JP3779148B2 - 樹脂金型およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプレス成形などの成形用樹脂金型とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレス成形、射出成形或いは真空成形に用いる金型として樹脂製のものが知られている。樹脂金型は多品種少量生産に適しているが、最近では樹脂金型にも機械的強度、耐磨耗性、耐熱性を付与することである程度の量産にも適応する提案が、特開昭63−286239号公報、特開平1−202407号公報或いは特公平3−6987号公報などになされている。
【0003】
特開昭63−286239号公報に開示される内容は、鋳鉄紛やコランダムを混合した樹脂材で金型本体を形成するとともに、この金型本体の上面やコーナ部を樹脂に超高強度繊維を含浸せしめた樹脂で被覆するというものであり、特開平1−202407号公報に開示される内容は、サンドコアで金型本体を構成するとともにこの金型本体の表面を中間層を介して金属繊維を配合した樹脂型表面層で被覆するというものであり、特公平3−6987号公報に開示される内容は、ポリウレタン樹脂に粒径が100〜200μm程度の多角形アルミニウム粉や鋳鉄粉を混合して樹脂型本体を構成し、この樹脂型本体の表面にNi−Al合金からなる溶射下地層を形成し、この溶射下地層を介して高硬度金属の溶射被覆層を形成するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した先行技術に開示された樹脂型を用いることで、ある程度の回数までは磨耗なども問題ないのであるが、成形回数が1万ショットを超えると、シゴキR部などに磨耗が目立つようになり、成形不良を招き量産加工ができなくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る樹脂金型は、金型本体を樹脂を主体として構成し、この金型本体のうち、成形の際に被成形材と接触するシゴキR部などの摩耗しやすい部分を樹脂に直径が0.3mm以上1.5mm以下の金属球を樹脂に混合した材料にて構成した。
前記樹脂としては、常温で硬化する2液混合タイプ或いは加熱により硬化する熱硬化性樹脂を用いる。
【0006】
金属球としてはスチールボールが適当であり、また直径を0.3mm以上としたのは、0.3mm未満ではスチールボ−ルが1万ショットを超えると急激に剥がれ易くなるからであり、1.5mm以下としたのは1.5mmを超えると、スチールボ−ルに起因する絞り傷やデホームの発生が目立つようになるからである。
【0007】
また、摩耗しやすい部分を構成する材料中の金属球の体積割合(vol%)は、30%以上50%以下とするのが好ましい。30%未満では耐磨耗性が十分に発揮されず、50%を超えると剥がれ易くなる。
【0008】
また、金属球の硬度(HRC)としては、40以上50以下が好ましい。HRCが40未満であると、耐磨耗性が十分に発揮されず、50を超えると成形品に傷やデホームが生じやすくなる。
【0009】
また、本発明に係る樹脂金型のうち、パンチを製造する方法は、マスターモデルを作製する工程と、前記マスターモデルを用いて捨て型を作製する工程と、前記捨て型のキャビティ表面を離型材で覆う工程と、前記キャビティの所定個所に樹脂と金属球とを混合した材料を塗りつける工程と、前記キャビティ内に樹脂を主体とした材料を充填する工程と、前記樹脂を硬化せしめた後に捨て型から離型する工程とからなる。
【0010】
また、本発明に係る樹脂金型のうち、ダイを製造する方法は、パンチ又はダイの成形面を離型材で覆う工程と、前記離型材で覆われた成形面の所定個所に樹脂と金属球とを混合した材料を塗りつける工程と、前記成形面をカバーで囲んで内部に樹脂を主体とした材料を充填する工程と、前記樹脂を硬化せしめた後に離型する工程とからなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係る樹脂金型を適用したプレス成形装置の全体図、図2はプレス成形品の斜視図、図3は同樹脂金型の要部拡大図である。
【0012】
プレス成形装置は、ダイ1、パンチ2およびブランクホルダー3から構成され、ブランクホルダー3とダイ1の周縁部でブランク材Wを保持した状態で、ダイ1とパンチ2を型閉じすることで、図2に示す成形品が得られる。
【0013】
前記ダイ1及びパンチ2はエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂などの樹脂にて構成され、且つダイ1及びパンチ2のシゴキR部などの摩耗しやすい部分については、図3に示すように樹脂4に直径が0.3mm以上1.5mm以下の金属球(スチールボール)5を混合した材料にて構成されている。
【0014】
次に、上記ダイ1及びパンチ2の製造方法の一例について説明する。ダイ1については、先ず図4(a)に示すように成形品と同一形状のマスターモデルを作製する。マスターモデルの材料は任意であり、木材や石膏などを用いることが可能である。
【0015】
次いで、図4(b)に示すように、前記マスターモデルを用いて捨て型を作製し、この捨て型のキャビティ(成形面)に離型材を塗布する。この後、図4(c)に示すように、捨て型のキャビティの所定個所、即ち後で樹脂型となった際にシゴキR部などの摩耗しやすい部分となる個所に未硬化の樹脂に直径が0.3mm以上1.5mm以下の金属球(スチールボール)を混合したゲルコート材料を盛り付ける。前記ゲルコート材料としては、例えばエポキシ樹脂に対する金属球の体積割合(vol%)が30%以上50%以下で、室温程度で24〜48時間放置することで硬化するものを用いる。
【0016】
この後、図4(d)に示すように、捨て型のキャビティをカバーで覆い、キャビティ内にエポキシ樹脂などの樹脂を充填し、樹脂が硬化したならば、図4(e)に示すように、捨て型から離型することでパンチ1を得る。
【0017】
ダイ1については、図5(a)に示すようにマスターモデルの代わりに前記パンチ1を用い、このパンチ2の成形面全面に加工するブランク材と同じ厚さのシートワックスを貼り付ける。
【0018】
次いで、図5(b)に示すように、シートワックスの上の所定個所、即ち、後で樹脂型となった際にシゴキR部などの摩耗しやすい部分となる個所に前記と同じゲルコート材料を盛り付ける。
【0019】
この後、図5(c)に示すように、パンチ2の成形面全面を覆うカバーを被せ、カバー内の空間にエポキシ樹脂などの樹脂を充填し、樹脂が硬化したならば、図5(d)に示すように、パンチ2から離型することでダイ1を得る。
【0020】
尚、図示例にあっては、マスターモデルに基づいてパンチを、パンチに基づいてダイを成形するようにしたが、マスターモデルに基づいてダイを、ダイに基づいてパンチを成形することも可能である。
【0021】
次に、金属球の直径を変化させた実験結果を(表1)〜(表3)に示す。尚、実験条件は樹脂としてエポキシ樹脂を用い、配合割合は金属球40vol%、樹脂60%、金属球の硬度は40〜50HRCとした。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
上記(表1)〜(表3)から金属球の直径は0.3mm以上1.5mm以下とすべきことが分かる。
【0026】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、プレス成形などに用いる樹脂型の摩耗しやすい部分を、樹脂に直径が0.3mm以上1.5mm以下の金属球を混合した材料にて構成したので、従来の樹脂型に比べて大幅に耐磨耗性が向上する。
【0027】
即ち、金属球の直径は小さければ小さいほど絞り傷やデホームは生じにくいが、本発明にあっては、これら傷やデホームの発生が問題にならない範囲で、金属球の直径を大きくすることで、剥がれを少なくし、樹脂型としての耐久性を高めている。
【0028】
また、本発明に係る樹脂金型の製造方法によれば、製作工程数が少なくしかも高精度な樹脂金型を短期間で製造できるので、大幅なコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂金型を適用したプレス成形装置の全体図
【図2】プレス成形品の斜視図
【図3】同樹脂金型の要部拡大図
【図4】樹脂金型としてのパンチの製造工程を説明した図
【図5】樹脂金型としてのダイの製造工程を説明した図
【符号の説明】
1…ダイ、2…パンチ、3…ブランクホルダー、4…樹脂、5…金属球、W…ブランク材
Claims (2)
- マスターモデルを作製する工程、前記マスターモデルを用いて捨て型を作製する工程、前記捨て型のキャビティ表面を離型材で覆う工程、前記キャビティ表面の摩耗しやすい個所に樹脂と直径が0.3mm以上で且つ1.5mm以下の金属球とを混合した材料を塗りつける工程、前記キャビティ内に樹脂を主体とした材料を充填する工程、前記樹脂を硬化せしめた後に捨て型から離型する工程からなる樹脂金型の製造方法。
- パンチまたはダイの成形面全面に加工するブランク材と同じ厚さのシートワックスを貼り付ける工程、樹脂形となった後に摩耗しやすい部分となる箇所のシートワックスの上に樹脂と直径が0.3mm以上で且つ1.5mm以下の金属球とを混合した材料を塗りつける工程、前記成形面をカバーで囲んで内部に樹脂を主体とした材料を充填する工程、前記樹脂を硬化せしめた後に離型する工程からなる樹脂金型の製造方法。
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