JP3778852B2 - 均質バルブおよび均質機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エマルジョン中の不連続相の粒子を効率的に微粒化して均質化する均質バルブおよび均質機に関する。
【0002】
【従来の技術】
不連続相の比重が連続相よりも小さいエマルジョンからなる食品などにおいては、品質を向上させるために、粒径が不均一な不連続相を微粒化して均質化することがある。例えば、牛乳では、粒径が不均一な不連続相である脂肪球の粒子径を微粒化し、均質化して風味や保存性を高めることがある。
脂肪球の粒子径を微粒化して均質化する際には、均質バルブが広く利用されている。均質バルブとは、吐出孔が形成された均質バルブシートと、均質バルブ本体とを有し、均質バルブシートの吐出孔から吐出したエマルジョンを均質バルブ本体に衝突させて、エマルジョンに強い剪断力を与え、その剪断力によって粒子径の大きな脂肪球を分断して、微粒化するものである。
均質バルブシートと均質バルブ本体とは密着しておらず、その間に間隙が形成されている。この間隙はエマルジョンの流路となり、微粒化されたエマルジョンは、この流路を流れて均質バルブの外に排出される。
【0003】
流路の壁面となる、均質バルブシートと均質バルブ本体とが互いに対向する面は、平滑な場合もあるが、流路を長くし、エマルジョンに十分に強い剪断力を与えることを目的として、凹凸が形成されている場合もある。
このような均質バルブについて、図11を参照しながら説明する。この均質バルブ70は、均質バルブシート71と均質バルブ本体72とを有して構成され、均質バルブシート71と均質バルブ本体72とは、均質バルブシート71の吐出孔73の出口74と、均質バルブ本体72の平滑な衝突壁75とが対向して間隙76が形成されるように配置されている。また、均質バルブシート71および均質バルブ本体72は、互いに対向する面に凹凸が形成されている。このように間隙に凹凸が形成されることにより、流路が長くなって流路抵抗となり、より強い剪断力をエマルジョンに与えることができると考えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の均質バルブにおいて、均質バルブシートおよび均質バルブ本体の、互いに対向する面に凹凸が形成されていたにもかかわらず、十分満足する程度に効率的に脂肪球を微粒化して均質化することができなかった。
本発明は、前記事情を鑑みて行われたものであり、効率的にエマルジョンを微粒化して均質化できる均質バルブおよび均質機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、エマルジョンが吐出孔出口から吐出する際に圧力損失が適度に集中すると、エマルジョンを分断する剪断力が高くなることを見出し、エマルジョンが吐出孔出口から吐出する際に圧力損失が適度に集中する均質バルブの形状について検討した結果、以下の均質バルブを発明するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の均質バルブは、円形状の窪みの凹部と該凹部の底面に出口を有する吐出孔とが形成された均質バルブシートと、円筒状の凸部が台座上に設けられた均質バルブ本体とを備え、均質バルブ本体の凸部が均質バルブシートの凹部内に挿入された均質バルブにおいて、
前記均質バルブシートおよび前記均質バルブ本体は、互いに対向する面が平滑であり、
平均径d1の原料エマルジョンを、均質化圧力△P(MPa)、流量Q(リットル/時間)で吐出孔を通過させて、平均径d2の均質化エマルジョンとする際に、前記吐出孔の出口径Diは下記(a)を満たし、
かつ、均質バルブ本体の凸部の外径をDv、均質バルブシートの凹部の内径をDvsとした際に、下記(b)および/または(d)満たすことを特徴とする。
(a)Di=Q/2πK
ここで、K=96(d2/d1)+0.51△P−18.37(ただし、0.08<K<300)、
(b)0.85<Di/Dv<1.0、
(d)0.4<Dv/Dvs<0.998
【0007】
なお、本発明におけるエマルジョンにおいては、エマルジョン中の不連続相の比重が連続相よりも小さい。このようなエマルジョンとしては、例えば、ヨーグルト、乾燥ミルク、アイスクリーム、コーヒー飲料、プリン、豆乳などが挙げられる。
また、本明細書において、「原料エマルジョン」とは、均質バルブを通過させる前のエマルジョンのことであり、「均質化エマルジョン」とは、均質バルブを通過させた後のエマルジョンのことである。また、「平均径」とは、50%平均径のことである。
【0008】
このように、前記均質バルブシートおよび前記均質バルブ本体は、互いに対向する面が平滑であると、均質バルブシートと均質バルブとによって形成される流路の流路抵抗がなくなるので、吐出孔の出口から吐出した後のエマルジョンの圧力損失が小さくなる。その結果、エマルジョンが吐出孔の出口から吐出してから均質バルブ外に排出されるまでの間では、エマルジョンが吐出孔の出口から吐出するときに圧力損失が最も集中する。
【0009】
また、平均径d1の原料エマルジョンを、均質化圧力△P(MPa)、流量Q(リットル/時間)で吐出孔を通過させて、平均径d2の均質化エマルジョンとする際に、前記吐出孔の出口径Diは上述した(a)を満たすと、吐出孔の出口径が最適化されて、エマルジョンが吐出孔の出口から吐出する際に圧力損失を適度に集中させることができる。
【0010】
さらには、上述した(b)および/または(d)満たすことにより、エマルジョンが吐出孔の出口から吐出した後の流路の寸法が最適化される。すなわち、(b)が満たされる場合には、吐出孔からエマルジョンが吐出した後の圧力損失が最適化されるので、エマルジョンが吐出孔出口から吐出する際に圧力損失を適度に集中させることができる
た、(d)が満たされる場合には、均質バルブシートの凹部側面と均質バルブ本体の凸部側面とによって形成された流路の間隔が最適化され、圧力損失が最適化されるので、エマルジョンが吐出孔の出口から吐出する際に圧力損失を適度に集中させることができる。なお、Dv/Dvsが1の時には間隙が形成されなくなるので、Dv/Dvsは1未満の値である。
【0011】
なお、上述した(b)(d)は、少なくとも一つが満たされていればよいが、より効率的に微粒子化して均質化できるという効果がさらに発揮されるので、(b)および(d)を全て満たす場合ことは特に好ましい。
【0012】
以上のように、均質バルブシートと均質バルブ本体とが互いに対向する面が平滑であり、かつ上記(a)および、(b)および/または(d)満たされると、エマルジョンが吐出孔の出口から吐出する際に、圧力損失を適度に集中させることができ、より強い剪断力を効率的にエマルジョンに与えることができる。その結果、原料エマルジョンに加えられた圧力エネルギーを原料エマルジョンの微粒化に集中して消費させることができるので、不均一な粒径の不連続相を効率的に微粒化して均質化できる。
【0015】
本発明の均質機は、上述した均質バルブが設置されたことを特徴としている。上述した均質バルブが設置された均質機では、微粒化の際の消費エネルギーを削減できるので、エマルジョン均質化のコストを下げることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の均質バルブの一実施形態例について図1を参照しながら説明する。この均質バルブは、原料牛乳に含まれる脂肪球からなる不均一な粒子径の不連続相を微粒化して均質化するものであり、図1に示すように、均質バルブシート11と、均質バルブ本体12とを有して構成されている。なお、本実施形態例において、原料牛乳の温度は約80℃である。
【0017】
均質バルブシート11には、ポンプなどから供給された原料牛乳が流動する吐出孔13が形成されているとともに、円形状の窪みの凹部14が形成されている。そして、吐出孔13の出口15は凹部14の底面16に形成されている。
均質バルブ本体12は、台座17と、台座17よりも外径が小さい円筒状の凸部18とを有しており、凸部18が台座17上に形成されている。
【0018】
均質バルブ10においては、均質バルブシート11の凹部14に、均質バルブ本体12の凸部18が挿入されている。その際、均質バルブシート11の凹部16と均質バルブ本体12の凸部18とは密着しておらず、均質バルブシート11と均質バルブ本体12との間には間隙が形成されている。この間隙は、牛乳が吐出孔13の出口15から吐出してから均質バルブ10外に排出されるまでの排出流路20となっている。
この排出流路20は、均質バルブシート11の凹部16と均質バルブ本体12の凸部18とが対向することによって形成されるから、3つの直線状流路から構成されることとなる。ここで、3つの直線状流路を、第1の流路21、第2の流路22、第3の流路23とする。そして、第1の流路21とは、牛乳が吐出孔出口15を吐出してから均質バルブシート11の凹部14の底面16に沿って流動し、均質バルブシート11の凹部14の側面に衝突するとともに、流動方向が転換されるまでの間の流路である。第2の流路22とは、第1の流路21を出てから均質バルブ本体12の台座17の面に衝突するとともに、流動方向が転換されるまでの間の流路である。第3の流路23とは、第2の流路22を出てから均質バルブ10外に排出されるまでの間の流路である。
したがって、原料牛乳は吐出孔13を通過した後、吐出孔13の出口15から吐出されて、第1の流路21に流入し、その後、第2の流路22、第3の流路23を順に連続的に通過して均質バルブ10外に排出される。
【0019】
均質バルブシート11と均質バルブ本体12との間隙の間隔dは、図2に示すような油圧式加圧装置30によって調整される。図示例では、2つの均質バルブ10がL字状直列に設けられており、それに対応して油圧式加圧装置30も2つ設けられているが、2つの油圧式加圧装置30は同じ構成であるので、その一方にだけ符号を付して説明する。均質バルブ本体12は均質バルブガイド19内に設置され、均質バルブ本体12は油圧式加圧装置30によって牛乳の吐出方向とは反対の方向から付勢されている。油圧式加圧装置30は、均質バルブ本体12に接触して押圧するロッド31と、ロッド31の押圧方向を案内するロッドガイド32と、ロッド31に圧力を与えるオイルシリンダ33とを有して構成される。さらに、オイルシリンダ33内には、シール34が設置されている。シール34は、Lパッキング受け35とLパッキング36とLパッキング押さえ37とが備えられているとともに、ロッド31が取り付けられている。また、シール34とオイルガイド33とによって囲まれた部分38には、ロッド31を付勢するオイルが充填されている。オイルはオイルシリンダ33の外部に設けられた加圧手段(図示せず)に通じており、この加圧手段よって加圧されている。
【0020】
また、牛乳が均質バルブガイド19からオイルシリンダ33側に流入しないように、均質バルブガイド19とオイルシリンダ33との間に、ロッド31の外周に密着するOリング39を取り付けてシールしている。また、ロッドガイド32とオイルシリンダ33とはスナップリング40によって固定されており、ロッドガイド32とオイルシリンダ33との間にはOリング39が摩耗して浸透した牛乳がオイルに混入しないように、排出用のドレイン孔41が形成されている。
このような構成の油圧式加圧装置30によれば、牛乳の吐出圧力に対抗する圧力で均質バルブ本体12を牛乳の吐出方向とは反対の方向から付勢できる。そして。油圧式加圧装置30の油圧を調整することによって、均質バルブシート11と均質バルブ本体12との間隔を調整することができる。
【0021】
本実施形態例の均質バルブ10において、均質バルブシート11および均質バルブ本体12は、互いに対向する面が平滑である。そのため、排出流路20の流路抵抗は小さくなり、圧力損失が小さくなる。その結果、エマルジョンが吐出孔出口15から排出されたときに圧力損失が集中し、このときにエマルジョンにかかる圧力が大きく変化する。この圧力の変化によってエマルジョンには大きな剪断力が与えられるので、エマルジョン中の脂肪球は容易に分断されて微粒化される。
ただし、排出流路20における圧力損失は小さければよいというものではない。すなわち、排出流路20における圧力損失が小さすぎると、剪断力が発生しにくくなり、結果的に、所望の粒子径への微粒化ができなくなることがある。
【0022】
また、本実施形態例では、均質バルブシート11の吐出孔13の出口径Diは下記(a)を満たしている。すなわち、ポンプなどを用いて、平均径d1の原料牛乳を均質化圧力△P(MPa)、流量Q(リットル/時間)で吐出孔を通過させて、平均径d2の均質化牛乳とする際に、下記(a)を満たしている。
(a)Di=Q/2πK
ここで、K=96(d2/d1)+0.51△P−18.37(ただし、0.08<K<300)
吐出孔13の出口径Diが上記(a)を満たすと、牛乳が吐出孔出口15から吐出する際の圧力損失が最適化され、効率的に所望の粒子径の均質化牛乳を得ることができる。
なお、(a)においては、0.08<K<300である。ここで、Kとは実用性指標数であり、0.08<K<300であると、実用的な均質化圧力で、所望の平均径の牛乳が得られる範囲となる。すなわち、Kが0.08より大では、例えば、Diを6mmとした際に、流量100リットル/時間、均質化圧力10MPaでd2/d1を0.2以下にする条件が範囲内となる。また、Kが300未満では、例えば、Diを6mmとした際に、流量20000リットル/時間、均質化圧力10MPaでd2/d1を0.9以下にする条件が範囲内となる。
【0023】
また、本実施形態例では、均質バルブシート11の凹部14の内径をDvs、均質バルブ本体12の台座17の外径をDvo、均質バルブ本体12の凸部18の外径をDvとした際に、下記(b)および/または(d)を満たしている。
(b)0.85<Di/Dv<1.0
(d)0.4<Dv/Dvs<0.998
また、(c)0.2<Di/Dvo<0.5を満たしていることが好ましい。
【0024】
図3〜図6は、Di/Dvと微粒化効率Eとの関係を示すグラフであり、流体解析して導出した下記式(1)を利用して得られたものである。なお、図3は流量Qが100リットル/時間であり、図4は流量Qが3000リットル/時間であり、図5は流量Qが7500リットル/時間であり、図6は流量Qが20000リットル/時間である。また、lkはいずれも1mm、loはいずれも0.5mmである。また、図において、Di/Dvが1.0以上は示さない。また、図中、Eは、(均質化牛乳の平均径d2/原料牛乳の平均径d1)であり、値が小さいと微粒化効果が高いことを表している。また、平均径は堀場製作所社製粒子径分布測定装置(LA−910)で測定した。また、参考までに、従来の均質バルブの第1の例におけるDi/Dvは0.83である。
【0025】
【数1】
Figure 0003778852
【0026】
図の曲線はいずれも右下がりであり、0.85<Di/Dv<1.0であると、実用的な流量範囲(100リットル/時間〜20000リットル/時間)で実用的なEとすることができる。その理由について、以下に説明する。すなわち、Di/Dvが0.85以上であると、吐出孔13内の圧力損失が適度に小さくなるので、牛乳が吐出孔13から吐出した際の圧力損失が大きくなる。そのため、剪断力が増加して微粒化効率が増加する。
一方、図示されていないが、Di/Dvが1.0以上であると、吐出孔出口15から吐出した牛乳の一部が均質バルブ本体12の凸部18に衝突しなくなるので、吐出の際に圧力損失が集中しなくなる。そのため、圧力変化が小さくなり、剪断力が低下して微粒化効率が低下する。すなわち、0.85<Di/Dv<1.0であると、牛乳が吐出孔出口15から吐出した際の圧力損失が最適化されるので、微粒化効率を高めることができる。
【0027】
また、Di/Dvoが0.2以下であると、排出流路20が短くなりすぎて牛乳が吐出孔出口から吐出した際に十分に剪断力を牛乳に与えることができないことがある。一方、0.5以上であると、排出流路20が長くなりすぎて排出流路20の圧力損失が高くなり、牛乳が吐出孔出口から吐出した際に十分に圧力損失を集中させることができないことがある。すなわち、0.2<Di/Dvo<0.5であると、排出流路20の長さが最適化され、排出流路20における圧力損失がより最適化される。そのため、エマルジョンが吐出孔出口15から吐出する際に圧力損失をより適度に集中させることができ、より強い剪断力を効率的に与えることができ、微粒化効率をより高めることができる。
【0028】
図7〜図10は、Dv/Dvsと微粒化効率との関係を示すグラフである。
図7はDiが6mm、流量Qが100リットル/時間であり、図8はDiが30mm、流量Qが3000リットル/時間であり、図9は40mm、流量Qが7500リットル/時間であり、図10は80mm、流量Qが20000リットル/時間である。なお、このグラフも、流体解析して導出した上記式(1)を利用して得られたものである。
図の曲線はいずれも下に凸のグラフとなっている。すなわち、Dv/Dvsが0.4以下であると、第2の流路22の間隔が広くなりすぎて排出流路20の圧力損失が低下しすぎるので、剪断力を与えにくくなり、微粒化効率が低下する。一方、Dv/Dvsが0.998以上であると、逆に第2の流路22の間隔が狭くなりすぎて、排出流路20の圧力損失が著しく増大し、圧力変化はここに集中してしまい、微粒化効率が低下する。すなわち、0.4<Dv/Dvs<0.998であると、第2の流路22の間隔が最適化され、結果的に排出流路20における圧力損失が最適化される。そのため、牛乳が吐出孔出口15から吐出する際に圧力損失を適度に集中させることができ、圧力変化を大きくすることができる。結果的により強い剪断力を効率的に与えることができ、結果的に微粒化効率を高めることができる。
【0029】
また、上記理由の他に、Dv/Dvsが0.4以下であると、脂肪球の平均径が1μmを超え、脂肪球同士が凝集し易くなり、牛乳を保存しているときに凝集物が液体上面に浮上することがある。一方、Dv/Dvsが0.998以上であると、均質バルブシート11と均質バルブ本体12との隙間が極僅かになるので、均質バルブシート11の凹部14に均質バルブ本体12の凸部18を挿入することが困難になる。
【0030】
上述したように、牛乳が吐出孔される出口径、排出流路20の寸法を最適化することにより、牛乳が吐出孔出口15から吐出する際に圧力損失を適度に集中させることができ、圧力変化を大きくすることができる。したがって、効率的により強い剪断力を原料牛乳に与えることができ、エマルジョンに加えられた圧力エネルギーを原料エマルジョンの微粒化に集中して消費させることができるので、効率的に微粒化して均質化牛乳を得ることができる。
【0031】
本発明の均質機は、上述した均質バルブ10が設置されたものである。また、通常、原料牛乳を均質バルブに供給するポンプを有している。ポンプは、不均一な粒径の脂肪球を含む原料牛乳を、均質化圧力△P(MPa)、流量Q(リットル/時間)で吐出するものである。ポンプの種類としては高圧で吐出できるものであれば特に限定されないが、流量を調節できるものが好ましい。流量を調節できれば、均質化エマルジョンの必要量に変更があっても柔軟に対応できる。
上述した均質バルブを設置した均質機であると、従来の均質機よりも低い圧力で同じ微粒化効果が得られる。あるいは、均質化圧力に加圧するためのエネルギーを削減させることができる。
【0032】
なお、上述した実施形態例においては、(b)〜(d)の条件を全て満たしていたが、本発明はそれに限定されず、上記3つの条件の少なくとも1つを満たせばよい。ただし、満足する条件の数が多い方が、本発明の効果がより発揮されるので、好ましい。
【0033】
【実施例】
(実施例)
流量100リットル/時間、均質化圧力10MPaで、牛乳をDiが6mm、Dvが8mm、Dvoが28mm、Dvsが9mmの均質バルブに通して均質化した。その結果、Eが0.16であった。
(従来例)
図11に示すような、均質バルブシートと対向する面に凹凸が形成された均質バルブ本体を有する均質バルブに、流量100リットル/時間、均質化圧力10MPaで、牛乳を通して均質化した。その結果、Eが0.24であった。
このように、実施例は排出流路の寸法が最適化されているので、微粒化効率が優れていた。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、均質バルブシートおよび均質バルブ本体は、互いに対向する面が平滑であり、かつ均質バルブシートの吐出孔出口、均質バルブシートの吐出孔から吐出したエマルジョンが流れる流路の寸法が最適化されている。そのため、エマルジョンが吐出孔の出口から吐出する際に、圧力損失を適度に集中させ、圧力変化を大きくすることができるので、より強い剪断力を効率的にエマルジョンに与えることができる。したがって、エマルジョンに加えられた圧力エネルギーを原料エマルジョンの微粒化に集中して消費させることができるので、不均一な粒径の不連続相を効率的に微粒化して均質化できる。その結果、従来の均質バルブよりも低い圧力で同じ微粒化効果が得られる。あるいは、均質化圧力に加圧するためのエネルギーを削減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る均質バルブの一実施形態例を示す断面図である。
【図2】 均質バルブシートと均質バルブ本体との間隔を調整する油圧式加圧装置を示す断面図である。
【図3】 牛乳の流量が100リットル/時間である場合の、Di/DvとEとの関係を示すグラフである。
【図4】 牛乳の流量が3000リットル/時間である場合の、Di/DvとEとの関係を示すグラフである。
【図5】 牛乳の流量が7500リットル/時間である場合の、Di/DvとEとの関係を示すグラフである。
【図6】 牛乳の流量が20000リットル/時間である場合の、Di/DvとEとの関係を示すグラフである。
【図7】 牛乳の流量が100リットル/時間である場合の、Dv/DvsとEとの関係を示すグラフである。
【図8】 牛乳の流量が3000リットル/時間である場合の、Dv/DvsとEとの関係を示すグラフである。
【図9】 牛乳の流量が7500リットル/時間である場合の、Dv/DvsとEとの関係を示すグラフである。
【図10】 牛乳の流量が20000リットル/時間である場合の、Dv/DvsとEとの関係を示すグラフである。
【図11】 従来の均質バルブの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 均質バルブ
11 均質バルブシート
12 均質バルブ本体
13 吐出孔
14 凹部
15 吐出孔の出口
17 台座
18 凸部
Di 吐出孔の出口径
Dv 均質バルブ本体の凸部の外径
Dvs 均質バルブシートの凹部の内径
Dvo 均質バルブ本体の台座の外径

Claims (2)

  1. 円形状の窪みの凹部と該凹部の底面に出口を有する吐出孔とが形成された均質バルブシートと、円筒状の凸部が台座上に設けられた均質バルブ本体とを備え、均質バルブ本体の凸部が均質バルブシートの凹部内に挿入された均質バルブにおいて、
    前記均質バルブシートおよび前記均質バルブ本体は、互いに対向する面が平滑であり、
    平均径d1の原料エマルジョンを、均質化圧力△P(MPa)、流量Q(リットル/時間)で吐出孔を通過させて、平均径d2の均質化エマルジョンとする際に、前記吐出孔の出口径Diは下記(a)を満たし、
    かつ、均質バルブ本体の凸部の外径をDv、均質バルブシートの凹部の内径をDvsとした際に、下記(b)および/または(d)を満たすことを特徴とする均質バルブ。
    (a)Di=Q/2πK
    ここで、K=96(d2/d1)+0.51△P−18.37(ただし、0.08<K<300)、
    (b)0.85<Di/Dv<1.0、
    (d)0.4<Dv/Dvs<0.998
  2. 請求項1に記載の均質バルブが設置されたことを特徴とする均質機。
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