JP3778131B2 - 電力変換システム及び、それに用いるフィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力変換システムに関し、特に、半導体スイッチング素子の高耐圧化,スイッチング周波数の高周波化に起因して流れる零相電流,漏洩電流を低減するフィルタを用いた電力変換システム、及びそれに用いるフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
電力変換装置を構成するIGBT等のスイッチング素子の高耐圧化,高速化に伴い、電力変換装置のスイッチング電圧の増加,スイッチング周波数の高周波化が進んでいる。一般に、電力変換装置のスイッチングは零相電流の原因となり、電力変換装置に接続される負荷,電源、それらを接続する電力線と大地間の寄生容量を介して、大地へ流れる漏洩電流の原因となることが知られている。このため、スイッチングの高電圧化,高速化は零相電流,漏洩電流を増加させ、電磁誘導ノイズや伝導ノイズとして、周辺機器に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0003】
このようなノイズ障害を防ぐため、従来、電力変換装置と負荷,電源の間を結ぶ電力線を、磁性コアに巻線しチョークコイルフィルタを構成し、つまり高周波で高インピーダンスとして働くインダクタンスを電力線に挿入し、零相電流,漏洩電流を低減する方法が用いられてきた。
【0004】
一方、特開平9−283350号公報に記載された従来技術によれば、上記のチョークコイルの磁性材にナノ結晶軟磁性合金薄帯とよばれる高透磁率材料を用いることが提案されている。
【0005】
また、特開平7−22886号公報に記載された従来技術によれば、上記のチョークコイルの磁性材をフェライト材と鉄系高透磁率材料を組み合わす方法が提案されている。
【0006】
また、特開平2001−86734号公報に記載された従来技術によれば、コモンモード電流還流線と呼ばれる負荷,電源の接地線間を接続する接地線を、電力線と共に貫通穴の有る磁性材に巻線することで、漏洩電流を低減する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術において、チョークコイルを用いる場合、高電圧,高速のスイッチングに伴う零相電流,漏洩電流の増加を防ぐためには、より高インピーダンスとなるような大きなインダクタンスを作らなくてはいけない。そのため、大量の磁性コアを用いなくてはならず、大型化するという問題がある。大きなインダクタンスのフィルタを高透磁率材料で小さく作る場合、電流が大きいと高透磁率材料が磁気飽和しやすく、チョークコイルとして機能しなくなる可能性がある。
【0008】
また、接地線と電力線を共に磁性材に巻線したフィルタでは、漏洩電流は低減するものの、電力変換装置,負荷,電源間を流れる零相電流の低減には殆ど効果がないため、接地線と電力線で囲まれた回路が作る誘導磁界によるノイズを低減することができない。そこで、別にチョークコイルを追加する必要があり、大型化,コスト増加が問題となる。
【0009】
本発明は、零相電流と漏洩電流の両方を低減するフィルタを簡単な構成で実現し、電力変換装置のスイッチングの高電圧化,高速化に伴う、フィルタの大型化,コスト増加を抑制することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの特徴は、電力変換装置を、電力線が第1,第2の磁性コアからなる複数の磁性コアに一度にn回(n≧1)巻きされ、接地線が第2の磁性コアにm回(m≧1)巻きされ、電力変換装置から負荷の方向へ電力線に電流が流れたときに第2の磁性コアに生じる磁場と、負荷の筐体から前記電力変換装置の筐体の方向へ接地線に電流が流れたときに第2の磁性コアに生じる磁場が、打ち消し合うような巻方向に電力線と接地線が巻回されているものとすることにある。
【0011】
さらに、本発明の他の特徴は、零相電流等を低減するフィルタを、3本の導体線が一度にn回(n≧1)巻きされた第1の磁性コアと第2の磁性コアを有し、第2の磁性コアには導体線がm回(m≧1)巻かれているものとすることにある。
【0012】
尚、本発明のその他の特徴は本願特許請求の範囲に記載の通りである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関わるフィルタ,電力変換装置の実施例を図面に従って説明する。
【0014】
図1に、本発明を適用した電力変換システムの第1の実施形態を示す。三相の交流電源8から交流電力が、導体線からなる電力線1′を介して電力変換装置9に供給され、電力変換装置9は電圧スイッチングを行い、電力線1で接続された負荷11の制御している。また、電力変換装置の筐体10は、負荷の筐体12,交流電源の導体線からなる接地線13と接地線3,3′で接続され接地されている。また、筐体10,筐体12は、感電防止用に導体線からなる接地線14,15を設けている。本発明のフィルタ5は、電力変換装置と負荷を結ぶ電力線1,接地線3の間に接続される。
【0015】
本発明の特徴に係るフィルタ5について、第1のフィルタの構成図を図2に示す。図2では、電力線1,接地線3は、左側が電力変換装置へ、右側が負荷へ接続する方向とする。3本の電力線1は第1の磁性コア2,第2の磁性コア2′に、同時に1ターンの巻線をしている。1本の接地線3は、第2の磁性コア2′に、電力線と同数の1ターンの巻線をしている。それぞれ線の磁性コアへの巻線方向は、電力線1に電力変換装置から負荷の方向へ電流が流れたときに磁性コア2′にできる磁場と、接地線3に負荷から電力変換装置の方向へ電流が流れたときに磁性コア2′にできる磁場が打ち消し合うように巻線方向をとる。このような構成をとることで、フィルタは、大電流が流れ、断面積の大きな電力線1を一度の巻線工程で巻くことが出来て、製作工程の低減とフィルタ小型化が図れる。
【0016】
このように構成された図1の動作を次に説明する。図11に図1の零相電流,漏洩電流に着目したときの等価回路を示す。電力変換装置は矩形波の電圧源9′,モータは寄生容量11′、フィルタは電力線に直列に接続されたインダクタンス,接地線と電力線が同極性のトランスにモデル化される。フィルタ5′のインダクタンスは、零相電流,漏洩電流ともに高インピーダンスとして働き、トランスは漏洩電流に対して高インピーダンスとして働く。つまり、大地に流れる漏洩電流に対しては、インダクタンス,トランスの2つが高インピーダンスとして働くため、漏洩電流は大幅に低減する。トランスに流れる電流は、電力線に流れる零相電流と、逆向きの接地線3に流れる電流の合計となり、大地に流れる漏洩電流と同じである。つまり、漏洩電流は、零相電流に比べて小さい。
【0017】
ここで本発明のフィルタ5,チョークコイル,トランスについて、インダクタンスを一定(250μH)として構成したフィルタの効果を、シミュレーションした。図12,図13に零相電流,漏洩電流の周波数特性の結果を示す。実際の使用状態での各電流の問題となる周波数は約100kHz程度であるので、その周波数帯で比較すると、本フィルタは、フィルタ無しに比べ、零相電流はトランスよりも大幅に下がり、チョークコイルと同程度まで下がっている。また、漏洩電流は、全ての周波数でチョークコイルより下がり、100kHz以上の高周波帯ではトランス,チョークコイルよりも大幅に下がる。トランスよりも大幅に下がる理由は、トランスが零層電流をそのままに、漏洩電流だけを下げようとしているのに対して、本発明のフィルタはまず零相電流を下げているため、その一部である漏洩電流をさらに下げることが出来るからである。よって、本フィルタ構成は、零相電流と漏洩電流の両方を効率よく下げることができる。
【0018】
インダクタンス一定の条件、つまり、磁性コアの材料,体積が同じ条件では、本構造のように、磁性コアの半分を第1の磁性コア,残り半分を第2の磁性コアとして利用するほうが、零相電流,漏洩電流を最も効率よく下げることが出来る。
【0019】
第1の磁性コアと第2の磁性コアのインダクタンス和が一定条件で、第1と第2の磁性コアのインダクタンスの割合(この場合は、体積の割合)を変化させたときの100kHz,150kHzの漏洩電流レベルの比較を図19に示す。図から割合をほぼ半々(50%ずつ)に振り分けたときに、漏洩電流がもっとも下がっているがわかる。また、第1の磁性コアの割合を30%〜70%にすれば十分な低減効果が得られることが分かる。
【0020】
図3に本発明のフィルタの等価回路を示す。図2では右側に電力変換装置、左側に負荷を接続する方向としたが、接続方向を逆向きにしても、図3から同様の効果がえられることがわかる。
【0021】
図17に第2のフィルタ構成図を示す。図3より、第1,第2の磁性コアにそれぞれ別々に電力線を巻いても電気的には等価となり、効果があることが判る。図2では、磁性材2は円形であるが、U字型の磁性材を2つ組み合わせた楕円形の磁性材を用いてもよい。また、E型やI型の磁性材を向き合わせ巻線用の穴を形成したものでもよい。
【0022】
図18に第3のフィルタ構成図を示す。コアを1つで第1と第2の磁性コアの役割を果たすように、1つのコアの中央に穴をあけ、そこから接地線を出すことにより,コアを1つで構成することが出来る。
【0023】
本実施形態においては第1の磁性コア及び第2の磁性体に同時に1回電力線を巻回し、第2の磁性コアに一回接地線を巻き回したが、巻かずに、1度通すだけ、もしくは、2回以上巻きまわしても良い。巻き数は、物理的に磁性材に巻きまわせ、かつ、磁性コアを飽和させなければよい。
【0024】
図4に本発明を適用した電力変換システムの第2の実施形態を示す。図1と異なる点は、フィルタの接地線が、電力変換装置の筐体10ではなく、電源の接地部位13に接続されている点である。これは、電力線,電源,負荷と大地の寄生容量より、電力変換装置と大地の寄生容量が小さい場合に有効である。このとき、漏洩電流は電源8の寄生容量を通じて電力変換装置に戻る。本構成をとることで、前記と同様に零相電流,漏洩電流の両方を低減することができる。
【0025】
図5に本発明を適用した電力変換システムの第3の実施形態を示す。図1と異なる点は、フィルタが電源8と電力変換装置10の間に接続されていることである。これは、電源,電力変換装置の間で漏洩電流,零相電流が問題となる場合に有効である。このとき、漏洩電流は電力変換装置10と大地の寄生容量,大地,電源8と大地の寄生容量,電源線を通じて電力変換装置に戻る。本構成をとることで、前記と同様に、零相電流,漏洩電流を低減することができる。
【0026】
図6に本発明の特徴に係る第4のフィルタの構成図を示す。図2と異なる点は、フィルタの接地線3が巻かれた第2の磁性コア2′を、電力線のみを巻線した第1の磁性コア材より高い透磁率材料の磁性コア2″を使用する点である。電力線1には零相電流が流れ、接地線3には零相電流の大部分が電力線と逆向きに流れるため、電力線1と接地線3の両方が通る磁性材を貫通する電流は、見かけ上、打ち消し合い小さくなる。この電流は漏洩電流で、零相電流より小さい。このため、磁性コアは、それを貫通する電流波形のピーク値に対して、飽和を考慮し、材料とコア寸法を選定する。漏洩電流波形のピーク値が零相電流の波形ピーク値より小さいため、飽和電流値が小さい。このため、第2の磁性コアの材料は、高透磁率材料を使え、同インダクタンスを小さい体積で実現することができる。数値例を示すと、第1の磁性コアに比透磁率1000〜2000のフェライトを使用した場合、第2の磁性コアに比透磁率1000〜2000のフェライトを使用する場合よりも、比透磁率10000〜100000の鉄系高透磁率材料を使用した方が、理想的には10%程度の小さい体積で同インダクタンスを実現することができる。ただし、高透磁率材料の周波数による劣化があるため、実際には30%程度の体積となる。
【0027】
本発明のフェライトカットコア,リング状の鉄系高透磁率材料を使った実施例の見取り図を図14に示す。フェライトカットコア18,リング状の高透磁率材料19を用い、それぞれ、フェライトコア固定台24と高透磁率コア固定台25で固定されている。電力線用バスバー20は電力線バスバー固定台23で固定されている。それぞれを別々に固定することで、磁性コアとバスバーの間隔を保ち、振動による破損と絶縁破壊を防いでいる。ターン数は3ターンで、ターン間の接続は、接続用バスバー22を用いている。
【0028】
フェライトは透磁率が低く、カットコアを用いても、コア隙間のインダクタンスへの影響が少ない。フェライトコア部の断面図を図15に示す。フェライトカットコアを利用することで、U型フェライトコア2個の内側のバスバー占有率をあげ、小型化することが可能となる。
【0029】
一方、高磁率材料は、隙間のインダクタンスへの影響が大きくカットコアを使うことができない。そこで、リング状の高透磁率コア19に、電力線用バスバー20を通す構造が必要となる。リング状の高透磁率コア19と電力線用バスバー20の組図を図16に示す。電力線用バスバー上部にコアが通る隙間がある構造とすることで、リング状高透率コアに電力線用バスバーを通すことができる。
【0030】
図7に本発明の特徴に係る第5のフィルタの構成図を示す。図2と異なる点は、大地の電位変動による電流が磁性材を飽和させないように、フィルタの接地線3に低インピーダンスの抵抗6を直列接続したことである。抵抗6の値Rは、低減したい漏洩電流の周波数f,電力線と接地線両方が巻かれている磁性コア部のインダクタンスLから、式(1)を満たすように決定すればよい。
【0031】
【数1】
R≪2πfL …(1)
零相電流の1/10まで漏洩電流を低減したい場合は、式(2)のように抵抗の値Rを決定すればよい。
【0032】
【数2】
【0033】
図8に本発明の特徴に係る第5のフィルタの構成図を示す。図2と異なる点は、大地の電位変動によるフィルタ効果の低下を防ぐために、抵抗に替えて、接地線3にコンデンサを接続したことである。コンデンサ7の値は、低減したい漏洩電流の周波数f,電力線と接地線両方が巻かれている磁性コア部のインダクタンスLから、式(3)を満たすように決定すればよい。
【0034】
【数3】
【0035】
零相電流の1/10まで漏洩電流を低減したい場合は、式(4)のように抵抗の値Rを決定すればよい。
【0036】
【数4】
【0037】
図5では電力変換装置の三相の電源線に本発明を適用したが、一般の電気機器の3線式電源コード,電気機器を接続する信号線にも適用できる。図9に3線式電源コード,図10に信号ケーブルに用いた例を示す。
【0038】
上述した各実施形態では、本発明を三相の電力変換システムに適用した例について説明したが、電力変換装置に限らずスイッチングによる負荷の制御を伴う装置について適用できる。また、各実施形態では各筐体を大地に接地する場合について示したが、筐体を大地に接地しない、各筐体の間を結ぶ接地線のみがあるシステムについても適用できる。
【0039】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、零相電流と漏洩電流の両方を低減するフィルタを簡単な構成で実現し、電力変換装置のスイッチングの高電圧化,高速化に伴う、フィルタの大型化,コスト増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる第1の実施形態の電力変換システム図である。
【図2】本発明の特徴に係る第1のフィルタの構成図である。
【図3】本発明の特徴に係るフィルタの等価回路図である。
【図4】本発明を適用してなる第2の実施形態の電力変換システム図である。
【図5】本発明を適用してなる第3の実施形態の電力変換システム図である。
【図6】本発明の特徴に係る第4のフィルタの構成図である。
【図7】本発明の特徴に係る第5のフィルタの構成図である。
【図8】本発明の特徴に係る第6のフィルタの構成図である。
【図9】本発明の特徴に係るフィルタを用いた電源コードの図である。
【図10】本発明の特徴に係るフィルタを用いた信号ケーブルの図である。
【図11】動作を説明するために、図1を、簡単な等価回路で表した図である。
【図12】本発明の効果を説明するために、従来例と比較した零相電流のシミュレーション結果である。
【図13】本発明の効果を説明するために、従来例と比較した漏洩電流のシミュレーション結果である。
【図14】フェライトカットコア,リング状の鉄系高透磁率材料を使った実施例(見取り図)である。
【図15】図14のフェライトコア部の断面図である。
【図16】図14の組図である。
【図17】本発明の特徴に係る第2のフィルタの構成図である。
【図18】本発明の特徴に係る第3のフィルタの構成図である。
【図19】第1のコアと第2のコアのインダクタンスの割合と漏洩電流低減効果の関係を示す図である。
【符号の説明】
1,1′,1″…電力線、2,2′,2″…磁性コア、3,3′,13,14,15…接地線、4…高透磁率の磁性コア、5,5′…本発明の特徴に係るフィルタ、6…抵抗、7…コンデンサ、8…交流電源、9,9′…電力変換装置、10,12…筐体、11,11′…モータ、16…3線式電源コードコネクタ、17…信号ケーブルコネクタ、18…フェライトカットコア、19…リング状の高透磁率コア、20…電力線用バスバー、21…接地線用ケーブル、22…ターン間接続用バスバー、23…電力線バスバー固定台、24…フェライトカットコア固定台、25…高透磁率コア固定台、26…電力線用バスバーの絶縁部、27…電力線用バスバーの伝導部、28…電力線用バスバーの1ターン、29…電力線用バスバーの2ターン、30…電力線用バスバーの3ターン。
Claims (19)
- 電力変換装置と、前記電力変換装置に電力線で接続された負荷と、前記電力変換装置の筐体と前記負荷の筐体とを接続する接地線と、前記電力変換装置と前記負荷との間に配置したフィルタとを有する電力変換システムにおいて、
前記フィルタが第1の磁性コアと第2の磁性コアとを備え、
該第1の磁性コアに前記電力線がl回(l≧1)巻きされ、該第2の磁性コアに前記電力線がn回(n≧1)巻き、かつ前記接地線がm回(m≧1)巻きされ、
前記電力変換装置から前記負荷の方向へ前記電力線に電流が流れたときに前記第2の磁性コアに生じる磁場と、前記負荷の筐体から前記電力変換装置の筐体の方向へ前記接地線に電流が流れたときに前記第2の磁性コアに生じる磁場とが、打ち消し合う巻方向に前記電力線と前記接地線とが巻回されていて、
前記フィルタの第1の磁性コアのインダクタンスと第2の磁性コアのインダクタンスとの和に対する前記第1の磁性コアのインダクタンスの割合が30%〜70%であることを特徴とする電力変換システム。 - 電力変換装置と、前記電力変換装置に電力線で接続された負荷と、前記電力変換装置に電力を供給する電源と、前記電源の接地部位と前記負荷の筐体とを接続する接地線と、前記電力変換装置と前記負荷との間に配置したフィルタとを有する電力変換システムにおいて、
前記フィルタが第1の磁性コアと、第2の磁性コアとを備え、
該第1の磁性コアに前記電力線がl回(l≧1)巻きされ、該第2の磁性コアに前記電力線がn回(n≧1)巻き、かつ前記接地線がm回(m≧1)巻きされ、
前記電力変換装置から前記負荷の方向へ前記電力線に電流が流れたときに前記第2の磁性コアに生じる磁場と、前記負荷の筐体から前記電源の接地部位の方向へ前記接地線に電流が流れたときに前記第2の磁性コアに生じる磁場とが、打ち消し合う巻方向に前記電力線と前記接地線とが巻回されていて、
前記フィルタの第1の磁性コアのインダクタンスと第2の磁性コアのインダクタンスとの和に対する前記第1の磁性コアのインダクタンスの割合が30%〜70%であることを特徴とする電力変換システム。 - 電力変換装置と、前記電力変換装置に電力線で接続された電源と、前記電源の接地部位と前記電力変換装置の筐体を接続する接地線と、前記電力変換装置と前記電源との間に配置したフィルタとを有する電力変換システムにおいて、
前記フィルタが第1の磁性コアと、第2の磁性コアとを備え、
該第1の磁性コアに前記電力線がl回(l≧1)巻きされ、該第2の磁性コアに前記電力線がn回(n≧1)巻き、かつ前記接地線がm回(m≧1)巻きされ、
前記電源から前記電源装置の方向へ前記電力線に電流が流れたときに前記第2の磁性コアに生じる磁場と、前記電源装置の筐体から前記電源の接地部位の方向へ前記接地線に電流が流れたときに前記第2の磁性コアに生じる磁場とが、打ち消し合う巻方向に前記電力線と前記接地線が巻回されていて、
前記フィルタの第1の磁性コアのインダクタンスと第2の磁性コアのインダクタンスとの和に対する前記第1の磁性コアのインダクタンスの割合が30%〜70%であることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1に記載の電力変換システムにおいて、
前記電力線が前記第1の磁性コアと,第2の磁性コアとからなる複数の磁性コアに一度にn回(n≧1)巻きされ、
前記接地線が前記第2の磁性コアにm回(m≧1)巻きされていることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項2に記載の電力変換システムにおいて、
前記電力線が前記第1の磁性コア及び第2の磁性コアに一度にn回(n≧1)巻きされ、
前記接地線が前記第2の磁性コアにm回(m≧1)巻きされていることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項3に記載の電力変換システムにおいて、
前記電力線が前記第1の磁性コアと,第2の磁性コアとに一度にn回(n≧1)巻きされ、
前記接地線は前記第2の磁性コアにm回(m≧1)巻きされていることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1から6のいずれかに記載の電力変換システムにおいて、
前記電力線の巻き数nと前記接地線の巻き数mが同数であることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1から6のいずれかに記載の電力変換システムにおいて、
前記第2の磁性コアに使用される材料の比透磁率が、前記第1の磁性コアに使用される材料の比透磁率よりも高いことを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1から6のいずれかに記載の電力変換システムにおいて、
前記第1の磁性コアの材料にフェライトを使用し、
前記第2の磁性コアの材料に鉄系材料を使用したことを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1から6のいずれかに記載の電力変換システムにおいて、
前記第1の磁性コアに使用される材料の比透磁率を1000〜2000とし、
前記第2の磁性コアに使用される材料の比透磁率を10000〜100000とすることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1から6のいずれかに記載の電力変換システムにおいて、
前記フィルタが、第2の磁性コアに巻いた接地線に抵抗器を接続してあることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1から6のいずれかに記載の電力変換システムにおいて、
前記フィルタが、第2の磁性コアに巻いた接地線にコンデンサを接続してあることを特徴とする電力変換システム。 - 3本の導体線が一度にn回(n≧1)巻きされた第1の磁性コアと第2の磁性コアを有し、
前記第2の磁性コアには該3本の導体線とは別の導体線がm回(m≧1)巻かれていて、
前記第1の磁性コアのインダクタンスと第2の磁性コアのインダクタンスとの和に対する前記第1の磁性コアのインダクタンスの割合が30%〜70%であることを特徴とするフィルタ。 - 請求項13において前記第1の磁性コアと第2の磁性コアにn回巻きされた3本の導体線は電力線であり、前記m回巻きされた別の導体線は接地線であることを特徴とするフィルタ。
- 請求項12または13のいずれかに記載のフィルタにおいて、
前記巻数mと巻数nとは同数であることを特徴とするフィルタ。 - 請求項4に記載の電力変換システムにおいて、
前記フィルタの第1の磁性コアと第2の磁性コアとが一体になっており、
該一体になった磁性コアが側面に穴部を有する円筒形を成し、
前記電力線が該磁性コアにl回(l≧1)巻きされ、
前記接地線が前記磁性コアの穴部を通して巻かれていることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1から6のいずれかに記載の電力変換システムにおいて、
前記第1の磁性コアのインダクタンスの割合が50%であることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項1から6のいずれかに記載の電力変換システムにおいて、
前記第1の磁性コアの体積と前記第2の磁性コアの体積との和に対する前記第1の磁性コアの体積の割合が、30%〜70%であることを特徴とする電力変換システム。 - 請求項18に記載の電力変換システムにおいて、
前記第1の磁性コアの体積の割合が50%であることを特徴とする電力変換システム。
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