JP3777804B2 - インバータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ回路に接続した負荷装置の漏洩電流を検知する漏洩電流検知機能を有するインバータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のインバータ装置は、インバータ装置とは別に漏電継電器を設けたものと、漏電検知回路を有するインバータ装置の2種類がある。
【0003】
インバータ装置とは別に漏電継電器を設けたものは、インバータ装置を構成する電動機などの負荷装置に漏洩電流が発生すると、インバータ装置とは別に設けた漏電継電器が漏洩電流を検知し、インバータ装置の動作に関係なく、すぐにインバータ装置に電力を供給することを停止するよう構成していた。
【0004】
また、漏電検知回路を有するインバータ装置は、漏電検知回路が電動機などの負荷装置に漏洩電流が発生したことを検知すると、インバータ回路の動作を停止し、電動機を停止するものであり、図10に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0005】
図に示すように、零相変流器1は、通常、図11に示すように、1次側の2極の巻線に流れる電流の差に応じて2次側に電圧を出力するものであり、おおよそ電流差と出力電圧は比例関係である。なお、このときの出力電圧は、2次側巻線に並列接続された負荷抵抗値により変化する。判定部2は、通常コンパレータやワンショットマルチバイブレータなどで構成されており、零相変流器の出力電圧が所定値より低いときはハイを出力し、所定値を越えると一定期間ローを出力するもので、零相変流器1と判定部2で漏電検知回路3を構成している。
【0006】
整流回路4は4個のダイオードにより構成した整流ダイオード5とコンデンサ6とで構成し、商用電源7を全波整流し、ほとんど脈動のない直流電源をインバータ回路8に供給している。インバータ回路8は6個のスイッチング素子により3相6石で構成されており、このスイッチング素子をオンオフ制御することにより電動機9を駆動する。
【0007】
また、整流回路4はスイッチング電源10にも直流電源を供給し、この電源よりスイッチング電源75は制御手段11に約15Vの直流電源を供給している。制御手段11は、例えばマイクロコンピュータや、コンパレータなどのICにより構成しおり、漏電検知回路3が漏電を検知して信号を出力すると、その信号を受けてインバータ回路8を構成する6個のスイッチング素子をオフし、電動機9を停止させ、報知手段(図示せず)により異常報知する。
【0008】
図12は、従来のインバータ装置の他の例を示すもので、整流回路12は整流ダイオード5と2個の直列接続したコンデンサ13、14により、倍電圧整流回路を構成しており、商用電源7のピーク電圧のおよそ倍の電位となる直流電圧をインバータ回路8に供給している。それとともに、低電位側のコンデンサ14よりスイッチング電源10に直流電源を供給している。
【0009】
制御手段11は、図10に示す従来例と同様に、例えばマイクロコンピュータや、コンパレータなどのICにより構成しおり、漏電検知回路3が漏電を検知して信号を出力すると、その信号を受けてインバータ回路8を構成する6個のスイッチング素子をオフし、電動機9を停止させ、報知手段(図示せず)により異常報知する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のインバータ装置においては、インバータ装置とは別に漏電継電器を設けたものでは、漏洩電流を検知した場合、漏電継電器によりインバータ装置が動作しているかどうかに関わりなく、すぐにインバータ装置に電力を供給することを停止するため、電動機などの負荷装置を制御する電子回路に過電圧などが加わり、故障の原因になるという問題を有していた。
【0011】
また、漏電継電器がインバータ装置への電力供給を停止しても、漏電継電器インバータ装置とは別に設けているため、漏電継電器の配置箇所がわかりにくく、サービスマンなどの専門技術者にも、原因がわかりにくいという問題を有していた。
【0012】
また、漏電検知回路を有するインバータ装置では、漏電検知回路が電動機などの負荷装置に漏洩電流が発生したことを検知すると、インバータ回路の動作を停止し、電動機を停止するとともに、異常報知するが、異常報知をしている間も商用電源とインバータ装置は接続されており、以下に述べるような場合には漏洩電流が流れることがある。従って、使用者が不注意によりインバータ装置に触れると、感電するという問題を有するものであった。
【0013】
図10において、電動機9を構成する3相巻線がアース接地されると、漏洩電流が流れ、漏電検知回路3が検知し、制御手段11がインバータ回路8を停止すると、電動機9のU、V、Wの各入力端子の電位は商用電源7のアース接地された極と同電位になる。ここで、制御手段11は異常報知の動作をしており電力を消費している。
【0014】
そのため、スイッチング電源10を介して整流回路4より電力を受けることとなり、コンデンサ6は放電され、コンデンサ6の両端電圧は低下する。その後、商用電源7の電位がコンデンサ6の両端電圧より大きいときにコンデンサ6の充電電流が流れるとともに、以下の経路で漏洩電流が流れる。
【0015】
商用電源7のアース接地された極が高電位である場合は、コンデンサ6の両端電圧が商用電源7の電位より低くなっているため、アース接地点を経由して3相巻線に流れ、インバータ回路8の高電位側スイッチング素子を構成している逆接続ダイオードを流れ、コンデンサ6を流れ、整流ダイオード5を流れて、商用電源7の低電位側に達する経路を流れる。
【0016】
また、逆に商用電源7のアース接地された極が低電位のときは、整流ダイオード5を経由してコンデンサ6を流れ、インバータ回路8の低電位側スイッチング素子の逆接続ダイオードを経由して3相巻線を流れ、アース接地点を経由して商用電源7の低電位側に達する経路を流れる。
【0017】
また、図12に示す従来例では、漏電を検知しインバータ回路8を停止するが、制御手段11は動作しており、スイッチング電源10を介して低電位側コンデンサ14より電力を受けているので、低電位側コンデンサ14の両端電圧は低下する。ここで、商用電源7の極のうち2つの直列接続されたコンデンサ13、14の接続点と逆側の極がアース接地されている場合に漏洩電流は以下の経路を流れる。
【0018】
コンデンサ13、14の接続点側が高電位の場合は、商用電源7より低電位側コンデンサ14を流れ、インバータ回路8の低電位側スイッチング素子の逆接続ダイオードを経由して3相巻線を流れ、アース接地点を経由して商用電源7の低電位側に達する経路を流れる。
【0019】
また、コンデンサ13、14の接続点側が低電位の場合は、高電位側コンデンサ13が放電されず、電位が低下しないので漏洩電流は流れない。
【0020】
以上のように、整流回路4を構成するコンデンサにスイッチング電源10などの負荷が接続され、インバータ回路8を停止しても、負荷が電力を消費している場合には、コンデンサの電位が低下するため、コンデンサに充電するように漏洩電流が流れる。従って、インバータ回路8を停止するだけでは必ずしも漏洩電流を止めることはできないものである。
【0021】
なお、負荷はスイッチング電源10に限らず、例えばコンデンサの両端電圧を検知する電圧検知回路など、コンデンサを放電させるものであればよい。
【0022】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、漏電検知時にインバータ回路を停止し電動機などの負荷装置を停止するとともに、漏洩電流を遮断して使用者の感電を防止し安全性を向上し、さらに、サービスマンなどの専門の技術者が特定の操作を行うことで容易に動作復帰ができるようにすることを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、電源の一方の極がアース接地された商用電源の一方の端子と、この商用電源を整流する整流ダイオードとコンデンサとコンデンサと直列接続されたリレーとを有する整流回路との一方の入力端子を電源開閉手段により接続し、整流回路に接続したインバータ回路の出力に負荷装置を接続し、制御手段により電源開閉手段とインバータ回路を制御する。制御手段は、零相変流器を有する漏電検知回路の出力を受けてインバータ回路を停止するとともに、リレーと電源開閉手段を遮断するよう構成したものである。
【0024】
これにより、漏電検知時にインバータ回路を停止し電動機などの負荷装置を停止するとともに、漏洩電流を遮断して使用者の感電を防止できて安全性を向上することができ、さらにサービスマンなどの専門の技術者が特定の操作を行うことで容易に動作復帰をすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、電源の一方の極がアース接地された商用電源と、前記商用電源を整流する整流ダイオードとコンデンサと前記コンデンサと直列接続されたリレーとを有する整流回路と、前記商用電源の一方の端子と前記整流回路の一方の入力端子に接続する電源開閉手段と、零相変流器を有する漏電検知回路と、前記整流回路に接続したインバータ回路と、前記インバータ回路の出力に接続した負荷装置と、前記電源開閉手段と前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記漏電検知回路の出力を受けて前記インバータ回路を停止するとともに、前記リレーと前記電源開閉手段を遮断するよう構成したものであり、負荷装置に漏洩電流が流れた場合に、電源開閉手段により商用電源と整流回路の接続を遮断し、漏洩電流の電流経路を遮断することができるので、使用者の感電を防止できて安全性を向上することができる。また、電源開閉手段は制御手段により制御されているので、例えば、サービスマンなどの専門の技術者が特定の操作を行うことで、容易に動作復帰を行うことができる。さらに、リレーの出力接点をオフしたとき、インバータ回路を構成するスイッチング素子に過電圧がかかるのを防止することができるので、インバータ回路の故障を防止することができるとともに、漏洩電流も遮断することができる。
【0026】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、整流回路は、高電位側出力端子にリレーを介して接続された高電位側コンデンサと低電位側出力端子に接続された低電位側コンデンサとを直列接続することで倍電圧整流回路を構成し、前記整流回路の一方の入力端子となる前記高電位側コンデンサと前記低電位側コンデンサとの直列接続端子と商用電源の一方の端子との間に電源開閉手段を接続し、制御手段は、商用電源と電源開閉手段の直列回路に並列接続した商用電源の電圧を検知する電圧検知手段を有し、前記電圧検知手段は、商用電源より供給される電流を一方向に整流するダイオードを有するとともに、前記ダイオードのカソードを商用電源側に向けて接続したものであり、ダイオードにより漏洩電流が電圧検知手段を経由して流れる電流経路を遮断するので、漏洩電流が流れることによる電圧検知手段の誤動作を防止できるとともに、電源開閉手段とリレーをオフして、漏洩電流が流れる経路を遮断できる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0028】
(実施例1)
図1に示すように、整流回路15は、商用電源7を整流する整流ダイオード5と、コンデンサ6と、リアクタ16とで構成し、商用電源7を全波整流し殆ど脈動のない直流電圧に変換し、整流回路15に接続したインバータ回路8およびスイッチング電源10に直流電源を供給する。なお、整流回路15はこれに限定するものではなく、例えば、2つのコンデンサを直列接続して倍電圧整流回路の構成にしてもよい。
【0029】
制御手段17はマイクロコンピュータや、コンパレータなどのICにより構成し、漏電検知回路3のロー出力により、電源開閉手段18をオフ制御するとともに、インバータ回路8もオフ制御している。電源開閉手段18は、商用電源7と整流回路15とを接続し、制御手段17により制御される。
【0030】
本実施例では、電源開閉手段18は制御手段17によりオフ制御が可能なメカニカルラッチ方式のスイッチを使用しているが、特に限定するものではなく、オンオフ制御可能なリレー、双方向性サイリスタなどで構成しても構わない。メカニカルラッチ方式のスイッチは、使用者がボタンを押し込むことにより接点を閉じ、制御手段17が電気的信号を出力することで、スイッチ内部に電磁力を発生させ、ラッチ状態であったボタンを復帰させ、接点を開く構成である。
【0031】
本実施例においては、制御手段17が電源開閉手段18をオフ制御することにより、電源開閉手段18が商用電源7の両極をオフにすることで電流経路を遮断し、インバータ回路8への電力供給を停止するが、電源開閉手段18の構成はこれに限定するものではなく、例えば1個のリレーを用いて商用電源7のどちらか一方の極を遮断する構成にしてもよい。
【0032】
インバータ回路8は、パワートランジスタ(IGBT)と逆接続ダイオードに構成された6個のスイッチング素子により3相6石で構成されている。ただし、インバータ回路8を構成するスイッチング素子はこれに限定するものではなく、またインバータ回路8の回路構成についても3相6石に限定するものではなく、例えば3相3石の構成であっても構わない。
【0033】
電動機9は負荷装置を構成し、この電動機9のU、V、Wの各入力端子は、インバータ回路8のこれに対応した出力端子に接続され、インバータ回路8より電力を供給されて回転する。なお、本実施例では、電動機9は効率を上げるために直流ブラシレスモータとしているが、特に限定するものではなく、誘導電動機やスイッチトリラクタンスモータなどでも構わない。
【0034】
給水弁19、排水弁20は、制御手段17により制御されるフォトサイリスタ21、22により駆動される。ただし、フォトサイリスタ21、22は限定されるものではなく、給水弁19、排水弁20を駆動できるものであれば、その他の半導体素子であっても構わないし、リレーなどであってもよい。
【0035】
操作部23は幾つかのモーメンタリスイッチにより構成されており、使用者はスイッチを押すことにより、制御手段17に信号を出力し、制御手段17はこの出力信号に対応した動作を行う。また、報知手段24は、洗濯の残り時間や、動作時間、または前記電気洗濯機に異常が発生した場合に異常状態を表示部およびブザーにより報知するものである。
【0036】
図2は、本実施例の電動機9を備えた電気洗濯機を示すもので、水受け槽25は、内底部に撹拌翼26を回転自在に設けた洗濯兼脱水槽27を回転自在に設け、支持棒28により洗濯機本体29に吊り下げている。減速機構30は、水受け槽25の底部に設け、撹拌翼26および洗濯兼脱水槽27に動力を伝達するもので、この減速機構30の下部に電動機9を設けている。給水弁19は洗濯兼脱水槽27内に給水するものであり、排水弁20は洗濯兼脱水槽27内の洗濯水などを排水するものである。
【0037】
ここで、減速機構30は、遊星ギアを有し、撹拌翼26を回転駆動する際には、太陽歯車を電動機9の回転軸によって駆動し、遊星ギアの回転を撹拌翼26に伝達する構成により、1/6に減速するとともに電動機9の出力トルクを6倍に変換する。脱水行程などにおいて洗濯兼脱水槽27を回転する場合には、特に図示してないが、クラッチ機構により減速機構30を電動機9の出力軸より切り離し、洗濯兼脱水槽27を減速機構30なしで電動機9にて直接駆動する。
【0038】
以上のように、図2に示した電気洗濯機においては、電動機9が水受け槽25の中心に配設されるので、水受け槽25の重量バランスが良好となり、バランスを取るために、重量を増加させる必要がなくなるという効果と、ボールベアリングなどの構成要素を減速機構30の構成要素と共用する効果により電気洗濯機の軽量化を実現することができる。
【0039】
しかし、この電動機9の構成に限定するものではなく、例えばベルトにより電動機9の動力を減速機構30に伝える構成を取るものや、減速機構30を設けずに洗濯行程においても、直接動力を撹拌翼26に伝える構成であってもよい。
【0040】
上記構成において、漏電検知時の動作について説明する。図3は漏電検知時の各部の波形である。図3(a)は零相変流器1の1次側の2極の巻線に流れる電流の差、すなわち漏洩電流である。なお、漏洩電流は必ずしも図3(a)のような波形になるわけではなく、負荷装置の構成によりいろいろな波形になるものであるが、本実施例においては、代表的な漏洩電流波形を用いて説明することにする。(b)は零相変流器1の出力電圧波形、(c)は判定部2の出力電圧波形、(d)は制御手段17からインバータ回路8へのオンオフ指令、(e)は制御手段17から電源開閉手段18への開閉指令である。
【0041】
電動機9が水につかるなどして漏洩電流が流れると、図3(a)に示すように、零相変流器1の1次側の2極の巻線間に電流差が生じ、2次側巻線に(a)の波形に応じた電圧波形(b)を出力する。判定部2は図3(b)に示す電圧波形が所定値Vsまたは−Vsを越えたところで、一定期間ローを出力する。このとき、1次側の2極の巻線に流れる電流差はIsまたは−Isになっている。
【0042】
一般的に漏電検知は、雷サージによる誤動作などを防止するために、判定部2にカウンタなどを備えておき、図3(b)に示す電圧波形が所定値を数回越えた時点で漏電と判定することが多いが、特にこれに限定するものではない。なお、本実施例においては、図3(b)に示す電圧波形が所定値を2回越えたところで、図3(c)に示すように、判定部2が漏電と判定し、所定期間Ts1の間ローを出力する。
【0043】
制御手段17を構成するマイクロコンピュータは、判定部2のロー出力を検知し、その後所定期間Ts2の間ロー出力であれば、漏電していると判定し、まずインバータ回路8の動作を停止するように、図3(d)に示すように、オフ指令を出力する。その後、図3(e)のように、所定期間Ts3経過した時点で電源開閉手段18を遮断し、商用電源7と整流回路15の接続をオープンにする。
【0044】
それにより、インバータ回路8、電動機9、整流回路15、給水弁19、排水弁205への電力供給を停止するとともに、漏洩電流の経路を遮断し、漏電を防止する。
【0045】
以上のように、電動機9に漏洩電流が流れると、零相変流器1の1次側の2極の巻線に流れる電流に差が生じ、この電流差に応じて零相変流器1の2次側に発生する出力電圧を判定部2が検知し、制御手段17に出力し、制御手段17がこの信号を検知し、電源開閉手段18をオフすることで、電源開閉手段18を構成しているメカニカルラッチ方式のスイッチの接点をオフにし、その結果、商用電源7の両極がオープンになり、従来例で述べたような漏洩電流の経路を遮断するので漏電を防止できる。
【0046】
また、メカニカルラッチ方式のスイッチにより、電源開閉手段18は本実施例の電気洗濯機の電源スイッチと共用化することが可能となり、電気洗濯機の待機電力を0Wにできる。
【0047】
また、本実施例においては、インバータ回路8の制御および電源開閉手段18のオフ制御を制御手段17で行うことにより、インバータ回路8の動作を先に停止してから電源開閉手段18をオフすることができるので、インバータ回路8の動作を停止せずに電源開閉手段18をオフした場合に、電動機9の回り込み電流などによりインバータ回路8に過電流、過電圧などがかかるのを防止できるので、インバータ回路19の故障を防止するができる。
【0048】
(実施例2)
図1に示す制御手段17は、操作部23により異常報知を行うよう設定している場合は、漏電検知回路3が漏洩電流を検知するとインバータ回路8を停止し、報知手段24により異常を報知するにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0049】
上記構成において図4を参照しながら動作を説明する。電動機9が水に接触し、電動機9を構成する3相巻線がアース接地され、漏洩電流が図3(a)のように流れると、図3(b)のように零相変流器1の二次側巻線に電圧が出力され、判定部2が図3(c)のように所定期間Ts1の間ローを出力する。漏電検知回路3がローを出力すると同時に、ステップ61にて、制御手段17はこのロー出力を検知して、漏電検知サブルーチンを開始し、ステップ62において、インバータ回路8の動作を停止する。
【0050】
その後、ステップ63で、漏電検知回路3のロー出力がTs2の間続いているかを確認し、続いていない場合はステップ64にてノイズと判定し、漏電検知サブルーチンを終了する。ステップ63において、漏電検知回路3のロー出力が所定期間Ts2の間続いていること確認した場合は、ステップ65において、操作部23により漏電異常報知の設定がされているかを確認する。
【0051】
漏電異常報知の設定がなされている場合には、ステップ66で報知手段24により漏電異常を報知し、その後ステップ67で電源開閉手段18を遮断し、漏電電流の経路を遮断する。また、ステップ65において、漏電異常報知の設定がされていない場合は、ステップ68で、図3(e)のように漏電判定から所定時間Ts3経過したところで電源開閉手段18を遮断し、漏洩電流の経路を遮断する。
【0052】
以上のように、操作部23により漏電の異常報知を設定することにより、電動機9が漏電していることを確認することができる。
【0053】
なお、通常は、使用者の感電を防止するために、漏洩電流が流れると、すぐに電流開閉手段18を遮断し、漏洩電流の経路を遮断していたが、制御手段17の電源をコンデンサ6から供給している場合においては、異常報知を行うことができなかった。したがって、使用者から見るとどの異常であるかを確認できないものであった。
【0054】
しかし、サービスマンなどの専門技術者が操作部23で漏電の異常報知を行うために一般の使用者が知らない特定の設定をすることにより、電動機9の漏電を確認でき、使用者の感電を防止するとともに、漏電の異常報知も可能となる。
【0055】
なお、本実施例においては、電動機9が漏電した場合について述べたが、電気洗濯機のように、給水弁19、排水弁20などの負荷を備える機器においては、これらの負荷が漏電することもある。この場合についても、使用者の感電を防止するために、前述したような漏電検知および漏電防止の動作を行うことができる。
【0056】
(実施例3)
図5に示すように、第1のリレー31は、電源開閉手段を構成するもので、商用電源7の一方の端子と整流回路32の一方の入力端子に接続している。整流回路32は整流ダイオード5、リアクタ16、コンデンサ6と第2のリレー33の出力接点の直列回路により構成し、第2のリレー33の出力接点をオンすることにより、商用電源7を全波整流し、殆ど脈動のない直流電圧に変換して、この直流電圧をインバータ回路8に供給する。
【0057】
制御手段34はマイクロコンピュータなどで構成し、漏電検知回路3のロー出力を受けてフォトサイリスタ21、22、インバータ回路8をオフし、第1のリレー31、第2のリレー33の出力接点をオフするよう構成している。
【0058】
上記構成において、電動機9の3相巻線がアース接地され漏洩電流が流れるときの経路について説明する。図5の第1のリレー31の出力接点がオフで、第2のリレー33の出力接点がオンのときについて説明する。
【0059】
第1のリレー31の出力接点がオフすると、商用電源7から整流回路32に電力は供給されなくなり、コンデンサ6の電位は低下し、殆ど0Vとなる。すると、インバータ回路8を構成するスイッチング素子の逆接続ダイオードが逆バイアスされなくなり、漏洩電流がアノードからカソードに流れることが可能になる。
【0060】
まず、商用電源7の第1のリレー31と接続されている極がアース接地されている場合について述べる。
【0061】
アース接地された極が高電位の場合は、アース接地点を通じて3相巻線を流れ、インバータ回路8の高電位側のスイッチング素子の逆接続ダイオードをアノードからカソードに向けて流れ、コンデンサ6を経由して整流ダイオード5を流れ、商用電源7の低電位側に達する経路で漏洩電流は流れる。
【0062】
逆に、アース接地された極が低電位の場合は、商用電源7の高電位側より整流ダイオード5を経由してリアクタ16を流れ、コンデンサ6を経由して、インバータ回路8の低電位側スイッチング素子の逆接続ダイオードを流れ、3相巻線を流れて、アース接地点を通じて商用電源7の低電位側に至る経路で漏洩電流が流れる。
【0063】
つぎに、商用電源7の第1のリレー31と接続されていない極がアース接地されている場合は、第1のリレー31の出力接点をオフしているため漏洩電流は流れない。
【0064】
以上のように、電動機9の3相巻線がアース接地された場合は、漏洩電流は必ず第2のリレー33の出力接点を経由することになる。従って、漏電検知がなされた場合は、第2のリレー33の出力接点も第1のリレー31の出力接点とともにオフすることで漏電を防止することができる。
【0065】
(実施例4)
図6に示すように、電源入りスイッチ35は、操作部23に配設したモーメンタリスイッチで構成し、抵抗36と直列接続して起動回路37を構成している。電源開閉手段38は起動回路37と第1のリレー39の出力接点を並列接続して構成するとともに、商用電源7の一方の端子と整流回路40の一方の入力端子に接続している。
【0066】
整流回路40は整流ダイオード5、2個のコンデンサ41、42の直列回路、第2のリレー43により構成しており、第2のリレー43の出力接点はコンデンサ41の一方の端子と、整流ダイオード5の高電位側の出力端子に接続している。整流回路40は制御手段44が第1のリレー39、第2のリレー43の出力接点をオンすることにより、商用電源7の入力電圧のピーク値のおよそ2倍の電位となる直流電圧をインバータ回路8に出力している。
【0067】
制御手段44は、マイクロコンピュータ45や漏電検知回路3の出力に接続し、漏電検知回路3がローを出力すると、ロー出力を保持するRSフリップフロップなどで構成されているラッチ回路46、ラッチ回路46の出力信号およびマイクロコンピュータ45からインバータ回路8へのオンオフ信号を入力し、その論理積をインバータ回路8にオンオフ出力するアンド回路47などのICにより構成している。
【0068】
この制御手段44は、フォトトライアック21、22をオンオフ制御することにより給水弁19、排水弁20を駆動したり、インバータ回路8を制御することで電動機9を駆動し、上記実施例1の電気洗濯機と同様に洗濯脱水行程の制御を行うともに、第1のリレー39、第2のリレー43の出力接点をオンオフ制御することで、これら各負荷に電力を供給したり停止したりする。
【0069】
電圧検知回路48は抵抗49、50の直列回路で構成し、コンデンサ41、42の直列回路に並列接続している。マイクロコンピュータ45は抵抗49、50の接続点の電圧を検知し、この検知電圧により、第2のリレー43のオンオフ状態を判定している。スイッチング電源51は制御手段44および漏電検知回路3の電源であり、スイッチング電源51はコンデンサ42から直流電源を供給されることで、制御手段44および漏電検知回路3に15Vの直流電源を供給している。
【0070】
上記構成において、電動機9を構成する3相巻線がアース接地され、漏洩電流が流れた場合の漏洩電流の経路について説明する。まず、商用電源7と第1のリレー39の接続点がある側の極がアース接地されている場合に、第1のリレー39の出力接点をオフし、第2のリレー43の出力接点をオンした時の漏洩電流の経路について述べる。
【0071】
第1のリレー39の出力接点をオフすると、商用電源7より電力が供給されなくなり、2つのコンデンサ41、42の電位が低下し、最後には殆ど0Vになり、インバータ回路8を構成する6個のスイッチング素子を構成している逆接続ダイオードが逆バイアスされなくなり、アノードからカソードへ漏洩電流が流れることが可能となる。
【0072】
すると、商用電源7のアース接地された極が高電位側の場合は、商用電源7のアース接地点を経由して3相巻線をインバータ回路8に向けて流れ、インバータ回路8の高電位側スイッチング素子を構成している逆接続ダイオードのアノードからカソードに向けて流れ、第2のリレー43、コンデンサ41、42および電圧検知回路48を経由して流れ、整流ダイオード5を流れ、商用電源7の低電位側の極に達する経路で漏洩電流が流れる。
【0073】
逆に、商用電源7のアース接地された極が低電位側の場合は、商用電源7の高電位側から整流ダイオード5を経由して流れ、第2のリレー43を流れ、コンデンサ41、42および電圧検知回路48を流れ、最後にインバータ回路8を構成する低電位側スイッチング素子を構成している逆接続ダイオードのアノードからカソードに向けて流れ、3相巻線に流れてアース接地を経由して商用電源7の低電位側に流れる。
【0074】
つぎに、第1のリレー39の接続された側とは逆の極がアース接地されている場合は、第1のリレー39の出力接点をオフしているので漏洩電流は流れない。
【0075】
以上のように、電動機9に漏洩電流が発生した場合に、電源開閉手段38を構成する第1のリレー39により、商用電源7のいずれか一方の極のみを遮断し、電源をオフするだけでは漏洩電流を遮断できないことがわかる。しかしながら、漏洩電流が流れる場合は常に第2のリレー43を経由して流れているので、制御手段44により漏電検知回路3の出力を検知し、第1のリレー39とともに第2のリレー43の出力接点をオフすることで、漏洩電流の経路を遮断し、漏電を防止することができる。
【0076】
(実施例5)
図6に示す制御手段44は、商用電源7と整流回路40を接続する際には、まず第1のリレー39の出力接点を閉じ、所定時間後、第2のリレー43の出力接点を閉じるようにしている。他の構成は上記実施例4と同じである。
【0077】
上記構成において、図7を参照しながら電源オン時の動作を説明する。図7において、(a)は電源入りスイッチ35のオンオフ状態、(b)は整流回路40への入力電流、(c)は第1のリレー39の出力接点のオンオフ状態、(d)は第2のリレー43の出力接点のオンオフ状態、(e)はコンデンサ42の電圧Vc1の波形、(f)はコンデンサ41、42の直列回路の両端電圧Vc2の波形、(g)は制御手段44の電源であるスイッチング電源51の出力電圧を示している。
【0078】
図7の時刻t1において使用者が電源入りスイッチ35を押すと、図7(b)に示すように、商用電源7から電源入りスイッチ35の接点と抵抗36を経由してコンデンサ42を充電する電流が流れる。つまり、商用電源7と第1のリレー39が接続されている極側が高電位である場合に、商用電源7から電源入りスイッチ35、抵抗36、コンデンサ42、整流ダイオード5を経由して商用電源7の低電位側の極にいたる経路で電流が流れ、コンデンサ42が図7(e)に示した電圧波形Vc1のように充電される。この間、コンデンサ42を充電する電流は、抵抗36で制限されている。
【0079】
時刻t2で、コンデンサ42の電圧が所定値Vsになると、制御手段44の電源であるスイッチング電源51の出力電圧が図7(g)に示すように立ち上がり、制御手段44に直流電源を供給する。制御手段44は直流電源が供給されると、時刻t3で、第1のリレー39の出力接点を図7(c)のようにオン状態に保持する。すると、商用電源7のピーク位相において、その時の商用電源7の電圧とコンデンサ42の電圧の差分の電圧(141−Vs)Vが印加され、これによるインラッシュ電流が第1のリレー39の出力接点を通じてコンデンサ42に流れる。
【0080】
その後、図7(a)に示すように、電源入りスイッチ35を押してからおよそ300ms程経過した時刻t4で、使用者が電源入りスイッチ35をオフしているが、既に制御手段44が第1のリレー39の出力接点をオンしているので、コンデンサ42に商用電源7より電力供給を行うことが可能となる。
【0081】
つぎに、制御手段44は第1のリレー39の出力接点をオンしてから所定時間Ts10経過後の時刻t5に第2のリレー43の出力接点を図7(d)に示すように、オン状態に保持する。すると商用電源7が第1のリレー39が接続されていない極側が高電位のときに商用電源7から整流ダイオード5、第2のリレー43の出力接点を通じてコンデンサ41を充電する電流が流れ、コンデンサ41、42の直列回路の両端電圧Vc2は、図7(f)に示すように約282Vまで立ち上がる。
【0082】
その後、制御手段44は、給水弁19、排水弁20、インバータ回路8を制御することで、電気洗濯機の洗濯脱水行程を制御する。
【0083】
以上のように第1のリレー39の出力接点がオンしてから所定時間Ts10経過後に第2のリレー43の出力接点をオンすることにより、コンデンサ41、42へのインラッシュ電流が過大になることを防止し、その結果、第1のリレー39、第2のリレー43、整流ダイオード5や、本実施例では特に図示していないが第1のリレー39に直列接続したヒューズなどの電源開閉手段38および整流回路40を構成する部品を最大定格の低いものにすることが可能となる。
【0084】
また、コンデンサ41、電圧検知回路48を経由して流れるコンデンサ42の放電電流により、コンデンサ41を逆バイアスする期間を極力抑えることでコンデンサ41の故障を極力防止することができる。
【0085】
(実施例6)
図6に示す漏電検知回路3が漏洩電流を検知すると、制御手段44は、漏電検知回路3の出力を受けてまずインバータ回路8を停止し、その後、第1のリレー39と第2のリレー43の出力接点をオフにするようにしている。他の構成は上記実施例4と同じである。
【0086】
上記構成において、図8を参照しながら漏洩電流が流れたときの動作を説明する。図8において、(a)は零相変流器1の1次側の2極の巻線に流れる電流の差を示している。(b)は零相変流器1の2次側の出力電圧の波形、(c)は判定部2の出力波形すなわち漏電検知回路3の出力波形、(d)はインバータ回路8のオンオフ状態、(e)は電動機9の3相巻線の内の1相に流れる電流波形、(f)は第1のリレー39の出力接点のオンオフ状態、(g)は第2のリレー43の出力接点のオンオフ状態を示している。
【0087】
電動機9が水に接触し、電動機9を構成する3相巻線がアース接地され、漏洩電流が流れると、図8(a)に示すように、零相変流器1の1次側の2極の巻線間に電流差が生じ、2次側の出力端子に、図8(b)に示すように、電流差の波形に応じた電圧波形を出力する。判定部2は電圧波形が所定値Vsまたは−Vsを越えたところで、図8(c)に示すように、一定期間ローを出力する。このとき、1次側の2極の巻線に流れる電流差はIsまたは−Isになっている。
【0088】
一般的に漏電検知は、雷サージによる誤動作などを防止するために、判定部2にカウンタなどを備えておき、図8(b)に示す電圧が所定値を数回越えた時点で漏電と判定することが多いが、特にこれに限定するものではない。なお、本実施例においては、所定値を2回越えたところで、図8(c)のように判定部2が漏電と判定し、所定期間Ts1の間ローを出力している。
【0089】
ラッチ回路46は漏電検知回路3がロー出力するとすぐに、インバータ回路8のオフを示すロー出力の状態を保持する。アンド回路47はラッチ回路46からロー出力を受けている間、インバータ回路8へのオフ信号を出力し、3相巻線に流れる電流を停止する。
【0090】
それとともに、マイクロコンピュータ45は判定部2がロー出力したことを検知し、このロー出力が所定期間Ts2の間続いたら、漏電していると判定し、漏電判定から所定期間Ts11経過後に、アンド回路47にインバータ回路へのオフ信号を出力するとともに、図8(e)、(f)のように第1のリレー39と第2のリレー43の出力接点を同時にオフし、漏洩電流の電流経路を遮断する。
【0091】
なお、本実施例においては、漏洩電流が発生してから第1のリレー39、第2のリレー43の出力接点をオフするまでの時間は使用者の感電を防ぐために100ms以内になるように、所定期間Ts2およびTs11をマイクロコンピュータ45に予め設定している。
【0092】
一般に、インバータ回路8が電動機9を駆動している状態で、第2のリレー43の出力接点をオフすると、3相巻線に流れる回生電流により、インバータ回路8の入力端子間に接続されたノイズ防止用コンデンサが充電され、インバータ回路8のスイッチング素子に過電圧がかかり、スイッチング素子が故障することがある。
【0093】
本実施例においては、ノイズ防止用コンデンサは図示していないが、この容量はコンデンサ41、42の容量に比べかなり小さい値となっていることが多く、わずかな電流で瞬時に過電圧になるまで充電される。
【0094】
従って、図8を用いて説明したように、電動機9に漏洩電流が流れると、制御手段44がまずインバータ回路8を停止し電動機9の3相巻線に流れる電流を停止することで、3相巻線に流れる回生電流をなくし、その後、第1のリレー39、第2のリレー43の出力接点を同時にオフすることにより、漏洩電流の経路を遮断する。
【0095】
これにより、使用者の感電を防止できるとともに、インバータ回路8の故障も防止することができる。
【0096】
(実施例7)
図9に示すように、電圧検知回路52は、ダイオード53、抵抗54、フォトカプラ55の直列回路と、フォトカプラ55の入力端子に逆接続したダイオード56、フォトカプラ55のコレクタ端子に接続したプルアップ抵抗57とで構成し、商用電源7の第1のリレー58が接続されている極側が高電位である場合は、ローを制御手段59に出力し、逆に低電位である場合は、ハイを制御手段59に出力するよう構成している。
【0097】
制御手段59は、この信号に同期して、インバータ回路8の制御および第1のリレー58、第2のリレー60の制御を行っている。
【0098】
上記構成において、第1のリレー58、第2のリレー60の出力接点がオフ状態の場合に、電動機9が水につかり、電動機9を構成する3相巻線に漏洩電流が流れるときの電流経路について説明する。なお、ダイオード53の効果をはっきりさせるため、ここではダイオード53がショートされている状態の場合について述べる。
【0099】
第1のリレー58、第2のリレー60の出力接点がともにオフ状態になると、インバータ回路8に直流電圧が印加されなくなり、その結果、インバータ回路8を構成するスイッチング素子に逆接続したダイオードが逆バイアスされなくなり、漏洩電流がダイオードのアノードからカソードに向けて流れることが可能となる。
【0100】
すると、商用電源7の第1のリレー58が接続されている側の極がアース接地され、かつアース接地されていない極側が高電位の場合に、以下のような漏洩電流が流れる。
【0101】
商用電源7の高電位側から、電圧検知回路52を経由して整流ダイオード5に向かいコンデンサ42を経由して、インバータ回路8に向けて流れ、インバータ回路8を構成する低電位側のスイッチング素子を構成する逆接続ダイオードを経由して、電動機9の3相巻線を流れ、3相巻線のアース接地された地点を経由して商用電源7の低電位側に至る経路で漏洩電流が流れる。
【0102】
商用電源7のアース接地された極が高電位の場合は、第1のリレー58、第2のリレー60により、漏洩電流の経路を遮断している。また、商用電源7の第1のリレー58が接続されていない極側がアース接地された場合についても、第1のリレー58により、漏洩電流の経路を遮断できる。
【0103】
したがって、商用電源7と第1のリレー58の直列回路に接続される回路においては、図9に示した向きでダイオード53を接続することにより、漏洩電流の経路を遮断することが可能となり、使用者の感電を防止できる。
【0104】
なお、本実施例においては、電圧検知回路52を用いて漏洩電流の遮断方法を説明したが、商用電源7と第1のリレー58の直列回路に接続される回路であれば、第1のリレー58が接続されていない側がカソードとなるようにダイオード53を接続することにより、容易に漏洩電流を遮断することができる。
【0105】
以上のように、インバータ装置に漏電検知回路と電源開閉手段を設けることにより、インバータ装置を構成する電動機に漏洩電流が流れても、漏電検知回路が検知し、電源開閉手段により漏洩電流を遮断することができるとともに、インバータ装置を構成するインバータ回路の制御も同時に行うことにより、漏電検知時の漏電遮断時に発生する過電圧、過電流などを抑えることができるので、故障の少なくかつ安全なインバータ装置を実現できる。
【0106】
なお、上記各実施例に示したインバータ装置、電気洗濯機、漏電検知及び漏電防止の方式は一例であり、これに限定するものではない。また、インバータ装置を備えた電気機器も電気洗濯機に限定するものではなく、例えば食器洗い乾燥機などで、インバータ装置を備えても構わない。また、インバータ回路に接続した負荷装置も電動機に限定するものでない。
【0107】
また、漏電検知回路についても、インバータ装置を構成する電動機だけでなく、その他の負荷装置の漏電も同時に検知して構わない。
【0108】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、電源の一方の極がアース接地された商用電源と、前記商用電源を整流する整流ダイオードとコンデンサと前記コンデンサと直列接続されたリレーとを有する整流回路と、前記商用電源の一方の端子と前記整流回路の一方の入力端子に接続する電源開閉手段と、零相変流器を有する漏電検知回路と、前記整流回路に接続したインバータ回路と、前記インバータ回路の出力に接続した負荷装置と、前記電源開閉手段と前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記漏電検知回路の出力を受けて前記インバータ回路を停止するとともに、前記リレーと前記電源開閉手段を遮断するよう構成したから、負荷装置に漏洩電流が流れた場合に、電源開閉手段により商用電源と整流回路の接続を遮断し、漏洩電流の電流経路を遮断することができるので、使用者の感電を防止できて安全性を向上することができる。また、電源開閉手段は制御手段により制御されているので、例えば、サービスマンなどの専門の技術者が特定の操作を行うことで、容易に動作復帰を行うことができる。さらに、リレーの出力接点をオフしたとき、インバータ回路を構成するスイッチング素子に過電圧がかかるのを防止することができるので、インバータ回路の故障を防止することができるとともに、漏洩電流も遮断することができる。
【0109】
また、請求項2に記載の発明によれば、整流回路は、高電位側出力端子にリレーを介して接続された高電位側コンデンサと低電位側出力端子に接続された低電位側コンデンサとを直列接続することで倍電圧整流回路を構成し、前記整流回路の一方の入力端子となる前記高電位側コンデンサと前記低電位側コンデンサとの直列接続端子と商用電源の一方の端子との間に電源開閉手段を接続し、制御手段は、商用電源と第1のリレーの直列回路に並列接続した商用電源の電圧を検知する電圧検知手段を有し、前記電圧検知手段は、商用電源より供給される電流を一方向に整流するダイオードを有するとともに、前記ダイオードのカソードを商用電源側に向けて接続したから、ダイオードにより漏洩電流が電圧検知手段を経由して流れる電流経路を遮断するので、漏洩電流が流れることによる電圧検知手段の誤動作を防止できるとともに、第1のリレーと第2のリレーをオフして、漏洩電流が流れる経路を遮断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例のインバータ装置を備えた電気洗濯機の一部ブロック化した回路図
【図2】 同インバータ装置を備えた電気洗濯機の断面図
【図3】 同インバータ装置を備えた電気洗濯機の漏電検知時の動作タイムチャート
【図4】 本発明の第2の実施例のインバータ装置を備えた電気洗濯機の漏電検知サブルーチンのフローチャート
【図5】 本発明の第3の実施例のインバータ装置を備えた電気洗濯機の一部ブロック化した回路図
【図6】 本発明の第4の実施例のインバータ装置を備えた電気洗濯機の一部ブロック化した回路図
【図7】 本発明の第5の実施例のインバータ装置を備えた電気洗濯機の電源スイッチオン時の動作タイムチャート
【図8】 本発明の第6の実施例のインバータ装置を備えた電気洗濯機の漏電検知時の動作タイムチャート
【図9】 本発明の第7の実施例のインバータ装置を備えた電気洗濯機の一部ブロック化した回路図
【図10】 従来のインバータ装置の一部ブロック化した回路図
【図11】 同インバータ装置の漏電検知回路を構成する零相変流器の入出力特性図
【図12】 従来のインバータ装置の他の例の一部ブロック化した回路図
【符号の説明】
1 零相変流器
3 漏電検知回路
5 整流ダイオード
6 コンデンサ
7 商用電源
8 インバータ回路
9 電動機(負荷装置)
15 整流回路
17 制御手段
18 電源開閉手段
Claims (2)
- 電源の一方の極がアース接地された商用電源と、前記商用電源を整流する整流ダイオードとコンデンサと前記コンデンサと直列接続されたリレーとを有する整流回路と、前記商用電源の一方の端子と前記整流回路の一方の入力端子に接続する電源開閉手段と、零相変流器を有する漏電検知回路と、前記整流回路に接続したインバータ回路と、前記インバータ回路の出力に接続した負荷装置と、前記電源開閉手段と前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記漏電検知回路の出力を受けて前記インバータ回路を停止するとともに、前記リレーと前記電源開閉手段を遮断するよう構成したインバータ装置。
- 整流回路は、高電位側出力端子にリレーを介して接続された高電位側コンデンサと低電位側出力端子に接続された低電位側コンデンサとを直列接続することで倍電圧整流回路を構成し、前記整流回路の一方の入力端子となる前記高電位側コンデンサと前記低電位側コンデンサとの直列接続端子と商用電源の一方の端子との間に電源開閉手段を接続し、制御手段は、商用電源と第1のリレーの直列回路に並列接続した商用電源の電圧を検知する電圧検知手段を有し、前記電圧検知手段は、商用電源より供給される電流を一方向に整流するダイオードを有するとともに、前記ダイオードのカソードを商用電源側に向けて接続した請求項1記載のインバータ装置。
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