JP3779287B2 - 染色方法と染色物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種被染色繊維材料を草木染料などの天然染料と化学染料の組み合わせで染色する染色方法と染色物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の被染色繊維材料を植物色素や鉱物色素を含有している天然染料で染める際に、金属イオンなどの媒染を用いる技術は2000年以上にわたって使われてきている。
【0003】
また、草木染めを天然のイオンを利用して強化する方法や、化学カチオン剤を使用して天然染料で染色する方法も使用されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
【0004】
一方、化学染料での染色は、1856年以降均一な染色技術が確立されて価格的にも合理化されており、量産的なすべての染色は化学染料で行われるようになっている。しかし、1954年の反応染料の発明以降は、画期的な染色方法は開発されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開昭62−238885号公報
【0006】
【特許文献2】
特開昭62−250287号公報
【0007】
【特許文献3】
特開昭63−12783号公報
【0008】
【特許文献4】
特開平4−257377号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年はファッションに対する関心が高く、それに伴って色調に対する要求が多彩となり、天然染料で染色したものは独特のソフトな色調を呈するために人気が高くなっているが、草木染めは、上記各公報に開示されているような強化策を講じても耐光堅牢度や汗堅牢度が弱く、大量生産での市場展開は困難であるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、天然染料による染色の色調及びさらに多彩な色調を呈し、しかも高い堅牢性を有する染色を実現できる染色方法と染色物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の染色方法は、被染色繊維材料に対して、粒径が0.001〜0.3μmの微粒子の多孔質物質を含むプラスイオン化物質と化学染料と天然染料を吸着させる工程を有し、少なくとも天然染料は被染色繊維材料に吸着された前記プラスイオン化物質の存在下で吸着させるものであり、上記プラスイオン化物質と化学染料にて天然染料の吸着堅牢性を格段に高めることができて、天然染料を用いたソフトな色調の染色を実現しながら堅牢性の高い染色を実現することができ、さらに天然染料と化学染料の併用により一層多彩な色調を実現することもできる。
【0012】
プラスイオン化物質としては、粒径が0.001〜0.3μmの微粒子の多孔質物質を含むもので、カルボキシ基、スルホン基などのアミノ酸を基としたカチオン剤や、第4級アンモニウム塩などタンパクの基となるキト酸やセリシンなどを可水溶性にするプラスイオン物質や、非水溶性のタンパクから成りかつ粒径が0.001〜0.3μm、好適には0.001〜0.2μmの微粒子の多孔質物質や、珪素や貝などの鉱物質から成りかつ粒径が0.001〜0.3μm、好適には0.001〜0.2μmの多孔質微粉末などを含むものが好適である。これらは、単体で若しくは併用して用いることができる。
【0013】
また、天然染料と化学染料の比率は、天然染料を30%〜97%、化学染料を70%〜3%とするのが好適である。これは、天然染料が30%未満では化学染料による染色との差異性が不十分となり、化学染料が3%未満では堅牢性の向上効果が不十分となるためである。なお、天然染料を70%以上、化学染料を30%以下にすると天然染料による色調が顕著に得られて好適である。
【0014】
また、被染色繊維材料は、綿、麻などのセルロース繊維、絹、毛などのタンパク質繊維、レーヨン、アセテートなどの人造繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンなどの合成繊維の単体若しくは複合繊維から成る、ワタ、糸、織物、編地、不織布、若しくは紙などの形態のものに好適に適用することができる。
【0015】
また、被染色繊維材料がセルロース繊維の場合、プラスイオン化物質を0.3μm以下の大きさとし、水溶液をPHを9以上とし、温度80℃以上で30分以上浸漬し、被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させ、被染色繊維材料がタンパク質繊維の場合、プラスイオン化物質を0.3μm以下の大きさとし、水溶液をPHを9以下とし、温度60℃以上で30分以上浸漬し、被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させ、被染色繊維材料が人造繊維又は合成繊維の場合、プラスイオン化物質を0.3μm以下の大きさとし、水溶液をPHを11以上とし、温度80℃以上で30分以上浸漬し、被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させるのが好適である。
【0016】
また、化学染料は、反応染料、酸性染料、酸性含金染料、塩基性染料、直接染料、カチオン染料、ナフトール染料、分散染料の何れかを好適に適用できる。
【0017】
また、天然染料は、植物の葉、茎、樹皮、根、花、実などを粉体化したものやそれらから抽出した液体若しくは粉末からなる草木染料や、鉱石や岩石類を微細粉化してなる鉱石染料や、泥などを微細粉化してなる泥染料の、単体若しくは複合物を適用できる。
【0018】
また、鉱石染料は、火成岩、変成岩、堆積岩、放射線を放出する放射性岩石から成り、0.01〜3μmの粒径に微粉化したものが好適に適用できる。
【0019】
また、具体的には、被染色繊維材料を化学染料で染色する第1工程と、第1工程後被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させる第2工程と、第2工程後被染色繊維材料を天然染料で染色する第3工程とを有する染色工程や、被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させる第1工程と、第1工程後天然染料と化学染料を混合した混合染料にて被染色繊維材料を染色する第2工程とを有する染色工程や、被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させる第1工程と、第1工程後被染色繊維材料を天然染料で染色する第2工程と、第2工程後被染色繊維材料を化学染料で染色する第3工程とを有する染色工程などが好適である。
【0020】
また、上記のように染色した染料を、さらにマスキング、ネッティングなどによりシリコン系、フッ素系、アクリル系、ウレタン系樹脂の何れかにて覆うこともでき、そうすると一層堅牢性を向上することができる。
【0021】
また、本発明の染色物は、被染色繊維材料に、粒径が0.001〜0.3μmの微粒子の多孔質物質を含むプラスイオン化物質と化学染料と天然染料が吸着さているものであり、上記のように天然染料を用いたソフトな色調の染色を実現しながら堅牢性の高い染色を実現することができ、さらに天然染料と化学染料の併用により一層多彩な色調を実現することもできる。
【0022】
また、天然染料と化学染料の比率で、天然染料を30%〜95%、化学染料を70%〜5%とすることで、ソフトな色調と堅牢性の両方を実現でき、特に天然染料と化学染料の比率で、天然染料を70%以上、化学染料を30%以下とすることで、天然染料による染色の色調を実現することがぎる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の染色方法は、被染色繊維材料に対して、粒径が0.001〜0.3μmの微粒子の多孔質物質を含むプラスイオン化物質と化学染料と天然染料を吸着させる工程を有し、少なくとも天然染料は被染色繊維材料に吸着された前記プラスイオン化物質の存在下で吸着させるものである。この被染色繊維材料に吸着したプラスイオン化物質が、染料との電荷数の差が3以上に、好適には染料との電荷数の差が5以上にプラスイオン化して染料を吸着させる
【0024】
上記プラスイオン化物質としては、粒径が0.001〜0.3μmの微粒子の多孔質物質を含むもので、カルボキシ基、スルホン基などのアミノ酸を基としたカチオン剤や、第4級アンモニウム塩などタンパクの基となるキト酸やセリシンなどを可水溶性にするプラスイオン物質や、非水溶性のタンパクから成りかつ粒径が0.001〜0.3μmの微粒子の多孔質物質や、珪素や貝などの鉱物質から成りかつ粒径が0.001〜0.3μmの多孔質微粉末などを含むものが好適であり、これらを単体で若しくは併用して用いることができる。これは、カチオン剤やプラスイオン物質の他にも、多孔質のタンパクや鉱物質の0.001〜0.3μmの微粒子も、染料との電荷数の差が3以上にプラスイオン化し、架橋剤や糊と同じように繊維材料に天然染料や化学染料を吸着させる作用を奏することを見出したことに基づいている。なお、微粒子の大きさは小さい程効果的であり、0.001〜0.2μm程度がより好適である。また、これは粒子の大きなアクリル樹脂やウレタン樹脂などを糊として天然染料や化学染料を繊維材料に吸着させるものとは本質的に異なるものである。微粒子のプラスイオン化物質にて天然染料や化学染料を吸着することで、天然染料及び化学染料を繊維材料に薄くソフトな糊で固定した状態を実現でき、その結果化学染料の吸収した色光の反射と天然染料の吸収した色光の反射が両立し、多彩な色彩表現が実現される。すなわち、0.0008〜0.03μmの小さな粒子の化学染料と0.03〜20μmの大きな粒子の天然染料がイレギュラーに配列されて吸着固定されることで、光が天然染料で反射し、化学染料で反射した光も天然染料でイレギュラーに反射することで、基調としては天然染料による染色の色調を維持しつつ、微妙な色調の反射がなされる。
【0025】
このプラスイオン化物質を被染色繊維材料に吸着させる具体的な工程を説明すると、被染色繊維材料がセルロース繊維の場合には、プラスイオン化物質を0.3μm以下の大きさとし、水溶液をPHを9以上とし、温度80℃以上で30分以上浸漬する。
【0026】
また、被染色繊維材料がタンパク質繊維の場合には、プラスイオン化物質を0.3μm以下の大きさとし、水溶液をPHを9以下とし、温度60℃以上で30分以上浸漬する。
【0027】
また、被染色繊維材料が人造繊維又は合成繊維の場合には、プラスイオン化物質を0.3μm以下の大きさとし、水溶液をPHを11以上とし、温度80℃以上で30分以上浸漬する。
【0028】
被染色繊維材料としては、綿、麻などのセルロース繊維、絹、毛などのタンパク質繊維、レーヨン、アセテートなどの人造繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリ塩化ビニール、ポリエチレンなどの合成繊維の単体若しくは複合繊維を被染色対象とすることができ、繊維材料の形態としてはワタ、糸、織物、編地、不織布、若しくは紙などの任意の形態に対して適用することができる。
【0029】
また、化学染料としては、反応染料、酸性染料、酸性含金染料、塩基性染料、直接染料、カチオン染料、ナフトール染料、分散染料の何れかを好適に適用できる。
【0030】
また、天然染料としては、植物の葉、茎、樹皮、根、花、実などを粉体化したものやそれらから抽出した液体若しくは粉末からなる草木染料や、鉱石や岩石類を微細粉化してなる鉱石染料や、泥などを微細粉化してなる泥染料の、単体若しくは複合物を適用できる。草木染料の色素は、インドール誘導体、カロチノイド類、ジケトン類、イソヒノハン誘導体、アントシアン類、クロロフィル、カルコン誘導体、フラボノイド類、タンニン類、ナフトキノン誘導体、ジヒドロピラン誘導体、アントラキノン誘導体などである。また、鉱石染料は、火成岩、変成岩、堆積岩、放射線を放出する放射性岩石から成り、0.01〜3μmの粒径に微粉化したものが好適に適用できる。
【0031】
また、天然染料と化学染料の比率は、天然染料を30%〜97%とするのが好適である。これは、天然染料が30%未満では化学染料による染色との差異性が不十分であるが、30%程度の量でも化学染料とは異なる色調を呈することができることによる。また、化学染料が3%未満では堅牢性の向上効果が不十分となる。すなわち、従来の天然染料を媒染剤やカチオン化で染色したものは、イオン吸着であっても共有結合と同じように金属イオンを伴っていて繊維に対してはイレギュラーな吸着となっているため堅牢性に影響するが、同色の化学染料を併用することで、同色を呈する化学染料のミクロの凹凸が媒染剤と同じように機能して天然染料の堅牢性を向上し、天然染料が90%を超えても堅牢性を確保できることを見出したことによる。なお、天然染料を70%以上にすると天然染料による色調が顕著に得られて好適である。
【0032】
具体的な染色方法としては次のような3つの方法が代表的である。
【0033】
第1の方法は、最初の第1工程で被染色繊維材料を化学染料で染色し、次の第2工程で被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させ、次の第3工程で被染色繊維材料を天然染料で染色する。
【0034】
第2の方法は、最初の第1工程で被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させ、次の第2工程で天然染料と化学染料を混合した混合染料にて被染色繊維材料を染色する。
【0035】
第3の方法は、最初の第1工程で被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させ、次の第2工程で被染色繊維材料を天然染料で染色し、次の第3工程で被染色繊維材料を化学染料で染色する。
【0036】
以上の方法の内、化学染料を下に天然染料を上に吸着させ、若しくは化学染料と天然染料を並列的に吸着させる第1と第2の方法が量産技術しては合理性に優れている。
【0037】
以上の染色方法により、染料吸着物質と化学染料にて天然染料の吸着堅牢性を格段に高めることができて、天然染料を用いたソフトな色調の染色を実現しながら堅牢性の高い染色を実現することができ、さらに天然染料と化学染料の併用により一層多彩な色調を実現することもできる。
【0038】
また、上記のように染色した染料を、さらにマスキング、ネッティングなどによりシリコン系、フッ素系、アクリル系、ウレタン系樹脂の何れかにて覆うこともでき、そうすると一層堅牢性を向上することができる。
【0039】
次に、本発明の染色方法の幾つかの実験例について説明する。
【0040】
(実験例1)
本実験例ではセルロース繊維を染色した。表1の各実施例について、まず、繊維材料を直接染料と反応染料とバット染料で染色した。その際には、カセイソーダ、ソーダ灰、芒硝などを一般的に使用し、40℃の低温〜80℃の高温で60分程度浸漬して染色した。
【0041】
次に、浮いている染料を除去するため洗った後、プラスイオン化物質を吸着させた。プラスイオン化物質の吸着は、水溶液のPHを9以上を中心に保ち、プラスイオン化物質を適用し、80℃以上、30分以上浸漬して表面にプラスイオン化物質を吸着させ、その後水洗した。プラスイオン化物質としては、アンモニウム塩41部、酸化還元酵素であるオキシドレダクターゼ10部、キト酸3部、ミロナイト1部、水45部から成るものを用いた。
【0042】
次に、繊維材料の上に表1に示す各種植物染料で染色した。植物染料は60℃〜80℃の温度で30分以上浸漬することで吸着させ、その後水洗した。
【0043】
また、比較例として化学カチオン剤として4級アンモニウム塩を使用して同じ天然染料にて従来例と同様に染色した。
【0044】
このようにして染色した繊維材料について、耐光堅牢度、洗濯堅牢度と、汗堅牢度、摩擦堅牢度について調査した結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003779287
表1から、各実施例が耐光堅牢度が3級以上、洗濯堅牢度が4級以上、汗堅牢度も4級以上、摩擦堅牢度が4級以上を確保できている一方、比較例では何れも著しく堅牢度が劣ることが分かる。また、色彩、彩度、明度などの色調に関しても、視覚評価で、各実施例のものは比較例に比して優れていた。
【0046】
(実験例2)
本実験例ではタンパク繊維を染色した。表2の各実施例について、まず、繊維材料を酸性染料、酸性含金ナフトール染料などで、50℃〜80℃で、45分以上浸漬して染色した。次いで、その上に上記多孔質カチオン剤から成るプラスイオン化物質を吸着した。その際、PHを7.5〜8.5に保ち、80℃以上、30分以上浸漬し、その後ソフトに水洗した。
【0047】
その後、表2に示す各種植物染料で染色した。植物染料は60℃〜80℃で30以上浸漬することで吸着させ、その後水洗した。
【0048】
また、比較例として化学カチオン剤を使用して同じ天然染料にて従来例と同様に染色した。
【0049】
このようにして染色した繊維材料について、耐光堅牢度、洗濯堅牢度と、汗堅牢度、摩擦堅牢度について調査した結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
Figure 0003779287
表2から、各実施例が耐光堅牢度が3級以上、洗濯堅牢度が4級以上、汗堅牢度も4級以上、摩擦堅牢度が3級以上を確保できている一方、比較例では何れも著しく堅牢度が劣ることが分かる。また、色調に関しても、視覚評価で、各実施例のものは比較例に比して優れていた。
【0051】
なお、ポリエステル繊維などの合成繊維の染色においても、まず、繊維材料をPH11以上の水溶液の中で、80℃以上で、30分以上浸漬することでプラスイオン化物質を吸着させ、またこの時にアミン系タンパクを加えることでプラスイオン化を強化し、その後各種天然染料及び化学染料で染色するなどの染色方法にて同様の結果を得ることができた。
【0052】
なお、上記各堅牢度試験は、JIS L−0844、他によった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の染色方法及び染色物によれば、染料との電荷数の差が3以上にプラスイオン化して染料を吸着させるプラスイオン化物質と化学染料と天然染料を吸着させているので、プラスイオン化物質と化学染料にて天然染料の吸着堅牢性を格段に高めることができて、天然染料を用いたソフトな色調の染色を実現しながら堅牢性の高い染色を実現することができ、さらに天然染料と化学染料の併用により一層多彩な色調を実現することもでき、またコスト的にも、従来の草木染料での染色の50%程度、化学染料での染色の2倍程度に抑制することができる。

Claims (20)

  1. 被染色繊維材料に対して、粒径が0.001〜0.3μmの微粒子の多孔質物質を含むプラスイオン化物質と化学染料と天然染料を吸着させる工程を有し、少なくとも天然染料は被染色繊維材料に吸着された前記プラスイオン化物質の存在下で吸着させることを特徴とする染色方法。
  2. プラスイオン化物質として、ミノ酸を基としたカチオン剤を含むことを特徴とする請求項1記載の染色方法。
  3. プラスイオン化物質として、第4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする請求項1記載の染色方法。
  4. プラスイオン化物質として、非水溶性のタンパクから成りかつ粒径が0.001〜0.3μmの微粒子の多孔質物質を含むことを特徴とする請求項1記載の染色方法。
  5. プラスイオン化物質として、物質から成りかつ粒径が0.001〜0.3μmの多孔質微粉末を含むことを特徴とする請求項1記載の染色方法。
  6. 天然染料と化学染料の比率で、天然染料を30%〜97%、化学染料を70%〜3%とすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の染色方法。
  7. 被染色繊維材料は、ルロース繊維、ンパク質繊維、造繊維、成繊維の単体若しくは複合繊維から成ることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の染色方法。
  8. 被染色繊維材料がセルロース繊維の場合、プラスイオン化物質を0.3μm以下の大きさとし、水溶液をPHを9以上とし、温度80℃以上で30分以上浸漬し、被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させることを特徴とする請求項7記載の染色方法。
  9. 被染色繊維材料がタンパク質繊維の場合、プラスイオン化物質を0.3μm以下の大きさとし、水溶液をPHを9以下とし、温度60℃以上で30分以上浸漬し、被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させることを特徴とする請求項7記載の染色方法。
  10. 被染色繊維材料が人造繊維又は合成繊維の場合、プラスイオン化物質を0.3μm以下の大きさとし、水溶液をPHを11以上とし、温度80℃以上で30分以上浸漬し、被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させることを特徴とする請求項7記載の染色方法。
  11. 化学染料は、反応染料、酸性染料、酸性含金染料、塩基性染料、直接染料、カチオン染料、ナフトール染料、分散染料の何れかであることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の染色方法。
  12. 天然染料は、植物を粉体化したものやそれらから抽出した液体若しくは粉末からなる草木染料や、鉱石や岩石類を微細粉化してなる鉱石染料や、染料の、単体若しくは複合物であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の染色方法。
  13. 鉱石染料は、火成岩、変成岩、堆積岩、放射線を放出する放射性岩石から成り、0.01〜3μmの粒径に微粉化したものであることを特徴とする請求項12記載の染色方法。
  14. 被染色繊維材料を化学染料で染色する第1工程と、第1工程後被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させる第2工程と、第2工程後被染色繊維材料を天然染料で染色する第3工程とを有することを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の染色方法。
  15. 被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させる第1工程と、第1工程後天然染料と化学染料を混合した混合染料にて被染色繊維材料を染色する第2工程とを有することを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の染色方法。
  16. 被染色繊維材料にプラスイオン化物質を吸着させる第1工程と、第1工程後被染色繊維材料を天然染料で染色する第2工程と、第2工程後被染色繊維材料を化学染料で染色する第3工程とを有することを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の染色方法。
  17. 染色した染料を、さらにシリコン系、フッ素系、アクリル系、ウレタン系樹脂の何れかにて覆うことを特徴とする請求項1〜16の何れかに記載の染色方法。
  18. 被染色繊維材料に、粒径が0.001〜0.3μmの微粒子の多孔質物質を含むプラスイオン化物質と化学染料と天然染料が吸着されていることを特徴とする染色物。
  19. 天然染料と化学染料の比率で、天然染料を30%〜97%、化学染料を70%〜3%としたことを特徴とする請求項18記載の染色物。
  20. 天然染料と化学染料の比率で、天然染料を70%以上、化学染料を30%以下としたことを特徴とする請求項19に記載の染色物。
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