JP3777920B2 - コンクリート打設用型枠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリート打設用型枠に関し、特に、産業廃棄物を再利用する型枠に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃プラスチック,廃ガラスなどの産業廃棄物の有効利用を促進するために、種々の廃材を利用したコンクリート打設用型枠が製品化されている。例えば、ビデオテープなどの磁気テープの廃材を原料として、これを粉砕,熱処理によりカール化させ、バインダを加えて加圧及び加熱することで板状に形成した型枠板が市販されている。
【0003】
ところが、これまでに市販されている廃材を再生利用した型枠板には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、前述した磁気テープを再生利用した型枠板などは、コンクリートの打設側の面に凹凸や起毛があって、打設したコンクリートがこれらの凹凸や起毛に食い込んで固化するので、コンクリートの強度発現後に脱型する際に、脱型が非常に難しくなり、脱型することができない場合がある。
【0005】
このため、型枠板は、埋め殺しにせざるを得ず、埋め殺しにすると、転用することができないので、コストアップになるという問題もあった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、廃材を再利用する場合に、脱型が容易に行えるコンクリート打設用型枠を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかるコンクリート打設用型枠は、ガラスビンなどの廃ガラス,貝殻,蠣殻からなる産業廃棄物をチップ状に粉砕した後に、有機系樹脂などのバインダーで一体化させて板状に形成し、表面に凹凸や起毛がある廃材再生型枠板と、前記廃材再生型枠板のコンクリート打設側の面に貼着したコンクリート付着分離シートとを有し、前記コンクリート付着分離シートは、ビニル , テフロンなどの合成樹脂系不透水性シート、または、前記不透水性シートに貫通孔を形成した透水シート、あるいは、コンクリートの剥離性改良加工が施された不織布や織布からなる透水性繊維シートから選択するようにした。
また、本発明にかかるコンクリート打設用型枠は、ガラスビンなどの廃ガラス,貝殻,蠣殻からなる産業廃棄物をチップ状に粉砕した後に、溶融一体化させて板状に形成し、表面に凹凸や起毛がある廃材再生型枠板と、前記廃材再生型枠板のコンクリート打設側の面に貼着したコンクリート付着分離シートとを有し、前記コンクリート付着分離シートは、ビニル , テフロンなどの合成樹脂系不透水性シート、または、前記不透水性シートに貫通孔を形成した透水シート、あるいは、コンクリートの剥離性改良加工が施された不織布や織布からなる透水性繊維シートから選択するようにした
このように構成したコンクリート打設用肩枠板によれば、廃材再生型枠板のコンクリート打設側の面に凹凸や起毛があったとしても、廃材再生型枠板のコンクリート打設側の面にコンクリート付着分離シートが貼着されているので、コンクリートが凹凸や起毛に食い込むことがなくなり、コンクリートの強度発現後の脱型を容易に行うことができる。
廃材再生型枠板は、廃プラスチック,廃ガラスなどの産業廃棄物を粉砕した後に、有機系樹脂などのバインダーで一体化させて板状に形成する方法、または、廃プラスチック,廃ガラスなどの産業廃棄物を粉砕した後に、溶融一体化させて板状に形成する方法の何れによっても製造することができる。
前記コンクリート付着分離シートは、ビニル,テフロンなどの合成樹脂系不透水性シート、または、前記不透水性シートに貫通孔を形成した透水シート、あるいは、コンクリートの剥離性改良加工が施された不織布や織布からなる透水性繊維シートから選択する。
前記廃材再生型枠板には、透水性を持たせることができる。この構成によると、廃材再生型枠板とコンクリート付着分離シートの双方に透水性を持たせることが可能になり、打設されたコンクリート中の空気と水を、型枠を通じて外部に排出させることができるので、コンクリート表面にあばたの低減,コンクリートの耐久性(塩分浸透,中性化,凍結融解などの各性状)を向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明にかかるコンクリート打設用型枠の第1実施例を示している。
【0009】
同図に示したコンクリート打設用型枠10は、廃材再生型枠板12と、コンクリート付着分離シート14とを備えている。廃材再生型枠板12は、以下に説明する2つの製造方法で製造される。
ガラスビンなどの廃ガラス、または、貝殻 , 蠣殻からなる産業廃棄物をチップ状に細かく粉砕した後に、エポキシ樹脂などの有機系樹脂からなる接着性バインダーを混合し、バインダーを硬化させることで一体化させて板状に形成する製造方法。
ガラスビンなどの廃ガラス、または、貝殻 , 蠣殻からなる産業廃棄物をチップ状に細かく粉砕した後に、高熱で溶融一体化させて板状に形成する製造方法。
【0010】
このような方法で板状に成形された廃材再生型枠板12は、図1に示すように、通常、両側面に凹凸や起毛が発生している。一方、コンクリート付着分離シート14は、本実施例の場合には、ビニル,テフロンなどの合成樹脂系不透水性シートから構成され、廃材再生型枠板12のコンクリートCの打設側の面に、接着剤などにより貼着されている。
【0011】
このように構成されたコンクリート打設用型枠10を用いてコンクリートCを打設すると、打設されたコンクリートCと、凹凸や起毛が発生している廃材再生型枠板12との間に、コンクリート付着分離シート14が介在しているので、コンクリートCが凹凸や起毛に食い込むことが防止される。
【0012】
このため、打設されたコンクリートCの強度が発現されて、廃材再生型枠板12を脱型する際には、型枠板12にコンクリートCが付着することがなくなり、この結果、簡単に廃材再生型枠板12を離脱することができる。
【0013】
このように廃材再生型枠板12の脱型が簡単に行えると、この型枠板12の転用が可能になり、経済的な面でも非常に有利になる。
【0014】
図2は、本発明にかかるコンクリート打設用型枠の第2実施例を示している。
同図に示したコンクリート打設用型枠10aは、廃材再生型枠板12aと、コンクリート付着分離シート14aとを備えている。
【0015】
本実施例の廃材再生型枠板12aは、透水性を有している。また、コンクリート付着防止シート14aも、不透水性シートに多数の貫通孔16を穿設することにより透水性を持たせている。
【0016】
このように構成したコンクリート打設用型枠10aによれば、第1実施例と同様に、型枠板12aの脱型が容易に行えることに加えて、以下の作用効果も得られる。
【0017】
すなわち、本実施例の場合には、廃材再生型枠板12aとコンクリート付着分離シート14aの双方に透水性を持たせているので、打設されたコンクリートC中の空気と水を、型枠10aを通じて外部に排出させることができるので、コンクリート表面にあばたの低減,コンクリートの耐久性(塩分浸透,中性化,凍結融解などの各性状)を向上させることができる。
【0018】
図3は、本発明にかかるコンクリート打設用型枠の第3実施例を示している。
同図に示したコンクリート打設用型枠10bは、廃材再生型枠板12bと、コンクリート付着分離シート14bとを備えている。
【0019】
本実施例の廃材再生型枠板12bは、第2実施例と同様に、透水性を有している。また、コンクリート付着防止シート14bも、不織布な織布などの繊維シートから構成されていて、第2実施例と同様に透水性を有している。
【0020】
さらに、このシート14bは、繊維シートに撥水処理などを施すことにより、コンクリートの剥離性改良加工が施されている。このように構成したコンクリート打設用型枠10bによれば、第2実施例と同等の作用効果が得られる。
【0021】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかるコンクリート打設用型枠によれば、廃材再生型枠板の脱型が容易に行えるので、複数回の転用使用が可能になり、施工の経済性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるコンクリート打設用型枠の第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明にかかるコンクリート打設用型枠の第2実施例を示す断面図である。
【図3】本発明にかかるコンクリート打設用型枠の第3実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
10,10a,10b 型枠
12,12a,12b 廃材再生型枠板
14,14a,14b コンクリート付着分離シート

Claims (2)

  1. ガラスビンなどの廃ガラス,貝殻,蠣殻からなる産業廃棄物をチップ状に粉砕した後に、有機系樹脂などのバインダーで一体化させて板状に形成し、表面に凹凸や起毛がある廃材再生型枠板と、
    前記廃材再生型枠板のコンクリート打設側の面に貼着したコンクリート付着分離シートとを有し、
    前記コンクリート付着分離シートは、ビニル , テフロンなどの合成樹脂系不透水性シート、または、前記不透水性シートに貫通孔を形成した透水シート、あるいは、コンクリートの剥離性改良加工が施された不織布や織布からなる透水性繊維シートから選択することを特徴とするコンクリート打設用型枠。
  2. ガラスビンなどの廃ガラス,貝殻,蠣殻からなる産業廃棄物をチップ状に粉砕した後に、溶融一体化させて板状に形成し、表面に凹凸や起毛がある廃材再生型枠板と、
    前記廃材再生型枠板のコンクリート打設側の面に貼着したコンクリート付着分離シートとを有し、
    前記コンクリート付着分離シートは、ビニル , テフロンなどの合成樹脂系不透水性シート、または、前記不透水性シートに貫通孔を形成した透水シート、あるいは、コンクリートの剥離性改良加工が施された不織布や織布からなる透水性繊維シートから選択することを特徴とするコンクリート打設用型枠。
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