステップA3,B3)、開指令または閉指令がなかったものとして処理される。つまり、たとえ片方の入力信号が開閉指令信号を表すものであったとしても、他方の入力信号が開閉指令信号を表すものでない場合には、ノイズ等の影響による誤入力であるものとして、そのような入力信号を無視することとしている。
【0038】
その後は、接点検知回路31の出力に基づいて、フェイルセーフリレー25が正常に動作しているか否かが調べられ(ステップA5,B5)、電流センサ18の出力に基づいて、FETドライバ20が正常に動作しているか否かが調べられる(ステップA7,B7)。具体的には、開閉指令フラグf1およびf2がいずれも「1」であると判断された場合であれば、フェイルセーフリレー25は、閉成していれば正常であり、開成していれば異常である。また、この場合に、FETドライバ20は、動作していれば正常であり、動作していなければ異常である。一方、開閉フラグf1およびf2のうちの少なくともいずれか一方が「0」である場合であれば、フェイルセーフリレー25は、開成していれば正常であり、閉成していれば異常である。また、この場合に、FETドライバ20は、動作していなければ正常であるが、動作しているとすれば、それは異常である。このように、ステップA5,B5,A7,B7の処理、ならびに電流センサ18および接点検知回路31などにより、作動状態監視手段の機能が実現されている。
いずれかの異常が生じていると判断されたときには、不一致フラグが立てられる(ステップA6,B6,A8,B8)。不一致フラグが立てられた場合には(ステップA9,B9)、側引戸Sの動作を停止してそれ以降は開閉を行わず(ステップA10,B10)、さもなければ引き続き入力信号を監視する。
【0039】
このようにこの実施の形態においては、開閉指令を含む各種の指令および検知信号に関する入力回路12が二重化されており、一対の入力信号に対する処理が第1制御部111および第2制御部112において独立に行われる。すなわち、CPU11が実行する開閉制御プログラムもまた、二重化されている。そして、第1制御部111および第2制御部112は、入力信号が開閉指令であるか否かについての判断結果(開閉指令フラグf1およびf2)を互いに参照し、2つの制御部111および112における判断結果が一致した場合にのみ、有効な開閉指令であるものと解釈するようにしている。
したがって、フォトカプラPCの故障のような入力系の異常やノイズの影響のために一方の入力信号が開閉指令を表すものであると判断された場合であっても、他方の入力信号についての判断結果を参照することにより、そのような入力信号を無視することができる。これにより、入力系の故障やノイズの影響による誤動作の可能性を排除できる。
【0040】
また、モータ駆動回路15は、フェイルセーフリレー25に相当する第1出力部151と、FET駆動回路20に相当する第2出力部152との直列回路を、電源とモータMとの間に介装した構成となっており、第1出力部151は第1制御部111によって制御され、第2出力部152は第2制御部112によって制御されるように構成されている。そのため、モータMが駆動されるためには、第1出力部151および第2出力部152の両方が動作することが必要であり、したがって、第1制御部111および第2制御部112における処理に整合性がとれていなければ、モータMが付勢されることがない。そのため、ノイズの影響でCPU11が暴走したとしても、モータMが駆動されることはなく、CPU11の誤動作によって不用意に側引戸Sが開成されたり閉成されたりすることはない。
しかも、フェイルセーフリレー25の状態およびFETドライバ20の作動状態と、これらの回路部品に対してCPU11が発行した駆動指令とが一致しない場合には、側引戸Sの開閉動作を中止することにしている。これより、モータ駆動回路15の故障に関連する安全対策も万全である。
【0041】
以上のように、この実施の形態によれば、入力部の二重化、制御プログラムの二重化、モータ駆動回路における第1および第2の出力部の直列接続、ならびに各出力部の動作の監視によって、入力系の異常、ノイズの影響、CPUの暴走、およびモータ駆動回路の異常に起因する誤動作の可能性が排除される。したがって、乗務員が開閉指令を出さなければ側引戸が不意に開閉されることはないので、乗客の安全が確保される。
走行中については、所定速検知信号に応じて切り換え制御される所定速検知リレー接点23aと、その動作を監視するリレー動作検出部27とによって、さらに万全が期されることになる。
【0042】
このようにマイコン制御のローカルコントロールユニットDを用いつつ、きわめて安全性の高い側引戸装置を実現できる。その結果、マイクロコンピュータの機能の活用によって、鉄道車両用側扉装置の高機能化を図ることが可能になる。たとえば、ローカルコントロールユニットDにおいて各側引戸Sの開閉状態に異常がないか否かを監視しておき、その監視情報をメインコントロールユニット5に伝送しておくことができる。これにより、モニタ端末6を介する運転台3とメインコントロールユニット5との間の通信により、運転台3において各側引戸装置Fの動作状態を集中にモニタできる。また、運転台3に伝送された情報を適当な記憶媒体に蓄えておくようにすれば、故障に対する処置を効率的に行える。さらには、故障発生時に、それに対する対処法を運転台3に併せて表示するようにしておけば、さらに効率的な対処が可能になる。
【0043】
さらに、側引戸Sの動作試験を行う場合にも、同様にして、試験結果を運転台3において集中的にモニタできるから、側引戸Sの動作を直接確認する必要がなく、点検時の省力化を図ることができる。
また、運転台3からモニタ端末6を介して、表示器Pにおいて表示させるべき情報をメインコントロールユニット5に伝送することもできる。この場合、各車両のメインコントロールユニット5は、ローカルコントロールユニットDに表示情報を配信し、これを受けたローカルコントロールユニットDは、対応する表示器Pに当該情報を画像表示させる。こうして、側引戸装置Fの情報通信経路を利用して、運転台3から、各表示器Pに、行き先情報や次の駅名などのような各種の案内情報を与えることができる。
なお、上記の説明では、開閉指令のみについて詳細に説明したが、他の指令または検知信号についても、開閉指令の場合と同じく、CPU11内の制御プログラムが二重化されており、あらゆる誤動作の可能性を排除するようになっている。
【0044】
次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。
上述の第1の実施の形態においては、故障が生じた場合、すなわち、図4のフローチャートにおいて不一致フラグが立てられた場合には、側引戸の動作を停止することとして、それ以後は、当該故障が生じた側引戸装置に対応する側引戸の開閉が行われないようにされている。これにより、乗客の安全は確保されるが、乗客は、正常な他の乗降口への迂回を余儀なくされる。
そこで、この第2の実施の形態においては、車両の進行方向に向かって同じ側の側面の乗降口Eに対応して配置された側引戸装置FのローカルコントロールユニットDは、隣接するものが2つずつ相互に信号線および給電線によって結合され、一方に異常が発生した場合には、他方の正常なローカルコントロールユニットDによって、異常が生じたローカルコントロールユニットDの制御機能を代替するようにしている。すなわち、正常な箇所によって異常が生じた箇所の機能を代替するという、冗長性の考えが取り入れられている。
【0045】
図5は、この実施の形態の1つの具体的な構成例を示すブロック図である。この図5において上述の図2に示された各部に相当する部分には同一の参照符号を付して示す。なお、図5に示されたローカルコントロールユニットDAおよびDBは、図2に示されている構成を全て含むものであるが、簡単のために一部の構成の図示を省略してある。
【0046】
車両の進行方向に向かって同じ側に位置する一対の側引戸装置Fにそれぞれ備えられたローカルコントロールユニットDAおよびDBは、信号線31,32,33を介して互いに信号をやりとりする。信号線31は、ローカルコントロールユニットDA側で故障が生じたときに、ローカルコントロールユニットDA側の側引戸が完全に閉成されたことを表す戸閉め確認信号をローカルコントロールユニットDBに伝送するためのものである。また、信号線32は、ローカルコントロールユニットDB側で故障が生じたときに、ローカルコントロールユニットDB側の側引戸が完全に閉成されたことを表す戸閉め確認信号をローカルコントロールユニットDAに伝送するためのものである。さらに、信号線33は、いずれか一方のローカルコントロールユニットDに故障が生じたときに、他方のローカルコントロールユニットDに故障発生を表す故障信号を伝送するためのものである。ローカルコントロールユニットDAおよびDBの間には、故障が生じたユニットDに他方の正常なユニットDからのモータ駆動電流を供給するための給電線34が設けられている。
【0047】
各側引戸装置は、一対の側引戸を有しており、さらに、各側引戸が完全に閉成された後に動作するロック機構(図示せず)による当該側引戸のロックが完了したことを検知するドアロックスイッチDLS1,DLS2を有している。ドアロックスイッチDLS1の一端には直流100Vの電圧が印加されており、その他端は、ライン35を介し、さらに、二重化されている上述の入力回路12を介して、CPU11に結合されている。もう1つのドアロックスイッチDLS2の一端には、故障検知リレー接点R1aを介して直流100Vの電圧が印加されており、その他端は、ライン36を介し、さらに、二重化されている上記の入力回路12を介して、CPU11に結合されている。
つまり、ドアロックスイッチDLS1,DLS2が閉成されたときには、ライン35,36から直流100Vの電圧が入力回路12に入力され、この入力回路12内のフォトカプラPCの出力信号がCPU11に入力される。これにより、CPU11は、一対の側引戸がそれぞれ完全に閉成されているか否かを判断することができる。
【0048】
故障検知リレー接点R1aは、故障検知リレー回路38によって励磁/消磁されるリレーコイルR1cにより駆動される。リレーコイルR1cは、通常時、励磁されている。CPU11は、入力系の異常やモータ駆動回路15の異常などの何らかの故障が検知されたときに、リレーコイルR1cを消磁させるための指令を故障検知リレー回路38に与える。
リレーコイルR1cが励磁されているときには、故障検知リレー接点R1aは、直流100VをドアロックスイッチDSL2に供給する状態にあり、リレーコイルR1cが消磁されると、ドアロックスイッチDLS1の出力が導出されるライン35をドアロックスイッチDLS2に接続する。つまり、故障が生じたときには、一対のドアロックスイッチDLS1およびDLS2は、直列に接続される。
【0049】
一方のローカルコントロールユニットDにおけるドアロックスイッチDLS2の出力が導出されるライン36は、信号線31または信号線32を介して他方のローカルコントロールユニットDのCPU11と結合されている。ただし、信号線31または32を介してCPU11に入力される信号は、先ず、入力回路12に入力されて二重化され、かつ、フォトカプラPCによってCPU11との電気的絶縁状態を保持した状態で、CPU11に入力されている。
【0050】
故障発生時には、ドアロックスイッチDLS1およびDLS2が直列に接続されるから、ドアロックスイッチDLS1およびDLS2の両方が、それぞれに対応する側引戸の閉状態を検知して閉成されたときにのみ、故障の生じていない他方のローカルコントロールユニットDのCPU11は、故障が生じている側の側引戸の閉状態を認識することになる。
故障信号が伝送される信号線33は、ローカルコントロールユニットDAおよびDBのそれぞれにおいて、故障検知リレー接点R1bを介して接地されている。故障発生時には、故障検知リレーコイルR1cが消磁されることにより、故障検知リレー接点R1bが閉成され、信号線33の電位が接地レベルになる。これにより、一方のローカルコントロールユニットDで故障が生じれば、他方のローカルコントロールユニットDにそのことが通知される。信号線33から各ローカルコントロールユニットDに入力される信号は、入力回路12において二重化されており、さらに、信号線33は、フォトカプラPCによって、電気的にはCPU11から絶縁されている。
【0051】
モータMとFETドライバ20との間には、一対の故障検知リレー接点R1dが介装されている。このリレー接点R1dは、通常は閉成しているが、故障発生のために故障検知リレーコイルR1cが消磁されると、開成される。これにより、故障発生時には、当該故障が生じたローカルコントロールユニットD内のCPU11によるモータMの駆動制御が禁止される。
リレー接点R1dとモータMとの間の給電ライン81,82には、一対の切換リレー接点R2aを介して、給電線34が接続されている。切換リレー接点R2aは、切換リレー回路39によって励磁/消磁される切換リレーコイルR2cによって開閉される。なお、この切換リレーコイルR2cは、通常時、励磁されている。
【0052】
CPU11は、自己のローカルコントロールユニットDのいずれかの部分に故障が生じたときには、故障検知リレー回路38に消磁指令を与えた後に、切換リレー回路39に消磁指令を与えて、切換リレーコイルR2cを消磁させる。切換リレー接点R2aは、常時は開成されており、リレーコイルR2cが消磁されると閉成される。また、CPU11は、他方のローカルコントロールユニットDに故障が生じたことが信号線33を介して通知されたときには、故障検知リレーコイルR1cは消磁させずに、切換リレーコイルR2cのみを消磁させる。こうして、いずれかのローカルコントロールユニットDに故障が発生すると、正常なローカルコントロールユニットDから、給電線34を介して、故障中のローカルコントロールユニットDに対応付けられているモータMに、モータ駆動電流が供給されることになる。
ただし、モータMの回転情報を検出するエンコーダENの出力信号は、ローカルコントロールユニットDAおよびDBの間では授受されないから、安全性を確保するために、故障発生時におけるモータMの駆動は、正常時よりも低速にするようにしている。つまり、CPU11は、モータMを低速に駆動するための駆動指令信号をFETドライバ20に与える。
【0053】
図6は、故障処理に関連するCPU11の動作を説明するためのフローチャートである。先ず、故障検知処理が行われ(ステップQ1)、その結果、故障が生じているか否かが判断される(ステップQ2)。故障が生じていなければ、信号線33からの信号が参照され、他のローカルコントロールユニットDからの故障通知があるか否かが判断される(ステップQ3)。故障通知がなければ、正常であるものとして処理を継続する。
【0054】
ステップQ2において、自己のローカルコントロールユニットDに故障が生じていると判断されると、故障検知リレー回路38に、消磁指令が出力される(ステップQ4)。これにより、故障検知リレー接点R1aはライン35側に接続され、ドアロックスイッチDSL1およびDLS2が直列接続された状態になる。また、リレー接点R1dが開成され、FETドライバ20とモータMとの間が開かれる。さらに、リレー接点R1dが閉成されて、信号線33が接地レベルとなり、他方のローカルコントロールユニットDに、故障の発生が通知される。
さらに、CPU11は、切換リレー回路39に消磁指令を与える(ステップQ5)。これにより、給電線34を介する他方のローカルコントロールユニットDからのモータ駆動電流がモータMに供給される状態となる。
その後、CPU11は、インタフェース回路IF1を介して、マスタコントロールユニット5に、故障発生および故障個所などの故障情報を伝送し(ステップQ6)、制御動作を停止する。
【0055】
一方、他方のローカルコントロールユニットDからの故障通知があった場合には(ステップQ3)、モータMを低速で駆動するための低速制御に切り換えられる(ステップQ7)。次いで、切換リレー回路38に消磁指令が与えられる。これにより、FETドライバ20からのモータ駆動電流が、給電線34を介して他方のローカルコントロールユニットDに供給される状態となる。
【0056】
図7は、ステップQ1において実行される故障検知処理の一例を説明するためのフローチャートである。故障検知処理においては、二重化されて入力される指令または検知信号を処理する各プログラムの判断が一致するか否かが判断される。すなわち、開閉指令に関して言えば、上述の第1の実施の形態において用いられているフラグf1とf2とが一致するか否かが判断される(ステップQ11)。さらに、接点検知回路31の出力に基づいてフェイルセーフリレー25の動作に異常はないかが調べられ(ステップQ12)、電流センサ18の出力に基づいてFETドライバ20の動作に異常がないかが調べられる(ステップQ13)。フェイルセーフリレー25およびFETドライバ20の異常の有無の判断には、上述の第1の実施形態において用いられている不一致フラグが活用されてもよい。
フラグf1とf2とが一致しない場合およびフェイルセーフリレー25またはFETドライバ20に異常が生じている場合には、故障発生を表すために、故障フラグが立てられる(ステップQ14)。
なお、故障フラグをオンさせる条件としては、上記のものに限られるものではなく、CPU11の電源異常等の故障全般を対象とするのが好ましい。
【0057】
以上のように、この実施の形態においては、車両の進行方向に向かって同じ側にある側引戸のローカルコントロールユニットDを一対ずつ信号線31,32,33および給電線34によって結合し、戸締め確認信号および故障信号を授受することができるとともに、一方のローカルコントロールユニットDから他方のローカルコントロールユニットDへモータ駆動電流の給電を行えるようにしている。これにより、相互に接続された一対のローカルコントロールユニットDのうちのいずれか一方に故障が生じた場合には、他方の正常なローカルコントロールユニットDによって、当該故障が生じたローカルコントロールユニットD側のモータMの駆動制御を行うことができる。すなわち、故障箇所の機能を別の正常な箇所の機能で代替するという、いわゆる冗長性を有するシステムを構築することができる。
これにより、いずれかのローカルコントロールユニットDに故障が生じた場合でも、側引戸の開閉動作ができないという事態を回避することができる。その結果、マイコン制御による側引戸装置の信頼性をさらに高めることができる。
【0058】
しかも、この実施の形態においては、一対の側引戸にそれぞれ対応したドアロックスイッチDLS1,DLS2の各出力信号を並列にやりとりするのではなく、故障発生時には両スイッチを直列接続し、この直列回路の出力を正常なローカルコントロールユニットDに伝送するようにしている。そのため、少ない数(3本)の信号線で、必要な情報をやりとりすることができる。
また、故障検知リレーコイルR1cは、正常時には、励磁されているので、たとえば、一方のローカルコントローラへの電源の供給が断たれた場合には、リレーコイルR1cが消磁され、故障検知リレー接点R1bが閉成される。その結果、信号線33は接地電位となる。このため、この実施の形態によれば、一方のコントローラへの電源の供給が断たれたときに、このような故障の発生を他方のコントローラへ通知することができる。
【0059】
図8は、この発明の第3の実施の形態を説明するための図である。この実施の形態は、図5に示された構成とは別の構成によってシステムに冗長性を持たせるためのものである。この図8において、図5に示された各部に対応する部分には同一の参照符号を付して示す。
図5に示された上述の実施の形態と図8に示された本実施の形態との差異は、故障発生時における側引戸の駆動の仕方にある。すなわち、図5の実施の形態の場合には、故障が発生したローカルコントロールユニットDと正常なローカルコントロールユニットDとにそれぞれ対応する側引戸を、同時に、かつ、低速に駆動するようにしている。それに対して、図8に示されたこの実施の形態においては、一方の側引戸を通常の速度で先に開閉させ、他方の側引戸をその後に低速に開閉させるようにしている。
【0060】
具体的に説明すると、FETドライバ20とモータMとの間の給電ライン81,82には、一対の故障検知リレー接点R1dおよび一対の切換リレー接点R2dが直列に接続されて介装されている。故障検知リレー接点R1dは、FETドライバ20から切換リレー接点R2dを介したモータ駆動電流と、給電線34を介する他方のローカルコントロールユニットDからのモータ駆動電流とのいずれかをモータMに供給することができるように接続されている。また、切換リレー接点R2dは、FETドライバ20からのモータ駆動電流を故障検知リレー接点R1dを介してモータMに供給する状態と、上記モータ駆動電流を給電線34を介して他方のローカルコントロールユニットD側に供給する状態との間で切り換えることができるように接続されている。
【0061】
故障検知リレー接点R1dは、故障検知リレーコイルR1cの励磁/消磁に応じて切り換わる。故障検知リレーコイルR1cが励磁されているとき、すなわち、正常時には、リレー接点R1dは、切換リレー接点R2d側に接続されている。故障が発生して、故障検知リレーコイルR1cが消磁されると、リレー接点R1dは、給電線34側に接続される。
一方、切換リレー接点R2dは、正常時には、切換リレーコイルR2cを消磁するものであり、この状態のときには、当該ローカルコントロールユニットDのFETドライバ20とリレー接点R1dとの間を接続する。一方、リレーコイルR2cが励磁されると、給電線34側に切り換えられる。
【0062】
CPU11は、正常時および自己のローカルコントロールユニットDに故障が生じたときには、リレーコイルR2cを消磁状態に保持すべく、切換リレー回路39を制御する。一方、他方のローカルコントロールユニットDに故障が生じたことを表す故障信号が信号線33から入力されると、CPU11は、先ず、自己のローカルコントロールユニットDに関連付けられている側引戸を通常の速度で開閉するために、リレーコイルR2cの消磁状態を保持する。そして、その開閉動作の完了の後に、リレーコイルR2cを励磁するための指令を切換リレー回路39に入力する。これにより、リレー接点R2dは、給電線34側に接続されることになる。その後に、CPU11は、故障が生じているローカルコントロールユニットD側のモータMを低速駆動するための駆動信号をFETドライバ20に与える。
【0063】
こうして、信号線31,32および33を介して接続された一対のローカルコントロールユニットDのうちのいずれか一方に故障が生じたときには、正常なローカルコントロールユニットD側の側引戸は通常の場合と同じ速さで開閉され、次いで、異常が生じているローカルコントロールユニットD側の側引戸が低速に開閉される。これにより、異常が生じている側の側引戸はゆっくりと開閉されるので、たとえその移動速度を検知できなくとも、安全性が損なわれることもない。
【0064】
ドアロックスイッチDLS1およびDLS2に関連する制御内容など、上述の点以外は、図5等を参照して説明した第2の実施の形態の場合と同様であるので、説明を省略する。
このように、この実施の形態においても、第2の実施形態の場合と同じく、システムに冗長性を持たせることができるから、マイコン制御による鉄道車両用側引戸装置の信頼性を高めることができる。
第2の実施形態と第3の実施形態とのうちのいずれを採用するかは、側引戸の同時開閉を重要視するか、それとも正常な側の側引戸だけでも通常の速さで開閉することを重要視するのか、という観点から決定すればよい。
【0065】
なお、上述の構成では、隣接する一対のローカルコントロールユニットD間で信号およびモータ駆動電流の授受が可能であるように構成しているが、隣接していない一対の装置の間を信号線および給電線で接続するようにしてもよい。また、3個以上のローカルコントロールユニットDを結合し、いずれかのローカルコントロールユニットDに故障が生じた場合には、正常な1つのローカルコントロールユニットDによって、故障が生じている1個または複数個のローカルコントロールユニットDの制御動作を代替できるようにしてもよい。
【0066】
また、車両の進行方向に対して同じ側にある一対のローカルコントロールユニットDを互いに接続する際に、この一対のローカルコントロールユニットDがそれぞれ別の車両に備えられたものであってもよいが、信号線および給電線の接続を容易にするためには、同じ車両内の一対のローカルコントロールユニットDを相互接続するようにすることが好ましい。
【0067】
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は上述の実施の形態以外にも種々の形態で実施することができる。たとえば、上述の実施の形態においては、指令または検知信号を二重化してCPU11に入力するようにしているが、3重化以上の多重化が行われてもよい。この場合には、CPU11が実行するプログラムを、1つの指令または検知信号に対して、その指令または検知信号を多重化することによって作成された信号の数だけ用意し、各プログラムが少なくとも1つの他のプログラムの処理結果と一致するか否かを監視するようにしておけばよい。
【0068】
また、上記の実施形態においては、側引戸の開閉指令のみならず、他の指令または入力信号についても入力を二重化しているが、少なくとも側引戸の開閉指令のみを二重化しておけば、他の信号等を二重化しなくとも、所要の安全性は確保される。
さらに、上述の実施の形態の説明では、側引戸装置を例にとったが、この発明は、たとえばヒンジ結合された2枚のドアパネルを折り畳むことによって乗降口を開成し、また、それらを展開することによって乗降口を閉成する形態の側扉装置等、他の形態の側扉装置の制御にも適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0069】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、マイコン制御によって側扉の動作を制御しつつ、側扉の誤動作を確実に防止できる。したがって、従来の装置と同等以上の安全性を確保できるから、マイコン制御による装置の利点を生かして、側扉制御装置の高機能化を図ることができる。
【0070】
また、複数の判断手段の間で入力指令の一致/不一致を監視する構成を採用することによって、故障等を確実に検知でき、装置の信頼性を一層向上することができる。
【0071】
請求項2記載の発明によれば、駆動指令信号と駆動回路の作動状態とに整合性がなければ、駆動指令信号の出力が禁止されるので、駆動回路が故障している場合には、電動モータへの給電が禁止される。これにより、側扉装置の安全性をさらに高めることができる。
【0072】
請求項3記載の発明によれば、側扉制御装置に異常が生じたときには、他の正常な側扉制御装置によって電動モータが制御されることになるから、故障が生じた場合であっても、安全性を確保しつつ、側扉の開閉動作を行わせることができる。
【0073】
請求項4記載の発明によれば、判断手段が出力する駆動指令信号と駆動回路の作動状態とに整合性がとれていないときにも故障信号が出力され、他の正常な側扉制御装置による制御に切り換えられるので、より安全なシステムを構築できる。
【0074】
請求項5記載の発明によれば、側扉の閉成状態検知信号が、故障が生じた側扉制御装置から他の正常な側扉制御装置に送出されるので、電動モータの駆動が長時間に亘って無用に行われることを防止できる。また、側扉の閉成状態を自動検知できるので、故障が生じた場合であっても、鉄道車両の乗務員や駅係員などが側扉の閉成の確認を行う必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態に係る鉄道車両用側扉制御装置が適用されたドアシステムの全体の構成を示す概念図である。
【図2】ローカルコントロールユニットの詳しい構成を説明するための図である。
【図3】図2に示された構成のうち、第1の実施の形態における特徴的な構成部分を抽出して表したブロック図である。
【図4】図3に示された第1制御部および第2制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】この発明の第2の実施の形態の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図6】故障処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】故障検知処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明の第3の実施の形態の具体的な構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 車両
2 車両
3 運転台
51,52 メインコントロールユニット
61,62 モニタ端末
7 通信線
8R,8L 車両引通し線
D11〜D16,D21〜D26 ローカルコントロールユニット
DA,DB ローカルコントロールユニット
M,M11〜M26,M21〜M26 電動モータ
11 CPU
12 入力回路
15 モータ駆動回路
18 電流センサ
20 FETドライバ
25 フェイルセーフリレー
30 フェイルセーフリレー駆動回路
31 接点検知回路
PC,PC1,PC2 フォトカプラ
111 第1制御部
112 第2制御部
151 第1出力部(フェイルセーフリレー25)
152 第2出力部(FETドライバ20)
31,32,33 信号線
34 給電線
38 故障検知リレー回路
R1a,R1b,R1d 故障検知リレー接点
R1c 故障検知リレーコイル
39 切換リレー回路
R2a,R2d 切換リレー接点
R2c 切換リレーコイル
DLS1,DLS2 ドアロックスイッチ
Claims (5)
- 鉄道車両の側扉の開閉を制御するための装置であって、
側扉を作動させるための側扉動作指令が入力され、この側扉動作指令を複数の側扉動作指令信号に多重化して出力する複数の入力部を有する入力回路と、
側扉を駆動するための電動モータに駆動電流を供給するための駆動回路と、
上記入力回路の上記複数の入力部からの複数の側扉動作指令信号が入力され、この複数の側扉動作指令信号に基づいて上記駆動回路に駆動指令信号を供給するマイコン制御型の制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記多重化された側扉動作指令信号のそれぞれに対応して設けられ、各側扉動作指令信号に対応する駆動指令信号をそれぞれ出力する複数の判断手段を有しており、
上記判断手段は、当該判断手段に入力された側扉動作指令信号と、他の少なくとも1つの判断手段に入力された側扉動作指令信号とが一致しているか否かを判別し、判別の結果、一致している場合は上記駆動指令信号を供給し、一致していない場合は供給しないことを特徴とする鉄道車両用側扉制御装置。 - 上記判断手段は、この判断手段が出力した駆動指令信号と上記駆動回路の作動状態とに整合がとれているか否かを監視する作動状態監視手段と、この作動状態監視手段によって上記駆動指令信号と上記駆動回路の作動状態とに整合がとれていないことが検知されたことに応答して、上記駆動指令信号の出力を禁止する手段とを含むものであることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両用側扉制御装置。
- 鉄道車両の側扉の開閉を制御するための装置であって、
側扉を作動させるための側扉動作指令が入力され、この側扉動作指令を複数の側扉動作指令信号に多重化して出力する複数の入力部を有する入力回路と、
側扉を駆動するための電動モータに駆動電流を供給するための駆動回路と、
上記入力回路の上記複数の入力部からの複数の側扉動作指令信号が入力され、この複数の側扉動作指令信号に基づいて上記駆動回路に駆動指令信号を供給するマイコン制御型の制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記多重化された側扉動作指令信号のそれぞれに対応して設けられ、各側扉動作指令信号に対応する駆動指令信号をそれぞれ出力する複数の判断手段を有しており、
上記判断手段は、当該判断手段に入力された側扉動作指令信号と、他の少なくとも1つの判断手段に入力された側扉動作指令信号とが一致しているか否かを判別する指令監視手段を有しており、
さらに、上記指令監視手段が側扉動作指令信号の不一致を検知したときに、他の側扉に設けられた制御手段に故障信号を出力するとともに、上記駆動回路と上記電動モータとの間の接続を遮断する故障制御回路を備えており、
この故障制御回路は、上記他の側扉の制御手段から駆動指令信号を供給される他の側扉の駆動回路と上記電動モータとの間を接続する切換手段を有するものであることを特徴とする鉄道車両用側扉制御装置。 - 上記判断手段は、この判断手段が出力した駆動指令信号と上記駆動回路の作動状態とに整合がとれているか否かを監視する作動状態監視手段を含み、この作動状態監視手段によって上記駆動指令信号と上記駆動回路の作動状態とに整合がとれていないことが検知されたときにも故障信号を出力するものであることを特徴とする請求項3記載の鉄道車両用側扉制御装置。
- 上記切換手段によって上記他の側扉の駆動回路と上記電動モータとの間が接続されてい る状態のときに、この電動モータで駆動される側扉の閉成状態検知信号を、上記他の側扉を制御するための側扉制御装置が有する制御手段に向けて送出する手段をさらに含むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の鉄道車両用側扉制御装置。
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