JP3778481B2 - 形状記憶性フォーム材及びその作製方法 - Google Patents
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Description
【本発明の属する技術分野】
本発明は形状記憶性を有するフォーム材、特に流体シール、防音、断熱に用いられるフォーム材及びその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物や産業用機器、自動車における継ぎ目の流体シール、防音、断熱の目的でウレタンフォームなどの各種フォーム材、シリコーンシーラントなどの液状硬化型のシール材が広く使用されている。これら材料が十分な流体シール、防音、断熱の各性能を発揮するためには構造物の継ぎ目を隙間無く埋める必要がある。
【0003】
従来のフォーム材は圧縮した状態で流体シール、防音、断熱処理が必要な部位(以下、処理部位と呼ぶ)に装着し、フォーム材自体の弾性力で厚さが復元することにより継ぎ目の隙間を埋めている。しかし、従来のフォーム材は圧力を開放すると瞬時に復元するため、圧縮状態のフォーム材の復元力に抗った状態を保ったままフォーム材やフォーム材を用いたアッセンブリー品を前記の処理部位に装着する必要があり、装着の作業性が非常に悪い。
【0004】
フォーム材を薄くすれば装着の作業性は向上するが、処理部位の構造物との間に隙間が生じるため流体シール、防音、断熱の性能が十分ではなくなる。また、柔らかいフォーム材を使用して圧縮状態のフォーム材の復元力を下げることもできるが、その効果は僅かであり、むしろフォーム材の強度低下を招いて寿命が短くなったり、特に流体シールの性能が劣るようになる。このように、流体シール、防音、断熱の各性能と、装着性とは相反するものであり、各特性を満足するフォーム材が求められている。
【0005】
一方で、シリコーンシーラントなどの液状硬化型のシール材のように、処理部位の隙間に液状の物質を流し込み、化学反応や溶剤などの揮発性物質の揮発により硬化させて隙間を埋めることも行われている。しかしながら、これら液状硬化型のシール材はシーリングの作業に長時間を要し、また、材料自体の硬化にも長時間を要する。
【0006】
また、特公昭48-1903号公報には、粘性樹脂質組成物を含浸した弾性合成樹脂スポンジを圧縮し、時間的復元履歴を使用して復元させることで隙間を埋める技術が記載されている。しかしながら、この方法は粘性樹脂組成物の含浸という複雑なプロセスが必要であり、コストが高くなる。
【0007】
特公平10-110059号公報には、独立気泡樹脂発泡体からなる形状回復発泡体が記載されている。しかしながら、この発泡体は形状回復に数十日と長時間必要であるため、直ちに十分な流体シール、防音、断熱の各機能が発現しないという問題がある。
【0008】
特公平7-39506号公報にはウレタンの形状記憶ポリマー発泡体が、特開平9-309986号公報にはゴム中に樹脂をブレンドした形状記憶性加硫ゴム成型体が記載されており、また、ポリノルボルネンやスチレンブタジエン共重合体は形状記憶ポリマーとなることが知られており、これら原料を使用してスポンジを製造することで形状回復性を有する発泡体を得ることが出来る。しかしながら、この形状回復性の発泡体を製造するためには、入手しにくい特定原料を必要とし、また、特殊な製造設備が必要となるため、広くは用いられていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の状況を鑑みてなされたものであり、流体シール、防音、断熱の各性能に優れるとともに、処理部位への装着作業性にも優れ、また製造に際しても特殊な材料や設備を必要とせず安価に得られるフォーム材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、フォーム材に特別な設備を必要としない特定の処理、即ち加熱圧縮後に圧縮した状態で冷却してから圧力を開放することにより、常温では外力が加わっていない状態で圧縮されたまま形状が保持されており、加熱することで厚さが復元する形状記憶性フォーム材が得られることを見い出した。そして、この様な形状記憶性フォーム材を処理部位に使用することで優れた流体シール、防音、断熱の各性能に防音性能が得られるとともに、処理部位への装着作業を容易に行い得いことを見い出した。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0011】
即ち、上記の目的を達成するために、本発明は、EPDM 、 NBR 、 SBR 及び天然ゴムから選択され、かつ、 JIS K6767 のB法による吸水率が0.02g/cm3以上、0.15g/cm3未満であるフォーム材を加熱圧縮し、この圧縮状態を維持したまま冷却し、冷却後に圧力を開放することにより得られ、かつ加熱により略圧縮前の形状に復元することを特徴とする形状記憶性フォーム材、並びにEPDM 、 NBR 、 SBR 及び天然ゴムから選択され、かつ、 JIS K6767 のB法による吸水率が0.02g/cm3以上、0.15g/cm3未満であるフォーム材を加熱圧縮し、圧縮状態で冷却した後、圧力を開放することで、圧縮状態の形状を保持させることを特徴とする形状記憶性フォーム材の作製方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
本発明の形状記憶性フォーム材は、出発材料として既存のフォーム材を用い(以下、出発フォーム材と呼ぶ)、これを加熱圧縮し、圧縮状態を維持したまま冷却し、冷却後に圧力を開放することにより得られる。
【0013】
出発フォーム材としては、未圧縮状態で各種の嵩密度のものを用いることが出来る。しかしながら、特に低嵩密度の出発フォーム材を用いた場合、形状保持性、形状回復性に優れた形状記憶性フォーム材を得ることが出来る。出発フォーム材の未圧縮状態の嵩密度は好ましくは400kg/m 3 以下、より好ましくは200kg/m 3 以下、さらに好ましくは150kg/m 3 以下とするのが良い。この範囲の嵩密度の出発フォーム材を使用することで、形状保持性、形状回復性に優れた形状記憶性フォーム材を得ることが出来る。
【0014】
また、出発フォーム材は連続気泡と独立気泡の混成気泡構造を有することが好ましい。一般的に、連続気泡構造のフォーム材は吸水率が大きく、独立気泡構造のフォーム材は吸水率が小さく、連続気泡と独立気泡の混成気泡構造のフォーム材はその中間である。したがって、この吸水率を特定することにより、連続気泡と独立気泡の割合を規定することができるようになる。吸水率はJIS K6767のB法によって測定されるが、本発明においては出発フォーム材のJIS K6767 の B 法による吸水率(以下、単に「吸水率」という)は 0.02g/cm3以上0.15g/cm3未満、好ましくは0.04g/cm3以上0.1g/cm3未満とするのが良い。この範囲の吸水率の出発フォーム材を使用することで、形状保持性、形状回復性に優れた形状記憶性フォーム材を得ることが出来る。
【0015】
また、出発フォーム材は、天然ゴム、CR(クロロプレンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NBR(ニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体)から選ばれる。中でもEPDMを主成分とする出発フォーム材は一般的に広く使用され入手が容易であり、耐熱性、耐オゾン性、価格のバランスが良いため特に好ましい。
【0016】
また、出発フォーム材として、例えば建築用や弱電用の止水シール材として市販されているEPDMやNBRのフォーム材シートを使用してもよい。
【0017】
形状記憶性フォーム材はこれら汎用のフォーム材を用いることができるため、容易に、かつ安価に製造することが可能である。
【0018】
形状記憶性フォーム材は出発フォーム材をその厚さ方向に加熱圧縮し、この圧縮状態を維持しで冷却した後に圧力を開放することによって製造される。例えば、出発フォーム材を熱プレスで加熱圧縮し、圧縮した状態で冷却しても良い。また、出発フォーム材をオーブン中で加熱し、オーブンから取り出してから直ちにプレスで圧縮して冷却しても良い。また、圧縮するためにはプレスを用いずに、錘を出発フォーム材に乗せても良い。また、連続的に生産するためには、カレンダーロールを用い、熱ロールで加熱圧縮し、冷ロールで圧縮したまま冷却しても良いが、製造方法はこれらに限定されない。尚、この時の加熱温度は50〜200℃の範囲であり、冷却温度は20〜50℃の範囲である。
【0019】
そして、上記の圧縮状態にある形状記憶性フォーム材は、所定温度に加熱することにより、略圧縮前の形状(厚さ)に復元できる。この復元温度は、出発フォーム材の種類により異なるが、概ね70〜100℃の範囲である。尚、加熱方法は特に制限されず、所定温度に加熱した熱板を押し当てたり、あるいはドライヤーにより熱風を吹き付ける等の方法を採ることができる。
【0020】
従来の形状記憶性フォーム材は、特殊な原料を使用して作製する必要があり、原料の入手が困難であるため、容易に形状記憶性フォーム材を得ることができない。また、形状記憶性フォーム材を得るためには出発フォーム材の製造設備が別途必要である。これに対し、本発明の形状記憶性フォーム材は、上記したように、市販されている多くのフォーム材を出発フォーム材として使用することが可能である。また、製造に際して特殊な設備及び操作が必要ないため、容易に形状記憶性フォーム材を得ることができ、形状記憶性フォーム材の製造コストを低く押さえることも可能である。
【0021】
本発明の形状記憶性フォーム材は、圧縮した状態で圧力を開放しても形状を保つ性質すなわち形状保持性と、熱を加えることで元の形状(厚さ)に回復する性質すなわち形状回復性とを兼ね備えることが必要である。よって、本発明の形状記憶フォーム材では、形状保持性と形状記憶性とについてそれぞれ別の機構が存在するものと考えられ、本発明者らは以下の機構により形状保持性や形状回復性が発現するものと推定している。
【0022】
(第1の形状保持機構)
一般的に、フォーム材は、圧縮した場合に弾性により形状が復元する力が作用する。従って、形状保持性が発現させるには、復元力以上の形状保持力が必要である。フォーム材の未圧縮状態での嵩密度が高い場合は、フォーム材が硬くなり復元力が高く、形状保持力は復元力を上回ることが出来ない。即ち、形状保持性が発現しない。従って、出発フォーム材は未圧縮状態で低嵩密度であることが好ましく、具体的には上述した嵩密度の範囲であることが好ましい。
【0023】
また、高分子材料同士を密着させて圧力をかけた場合、材料同士がお互いに引き合う現象、すなわち固着が発生する場合がある。フォーム材を圧縮した場合は気泡の膜同士が密着し圧力がかかるため、フォーム材に関しても内部で固着現象は発生する。固着は高分子材料の表面部分の分子同士がミクロレベルで相互溶解することにより発生する。しかし、常温では高分子材料の分子運動が不活発であるため相互溶解は不十分であり、固着力も弱いものとなる。フォーム材を常温で圧縮した場合は気泡の膜同士の固着力が弱いため、圧力を開放すると同時に弾性力により元の厚さに復元してしまう。
【0024】
そこで、密着させて圧力をかけるのと同時に熱を加えることで材料の表面部分の分子運動は盛んになり、相互溶解現象は起こりやすくなる。フォーム材を加熱圧縮した場合も密着した気泡の膜同士の相互溶解現象は発生する。加熱圧縮により相互溶解現象が発生した後、フォーム材が熱せられた状態で圧力を開放した場合は、高分子材料の分子運動が活発であるため密着した気泡の膜同士は容易に分離してしまう。しかし、フォーム材を加熱圧縮して相互溶解現象を発生させ、圧縮状態を保ったまま冷却後に圧力を開放した場合は、気泡の膜を構成する高分子の分子運動はともに不活発となるので、相互溶解により密着している気泡の膜同士は用意には分離しない。よって、強固な固着力が発生し、圧縮した状態が保持される。
【0025】
本発明では、出発フォーム材を加熱圧縮して冷却後に圧力を開放するので、気泡の膜同士の強固な固着力は保持される。即ち、出発フォーム材の気泡の膜同士の固着力が形状保持力として作用する。これが、本発明の形状記憶性フォームに形状保持力が発現する第1の機構である。
【0026】
このことから、出発フォーム材の主成分は固着の発生しやすい材料であることが好ましい。一般的にゴムまたはエラストマーなどの軟質な高分子材料は固着が発生しやすいことから、上述したように、出発フォーム材の主成分はゴムまたはエラストマーであることが好ましい。
【0027】
(第2の形状保持機構)
復元力を小さくすることも、形状保持性を発現させるためには有効な手段である。フォーム材の復元力は、フォーム材の固体部分である骨格やセル膜の弾性力とフォームの気泡内の空気の弾性力とで構成されると考えられている。このうち、フォーム材の固体部分の弾性力は常に作用する力である。空気の弾性力は作用する場合と作用しない場合とがあり、また作用する場合には弾性力を低減するあるいは無くすことが可能である。フォーム材の気泡に連通部分があれば連通部分が空気が流通するパスとなる。フォーム材を圧縮した場合は、気泡に連通部分があればパスを通じて気泡の空気は容易に外部に排出される。よって、気泡内に空気がなくなるため空気の弾性力は作用しない。一方、フォーム材に独立気泡が含まれている場合は、空気の流通するパスが存在しないため、フォーム材を圧縮しても独立気泡の空気は容易に外部に排出されない。よって、独立気泡部分は内部の空気の弾性力により形状復元しようとする。これが気泡内の空気の弾性力であり、フォーム材に独立気泡が含まれている場合に作用する。
【0028】
また、長時間圧縮した場合は、独立気泡であっても膜を透過して気泡内の空気はわずかに外部に排出されるが、十分には排出されない。しかし、フォーム材に熱を加えながら圧縮した場合は、熱により空気の分子運動とフォーム材の固体部分を構成する高分子の分子運動がともに活発になるので透過現象が起こりやすくなり、気泡の膜を透過して独立気泡内の空気は排出されやすくなる。そこで、本発明でも、出発フォーム材を加熱圧縮することにより、独立気泡が存在する場合でも内部の空気を外部に排出させて空気の弾性力を低減あるいは完全に無くしている。これが、本発明の形状記憶性フォームに形状保持力が発現する第2の機構である。
【0029】
(第3の形状保持機構)
しかし、熱をかけて圧縮しても、独立気泡内の空気を外部に排出するためには、フォーム材にある程度空気の流通するパス、すなわち気泡の連通部分が必要となる。独立気泡の割合が多すぎると、加熱圧縮してもフォーム内に空気が流通し難くなり十分に外部に空気が排出されず、空気の弾性力に起因する復元力はあまり低減しない。すなわち、フォーム材として独立気泡の割合の多すぎるものを使用した場合は、第2の形状保持機構が作用し難くなる。
【0030】
また、加熱圧縮により独立気泡から外部に排出された空気は、フォーム材が熱せられた状態で圧力を開放しても、空気の分子運動とフォーム材の固体部分を構成する高分子の分子運動はともに活発なままであるので、独立気泡内からの排出時と同様に膜を透過して再び独立気泡内に流入することがある。しかし、フォーム材を加熱圧縮して独立気泡内の空気を外部に排出し、更に圧縮状態を保ったまま冷却した後に圧力を開放した場合には、空気の分子運動とフォーム材の固体部分を構成する高分子の分子運動はともに不活発となるので、空気は容易に気泡の膜を透過することは出来ず、他の独立気泡内に流入しなくなる。そこで、本発明でも、出発フォーム材を加熱圧縮して冷却後に圧力を開放して空気の独立気泡内への流入を抑えている。また,この時、フォーム材は大気圧により圧縮力を受けており、この大気圧による圧縮力も本発明において作用する形状保持力の1つとなる。これが、本発明の形状記憶性フォームに形状保持力が発現する第3の機構である。
【0031】
また、連続気泡の割合が多すぎる場合、空気は気泡の連通部分のパスを通じて容易に気泡内に流入するため、気泡内に流入した空気の圧力が大気圧の反作用として作用し、大気圧による形状保持力は発現しない。即ち、フォーム材として連続気泡の割合が多すぎるものを使用した場合は、第3の形状保持機構が発現しない。
【0032】
そこで、本発明において使用する出発フォーム材の気泡構造は連続気泡と独立気泡との混成の気泡構造のものが好ましい。独立気泡の割合が多すぎると、加熱熱圧縮しても独立気泡の一部では気泡内の空気が排出されないため、第2の形状保持機構が作用しないため形状保持性が下がる場合がある。また、連続気泡の割合が多すぎると、圧縮後の気泡内に空気が容易に流入するため、第3の形状保持機構が作用せずに形状保持性が下がる場合がある。よって、本発明において使用する出発フォーム材は独立気泡と連続気泡の割合が適度な値であることが好ましく、具体的には上述したような吸水率を有することが好ましい。
【0033】
以上に述べた3つの形状保持機構が発現するためには、出発フォーム材を加熱圧縮する必要がある。また、加熱圧縮後は圧縮状態を保ったまま冷却する必要がある。加熱せずに圧縮した場合は良好な形状保持性が発現しない。また、加熱圧縮後に、出発フォーム材を加熱した状態のまま圧力を開放しても良好な形状保持性が発現しない。
【0034】
ところで、上記の如く圧縮状態が保持されているフォーム材は、形状回復力以上の形状保持力を有している。よって、形状回復力が形状保持力を上回ると、形状回復性が発現する。よって、形状回復させるためには、形状保持力を小さくするか、完全に無くすことが有効な手段となる。本発明では熱を加えることで形状保持力を減少あるいは無くすことが可能である。この形状回復力は、以下の機構によるものと考えられる。
【0035】
(第1の形状回復機構)
本発明の形状記憶性フォーム材の形状回復性は、フォームの固体部分である骨格やセル膜の弾性力に起因する。本発明の形状記憶性フォーム材が形状保持されている時は、先に述べた形状保持力すなわち気泡の膜同士の固着力と独立気泡の圧縮によって作用する大気圧が、フォームの固体部分の弾性力以上であり、これにより圧縮された状態で形状が保持されている。形状保持力である気泡の膜同士の固着力と、独立気泡の圧縮により発生した大気圧を減少あるいは無くすことが出来れば、フォームの固体部分の弾性力により形状回復性が発現する。
【0036】
圧縮状態の形状を保持したフォーム材は、気泡の膜を構成する高分子材料同士が密着して相互溶解した状態で分子運動は不活発となり固着現象が発現している。これを加熱することで気泡の膜を構成する高分子材料の分子運動が活発になり、固着していた気泡の膜同士が分離し、フォーム材の固体部分の弾性力により形状回復性が発現する。即ち、固着力により保持されていたフォーム材の圧縮形状が、熱を加えることで固着力が低下して圧縮形状が保持されなくなり、形状が回復する。これが、本発明の形状記憶性フォームに形状回復性が発現する第1の機構である。
【0037】
(第2の形状回復機構)
また、フォーム材に独立気泡が含まれている場合、圧縮状態の形状を保持したフォーム材は空気の分子運動とフォーム材の固体部分を構成する高分子の分子運動はともに不活発であるため、空気は容易に気泡の膜を透過することは出来ず、外部から独立気泡内に流入することはない。しかし、このフォーム材を加熱することで、空気の分子運動とフォーム材の固体部分を構成する高分子の分子運動はともに活発となり、空気は容易に独立気泡の膜を透過するようになる。そして、流入した空気の圧力が大気圧に抗う反力となり、大気圧により圧縮状態を保持されていたフォーム材は、固体部分の弾性力により形状回復性が発現する。即ち、大気圧により圧縮状態で保持されていたフォーム材の形状が、熱により保持されなくなり、形状が回復する。これが、本発明の形状記憶性フォームに形状回復性が発現する第2の機構である。
【0038】
以上に述べた2つの形状回復機構が発現するためには、加熱する必要がある。加熱しない場合は、形状保持性が発現したままとなり、容易に形状回復しない。本発明では、加熱することが形状回復性発現の必須要件である。
【0039】
以上が、本発明者らが推定した本発明の形状記憶性フォーム材の形状保持性と形状復元性とが発現する理由である。
【0040】
尚、本発明の形状記憶性フォーム材を保管する場合には、低温で保管することが望ましい。形状記憶性フォーム材は熱により圧縮前の形状に復元するため、特に夏期等に密閉状態で長期に保管されると、徐々に厚さ方向に膨張を起こすことがある。
【0041】
本発明の形状記憶性フォーム材は例えば建築物や産業用機器、自動車における継ぎ目の流体シール、防音、断熱の目的に使用することが出来る。装着に際して圧縮状態が維持されているため、従来のフォーム材のように、圧縮状態のフォーム材の復元力に抗った状態を保ったまま前記の処理部位に装着する必要がなく、作業性が極めて良好である。また、加熱により形状回復するため、隙間の形状に関係なく隙間無く充填されるため、流体シール、防音、断熱の性能にも優れる。また、産業用機器や自動車等では、運転により熱が発生するため、形状回復のための加熱を省略できる場合もある。
【0042】
以下に、本発明の形状記憶性フォーム材の一用途としてエンジン用防音カバーを例示する。
【0043】
図1はV型エンジン20に使用されるエンジン用防音カバー10を例示する斜視図である。このエンジン用防音カバー10は、金属や樹脂からなるカバー本体11のエンジン側の面(内表面)の略全面に防音材としてフォーム材12を設けて形成されており、吸気マニホールド13や吸気コレクタ14等に設けられた締結孔15にボルト(図示略)により固定される。
【0044】
エンジン20の形状は複雑であるため、従来ではフォーム材12をその厚さ方向に圧縮した状態でエンジン20に装着され、フォーム材12自体の弾性力で厚みが復元することにより、カバー本体11とエンジン20との間の隙間を埋めて防音効果を高めるようになっている。しかし、フォーム材12は圧力を開放すると瞬時に復元するため、圧縮状態のフォーム材12をその復元力に抗った状態を維持しながらエンジン用防音カバー10をエンジン20に装着しなければならず、装着の作業性が非常に悪い。
【0045】
フォーム材12を薄くすれば装着の作業性は良くなるものの、エンジン20との間に隙間が生じるため、防音性能が十分ではなくなる。また、柔らかいフォーム材12を使用することにより圧縮状態からの復元力を下げることもできるが、その効果は僅かであり、むしろフォーム材12の強度低下につながり、寿命が短くなるなどの不具合を招くようになる。
【0046】
また、エンジン20の形状に合わせてフォーム材12を成形してもよいが、エンジン20の機種毎、更にエンジン20の複数箇所に装着する場合には装着箇所毎にフォーム材12を用意しなければならず、製品コストの上昇を招いてしまう。しかも、フォーム材12はエンジン20と圧接していないため、エンジン20との間に僅かではあるが隙間が生じるのは避けられず、防音性能の点でも問題がある。
【0047】
そこで、フォーム材12として本発明の形状記憶性フォーム材を使用する。図2に示すように(簡単のために、エンジン20と形状記憶性フォーム材21のみを示している)、形状記憶性フォーム材21はその厚さ方向に圧縮された状態で保持されており、従来のフォーム材のように圧縮状態のフォーム材の復元力に抗することなくエンジン20に装着可能である。この状態では、図示されるようにエンジン20と形状記憶性フォーム材21との間には隙間が存在する。そして、図3に示すように、圧縮状態にある形状記憶性フォーム材21を所定温度に加熱すると、形状記憶性フォーム材21が厚み方向に膨張して前記隙間を埋めてエンジン20との密接な接合状態が得られる。このように、本発明の形状記憶性フォーム材を使用することにより、エンジン20への装着が容易であるばかりでなく、防音性能も良好なものとなる。
【0048】
尚、形状回復のための加熱方法は特に制限されるものでは無く、所定温度に加熱した熱板をカバー本体11に押し当てる、あるいはドライヤーにより熱風を吹き付ける等の方法を採ることができる。また、一般的な自動車でもエンジンをアイドリング運転することにより、ボンネット内の温度が80℃程度まで上昇することが多いが、形状記憶性フォーム材の中には前記の温度以下、例えば75℃程度で形状が復元するものもあり、その場合は特に加熱操作を行わなくともエンジン20をアイドリング運転するだけでよく、装着のための作業工数を減らすことができる。
【0049】
【実施例】
以下、本発明を実施例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0050】
(実施例1)
EPDM製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が100kg/m3、吸水率が0.071 g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、75℃の熱プレスで厚さ5mmのスペーサとともに圧縮し、直ちにこの圧縮状態を30分間保持してプレスを常温(25℃)まで冷却し、冷却後に圧力を開放して試験フォーム材を作製した。
【0051】
(実施例2)
EPDM製で、未圧縮状態における厚さが30mm、嵩密度が100kg/m3、吸水率が0.071 g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、実施例1と同様に加熱圧縮、冷却、圧力解除して試験フォーム材を作製した。
【0052】
(実施例3)
NBR製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が120kg/m3、吸水率が0.058g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、実施例1と同様に加熱圧縮、冷却、圧力解除して試験フォーム材を作製した。
【0053】
(実施例4)
EPDM製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が50kg/m3、吸水率が0.056 g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、実施例1と同様に加熱圧縮、冷却、圧力解除して試験フォーム材を作製した。
【0054】
(実施例5)
SBR製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が100kg/m3、吸水率が0.070g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、実施例1と同様に加熱圧縮、冷却、圧力解除して試験フォーム材を作製した。
【0055】
(実施例6)
天然ゴム製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が100kg/m3、吸水率が0.082g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、実施例1と同様に加熱圧縮、冷却、圧力解除して試験フォーム材を作製した。
【0056】
(比較例1)
EPDM製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が460kg/m3、吸水率が0.0028 g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、実施例1と同様に加熱圧縮、冷却、圧力解除して試験フォーム材を作製した。
【0057】
(比較例2)
EPDM製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が120kg/m3、吸水率が0.0024 g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、実施例1と同様に加熱圧縮、冷却、圧力解除して試験フォーム材を作製した。
【0058】
(比較例3)
軟質ウレタン製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が25 kg/m3、吸水率が0.76 g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、実施例1と同様に加熱圧縮、冷却、圧力解除して試験フォーム材を作製した。
【0059】
(比較例4)
天然ゴム製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が150 kg/m3、吸水率が0.59 g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、実施例1と同様に加熱圧縮、冷却、圧力解除して試験フォーム材を作製した。
【0060】
(比較例5)
EPDM製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が100kg/m3、吸水率が0.071 g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、25℃(加熱無し)のプレスで厚さ5mmのスペーサとともに圧縮し、この圧縮状態を30分間保持した後、圧力を開放して試験フォーム材を作製した。
【0061】
(比較例6)
EPDM製で、未圧縮状態における厚さが15mm、嵩密度が100kg/m3、吸水率が0.071 g/cm3のフォーム材(50mm×50mm) を、75℃の熱プレスで厚さ5mmのスペーサとともに圧縮し、この圧縮状態を30分間保持してた後、冷却せずに圧力を開放して試験フォーム材を作製した。
【0062】
尚、各実施例の試験フォーム材の未圧縮状態での気泡構造は連続気泡と独立気泡の混成気泡構造である。これに対して比較例1、2の試験フォーム材の未圧縮状態での気泡構造は独立気泡であり、特に比較例1では嵩密度が高い。また、比較例3、4の試験フォーム材の未圧縮状態での気泡構造は連続気泡構造である。また、比較例5、6の試験フォーム材の未圧縮状態での気泡構造は連続気泡と独立気泡の混成気泡構造である。
【0063】
また、実施例及び比較例において、形状保持操作を施した試験フォーム材は各2体作製し、1体は形状保持性試験に、1体は形状回復試験に供した。形状保持性試験では、試験フォーム材を30℃の恒温層に投入し、24時間後、72時間後、168時間後の厚さを測定した。また、形状回復性試験では、試験フォーム材を75℃の恒温層に投入し、5分後、10分後、30分後の厚さを測定した。各試験結果を表1及び表2に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
試験の結果、各実施例及び比較例2の試験フォーム材は形状保持操作を行うことで、圧力を開放してもほぼスペーサ厚さである5mmに圧縮された状態となった。また、形状回復試験を行ったところ、各実施例のフォーム材および比較例2のフォーム材は5分後には形状がほぼ回復した。しかし、形状保持性試験を行ったところ、各実施例の試験フォーム材は168時間が経過後も厚さはほぼ一定のままであったのに対し、比較例2の試験フォーム材は形状保持性試験開始から少なくとも24時間後には厚さが回復し始め、72時間後にはほぼもとの厚さに形状が回復した。また、比較例1、3〜6の試験フォーム材は圧力解放後に直ちに厚さが回復し、形状が保持されなかった。
【0067】
このように、本発明に従い、出発フォーム材を加熱圧縮、冷却、圧力解除して作製された形状記憶性フォーム材は、形状保持性及び形状回復性ともに良好である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、流体シール、防音、断熱の各性能に優れるとともに、処理部位への装着作業性にも優れるフォーム材が得られる。また、製造に際しても特殊な材料や設備を必要とせず、安価に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形状記憶性フォーム材の一用途であるエンジン用防音カバーの一例(V型エンジン用)を示す概略斜視図である。
【図2】図1のエンジン用防音カバーのエンジンへの装着状態(加熱前)を説明するための模試図である。
【図3】本発明のエンジン用防音カバーのエンジンへの装着状態(加熱後)を説明するための模試図である。
【符号の説明】
10 エンジン用防音カバー
11 カバー本体
12 (形状記憶性)フォーム材
13 吸気マニホールド
14 吸気コレクタ
15 締結孔
20 エンジン
21 形状記憶性フォーム材
Claims (4)
- EPDM 、 NBR 、 SBR 及び天然ゴムから選択され、かつ、 JIS K6767 のB法による吸水率が0.02g/cm3以上、0.15g/cm3未満であるフォーム材を加熱圧縮し、この圧縮状態を維持したまま冷却し、冷却後に圧力を開放することにより得られ、かつ加熱により略圧縮前の形状に復元することを特徴とする形状記憶性フォーム材。
- フォーム材の嵩密度が400kg/m 3 以下であることを特徴とする請求項1記載の形状記憶性フォーム材。
- EPDM 、 NBR 、 SBR 及び天然ゴムから選択され、かつ、 JIS K6767 のB法による吸水率が0.02g/cm3以上、0.15g/cm3未満であるフォーム材を加熱圧縮し、圧縮状態で冷却した後、圧力を開放することで、圧縮状態の形状を保持させることを特徴とする形状記憶性フォーム材の作製方法。
- フォーム材の嵩密度が400kg/m 3 以下であることを特徴とする請求項3記載の形状記憶性フォーム材の作製方法。
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