JP3778022B2 - 木質床材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の木質床材は、厚さ5〜12mm程度の広葉樹(一般にラワン材)からなる3〜5プライの広葉樹合板の表面に0.3〜1.2mm程度の天然木化粧単板を取着して構成したものが一般的である。
【0003】
この従来の木質床材は、広葉樹合板の表面の硬度が低くて耐キャスター性が劣り、表面が凹んだりするという問題がある。また、広葉樹合板は防虫性が劣るという問題がある。
【0004】
また、広葉樹合板の原料となるラワンは乱伐採のため急激に減少している。このラワンの乱伐採により熱帯雨林が減少して地球環境の悪化の原因になっていると言われており、現在ではラワン材の資源保護や地球環境保護のため合板用の原木をラワン以外のものに求める必要に迫られている。
【0005】
そこで、資源保護や地球環境保護という観点から継続的に再生利用可能な樹種を選定する必要がある。この再生利用可能な樹種としては植林により再生される樹種が望ましく、植林されている樹種としては針葉樹が主体であり、また、針葉樹はラワンほど乱伐採されておらず、資源として利用可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、耐キャスター性に優れ、また、針葉樹を有効利用でき、しかも強度が強く且つ防虫性に優れている木質床材を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る木質床材は、基板1上に木質繊維板2を積層すると共に木質繊維板2上に突板3を積層してなる木質床材4であって、基板1が針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層した針葉樹芯材合板により構成してあることを特徴とするものである。このような構成とすることで、MDFのような中質繊維板等の木質繊維板2により硬度を上げて耐キャスター性を向上させることができ、また、基板1が針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層した針葉樹芯材合板により構成してあることで、基板1自体の硬度を上げることができていっそう耐キャスター性が向上するものである。また、基板1が針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層した針葉樹芯材合板により構成してあることで、針葉樹の芯材部分は細胞が死んだものであるため、硬くて強度が強く、また、防虫性に優れていてヒラタキクイムシ等の虫害が発生しないと共に腐食しにくいものである。
【0008】
また、針葉樹芯材合板と木質繊維板2及び突板3がコールドプレスにて固着してあることが好ましい。このような構成とすることで、ホットプレスのような過剰な反りが発生することなく、安定した品質の木質床材4を提供できるものである。
【0009】
また、突板3上面に下塗りと上塗りとよりなる表面処理層5を形成し、上塗り5bが紫外線硬化型塗料にフッ素系樹脂を混合したものを紫外線硬化して形成してあることが好ましい。このような構成とすることで、表面の耐衝撃性、耐汚染性、耐光性が優れた木質床材とすることができる。
【0010】
また、針葉樹としてラーチを用いることが好ましい。ラーチは芯材比率が高いので、針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を容易に得ることができるものである。また、ラーチは比重が大きく、硬度が高く且つ強度が強く且つ収縮率が小さいという特徴を有し、更に、耐腐食性、防虫性に優れている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
本発明において基板1は針葉樹芯材合板により構成してある。この針葉樹芯材合板は、針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層したものである。ここで、針葉樹の幹を幹の長手方向と直交する方向に切断すると、外周部に辺材があり且つ内周部に芯材があることが色の違いで視認できる。ここで、辺材は細胞が生きていて根から吸い上げた水分・養分を葉に運ぶ通導機能を有している部分であり、一方、芯材は辺材が変化したもので、細胞が死んだ部分である。本発明においてはこの細胞が死んだ部分である針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削して得た針葉樹芯材単板を用いて針葉樹芯材合板を形成している。そして、針葉樹の芯材は辺材に比べて比重が高いものであって、硬度が高く且つ強度が強く且つ収縮率が小さいという特徴を有し、更に、耐腐食性、防虫性に優れている。
【0013】
針葉樹といっても多種類あるが、芯材比率が高い針葉樹を用いて針葉樹芯材単板を得るのが好ましい。芯材比率が高い針葉樹としては、例えば、ラーチ(北洋カラマツ)を挙げることができる。
【0014】
針葉樹の芯材は上記のような特徴を有しているが、針葉樹の心材は辺材が変化したもので細胞が死んだものであり、このため、節が抜け節となる。そこで、本発明においては針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層して基板1を形成するに当たって、基板1の側端部の実加工部には抜け節がないこと、また、基板1の表裏面に死、抜け節があってもφ20mm以下の死、抜け節が3箇所以内のものを用いること、更に、抜け節に関してはパテにより埋めて平滑にするという条件下で針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を使用し、このような条件を満たす葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層して基板1を形成している。
【0015】
上記のような構成の針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層した針葉樹芯材合板により構成した基板1上に木質繊維板2を積層すると共に木質繊維板2上に突板3を積層して木質床材4が構成してある。
【0016】
図1、図2には一実施形態が示してあり、ラーチの芯材部分を薄単板状に切削して得た針葉樹芯材単板を5プライ積層した9.0mm厚の針葉樹芯材合板により基板1を形成し、この9.0mm厚の針葉樹芯材合板よりなる基板1の上に接着剤7aとして水性ビニルウレタン系接着剤を介して2.7mm厚のMDF(中質繊維板)よりなる木質繊維板2を積層すると共に木質繊維板2の上に接着剤7bとしてメラミン樹脂系接着剤を介して0.25mm厚の突板を積層して12mm厚の木質床材4を形成している。
【0017】
ここで、針葉樹芯材合板よりなる基板1と木質繊維板2及び突板3はコールドプレスにて積層固着することが好ましい。
【0018】
例えば、針葉樹芯材合板よりなる基板1ととMDF(中質繊維板)よりなる木質繊維板2との積層接着のためのコールドプレスの条件の一例を示すと、基板1の上に水性ビニルウレタン系接着剤を350g/3インチ×6インチ塗布し、圧力:8kg/cm2、圧締時間:40分、プレス温度:常温という条件でコールドプレスを行う。
【0019】
ここで、ホットプレスを行うことなく、コールドプレスにより積層したのは以下の理由による。すなわち、ホットプレスでは積層後の過剰な反りが生じるが、コールドプレスの場合には反りの発生が抑制され安定した品質を確保できる。なお、針葉樹芯材合板よりなる基板1ととMDF(中質繊維板)よりなる木質繊維板2とを接着するための接着剤としては水性ビニルウレタン系接着剤を使用すると例えば100枚を1山としてコールドプレスする際でも安定した品質を確保することができる。
【0020】
上記のような構成の木質床材4は基材1部分において実突部6や実突部6が嵌合される凹溝(図示せず)等の実加工を施すものである。
【0021】
そして、図3に示すように、木質床材4の上面の突板3の上面には突板3上面には表面処理層5を形成する。この表面処理層5は突板3の上面に下塗り5aを施し、更に上塗り5bを施すことで構成されるものであり、上塗り5bとしては紫外線硬化型塗料にフッ素系樹脂を混合し、更に酢酸エチル、酢酸ブチルを配合したものであり、紫外線を照射して硬化している。このように上塗り5bを紫外線硬化型塗料にフッ素系樹脂を混合したものを紫外線硬化して形成することで、表面の耐衝撃性、耐汚染性、耐光性が優れた木質床材4とすることができるものである。
【0022】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、基板上に木質繊維板を積層すると共に木質繊維板上に突板を積層してなる木質床材であって、基板が針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層した針葉樹芯材合板により構成してあるので、MDFのような中質繊維板等の木質繊維板により硬度を上げて耐キャスター性を向上させることができ、また、基板が針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層した針葉樹芯材合板により構成してあることで、基板自体の硬度も上げることができていっそう耐キャスター性が向上し、また、基板が針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層した針葉樹芯材合板により構成してあることで、針葉樹の芯材部分は細胞が死んだものであるため、硬くて強度が強く、また、防虫性に優れていて虫害が発生しないと共に腐食しにくいものである。
【0023】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、針葉樹芯材合板と木質繊維板及び突板がコールドプレスにて固着してあるので、ホットプレスのような過剰な反りが発生することなく、安定した品質の木質床材を提供できるものである。
【0024】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、突板上面に下塗りと上塗りとよりなる表面処理層を形成し、上塗りが紫外線硬化型塗料にフッ素系樹脂を混合したものを紫外線硬化して形成してあるので、表面の耐衝撃性、耐汚染性、耐光性が優れた木質床材とすることができる。
【0025】
また、請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、針葉樹としてラーチを用いたので、ラーチは芯材比率が大きくて効果的に針葉樹芯材単板を得ることができ、また、ラーチは比重が大きく、硬度が高く且つ強度が強く且つ収縮率が小さいので、耐キャスター性がより向上すると共に強度が強いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木質床材の断面図である。
【図2】同上の分解断面図である。
【図3】同上の木質床材の表面に表面処理層を形成した断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 木質繊維板
3 突板
4 木質床材
5 表面処理層
Claims (4)
- 基板上に木質繊維板を積層すると共に木質繊維板上に突板を積層してなる木質床材であって、基板が針葉樹の芯材部分を薄単板状に切削した針葉樹芯材単板を繊維の向きを直交させて積層した針葉樹芯材合板により構成してあることを特徴とする木質床材。
- 針葉樹芯材合板と木質繊維板及び突板がコールドプレスにて固着してあることを特徴とする請求項1記載の木質床材。
- 突板上面に下塗りと上塗りとよりなる表面処理層を形成し、上塗りが紫外線硬化型塗料にフッ素系樹脂を混合したものを紫外線硬化して形成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の木質床材。
- 針葉樹としてラーチを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の木質床材。
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